JP2016049483A - 逆浸透膜用洗浄剤および逆浸透膜の洗浄方法 - Google Patents

逆浸透膜用洗浄剤および逆浸透膜の洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】逆浸透膜、膜モジュールなどを劣化させることがなく、人や環境に対して安全で取扱性に優れ、且つ透過流束、選択透過率などの性能を短時間での洗浄によっても回復させることができる、逆浸透膜用洗浄剤および逆浸透膜の洗浄方法を提供する。【解決手段】水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤と、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤と、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどの有機溶媒とを純水で希釈して洗浄剤を得る。この洗浄剤を汚染物質の付着した逆浸透膜に接触させて逆浸透膜を洗浄する。【選択図】図1

Description

本発明は、逆浸透膜用洗浄剤、および逆浸透膜の洗浄方法に関する。より詳細に、本発明は、逆浸透膜または膜モジュールを劣化させることがなく、人や環境に対して安全で取扱性に優れ、且つ透過流束、選択透過率などの性能を短時間での洗浄によっても回復させることができる、逆浸透膜用洗浄剤および逆浸透膜の洗浄方法に関する。
逆浸透膜は、液体濃縮、脱塩、純水製造その他の水処理などに使用されている。逆浸透膜は、水処理などに使用している間に、種々の物質によって汚染され、透過流束が低下したり、選択透過率が低下したりする。性能の低下した逆浸透膜は、洗浄によって性能を回復させ、再利用される。
逆透過膜の洗浄方法において、洗浄剤が使用されることがある。特許文献1は、洗浄剤として、脱カルシウム処理されたpH10〜14のアルカリ洗浄液を用いることを提案している。特許文献1は、係るアルカリ洗浄液に、酸化剤、還元剤、界面活性剤、キレート剤などの補助剤を含有させることができると述べている。
特許文献2は、逆浸透膜を酸性溶液で洗浄し、次いでホルマリンとアルカリ助剤と界面活性剤とを含有するpH9以上のアルカリ性溶液で洗浄することを提案している。
特許文献3は、洗浄剤として、低級脂肪族アルコールやエーテルなどの有機溶媒と、界面活性剤とを併用することを提案している。また、特許文献4は、酸性溶液とアルカリ性溶液とを交互に用いることを開示している。
特開2005−28329号公報 特開平10−66972号公報 特開昭58−119304号公報 特開2013−248547号公報
アルカリ洗浄液による洗浄は、汚染の度合いが激しい逆浸透膜を短時間で回復させることが困難であり、また透過流束の回復率も100%に至らない場合が多い。メタノールやエーテル類などの有機溶媒による洗浄は、有機物で汚染された逆浸透膜の洗浄に高い効果をもたらすが、逆浸透膜または膜モジュールを劣化させるおそれがある。逆浸透膜または膜モジュールの劣化を防ぐために有機溶媒濃度を下げる手段も考えられるが、洗浄効果が低下する。
本発明の目的は、逆浸透膜または膜モジュールを劣化させることがなく、人や環境に対して安全で取扱性に優れ、且つ透過流束、選択透過率などの性能を短時間での洗浄によっても回復させることができる、逆浸透膜用洗浄剤および逆浸透膜の洗浄方法を提供することである。
前記目的を達成するために検討した結果、以下の実施形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕アルカリ剤、アニオン系界面活性剤、および有機溶媒を含有して成る逆浸透膜用洗浄剤。
〔2〕pHが11以上である〔1〕に記載の洗浄剤。
〔3〕有機溶媒がジエチレングリコールモノメチルエーテルである、〔1〕または〔2〕に記載の洗浄剤。
〔4〕汚染物質が付着した逆浸透膜に〔1〕〜〔3〕のいずれかひとつに記載の洗浄剤を接触させることを有する逆浸透膜の洗浄方法。
〔5〕逆浸透膜に接触する際の有機溶媒の濃度が、逆浸透膜または膜モジュールを劣化させない濃度である、〔4〕に記載の洗浄方法。
本発明の逆浸透膜用洗浄剤および逆浸透膜の洗浄方法によれば、逆浸透膜または膜モジュールを劣化させることなく、人や環境に対しても安全で取扱性に優れ、短時間で且つ効率よく、逆浸透膜の性能を回復させることができる。この効果は、アニオン系界面活性剤を単独で用いた場合の効果と有機溶媒を単独で用いた場合の効果とアルカリ剤を単独で用いた場合の効果とを足し合わせたものよりも優れており、アニオン系界面活性剤と有機溶媒とアルカリ剤とが相乗的に作用して発揮されるものである。
本発明の洗浄剤および洗浄方法を用いて洗浄を行うと、逆浸透膜に付着していた汚染物質が洗浄剤に溶解して流出し、逆浸透膜の低下した透過流束、選択透過率等の性能を回復させることができる。
本発明の洗浄方法を実施するための装置の構成例を示す図である。 実施例で用いた平膜評価用試験装置の構成を示す図である。
本発明の一実施形態に係る逆浸透膜用洗浄剤は、アルカリ剤、アニオン系界面活性剤および有機溶媒を含有して成るものである。
本発明に用いられるアルカリ剤は、水溶液においてpHが7を超えるものである。具体的には、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属化合物などが挙げられる。これらのアルカリ剤は一種単独でまたは二種以上の組み合わせで用いることができる。アルカリ剤の量は、アニオン系界面活性剤100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは10〜80質量部、さらに好ましは20〜50質量部である。
本発明に用いられるアニオン系界面活性剤は、特に限定されない。アニオン系界面活性剤としては、アニオン性親水性部分と疎水性部分とを有するものが好ましい。アニオン系界面活性剤の具体例としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、その他のスルフォン酸塩等の化合物などが挙げられる。これらのアニオン系界面活性剤は一種単独でまたは二種以上の組み合わせで用いることができる。
本発明に用いられる有機溶媒は、アニオン系界面活性剤およびアルカリ剤と一緒に一つの液に含有させることができるものであれば特に制限されない。有機溶媒は、誘電率が、47以下のものが好ましく、21以下のものがより好ましい。有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、グリセリンなどの低級脂肪族アルコール;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類;ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸などが挙げられる。これらの有機溶媒は一種単独でまたは二種以上の組み合わせで用いることができる。本発明に好ましく用いられる有機溶媒は、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類である。
有機溶媒の量は、アニオン系界面活性剤100質量部に対して、好ましくは0.1〜5000質量部、より好ましくは1〜2500質量部である。
本発明の洗浄剤は水を含有してもよい。水としては、軟水および硬水のいずれであってもよいが、軟水が好ましく、脱イオン水、RO水または蒸留水がより好ましい。水を含有する場合、本発明の洗浄剤は水溶液の形態になっていることが好ましい。
水溶液形態の洗浄剤中におけるアルカリ剤の濃度は、pHが、好ましくは9以上になる量、より好ましくは10以上になる量、さらに好ましくは11以上になる量、よりさらに好ましくは11.5以上になる量である。
水溶液形態の洗浄剤中におけるアニオン系界面活性剤の濃度は、好ましくは0.1g/L〜50g/L、より好ましくは0.5g/L〜25g/L、さらに好ましくは1g/L〜10g/Lである。
また、水溶液形態の洗浄剤中における有機溶媒の濃度は、好ましくは10mg/L以上、より好ましくは20mg/L以上、さらに好ましくは50mg/L以上、よりさらに好ましくは500mg/L以上である。有機溶媒の濃度は、逆浸透膜または膜モジュールを劣化させない濃度であることが好ましい。
本発明に係る洗浄剤には、本発明の効果を阻害しない限り、アルカリ剤、アニオン系界面活性剤、有機溶媒および水以外に、従来の逆浸透膜用洗浄剤に使用される他の成分を含有してもよい。例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、次亜塩素酸及びその塩、酸化剤、酸、キレート剤、防腐剤、還元剤などが挙げられる。
本発明の一実施形態に係る洗浄方法は、汚染物質の付着した逆浸透膜に前記本発明の洗浄剤を接触させることを有するものである。
逆浸透膜は、逆浸透を利用して、低分子物質またはイオンと、水とを分離するために使用される半透膜である。逆浸透は、半透膜を挟んで濃縮液と透過液を配置し、濃縮液側に浸透圧を超える圧力を加えて水を透過液側に透過させることである。該半透膜に使用される材料は、特に制限されず、例えば、ポリアミド、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースなどが挙げられる。
逆浸透膜は、通常、他の部材と一体化して膜モジュールの形態にして使用される。膜モジュールとしては、ケーシング収納方式膜モジュール、槽浸漬方式膜モジュールなどが挙げられる。ケーシング収納方式膜モジュールは、逆浸透膜、それの支持体、流路材などの部材をケーシングに収納し一体化したものである。ケーシング収納方式膜モジュールとしては、例えば、スパイラル型モジュールなどの平膜を用いたモジュール、キャピラリー型モジュール、中空糸型モジュールなどの管状膜を用いたモジュールを挙げることができる。
本発明の洗浄剤または洗浄方法の対象は、逆浸透膜のうち、汚染物質が付着しているものである。逆浸透膜に汚染物質が付着していると透過流束、選択透過率およびその他の性能が低下する。付着する汚染物質は逆浸透膜の使用法によって変わる。逆浸透膜の使用法としては、液体濃縮、脱塩、純水製造等の水処理若しくはプロセス処理、およびその他の分離処理などが挙げられる。また、本発明の洗浄剤または洗浄方法は、逆浸透膜または膜モジュールの製造の段階で付着した汚染物質も洗浄除去することができるので、水処理などに使用する前の準備として、本発明の洗浄方法を使用前の逆浸透膜に適用することができる。
本発明の洗浄剤または洗浄方法は、付着している汚染物質の種類によって、特に制限されない。汚染物質は、無機系汚染物質または有機系汚染物質のいずれであってもよい。生産計画やメンテナンス作業の効率化などの観点から、逆浸透膜設備の洗浄間隔をより長くすることが求められている。洗浄間隔を長くすると、付着した汚染物質(例えば、スライム)が変性して除去しにくくなったり、流路閉塞が起きたりするが、本発明の洗浄剤または洗浄方法によれば、変性したスライムが付着したり、流路が閉塞したりした逆浸透膜または膜モジュールにおいても高い効果を発揮する。
逆浸透膜と洗浄剤とを接触させる方法は、特に制限されない。例えば、逆浸透膜を洗浄剤に浸ける方法、逆浸透膜を収納した膜モジュールを洗浄剤に浸ける方法、膜モジュールの濃縮液側または透過液側に洗浄剤を膜に並行に流す方法、膜モジュールの濃縮液側から透過液側に洗浄剤を透過させる方法などが挙げられる。洗浄剤に浸ける場合には、洗浄剤を撹拌させることができる。洗浄剤を膜に並行に流す場合に、洗浄剤を撹拌流にすることができ、または平常運転時に加える圧力よりも低い圧力を加えることができる。洗浄剤を膜に透過させる場合には、洗浄剤の浸透圧を超えるが、平常運転時に加える圧力よりも低い圧力を加えることができる。逆浸透膜と洗浄剤とを接触させる時間は、汚染の程度、洗浄剤の濃度等により適宜変更することができるが、通常、1〜30時間である。
本発明の洗浄方法においては、逆浸透膜に本発明の洗浄剤を接触させる前および/または接触させた後に、洗浄を行うことができる。
逆浸透膜に本発明の洗浄剤を接触させる前に行う洗浄(前洗浄)では、汚染物質を逆浸透膜から浮き上がらせて、剥離しやすくすることができる。前洗浄においては、硫酸等の酸またはアルカリ剤による化学的洗浄、超音波洗浄などの物理的洗浄、フラッシング洗浄を行うことが好ましい。
逆浸透膜に本発明の洗浄剤を接触させた後に行う洗浄(後洗浄)では、残留する洗浄剤または剥離した汚染物質を除去することができる。後洗浄においては、水洗浄、酸またはアルカリによる化学的洗浄、フラッシング洗浄などを行うことが好ましい。
本発明の洗浄方法を図1に基いてより具体的に説明する。
図1は本発明の洗浄方法を実施するための装置の構成例を示す図である。膜モジュール1は、逆浸透膜2を挟んで濃縮液室3と透過液室4とに区画されている。
(被処理液の膜分離)
弁V1〜V4を開き、弁V5〜V15を閉じた状態にする。弁V2は濃縮液室の圧力を調整するために開度調節することができる。被処理液槽5から被処理液を高圧ポンプP1にてラインL1を経由して濃縮液室3に被処理液の浸透圧を超える圧力にて供給する。逆浸透膜2において被処理液中の低分子物質またはイオンの透過が阻止され、透過液が透過液室4に透過する。透過液室4に透過した透過液はラインL2を経由して排出される。濃縮液は、濃縮液室3からラインL3を経由して排出される。
被処理液の長時間に亘る膜分離によって、逆浸透膜2に汚染物質が付着したり、膜モジュール1の流路が閉塞したりする。
(洗浄剤等の調製)
逆浸透膜2の透過流束、選択透過率などが所定の閾値を下回った場合に、弁V9〜V15を閉じ、弁V1〜V8を開いた状態にする。透過液(処理水)をラインL4からラインL5、L6およびL7を経由して槽6、7および8にそれぞれ供給する。例えば、槽7に、所定量のアニオン系界面活性剤、有機溶媒およびアルカリ剤を添加して、槽7において所定濃度の洗浄剤を調製することができる。また、槽8に、所定量の酸を添加して、槽8にて所定濃度の酸性溶液を調製することができる。
(洗浄剤による洗浄)
次いで、弁V1、V6、V8、V9、V11、V13およびV15を閉じ、弁V2〜V5、V7、V10、V12およびV14を開いた状態にする。槽7から洗浄剤をラインL10およびL9を経由してポンプP2にて膜モジュール1の濃縮液室3に供給して、濃縮液室を充溢させて、洗浄剤を逆浸透膜に接触させることができる。ポンプP2は高圧ポンプP1と同程度の圧力で吐出できるものであってもよいし、高圧ポンプP1より低い圧力にて吐出できるものであってもよい。濃縮液室に流動を形成させるために、洗浄剤を濃縮液室3からラインL12およびL14を経由して槽7に循環させてもよい。弁V2の開度を調節して濃縮液室の圧力を高くすると、洗浄剤が逆浸透膜を透過して透過液室4に移る。透過液は透過液室4からラインL4およびL6を通して槽7に循環させてもよい。
洗浄剤による洗浄の前または後に、酸性溶液または水(透過液)で洗浄することができる。前洗浄においては汚染物質を逆浸透膜から浮き上がらせて除去を容易にすることができる。後洗浄においては残留する洗浄剤または汚染物質を洗い流すことができる。
酸性溶液で洗浄する場合は、弁V1、V6、V7、V9、V10、V13およびV14を閉じ、弁V2〜V5、V8、V11、V12およびV15を開いた状態にする。槽8から酸性溶液をラインL11およびL9を経由してポンプP2にて膜モジュール1の濃縮液室3に供給して、濃縮液室を充溢させて、酸性溶液を逆浸透膜に接触させる。濃縮液室に流動を形成させるために、酸性溶液を濃縮液室3からラインL12およびL15を経由して槽8に循環させてもよい。弁V2の開度を調節して濃縮液室3の圧力を高くすると、酸性溶液が逆浸透膜2を透過して透過液室4に移る。透過液は透過液室4からラインL4およびL7を経由して槽8に循環させてもよい。
水(透過液)で洗浄する場合は、弁V1、V7、V8、V10、V11、V14およびV15を閉じ、弁V2〜V6、V9、V12およびV13を開いた状態にする。槽6から水(透過液)をラインL8およびL9を経由してポンプP2にて膜モジュール1の濃縮液室3に供給して、濃縮液室を充溢させて、水を逆浸透膜に接触させる。濃縮液室に流動を形成させるために、水を濃縮液室3からラインL12およびL13を経由して槽6に循環させてもよい。弁V2の開度を調節して濃縮液室の圧力を高くすると、水が逆浸透膜を透過して透過液室4に移る。透過液は透過液室4からラインL4およびL5を経由して槽6に循環させてもよい。
上記のような洗浄を行うことによって、逆浸透膜に付着していた汚染物質が除去され、透過流速、選択透過率などの性能を回復させることができる。本発明の洗浄剤は、逆浸透膜に対する洗浄効果が高く、逆浸透膜を劣化させることがなく、人や環境に対しても安全で取扱性にも優れるので、透過流束等の性能の低下した逆浸透膜を短時間で効率よく洗浄して、性能を回復させることができる。
図1の装置では調製用の水として透過液を用いているが、系外から純水、軟水等を供給してもよい。また図1の装置では、槽6、7および8を個別に設置しているが、一つの槽だけを設置してそれを共用してもよい。
本発明の他の一実施形態に係る洗浄方法は、汚染物質の付着した逆浸透膜に、アルカリ剤、アニオン系界面活性剤および有機溶媒を同時に接触させることを有するものである。前記の洗浄方法の説明では、濃縮液室3に供給する前に、槽7にてアルカリ剤、アニオン系界面活性剤および有機溶媒を水に溶解させて洗浄剤を調製しているが、槽6でアルカリ剤の水溶液を調製し、槽7でアニオン系界面活性剤を含有する液を調製し、槽8で有機溶媒を含有する液を調製することができる。そして、洗浄したいときに、槽6、7および8から、アルカリ剤の水溶液、アニオン系界面活性剤を含有する液および有機溶媒を含有する液を同時に濃縮液室3に供給して、ラインL9または濃縮液室3内で混合させながら逆浸透膜2に接触させることもできる。
次に、実施例及び比較例を示して、本発明をより具体的に説明する。但し、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものでない。
実施例および比較例における特性値の測定は以下の方法にて行った。
〈圧力補正フラックスおよび塩透過率〉
図2は評価用試験装置の構成を示す図である。評価用試験装置の容器10の透過水室1Bの下開口部に平膜12をセットし、容器10の濃縮水室1Aの上開口部を重ね合わせて、容器10を閉じた。平膜12は、逆浸透膜と、該逆浸透膜の透過水室側を支持するための多孔質支持板とを有するものである。食塩水Wi(濃度500mg/L、pH6.5〜7.0)を、吐出量2.5mL/min、圧力0.74MPaA、回収率約50%にて、ライン19を経由して濃縮水室1Aに供給した。スターラー11の回転数を500rpmにセットして、マグネット撹拌子15にて濃縮水を撹拌した。濃縮水室1Aの圧力は、圧力計20で測定しながら弁17の開度にて調節した。入口圧力を圧力計16で測定した。平膜12を透過した液Wtを透過水室1Bからライン13経由で抜き出し、濃縮水Wcを濃縮水室1Aからライン18経由で抜き出した。入口圧力[MPaA]、濃縮水圧力[MPaA]、透過水Wtの一日当たりの排出量[m3/d]、透過水Wtの導電率[mS/m]および濃縮水Wcの導電率[mS/m]を測定した。圧力補正フラックスおよび塩透過率を下式に基いて算出した。
圧力補正フラックス
=透過水量×2×0.74/(入口圧力+濃縮水圧力)/膜面積
塩透過率(%)=透過水導電率/濃縮水導電率×100
圧力補正フラックスが洗浄によって増えることは洗浄効果があることを意味する。
アルカリ剤は逆浸透膜を劣化させないと言われている。アルカリ剤を用いての洗浄時における塩透過率の変化率を基準にして評価対象の洗浄剤を用いての洗浄時における塩透過率の変化率が大きいことは、逆浸透膜の劣化が進んでいることを意味する。
実施例1
純水に、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アニオン系界面活性剤)とジエチレングリコールモノメチルエーテル(有機溶媒)と水酸化ナトリウム(アルカリ剤)を溶解させて、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1500mg/Lとジエチレングリコールモノメチルエーテル25mg/Lと水酸化ナトリウムとを含むpH12の洗浄剤aを得た。
(洗浄前の膜性能の測定)
日東電工社製芳香族ポリアミド系RO膜「ES20」を液晶製造工場の排水回収システムにおいて長期間使用した。汚染物質が付着したRO膜(以下、汚染膜Mという。)を前記排水回収システムから取り出した。汚染膜Mを直径37mmの円形にくり抜き、試験用の逆浸透膜M1を得た。この逆浸透膜M1を多孔質支持体に支持させるよう固定して平膜12を得た。平膜12を、評価用試験装置の容器10にセットして、上述した試験方法で圧力補正フラックスおよび塩透過率を測定した。
(洗浄)
次に、容器10から濃縮水室1Aを取り外し、透過水室1Bの開口部に平膜12がセットされた状態で、平膜12が下方となるよう透過水室1Bをビーカーに満たした洗浄剤aに1時間浸漬して、逆浸透膜M1の洗浄を行った。浸漬の間、ビーカー下方に設置したスターラーを用い、マグネット撹拌子にて回転数150rpmで洗浄剤aを撹拌し続けた。
(洗浄後の膜性能の測定)
洗浄剤aから透過水室1Bを引き上げ、平膜12の表面を純水ですすぎ洗いした。次いで、透過水室1Bに濃縮水室1Aを取り付けて容器10を閉じた。上述した試験方法で圧力補正フラックスおよび塩透過率を測定した。以上の結果を表1に示す。
比較例1
純水に水酸化ナトリウムを溶解させて、水酸化ナトリウムを含むpH12の洗浄剤bを得た。
洗浄剤aを洗浄剤bに変えた以外は実施例1と同じ操作を行って、洗浄前および洗浄後における圧力補正フラックスおよび塩透過率を測定した。その結果を表1に示す。
比較例2
純水に、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを溶解させて、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1500mg/Lと水酸化ナトリウムとを含むpH12の洗浄剤cを得た。
洗浄剤aを洗浄剤cに変えた以外は実施例1と同じ操作を行って、洗浄前および洗浄後における圧力補正フラックスおよび塩透過率を測定した。その結果を表1に示す。
比較例3
純水に、ジエチレングリコールモノメチルエーテルと水酸化ナトリウムを溶解させて、ジエチレングリコールモノメチルエーテル25mg/Lと水酸化ナトリウムとを含むpH12の洗浄剤dを得た。
洗浄剤aを洗浄剤dに変えた以外は実施例1と同じ操作を行って、洗浄前および洗浄後における圧力補正フラックスおよび塩透過率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2016049483
実施例2および比較例4〜6
Hydranautics社製RO膜「ESPA2+」を工業用水製造システムにおいて長期間使用した。汚染物質が付着したRO膜(以下、汚染膜Uという。)を工業用水製造システムから取り出した。
汚染膜Mを汚染膜Uに変えた以外は実施例1および比較例1〜3と同じ操作を行って、洗浄前および洗浄後における圧力補正フラックスおよび塩透過率を測定した。それらの結果を表2に示す。
Figure 2016049483
以上の結果が示すとおり、本発明の逆浸透膜用洗浄剤は、圧力補正フラックスの変化率が比較例に比べて高く、良好な洗浄効果を奏する。また、本発明の逆浸透膜用洗浄剤は、塩透過率の変化率が、比較例2または4におけるものよりも大きくなっていないので、逆浸透膜を劣化させない。なお、比較例5は、塩透過率の変化率が小さい。しかし、これは圧力補正フラックスの変化が小さいことから、ほとんど洗浄効果が無かった(洗浄前と同じ状態にある)ためである。
以上、本発明の逆浸透膜用洗浄剤および逆浸透膜の洗浄方法は、アルカリ剤とアニオン系界面活性剤と有機溶媒との相乗効果により、逆浸透膜または膜モジュールを劣化させることなく、人や環境に対しても安全で取扱性に優れ、短時間で且つ効率よく、逆浸透膜の性能を回復させることができる。

Claims (5)

  1. アルカリ剤、アニオン系界面活性剤、および有機溶媒を含有して成る逆浸透膜用洗浄剤。
  2. pHが11以上である請求項1に記載の洗浄剤。
  3. 有機溶媒がジエチレングリコールモノメチルエーテルである、請求項1または2に記載の洗浄剤。
  4. 汚染物質が付着した逆浸透膜に、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の洗浄剤を接触させることを有する逆浸透膜の洗浄方法。
  5. 逆浸透膜に接触する際の有機溶媒の濃度が、逆浸透膜または膜モジュールを劣化させない濃度である、請求項4に記載の洗浄方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018167157A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 大阪瓦斯株式会社 Ro膜の洗浄管理方法
CN110585929A (zh) * 2019-09-10 2019-12-20 深圳市长隆科技有限公司 一种膜硫化物污染专用清洗剂
CN112915802A (zh) * 2021-02-05 2021-06-08 国家能源集团国源电力有限公司 燃煤锅炉水补给系统中反渗透装置的碱洗药剂及碱洗方法
CN114082305A (zh) * 2021-11-11 2022-02-25 西安热工研究院有限公司 用于微生物、有机物污染的反渗透清洗剂及其制备方法

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