JP2006297343A - 超純水製造供給装置の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 超純水製造供給装置の新規立ち上げ時あるいは定期検査等による休止後の再立ち上げ時に、超純水が所望の水質に至るまでの洗浄試運転時間を短縮でき、また、洗浄試運転作業を簡素化できる超純水製造供給装置の洗浄方法を提供する。
【解決手段】 一次純水を処理して超純水を製造し使用場所へ供給する超純水製造供給装置の接液部の少なくとも一部に対して、アルカリ性過酸化水素洗浄液で洗浄する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、シリコンウエハ、プリント基板等の電子部品製造工場、原子力発電所あるいは医薬品製造工場などで広く利用される超純水を製造供給する超純水製造供給装置の洗浄方法に関し、特にその立上洗浄方法に関する。
従来から、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、シリコンウエハ、プリント基板等の電子部品製造工程、原子力発電所の発電工程あるいは医薬品の製造工程においては、イオン状物質、微粒子、有機物、溶存ガス及び生菌等の不純物含有量が極めて少ない超純水が使用されている。特に、半導体デバイスをはじめとする電子部品製造工程においては、多くの超純水が使用されており、半導体デバイスの集積度の向上にともなって、超純水の純度に対する要求は益々厳しくなってきている。例えば、最先端の半導体製造用超純水の仕様は、抵抗率18.2MΩ・cm以上、0.05μm以上の微粒子数1個/mL以下、TOC1μg/L(リットル、以下同様)以下、メタル5ng/L以下と要求水質は厳しく、更に、例えば、メタル1ng/L以下と要求水質はより厳しくなる傾向にある。
このような超純水と称される高純度な水は、必ずしも「超純水」の明確な定義があるものではないが、一般的には前処理装置、一次純水装置、二次純水装置(サブシステム)で構成される超純水製造供給システムで製造される。このようなシステムにより、工業用水、市水、井水等の原水を処理して超純水を製造して供給する。前処理装置は、凝集沈澱装置や砂濾過装置等を用いて原水を除濁するものである。一次純水装置は、活性炭濾過装置、逆浸透膜装置、2床3塔式イオン交換装置、真空脱気装置、混床式イオン交換装置、精密フィルター等の少なくとも幾つかを用いて、前処理水中の不純物を除去し、一次純水とするものである。二次純水装置(サブシステム)は狭義の超純水製造装置と称すべきものである。超純水製造供給装置は一次純水を一時的に貯留する(一次)純水貯槽から各種の単位装置からなるサブシステムを経て使用場所に到達する配管系と使用場所から通常は純水貯槽に戻るリターン配管系で循環系を成した構造を持っている。使用場所は、電子部品製造工場や医薬品製造工場などでは、ユースポイント(使用点)と称されるものである。かかる超純水製造供給装置においてサブシステムは、(一次)純水貯槽の後段の有機物分解の為の紫外線酸化装置、混床式イオン交換樹脂を用いたカートリッジポリッシャー(CP)、限外濾過膜装置等の膜処理装置などを有している。
超純水製造供給システムあるいは超純水製造供給装置の新規立ち上げ時あるいは定期検査等による休止後の再立ち上げ時には、系内に混入・発生する上記の様な不純物を除去して使用場所近辺における超純水が所望の水質に至るまで洗浄試運転を行う。従って、超純水製造供給装置の起動時から所望の超純水を使用場所で使用できるまでには洗浄試運転時間が必要であるが、近年、工場の稼働効率の向上を目的として、装置の立ち上げ期間(即ち、試運転・調整期間)の短縮、いわゆる装置の垂直立ち上げと称される短期立ち上げが強く求められている。洗浄方法としては、超純水によるフラッシング・ブロー、超純水の循環、温水洗浄、過酸化水素水洗浄、アルカリ洗浄(塩基性水溶液洗浄)などが実施され、また、機能水(オゾンや水素等を溶解した水)や界面活性剤を使った洗浄方法なども提案されている。各種の洗浄方法の中から洗浄対象や目的等に応じて適切な方法が実施される。また、十分な洗浄効果を得るためには各種洗浄方法の効果を考慮して、複数の洗浄方法が段階的に実施されることもある。
上記の種々の不純物の中でも特に微粒子の除去能力を高める方法として、アルカリ洗浄を含む洗浄方法が提案されている。
特開2000−317413号公報 特開2002−192162号公報 特開2004−267864号公報
特開2000−317413号公報は、10〜100ppm程度の水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液である塩基性洗浄液で超純水製造システムを洗浄する方法を開示している。塩基性洗浄液をシステム内に循環し、洗浄後は洗浄液を排出し、次いでシステム内に超純水を導入して残留した洗浄液の除去を行う。この際に生じた洗浄排水(洗浄液を含んだ排水)の処理は、例えば、弱酸性の陽イオン交換樹脂で吸着除去する。
特開2002−192162号公報は、塩基性溶液による微粒子の洗浄除去工程を「微粒子洗浄」、過酸化水素による殺菌工程を「殺菌洗浄」、超純水による薬品置換を「押し出し洗浄」と定義し、微粒子洗浄→(押し出し洗浄)→殺菌洗浄→押し出し洗浄の順序で超純水製造システムを洗浄する方法において、微粒子洗浄後の押し出し洗浄を全く行わないか、或いは該押し出し洗浄の途中で殺菌工程に移行する(塩基性溶液に含まれていた塩基性化合物がシステム内に残留する状態で意図的に過酸化水素を注入する)方法を開示している。微粒子洗浄後の押し出し洗浄により系内の塩基性化合物が実質的に完全に排出された状態とは、系内のpHが中性になるときであるが、この方法ではそれを待たず、例えば、pHが7を超え9以下の時、好ましくは7.5〜8.5程度に低下したときに過酸化水素の注入を行うものである。押し出し洗浄は、タンクに一次純水を供給し、システム内に適宜循環させてシステム内部に残った洗浄液を排出する。
特開2004−267864号公報は、過酸化水素洗浄後に、過酸化水素が残った状態で塩基性水溶液でアルカリ洗浄を行う方法を開示している(特開2002−192162号公報の方法と工程の順序が逆)。この方法では、「押し出し洗浄」とは「押し出し」+「リンス」の両者を纏めて称するものと定義されている。塩基性化合物がアンモニア、アミン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の水酸化テトラアルキルアンモニウムの場合は、窒素放流基準などの規制値を超えない様にする注意が必要であり、生物活性汚泥による分解無害化処理や、カチオン交換樹脂による吸着処理などが適宜行われる。
特開2000−317413号公報の方法は、塩基性洗浄液に殺菌力が無く、生菌数の低減効果が無い。特開2002−192162号公報の方法は、特開2000−317413号公報の方法を改善するための方法であり、過酸化水素による殺菌を行っているが、アルカリ洗浄後に過酸化水素洗浄を行うために少なくとも2工程の薬剤洗浄が必要で、操作が煩雑で面倒である。特開2004−267864号公報の方法は、特開2002−192162号公報の方法と工程の順序が逆であるが、同じく少なくとも2工程の薬剤洗浄が必要で、操作が煩雑で面倒である。
本発明は、超純水製造供給装置の新規立ち上げ時あるいは定期検査等による休止後の再立ち上げ時に、超純水が所望の水質に至るまでの洗浄試運転時間を短縮することを可能とする超純水製造供給装置の洗浄方法を提供することを目的とする。また、本発明は、試運転作業(洗浄作業)を簡素化した超純水製造供給装置の洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明は、一次純水を処理して超純水を製造し使用場所へ供給する超純水製造供給装置の接液部の少なくとも一部に対して、アルカリ性過酸化水素洗浄液で洗浄することを特徴とする超純水製造供給装置の洗浄方法を提供するものである。
洗浄液がアルカリ性であれば、微粒子の表面電位を変化させてシステムの構成材料と電気的に反発させて、微粒子の剥離と分散を容易にする。即ち、微粒子はその表面電位により配管などに静電的に付着しているが、液のpHをアルカリ性側に変化させると、微粒子はマイナスに帯電し且つその電荷も増大するが、その一方で、装置システムや配管系等を構成するポリ塩化ビニール(PVC)、ポリ弗化ビニリデン(PVdF)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の有機高分子材料類は表面電荷の変化を起こさず、液のpHに関係なくマイナス荷電を有しており、従って両者は電気的に反発するようになり、微粒子は剥離・分散し易くなる。このような化学的洗浄効果に加えて、洗浄液の流れによる物理的な除去、剥離、拡散効果が重要となる。また、過酸化水素は、生菌数を要求水質のレベルとするための殺菌効果を示す。
アルカリ性過酸化水素洗浄液の調製に用いる塩基性化合物(アルカリ薬剤)としては、アンモニア、アミン類、水酸化テトラアルキルアンモニウム、炭酸テトラアルキルアンモニウム、重炭酸テトラアルキルアンモニウム等のアンモニウム化合物、アルカリ金属の水酸化物(NaOHやKOH)やアルカリ金属の酸化物、炭酸塩(例えば、NaCO)、重炭酸塩(例えば、NaHCO)等を挙げることができ、単独でも組み合わせても用いることができる。アミン類としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエタノールアミンなどを挙げることができる。水酸化テトラアルキルアンモニウムは、分子構造中に金属元素を含まない強塩基性第4級アンモニウム化合物であり、代表的には、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、コリン等を挙げることができ、その他に水酸化2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルトリメチルアンモニウム(DECH)や水酸化2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチルトリメチルアンモニウム(TECH)も用いることができる。
かかる塩基性化合物としては、TMAHやコリン等の水酸化テトラアルキルアンモニウム、アミン類、又はアンモニアが好ましい。TMAHやコリン等の水酸化テトラアルキルアンモニウムを用いるのが、強塩基なので少量で高いpHの水溶液を得ることができる点ではより好ましく、特にTMAHが好ましい。また、後述する様に、高pHのアルカリ性過酸化水素洗浄液の調製は必要無いので、アンモニアを用いても少量で所望のpHの水溶液を得ることができ、低アンモニア濃度の洗浄液では臭いの問題は小さく、アンモニアはTOC源でなく処理のしやすさや環境に対する影響の点では、アンモニアも特に好ましいものである。上記したアルカリ金属の水酸化物やアルカリ金属の酸化物、炭酸塩、重炭酸塩は、半導体製造工場などの電子産業分野では、極微量の金属類が製品歩留まりに悪影響を及ぼすといわれていることから安全のために使用し難い。従って、電子産業分野では水酸化テトラアルキルアンモニウム、アミン類又はアンモニアを用いるのが好適である。また、塩基性化合物に好ましくは少量の界面活性剤を併用してもよい。また、塩基性洗浄液に、塩基性化合物と共に酸素ガス、水素ガス、窒素ガス等のガス類の微細気泡を共存させる様にして、微粒子のより一層の効果的剥離、除去を図るようにしてもよい。
アルカリ性過酸化水素洗浄液には、水温にもよるが一般的には過酸化水素濃度を0.1〜5重量%といった高濃度で使用することができる。アルカリ性過酸化水素洗浄液の好ましい過酸化水素濃度は、1〜3重量%である。過酸化水素はアルカリ薬剤に比べて抵抗率への影響が少ないこと、超純水のスペック(規格)に含まれていないこと、さらには確実な殺菌効果をあげられることから高濃度で用いても良い。アルカリ性過酸化水素洗浄液の調製手段は特に限定されないが、塩基性化合物(アルカリ薬剤)を純水に添加後に過酸化水素水(濃厚薬液)を添加するのが好ましい。
アルカリ性過酸化水素洗浄液のpHは、7を超え且つ12以下であるのが好ましく、7.5〜11の範囲内であるのがより好ましく、7.5〜10の範囲内であるのが更に好ましい。微粒子の剥離と分散にはアルカリが効果を示し、高濃度アルカリ(高pH)の塩基性洗浄液で洗浄することが微粒子除去に好ましいとされてきたが、必ずしもそうでないことが分かった。アルカリ濃度を低くすると、洗浄薬液費用、洗浄液の取り扱い性(安全性)、洗浄排水の処分方法などの点では有利である。
アルカリ性過酸化水素洗浄液による洗浄の後には、例えば、純水を超純水製造供給装置の循環系内に導入し、洗浄液を排出させて押し出し、リンスする。リンス排水のpHが実質的に7の中性になり、且つ、H濃度が実質的に0ppmになるまでリンスを行いつつリンス排水を超純水製造供給装置の循環系外に排出するのが良い。ここで言う超純水製造供給装置の循環系とは、一次純水を貯留する純水貯槽から各種の単位装置からなるサブシステムを経て使用場所に到達する配管系と使用場所から通常は残余の超純水を純水貯槽に戻すリターン配管系で構成されるループ(超純水循環系)を言い、リターン配管の末端近辺から通常は押し出し排水やリンス排水のブロー(排出)を行う。純水によるアルカリ性過酸化水素洗浄液の押し出しとリンスとを行う工程の少なくとも一部を、超純水製造供給装置の循環系内の水を循環させること無く一気に実施するのが好ましい。この工程により、アルカリ性過酸化水素洗浄液による洗浄工程によって「剥離・分散」された微粒子は再付着することなく系外へ押し出し洗浄水と共に排出されるため、微粒子除去の効果がより確実に達成され、さらに、押し出し洗浄を短時間に終了できるので好ましい。
ここで、「押し出し」とは、系内の薬液(アルカリ性過酸化水素洗浄液)を純水で追い出すこと、即ち純水による薬液置換で、同一系での押し出しなら使用薬液の薬品濃度に依存せず押し出し工程時間はほぼ同じとなり、理想的には系の容量の1倍量分の純水を用いる。また、「リンス」とは押し出し後に、配管表面に付着したり、配管溜りや、継ぎ手部分に残っている薬品を純水で綺麗に洗い流す(リンスする)ことで、同一系であっても使用薬液の薬品濃度に依存して洗浄時間は異なってくるもので、高濃度の場合ほど長時間が必要になる。「押し出し」では、例えば純水貯槽を純水に置換してから、ポンプを使いサブシステムに該純水を一気に流し込んでリターン配管の末端近辺からブローする等の操作を行う。本明細書では、「押し出し」と「リンス」の両者を纏めて「押し出し洗浄」と言うこともある。また、押し出し洗浄の際の「純水」は「超純水」の場合もあり、純水又は超純水を用いると考えればよい。
過酸化水素水単独ではpHが中性〜弱酸性なので、微量の微粒子剥離と分散に対しては逆効果である。ここに塩基性化合物(アルカリ)を加えてpH7を超えるアルカリ性過酸化水素水溶液とし、これを洗浄液として用いれば、微量の微粒子の剥離や分散に対して効果が出る。過酸化水素はもともと殺菌力があり、アルカリを添加してもその殺菌能力の低下はない。従って、本発明によれば、アルカリ性過酸化水素洗浄液を用いて、1種類の薬液で1回の薬液洗浄で済ますことができ、しかも、微粒子の剥離・分散・除去と殺菌の両方の効果を確保できる。
次に、発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
超純水製造供給装置は、一次純水を一時的に貯留する純水貯槽(タンク)から各種の単位装置を有するサブシステムを経て使用場所に到達する配管系と使用場所から通常は純水貯槽に戻るリターン配管系で循環系を成した構造を持っている。図1は、サブシステムの一例を示すフロー図である。図1においては、上記の各種の単位装置として、水温調整のための熱交換器1、有機物分解のための紫外線酸化装置2、脱塩のための非再生型混床式イオン交換樹脂塔であるカートリッジポリッシャー(CP)3、微粒子除去のための限外濾過(UF)膜装置4が用いられている。CP3をバイパスするバイパス配管5が設けられている。UF膜装置4の代わりに精密濾過膜装置等を濾過膜装置として用いることもある。上記の系のCP3とUF膜装置4の間に、例えば、膜脱気装置、ブースターポンプ、イオン吸着膜装置等を更に配置するような構成としてもよい。一般に、図示されていない弁を開いてバイパス配管5によりCP3をバイパスして、アルカリ性過酸化水素洗浄液での洗浄時、及び、その後の押し出し洗浄時には、超純水製造供給装置の循環系全体の洗浄を行い、リンスが十分にできてからCP3の通水に切り替える。CP3をバイパスする代わりに、CP3にイオン交換樹脂を最初からは充填せずに、循環系全体の洗浄・リンスが十分にできてからCP3にイオン交換樹脂を充填して純水で洗浄してもよい。塩基(アルカリ)などのイオン成分はCP3のイオン負荷となり、過酸化水素はCP3のイオン交換樹脂を酸化劣化させるからである。また、薬液洗浄時の紫外線酸化装置2のランプはOFFにしてもONにしてもよい。
図2は、図1の様なサブシステムを含む超純水製造供給装置の一例を示す配管系統図である。一次純水はラインL1を通って純水貯槽11に送られる。純水貯槽11とラインL2及びL3でタンク循環系(薬液調製循環系)を構成して均一な薬液を調製する際に用いられる。シャワーボール12は純水貯槽11の内壁にも液を散布する様になっている。通常運転中はラインL7にある弁V2は閉じた状態である。新規立ち上げ時あるいは定期検査等による休止後の再立ち上げ時には弁V2の先にラインL8を仮設し、弁V2を開き、ラインL8とラインL7を介してTMAHやアンモニア等のアルカリ薬剤原液(濃厚薬液)及び過酸化水素原液(濃厚薬液)の各所定量を例えば順にラインL2に注入する。その際、ラインL2上にある弁V3の開度を調節することで上記の各濃厚薬液と循環液の流量を調節し、ポンプPにより弁V5を開いたラインL3を経由して純水貯槽11に貯留されている純水に上記の各濃厚薬液を導入して、タンク循環系を循環させることにより純水と混合し、均一な薬液として調製する。この際、弁V4は閉じておくのが好ましい。上記の各濃厚薬液の注入手順としては、例えば、洗浄した綺麗な容器に濃厚薬液を張り、チューブなどの仮設ラインL8を介して注入し、液が少なくなったら空気が入らない様に容器に純水を入れて残存薬液を注入する様な操作を繰り返すことによって、各所定量の各濃厚薬液を注入することができる。また、各濃厚薬液注入後はラインL8、ラインL7を純水で洗浄し、両濃厚薬液注入後は弁V2を閉じ、仮設ラインL8は撤去する。純水貯槽11の内壁を純水で洗浄(リンス)する際は弁V1及びV6を閉じ、弁V7を開き、ラインL1から分岐したラインを通して一次純水をシャワーボール12から散布するのが好ましい。調製されたアルカリ性過酸化水素洗浄液(薬液)を洗浄に用いる際は、弁V2及びV5を閉じ、弁V4を開いて、ポンプPで薬液をサブシステム13に送り込み、使用場所に超純水を送る配管系であるラインL4、ユースポイント配管系、残余の超純水を戻すリターン配管系であるラインL5を包含する超純水製造供給装置の循環系に薬液を行き渡らせる。ラインL6は、押し出し洗浄の初期の段階で一気にブローするのに用いるバイパスラインで、これを用いる際は弁V8を閉じ、弁V9を開く。弁V10は圧力制御弁であり、循環洗浄の際や通常運転の際などの圧力や流量を制御する。排水ブローの際には弁V11を開き、弁12を閉じるが、循環系の通常運転の際には弁V12を開き、弁11を閉じる。計器14は、pH、導電率、又は抵抗率等の水質を測定する測定計器である。図2では、測定計器14は分岐したサンプリングラインL9上にあるが、例えばラインL5等のメインライン上にあってもよい。分岐の場合、各水質はオンライン測定でも、オフライン測定でもよい。また、測定計器14は、常時設置ではなく、装置立ち上げ試運転用に仮設置してもよい。サンプリングラインL9上には、必要に応じて弁V14を設けて、測定時のみ弁V14を開いて試料水を採取する様にしてもよい。
サブシステム13の出口からのユースポイント送りラインL4からユースポイントリターンラインL5の末端までの配管長(即ちラインL4及びL5の総配管距離)はかなり長く、配管の内容量も大きい。バイパスラインL6を介した循環系の場合はサブシステム13の出口から純水貯槽11に戻るまでのラインの配管長を大幅に短くすることができる。押し出し洗浄の始めにはバイパスラインL6に純水を通して循環しないで洗浄ブローすることで、短時間でサブシステム13内の洗浄(リンス)の確認ができる。ユースポイント配管は長距離且つ経路が複雑なので、ユースポイント配管の洗浄完了には比較的時間がかかる。過酸化水素による殺菌はアルカリ性過酸化水素洗浄液に浸漬しても効果があるが、サブシステム13の構成材は多種多様なので、サブシステム13内での長時間のアルカリ性過酸化水素洗浄液浸漬は避けたい。そこで、バイパスラインL6を用いてアルカリ性過酸化水素洗浄液の押し出し洗浄を短時間で完了させ、例えば弁8と弁13を閉じてユースポイント配管にはアルカリ性過酸化水素洗浄液の封入を行い、浸漬処理を長時間して確実に殺菌するのが望ましい。ユースポイント配管でアルカリ性過酸化水素洗浄液の封入・浸漬処理している時間を利用して、バイパスラインL6経由でサブシステム13内の洗浄(リンス)を完了し、CP3へのイオン交換樹脂の充填、CP3の洗浄ブロー、UF膜装置4の洗浄ブローなどの単位装置の立ち上げを先にすることもできる。
一般的に言って、アルカリ性過酸化水素洗浄液の調製は、純水貯槽又は循環系の任意の箇所から系内へTMAHやアンモニア水などの塩基性化合物、および、過酸化水素水を添加することによって行う。アンモニアのようにガス成分として供給できる物質であれば、そのままガス状で添加してもよい。純水貯槽及び系内の純水と混合して所定の薬液濃度に調整し、通常の(超)純水の循環フローに従って、系内に循環させて超純水製造供給装置全体を洗浄する。純水貯槽以外の薬液槽を準備し、そこでアルカリ性過酸化水素洗浄液を調製して、超純水循環系内に洗浄液を循環させてもよい。図2では、純水貯槽11からのラインL2から分岐したラインL7に接続された仮設の薬剤注入ラインL8から薬剤(TMAHやアンモニア等のアルカリ薬剤及びH)が注入され、タンク循環系(薬液調製循環系)を循環する過程で純水と薬剤の混合が行われ、均一な洗浄薬液が調製される。
アルカリ性過酸化水素洗浄液による洗浄は、0.5〜8時間程度の循環を行うことによって行う。アルカリ成分の第一の目的は微粒子の除去である。従って、アルカリ性過酸化水素洗浄液による化学的洗浄効果に加えて、流れによる物理的な除去、剥離、拡散効果が重要となるが、アルカリ性を維持していれば微粒子の再付着は防止できる。一方、過酸化水素成分の主たる目的は殺菌(化学的効果)であるため、アルカリ性過酸化水素洗浄液が系内に存在して被洗浄体である生菌やバイオフィルム(配管やユースポイント内の附帯設備などの超純水と接触する面に生じる、生菌と死菌の両方を含めた菌体や菌の生産物質から成る付着物)に接触することが重要である。従って、洗浄液循環する方が物理的効果を伴うので好ましいが、過酸化水素を系内に行き渡らせた後は、或る時間だけポンプを停止して、系内を浸漬して浸漬殺菌を行っても高い殺菌効果が期待できる。このようなことから、十分な殺菌を行う必要があり、ユースポイントへの超純水供給までに時間的な余裕がある場合などは、0.5〜8時間程度の循環の後、更に洗浄液で系内を数時間以上、例えば、半日(一晩)〜1日浸漬してもよい。その後、純水による押し出し洗浄を例えばpH7の中性且つH濃度が0ppmになるまで行う。
アルカリ性過酸化水素洗浄液の循環系内の循環流速は、高速の方が流れによる物理的な力が強く、微粒子の剥離効果を上げ、高い洗浄効果が期待できるので好ましいが、高流速で流すためにはポンプ容量が大きくなってしまうので、実際には、水溶液系の液体を移送する一般的な線速度の範囲、例えば、好ましくは0.1〜3.0m/秒、より好ましくは0.5〜2.0m/秒で流すのがよい。なお、本発明の洗浄方法においては、循環や浸漬以外にも、例えば、超純水製造供給装置の洗浄箇所にアルカリ性過酸化水素洗浄液を満たした状態で、超音波などにより洗浄液に微小振動を与えて洗浄効果を高める方法を採ってもよい。
洗浄時のアルカリ性過酸化水素洗浄液温度は、加温してもよく、構成材料によるが20〜60℃の液温で洗浄に用いるのが好適である。但し、洗浄液温度は水温の成り行きとすることも多く、常温成り行きとすることもある。
アルカリ性過酸化水素洗浄液の押し出しとリンスは純水貯槽を純水に置換してから一気に行うのが好ましい。これにより、薬液及び汚染物、剥離・抽出物を一気に除去することができ、押し出し洗浄に必要な純水量(=発生する排水量)も作業時間も少なくて済む。排水処理をする上でも、排水量が少ないことのメリットは大きい。
このような超純水製造供給装置において、押し出し洗浄工程中に、押し出し排水及びリンス排水の中の少なくともリンス排水の水質を確認し、超純水製造供給装置の循環系内においてアルカリ性過酸化水素洗浄液の影響がなくなるまで純水によるリンスを行いつつリンス排水を系外に排出するのが好ましい。押し出し排水及びリンス排水の中の少なくともリンス排水の水質確認は、特に超純水循環系の末端、即ち、リターン配管の末端近辺、または、ブローラインで行うのが好ましく、また、pH、導電率、抵抗率、H濃度の測定等で行うのが簡易で好ましく、このような水質確認によって満足の行くまでリンスは充分に行う。押し出し・リンス排水の水質(pH等)を確認することで、アルカリ性過酸化水素洗浄液中に分散した微粒子などの不純物の排出・除去を確実に行うことが出来る。リンス排水のpHが実質的に7の中性且つH濃度が実質的に0ppmになるまでリンスを行いつつリンス排水を循環系外に排出するのが良い。図2では、計器14によってpH、導電率又は抵抗率等の測定を行う。
洗浄に際して、超純水製造供給装置の濾過膜装置の濾過膜モジュールをダミー又はバイパスとするのが好ましい。前記の各公報では、超純水製造システムの限外濾過膜装置の取り扱いについては明言されておらず、限外濾過膜(UF膜)モジュールは原則設置された状態でシステムの他の構成要素と一緒に洗浄される(但し、特開2004−267864号公報には、薬液洗浄中はダミーモジュールを設置してもよい旨の記載あり)。UF膜等の濾過膜は膜面積(接触面積)が大きいので、アルカリ性過酸化水素洗浄液が膜面に接触すると逆に汚染してしまう可能性あり、その後の濾過膜装置の立ち上がりに影響が出やすい。特にアルカリは導電性のため、アルカリが濾過膜表面又は内部に吸着して、立ち上げ時の濾過膜装置出口の抵抗率の上昇が遅くなる傾向になる。従って、アルカリ性過酸化水素洗浄液による洗浄時に濾過膜モジュールを設置する場合は、その後の抵抗率の立ち上がりを考えると洗浄液のアルカリ濃度は低い方が良い。また、逆汚染の可能性を避けるためには、アルカリ性過酸化水素洗浄液による洗浄時には濾過膜モジュールとしてダミーモジュール(形はモジュールでも膜が入っていない)を用い、押し出し洗浄後に本設の濾過膜モジュールを設置するのが好ましい。但し、この場合、現場では濾過膜の殺菌をしないことになるので、濾過膜モジュール設置前後の菌汚染には注意する必要がある。
上述の様に超純水製造供給装置全体を洗浄する方法のほか、濾過膜装置や紫外線酸化装置といった個別の機器や配管の一部、配管継ぎ手部分などの超純水製造供給装置の一部を個別に洗浄してもよい。被洗浄部の直前に薬液(アルカリ性過酸化水素洗浄液)を注入すると共にその直後から排出させたり、薬液を満たした状態で超音波などによる振動を与えるようにして洗浄してもよい。また、新規施工組み立ての直前に濾過膜装置やプレハブ配管などの洗浄にも利用でき、効果的に新規立上洗浄時間の短縮を図ることもできる。
次に、本発明の方法の具体的な実施形態の一例を説明する。下記において「タンク循環」とは純水貯槽11とラインL2及びL3からなるタンク循環系における混合のための循環を言い、「システム循環」とはサブシステム13、ラインL4、ユースポイント配管系、ラインL5を含む超純水製造供給装置(システム)全体の循環系における循環を言うものとする。UF膜装置からのリターンラインを適宜設置しておくと都合が良い。過酸化水素濃度は、例えば、過酸化水素濃度試験紙(菱江化学株式会社販売)を用いて確認することができる。他の水質確認は、例えば、pH計やpH試験紙、TOC計、抵抗率計、微粒子計などで行うことができる。
<1>機器の据え付け、配管工事が終了したら、純水貯槽11に一次純水の受け入れを準備し、完了する。
<2>システム全体に対して、純水貯槽11からの一次純水の水張りを行い、機器・配管のエアー抜きを行い、フラッシングにより大きなゴミや不純物の排出を行う。
<3>各適量のアルカリ薬剤(塩基性化合物)及び過酸化水素水(濃厚薬液)を添加し、タンク循環で混合し均一薬液を調製した後、得られたアルカリ性過酸化水素洗浄液をシステム循環する。循環流速は0.1〜3.0m/秒、好ましくは0.5〜2.0m/秒で、循環時間は0.5〜8時間とする。適宜浸漬を行っても良く、特にユースポイント配管を浸漬すると効果的である。この際、CP3はバイパスするか又はイオン交換樹脂を未充填とし、UF膜装置4にはダミーモジュールを用いるのが望ましい。
<4>タンク循環系から薬液を図示していない配管ラインやタンクブローラインを通じて排出し、純水で置換する。タンク循環系での薬液残留はpH、過酸化水素濃度等の水質で確認する。一方、排水は適切な処理(中和、希釈、カタラーゼなどによる分解処理、陽イオン交換樹脂による吸着など)を行って放流する。
<5>純水貯槽11内に溜め込んだ純水で系内の洗浄液を一気に押し出し、リンスして、洗浄液に分散していた微粒子や不純物を一気に排出させる。この際、水(液)は循環とせず、系外にブローするのが好ましい。排水は排水処理(中和、希釈、カタラーゼなどによる分解処理、陽イオン交換樹脂による吸着など)して放流する。
<6>系内水又は排水の薬液残留をpH、過酸化水素濃度等の水質を測定することにより、リンスが十分か確認する(例えば、pHが好ましくは7且つH濃度が好ましくは0ppm)。水質測定の位置は、循環ライン又はブローライン上で良いが、計器14の様に、リターン配管系のラインL5の末端、即ち純水貯槽11に戻る手前から分岐したサンプリングラインL9上が好ましい。
<7>CP3は、イオン交換樹脂が未充填の場合は充填し、バイパスの場合はバイパス配管を閉じ、純水を通水する。
<8>CP3の出口でブローし、ブロー水の水質確認を行い、水質が規定値に達したらブロー配管を閉じ、後段へ送る(適当な計器で水質確認)。
<9>UF膜モジュールを設置する。
<10>UF膜装置の出口でブローし、ブロー水の水質確認を行い、水質が規定値に達したらブロー配管を閉じ、後段へ送る(適当な計器で水質確認)。
<11>リターン水質(抵抗率、TOC、微粒子など)を測定し、循環系(通常運転)に戻せる水質であることが確認できたら、弁V11を閉じ、弁V12を開けて、循環ラインに切り替えて通常運転とする。
実施例1では洗浄液の微粒子洗浄性を調べた。戸田市水で強制汚染した内径16mmの超純水用ポリ塩化ビニール配管を100m用意した。この強制汚染の汚染条件は、戸田市水を0.5日通水した後、そのまま市水を2.5日間封入とした。
強制汚染した100m配管を次の条件で洗浄した後、0.05μm以上の微粒子数が1個/ml未満の超純水(23℃、18.2MΩ・cm以上、TOC<1ppb)を線速度LV=1m/秒で通水し、配管出口での微粒子数の挙動を確認した。各薬液洗浄は、線速度LV=1m/秒で2時間循環し、水温は成り行きとした。押し出し洗浄に用いた純水は、配管容量の2.5倍量であった。なお、「%」と「ppm」と「ppb」は重量基準である。
[洗浄条件]
<1>1%過酸化水素水に100ppmTMAHを添加した混合液(pH8.8のアルカリ性過酸化水素洗浄液)→押し出し洗浄
<2>1%過酸化水素水に10ppmTMAHを添加した混合液(pH7.7のアルカリ性過酸化水素洗浄液)→押し出し洗浄
<3>100ppmTMAH水溶液(pH10.8)→押し出し洗浄
<4>1%過酸化水素水(pH5.5)→押し出し洗浄
<5>100ppmTMAH水溶液→押し出し洗浄→1%過酸化水素水→押し出し洗浄
<6>1%過酸化水素水→押し出し洗浄→100ppmTMAH水溶液→押し出し洗浄
<7>洗浄なし
次に、超純水通水時点(t=0)からの100m配管の出口で0.05μm以上の微粒子数が安定して1個/mL未満になるまでの期間を表1に示す。なお、微粒子数測定はPMS社製の微粒子計DI−50を用いて行った。
Figure 2006297343
薬液洗浄1回のアルカリ性過酸化水素洗浄液で洗浄した結果(<1>及び<2>)は、アルカリ洗浄液のみで洗浄した結果(<3>)、薬液洗浄2回のアルカリ洗浄液と過酸化水素洗浄液で洗浄した結果(<5>及び<6>)と同等な微粒子洗浄性の挙動を示し、過酸化水素洗浄液のみで洗浄した結果(<4>)及び洗浄なし(<7>)の場合の結果よりも微粒子数が早く低下した。
実施例2では洗浄液の殺菌能力を調べた。市販の生菌モニター(フィルターユニット)に生菌を含んだ水を適量通水し一定量の生菌を捕捉した後、次の薬液をモニターに注入して5分間室温で放置(浸漬)した後、生菌数0.1個/L未満の超純水をモニターに通水して薬液を完全に除去した。以下の式から殺菌率を求めた。なお、分析手段は「JIS K0550 超純水中の細菌数試験方法」に従った。
殺菌率(%)=100×薬液浸漬ありサンプルの生菌数/薬液浸漬なしサンプルの生菌数
薬液は下記の通りである。結果を表2に示す。
<a>0.1%過酸化水素水
<b>0.1%過酸化水素水に10ppmTMAHを添加した混合液
<c>1%過酸化水素水
<d>1%過酸化水素水に100ppmTMAHを添加した混合液
<e>100ppmTMAH水溶液
Figure 2006297343
過酸化水素水にアルカリを添加してアルカリ性過酸化水素洗浄液(<b>及び<d>)として用いても、アルカリを添加しない場合(<a>及び<c>)と比べて、殺菌率(殺菌能力)に差はなかった。即ち、アルカリ添加は過酸化水素水の殺菌力に悪影響を及ぼさないことが分かった。
実施例1と2の結果から、アルカリ性過酸化水素洗浄液での洗浄は1回の薬液洗浄のみで、従来のアルカリ洗浄と同等の微粒子数の低減効果を示し、且つ、同時に過酸化水素の殺菌効果を十分に示すことが分かった。即ち、特開2002−192162号公報や特開2004−267864号公報に記載される従来法の様な2薬液による2回の薬液洗浄の場合と少なくとも同等の洗浄効果を、1回の薬液洗浄のみで達成できるので、本発明の方法は、超純水製造供給装置の新規立ち上げ時あるいは定期検査等による休止後の再立ち上げ時に、超純水を所望の水質に至るまで洗浄試運転時間を短縮することができ、また、試運転作業(洗浄作業)の簡素化ができることが分かる。
本発明によれば、超純水製造供給装置の新規立ち上げ時あるいは定期検査等による休止後の再立ち上げ時に、超純水が所望の水質に至るまでの洗浄試運転時間を短縮でき、また、洗浄試運転作業を簡素化できる。従って、本発明は、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、シリコンウエハ、プリント基板等の電子部品製造工場、原子力発電所あるいは医薬品製造工場などで広く利用される超純水製造供給装置の立ち上げ時の洗浄方法として適用することが出来る。
図1は、サブシステムの一例を示すフロー図である。 図2は、図1の様なサブシステムを含む超純水製造供給装置の一例を示す配管系統図である。
符号の説明
1 熱交換器
2 紫外線酸化装置
3 カートリッジポリッシャー
4 限外濾過膜装置
11 純水貯槽
12 シャワーボール
13 サブシステム

Claims (5)

  1. 一次純水を処理して超純水を製造し使用場所へ供給する超純水製造供給装置の接液部の少なくとも一部に対して、アルカリ性過酸化水素洗浄液で洗浄することを特徴とする超純水製造供給装置の洗浄方法。
  2. 水酸化テトラアルキルアンモニウム、アミン類又はアンモニアで過酸化水素水をアルカリ性として前記アルカリ性過酸化水素洗浄液を調製することを特徴とする請求項1に記載の超純水製造供給装置の洗浄方法。
  3. 前記アルカリ性過酸化水素洗浄液の過酸化水素濃度が0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超純水製造供給装置の洗浄方法。
  4. 前記アルカリ性過酸化水素洗浄液のpHが7を超え且つ12以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の超純水製造供給装置の洗浄方法。
  5. 前記アルカリ性過酸化水素洗浄液で洗浄するに際して、超純水製造供給装置の濾過膜装置の濾過膜モジュールをバイパス又はダミーとすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の超純水製造供給装置の洗浄方法。
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