JPH07222917A - 精密ろ過膜および濾過方法 - Google Patents

精密ろ過膜および濾過方法

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JPH07222917A
JPH07222917A JP1762494A JP1762494A JPH07222917A JP H07222917 A JPH07222917 A JP H07222917A JP 1762494 A JP1762494 A JP 1762494A JP 1762494 A JP1762494 A JP 1762494A JP H07222917 A JPH07222917 A JP H07222917A
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membrane
layer
pore size
isotropic
anisotropic
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JP1762494A
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Sumio Otani
純生 大谷
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発酵液、果汁、食品や医薬品など、高分子
糖、たんぱく質、ポリフェノールおよびアルカリ土類イ
オンとこれら成分からなる凝集粒子を含有する液体のろ
過において、特に日本酒、ワインやビールの如き酒類、
醤油や食酢の如き食品、アミノ酸、有機酸、核酸、ビタ
ミン類や蛋白質等の医薬用途や一般工業用途に使用され
る各種薬品等の微生物醗酵で生産される醗酵液の微粒子
除去や除菌ろ過用途において、従来にない高い除菌・除
粒子性能と長寿命の両方の特性を有する精密ろ過膜とそ
の使用方法を提供する。 【構成】 厚さ方向に孔径が連続的に変化する異方性構
造層と、厚さ方向に孔径が実質的に均質な等方性構造層
とを有する精密ろ過膜システムを用い、毎日の液体ろ過
終了後、高分子糖及びたんぱく質を分解する薬品で膜を
処理し、翌日膜を再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体の精密ろ過に使用さ
れる精密ろ過フィルターに関する。特に、発酵液、果
汁、食品や医薬品など、高分子糖、たんぱく質、ポリフ
ェノールおよびアルカリ土類イオンとこれら成分からな
る凝集粒子を含有する液体から雑菌を除去する精密濾過
フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】精密ろ過膜は古くから知られており、
(例えばアール・ケスティング(R.Kesting)
著シンセティック・ポリマー・メンブレン(synth
eticpolymer membranes)マグロ
ーヒル社(McGraw Hill社)発行)ろ過用フ
ィルター等に広く利用されている。精密ろ過膜は、例え
ば米国特許1,421,341号、特公昭48−400
50号等に記載されているように、セルローズエステル
を原料として製造されるもの、米国特許2,783,8
94号、同4,450,126号等に記載されているよ
うに脂肪族ポリアミドを原料として製造されるもの、米
国特許4,196,070号、特開昭55−99934
号、特開昭58−91732号等に記載されているよう
にポリフルオロカーボンを原料として製造されるもの、
特公平4−68966号、特公平6−862号等に記載
されているポリスルホンを原料とするもの、ドイツ特許
OLS3,003,400号等に記載されているポリプ
ロピレンを原料とするもの等がある。これら精密ろ過膜
はその厚さ方向の孔径が実質的に均一である等方性膜
と、最大孔径層が膜の一表面あるいは表面のすぐ近傍に
存在して厚さ方向に孔径が連続的に変化する異方性膜と
に、大別される。等方性膜のつくりかたは特開昭58−
91732号や特開平2−151636号に詳しく記載
されている。異方性膜は、膜の一方の表面から反対側表
面まで一方的に孔径が小さくなっていく構造の膜が、特
公平1−43619号によって示されている。また特公
平4−68966号には厚さ方向に孔径分布を有する膜
であって、膜内部に最小孔径層を有する構造の異方性膜
が示されている。この内部最少孔径層膜においても、そ
の最大孔径層は膜の一表面ごく近傍に存在する。
【0003】これら精密濾過膜は注射液、ビール・清酒
・醤油等の食品、電子工業用洗浄水、医薬用水、医薬製
造工程用水、食品用水等のろ過、滅菌に用いられ近年そ
の用途と使用量は拡大しており、特に粒子捕捉の点から
信頼性の高い精密ろ過膜が注目され多用されている。一
方、発酵液、果汁、食品や医薬品など、高分子糖、たん
ぱく質、ポリフェノールおよびアルカリ土類イオンとこ
れら成分からなる凝集粒子を含有する液体から細菌・真
菌・酵母の如き微生物を除去して液体の腐敗を防止する
ためのろ過用途においては、液中に微生物よりも小さな
粒子が存在し、これが孔壁に付着堆積して孔を徐々に閉
塞するため、微生物の捕捉性能と高ろ過流束を両立させ
ることは非常に難しい。即ち微生物捕捉性能は、膜の孔
径を小さくすることによって高められるが、反対にろ過
流束は膜の孔径を大きくすることによって高くなる。こ
の相反する性能の最適点を求めることはむつかしい。特
公平5−5532号にはビールろ過寿命を大きくする膜
として、ポリエーテルスルホンと親水化剤とからなる孔
径の異方性度1.5:1から2.5:1の膜でバブルポ
イント1.2から2.5バールのものを開示している。
また特開平3−117475号では同じビールろ過寿命
を大きくする方法として、膜素材の表面にポリアクリル
酸誘導体又はポリメタクリル酸誘導体からなる表面被覆
を有する膜を用いることと、ビールろ過の途中でアルカ
リ性次亜塩素酸ソーダー液で周期的に洗浄する方法が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発酵
液、果汁、食品や医薬品など、高分子糖、たんぱく質、
ポリフェノールおよびアルカリ土類イオンとおよびまた
はこれら成分からなる凝集粒子を含有する液体のろ過に
おいて、特に日本酒、ワインやビールの如き酒類、醤油
や食酢の如き食品、アミノ酸、有機酸、核酸、ビタミン
類や蛋白質等の医薬用途や一般工業用途に使用される各
種薬品等の微生物醗酵で生産される醗酵液のろ過、特に
終段の除菌ろ過用途において、従来にない高い除菌・除
粒子性能と長寿命の両方の特性を有する精密ろ過膜とそ
の使用方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記問題は、(1) 厚さ方
向に孔径が連続的に変化する異方性構造層と、厚さ方向
に孔径が実質的に均質な等方性構造層とを有する精密ろ
過膜システムを用い、(2) 毎日の液体ろ過終了後、高分
子糖及びたんぱく質を分解する薬品で膜を処理し、翌日
膜を再利用することにより達成できた。以下本発明につ
いて詳細に説明する。
【0006】等方性孔構造の精密ろ過膜でたとえば珪藻
土ろ過済ビールをろ過すると、膜の一次側表面に高分子
糖やたんぱく質からなる目詰まり層が形成され、膜の孔
が閉塞される。膜一次側表面の目詰まり層形成を防止す
るために、膜一次側表面の孔径を大きくし、膜二次側表
面孔径は従来孔径を維持した膜を用いたところ、このよ
うな異方性構造膜ではろ過寿命は増加したが一方、除菌
能力が低下しろ過目的を達成できないことが分かった。
除菌性能を満足するまで異方性構造膜の二次側表面孔径
を小さくしたところ、ろ過寿命は最初の等方性構造膜と
同等かやや少ない水準にまで低下してしまった。この異
方性膜の目詰まりは、膜の二次側表面付近つまり最小孔
径層に発生していた。そこで等方性膜と異方性膜の計2
枚を使い、等方性膜の一次側と異方性膜の最小孔径層を
密に重ねて、異方性膜の方から等方性膜側に液をろ過し
たところ、目詰まりは異方性膜の最少孔径層から等方性
膜全層に渡って分散して発生するようになり、ろ過寿命
は飛躍的に増加した。
【0007】以上の実験結果から、高分子糖やたんぱく
質からなる目詰まり層は膜表面や膜の最小孔径層にでき
やすく、このように膜の特定層だけが目詰まりしやすい
膜はろ過寿命が短く、一方膜全層に渡って目詰まりが分
散発生するように孔構造を制御した膜ではろ過寿命が大
きくなる、と推定された。この結果から理想的な膜の孔
構造は、一次側表面の孔径は大きく膜内部に行くに従っ
て孔径が徐々に小さくなる異方性構造層と、該異方性膜
の二次側に必要除菌性能を満足する孔径と層厚さとを有
する等方性構造層とからなる、変形異方性構造である。
孔径が異なる等方性膜をその孔径の大きさ順に複数枚重
ねてろ過しても、類似の効果があってろ過寿命を大きく
できるが、この方法では十分に大きな効果を得るために
は多数枚の等方性膜を積層する必要があって経済的でな
い。
【0008】異方性構造層と等方性構造層とは、たとえ
ば実施例1に示すが如く最初から一体的に製膜されたも
のであるか、あるいはたとえば実施例2に示すが如く複
数の膜を相互にスポット接着させたりして密に重なって
いなければならない。また異方性層は厚さ方向に異方性
のある不織布やガラス繊維シートであってもよいが、等
方性層は除菌精度の高い精密ろ過膜でなければならな
い。異方性層の中における最小孔径層の孔径は、等方性
構造層の孔径とほぼ同等あるいは少し大きくし、異方性
構造層の一次側表面の孔径は等方性層孔径の1.5倍か
ら25倍、好ましくは2.5倍から10倍までの範囲に
することが適切である。等方性層の孔径と層厚さは除去
対象の菌種に依存し、適切な指標菌を用いたろ過試験に
よって決める。一般に菌を除去するには0.1μmから
3μmの範囲の等方性膜が使用される。あらゆる雑菌を
完璧に除去するには、0.1から0.25μmの孔径を
持つ等方性膜が必要である。しかし多くの食品たとえば
ビールには4%のアルコールと炭酸が飽和しており、か
なり強い制菌作用があるため、通常乳酸菌や野性酵母の
如き限定された種類の微生物しか繁殖できない。このよ
うな液から雑菌を完全に除去するには、0.6から3μ
m、多くの場合0.8から1.5μmの孔径の膜を選定
することが多い。ここでいう孔径とは、膜孔の走査型電
子顕微鏡写真から求められる平均的な孔径をいう。層厚
さを厚くする程孔径は大きく設定できるが、あまり厚さ
を厚くすると、膜をモジュールに加工することが難しく
なったり、モジュール容積を過度に大きくしてしまうこ
とになる。通常等方性層の厚さは30ミクロンから20
0ミクロン、好ましくは60ミクロンから150ミクロ
ンの範囲が適当と思われる。異方性層の厚さは20ミク
ロン以上、好ましくは50ミクロン以上必要である。膜
全体の厚さは400ミクロン以下、好ましくは300ミ
クロン以下が使いやすく、従って好ましい。
【0009】ろ過膜の孔形状には、多数の気泡が互いに
三次元方向に繋がり連通した網目状あるいはスポンジ構
造と呼ばれるもの(たとえば特開昭60−45358号
に図示されている)と、限外ろ過膜によく見られる膜厚
さ方向に細長いあるいは末広がり状に長い巨大空洞を多
数有する、いわゆる指型構造と呼ばれるもの(たとえば
特開昭54−145379号や特開昭56−86941
号に図示されている)とがあり、この両者は形状及び膜
機能の点で区別される。本発明の重要な一目的である除
菌性能の点からは、本目的の膜の孔形状は網目状構造で
あることが必要である。膜材質は耐熱性や耐薬品性に優
れたものであることが必須である。80度Cの強アルカ
リや強酸に耐える好ましい膜材料としては、ポリ塩化ビ
ニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリスルホン及びポリエーテル
スルホンなどがある。なかでもポリスルホンとポリエー
テルスルホンは耐熱性耐薬品性共に優れていて、且つ比
較的容易に親水性膜を形成できる点で特に好ましい。
【00010】膜は多孔板、織布、濾紙あるいは不織布
といった通液性支持体で挟み、たとえば特開平4−23
5722号に記載されているが如くひだ折りして円筒状
に組み上げたり、渦状に巻回したり、特開昭56−12
9016号に記載されているが如き円盤積層状にしたり
あるいは管状に加工し組み込んでろ過モジュールを形成
し、ろ過に供される。毎日のろ過が終了した後は、モジ
ュール内や膜孔内に残留している液を水で押し出し、そ
の後熱水や薬液で膜孔に捕捉されている高分子糖やたん
ぱく質などからなる目詰まり物を分解したり溶解したり
して、洗浄除去する。熱水の温度は60度C以上で高い
温度程好ましい。たんぱく質を分解したり溶解するには
アルカリ、酸、酸化剤及びたんぱく質分解酵素の薬液を
使って洗浄すると効果がある。高分子糖の除去には酸、
酸化剤及び糖の加水分解酵素の使用が効果的である。使
用するアルカリは好ましくは0.3規定から3規定のア
ルカリ金属の水酸化物であり、温度は50度C以上で高
い温度程好ましい。使用する酸は好ましくは0.5規定
から5規定の濃度で、硫酸・硝酸及び塩酸の如き強酸か
ら選ばれる。使用温度は50度C以上で高い程好まし
い。酸化剤はアルカリ性にして使用すると効果が高くな
ることが多い。有効塩素濃度100ppm以上のアルカ
リ性次亜塩素酸ソーダーや過酸化水素濃度1%以上のア
ルカリ性過酸化水素水が効果が高い。使用温度は50度
C以上でやはり高い程好ましいが、90度C以上での使
用は酸化剤が濃縮されるので爆発の危険があり、慎重に
行うべきである。同様に高濃度の酸化剤は危険性が高い
ので、通常は次亜塩素酸ソーダでは1000ppm以
下、過酸化水素では5%以下で使用することが多い。酵
素としては、各種のプロテアーゼ、セルラーゼ、キタラ
ーゼ、各種アミラーゼなどが有効である。同一薬液によ
る薬液洗浄時間は長時間である程効果が生ずるが、1時
間を越えて洗浄しても洗浄効果は頭打ちになる。1薬液
当たり15分から30分で液種を変えながら洗浄すると
よく、特にアルカリ洗浄と酸洗浄は交互に各2回以上繰
り返し行うと洗浄効果が顕著になる。また酸化剤や酵素
剤も強アルカリと混合使用すると一層効果が高くなるこ
とがあって好ましい。
【0011】
【実施例】以下実施例に沿って詳しく説明する。本実施
例は一例にすぎず、本発明はこの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1 次の組成の製膜溶液をつくり、この溶液をポリエステル
フイルム上に流延し、露点14℃、風速3m/sの精密
に調湿した風を8秒間当て、すぐに25℃の氷浴中に2
0秒間浸す。その後直ちに50度Cの水浴に10秒間漬
けて孔形成を終える。ポリエステルフィルムから膜を剥
離し、更に洗浄処理した後乾燥する。 溶液組成 ポリスルホン樹脂 14 部 ポリビニルピロリドン 16 部 N−メチル−2−ピロリドン 67 部 塩化リチウム 0.5部 水 2.5部 このようにしてできた膜は厚さ方向に順次、厚さ90μ
m の第一の異方性層、厚さ90μm の等方性層、そして
厚さ60μm の第二の異方性層がある、三層構造をして
いた。最大孔径層は第一の異方性層のほぼ表面に有り、
等方性層の孔径がもっとも小さかった。乳酸菌Lact
obacillus brevisに対する除菌率は6
であった。除菌率は、 log(原液中の菌数/ろ液中の菌数) で表される。
【0012】比較例1 次の組成の製膜溶液をつくり、この溶液をポリエステル
フイルム上に流延し、露点20℃、風速3m/sの精密
に調湿した風を8秒間当て、すぐに25℃の水浴中に3
0秒間浸す。ポリエステルフィルムから膜を剥離し、更
に洗浄処理した後乾燥する。 溶液組成 ポリスルホン樹脂 13 部 ポリビニルピロリドン 15 部 N−メチル−2−ピロリドン 70 部 塩化リチウム 0.5部 水 1.5部 このようにしてできた膜は厚さ方向に孔径異方性があ
り、膜表面から約20μm の深さに最少孔径層があり、
その反対側表面、最少孔径層から160μm のところに
最大孔径層があった。乳酸菌Lactobacillu
s brevisに対する除菌率は6であった。
【0013】実施例2 実施例1の膜と比較例1の膜の、珪藻土ろ過で酵母除去
済市販ビールによるろ過寿命を比較した。ろ過は膜の最
大孔径層側を一次側にして、5ml/cm2/min. の流束で行
い、60分間ろ過した後80度Cの水に20分間浸漬し
て膜を洗浄し、このビールろ過と膜洗浄とを交互に繰り
返し、ろ過差圧が1気圧に達するまでの時間を測定し
た。その結果、 実施例1 410分 比較例1 170分 を得た。異方性層と等方性層とを合わせ持つ膜の方が単
純な異方性膜よりも、ろ過寿命が長い。このビールろ過
の例から明らかなように、ビール・日本酒及びワインの
如き酒類や醤油及び食酢の如き食品のように、高分子
糖、たんぱく質、ポリフェノール及びアルカリ土類イオ
ンとおよびまたはこれら成分からなる凝集粒子を含有す
る液体のろ過には、本発明の膜構造が長寿命化に有効で
ある。
【0014】実施例3 等方性膜としてポリ弗化ビニリデンを素材とするミリポ
ア社製HVLP膜を用い、異方性層と等方性層とを合わ
せ持つ膜として比較例1膜の孔径の小さい側をHVLP
膜と接するようにして二枚の膜を積層したものを用い、
両者の市販ビールろ過寿命を比較した。ろ過は3ml/cm2
/min. の流束で行い、60分間ろ過した後80度Cの水
に20分間浸漬して膜を洗浄し、このビールろ過と膜洗
浄とを交互に繰り返し、ろ過差圧が1気圧に達するまで
の時間を測定した。その結果、 等方性層単独膜 180分 異方性層等方性層積層膜 390分 を得た。等方性層単独膜よりも異方性層等方性層積層膜
の方がろ過寿命が長い。
【0015】実施例4 実施例1の膜を使い、膜の最大孔径層側を一次側にし
て、5ml/cm2/min. の流束で市販ビールろ過を行い、6
0分間ろ過した後80度Cの水に20分間浸漬し更に8
0度Cのアルカリ性酸化剤溶液に20分間浸漬して膜を
洗浄し、このビールろ過と膜洗浄とを交互に繰り返し、
ろ過差圧が1気圧に達するまでの時間を測定した結果、
740分のろ過寿命を得た。アルカリ性酸化剤溶液は1
規定のNaOHと4%の過酸化水素を含んでいた。アル
カリ性酸化剤溶液で定期的に膜洗浄を行うと、ライフは
非常に大きくなる。
【0016】
【発明の効果】発酵液、果汁、食品や医薬品など、高分
子糖、たんぱく質、ポリフェノールおよびアルカリ土類
イオンとおよびまたはこれら成分からなる凝集粒子を含
有する液体を容器に詰める直前における除菌ろ過におい
て、(1) 厚さ方向に孔径が連続的に変化する異方性構造
層と、厚さ方向に孔径が実質的に均質な等方性構造層と
を有する精密ろ過膜を用い、(2) 液体ろ過の途中、高分
子糖及びたんぱく質を分解する薬品で膜を定期的に処理
する、ことにより、従来にない長寿命を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜の、膜厚さ方向における孔構造の概
念を示す図。
【図2】従来の等方性構造膜の、膜厚さ方向における孔
構造の概念を示す図。
【図3】従来の異方性構造膜の、膜厚さ方向における孔
構造の概念を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 9/28 CEZ 7310−4F

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの異方性層と少なくとも
    一つの網目状孔構造の等方性層から成り、その最大孔径
    層が異方性層の一部分であり、且つ該最大孔径層が実質
    的に膜の一つの表面に存在することを特徴とする精密ろ
    過膜。
  2. 【請求項2】 最大孔径層の孔径が最小孔径層の孔径の
    1.5倍から25倍の範囲にある、請求項1記載の精密
    ろ過膜。
  3. 【請求項3】 異方性層と等方性層とが最初から一体に
    製膜されたものである、請求項1記載の精密ろ過膜。
  4. 【請求項4】 それぞれ別個に製膜された異方性構造膜
    と等方性構造膜とを互いに重合わせて密に積層すること
    を特徴とする、請求項1記載の精密ろ過膜。
  5. 【請求項5】 ポリスルホンあるいはポリエーテルスル
    ホンを素材とする、請求項3記載の精密ろ過膜。
  6. 【請求項6】 等方性層の厚さが30から200μm で
    あり、異方性層の厚さが20μm 以上であり、且つ膜全
    体の厚さが400μm 以下である、請求項1記載の精密
    ろ過膜。
  7. 【請求項7】 少なくとも一つの異方性層と少なくとも
    一つの等方性層から成り、その最大孔径層が異方性層の
    一部分であり、且つ該最大孔径層が実質的に膜の一つの
    表面に存在する精密ろ過膜を用い、該最大孔径層側を一
    次側にしてろ過することを特徴とする液体のろ過方法。
  8. 【請求項8】 液体のろ過に使用している途中、定期的
    にろ過を中断して膜を洗浄することを特徴とする、請求
    項7記載の液体ろ過方法。
  9. 【請求項9】 酸、アルカリ、酸化剤及び酵素の中から
    選ばれる少なくとも一つの薬品で膜を洗浄することを特
    徴とする、請求項8記載の液体ろ過方法。
  10. 【請求項10】 酸が0.5から5規定の硫酸である、
    請求項9記載の液体ろ過方法。
  11. 【請求項11】 酸が0.5から5規定の硝酸である、
    請求項9記載の液体ろ過方法。
  12. 【請求項12】 アルカリが0.3から3規定のNaO
    Hである、請求項9記載の液体ろ過方法。
  13. 【請求項13】 酸化剤がアルカリ性次亜塩素酸ソーダ
    ーである、請求項9記載の液体ろ過方法。
  14. 【請求項14】 酸化剤がアルカリ性過酸化水素水であ
    る、請求項9記載の液体ろ過方法。
  15. 【請求項15】 酵素が、糖質加水分解酵素または蛋白
    質分解酵素の中から選ばれる少なくとも一種以上の酵素
    である、請求項9記載の液体ろ過方法。
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