JPH0557149A - 濾過システム - Google Patents
濾過システムInfo
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- JPH0557149A JPH0557149A JP2793992A JP2793992A JPH0557149A JP H0557149 A JPH0557149 A JP H0557149A JP 2793992 A JP2793992 A JP 2793992A JP 2793992 A JP2793992 A JP 2793992A JP H0557149 A JPH0557149 A JP H0557149A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 濾過膜を用いて懸濁物質を含む原流体を濾過
する際の透過流束を高めることを目的とする。 【構成】 精密濾過膜を用いて、懸濁物質を含む流体か
らなる原流体を供給し濾過することにより流体と懸濁物
質とを分離し濾過膜の透過流体側の圧力を原流体側の圧
力より大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾
過膜から脱着した懸濁物質を濾過系外へ排出するデッド
エンド型濾過方式において、濾過膜が膜厚方向に孔径が
連続的または不連続的に変化し、濾過膜の一方の表面の
孔径と他方の表面の孔径とが異なる構造を有する濾過膜
を用る。
する際の透過流束を高めることを目的とする。 【構成】 精密濾過膜を用いて、懸濁物質を含む流体か
らなる原流体を供給し濾過することにより流体と懸濁物
質とを分離し濾過膜の透過流体側の圧力を原流体側の圧
力より大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾
過膜から脱着した懸濁物質を濾過系外へ排出するデッド
エンド型濾過方式において、濾過膜が膜厚方向に孔径が
連続的または不連続的に変化し、濾過膜の一方の表面の
孔径と他方の表面の孔径とが異なる構造を有する濾過膜
を用る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異方性構造を有する濾
過膜を用いたデッドエンド型濾過方法に関するものであ
り、特に大きい膜透過流束を維持するために逆洗を周期
的に行う新しいデッドエンド型濾過システムに関するも
のである。 本発明のデッドエンド型濾過方法は、種々
の高分子、微生物、酵母、微粒子を含有あるいは懸濁す
る流体の分離、精製、回収、濃縮などに適用され、特に
濾過を必要とする微細な微粒子を含有する流体からその
微粒子を分離する必要のあるあらゆる場合に適用するこ
とができ、例えば微粒子を含有する各種の懸濁液、発酵
液あるいは培養液などの他、顔料の懸濁液などから微粒
子を分離する、原子力発電の復水からクラッドを分離除
去する場合にも適用される。ところで近年バイオテクノ
ロジーの急速な発展にともない、培養、発酵、酵素反応
等による生化学物質の生産は、医薬品・食品・化学製品
など多くの分野で盛んに行われるようになってきた。こ
れらの生産物質は精製することによって付加価値が高ま
るが、この精製操作に多くのコストがかけられるのが現
状である。本発明のデッドエンド型濾過方法はこれらの
分野で特に有効であり、例えば培養液中から反応阻害物
質を連続的に除去することにより高密度培養を行う、菌
体外酵素生産菌を用いた時に酵素を連続回収する、菌体
内酵素生産菌を破砕した溶液から酵素を回収する、バッ
チ式で得られた培養液から生体触媒を除去する、など多
岐にわたって適用される。
過膜を用いたデッドエンド型濾過方法に関するものであ
り、特に大きい膜透過流束を維持するために逆洗を周期
的に行う新しいデッドエンド型濾過システムに関するも
のである。 本発明のデッドエンド型濾過方法は、種々
の高分子、微生物、酵母、微粒子を含有あるいは懸濁す
る流体の分離、精製、回収、濃縮などに適用され、特に
濾過を必要とする微細な微粒子を含有する流体からその
微粒子を分離する必要のあるあらゆる場合に適用するこ
とができ、例えば微粒子を含有する各種の懸濁液、発酵
液あるいは培養液などの他、顔料の懸濁液などから微粒
子を分離する、原子力発電の復水からクラッドを分離除
去する場合にも適用される。ところで近年バイオテクノ
ロジーの急速な発展にともない、培養、発酵、酵素反応
等による生化学物質の生産は、医薬品・食品・化学製品
など多くの分野で盛んに行われるようになってきた。こ
れらの生産物質は精製することによって付加価値が高ま
るが、この精製操作に多くのコストがかけられるのが現
状である。本発明のデッドエンド型濾過方法はこれらの
分野で特に有効であり、例えば培養液中から反応阻害物
質を連続的に除去することにより高密度培養を行う、菌
体外酵素生産菌を用いた時に酵素を連続回収する、菌体
内酵素生産菌を破砕した溶液から酵素を回収する、バッ
チ式で得られた培養液から生体触媒を除去する、など多
岐にわたって適用される。
【0002】
【従来の技術】従来、膜を用いて懸濁物質を含有する原
流体から懸濁物質を分離する技術としては、例えば圧力
を駆動力とする逆浸透法、限外濾過法、精密濾過法、電
位差を駆動力とする電気透析法、濃度差を駆動力とする
拡散透析法等がある。これらの方法は、連続操作が可能
であり、分離操作中に温度やpHの条件を大きく変化さ
せることなく分離、精製あるいは濃縮ができ、粒子、分
子、イオン等の広範囲にわたって分離が可能であり、小
型プラント処理能力を大きく保つことができるので経済
的であり、分離操作に要するエネルギーが小さく、かつ
他の分離方法では難しい低濃度原流体の処理が可能であ
るなどの理由により広範囲に実施されている。そしてこ
れらの分離技術に用いられる膜としては、酢酸セルロー
ス、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリスルホン、
ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド等の有
機高分子等を主体とした高分子膜や耐熱性、耐薬品性な
どの耐久性に優れている多孔質セラミック膜などがあ
り、主としてコロイドの濾過を対象とする場合は限外濾
過膜が使用され、微細な粒子の濾過を対象とする精密濾
過ではそれに適した微孔を有する精密濾過膜が使用され
ている。前述したようにバイオテクノロジーの進歩に伴
い、高純度化、高性能化、高精密化が要求されるように
なり、従来から行われている遠心分離やけい藻土濾過に
代わって連続操作が可能で大量処理できる、濾過助剤や
凝集剤の添加が必要ない、分離の効率は菌体と懸濁液の
比重差に無関係であり培養液の物性や菌体の種類に関係
なく清澄な濾液が得られる、高濃度培養ができ生産効率
が向上する、完全密閉系が可能で菌の漏れがない、濃縮
後菌体の洗浄が可能である、スケールアップが容易で経
済性が高い等の理由で、精密濾過あるいは限外濾過技術
の応用分野が拡大しつつある。しかしながら、濾過膜の
利点が多いにもかかわらず精密濾過あるいは限外濾過膜
を用いて微粒子を分離する場合に、濃度分極の影響によ
りケーク層が生じて透過流体の流れに抵抗が生じ、また
濾過膜の目詰まりによる抵抗が大きくなって膜透過流束
が急激にかつ著しく低下してしまうという問題があり、
これが精密濾過あるいは限外濾過の実用化を妨げる最大
の原因であった。またそれに用いられる膜は汚染されや
すく、その防止対策が必要である。
流体から懸濁物質を分離する技術としては、例えば圧力
を駆動力とする逆浸透法、限外濾過法、精密濾過法、電
位差を駆動力とする電気透析法、濃度差を駆動力とする
拡散透析法等がある。これらの方法は、連続操作が可能
であり、分離操作中に温度やpHの条件を大きく変化さ
せることなく分離、精製あるいは濃縮ができ、粒子、分
子、イオン等の広範囲にわたって分離が可能であり、小
型プラント処理能力を大きく保つことができるので経済
的であり、分離操作に要するエネルギーが小さく、かつ
他の分離方法では難しい低濃度原流体の処理が可能であ
るなどの理由により広範囲に実施されている。そしてこ
れらの分離技術に用いられる膜としては、酢酸セルロー
ス、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリスルホン、
ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド等の有
機高分子等を主体とした高分子膜や耐熱性、耐薬品性な
どの耐久性に優れている多孔質セラミック膜などがあ
り、主としてコロイドの濾過を対象とする場合は限外濾
過膜が使用され、微細な粒子の濾過を対象とする精密濾
過ではそれに適した微孔を有する精密濾過膜が使用され
ている。前述したようにバイオテクノロジーの進歩に伴
い、高純度化、高性能化、高精密化が要求されるように
なり、従来から行われている遠心分離やけい藻土濾過に
代わって連続操作が可能で大量処理できる、濾過助剤や
凝集剤の添加が必要ない、分離の効率は菌体と懸濁液の
比重差に無関係であり培養液の物性や菌体の種類に関係
なく清澄な濾液が得られる、高濃度培養ができ生産効率
が向上する、完全密閉系が可能で菌の漏れがない、濃縮
後菌体の洗浄が可能である、スケールアップが容易で経
済性が高い等の理由で、精密濾過あるいは限外濾過技術
の応用分野が拡大しつつある。しかしながら、濾過膜の
利点が多いにもかかわらず精密濾過あるいは限外濾過膜
を用いて微粒子を分離する場合に、濃度分極の影響によ
りケーク層が生じて透過流体の流れに抵抗が生じ、また
濾過膜の目詰まりによる抵抗が大きくなって膜透過流束
が急激にかつ著しく低下してしまうという問題があり、
これが精密濾過あるいは限外濾過の実用化を妨げる最大
の原因であった。またそれに用いられる膜は汚染されや
すく、その防止対策が必要である。
【0003】濾過方法としては、濾過されるべき全ての
流体が濾材(濾布や膜など)とケーク層を通過して流体
中に含まれている微粒子を分離するいわゆるデッドエン
ド型濾過方式がある。この従来のデッドエンド型濾過方
式では流体が通過して懸濁物質が濾過膜の内部に捕捉さ
れて分離される段階では高い透過流束が得られるが、濾
過膜の表面で捕捉される段階になるとケーク層が形成さ
れ、大量の原流体を処理する場合や形成されるケーク層
の比抵抗が極端に高い場合は大きな濾過抵抗となり、こ
のようなデッドエンド濾過を行うと膜透過流束が小さく
なる。このため、クロスフロー型濾過方式が考えられ
た。このクロスフロー型濾過方式は、濾過膜の膜表面に
平行に濾過すべき原流体を流し、流体は濾過膜を通って
反対側へ透過し、この原流体と透過流体の流れが直交し
ているためにこのように称されている。このクロスフロ
ー型濾過方法は、濾過膜に平行な原流体の流れによって
膜面上に形成されたケーク層がはぎ取られるので従来の
デッドエンド型濾過方式に比べて膜透過流束が大きく、
大量の原流体を直接連続的に分離、精製、濃縮が可能で
ある。しかし懸濁物質の濾過比抵抗が極端に高い、すな
わち培養液、発酵液から菌体や高分子生成物を除くため
に純水透過流束の大きいすなわち分画分子量の大きい限
外濾過膜や精密濾過膜を用いた場合は急激に膜透過流束
が低下して濾過開始初期の高い膜透過流束を保つことは
困難であり、結果としてデッドエンド型濾過方式と総透
過液量を比較すると効果は小さく経済的な透過流束を得
るには不十分であった。
流体が濾材(濾布や膜など)とケーク層を通過して流体
中に含まれている微粒子を分離するいわゆるデッドエン
ド型濾過方式がある。この従来のデッドエンド型濾過方
式では流体が通過して懸濁物質が濾過膜の内部に捕捉さ
れて分離される段階では高い透過流束が得られるが、濾
過膜の表面で捕捉される段階になるとケーク層が形成さ
れ、大量の原流体を処理する場合や形成されるケーク層
の比抵抗が極端に高い場合は大きな濾過抵抗となり、こ
のようなデッドエンド濾過を行うと膜透過流束が小さく
なる。このため、クロスフロー型濾過方式が考えられ
た。このクロスフロー型濾過方式は、濾過膜の膜表面に
平行に濾過すべき原流体を流し、流体は濾過膜を通って
反対側へ透過し、この原流体と透過流体の流れが直交し
ているためにこのように称されている。このクロスフロ
ー型濾過方法は、濾過膜に平行な原流体の流れによって
膜面上に形成されたケーク層がはぎ取られるので従来の
デッドエンド型濾過方式に比べて膜透過流束が大きく、
大量の原流体を直接連続的に分離、精製、濃縮が可能で
ある。しかし懸濁物質の濾過比抵抗が極端に高い、すな
わち培養液、発酵液から菌体や高分子生成物を除くため
に純水透過流束の大きいすなわち分画分子量の大きい限
外濾過膜や精密濾過膜を用いた場合は急激に膜透過流束
が低下して濾過開始初期の高い膜透過流束を保つことは
困難であり、結果としてデッドエンド型濾過方式と総透
過液量を比較すると効果は小さく経済的な透過流束を得
るには不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、クロス
フロー型濾過方式は原理的には高度な分離技術である
が、最大の問題である膜透過流束は、従来のデッドエン
ド型濾過方式に僅かに大きい程度で、精密濾過方法とし
てこのクロスフロー方式を採用しても十分高い膜透過流
束が得られないという問題があった。また従来から行わ
れている懸濁物質と流体との分離の具体的な例を見て
も、例えば発酵液から菌体を分離する場合には、従来か
ら行われている遠心分離法、珪藻土濾過法などに代わっ
てクロスフロー濾過方式を用いても膜面上に形成された
ケーク層や目詰まりによって濾過時間の経過と共に膜透
過流束が低下するばかりでなく、原流体を循環する際の
剪断力によって菌体の活性が失われるという問題があっ
た。
フロー型濾過方式は原理的には高度な分離技術である
が、最大の問題である膜透過流束は、従来のデッドエン
ド型濾過方式に僅かに大きい程度で、精密濾過方法とし
てこのクロスフロー方式を採用しても十分高い膜透過流
束が得られないという問題があった。また従来から行わ
れている懸濁物質と流体との分離の具体的な例を見て
も、例えば発酵液から菌体を分離する場合には、従来か
ら行われている遠心分離法、珪藻土濾過法などに代わっ
てクロスフロー濾過方式を用いても膜面上に形成された
ケーク層や目詰まりによって濾過時間の経過と共に膜透
過流束が低下するばかりでなく、原流体を循環する際の
剪断力によって菌体の活性が失われるという問題があっ
た。
【0005】透過流束を高める方法としては従来より濾
過膜への原流体の流入を断続的に停止したり、濾過膜の
透過流体側の弁を閉止することにより、濾過膜の膜面に
垂直にかかる圧力を断続的になくすあるいは減少させた
り、また濾過膜の透過液側から圧力を加え透過液側から
原流体側へ流体を流すことによって、濾過膜の原流体側
の膜面上に堆積しているケーク層や付着層を断続的に取
り除く「逆洗」と称する試みがなされているが、懸濁物
質の濾過比抵抗が小さい場合は逆洗により濾過膜に堆積
した懸濁物質は容易に脱着できるが、懸濁物質の濾過比
抵抗が高く濾過膜との付着力の強い高分子成分や菌体の
場合は、逆洗を行っても濾過膜から十分取り除くことが
できず膜透過流速が十分回復しないなどの問題点があっ
た。またこれら逆洗を行った際に濾過膜から脱着した懸
濁物質を濾過系内に残しておくと原流体中の懸濁物の濃
度が徐々に増加し、場合によっては原流体の粘度も上昇
するため膜透過流束は徐々に低下して逆洗を行っても透
過流束が十分回復しない等の問題があった。一方菌体の
活性を低下させない方法として、クロスフロー濾過の場
合は循環流速を低下させ剪断力を小さくすることが行わ
れているが、剪断力を小さくするとクロスフロー濾過方
式の効果が小さくなるため、実際に菌体活性を低下させ
ない方策をとると膜透過流束が低下する問題があった。
またポンプでの菌体の破砕を少なくするためダイヤフラ
ムポンプなどの剪断力の小さいポンプを用いるとポンプ
の脈動が大きくクロスフロー濾過方式の効果が小さくな
る等の問題もあった。
過膜への原流体の流入を断続的に停止したり、濾過膜の
透過流体側の弁を閉止することにより、濾過膜の膜面に
垂直にかかる圧力を断続的になくすあるいは減少させた
り、また濾過膜の透過液側から圧力を加え透過液側から
原流体側へ流体を流すことによって、濾過膜の原流体側
の膜面上に堆積しているケーク層や付着層を断続的に取
り除く「逆洗」と称する試みがなされているが、懸濁物
質の濾過比抵抗が小さい場合は逆洗により濾過膜に堆積
した懸濁物質は容易に脱着できるが、懸濁物質の濾過比
抵抗が高く濾過膜との付着力の強い高分子成分や菌体の
場合は、逆洗を行っても濾過膜から十分取り除くことが
できず膜透過流速が十分回復しないなどの問題点があっ
た。またこれら逆洗を行った際に濾過膜から脱着した懸
濁物質を濾過系内に残しておくと原流体中の懸濁物の濃
度が徐々に増加し、場合によっては原流体の粘度も上昇
するため膜透過流束は徐々に低下して逆洗を行っても透
過流束が十分回復しない等の問題があった。一方菌体の
活性を低下させない方法として、クロスフロー濾過の場
合は循環流速を低下させ剪断力を小さくすることが行わ
れているが、剪断力を小さくするとクロスフロー濾過方
式の効果が小さくなるため、実際に菌体活性を低下させ
ない方策をとると膜透過流束が低下する問題があった。
またポンプでの菌体の破砕を少なくするためダイヤフラ
ムポンプなどの剪断力の小さいポンプを用いるとポンプ
の脈動が大きくクロスフロー濾過方式の効果が小さくな
る等の問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
技術にあった問題点を解決するために為されたものであ
って、実用性のある高い膜透過流束を持ち菌体などの活
性低下を減少させる新規なデッドエンド型濾過方法を提
供することを目的とするものである。すなわち本発明
は、精密濾過膜を用いて、懸濁物質を含む流体からなる
原流体を供給し濾過することにより流体と懸濁物質とを
分離し濾過膜の透過流体側の圧力を原流体側の圧力より
大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾過膜か
ら脱着した懸濁物質を濾過系外へ排出するデッドエンド
型濾過方式において、濾過膜が膜厚方向に孔径が連続的
または不連続的に変化し、濾過膜の一方の表面の孔径と
他方の表面の孔径とが異なる構造を有するいわゆる異方
性膜を使用することにより達成される。以下、本発明を
詳細に説明する。本発明の異方性濾過膜を用いたデッド
エンド型濾過方法は、種々の高分子、微生物、酵母、微
粒子を含有あるいは懸濁する流体の分離、精製、回収、
濃縮など、濾過を必要とする微細な微粒子を含有する流
体からその微粒子を分離する必要のあるあらゆる場合に
適用することができるが、特に発酵液、培養液からの酵
素、微生物、細胞の分離、濃縮、回収など懸濁物質の濾
過比抵抗が極端に大きい場合に効果がある。
技術にあった問題点を解決するために為されたものであ
って、実用性のある高い膜透過流束を持ち菌体などの活
性低下を減少させる新規なデッドエンド型濾過方法を提
供することを目的とするものである。すなわち本発明
は、精密濾過膜を用いて、懸濁物質を含む流体からなる
原流体を供給し濾過することにより流体と懸濁物質とを
分離し濾過膜の透過流体側の圧力を原流体側の圧力より
大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾過膜か
ら脱着した懸濁物質を濾過系外へ排出するデッドエンド
型濾過方式において、濾過膜が膜厚方向に孔径が連続的
または不連続的に変化し、濾過膜の一方の表面の孔径と
他方の表面の孔径とが異なる構造を有するいわゆる異方
性膜を使用することにより達成される。以下、本発明を
詳細に説明する。本発明の異方性濾過膜を用いたデッド
エンド型濾過方法は、種々の高分子、微生物、酵母、微
粒子を含有あるいは懸濁する流体の分離、精製、回収、
濃縮など、濾過を必要とする微細な微粒子を含有する流
体からその微粒子を分離する必要のあるあらゆる場合に
適用することができるが、特に発酵液、培養液からの酵
素、微生物、細胞の分離、濃縮、回収など懸濁物質の濾
過比抵抗が極端に大きい場合に効果がある。
【0007】本発明の濾過方式で使用される濾過膜は懸
濁物質が阻止できる孔径を持つものが必要であり、精密
濾過膜では通常0.05〜10μmの孔径を有するもの
が使用される。これら精密濾過膜を周期的に逆洗しなが
ら濾過した場合の総濾過量は、濾過膜の構造に著しく影
響を受ける。濾過膜の種類として、その内部に存在する
微孔の孔径が実質的に変化せず、膜の両表面の孔径が実
質的に変わらない所謂等方性膜と、膜厚方向に孔径が連
続的または不連続的に変化し、膜の一方の表面の孔径と
他方の表面の孔径とが異なっている所謂異方性膜と呼ば
れる構造を有するものとに分類される。これらのうち等
方性膜は、特開昭58−98015号に記載されている
が、濾過にあたって膜全体が流体の流れに対して大きな
抵抗を示し、小さな流速しか得られない(即ち、単位面
積当り、単位時間当り、単位差圧当り小さな流量しか得
られない)上、目詰まりがしやすく濾過寿命が短い、耐
ブロッキング性がない等の欠点があった。一方異方性膜
は特公昭55−6406、特開昭56−154051
号、特開昭63−139930に記載されている如く緻
密層と呼ばれている孔径の小さな層を膜の片方の表面、
または膜の内部に持ち、比較的大きな孔をあるいは極端
に大きなボイドを膜の内部からもう一方の表面にかけて
持ったものである。懸濁物質は等方性膜を用いるかまた
は異方性膜の孔径の小さい側に原流体を供給する場合は
濾過膜表面で捕捉され、一方異方性膜の孔径の大きい側
に原流体を供給する場合は懸濁物質は濾過膜の内部で捕
捉される。すなわち懸濁物質を濾過膜の表面で阻止する
場合は阻止された懸濁物質が非常に大きな濾過抵抗とな
って透過流束が急激に低下し結果として総濾過量は低く
なるが、濾過膜が膜厚方向に孔径が連続的または不連続
的に変化し濾過膜の一方の表面の孔径と他方の表面の孔
径とが異なる構造を有するいわゆる異方性膜を表面孔径
の大きい側を原流体側に向けて使用することにより、濾
過膜内部で懸濁物質が阻止できるため大きな総濾過量を
得ることが可能となる。ここで示す膜表面の平均孔径は
電子顕微鏡によって得られた写真から算出した。一方、
異方性膜の表面孔径が大きい側の平均孔径が最も孔径の
小さい緻密層の平均孔径より極端に大きい場合は、懸濁
物質が膜内部の断層方向に均一に分散して捕捉されず緻
密層部分に集中して捕捉されるため、結果として異方性
膜の特性が得られず等方性膜のように表面で捕捉される
場合と同様の結果となる。すなわち異方性膜の特性を得
るためには、懸濁物質が膜内部に分散して捕捉されるた
めの適切な異方性構造が必要である。異方性構造は緻密
層が膜の片方の表面に存在する場合、膜の内部に存在す
る場合ともに表面孔径の大きい側の平均孔径と緻密層の
平均孔径の比で定義される。精密濾過膜では通常緻密層
の平均孔径は上記で示した通り0.05〜10μmであ
るが、異方性膜の場合表面孔径の大きい側の平均孔径は
通常1〜100μmであり、表面孔径の大きい面と緻密
層の平均孔径の比(異方性比)は1〜1000倍であ
る。高い濾過量を得るための好ましい異方性構造は表面
孔径の大きい側の平均孔径が緻密層の平均孔径の2倍以
上500倍以下、好ましくは5倍以上50倍以下であ
る。また、表面孔径の大きい面から緻密層にいたるまで
の構造は、懸濁物質が膜内部で均一に分散するためには
平均孔径が連続的に変化することが好ましい。また、懸
濁物質の捕捉効果を向上するためには濾過膜の厚みは厚
い方が好ましいが、濾過膜強度及び取扱性の点から一般
的に20μm〜1000μm、好ましくは100μm〜
300μmのものが使用される。また、濾過膜として多
孔質膜と不織布または網状体を一体化した複合構造を持
つ場合も不織布または網状体側を原液側にすることによ
り、さらに懸濁物質の捕捉性が高まる。特に、懸濁物質
の粒径分布が広い場合は大きい懸濁物質は不織布内部
に、小さい懸濁物質は多孔質膜内部に捕捉されるため効
果は大きい。また、周期的に逆洗を行う場合は、逆洗時
に濾過膜に対して大きな負荷がかかり濾過膜強度が弱い
ときは濾過膜に亀裂が生じるなどの問題がおこったが、
多孔質膜を不織布等と一体化したことにより濾過膜強度
を極端に上昇させることが可能となる。多孔質膜と不織
布または網状体とを一体化する方法は、点状または線状
に接着剤で行うかヒートシールで溶融接着を行ってもよ
いが、特公昭45−13931のごとく濾過膜を製膜す
る際に製膜原液を直接不織布または網状体にキャスティ
ングして多孔質膜が不織布等に一部侵入した状態で多孔
質構造を形成してもよい。
濁物質が阻止できる孔径を持つものが必要であり、精密
濾過膜では通常0.05〜10μmの孔径を有するもの
が使用される。これら精密濾過膜を周期的に逆洗しなが
ら濾過した場合の総濾過量は、濾過膜の構造に著しく影
響を受ける。濾過膜の種類として、その内部に存在する
微孔の孔径が実質的に変化せず、膜の両表面の孔径が実
質的に変わらない所謂等方性膜と、膜厚方向に孔径が連
続的または不連続的に変化し、膜の一方の表面の孔径と
他方の表面の孔径とが異なっている所謂異方性膜と呼ば
れる構造を有するものとに分類される。これらのうち等
方性膜は、特開昭58−98015号に記載されている
が、濾過にあたって膜全体が流体の流れに対して大きな
抵抗を示し、小さな流速しか得られない(即ち、単位面
積当り、単位時間当り、単位差圧当り小さな流量しか得
られない)上、目詰まりがしやすく濾過寿命が短い、耐
ブロッキング性がない等の欠点があった。一方異方性膜
は特公昭55−6406、特開昭56−154051
号、特開昭63−139930に記載されている如く緻
密層と呼ばれている孔径の小さな層を膜の片方の表面、
または膜の内部に持ち、比較的大きな孔をあるいは極端
に大きなボイドを膜の内部からもう一方の表面にかけて
持ったものである。懸濁物質は等方性膜を用いるかまた
は異方性膜の孔径の小さい側に原流体を供給する場合は
濾過膜表面で捕捉され、一方異方性膜の孔径の大きい側
に原流体を供給する場合は懸濁物質は濾過膜の内部で捕
捉される。すなわち懸濁物質を濾過膜の表面で阻止する
場合は阻止された懸濁物質が非常に大きな濾過抵抗とな
って透過流束が急激に低下し結果として総濾過量は低く
なるが、濾過膜が膜厚方向に孔径が連続的または不連続
的に変化し濾過膜の一方の表面の孔径と他方の表面の孔
径とが異なる構造を有するいわゆる異方性膜を表面孔径
の大きい側を原流体側に向けて使用することにより、濾
過膜内部で懸濁物質が阻止できるため大きな総濾過量を
得ることが可能となる。ここで示す膜表面の平均孔径は
電子顕微鏡によって得られた写真から算出した。一方、
異方性膜の表面孔径が大きい側の平均孔径が最も孔径の
小さい緻密層の平均孔径より極端に大きい場合は、懸濁
物質が膜内部の断層方向に均一に分散して捕捉されず緻
密層部分に集中して捕捉されるため、結果として異方性
膜の特性が得られず等方性膜のように表面で捕捉される
場合と同様の結果となる。すなわち異方性膜の特性を得
るためには、懸濁物質が膜内部に分散して捕捉されるた
めの適切な異方性構造が必要である。異方性構造は緻密
層が膜の片方の表面に存在する場合、膜の内部に存在す
る場合ともに表面孔径の大きい側の平均孔径と緻密層の
平均孔径の比で定義される。精密濾過膜では通常緻密層
の平均孔径は上記で示した通り0.05〜10μmであ
るが、異方性膜の場合表面孔径の大きい側の平均孔径は
通常1〜100μmであり、表面孔径の大きい面と緻密
層の平均孔径の比(異方性比)は1〜1000倍であ
る。高い濾過量を得るための好ましい異方性構造は表面
孔径の大きい側の平均孔径が緻密層の平均孔径の2倍以
上500倍以下、好ましくは5倍以上50倍以下であ
る。また、表面孔径の大きい面から緻密層にいたるまで
の構造は、懸濁物質が膜内部で均一に分散するためには
平均孔径が連続的に変化することが好ましい。また、懸
濁物質の捕捉効果を向上するためには濾過膜の厚みは厚
い方が好ましいが、濾過膜強度及び取扱性の点から一般
的に20μm〜1000μm、好ましくは100μm〜
300μmのものが使用される。また、濾過膜として多
孔質膜と不織布または網状体を一体化した複合構造を持
つ場合も不織布または網状体側を原液側にすることによ
り、さらに懸濁物質の捕捉性が高まる。特に、懸濁物質
の粒径分布が広い場合は大きい懸濁物質は不織布内部
に、小さい懸濁物質は多孔質膜内部に捕捉されるため効
果は大きい。また、周期的に逆洗を行う場合は、逆洗時
に濾過膜に対して大きな負荷がかかり濾過膜強度が弱い
ときは濾過膜に亀裂が生じるなどの問題がおこったが、
多孔質膜を不織布等と一体化したことにより濾過膜強度
を極端に上昇させることが可能となる。多孔質膜と不織
布または網状体とを一体化する方法は、点状または線状
に接着剤で行うかヒートシールで溶融接着を行ってもよ
いが、特公昭45−13931のごとく濾過膜を製膜す
る際に製膜原液を直接不織布または網状体にキャスティ
ングして多孔質膜が不織布等に一部侵入した状態で多孔
質構造を形成してもよい。
【0008】本発明のデッドエンド濾過で行う逆洗はガ
スよりも液体で行う方が効果が大きく、系外からの異物
混入を避ける場合は逆洗液として透過液を用いることが
できる。また透過液を逆流させた分だけ透過量が減少す
ることを避ける場合は、濾過系外より洗浄液を供給して
必要に応じた逆洗液量で逆洗を行うことが好ましい。濾
過系外より供給する洗浄液は濾過膜の特性を低下させた
り原流体の特性を変化させなければ基本的には何でも良
いが、原流体が水溶液である場合には一般的には滅菌水
を用いることが好ましい。また、逆洗終了後逆洗液を濾
過系内に残したくない場合はガスによる脱水を行うこと
が好ましい。 逆洗は膜透過流束が極端に低くなってか
ら行うと逆洗後の膜透過流束の回復性は悪くなる。これ
は懸濁物質が濾過膜の内部に深く侵入したり堆積した懸
濁物質が圧密化したり、また長時間濾過を行うと懸濁物
質が濾過膜に強く結合するため、逆洗時に堆積した懸濁
物質を完全に取り除くことができなくなるためである。
このため定圧濾過を行う場合は濾過初期の透過流速の1
/100に達する前に逆洗を行うことが好ましく、さら
に高い透過流速を得るためには1/10に達する前に逆
洗を行うことが好ましい。また、定速濾過を行う場合は
濾過膜間差圧が極端に高くなってから逆洗を行うと逆洗
後の濾過膜間差圧の回復性すなわち濾過膜の洗浄性が悪
くなるため、濾過膜間差圧が1気圧に達する前に逆洗を
行うことが好ましく、さらに好ましくは濾過膜間差圧が
0.3気圧に達する前に逆洗を行う。従って醗酵液の如
き懸濁物濃度の高い液を濾過するときは、濾過開始から
逆洗に至るまでの時間は短く、懸濁物質の比抵抗が大き
い場合は濾過を0.5分以上5分以内行った後に逆洗を
行うことが好ましい。また、逆洗液は高い透過流速で多
量に濾過膜内を通過させる方が洗浄性は高くなるが、逆
洗液の透過流束を高めて長時間逆洗を行うことは逆洗液
量が膨大となるばかりでなく、濾過時間に対する逆洗時
間の比率が高まり事実上平均透過流束は低くなるため、
十分透過流束が回復できる範囲で透過流速は1×10-4
m3 /m2 /sec以上であり、時間は1秒以上30秒
以内であることが好ましい。
スよりも液体で行う方が効果が大きく、系外からの異物
混入を避ける場合は逆洗液として透過液を用いることが
できる。また透過液を逆流させた分だけ透過量が減少す
ることを避ける場合は、濾過系外より洗浄液を供給して
必要に応じた逆洗液量で逆洗を行うことが好ましい。濾
過系外より供給する洗浄液は濾過膜の特性を低下させた
り原流体の特性を変化させなければ基本的には何でも良
いが、原流体が水溶液である場合には一般的には滅菌水
を用いることが好ましい。また、逆洗終了後逆洗液を濾
過系内に残したくない場合はガスによる脱水を行うこと
が好ましい。 逆洗は膜透過流束が極端に低くなってか
ら行うと逆洗後の膜透過流束の回復性は悪くなる。これ
は懸濁物質が濾過膜の内部に深く侵入したり堆積した懸
濁物質が圧密化したり、また長時間濾過を行うと懸濁物
質が濾過膜に強く結合するため、逆洗時に堆積した懸濁
物質を完全に取り除くことができなくなるためである。
このため定圧濾過を行う場合は濾過初期の透過流速の1
/100に達する前に逆洗を行うことが好ましく、さら
に高い透過流速を得るためには1/10に達する前に逆
洗を行うことが好ましい。また、定速濾過を行う場合は
濾過膜間差圧が極端に高くなってから逆洗を行うと逆洗
後の濾過膜間差圧の回復性すなわち濾過膜の洗浄性が悪
くなるため、濾過膜間差圧が1気圧に達する前に逆洗を
行うことが好ましく、さらに好ましくは濾過膜間差圧が
0.3気圧に達する前に逆洗を行う。従って醗酵液の如
き懸濁物濃度の高い液を濾過するときは、濾過開始から
逆洗に至るまでの時間は短く、懸濁物質の比抵抗が大き
い場合は濾過を0.5分以上5分以内行った後に逆洗を
行うことが好ましい。また、逆洗液は高い透過流速で多
量に濾過膜内を通過させる方が洗浄性は高くなるが、逆
洗液の透過流束を高めて長時間逆洗を行うことは逆洗液
量が膨大となるばかりでなく、濾過時間に対する逆洗時
間の比率が高まり事実上平均透過流束は低くなるため、
十分透過流束が回復できる範囲で透過流速は1×10-4
m3 /m2 /sec以上であり、時間は1秒以上30秒
以内であることが好ましい。
【0009】次に本発明のデッドエンド型濾過方式を図
面に基づいて説明する。図1は従来のデッドエンド型濾
過を行った際に濾過膜に堆積する懸濁物の様子を示して
おり、経時とともに堆積する懸濁物質量は増加し、最終
的には透過流束はゼロに近づく。図2はクロスフロー濾
過を行った際に濾過膜に堆積する懸濁物質の様子を示し
ており、濾過開始初期においては懸濁物質が徐々に増加
するが原流体の剪断力によって堆積する懸濁物質量は一
定値をとり透過流束も最終的には一定値に近づく。図3
は本発明のデッドエンド型濾過方式のフローを示してい
る。濾過を一定時間行った後透過流体側から原流体側に
滅菌水を流して濾過膜から脱着した懸濁物質と共に排出
する。その後ガスにより濾過系内に残留している滅菌水
を排出し、再び濾過を行う。このサイクルを繰り返すこ
とによって原流体の懸濁物質濃度も上昇せずに高い透過
流束を維持することが可能となる。図4は懸濁物質を濾
過膜表面で阻止する場合の濾過膜断面を示しており、図
5は本発明の濾過膜構造を示している。本発明の濾過膜
構造では膜内部で懸濁物質が阻止されるため、著しく大
きな濾過抵抗とはならず結果として高い濾過量が得られ
る。
面に基づいて説明する。図1は従来のデッドエンド型濾
過を行った際に濾過膜に堆積する懸濁物の様子を示して
おり、経時とともに堆積する懸濁物質量は増加し、最終
的には透過流束はゼロに近づく。図2はクロスフロー濾
過を行った際に濾過膜に堆積する懸濁物質の様子を示し
ており、濾過開始初期においては懸濁物質が徐々に増加
するが原流体の剪断力によって堆積する懸濁物質量は一
定値をとり透過流束も最終的には一定値に近づく。図3
は本発明のデッドエンド型濾過方式のフローを示してい
る。濾過を一定時間行った後透過流体側から原流体側に
滅菌水を流して濾過膜から脱着した懸濁物質と共に排出
する。その後ガスにより濾過系内に残留している滅菌水
を排出し、再び濾過を行う。このサイクルを繰り返すこ
とによって原流体の懸濁物質濃度も上昇せずに高い透過
流束を維持することが可能となる。図4は懸濁物質を濾
過膜表面で阻止する場合の濾過膜断面を示しており、図
5は本発明の濾過膜構造を示している。本発明の濾過膜
構造では膜内部で懸濁物質が阻止されるため、著しく大
きな濾過抵抗とはならず結果として高い濾過量が得られ
る。
【0010】
【実施例】以下に具体例をあげて本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り本発明は実施例
に限定されるものではない。 実施例1 大腸菌(IFO3301)をグルコース10g/l、ポ
リペプトン5g/l、酵母エキス5g/l、塩化ナトリ
ウム5g/lを含む培養溶液を用いて18時間振とう培
養を行って濾過原液とした。培養条件は温度37℃、p
H7.0であった。この原液を公称孔径0.2μmの精
密濾過膜を用いて本発明の逆洗を周期的に行うデッドエ
ンド型濾過を行った。使用した濾過器は有効膜面積10
0cm2 で、実験条件は圧力差0.5×105 Pa、液
温度25℃であり、逆洗流束1×10-3m3 /m2 /s
ec、逆洗時間3秒で行い逆洗液は滅菌水で行った。図
6にクロスフロー型濾過方式でしかも透過液を逆洗液と
して用い逆洗を行った(運転時間120秒、逆洗時間3
秒)比較例と従来のデッドエンド型濾過を行った場合の
比較例と共に、本発明の濾過方法で行った結果を示し
た。従来のデッドエンド型濾過を行った際の透過流束は
時間と共にゼロに近づき、また逆洗を伴うクロスフロー
濾過では透過流束は逆洗で十分回復せず透過流束は徐々
に減少している。それに対し本発明の逆洗を周期的に行
うデッドエンド型濾過では透過流束は高い値を維持し
た。
説明するが、発明の主旨を越えない限り本発明は実施例
に限定されるものではない。 実施例1 大腸菌(IFO3301)をグルコース10g/l、ポ
リペプトン5g/l、酵母エキス5g/l、塩化ナトリ
ウム5g/lを含む培養溶液を用いて18時間振とう培
養を行って濾過原液とした。培養条件は温度37℃、p
H7.0であった。この原液を公称孔径0.2μmの精
密濾過膜を用いて本発明の逆洗を周期的に行うデッドエ
ンド型濾過を行った。使用した濾過器は有効膜面積10
0cm2 で、実験条件は圧力差0.5×105 Pa、液
温度25℃であり、逆洗流束1×10-3m3 /m2 /s
ec、逆洗時間3秒で行い逆洗液は滅菌水で行った。図
6にクロスフロー型濾過方式でしかも透過液を逆洗液と
して用い逆洗を行った(運転時間120秒、逆洗時間3
秒)比較例と従来のデッドエンド型濾過を行った場合の
比較例と共に、本発明の濾過方法で行った結果を示し
た。従来のデッドエンド型濾過を行った際の透過流束は
時間と共にゼロに近づき、また逆洗を伴うクロスフロー
濾過では透過流束は逆洗で十分回復せず透過流束は徐々
に減少している。それに対し本発明の逆洗を周期的に行
うデッドエンド型濾過では透過流束は高い値を維持し
た。
【0011】実施例2 市販のビールにタンニン酸20ppmを溶かして、タン
パク質を凝集させたものを懸濁液として用い、公称孔径
2.0μmの異方性の精密濾過膜を孔径の大きい側を懸
濁液側にして本発明の逆洗を周期的に行うデッドエンド
型濾過を行った。異方性膜はポリスルホン(アモコ社製
P3500)15部、ポリビニルピロリドン15部、
水3部を、N−メチルピロリドン70部に溶解した製膜
原液を、ガラス板に液膜厚さ180μmでキャスティン
グコーターを通して流延し、その液膜表面に25℃相対
湿度45%に調節した空気を2m/secで5秒間当
て、その後直ちに水を満たした凝固液槽へ浸漬して作成
した。使用した濾過器は有効膜面積100cm2 で、実
験条件は圧力差0.5×105 Pa、液温度2℃であ
り、濾過時間60秒、逆洗流束5×10-3m3 /m2 /
sec、逆洗時間4秒で行い逆洗液には滅菌水用いた。
図7にクロスフロー型濾過方式でしかも透過液を逆洗液
として用い逆洗を行った(運転時間60秒、逆洗時間3
秒)比較例と従来のデッドエンド型濾過を行った場合の
比較例と共に、本発明の濾過方法で行った結果を示し
た。 従来のデッドエンド型濾過を行った際の透過流束
は時間と共にゼロに近づき、また逆洗を伴うクロスフロ
ー濾過では透過流束は逆洗で十分回復せず透過流束は徐
々に減少している。それに対し本発明の逆洗を周期的に
行うデッドエンド型濾過では透過流束は高い値を維持し
た。
パク質を凝集させたものを懸濁液として用い、公称孔径
2.0μmの異方性の精密濾過膜を孔径の大きい側を懸
濁液側にして本発明の逆洗を周期的に行うデッドエンド
型濾過を行った。異方性膜はポリスルホン(アモコ社製
P3500)15部、ポリビニルピロリドン15部、
水3部を、N−メチルピロリドン70部に溶解した製膜
原液を、ガラス板に液膜厚さ180μmでキャスティン
グコーターを通して流延し、その液膜表面に25℃相対
湿度45%に調節した空気を2m/secで5秒間当
て、その後直ちに水を満たした凝固液槽へ浸漬して作成
した。使用した濾過器は有効膜面積100cm2 で、実
験条件は圧力差0.5×105 Pa、液温度2℃であ
り、濾過時間60秒、逆洗流束5×10-3m3 /m2 /
sec、逆洗時間4秒で行い逆洗液には滅菌水用いた。
図7にクロスフロー型濾過方式でしかも透過液を逆洗液
として用い逆洗を行った(運転時間60秒、逆洗時間3
秒)比較例と従来のデッドエンド型濾過を行った場合の
比較例と共に、本発明の濾過方法で行った結果を示し
た。 従来のデッドエンド型濾過を行った際の透過流束
は時間と共にゼロに近づき、また逆洗を伴うクロスフロ
ー濾過では透過流束は逆洗で十分回復せず透過流束は徐
々に減少している。それに対し本発明の逆洗を周期的に
行うデッドエンド型濾過では透過流束は高い値を維持し
た。
【0012】実施例3 ポリスルホン(アモコ社製 P3500)15部、ポリ
ビニルピロリドン15部、水2部を、N−メチルピロリ
ドン70部に溶解した製膜原液を、液膜厚さ180μm
でキャスティングコーターを通して流延し、その液膜表
面に25℃相対湿度55%に調節した空気を2m/se
cで緻密層平均孔径が0.4μmになるように数秒間さ
らし、水温10度C、25度C、35度C、45度Cお
よび65度Cの水を満たした凝固液槽へそれぞれ浸漬し
て、5種類の異方性精密濾過膜を得た。この膜の緻密層
平均孔径はASTM F316の方法で測定した。一方
膜の最大孔径層表面の電子顕微鏡写真から最大孔径層の
平均孔径を測定し、その比(異方性比)を算出し、表1
に示した。
ビニルピロリドン15部、水2部を、N−メチルピロリ
ドン70部に溶解した製膜原液を、液膜厚さ180μm
でキャスティングコーターを通して流延し、その液膜表
面に25℃相対湿度55%に調節した空気を2m/se
cで緻密層平均孔径が0.4μmになるように数秒間さ
らし、水温10度C、25度C、35度C、45度Cお
よび65度Cの水を満たした凝固液槽へそれぞれ浸漬し
て、5種類の異方性精密濾過膜を得た。この膜の緻密層
平均孔径はASTM F316の方法で測定した。一方
膜の最大孔径層表面の電子顕微鏡写真から最大孔径層の
平均孔径を測定し、その比(異方性比)を算出し、表1
に示した。
【0013】
【表1】
【0014】これらの膜を用い、実施例1と同じ大腸菌
培養液を濾過原液として、膜面積130cm2 、流量6
5cm3 /分で濾過圧力上昇時間を測定し、図8に図示
した。比較のために等方性膜(ポリフッ化ビニリデン
0.4ミクロン、Millipore Corporation,Bedford,Mass
achusetts 製)も同時測定した。次に図3に示した装置
で周期的に逆洗を行いながらデッドエンドろ過を行な
い、その平均透過流束と孔径比の関係を図8に示した。
周期逆洗ろ過は、膜面積130cm2 、濾過ポンプ流量
を純水を使って65cm3 /分に調節し、また逆洗ポン
プ流量は純水で300cm3 /分にして、濾過4分、逆
洗15秒の周期で行なった。図8および図9より、最大
孔径層の平均孔径が2μm(異方性比 5)よりも大き
な異方性膜の濾過圧力上昇は等方性膜よりも遅く、周期
逆洗濾過を行なうと多くの濾過量が得られることが判
る。特に最大孔径層の平均孔径が4μm(異方性比1
0)および8μm(異方性比20)の膜は、直径0.6
μm、長さ1から2μmの大腸菌のろ過に適しており、
周期的に逆洗を行いながらデッドエンド濾過を行なう
と、効率的な濾過ができることを示している。
培養液を濾過原液として、膜面積130cm2 、流量6
5cm3 /分で濾過圧力上昇時間を測定し、図8に図示
した。比較のために等方性膜(ポリフッ化ビニリデン
0.4ミクロン、Millipore Corporation,Bedford,Mass
achusetts 製)も同時測定した。次に図3に示した装置
で周期的に逆洗を行いながらデッドエンドろ過を行な
い、その平均透過流束と孔径比の関係を図8に示した。
周期逆洗ろ過は、膜面積130cm2 、濾過ポンプ流量
を純水を使って65cm3 /分に調節し、また逆洗ポン
プ流量は純水で300cm3 /分にして、濾過4分、逆
洗15秒の周期で行なった。図8および図9より、最大
孔径層の平均孔径が2μm(異方性比 5)よりも大き
な異方性膜の濾過圧力上昇は等方性膜よりも遅く、周期
逆洗濾過を行なうと多くの濾過量が得られることが判
る。特に最大孔径層の平均孔径が4μm(異方性比1
0)および8μm(異方性比20)の膜は、直径0.6
μm、長さ1から2μmの大腸菌のろ過に適しており、
周期的に逆洗を行いながらデッドエンド濾過を行なう
と、効率的な濾過ができることを示している。
【0015】実施例4 実施例1の濾過原液を懸濁液として用い、公称孔径0.
2μmの純水透過流束の違う3種類の異方性濾過膜を表
面孔径の大きい側を懸濁液側として本発明の逆洗を周期
的に行うデッドエンド型濾過を行った。異方性膜はポリ
スルホン(アモコ社製 P3500)15部、ポリビニ
ルピロリドン15部、水2部を、N−メチルピロリドン
70部に溶解した製膜原液を、ガラス板に液膜厚さ18
0μmでキャスティングコーターを通して流延し、その
液膜表面に25℃相対湿度45%に調節した空気を2m
/secでそれぞれ1秒、2秒、3秒間当て、その後直
ちに水を満たした凝固液槽へ浸漬して作成した。濾過膜
の25℃の純水透過流束はそれぞれ0.5×10-4、1
×10-4、1.5×10-4m3 /m2 /sec/atm
であった。使用した濾過器は有効膜面積100cm
2 で、実験条件は圧力差0.5×105 Pa、液温度2
℃であり、逆洗流束5×10-3m3 /m2 /sec、逆
洗時間4秒で行い逆洗液には滅菌水用いた。図10に4
時間濾過運転を行った後の総透過液量の比較を示した。
濾過膜の純水透過流束が1×10-4m3 /m2 /sec
/atmを越えると逆洗による透過流束の回復がよくな
り高い透過液量が得られた。
2μmの純水透過流束の違う3種類の異方性濾過膜を表
面孔径の大きい側を懸濁液側として本発明の逆洗を周期
的に行うデッドエンド型濾過を行った。異方性膜はポリ
スルホン(アモコ社製 P3500)15部、ポリビニ
ルピロリドン15部、水2部を、N−メチルピロリドン
70部に溶解した製膜原液を、ガラス板に液膜厚さ18
0μmでキャスティングコーターを通して流延し、その
液膜表面に25℃相対湿度45%に調節した空気を2m
/secでそれぞれ1秒、2秒、3秒間当て、その後直
ちに水を満たした凝固液槽へ浸漬して作成した。濾過膜
の25℃の純水透過流束はそれぞれ0.5×10-4、1
×10-4、1.5×10-4m3 /m2 /sec/atm
であった。使用した濾過器は有効膜面積100cm
2 で、実験条件は圧力差0.5×105 Pa、液温度2
℃であり、逆洗流束5×10-3m3 /m2 /sec、逆
洗時間4秒で行い逆洗液には滅菌水用いた。図10に4
時間濾過運転を行った後の総透過液量の比較を示した。
濾過膜の純水透過流束が1×10-4m3 /m2 /sec
/atmを越えると逆洗による透過流束の回復がよくな
り高い透過液量が得られた。
【0016】実施例5 市販のビールにタンニン酸20ppmを溶かして、タン
パク質を凝集させたものを懸濁液として用い、目付け量
1g/m2 、厚み0.2mmのポリプロピレン製の不織
布に実施例2で使用した製膜原液を実施例2と同様の条
件で製膜した公称孔径2.0μmの異方性の複合膜を不
織布側を懸濁液側として本発明の逆洗を周期的に行うデ
ッドエンド型濾過を行った。使用した濾過器は有効膜面
積100cm2 で、実験条件は圧力差0.5×105 P
a、液温度2℃であり、濾過時間60秒、逆洗流束5×
10-3m3 /m2 /sec、逆洗時間4秒で行い逆洗液
には滅菌水用いた。図11に総透過液量の経時変化を実
施例2で用いた濾過膜を使用した場合の例と共に示し
た。多孔質膜を不織布に一体化した複合膜はさらに高い
透過液量が得られた。
パク質を凝集させたものを懸濁液として用い、目付け量
1g/m2 、厚み0.2mmのポリプロピレン製の不織
布に実施例2で使用した製膜原液を実施例2と同様の条
件で製膜した公称孔径2.0μmの異方性の複合膜を不
織布側を懸濁液側として本発明の逆洗を周期的に行うデ
ッドエンド型濾過を行った。使用した濾過器は有効膜面
積100cm2 で、実験条件は圧力差0.5×105 P
a、液温度2℃であり、濾過時間60秒、逆洗流束5×
10-3m3 /m2 /sec、逆洗時間4秒で行い逆洗液
には滅菌水用いた。図11に総透過液量の経時変化を実
施例2で用いた濾過膜を使用した場合の例と共に示し
た。多孔質膜を不織布に一体化した複合膜はさらに高い
透過液量が得られた。
【0017】実施例6 実施例1の濾過原液を懸濁液として用い、緻密層の平均
孔径0.4μm、有効濾過面積130cm2 の異方性濾
過膜の表面孔径の大きい側を懸濁液側として用いて、本
発明の周期逆洗デッドエンド濾過を行った。濾過ポンプ
の初期流量設定を35ミリリットル/分、70ミリリッ
トル/分および100ミリリットル/分と変え、濾過4
分40秒、逆洗20秒の条件で80分間行った。80分
間の総濾過量を表2に、その間の濾過差圧変化を図12
に示した。
孔径0.4μm、有効濾過面積130cm2 の異方性濾
過膜の表面孔径の大きい側を懸濁液側として用いて、本
発明の周期逆洗デッドエンド濾過を行った。濾過ポンプ
の初期流量設定を35ミリリットル/分、70ミリリッ
トル/分および100ミリリットル/分と変え、濾過4
分40秒、逆洗20秒の条件で80分間行った。80分
間の総濾過量を表2に、その間の濾過差圧変化を図12
に示した。
【0018】
【表2】
【0019】濾過ポンプ流量の小さい35ミリリットル
/分では、逆洗する時の濾過差圧が低く、従ってポンプ
流量は初期設定とほぼ同じ流量を保っている。また逆洗
により濾過差圧は初期の状態に完全に戻っているので、
更に長時間の安定濾過が可能と推定される。一方ポンプ
流量の大きい100ミリリットル/分では、逆洗する時
の濾過差圧が高く、従ってポンプ流量は初期流量よりも
少なくなっている。また逆洗による懸濁物の膜からの離
脱が悪くなって、濾過差圧は初期の状態に完全には回復
しない。そして濾過逆洗を繰り返すうちに、濾過差圧は
次第に上昇が激しくなり、ポンプ能力の限界を越えてし
まっている。その結果、80分間の総濾過量はこの実験
の中では最も少ない結果となった。これらの結果より、
本発明の周期逆洗デッドエンド濾過を長時間安定に行う
には、ポンプ流量や濾過逆洗の周期を最適化し、濾過差
圧が1気圧を越えない時に逆洗するべきである。好まし
くは濾過差圧が0.3気圧を越えない時に逆洗すべきで
ある。
/分では、逆洗する時の濾過差圧が低く、従ってポンプ
流量は初期設定とほぼ同じ流量を保っている。また逆洗
により濾過差圧は初期の状態に完全に戻っているので、
更に長時間の安定濾過が可能と推定される。一方ポンプ
流量の大きい100ミリリットル/分では、逆洗する時
の濾過差圧が高く、従ってポンプ流量は初期流量よりも
少なくなっている。また逆洗による懸濁物の膜からの離
脱が悪くなって、濾過差圧は初期の状態に完全には回復
しない。そして濾過逆洗を繰り返すうちに、濾過差圧は
次第に上昇が激しくなり、ポンプ能力の限界を越えてし
まっている。その結果、80分間の総濾過量はこの実験
の中では最も少ない結果となった。これらの結果より、
本発明の周期逆洗デッドエンド濾過を長時間安定に行う
には、ポンプ流量や濾過逆洗の周期を最適化し、濾過差
圧が1気圧を越えない時に逆洗するべきである。好まし
くは濾過差圧が0.3気圧を越えない時に逆洗すべきで
ある。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、逆洗を周期的に行うデ
ッドエンド型濾過方式において高い膜透過流束が得ら
れ、それによって種々の懸濁物質を含有する液体から各
懸濁成分の分離、回収、精製、濃縮などがきわめて効率
的しかも経済的に行われる。そしてさらにプロセスの連
続化及び装置の小型化が可能であり、膜の選択性を利用
して目的物のみを連続的に選択的に分離することがで
き、酵母や菌体などのバイオリアクターへの応用がで
き、従来技術に比べて運転管理が容易であるなど諸々の
効果が奏せられる。
ッドエンド型濾過方式において高い膜透過流束が得ら
れ、それによって種々の懸濁物質を含有する液体から各
懸濁成分の分離、回収、精製、濃縮などがきわめて効率
的しかも経済的に行われる。そしてさらにプロセスの連
続化及び装置の小型化が可能であり、膜の選択性を利用
して目的物のみを連続的に選択的に分離することがで
き、酵母や菌体などのバイオリアクターへの応用がで
き、従来技術に比べて運転管理が容易であるなど諸々の
効果が奏せられる。
【図1】従来のデッドエンド型濾過における懸濁物質の
堆積状態を示している。
堆積状態を示している。
【図2】従来のクロスフロー濾過における懸濁物質の堆
積状態を示している。
積状態を示している。
【図3】本発明の逆洗を周期的に行うデッドエンド型濾
過方式のフローを示している。
過方式のフローを示している。
【図4】懸濁物質を濾過膜表面に阻止した場合の膜断面
状態を示している。
状態を示している。
【図5】本発明の異方性膜を孔径の大きい側から懸濁物
質を膜内部に阻止した時の膜断面状態を示している。
質を膜内部に阻止した時の膜断面状態を示している。
【図6】大腸菌培養液を用いて本発明の逆洗を周期的に
行うデッドエンド型濾過、逆洗を伴うクロスフロー濾
過、従来のデッドエンド濾過を行った際の透過流束の変
化の比較を示している。
行うデッドエンド型濾過、逆洗を伴うクロスフロー濾
過、従来のデッドエンド濾過を行った際の透過流束の変
化の比較を示している。
【図7】タンパク凝集ビールを用いて本発明の逆洗を周
期的に行うデッドエンド型濾過、逆洗を伴うクロスフロ
ー濾過、従来のデッドエンド濾過を行った際の透過流束
の変化の比較を示している。
期的に行うデッドエンド型濾過、逆洗を伴うクロスフロ
ー濾過、従来のデッドエンド濾過を行った際の透過流束
の変化の比較を示している。
【図8】異方性の異なる濾過膜の表面孔径の大きい側を
原流体側にした場合の圧力上昇を、大腸菌培養液を用い
て単純全濾過方式で測定した。
原流体側にした場合の圧力上昇を、大腸菌培養液を用い
て単純全濾過方式で測定した。
【図9】大腸菌培養液を用いて本発明の濾過方式を行
い、異方性の異なる濾過膜の表面孔径の大きい側を原流
体側にした場合の総濾過量の違いを示している。
い、異方性の異なる濾過膜の表面孔径の大きい側を原流
体側にした場合の総濾過量の違いを示している。
【図10】大腸菌培養液を純水透過流束の異なる濾過膜
を用いて本発明の濾過方法を行った結果を示している。
を用いて本発明の濾過方法を行った結果を示している。
【図11】タンパク凝集ビールを多孔質膜を不織布に一
体化した複合膜を用いて本発明の濾過方法を行った結果
を示している。
体化した複合膜を用いて本発明の濾過方法を行った結果
を示している。
【図12】大腸菌培養液をポンプ流量の異なる条件で本
発明の濾過を行った結果を示している。
発明の濾過を行った結果を示している。
1 デッドエンド濾過の原流体の流れ 2 デッドエンド濾過の透過液の流れ 3 デッドエンド濾過の懸濁物質の移動方向 4 濾過膜上に堆積している懸濁物質 5 濾過膜 6 クロスフロー濾過の原流体の流れ 7 クロスフロー濾過の透過液の流れ 8 クロスフロー濾過の懸濁物質の移動方向 9 濾過膜上に堆積している懸濁物質 10 濾過膜 11 原流体入口 12 透過液出口 13 逆洗液入口 14 排液出口 15 濾過器 16 濾過膜 17 ガス入口 18 圧力計 19 ポンプ 20 滅菌フィルター 21 電磁弁 22 濾過膜断面 23 懸濁物質 24 濾過膜断面 25 懸濁物質 26 本発明 27 逆洗を伴うクロスフロー濾過 28 従来のデッドエンド濾過 29 本発明 30 逆洗を伴うクロスフロー濾過 31 従来のデッドエンド濾過 32 本発明の複合濾過膜 33 孔径の大きい方を原液側とした異方性膜
Claims (7)
- 【請求項1】 精密濾過膜を用いて、懸濁物質を含む流
体からなる原流体を供給し濾過することにより流体と懸
濁物質とを分離し濾過膜の透過流体側の圧力を原流体側
の圧力より大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共
に濾過膜から脱着した懸濁物質を濾過系外へ排出するデ
ッドエンド型濾過方式において、濾過膜が膜厚方向に孔
径が連続的または不連続的に変化し、濾過膜の一方の表
面の孔径と他方の表面の孔径とが異なる異方性構造を有
する濾過膜を用いることを特徴とする濾過システム。 - 【請求項2】 該濾過膜の表面孔径の大きい側の平均孔
径が小さい側の平均孔径の2倍以上500倍以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の濾過システム。 - 【請求項3】 該濾過膜を表面孔径が大きい方を原流体
側に向けることを特徴とする請求項1に記載の濾過シス
テム。 - 【請求項4】 該濾過膜の25℃の純水透過流束が1×
10-4m3 /m2 /sec/atm以上であることを特
徴とする請求項1あるいは2項に記載の濾過システム。 - 【請求項5】 精密濾過膜を用いて、懸濁物質を含む流
体からなる原流体を供給し濾過することにより流体と懸
濁物質とを分離し濾過膜の透過流体側の圧力を原流体側
の圧力より大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共
に濾過膜から脱着した懸濁物質を濾過系外へ排出するデ
ッドエンド型濾過方式において、精密濾過膜を不織布ま
たは網状体表面に一体化した複合構造をもつ濾過膜を用
いることを特徴とする濾過システム。 - 【請求項6】 該濾過膜を不織布または網状体側を原流
体側に向けることを特徴とする請求項5に記載の濾過シ
ステム。 - 【請求項7】 該濾過膜の25℃の純水透過流束が1×
10-4m3 /m2 /sec/atm以上であることを特
徴とする請求項5あるいは6項に記載の濾過システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2793992A JPH0557149A (ja) | 1991-02-15 | 1992-02-14 | 濾過システム |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10897591 | 1991-02-15 | ||
JP8693791 | 1991-04-18 | ||
JP3-86937 | 1991-04-18 | ||
JP3-108975 | 1991-04-18 | ||
JP2793992A JPH0557149A (ja) | 1991-02-15 | 1992-02-14 | 濾過システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0557149A true JPH0557149A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=27286004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2793992A Pending JPH0557149A (ja) | 1991-02-15 | 1992-02-14 | 濾過システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0557149A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002273181A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-09-24 | Toray Ind Inc | 濾過フィルター |
JP2010214228A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 水処理装置用ろ過膜の製造方法、水処理装置用ろ過膜及び水処理装置用ろ過膜を備える水処理装置 |
JP2013052387A (ja) * | 2011-09-01 | 2013-03-21 | Pall Corp | 多層精密ろ過膜 |
-
1992
- 1992-02-14 JP JP2793992A patent/JPH0557149A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002273181A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-09-24 | Toray Ind Inc | 濾過フィルター |
JP2010214228A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 水処理装置用ろ過膜の製造方法、水処理装置用ろ過膜及び水処理装置用ろ過膜を備える水処理装置 |
JP2013052387A (ja) * | 2011-09-01 | 2013-03-21 | Pall Corp | 多層精密ろ過膜 |
US8840791B2 (en) | 2011-09-01 | 2014-09-23 | Pall Corporation | Multilayer microfiltration membrane |
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