JPH04265126A - 濾過システム - Google Patents

濾過システム

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JPH04265126A
JPH04265126A JP2648591A JP2648591A JPH04265126A JP H04265126 A JPH04265126 A JP H04265126A JP 2648591 A JP2648591 A JP 2648591A JP 2648591 A JP2648591 A JP 2648591A JP H04265126 A JPH04265126 A JP H04265126A
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JP
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filtration
membrane
flow
filter membrane
filter
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JP2648591A
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Masahiro Eto
江藤 雅弘
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デッドエンド型濾過方
法に関するものであり、特に大きい膜透過流束を維持す
るために逆洗を周期的に行う新しいデッドエンド型濾過
方法に関するものである。本発明のデッドエンド型濾過
方法は、種々の高分子、微生物、酵母、微粒子を含有あ
るいは懸濁する流体の分離、精製、回収、濃縮などに適
用され、特に濾過を必要とする微細な微粒子を含有する
流体からその微粒子を分離する必要のあるあらゆる場合
に適用することができ、例えば微粒子を含有する各種の
懸濁液、発酵液あるいは培養液などの他、顔料の懸濁液
などから微粒子を分離する、原子力発電の復水からクラ
ッドを分離除去する場合にも適用される。ところで近年
バイオテクノロジーの急速な発展にともない、培養、発
酵、酵素反応等による生化学物質の生産は、医薬品・食
品・化学製品など多くの分野で盛んに行われるようにな
ってきた。これらの生産物質は精製することによって付
加価値が高まるが、この精製操作に多くのコストがかけ
られるのが現状である。本発明のデッドエンド型濾過方
法はこれらの分野で特に有効であり、例えば培養液中か
ら反応阻害物質を連続的に除去することにより高密度培
養を行う、菌体外酵素生産菌を用いた時に酵素を連続回
収する、菌体内酵素生産菌を破砕した溶液から酵素を回
収する、バッチ式で得られた培養液から生体触媒を除去
する、など多岐にわたって適用される。
【0002】
【従来の技術】従来、膜を用いて懸濁物質を含有する原
流体から懸濁物質を分離する技術としては、例えば圧力
を駆動力とする逆浸透法、限外濾過法、精密濾過法、電
位差を駆動力とする電気透析法、濃度差を駆動力とする
拡散透析法等がある。これらの方法は、連続操作が可能
であり、分離操作中に温度やpHの条件を大きく変化さ
せることなく分離、精製あるいは濃縮ができ、粒子、分
子、イオン等の広範囲にわたって分離が可能であり、小
型プラント処理能力を大きく保つことができるので経済
的であり、分離操作に要するエネルギーが小さく、かつ
他の分離方法では難しい低濃度原流体の処理が可能であ
るなどの理由により広範囲に実施されている。そしてこ
れらの分離技術に用いられる膜としては、酢酸セルロー
ス、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリスルホン、
ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド等の有
機高分子等を主体とした高分子膜や耐熱性、耐薬品性な
どの耐久性に優れている多孔質セラミック膜などがあり
、主としてコロイドの濾過を対象とする場合は限外濾過
膜が使用され、微細な粒子の濾過を対象とする精密濾過
ではそれに適した微孔を有する精密濾過膜が使用されて
いる。前述したようにバイオテクノロジーの進歩に伴い
、高純度化、高性能化、高精密化が要求されるようにな
り、従来から行われている遠心分離やけい藻土濾過に代
わって連続操作が可能で大量処理できる、濾過助剤や凝
集剤の添加が必要ない、分離の効率は菌体と懸濁液の比
重差に無関係であり培養液の物性や菌体の種類に関係な
く清澄な濾液が得られる、高濃度培養ができ生産効率が
向上する、完全密閉系が可能で菌の漏れがない、濃縮後
菌体の洗浄が可能である、スケールアップが容易で経済
性が高い等の理由で、精密濾過あるいは限外濾過技術の
応用分野が拡大しつつある。しかしながら、濾過膜の利
点が多いにもかかわらず精密濾過あるいは限外濾過膜を
用いて微粒子を分離する場合に、濃度分極の影響により
ケーク層が生じて透過流体の流れに抵抗が生じ、また濾
過膜の目詰まりによる抵抗が大きくなって膜透過流束が
急激にかつ著しく低下してしまうという問題があり、こ
れが精密濾過あるいは限外濾過の実用化を妨げる最大の
原因であった。またそれに用いられる膜は汚染されやす
く、その防止対策が必要である。
【0003】濾過方法としては、濾過されるべき全ての
流体が濾材(濾布や膜など)とケーク層を通過して流体
中に含まれている微粒子を分離するいわゆるデッドエン
ド型濾過方式がある。この従来のデッドエンド型濾過方
式では流体が通過して懸濁物質が濾過膜の内部に捕捉さ
れて分離される段階では高い透過流束が得られるが、濾
過膜の表面で捕捉される段階になるとケーク層が形成さ
れ、大量の原流体を処理する場合や形成されるケーク層
の比抵抗が極端に高い場合は大きな濾過抵抗となり、こ
のようなデッドエンド濾過を行うと膜透過流束が小さく
なる。このため、クロスフロー型濾過方式が考えられた
。このクロスフロー型濾過方式は、濾過膜の膜表面に平
行に濾過すべき原流体を流し、流体は濾過膜を通って反
対側へ透過し、この原流体と透過流体の流れが直交して
いるためにこのように称されている。このクロスフロー
型濾過方法は、濾過膜に平行な原流体の流れによって膜
面上に形成されたケーク層がはぎ取られるので従来のデ
ッドエンド型濾過方式に比べて膜透過流束が大きく、大
量の原流体を直接連続的に分離、精製、濃縮が可能であ
る。しかし懸濁物質の濾過比抵抗が極端に高い、すなわ
ち培養液、発酵液から菌体や高分子生成物を除くために
純水透過流束の大きいすなわち分画分子量の大きい限外
濾過膜や精密濾過膜を用いた場合は急激に膜透過流束が
低下して濾過開始初期の高い膜透過流束を保つことは困
難であり、結果としてデッドエンド型濾過方式と総透過
液量を比較すると効果は小さく経済的な透過流束を得る
には不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、クロス
フロー型濾過方式は原理的には高度な分離技術であるが
、最大の問題である膜透過流束は、従来のデッドエンド
型濾過方式に僅かに大きい程度で、精密濾過方法として
このクロスフロー方式を採用しても十分高い膜透過流束
が得られないという問題があった。また従来から行われ
ている懸濁物質と流体との分離の具体的な例を見ても、
例えば発酵液から菌体を分離する場合には、従来から行
われている遠心分離法、珪藻土濾過法などに代わってク
ロスフロー濾過方式を用いても膜面上に形成されたケー
ク層や目詰まりによって濾過時間の経過と共に膜透過流
束が低下するばかりでなく、原流体を循環する際の剪断
力によって菌体の活性が失われるという問題があった。
【0005】透過流束を高める方法としては従来より濾
過膜への原流体の流入を断続的に停止したり、濾過膜の
透過流体側の弁を閉止することにより、濾過膜の膜面に
垂直にかかる圧力を断続的になくすあるいは減少させた
り、また濾過膜の透過液側から圧力を加え透過液側から
原流体側へ流体を流すことによって、濾過膜の原流体側
の膜面上に堆積しているケーク層や付着層を断続的に取
り除く「逆洗」と称する試みがなされているが、懸濁物
質の濾過比抵抗が小さい場合は逆洗により濾過膜に堆積
した懸濁物質は容易に脱着できるが、懸濁物質の濾過比
抵抗が高く濾過膜との付着力の強い高分子成分や菌体の
場合は、逆洗を行っても濾過膜から十分取り除くことが
できず膜透過流速が十分回復しないなどの問題点があっ
た。またこれら逆洗を行った際に濾過膜から脱着した懸
濁物質を濾過系内に残しておくと原流体中の懸濁物の濃
度が徐々に増加し、場合によっては原流体の粘度も上昇
するため膜透過流束は徐々に低下して逆洗を行っても透
過流束が十分回復しない等の問題があった。一方菌体の
活性を低下させない方法として、クロスフロー濾過の場
合は循環流速を低下させ剪断力を小さくすることが行わ
れているが、剪断力を小さくするとクロスフロー濾過方
式の効果が小さくなるため、実際に菌体活性を低下させ
ない方策をとると膜透過流束が低下する問題があった。 またポンプでの菌体の破砕を少なくするためダイヤフラ
ムポンプなどの剪断力の小さいポンプを用いるとポンプ
の脈動が大きくクロスフロー濾過方式の効果が小さくな
る等の問題もあった。
【0006】また従来のクロスフロー濾過器に使用され
る濾過膜支持体は通常細かい溝が形成された構造体また
はステンレス等の網状体、多孔質体が用いられていたが
、これら支持体を用いると濾過膜と支持体の接触部分で
デッドスペースが形成されたり、支持体自身の流体流動
抵抗が大きく、事実上有効膜面積が低下したり濾過器と
しての濾過抵抗が大きくなるなど実用上の問題が生じた
。特に、精密濾過膜では濾過膜抵抗が小さいため支持体
の影響は顕著であった。また、従来から透過流束を高め
るために逆洗が行われた際も、濾過膜の透過液側での抵
抗が大きく逆洗液が容易に流れないため、透過流束が十
分回復しない等の問題があった。一方濾過膜と支持体の
接触部分で失う有効面積を減少させるために、不織布や
表面開孔率の高い多孔質を支持体として用いる方法は従
来から行われているが、不織布や多孔質体を支持する構
造体に溝が形成されていないため、透過液は不織布や多
孔質の内部を平面と平行な方向に流れて透過液流出口に
達する必要があり、非常に大きな抵抗となっていた。 一方、透過流束を高めるために逆洗が行われた際には、
濾過膜の原流体側と透過液側の圧力差が変動して濾過膜
がのびて原流体側の膜面が濾過器と接触したり透過液側
系内にエアー等のガスが残留している場合は濾過器内の
透過液が流れる部分にガスが流れ込み逆洗液の流れを阻
害するため、ケーク層や付着層が十分取り除けなかった
り、濾過膜本来の機能を達せないなどの障害が生じ、さ
らに濾過膜の強度が弱い場合には濾過膜が破断して懸濁
物質が透過液側に通過してしまう危険もあった。また濾
過系内には一般的にガスが混在していることが多く、原
流体が濾過器内に供給された際にガスが混入し原流体の
流れを阻害するため、混入するガスを除く通常エアー抜
きと称するガスを系外に排出する出口が設けられている
。しかし透過液側の系内にもガスが発生したり滞留する
ことも多く、これらガスが濾過系内に混入していた場合
は逆洗時に濾過器内にガスが流れ込み逆洗液の流れを阻
害すし、濾過膜に堆積している懸濁物質が十分取り除け
ず結果として高い透過流束が得られないという問題があ
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
技術にあった問題点を解決するために為されたものであ
って、実用性のある高い膜透過流束を持ち菌体などの活
性低下を減少させる新規なデッドエンド型濾過方法を提
供することを目的とするものである。すなわち本発明は
、精密濾過膜を用いて、懸濁物質を含む流体からなる原
流体を供給し濾過することにより流体と懸濁物質とを分
離し濾過膜の透過流体側の圧力を原流体側の圧力より大
きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾過膜から
脱着した懸濁物質を濾過系外へ排出するデッドエンド型
濾過方式において、濾過膜の原流体側に濾過膜の支持体
を設け、また透過液側の濾過膜支持体として不織布また
は網状体と透過液が流れる溝を形成した構造体を設けさ
らに濾過器の透過液側にエアー抜きを設けたことを特徴
とする。以下、本発明を詳細に説明する。本発明のデッ
ドエンド型濾過方法は、種々の高分子、微生物、酵母、
微粒子を含有あるいは懸濁する流体の分離、精製、回収
、濃縮など、濾過を必要とする微細な微粒子を含有する
流体からその微粒子を分離する必要のあるあらゆる場合
に適用することができるが、特に発酵液、培養液からの
酵素、微生物、細胞の分離、濃縮、回収など懸濁物質の
濾過比抵抗が極端に大きい場合に効果がある。周期的な
逆洗を伴うデッドエンド濾過方法は高い透過流束を維持
する優れた方法であるが、本発明ではさらに平均透過流
束を高めるために濾過器の構造に改良を加え、逆洗の際
に膜に堆積している懸濁物質を容易に取り除ける構造を
有している。
【0008】本発明の濾過器の特徴の一つは濾過膜の原
流体側に濾過膜の支持体を設けたことである。原流体側
に設けた支持体は原流体の流れを妨げないものが好まし
く、原流体の流れに平行な方向に膜に接するあるいは膜
に接近した位置に突起物を設ける。突起物の形状は原流
体の流れを著しく阻害しなければ良いが、線状、点状の
形のものが好まく、膜面から5mm以下の位置に存在す
ることが好ましい。また、支持体は原流体の流れを著し
く阻害しなければ網状体あるいは不織布でも良い。この
ように原流体側に濾過膜支持体を設けることにより、濾
過膜の膜面に垂直にかかる圧力を断続的になくすあるい
は減少させる「逆洗」を行った時に起こる圧力変動を生
じた場合でも、膜の変形を起こさずケーク層や付着層を
容易に取り除き、結果として高い膜透過流束が得られる
のである。本発明の濾過器の2つ目の特徴は、透過液側
の濾過膜支持体として不織布または網状体と透過液が流
れる溝を形成した構造体を設けることである。支持体と
して設けた不織布及び網状体は透過液の流れを妨げない
よう密度が低く、また、濾過膜との接触面積を小さくす
るため、表面開孔率が大きいものが好ましい。不織布、
網状体の材質はポリエステル、ポリプロピレン、ナイロ
ン、テフロン、ポリフッカビニリデンなどのが用いられ
るが、特にこれに限るものではない。一方、上記不織布
、網状体を支持する構造体に形成される溝は、透過液流
出口に通ずる流路が形成されていれば良いが、流体の流
動抵抗を小さく保つためには複数本あることが好ましく
、枝状に溝を形成することは特に流動抵抗を小さくする
のに有効である。このように濾過膜の透過液側に不織布
または網状体の支持体を設けかつ該支持体を支える構造
体に透過液流出口に通ずる溝を形成することによって、
濾過膜と支持体の接触部分でデッドスペースおよび透過
液の流動抵抗を小さくさせ、従来のように濾過膜の有効
膜面積が低下したり濾過器としての濾過抵抗が大きくな
るなど実用上の問題を防ぐことが可能である。特に、精
密濾過膜では濾過膜抵抗が小さいため効果は大きい。ま
た、従来から透過流束を高めるために行われている「逆
洗」が行われた際も、濾過膜の透過液側での抵抗を小さ
くし逆洗液が容易に流れるため、透過流束を十分回復さ
せることが可能である。このように本発明は実質的に膜
有効面積を増加させ、逆洗時に透過流束の回復効果が大
きいため、従来よりも著しく透過流束を高めることが可
能となった。本発明の濾過器の3つ目の特徴は透過流体
側にエアー抜きを設けたことである。すなわち濾過原流
体の流れを阻害しないよう原流体側のガスを系外に排出
するエアー抜きに加えて、逆洗液の流れを阻害しないよ
うに透過液側のガスを系外に排出するエアー抜きを設け
たことである。エアー抜きの構造はバルブなど排出量を
制御できるものが好ましいが、ポリテトラフルオロエチ
レン等を材質とする疎水性多孔質膜でもよい。
【0009】本発明のデッドエンド濾過で行う逆洗はガ
スよりも液体で行う方が効果が大きく、系外からの異物
混入を避ける場合は逆洗液として透過液を用いることが
できる。また透過液を逆流させた分だけ透過量が減少す
ることを避ける場合は、濾過系外より洗浄液を供給して
必要に応じた逆洗液量で逆洗を行うことが好ましい。濾
過系外より供給する洗浄液は濾過膜の特性を低下させた
り原流体の特性を変化させなければ基本的には何でも良
いが、原流体が水溶液である場合には一般的には滅菌水
を用いることが好ましい。また、逆洗終了後逆洗液を濾
過系内に残したくない場合はガスによる脱水を行うこと
が好ましい。逆洗は膜透過流束が極端に低くなってから
行うと逆洗後の膜透過流束の回復性は悪くなる。これは
懸濁物質が濾過膜の内部に深く侵入したり堆積した懸濁
物質が圧密化したり、また長時間濾過を行うと懸濁物質
が濾過膜に強く結合するため、逆洗時に堆積した懸濁物
質を完全に取り除くことができなくなるためである。こ
のため定圧濾過を行う場合は濾過初期の透過流速の1/
100に達する前に逆洗を行うことが好ましく、さらに
高い透過流速を得るためには1/10に達する前に逆洗
を行うことが好ましい。また、定速濾過を行う場合は濾
過膜間差圧が極端委高くなってから逆洗を行うと逆洗後
の濾過膜間差圧の回復性すなわち濾過膜の洗浄性が悪く
なるため、濾過初期の濾過膜間差圧の100倍に達する
前に逆洗を行うことが好ましく、さらに好ましくは10
倍に達する前に逆洗を行う。従って濾過開始から逆洗に
至るまでの時間は短く、懸濁物質の比抵抗が大きい場合
は濾過を0.5分以上3分以内行った後に逆洗を行うこ
とが好ましい。また、逆洗液は高い透過流速で多量に濾
過膜内を通過させる方が洗浄性は高くなるが、逆洗液の
透過流束を高めて長時間逆洗を行うことは逆洗液量が膨
大となるばかりでなく、濾過時間に対する逆洗時間の比
率が高まり事実上平均透過流束は低くなるため、十分透
過流束が回復できる範囲で透過流速は1×10−4m3
 /m2 /sec以上であり、時間は1秒以上30秒
以内であることが好ましい。
【0010】使用される濾過膜は懸濁物質が阻止できる
孔径を持つものが必要であり、精密濾過膜では通常0.
05〜10μmの孔径を有するものが使用される。これ
ら精密濾過膜を0.5分から3分の短い時間で濾過した
場合の総濾過量は、濾過膜の構造に著しく影響を受ける
。すなわち懸濁物質を濾過膜の表面で阻止する場合は阻
止された懸濁物質が非常に大きな濾過抵抗となって透過
流束が急激に低下し結果として総濾過量は低くなるが、
濾過膜が膜厚方向に孔径が連続的または不連続的に変化
し濾過膜の一方の表面の孔径と他方の表面の孔径とが異
なる構造を有するいわゆる異方性膜を表面孔径の大きい
側を原流体側に向けて使用することにより、濾過膜内部
で懸濁物質が阻止できるため大きな総濾過量を得ること
が可能となる。また、濾過膜として多孔質膜と不織布ま
たは網状体を一体化した複合構造を持つ場合も不織布ま
たは網状体側を原液側にすることにより同様の効果が得
られる。
【0011】次に本発明のデッドエンド型濾過方式を図
面に基づいて説明する。図1は従来のデッドエンド型濾
過を行った際に濾過膜に堆積する懸濁物の様子を示して
おり、経時とともに堆積する懸濁物質量は増加し、最終
的には透過流束はゼロに近づく。  図2はクロスフロ
ー濾過を行った際に濾過膜に堆積する懸濁物質の様子を
示しており、濾過開始初期においては懸濁物質が徐々に
増加するが原流体の剪断力によって堆積する懸濁物質量
は一定値をとり透過流束も最終的には一定値に近づく。 図3は本発明のデッドエンド型濾過方式のフローを示し
ている。濾過を一定時間行った後透過流体側から原流体
側に滅菌水を流して濾過膜から脱着した懸濁物質と共に
排出する。その後ガスにより濾過系内に残留している滅
菌水を排出し、再び濾過を行う。このサイクルを繰り返
すことによって原流体の懸濁物質濃度も上昇せずに連続
的に高い透過流束を維持することが可能となる。図4は
従来の濾過器を用いて逆洗を行った際の濾過器断面図を
表しており、濾過膜が変形し懸濁物質が脱着せず膜面上
に残留している状態を示している。図5は本発明の濾過
器を上部より見た図であり、原流体の流動方向と平行な
方向に濾過膜支持体を設けている。図6は図5のA断面
を表しており、濾過膜支持体は濾過膜にほぼ接したとこ
ろに原液流体の流動を阻害しないように位置しており、
逆洗を行った際の濾過膜の変形が小さく堆積していた懸
濁物質はきれいに除かれる。この濾過膜支持体は原流体
の流動を阻害しなければ特に形状を問わず、圧力変動の
際濾過膜の変形を防げれば良い。図7は従来の濾過器に
おける透過液側の濾過膜支持体の構造を示している。濾
過膜支持体には多くの溝が形成されているが、膜に接す
る突起部分の面積が約50%を占めているため、濾過膜
有効面積は約半分に減少する。図8は従来の濾過器にお
いて、濾過膜支持体として不織布を用いた場合の透過液
の流れを示している。濾過膜を通過した透過液は透過液
流出口まで不織布内を通過する必要があり非常に大きな
抵抗となっている。図9は本発明の濾過器の構成図を示
しており、上板、濾過膜、不織布、枝状の溝を形成する
構造体である下板から形成されている。図10は本発明
の濾過器の透過液の流れを示している。透過液は濾過膜
を通過した後不織布内を溝にいたる僅かの距離だけ不織
布内を通過し、溝に達した透過液は透過液流出口まで溝
内部を流れる。図11は図10のA断面を示しており、
透過液が流出に至る流れを示している。図12は透過液
側にエアー抜きを有さない従来の濾過器を用いて逆洗を
行った場合の濾過器断面図であり、透過液系内に滞留し
ていたガスが濾過器内に侵入したため逆洗液は濾過膜の
一部しか通過せず、逆洗液が通過しない部分は濾過膜上
に堆積している懸濁物質が脱着せず残留している。図1
3は本発明の透過液側にエアー抜きを設けた濾過器の断
面図であり、濾過器内に侵入したガスは疎水性の多孔質
膜を通過して系外に排出されるため逆洗液は濾過膜を均
一に通過し、結果として濾過膜上に堆積している懸濁物
質はきれいに脱着している。
【0012】
【実施例】以下に具体例をあげて本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り本発明は実施例
に限定されるものではない。 実施例1 市販のビールにタンニン酸20ppmを溶かして、タン
パク質を凝集させたものを懸濁液として用い、公称孔径
2.0μmの異方性の精密濾過膜を孔径の大きい側を懸
濁液側にして本発明の濾過器を用いて逆洗を周期的に行
うデッドエンド型濾過を行った。使用した濾過器は有効
膜面積100cm2 で、実験条件は圧力差0.5×1
05 Pa、液温度2℃であり、濾過時間60秒、逆洗
流束5×10−3m3 /m2 /sec、逆洗時間4
秒、脱水操作6秒で行い逆洗液には滅菌水用いた。図1
4に従来のクロスフロー型濾過器を用いて逆洗を伴うク
ロスフロー濾過を行った場合の比較例と共に、本発明の
濾過器および濾過方式を行った場合の透過流束の経時変
化を示した。従来のクロスフロー濾過方式では逆洗によ
り透過流束は十分回復せず徐々に低下して行くのに対し
、本発明の濾過方式では高い透過流束を維持した。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、逆洗を周期的に行うデ
ッドエンド型濾過方式において高い膜透過流束が得られ
、それによって種々の懸濁物質を含有する液体から各懸
濁成分の分離、回収、精製、濃縮などがきわめて効率的
しかも経済的に行われる。そしてさらにプロセスの連続
化及び装置の小型化が可能であり、膜の選択性を利用し
て目的物のみを連続的に選択的に分離することができ、
酵母や菌体などのバイオリアクターへの応用ができ、従
来技術に比べて運転管理が容易であるなど諸々の効果が
奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデッドエンド型濾過における懸濁物質の
堆積状態を示している。
【図2】従来のクロスフロー濾過における懸濁物質の堆
積状態を示している。
【図3】本発明の逆洗を周期的に行うデッドエンド型濾
過方式のフローを示している。
【図4】従来の濾過器を用いて逆洗を行った際の濾過器
断面図を表している。
【図5】本発明の濾過器を上部より見た図であり、原流
体の流動方向と平行な方向に濾過膜支持体を設けている
【図6】図5のA断面を表している。
【図7】従来の濾過器における透過液側の濾過膜支持体
の構造を示している。
【図8】従来の濾過器において、濾過膜支持体として不
織布を用いた場合の透過液の流れを示している。
【図9】本発明の濾過器の構成図を示しており、上板、
濾過膜、不織布、枝状の溝を形成する構造体である下板
から形成されている。
【図10】本発明の濾過器内での透過液の流れを示して
いる。
【図11】図10のA断面を示しており、透過液が流出
に至る流れを示している。
【図12】透過液側にエアー抜きを有さない従来の濾過
器を用いて逆洗を行った場合の濾過器断面図を示してい
る。
【図13】本発明の透過液側にエアー抜きを設けた濾過
器の断面図を示している。
【図14】従来のクロスフロー方式と本発明の比較を示
す。
【符号の説明】
1  デッドエンド濾過の原流体の流れ2  デッドエ
ンド濾過の透過液の流れ3  デッドエンド濾過の懸濁
物質の移動方向4  濾過膜上に堆積している懸濁物質
5  濾過膜 6  クロスフロー濾過の原流体の流れ7  クロスフ
ロー濾過の透過液の流れ8  クロスフロー濾過の懸濁
物質の移動方向9  濾過膜上に堆積している懸濁物質
10  濾過膜 11  原流体入口 12  透過液出口 13  逆洗液入口 14  排液出口 15  濾過器 16  濾過膜 17  ガス入口 18  疎水性多孔質膜 19  ポンプ 20  滅菌フィルター 21  電磁弁 22  逆洗液入口 23  濾過膜 24  懸濁物質 25  原流体入口 26  原流体側膜支持体 27  逆洗液入口 28  濾過膜 29  懸濁物質 30  原流体側膜支持体 31  溝 32  透過液出口 33  原流体入口 34  透過液入口 35  濾過膜 36  不織布 37  原流体入口 38  上板 39  透過液出口 40  濾過膜 41  不織布 42  下板 43  透過液出口 44  溝 45  原流体入口 46  透過液出口 47  不織布 48  溝 49  濾過膜 50  逆洗液入口 51  逆洗液排出口 52  濾過膜 53  懸濁物質 54  逆洗液入口 55  逆洗液排出口 56  濾過膜 57  疎水性多孔質膜 58  懸濁物質

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  精密濾過膜を用いて、懸濁物質を含む
    流体からなる原流体を供給し濾過することにより流体と
    懸濁物質とを分離し濾過膜の透過流体側の圧力を原流体
    側の圧力より大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と
    共に濾過膜から脱着した懸濁物質を濾過系外へ排出する
    デッドエンド型濾過方式において、原流体側に濾過膜の
    支持体を設けたことを特徴とするデッドエンド型濾過器
  2. 【請求項2】  該濾過器の透過液が流れる側に不織布
    または網状体の濾過膜支持体を設けかつ該支持体は透過
    液が流れる溝を形成する構造体上に位置していることを
    特徴とする請求項1に記載のデッドエンド型濾過器。
  3. 【請求項3】  該濾過器の透過液側にエアー抜きを設
    けたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載のデッ
    ドエンド型濾過器。
JP2648591A 1991-02-20 1991-02-20 濾過システム Pending JPH04265126A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011520490A (ja) * 2008-05-14 2011-07-21 ディレクション エ プライオリテス 特に自己輸血装置に適用できる血液の如き複合液体のろ過装置
JP2015000384A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 株式会社東芝 ろ過器及びその洗浄方法

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