JPH11128700A - 分離膜の薬洗液 - Google Patents

分離膜の薬洗液

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JPH11128700A
JPH11128700A JP30931997A JP30931997A JPH11128700A JP H11128700 A JPH11128700 A JP H11128700A JP 30931997 A JP30931997 A JP 30931997A JP 30931997 A JP30931997 A JP 30931997A JP H11128700 A JPH11128700 A JP H11128700A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表流水をろ過して浄化水を得るために用いら
れ未透過物質の付着により目詰まりを生じた分離膜を、
水処理場の現場においても、効果的かつ簡便に透水機能
を回復させる薬洗液を提供する。 【解決手段】 クエン酸及び洗剤を含有する混合水溶液
からなり、該混合水溶液中にクエン酸を0.1〜2重量
%、洗剤を0.05〜4重量%含み、かつ洗浄剤に対す
るクエン酸の含有量の比の値の範囲を0.1〜3とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水浄化システムの
分離膜の薬洗液に関し、更に詳しくは特定の薬洗液に分
離膜を接触させることにより、分離膜に付着した水不溶
性未ろ過物質を除去し、分離膜の機能を回復させる分離
膜の薬洗液に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、膜分離技術を適用する水浄化シス
テムは、従来の凝集−沈殿−砂ろ過−塩素殺菌工程を経
る方法に代わる新たな方法として注目されている。分離
膜を用いた水浄化システムとしてはクロスフローろ過と
全量ろ過があり、クロスフローろ過は全量ろ過と比較し
て原水濁度の変動に対しても耐えられることから各種の
試行がなされている。ここにクロスフローろ過とは、分
離膜の一方の膜面(原水供給側分離膜面)に原水を供給
し、分離膜を透過した透過水を分離膜の他方の膜面(透
過側分離膜面)から回収する際、原水供給側分離膜面に
平行に原水を流してろ過を行うことにより、分離膜表面
に付着した原水に含まれていた濁質物質がその膜表面か
ら剥ぎ取られる効果を有するろ過方法をいう。しかし、
このクロスフローろ過によっても、ろ過時間の経過によ
って原水に含まれる濁質物質が分離膜表面に積層して、
分離膜の目詰まりを生じる。この目詰まりは水浄化シス
テムの運転中断の原因となるため、この目詰まりを解消
あるいは予防するために、一般的に逆圧流洗浄(以下、
逆洗と称する。)が行われている。ここで、逆洗とは流
体を透過側から原水側に膜を介して透過させる操作のこ
とである。しかし、15〜120分に1回の割合で逆洗
を行いながら、クロスフローろ過を実施しても、長時間
の連続運転を行う中で次第に剥離できない非透過物質が
膜面及び膜内部に蓄積し、水処理能力が低下する。そこ
で、数ヶ月に一度程度の頻度で、分離膜モジュールを洗
浄剤で処理して分離膜モジュールの表面等に付着した非
透過物質を除去し、分離膜モジュールの水処理能力を回
復させる薬液洗浄(以下、薬洗と称する)が行われてい
る。
【0003】この薬洗に使用される洗浄剤としては、界
面活性剤、酸、アルカリ、次亜塩素酸ナトリウムおよび
酵素等がある。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、酸、ア
ルカリあるいは次亜塩素酸ナトリウム等を使用する場合
には、これらの高濃度の溶液の使用が要求されるが、こ
れは分離膜モジュール自体の損傷を招き、洗浄条件の設
定も難しい。
【0005】一方、「水道協会雑誌」(第61巻第11
号P24)には、非イオン性洗剤、酵素、シュウ酸、ク
エン酸が開示されている。また、特開平8−14137
5号公報には、次亜塩素酸ナトリウムを用いることが記
載されている。また、特開平4−506475号公報に
は、界面活性剤単独の場合について示されている。しか
し、これらの洗浄剤はいずれも単独で用いられており、
洗浄効果を上げるために、例えばクエン酸による洗浄の
後にさらに界面活性剤による洗浄を行うという段階的な
洗浄操作を行っており、洗浄に多くの時間がかかり、し
かも操作が段階的で煩雑であるという問題点がある。
【0006】なお、特開昭54−58686号公報に
は、中性洗剤及びクエン酸を含む水溶液に水酸化アンモ
ニウム・水酸化ナトリウム・水酸化カリウムのうち少な
くとも一つを加えることによってpHを2〜6に調整し
た水溶液が示されている。しかしながら、pHの調整の
ために、水酸化ナトリウム等を加えねばならず、手間が
かかるとともに、クエン酸/中性洗剤の比率が小さい場
合、洗浄による機能回復が小さい場合があるという問題
点がある。また、特開昭50−153778号公報に
は、EDTAとクエン酸の混合液が示され、特開昭58
−20205号公報には、シュウ酸及び界面活性剤を含
む液が示されている。そこで表流水を浄化する分離膜モ
ジュールの薬洗においては、洗浄剤が無害であることは
もちろんのこと、分離膜モジュール自体に対する劣化の
影響がなく、少量で安定で効果的な洗浄力を有し、かつ
簡便な薬洗液の開発が強く望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは分離膜の薬
洗に関する前記のような問題点を克服するため鋭意検討
した結果、分離膜の薬洗液としてクエン酸と洗剤を特定
割合で含有する混合水溶液を使用したところ、分離膜の
材質を損なわず効率よく機能を回復させることができる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。ここで、
本発明においては、界面活性剤単独、またはこれを含有
する混合組成物からなる洗浄剤を便宜的に洗剤と称す
る。
【0008】すなわち本発明は、表流水をろ過して浄化
水を得るために用いられる分離膜の薬洗液であって、ク
エン酸及び洗剤を含有する混合水溶液からなり、該混合
水溶液中にクエン酸が0.1〜2重量%、洗剤が0.0
5〜4重量%含まれ、かつ洗剤に対するクエン酸の含有
量の比の値が0.1〜3の範囲にあることを特徴とする
分離膜の薬洗液を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の薬洗液が適用できる分離
膜モジュールとしては、表流水の水浄化システムに用い
られる分離膜モジュールであり、膜形態には中空糸型、
プレート・アンド・フレーム型、プリーツ型、スパイラ
ル型、チューブラー(管状)型等が挙げられるが、分離
膜と薬洗液との接触後に行う膜表面のフラッシングある
いは逆洗が最も効果的にできる中空糸分離膜モジュール
が好ましい。また、分離膜の材質は特に限定されるもの
ではなく、高分子材料やセラミック材料等が使用でき
る。高分子材料としては、酢酸セルロース、その他のセ
ルロース誘導体、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニ
トリル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリビニリデンフル
オライド等に適用できる。酢酸セルロースを本発明の薬
洗液の対象分離膜素材として用いる場合は、化学的耐久
性の優れているものとして、酢化度が40〜62%の範
囲にあるもの、好ましくは55〜62%の範囲にあるも
のが用いられる。また、平均重合度は100〜500の
範囲にあるもの、好ましくは150〜350のものが用
いられる。この範囲外の酢酸セルロースを用いた場合、
分離膜が本発明の薬洗液により化学的に劣化する可能性
があり、また、本発明の薬洗液を適用するためには、洗
浄の際の薬洗液との接触時間とその薬洗液の濃度範囲を
かなり狭くする必要があるため、洗浄の効果を期待でき
ない結果となる。
【0010】本発明の薬洗液はクエン酸と洗剤を含有す
るが、洗剤に使用される界面活性剤は従来より分離膜用
洗浄剤として用いられており、表流水の水浄化システム
における分離膜を目詰まりさせる物質のうちの有機成分
を除去するものと考えられる。本発明に適当な洗剤とし
ては、ドデシル硫酸ナトリウム(以下、単にSDSとい
う)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以
下、単にLASという)、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸ナトリウム(ES)及びα−オレフィンス
ルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤や、ショ
糖脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルアミ
ン等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。また、分離
膜用洗剤として市販されている界面活性剤を含む混合組
成物、例えばウルトラジル(ヘンケル・白水社、商品
名)等も使用できる。一方クエン酸は、無機成分の一部
を溶解することによって目詰まり物質を分離膜から除去
することができ、従って、分離膜の透水速度が回復でき
ると考えられる。
【0011】本発明の薬洗液は、クエン酸と洗剤を含有
する混合水溶液からなり、分離膜の水処理能の回復の点
から、該混合水溶液中にクエン酸が0.1〜2重量%、
好ましくは0.1〜1重量%、同じく洗剤が0.05〜
4重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で含ま
れ、さらに洗剤に対するクエン酸の含有量の比の値が
0.1〜3の範囲、好ましくは0.1〜2の範囲にある
ものである。ここに、薬洗液中にクエン酸が0.1〜2
重量%としたのは、0.1重量%未満でも、2重量%を
超えても、洗浄による分離膜の機能回復力が低下するか
らである。また、洗剤が0.05〜4重量%としたの
は、0.05重量%未満でも、4重量%を超えても、分
離膜の機能回復力が低下するからである。さらに、洗剤
に対するクエン酸の含有量の比の値を0.1〜3とした
のは、0.1未満でも、3を超えても分離膜の機能回復
力が不十分になるからである。
【0012】本発明の薬洗液には、その洗浄効果を阻害
しない範囲で、酵素、無機塩、りん酸系緩衝剤、キレー
ト剤、酸、アルカリ等の添加剤を含んでいてもよい。
【0013】本発明の薬洗液の接触方法としては、流動
を与えない条件で前記薬洗液に分離膜を静置浸漬して分
離膜の目詰まり物質を除去する方法と、前記薬洗液に流
動を与えて分離膜の目詰まり物質を剥ぎ取ると共に目詰
まり物質を除去する方法等が考えられるが、洗浄方法の
簡便性の点から前者(浸漬静置法)の方が望ましい。
【0014】本発明の薬洗液を用いた分離膜の洗浄にお
いては、分離膜との接触後の洗浄操作が比較的重要であ
る。すなわち、分離膜との接触後、膜間差圧が0.3k
g/cm2以下で原水側の膜表面をフラッシングする
か、あるいは、逆洗ないしは両者を併用して行うことが
好ましい。ここでいう膜間差圧とは、フラッシング時の
原水側(1次側)の圧力と透過側(2次側)の圧力との
差を意味する。また、フラッシングとは、液体を原水側
膜表面方向に比較的高速で流動させ、膜表面に付着した
目詰まり物質を掃除する操作のことである。
【0015】本発明の薬洗液を用いた分離膜の洗浄にお
いては、フラッシング時の膜間差圧を0.3kg/cm
2以下、好ましくは0.1kg/cm2以下にすることに
よって効果的な洗浄が可能となる。膜間差圧が0.3k
g/cm2を越えてフラッシングを行うと、液体が原水
側から膜を介して大きく透過する場合があり、この場合
には、一旦薬洗液との接触によって剥離を受けた目詰ま
り物質が、このフラッシング操作によって再び分離膜を
目詰まりさせるために、結局、分離膜の機能回復が出来
ないこととなる惧れがある。なおフラッシングに用いる
流体は、原水、浄化水およびこれらと空気との混合液体
等がある。フラッシングの所要時間は特に限定されず、
ろ過の透水速度がある一定のレベルに回復するまで行え
ばよいが、通常1〜100分程度である。一方、逆洗を
行う場合は膜透過水等の浄化水、低濃度の次亜塩素酸ナ
トリウム溶液および空気等を用いることができ、逆洗圧
力としては0.1〜2.0kg/cm2が望ましい。
【0016】本発明の薬洗液による分離膜の洗浄におい
ては、分離膜モジュールを水浄化システムから取り外し
て洗浄しても、分離膜モジュールを水浄化システムに装
着したまま洗浄してもよい。分離膜モジュールを水浄化
システムから取り外して洗浄する場合には、薬洗液の入
った容器に分離膜モジュールを浸漬し、静置することが
望ましい。一方、水浄化システムに分離膜モジュールの
洗浄用の切り替え回路が用意されている場合には、分離
膜モジュールをシステムに装着したまま薬洗液に置換
し、所望の時間静置することにより洗浄することが可能
となる。なお、洗浄用の回路とは、通常使用における透
過水生成用の回路とは別の、供給原水の代わりに本発明
の薬洗液並びにすすぎ用水が供給され、かつ、洗浄によ
る処理廃液を排出することのできる回路である。また、
例えば分離膜モジュール4本によりろ過運転を行う水浄
化システムにおいて、予め5本の分離膜モジュールを設
置しておけば、4本の分離膜モジュールを運転しながら
残り1本の分離膜モジュールを洗浄することができ、水
浄化システムの運転を休止する必要がなくなる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】(実施例1〜3,比較例1〜4)まず、実
施例1につき説明する。分離膜モジュールとして三酢酸
セルロース製中空糸膜モジュール(膜面積10m2、有
効膜長さ1m)を用い、図1に示す水浄化システムにお
いて平均濁度7度の表流水である河川水から浄化水を得
るために、約200日間ろ過運転した。図1に示す水浄
化システムには、逆止弁1、ポンプ2、中空糸膜モジュ
ール3、透過水自動弁4、洗浄水排出自動弁5の構成に
加えて、透過水を蓄積するための透過水タンク8、蓄積
された透過水を中空糸膜モジュール3の出口側に戻して
逆洗を行うためのポンプ9、逆洗自動弁10とを設けて
いる。7は循環経路、6は洗浄水排出経路である。通常
運転に際しては、透過水自動弁4を開、洗浄水排出自動
弁5、逆洗自動弁10はともに閉とし、ポンプ9を停止
状態にする。このようにして河川水を逆止弁1を介して
ポンプ2により昇圧し、中空糸膜モジュール3に供給す
る。中空糸膜モジュール3を透過した透過水は透過水自
動弁4を経由して透過水タンク8に蓄積される。逆洗時
は、透過水自動弁4は閉とし、洗浄水排出自動弁5及び
逆洗自動弁10はともに開とし、ポンプ2は停止し、ポ
ンプ9を運転し、透過水タンク8中の透過水を中空糸膜
モジュール3を透して洗浄水排出自動弁5経由でシステ
ム外に排出する。
【0019】具体的には、この水浄化システムで、原水
(河川水)を中空糸膜モジュール3の中空糸膜の内側に
流してろ過し、30分ごとに1分間、透過水を中空糸膜
の外側から内側に流す逆洗を行った。運転後、分離膜モ
ジュール中の任意の中空糸膜を50cmを切り出し、本
発明による洗浄による分離膜の機能回復性を試験する試
料とした。この試料中空糸膜中に気泡が入らないように
注意して、LASを約0.17重量%含む市販の分離膜
用洗剤であるウルトラジル53(ヘンケル・白水社製)
の1重量%の水溶液とクエン酸1重量%の水溶液から得
られた混合水溶液である薬洗液(クエン酸含有量/ウル
トラジル53含有量=1.0)に8時間浸漬静置した。
この薬洗液はクエン酸と洗剤との2液の一定割合の混合
であるので、調製が簡便であり、安定で効果的な洗浄力
を有している。浸漬した中空糸膜を取り出し、その一端
からイオン交換水を膜間差圧0.1kg/cm2で10
0ml流し(フラッシング)、内表面に付着していた目
詰まり物質を掃流した。この時、中空糸膜のもう一端は
開放してある状態である。以上のようにして洗浄した中
空糸膜の純水透過速度(以下、単にPWPという)を測
定して洗浄による機能回復性を求めた。ここでPWP
は、有効長50cmの中空糸膜の内側から外側に透過し
た25℃の純水の量から算出した。洗浄後の中空糸膜の
PWPは438リットル/m2・hr・(kg/cm2
であり、99.5%の洗浄回復率(下式(1))を示し
た。ここに、洗浄回復率とは、本発明の薬洗液による洗
浄により中空糸膜(分離膜)の機能の回復率を意味す
る。
【0020】表−1に、薬洗液の内容、クエン酸/洗剤(ウ
ルトラシ゛ル53)の重量比の値、洗浄回復率(%)、薬洗液
のpH及びPWPを示した。また、1重量%クエン酸液
と1重量%ウルトラジル53液の混合比の違いによる洗
浄効果を図2に示す。なお洗浄前の機能低下した中空糸
膜のPWPは51リットル/m2・hr(kg/cm2
であり、使用前の中空糸膜のPWPは440リットル/
2・hr(kg/cm2)である。また、ろ過運転後の
中空糸膜のPWP低下率(すなわち、下式(2)の洗浄
前PWP低下率)は11.6%であった。また、上記洗
浄操作によって膜付着物の著しい流出が観察された。ま
た、本発明の薬洗液は、クエン酸と洗剤の特定割合の混
合水溶液を用いているために、中空糸膜の洗浄時間は、
約8時間であり、従来、3日間を要したのに比較して大
幅な洗浄時間の短縮ができ、効率の大幅な向上が出来る
とともに、洗浄時間の短縮により使用する洗浄剤量、人
件費等の排水処理コストを上回る大幅なコスト低減をす
ることができた。
【0021】次に、表1の実施例2〜3、比較例1〜4
に示すように、薬洗液の内容、比率を変えて、実施例1
と同様に測定し、その結果を表1に示した。表1に示す
ように、クエン酸と洗浄剤(ウルトラジル53)を特定
の割合とした実施例1〜3が、洗浄回復率が極めて優れ
ていることが解る。
【0022】
【数1】 洗浄回復率(%) =(洗浄後PWP−洗浄前PWP)/(使用前PWP−洗浄前PWP)×100 ・・・(1) 洗浄前PWP低下率(%)=(洗浄前PWP/使用前PWP)×100 ・・・(2)
【0023】
【表1】
【0024】(実施例4〜6,比較例5〜8)洗浄剤と
してLASを含むウルトラジル53の代りにSDSを使
用し、その1重量%水溶液を用い、実施例1と同様にし
てSDSに対するクエン酸の含有比を変えて洗浄を行っ
た。結果を表−2に示す。また、1重量%クエン酸液と
1重量%SDS液の混合比の違いによる洗浄効果を図3
に示す。この場合も、表2に示すように、クエン酸と洗
浄剤(SDS)を特定の割合とした実施例4〜6が、洗
浄回復率が極めて優れていることが解る。
【0025】
【表2】
【0026】(実施例7〜9,比較例9〜10)洗浄剤
として、実施例1においてLASを含むウルトラジル5
3の代りにショ糖脂肪酸エステルを6重量%含有する洗
剤(中性洗剤)であるサニーセーフA(第一工業製薬
(株)、商品名)を使用し、その1重量%水溶液を用
い、実施例1と同様にしてこの洗剤に対するクエン酸の
含有比を変えて洗浄を行った。結果を表−3に示す。ま
た、比較例10においては、特開昭54−58686号
公報の実施例3の場合、洗浄回復率は低いことを示す。
ここでは混合溶液中の洗剤(中性洗剤)の濃度は0.4
重量%、クエン酸の濃度は0.02重量%で、クエン酸
/洗剤(中性洗剤)の重量比の値は0.05であり、本
発明のいう重量比の値0.1〜3から外れている。実施
例1と同様に水浄化システムで使用した酢酸セルロース
中空糸膜を洗浄したが、洗浄回復率は74.3%と極め
て低かった。すなわち、本発明のいうクエン酸/洗浄剤
の重量比0.1〜3としてはじめて優れた洗浄回復率を
有する。この場合も、表3に示すように、クエン酸と洗
剤(サニーセーフA)を特定の割合とした実施例7〜9
が、洗浄回復率が極めて優れていることが解る。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明による薬洗液は、クエン酸と洗剤
を特定割合で含有する混合水溶液とするので、簡便に出
来、安定で効果的な洗浄力を有している。また、分離膜
モジュールの特別な管理を要することなく、分離膜の材
質を損なうことなく、水処理能力(水処理機能)の回復
を容易に行うことができる。しかも洗浄操作も単純で、
洗浄時間の大幅な短縮ができ洗浄効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の評価に用いた水浄化システムの構成
を示す模式図である。
【図2】 本発明の薬洗液(表−1に対応)の混合比の
違いによる分離膜の純水透過速度(PWP)を示すグラ
フである。
【図3】 本発明の他の薬洗液(表−2に対応)の混合
比の違いによる分離膜の純水透過速度(PWP)を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 逆止弁 2 ポンプ 3 中空糸膜モジュール 4 透過水自動弁 5 洗浄水排出自動弁 6 洗浄水排出経路 7 循環経路 8 透過水タンク 9 ポンプ 10 逆洗自動弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表流水をろ過して浄化水を得るために用
    いられる分離膜の薬洗液であって、クエン酸及び洗剤を
    含有する混合水溶液からなり、該混合水溶液中にクエン
    酸が0.1〜2重量%、洗剤が0.05〜4重量%含ま
    れ、かつ洗剤に対するクエン酸の含有量の比の値が0.
    1〜3の範囲にあることを特徴とする分離膜の薬洗液。
  2. 【請求項2】 洗剤が、ドデシル硫酸ナトリウムである
    ことを特徴とする請求項1記載の分離膜の薬洗液。
  3. 【請求項3】 洗剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホン
    酸ナトリウムを含む混合組成物であることを特徴とする
    請求項1または2記載の分離膜の薬洗液。
  4. 【請求項4】 対象分離膜が酢酸セルロース系膜である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分離
    膜の薬洗液。
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