JP3454900B2 - 水浄化システムとその運転方法 - Google Patents

水浄化システムとその運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内圧中空糸型濾過膜モ
ジュール(ただし、動的皮膜を使用したものを除く)を
用いた水浄化システムおよびその運転方法に関し、更に
詳しくは、フラックス比の変化を指標として濾過膜モジ
ュールの逆洗を一定の圧力範囲で行い、濾過膜モジュー
ルの目詰まりを制御する水浄化システムおよびその運転
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川水や湖沼水等の表流水から水
道水を得るための水浄化システムとしては、凝集−沈澱
−砂濾過−塩素滅菌工程を経るのが一般的である。この
ような工程を実現するためには、凝集池、沈澱池、砂濾
過池、塩素滅菌設備が必要であり、広大な設置スペース
を要する。加えて、近年河川等の水源の汚濁に対応し活
性炭処理システムやオゾン処理システムを付加すること
が提案されているが、これらは設置スペースの更なる増
加を招き、新たな問題となっている。これに対し、上記
広大な設備を必要としない濾過膜モジュールを使用した
水浄化システムの実用化ならびにその連続運転方法が検
討されている。
【0003】濾過膜モジュールを使用した水浄化システ
ムの一例を、図4を参照して説明する。逆止弁10を経
て導入された河川水等の原水は、ポンプ11により昇圧
されて中空糸限外瀘過膜モジュール(以下中空糸UF膜
モジュールと称す)12に供給される。中空糸UF膜モ
ジュール12は、中空糸状の限外瀘過膜を多数集合させ
たものであり、この中空糸膜の内側に濁質成分を含む原
水を供給すると、濁質成分が除去された透過水を中空糸
膜外に得ることができる。次に濁質成分を除去された透
過水は、透過水自動弁13を通してタンク17に貯蔵さ
れる。
【0004】中空糸UF膜モジュール12内では、透過
されなかった濁質成分が中空糸膜の内側表面に蓄積し、
透過水生成能力の低下ひいては運転停止の原因となる。
そこで、一般的には中空糸UF膜モジュール12の内膜
に高速で原水を供給し、内膜表面に付着している濁質成
分を高速水流によりはぎとる効果のある、いわゆるクロ
スフロー濾過を実施する。高速で供給された原水は中空
糸UF膜モジュール12により一部透過され、透過され
なかった供給水は循環経路16を通り原水と合流させ
る。この場合、中空糸UF膜モジュール12の中には濁
質成分が高濃度に蓄積する。そこで濁質成分を大量に含
んだ水は、循環経路16と分岐した経路15を通り洗浄
水排出自動弁14から排出させる。このように濁質物質
と共に原水が大量に失われるので、これを防ぐため図2
に示すシステムが検討されている。
【0005】図2に示す水浄化システムの運転は、クロ
スフロー濾過による透過水生成と、中空糸UF膜モジュ
ール12の目詰まり(非透過成分による濾過膜モジュー
ルの透過水流出口への蓄積)を防ぐための逆洗とを交互
に実施する。逆洗とは、濾過膜モジュールの原水側内面
に付着した濁質成分を除去するために、透過水生成時と
は逆方向に濾過膜モジュールに透過水を供給し流出口の
濁質成分を剥離し、濁質成分を系外へ排出することであ
る。すなわち、クロスフロー濾過においては透過水自動
弁13を開、洗浄水排出自動弁14、逆洗自動弁19は
閉の状態で原水を供給し、原水流入量に対して10倍程
度の循環水量で中空糸UF膜モジュールによる濾過を行
い、生成した透過水はタンク17に貯留する。一方、中
空糸UF膜モジュールの逆洗は、30〜60分に一度程
度の割合で、透過水自動弁13を閉、洗浄水排出自動弁
14、逆洗自動弁19を開とすると共にポンプ18によ
り透過水の一部を透過水生成時とは逆方向に中空糸UF
モジュール12に供給し濾過膜モジュールの原水側内面
の濁質成分を剥離し、濁質成分を高濃度に含有した洗浄
水を経路15を通し洗浄水排出自動弁14から系外へ排
出させる。このように濁質成分と共に原水が大量に失わ
れるので、これを防ぐため図2に示すシステムが検討さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような水浄化シス
テムの運転における主な障害は、濾過膜モジュールの目
詰まりによる運転停止にある。そこで、原水あるいは水
処理システムから得られる情報を指標として逆洗を制御
する方法が種々試みられている。水道協会雑誌(Vo
l.61,No.11,19−26,1992)には、
膜透過水流量を一定にした定量濾過方式において、水浄
化システムの循環水側圧力が設定値を超えた場合に、原
水濁度に依存した定期的な逆洗を実施する例が記載され
ている。しかし、原水濁度に依存した逆洗は、原水濁度
が濾過膜モジュールの目詰まり状態と対応していない場
合には濾過膜モジュールの性能低下を解消することがで
きず、あるいは無駄な逆洗による透過水回収率の低下に
つながる。また、特開平4−247226号公報には原
水濁度と濾過水量を指標として制御する方法が開示さ
れ、特開平4−326927号公報には濾過膜モジュー
ルから排出されて循環系へ移行した循環水流量を指標と
する方法が開示されている。しかし原水ならびに水処理
装置側双方の情報が必要とされ、あるいは定められた循
環水流路でなければ実施できないなど各種の問題があ
る。すなわち、これら濾過膜モジュールを用いた水浄化
システムにおいては、供給原水の変化に対応して濾過膜
モジュールの目詰まりを解決し、種々の水処理システム
にも対応できる簡便な制御機構に基づく運転方法の開発
が強く求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者らは逆洗によるフラックスの変化を詳細に検討
したところ、逆洗と次の逆洗までの経過時間内におけ
る、逆洗終了後濾過開始時のフラックス(Flux0)に対す
る経過時刻tのフラックス(Fluxt)との比すなわちFl
uxt/Flux0(以下、フラックス比と称す。)が、
内圧中空糸型濾過膜モジュールの水処理能力を的確に示
し、このフラックス比を用いて逆洗圧力を制御すれば、
簡便かつ的確に濾過膜モジュールの濾過性能を維持でき
ることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、クロスフロー濾過によ
内圧中空糸型濾過膜モジュール(ただし、動的皮膜を
使用したものを除く)を用いた水浄化システムの前記濾
過膜モジュールの逆洗を含む連続運転において、運転圧
の1.0倍以上3倍以下の圧力で間欠的に行う逆洗終了
後濾過開始時のフラックス(Flux0)と次の逆洗までの経
過時刻tにおけるフラックス(Fluxt)との比を用いて前
記濾過膜モジュールの逆洗を制御することを特徴とする
水浄化システムおよび運転方法を提供するものである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
よる運転方法は、クロスフロー濾過による内圧中空糸型
濾過膜モジュールを用いた水浄化システムを対象とし、
濾過膜モジュールとしては限外濾過膜、精密濾過膜を用
いることができる。本発明では、中空糸膜の内側に原水
を流入させる内圧方式で運転され、逆洗時は中空糸膜の
外側が加圧される。さらにその膜材質としては親水性高
分子材料であるポリエーテルスルホン、ポリアクリロニ
トリル共重合体、酢酸セルロースなどが利用でき、特に
酢酸セルロースが最適である。
【0010】浄化用に供給される原水としては河川水や
湖沼水などの表流水を用いることができる。
【0011】一般に、水浄化システムの運転における水
処理能力の低下は、濾過膜モジュールの目詰まりによ
る。本発明では水浄化システムの水処理能力をフラック
ス(透過水の単位面積・時間当たりの流量(リットル/
2・h)をいう。)の変化から検出する。30分毎に
逆洗を実施した場合のフラックスの変動を図1(A)に
模式的に示すが、逆洗により上昇したフラックスは濾過
時間の経過と共に降下し、次の逆洗により再び上昇さ
れ、逆洗毎にこれを繰り返す。一方、フラックスの変化
はその時点での濾過膜モジュールの状態を示していると
考えられ、濾過膜モジュールの状態としては一般的には
濾過開始時点のフラックスのLT線(または底値の推移
B線、以下同様)上の推移で読み取る。しかし、本発
明におけるフラックス比としては、これら線上のフラッ
クスを用いるのではなく、逆洗とその次の逆洗までの間
における経過時間内の比を用いる。すなわち、逆洗終了
後濾過開始時のフラックスをFlux0とし、次の逆洗
までの経過時刻tにおけるフラックスをFluxtとす
れば時刻tにおけるフラックス比(Fluxt/Flu
0)が得られ、このフラックス比を水浄化システムの
水処理能力の指標として用いる。単回の逆洗におけるフ
ラックス比の経時変化の模式図を図1(B)に示す。
【0012】水浄化システムにおける原水は常に濁質成
分を含有し、濾過膜モジュールにおけるこれら未透過物
質の蓄積あるいは逆洗での剥離等に対応したフラックス
は、逆洗による上下動を保ちながらLT線を緩やかに上
昇あるいは下降する。LT線上のフラックスは濾過膜モ
ジュールの濾過能力を表すと考えられるが、LT線上の
上昇期(濾過能力回復期)あるいは下降期(濾過能力低
下期)にある同値のフラックスを比較した場合、上昇期
のフラックス比は、下降期のフラックス比よりも大きく
なる。すなわちフラックス比の上昇は濾過能力がさらに
回復傾向にあることを示し、フラックス比の下降は濾過
能力がさらに低下する傾向にあることを示す。よって、
フラックス比を用いることにより濾過膜モジュールの濾
過能力の指標として、LT線上で数日を要するフラック
スによる変化を、単回の測定で表わすことができる。本
発明はこのフラックス比を用いて逆洗を制御するもので
ある。フラックス比としては逆洗後15分、30分等の
予め設定した時刻tにおけるフラックス比を指標とする
ことが好ましく、さらに設定時刻tまでの積算フラック
ス比などを用いてもよい。
【0013】フラックス比の測定は24時間の連続モニ
ターでもよいが、1日1〜数回の定められた時刻に行っ
てもよい。
【0014】測定したフラックス比により制御できる逆
洗条件項目としては、単位時間当たりの逆洗水流量を変
化させてもよいし、逆洗水に殺菌剤、酸化剤等の薬剤を
添加したり、あるいは添加量を変化させてもよいが、そ
の際、運転圧の1.0倍以上3倍以下の圧力で間欠的に
逆洗を行うことが必須である。逆洗水流量の変化として
は、逆洗時の逆洗圧力の変化を必須要件とし、一回当た
りの逆洗時間の変化、あるいは逆洗頻度の変化と組み合
わせることにより調節することもできる。逆洗条件変更
を行うかどうかの境界となるフラックス比としては、使
用する濾過膜モジュールにより異なり予備試験などによ
り適宜設定すればよいが、例えば酢酸セルロースの中空
糸限外濾過膜モジュールでは、30分毎に逆洗を実施し
た場合、30分目(Flux30)におけるフラックス比
が0.92未満では逆洗がより高度に実施されるモード
に変更し、0.92〜0.96ではその逆洗条件をその
まま継続し、0.96を超える場合には逆洗をより緩和
する条件に変更するなどと設定することができる。これ
らの場合、逆洗の制御として逆洗圧力を変化させる操作
は、モニターしたフラックス比により、逆洗圧力をクロ
スフロー濾過運転時の1.0倍以上3倍以下の範囲で選
択することが必須である。また、逆洗時間の変化と組み
合わせて対応させる場合は、モニターしたフラックス比
により逆洗時間を、通常、10秒から3分の範囲で選択
することが好ましい。さらに、逆洗頻度の変化と組み合
わせて対応させる場合には、逆洗頻度をモニターしたフ
ラックス比により数分〜2時間に1度の範囲で選択する
ことが好ましい。さらに、逆洗条件の制御として、逆洗
水に殺菌剤あるいは酸化剤などの薬剤の添加を前記各種
逆洗条件の変化に併用することが可能である。逆洗時に
添加できる薬剤としては、次亜塩素酸ソーダ、塩素、過
酸化水素およびオゾンなどの酸化性殺菌剤などがある。
上記逆洗においては、逆洗圧力を濾過運転時の1.0倍
以上3倍以下の範囲で行い、逆洗頻度の変化、逆洗時間
の変化、薬剤の添加やその条件変化組み合わせてもよ
い。なお、フラックス比を用いて逆洗水流量を変化させ
るには、例えば図5のフラックス比測定器31、演算制
御装置32から鎖線で示す制御信号ケーブルにより送ら
れる制御信号により、逆洗自動弁19、ポンプ18、薬
注ポンプ22および薬注自動弁25などを自動的に制御
してもよいし、これらを手動で制御操作をしてもよい。
【0015】濾過膜モジュールは一般細菌を濾別する
が、供給水側に残留した細菌は時間の経過と共に、濾過
膜モジュール流出口に蓄積した濁質成分あるいは濾過膜
モジュールなどに付着し繁殖する可能性がある。前記殺
菌剤は、殺菌効果とともに膜面付着物の分解・洗浄効果
も有するため、逆洗効果を上昇させることができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0017】(実施例) 図2に示すように、水処理システムは従来と同様の逆止
弁10、ポンプ11、中空糸UF膜モジュール12、透
過水自動弁13、洗浄水排出自動弁14、透過水を蓄積
するための透過水タンク17と、逆洗時に逆洗水を加圧
するポンプ18、逆洗自動弁19を含む逆洗経路20
と、この逆洗経路20に殺菌剤を注入する手段としての
薬剤タンク21、薬注ポンプ22、逆止弁23を含む殺
菌剤注入経路24とを設けている。殺菌剤は、原水中に
含まれる微生物による中空糸UF膜モジュール12の透
過膜の破損や侵されて破れることを防ぎ、次亜塩素酸ソ
ーダ、塩素、過酸化水素、オゾン等の酸化性殺菌剤であ
れば、これに加えて膜面付着物への分解効果も期待でき
る。
【0018】この処理システムの運転は次のようにして
行われる。クロスフロー濾過運転においては、透過水自
動弁13を開とし、濃縮水排出自動弁14および逆洗自
動弁19は共に閉とし、ポンプ18を停止状態におく。
このようにして、逆止弁10を経て導入された原水は、
ポンプ11により昇圧されて中空糸UF膜モジュール1
2に供給される。中空糸UF膜モジュール12では、瀘
過膜の瀘過作用により濁質成分を除去された透過水が、
透過水自動弁13を通して透過水タンク17に蓄積され
る。
【0019】逆洗時には、原水の供給を停止すると共に
透過水自動弁13を閉とし、洗浄水排出自動弁14およ
び逆洗自動弁19は共に開とし、ポンプ11を停止状態
とし、ポンプ18を運転する。このようにして、透過水
タンク17に蓄積された透過水の一部を利用して中空糸
UF膜モジュール12に対する逆洗を行ない、逆洗によ
り中空糸膜の内表面からはぎとられた濁質成分は、洗浄
水として洗浄水排出自動弁14を通してシステム外に排
出される。逆洗水量は洗浄水排出水量に等しい。モニタ
ーしたフラックス比に基づいて濾過膜モジュールの逆洗
処理を、フラックスレベルに対応する逆洗圧力として実
施する場合にはポンプ18の圧力を調節し、逆洗時間と
して実施する場合には上記自動弁19およびポンプ18
の設定時間を延長あるいは短縮させ、透過水に殺菌剤等
の薬剤を併用する場合には上記自動弁19およびポンプ
18の設定に加え薬剤ポンプ22を運転し、薬注自動弁
25を開とし逆洗を実行する。
【0020】図2の水浄化システムに基づき、浄水場で
表流水の浄化を実施し、フラックスの経時変化ならびに
フラックス比との対応を調べた。フラックス(Flux
0)は運転期間中、毎日午前10時に定時測定するもの
とし、フラックス比は、定時測定した逆洗での濾過開始
後30分のフラックスを続けて測定し、Flux30/F
lux0として算出した。なお、フラックスの経時変化
を図3(A)に示し、測定時〜○12のフラックスに対
するフラックス比を図3(B)に図示した。運転条件
は、中空糸UF膜モジュール12の材質に酢酸セルロー
スを使用し、膜面積5m2、平均運転圧は0.5kg/
cm2とした。フラックスは5℃、0.5kg/cm2
換算値で示した。逆洗条件は逆洗30分毎に1度、45
秒間、逆洗圧力1.5kg/cm2で実施した。さら
に、フラックス比ならびに測定時フラックスに対応させ
る別の2種類(A、Bモード)の逆洗条件を用意した。
Aモードの逆洗条件は逆洗30分毎に1度、120秒
間、逆洗圧力1.5kg/cm2である。また、逆洗水
には次亜塩素酸ソーダを添加した。また、Bモードの逆
洗条件は逆洗30分毎に1度、60秒間、逆洗圧力1.
5kg/cm2、逆洗水には次亜塩素酸ソーダを添加し
た。
【0021】測定時のフラックスならびにフラックス
比は濾過開始後低下したが、濾過膜モジュールの逆洗条
件を変更せずに運転を継続した。測定時においてフラ
ックスの低下を確認後、継続的な濾過能力低下を回避す
るため逆洗条件をAモードに変更した。測定時、で
の安定したフラックスを確認後、逆洗条件をBモードに
変更した。
【0022】(結果) 測定開始から8日目までのフラックス(換算値)の下降
は一日平均では7.5(リットル/m2・hr)であ
り、フラックスの変化から濾過膜モジュールの濾過能力
を判定するには数日を要した。しかし、測定開始時に
約0.93であったフラックス比は測定時において約
0.90であり、逆洗条件の変更がなければ更にフラッ
クスが低下することが予測できた。また、フラックス比
は1回の算出により、フラックスによる数日間の測定結
果と同じ結果を的確に示した。これは測定時のフラッ
クス比が0.95であり、濾過能力の回復傾向を示した
が、フラックスによる8日目から18日目までの10日
間の濾過膜モジュールの測定結果と同様の結果であっ
た。また、濾過膜モジュールの濾過能力が比較的安定し
ている期間(測定時〜○12)においては、フラックス
比も0.93〜0.96の範囲で安定していた。フラッ
クス比を用いた逆洗条件の変更では、フラックスの24
時間測定を必要とせず、しかも、長期に亘る連続運転が
可能であった。また、本水処理システムによる運転にお
いてはフラックス比の上昇から逆洗条件を変更すること
により、透過水の回収率も高めることができた。
【0023】
【発明の効果】本発明の運転方法によれば、濾過膜モジ
ュールを用いた水浄化システムにおいて、フラックス比
を用いた逆洗水流量ならびに逆洗水への殺菌剤の添加等
の逆洗条件を制御することにより、濾過膜モジュールの
目詰まりが制御できた。フラックス比は水浄化システム
の処理能力を短時間の測定により的確に把握し、フラッ
クスとフラックス比から測定時の濾過膜モジュールの濾
過能力のみならず、近将来的な予測が可能となった。フ
ラックス比は通常の濾過膜モジュールを用いる水処理シ
ステムで簡便に測定でき、フラックス比による逆洗水の
制御は種々の濾過膜モジュールを用いる水処理システム
に応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は濾過膜モジュールを定期的に逆洗し
た場合のフラックス変化の模式図。(B)は逆洗終了後
濾過開始時のフラックス(Flux0)に対する濾過開始後
10、20、30分後のフラックス比(Fluxt/Flu
x0)。
【図2】 濾過膜モジュールを用いた水浄化システム。
【図3】 (A)は浄水場における水処理システムを連
続運転した場合のフラックスの変化。(B)は水処理シ
ステム運転における各測定時のフラックスとフラックス
比の関係。
【図4】 濾過膜モジュールを用いた従来の水浄化シス
テム。
【図5】 フラックス比による逆洗制御を用いた濾過膜
モジュールを用いた水浄化システム。
【符号の説明】
10、23 逆止弁 11、18 ポンプ 12 UF膜モジュール 13 透過水自動弁 14 濃縮水排出自動弁 17 透過水タンク 19 逆洗自動弁 21 薬剤タンク 22 薬注ポンプ 24 薬剤注入経路 25 薬注自動弁 31 フラックス比測定器 32 演算制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 65/02 C02F 1/44

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロスフロー濾過による内圧中空糸型
    過膜モジュール(ただし、動的皮膜を使用したものを除
    く)を用いた水浄化システムの前記濾過膜モジュールの
    逆洗を含む連続運転において、運転圧の1.0倍以上3
    倍以下の圧力で間欠的に行う逆洗終了後濾過開始時のフ
    ラックス(Flux0)と次の逆洗までの経過時刻tにおける
    フラックス(Fluxt)との比を用いて前記濾過膜モジュー
    ルの逆洗を制御することを特徴とする水浄化システムの
    運転方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の原水が表流水であること
    を特徴とする水浄化システムの運転方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の濾過膜モジュールの膜材
    質が酢酸セルロースであることを特徴とする水浄化シス
    テムの運転方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の逆洗水に殺菌剤を併用す
    ることを特徴とする水浄化システムの運転方法。
  5. 【請求項5】 請求項に記載の水浄化システムの殺菌
    剤が、次亜塩素酸ソーダ、塩素、過酸化水素およびオゾ
    ンから選ばれる酸化性殺菌剤であることを特徴とする水
    浄化システムの運転方法。
  6. 【請求項6】 逆洗終了後濾過開始時のフラックス(Flu
    x0)と次の逆洗までの経過時刻tにおけるフラックス(Fl
    uxt)との比(フラックス比)をモニターするフラックス
    比測定器とフラックス比に基づき運転圧の1.0倍以上
    3倍以下の圧力で間欠的に行う逆洗条件を演算する演算
    制御装置を有することを特徴とする内圧中空糸型濾過膜
    モジュール(ただし、動的皮膜を使用したものを除く)
    を用いたクロスフロー濾過による水浄化システム。
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