JPH07275671A - 外圧型中空糸限外濾過膜モジュールの運転方法 - Google Patents

外圧型中空糸限外濾過膜モジュールの運転方法

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JPH07275671A
JPH07275671A JP9702294A JP9702294A JPH07275671A JP H07275671 A JPH07275671 A JP H07275671A JP 9702294 A JP9702294 A JP 9702294A JP 9702294 A JP9702294 A JP 9702294A JP H07275671 A JPH07275671 A JP H07275671A
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filtration
backwashing
air
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JP9702294A
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Ikurou Matsuo
育朗 松尾
Kojiro Fujii
康二郎 藤井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 河川水等の原水を外圧型中空糸限外濾過膜モ
ジュールを用いて濾過するにあたり、透過流速を高くか
つ長期安定に保つための適正化された運転方法を提供す
る。 【構成】 定期的に濾過水にNaOClを混合した逆洗
水を用いて逆洗を行ない、かつ逆洗廃水を全量系外に排
出する方法と、定期的に空気洗浄を行ない、空気洗浄廃
水を系外に全量排出する方法とを組み合わせて、外圧型
限外濾過膜モジュールを運転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は河川水、湖沼水、地下水
あるいは海水を原水として限外濾過により大量に浄化す
る水処理に関し、詳しくは限外濾過膜の透過流速を高く
長期間安定に保つ運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水道用の上水、超純水、工業用水、逆浸
透膜による海水淡水化等の前処理方法、すなわち河川水
や湖沼水または海水等の原水中の懸濁物質を除去し浄化
する方法として従来よりポリ塩化アルミニュウムや硫酸
第二鉄等の無機凝集剤やポリアクリルアミド等の有機凝
集剤によりフロック形成し、沈澱濾過する方法が行われ
ていた。長年の技術蓄積により確立された技術となった
が、上水分野での原水水質の悪化等の解決の難しい課題
や、原水水質の変動に伴う操作の煩雑さ、設置面積の大
きさが克服出来ない等により限界が明確になってきた。
これらの問題を解決する方法として近年、限外濾過や精
密濾過法が着目されてきており、河川水、湖沼水や海水
にもその適応が検討されてきた。
【0003】しかしながら、これらの水に含まれている
懸濁物質や微生物や可溶性の高分子有機物等の存在によ
り、従来の膜適応技術では、急速に透過流速が低下する
ため本来膜の持っている透過流速の5〜20%の能力し
か発揮できず、また経時的にも透過流速は安定せず、高
頻度で薬品洗浄を余儀なくされている。結果的には広い
膜面積とメインテナンスが要求され、高い膜処理コスト
となっており、従来の凝集沈澱法に対抗できる技術に成
り得ていないのが現状である。本来膜の持っている透過
流速に出来るだけ近づけ、尚かつ安定した濾過挙動を示
し、メインテナンスも簡便である濾過方法の開発が強く
望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、外圧型中空
糸限外濾過膜モジュールを用いて、透過流速を高くかつ
長期安定に保つために、透過流速の低下、不安定化の各
々の原因を排除出来る技術を見出し、適正化された運転
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
標を達成すべく鋭意検討を行った結果、以下の手段によ
り目的を達成することができることを見出した。即ち、
河川表流水等の原水を外圧型中空糸限外濾過膜モジュー
ルを用いてクロスフロー濾過により浄化する方法におい
て、(1)定期的に原水供給圧力以上の圧力で、濾過水
量の3〜10%の水量の次亜塩素酸ナトリウムを混合し
た濾過水を用い逆洗を行なう工程、及び、逆洗により濾
過膜表面から除去された懸濁物質および残留塩素を含む
逆洗廃水を濾過装置系外に略全量排出させる工程、並び
に、(2)空気を混合させた原水を定期的に導入するこ
とにより、中空糸膜同士の間隙又は濾過膜の表面に蓄積
してくる懸濁物質を空気洗浄する工程、及び、空気洗浄
廃水を濾過装置系外へ排出させる工程、を有することを
特徴とする外圧型中空糸限外濾過膜モジュールの運転方
法、である。
【0006】以下、本以下本発明について詳細に説明す
ると、河川水、湖沼水や海水等の中の懸濁物質は、無機
粒子、鉄イオン等由来のコロイド物質、微生物、かびや
藻類またはその代謝物、あるいはフミン酸、フルボ酸等
の可溶性有機物である。膜でこれらを濾過すると膜表面
で濃縮され相互に作用しあい凝集物を作ったり、膜表面
に粘着物として付着する。この様な現象がもとで透過流
速は短期間で低下し、更に経時的にも徐々に低下して来
る。河川水を中空糸状の膜で内圧型で濾過すると、中空
部にこれらの物質が蓄積し中空部が狭くなり、場合によ
っては閉塞して来る。この為、クロスフロー流速を大き
く取る等が必要となるが、あまり効果的でない。
【0007】このため、中空糸の外側に濾過膜を持たせ
た外圧型モジュールにすると濾過面積が増え、またクロ
スフロー濾過を行うと膜表面の原水の流れが不均一とな
り拡散効果が上がり凝集物の蓄積は抑えられる。実願昭
59−189553号等の外圧型モジュールはこの目的
に効果がある。しかしながら、これだけでは透過流速を
高く安定させるには不十分である。
【0008】外圧型中空糸膜モジュールのクロスフロー
濾過で、逆洗を加えると本目的に対して効果はある。よ
り効果的な逆洗を行う為、鋭意検討した結果、定期的に
行われる濾過/逆洗サイクルの中で、濾過水量に対する
逆洗水量の比率が濾過の安定性に大きく影響しているこ
とが判明した。また、この時逆洗圧力も関係することが
明らかになった。すなわち、逆洗水量の比率がが高いと
効果は高くなるものの濾過水量の廃棄率が高くなり非効
率となり、経済的効果が失われる。従って、その条件
は、濾過水量に対する逆洗水量の比率が3〜15%、好
ましくは5〜10%が良い。逆洗圧力は、濾過時の原水
供給圧力以上の圧力に設定するのが良い。逆洗を入れる
タイミングは、5〜120分間濾過を行った後に入れる
のが良い。この条件を組み合わせると単位膜面積当たり
の透過水量をより高く設定でき、また濾過の安定性も高
くなり、定流量濾過した場合、圧力は一ヵ月以上変動せ
ず安定する。
【0009】次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)を混
合した逆洗水を用いると透過流速の安定性に効果がある
ことは、特開平5168873号公報に開示されている
如く明らかである。NaOClの混合量は、逆洗廃液中
に残留塩素として0.1〜1ppm検出される量で良
い。逆洗操作で濾過膜表面から除去さ懸濁物質および残
留塩素を含む逆洗廃液は、濾過装置外へ排出されねばな
らない。逆洗廃液を濾過装置外へ排出しないままクロス
フロー濾過を継続すると、原水中の懸濁物質の濃度を高
め、濾過膜表面に再捕捉され透過流速の低下を招くこと
になる。逆洗操作で濾過膜表面から除去される懸濁物質
の濃度はモジュール供給水中の濃度の5〜数10倍量で
ある。逆洗廃液を濾過装置外へ排出することはクロスフ
ロー系内に懸濁物質を溜め込ませないという原則より非
常に有効である。
【0010】しかしながら、これらの運転方法を用いて
も、原水中の懸濁物質の濃度や質と設定透過流速にも依
存するが2〜3ヶ月の長期間運転を行うと透過流速は徐
々に低下し、定流量濾過の場合、濾過圧は徐々に上昇を
来たし、そのうちモジュールの薬品洗浄を余儀なくされ
る。本発明者らこの原因解明のため鋭意検討、解析した
結果、以下の事実が判明した。
【0011】すなわち、NaOClを含有させ適切な逆
洗水量で定期的に逆洗し、かつその逆洗廃液を濾過装置
外へ排出しても、この逆洗手法のみでは、まだ不十分な
濾過方法であった。濾過速度の低下した膜モジュールを
分解すると、中空糸膜同士の隙間に粗大化した懸濁物質
が蓄積しており、また膜表面も薄くではあるが懸濁物物
でまんべんなく覆われており、膜が見掛け上着色してい
ることが判明した。また、運転上からも次のことが起こ
っている。すなわち、クロスフロー流量を流量計で一定
値にして運転しているが、長期間運転するとモジュール
の原水入口圧力と循環水出口圧力との間の差圧が徐々に
拡大している。このことは膜モジュールを解体した結果
に一致している。すなわち、中空糸膜同士の隙間に原水
中の粗大化した懸濁物質が蓄積しており、クロスフロー
流路閉塞が起こり、流路抵抗となっている。このため、
原水は偏流を起こし、膜モジュール内の膜面積が有効に
使用れず、見掛け上透過流速の低下を起こしている。こ
の流路閉塞の除去のため、逆洗の強化、クロスフロー流
速のアップや定期的なフラッシングを実施したが、満足
な効果を得るには至らなかった。
【0012】本発明者らは、中空糸膜同士の隙間や膜表
面に蓄積している懸濁物質の除去法に関し鋭意検討した
結果、大量の空気を混合させた原水を定期的に導入し、
水と空気の混合した液での空気洗浄が極めて効果的であ
ることを見出した。気泡の導入や空気洗浄で、中空糸の
膜濾過モジュールを物理的に洗浄することは、公知の技
術である(特開昭60−19002号公報、特開昭61
−153104号公報、特開平2−164423号公
報、特開平4−110023号公報、特開平6−232
46号公報)。本発明者らは、上述した逆洗方法、すな
わちNaOClを含有させ、かつ適切な逆洗水量で定期
的に逆洗し、かつその逆洗廃液を濾過装置外へ排出させ
る逆洗方法を併用せず、空気洗浄のみで単独で運転管理
すると、長期間運転では効果がなく、透過流速は徐々に
低下することを確認した。すなわち、本発明は、限外濾
過膜モジュールの運転方法で個々の単位操作を組み合わ
せると、各々の単位操作を単独で実施するよりも、各単
位操作の相乗効果で極めて高い効果が発現されることを
発見したものである。
【0013】以下、空気洗浄について説明をする。空気
は多孔体を通して泡状にするか、空気の配管を直接原水
配管に導入しても良い。内径83mmφで有効長1mの
ハウジングに外径1.4mmφの中空糸状膜を1800
本納めた外圧型モジュールならば、空気量は0.5〜1
0Nm3 /Hrの範囲、好ましくは1.5〜5Nm3
Hrが良い。空気の導入は原水供給と併用するか、原水
を停止し空気のみを導入するか、または空気導入と原水
供給の併用後空気のみを導入するか、またはその逆の組
合せのいずれを使っても効果がある。空気の導入時間
は、内径83mmφで有効長1mのモジュールであれば
0.5〜3分間、好ましくは1〜2分間でよい。空気量
と導入時間はモジュールの径と長さにもよるが、内径8
3mmφで有効長1mのモジュールに相当する対比で決
めればよい。
【0014】空気洗浄により、中空糸同士の隙間や膜表
面から剥ぎ取られた空気と混合している懸濁物質廃液は
濾過装置外へ原水と共に排出する。排出液を10秒毎に
サンプリングすると20秒後に通常5,000〜10,
000ppmの懸濁物質の濃度のピークを持つ空気洗浄
廃液が出る。約2分間排出すれば供給原水の濁度に近づ
く。空気洗浄後のモジュールの原水入口圧力と循環水出
側圧力の間の差圧は初期の設定値に復元する。また透過
流速または濾過圧も初期値に復元する。空気洗浄の頻度
は原水の種類によるが地下水や濁度2前後の低濁度水で
あれば1週間に1度、濁度が20前後の高濁度水ならば
1日に1度実施すればよい。
【0015】本発明に用いられる限外濾過膜は外圧濾過
の出来る中空糸状膜であれば、膜材質、中空糸径、分画
分子量、透過流速等に特に制限はない。また、モジュー
ル構造も外圧型でクロスフロー濾過できるモジュール構
造であれば良く特にその構造を問わない。また、濾過方
法も定圧濾過、定流量濾過のいづれにも適用出来、クロ
スフロー流速に制限はない。膜面積当たりの設定流量に
関しても特に制限はない。
【0016】河川水、湖沼水等の原水の膜モジュールへ
の供給水としての前処理は、原水に浮遊しているいわゆ
るゴミを100〜200μm程度のスクリーンで除去し
ておけばよい。原水に生物砂濾過することも差支えな
い。原水にポリ塩化アルミニュウム等の凝集剤を少量加
えマイクロフロック化させて濾過装置に供給する方法も
あるが、本発明では限外濾過膜のため、これらの凝集剤
を加える必要はなく、凝集剤なしで本発明は良好に実施
出来る。
【0017】
【実施例】次に、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明する。 クロスフロー濾過:クロスフロー濾過においては、図1
において、自動バルブ(12)、(13)、(16)、
(17)は閉じている。自動バルブ(4)、(6)、
(8)および調節バルブ(9)、(11)、(15)は
半開の状態である。原水は、前処理(100〜200μ
mのスクリーン)(1)で大きなゴミは取られ、供給タ
ンク(2)に送られ、ポンプ(3)によりバルブ(4)
を経て、外圧型モジュール(5)に供給される。外圧型
モジュール(5)に供給された原水に一部は、中空糸膜
の外側の濾過膜面から中空糸の内側へ濾過され、バルブ
(6)を経て、濾過水タンク(7)に集水される。外圧
型モジュール(5)に供給された原水の残りの部分は循
環水出口よりバルブ(8)、(9)を経て供給タンクに
戻る。定量濾過時の濾過水量は、流量調節計(18)に
よりポンプのインバーター出力が制御されるることによ
り一定に保たれる。循環水量は調節バルブ(9)の開度
によって調節される。
【0018】逆洗:逆洗時においては、自動バルブ
(4)、(6)、(8)、(16)、(17)が閉じ、
自動バルブ(12)、(13)が開き、NaOCl溶液
タンク(24)からNaClO溶液が定量ポンプ(2
0)により、ポンプ(10)の前に所定の量注入される
ことにより、NaOCl溶液添加された濾過水が、ポン
プ(10)により外圧型モジュール(5)に供給され
る。外圧型モジュール(5)に供給された、NaOCl
溶液添加された濾過水(逆洗水)は、中空糸膜の内側か
ら外側に透過して、膜面に付着した懸濁物と一緒にバル
ブ(13)を通って濾過装置の系外に排出される。逆洗
圧力は、調節バルブ(11)の開度によって調節され、
逆洗水量はポンプ(10)の運転時間によって調節され
る。
【0019】空気洗浄:空気洗浄においては、自動バル
ブ(6)、(8)、(12)、(13)が閉じ、自動バ
ルブ(16)、(17)開き、調節バルブ(15)が半
開の状態である。原水が供給タンク(2)からポンプ
(3)によりバルブ(4)を通して供給される。この
時、コンプレッサー(14)から圧気が、流量計(1
9)、バルブ(16)を通して供給される。これによ
り、空気が混ざった原水が外圧型モジュール(5)に供
給され中空糸同士の隙間や膜表面に存在する懸濁物質を
剥ぎ落とし、空気と懸濁物質が混ざった廃水がバルブ
(17)を通して、濾過装置の系外に排出される。原水
の供給量はポンプ(3)のインバーター制御により調節
される。空気の量は、調節バルブ(15)の開度により
調節される。また、上記の操作において、ポンプ(3)
を停止し自動バルブ(4)を閉じることにより空気のみ
を外圧型モジュール(5)に供給することが出来る。
【0020】(実施例1)中空糸状膜として分画分子量
20,000の外径/内径=1.4/0.8mmφのポ
リアクリロニトリル膜を実願昭59−189553号の
構造をした内径130mmφ、有効長2mのモジュール
(膜面積44m2 、清澄水濾過水量4.5m3 /Hr・
kg/cm2 、25℃)を図1のフローシートの濾過装
置に取り付けて、定流量濾過を行った。前処理後の原水
は、濁度2〜8NTUの範囲の河川表流水である。逆洗
は濾水を使い20分濾過/25秒逆洗の定期自動逆洗を
行い逆洗廃水中の残留塩素濃度が0.5〜1ppmの濃
度となるようNaOCl溶液注入定量ポンプ(20)を
設定した。逆洗液中の残留塩素濃度は、オルソトルイジ
ン法で定期的に測定し、所定の残留塩素濃度に入ってい
ることを確認した。逆洗水量は5m3 /Hrに設定し
た。すなわち、濾過/逆洗の1サイクル中の逆洗水量の
濾過水量に対する比率は5%の定流量逆洗とした。スタ
ート時の逆洗圧力の設定値は1.5kg/cm2 とし
た。逆洗時には原水供給部の逆洗廃水自動弁(13)を
開き、逆洗廃水を逆洗水量と同量排出した。
【0021】モジュールへは4m3 /Hrの原水を供給
し、2m3 /Hrの濾過水を取り出し2m3 /Hrを循
環させるクロスフロー濾過条件を取った。空気洗浄は3
日に1回の自動洗浄とした。空気はコンプレッサーから
の圧気を流量計(19)を通し直接原水中へ導入した。
空気洗浄条件は原水4m3 /Hr、空気5Nm3 /Hr
の混合液を1分間流しその後1分間空気のみ5Nm3
Hr導入した。尚、空気洗浄時に濾過は停止させた。空
気洗浄廃水はモジュールの上部の空気洗浄排水自動弁
(17)より濾過装外へ排出させた。
【0022】この条件で3,000Hr連続で定流量濾
過を実施し、2m3 /Hrモジュールの定流量濾過に必
要な圧力挙動を追った。図2に示すように、水の粘性を
20℃に換算した時の平均濾過圧は開始直後の0.55
kg/cm2 から徐々に上昇し、225時間後には0.
75kg/cm2 に達し、その後3000Hrまで0.
75kg/cm2 で極めて安定に推移した。また、モジ
ュールの供給水入口圧と循環水出口圧の間の差圧はスタ
ート直後に0.3kg/cm2 を示し、3000Hr後
も0.3kg/cm2 であり、モジュール入口圧と出口
圧の間の差圧の上昇は認められず、このことは空気洗浄
により中空糸膜同士の隙間に懸濁物質の蓄積のないこと
を示している。尚、空気洗浄廃水の濁度は10〜20秒
の間で6,000〜7,000NTUの値でピークを示
した。
【0023】(比較例1)実施例1の逆洗回路を停止さ
せ、空気洗浄回路のみで、実施例1と同じ条件で濾過水
量2m3 /Hrに設定した定流量濾過を実施した。モジ
ュールの清澄水濾過水量は4.7m3 /Hr・kg/c
2 、25℃であった。空気洗浄は実施例1と全く同じ
条件で行った。図3に示すように、水の粘性を20℃に
換算した時の平均濾過圧は開始直後に0.53kg/c
2 であったが徐々に圧力は上昇したが安定濾過領域に
達せず、600時間後に20℃換算平均濾過圧は1.5
kg/cm2 に達した。尚、モジュール入出口の差圧は
0.35kg/cm2 のままであった。本発明の逆洗の
効果なしには、この河川表流水は安定に濾過出来なかっ
た。
【0024】(比較例2)実施例1の空気洗浄回路を停
止させ、逆洗回路のみで実施例1と同じ条件で濾過水量
を2m3 /Hrに設定した定流量濾過を実施した。モジ
ュールの清澄水濾過水量は4.4m3 /Hr・kg/c
2 、25℃であった。逆洗条件は実施例1と全く同一
条件で実施した。図4に示すように、水の粘性を20℃
に換算した時の平均濾過圧は開始直後に0.55kg/
cm2 であり、その圧力は徐々に上昇したが120時間
後には0.75kg/cm2 に達し、その後圧力は安定
に推移した。しかし、700Hr以降徐々に20℃換算
平均濾過圧は上昇し始め、1400時間で1.5kg/
cm2 に達し、その後急激に上がり、1500時間で2
kg/cm2 に達した。モジュールの入出口間の差圧は
0.6kg/cm2 に達した。本発明の空気洗浄の効果
なしには、逆洗のみでは安定に濾過出来なかった。
【0025】(実施例2)図1と同一のフローの装置に
分画分子量10,000の外径/内径=1.4/0.8
mmφのポリアクリロニトリル中空糸膜を実願昭59−
189553号の構造をした内径83mmφ、有効長1
mのモジュール(膜面積7.5m2 、モジュール清澄水
濾過水量670リットル/Hr・kg/cm2 、25
℃)を取付けて、都市近郊の河川表流水の濾過実験を行
った。実験期間中のこの河川の平均濁度は20NTU
(10〜100NTU)であった。前処理に80メッシ
ュのロータリースクリーンを付けモジュールへ混入する
いわゆるゴミを取り除いた。逆洗水中のNaOCl濃度
を約4〜5ppmに調整すると逆洗廃水中の残留塩素濃
度は0.5〜1ppmとなっった。濾過水量に対する逆
洗水量の比率が7%となるように設定し、逆洗廃水は系
外へ排出した。モジュールへは2m3 /Hrの原水を供
給し、300リットル/Hrの濾過水を取り出し1.7
3 /Hrを循環させるクロスフロー濾過条件をとっ
た。空気洗浄は毎日1回行ない、この時、空気量は2N
3 /Hr、原水量は2m3 /Hrを設定し、洗浄条件
は1分間空気のみを導入し、その後空気と原水同時に1
分間導入した。図5に示すように、水の粘性を20℃に
換算した時の平均濾過圧は開始直後0.32kg/cm
2 であり、20℃に換算した平均濾過圧力が1.5kg
/cm2 を越えるまでの6,000時間安定に運転でき
た。
【0026】(実施例3)実施例2と同一の装置と同一
のモジュール(膜面積7.5m2 、清澄水濾過水量75
0リットル/Hr・kg/cm2 、25℃)を取り付け
て、駿河湾の海水を濾過した。逆洗水中のNaOCl濃
度を約3ppmに調整すると逆洗廃水中の残留塩素濃度
は0.5ppmとなった。7日毎に空気量2Nm3 /H
rの空気洗浄をした。濾過水量は、450リットル/H
rの定量濾過とした。半年間平均濾過圧力の上昇を見ず
に安定に濾過できた。逆洗終了後濾過を開始すると5〜
7秒で濾過水中の残留塩素濃度は検出されなくなる。ま
た、濾過水のFI値は、常時1.5以下であり、海水淡
水化用逆浸透膜のプレフィルーに極めて適する値を示し
た。
【0027】
【発明の効果】本発明により河川表流水、湖沼水、海水
等の濾過で透過流速レベルを高く設定でき、また長期に
渡ってその透過流速レベルを安定に維持できる限外濾過
膜の運転方法の提供が可能となった。設備はコンパクト
で初期設備費は安価で済み、また凝集剤も不要とし単純
な物理操作で運転出来るため、メインテナンスも簡単で
あり、上水道や簡易水道設備としてまた超純水設備のR
Oのプレフィルターや海水淡水化用ROのプレフィルタ
ーとして極めて有効な技術となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例において使用され
る濾過装置の概略図である。
【図2】実施例1において、クロスフロー濾過による濾
過開始から3,000時間までの、水の粘性を20℃に
換算した時の平均濾過圧力と、モジュールの原水入口圧
力と循環水出口圧力との間の差圧の推移を示す。
【図3】比較例1において、クロスフロー濾過による濾
過開始から600時間までの、水の粘性を20℃に換算
した時の平均濾過圧力と、モジュールの原水入口圧力と
循環水出口圧力との間の差圧の推移を示す。
【図4】比較例1において、クロスフロー濾過による濾
過開始から1,500時間までの、水の粘性を20℃に
換算した時の平均濾過圧力と、モジュールの原水入口圧
力と循環水出口圧力との間の差圧の推移を示す。
【図5】実施例2において、クロスフロー濾過による濾
過開始から6,000時間までの、水の粘性を20℃に
換算した時の平均濾過圧力と、モジュールの原水入口圧
力と循環水出口圧力との間の差圧の推移を示す。
【符号の説明】 1 前処理用スクリーン 2 供給タンク 3 ポンプ 4 自動バルブ 5 外圧型限外濾過膜モジュール 6 自動バルブ 7 濾過水タンク 8 自動バルブ 9 調節バルブ 10 ポンプ 11 調節バルブ 12 自動バルブ 13 自動バルブ 14 コンプレッサー 15 調節バルブ 16 自動バルブ 17 自動バルブ 18 流量調節計 19 流量計 20 定量ポンプ 21 圧力センサー 22 圧力センサー 23 圧力センサー 24 NaOCl溶液タンク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河川表流水等の原水を外圧型中空糸限外
    濾過膜モジュールを用いてクロスフロー濾過により浄化
    する方法において、(1)定期的に原水供給圧力以上の
    圧力で、濾過水量の3〜10%の水量の次亜塩素酸ナト
    リウムを混合した濾過水を用い逆洗を行なう工程、及
    び、逆洗により濾過膜表面から除去された懸濁物質およ
    び残留塩素を含む逆洗廃水を濾過装置系外に略全量排出
    させる工程、並びに、(2)空気を混合させた原水を定
    期的に導入することにより、中空糸膜同士の間隙又は濾
    過膜の表面に蓄積してくる懸濁物質を空気洗浄する工
    程、及び、空気洗浄廃水を濾過装置系外へ排出させる工
    程、を有することを特徴とする外圧型中空糸限外濾過膜
    モジュールの運転方法。
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