JP2007000869A - 分離膜の薬洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表流水の濾過により目詰まりした分離膜の洗浄方法の提供。
【解決手段】 表流水をろ過して浄化水を得るために用いられる分離膜の洗浄方法であって、薬洗液として、クエン酸及び洗剤を含有する混合水溶液からなり、該混合水溶液中にクエン酸が0.1〜2重量%、洗剤が0.05〜4重量%含まれ、かつ洗剤に対するクエン酸の含有量の比(クエン酸/洗剤)の値が0.1〜3の範囲にあるものを使用して、分離膜と前記薬洗液とを接触させた後、膜間差圧が0.3kg/cm以下で原水側の膜表面をフラッシングするか、逆圧流洗浄するか、または両方法を併用して洗浄する分離膜の洗浄方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、本発明は、水浄化システムの分離膜の薬洗液に関し、更に詳しくは特定の薬洗液に分離膜を接触させることにより、分離膜に付着した水不溶性未ろ過物質を除去し、分離膜の機能を回復させる分離膜の薬洗液に関する。
最近、膜分離技術を適用する水浄化システムは、従来の凝集−沈殿−砂ろ過−塩素殺菌工程を経る方法に代わる新たな方法として注目されている。分離膜を用いた水浄化システムとしてはクロスフローろ過と全量ろ過があり、クロスフローろ過は全量ろ過と比較して原水濁度の変動に対しても耐えられることから各種の試行がなされている。ここにクロスフローろ過とは、分離膜の一方の膜面(原水供給側分離膜面)に原水を供給し、分離膜を透過した透過水を分離膜の他方の膜面(透過側分離膜面)から回収する際、原水供給側分離膜面に平行に原水を流してろ過を行うことにより、分離膜表面に付着した原水に含まれていた濁質物質がその膜表面から剥ぎ取られる効果を有するろ過方法をいう。
しかし、このクロスフローろ過によっても、ろ過時間の経過によって原水に含まれる濁質物質が分離膜表面に積層して、分離膜の目詰まりを生じる。この目詰まりは水浄化システムの運転中断の原因となるため、この目詰まりを解消あるいは予防するために、一般的に逆圧流洗浄(以下、逆洗と称する。)が行われている。ここで、逆洗とは流体を透過側から原水側に膜を介して透過させる操作のことである。しかし、15〜120分に1回の割合で逆洗を行いながら、クロスフローろ過を実施しても、長時間の連続運転を行う中で次第に剥離できない非透過物質が膜面及び膜内部に蓄積し、水処理能力が低下する。
そこで、数ヶ月に一度程度の頻度で、分離膜モジュールを洗浄剤で処理して分離膜モジュールの表面等に付着した非透過物質を除去し、分離膜モジュールの水処理能力を回復させる薬液洗浄(以下、薬洗と称する)が行われている。
この薬洗に使用される洗浄剤としては、界面活性剤、酸、アルカリ、次亜塩素酸ナトリウムおよび酵素等がある。
特開平8−141375号公報 特開平4−506475号公報 特開昭54−58686号公報 特開昭50−153778号公報 特開昭58−20205号公報 「水道協会雑誌」(第61巻第11号P24)
しかしながら、酸、アルカリあるいは次亜塩素酸ナトリウム等を使用する場合には、これらの高濃度の溶液の使用が要求されるが、これは分離膜モジュール自体の損傷を招き、洗浄条件の設定も難しい。
一方、非特許文献1(「水道協会雑誌」,第61巻第11号P24)には、非イオン性洗剤、酵素、シュウ酸、クエン酸が開示されている。また、特許文献1(特開平8−141375号公報)には、次亜塩素酸ナトリウムを用いることが記載されている。また、特許文献2(特開平4−506475号公報)には、界面活性剤単独の場合について示されている。
しかし、これらの洗浄剤はいずれも単独で用いられており、洗浄効果を上げるために、例えばクエン酸による洗浄の後にさらに界面活性剤による洗浄を行うという段階的な洗浄操作を行っており、洗浄に多くの時間がかかり、しかも操作が段階的で煩雑であるという問題点がある。
なお、特許文献3(特開昭54−58686号公報)には、中性洗剤及びクエン酸を含む水溶液に水酸化アンモニウム・水酸化ナトリウム・水酸化カリウムのうち少なくとも一つを加えることによってpHを2〜6に調整した水溶液が示されている。
しかしながら、pHの調整のために、水酸化ナトリウム等を加えねばならず、手間がかかるとともに、クエン酸/中性洗剤の比率が小さい場合、洗浄による機能回復が小さい場合があるという問題点がある。また、特許文献4(特開昭50−153778号公報)には、EDTAとクエン酸の混合液が示され、特許文献5(特開昭58−20205号公報)には、シュウ酸及び界面活性剤を含む液が示されている。そこで表流水を浄化する分離膜モジュールの薬洗においては、洗浄剤が無害であることはもちろんのこと、分離膜モジュール自体に対する劣化の影響がなく、少量で安定で効果的な洗浄力を有し、かつ簡便な薬洗液の開発が強く望まれる。
本発明者らは分離膜の薬洗に関する前記のような問題点を克服するため鋭意検討した結果、分離膜の薬洗液としてクエン酸と洗剤を特定割合で含有する混合水溶液を使用したところ、分離膜の材質を損なわず効率よく機能を回復させることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
ここで、本発明においては、界面活性剤単独、またはこれを含有する混合組成物からなる洗浄剤を便宜的に洗剤と称する。
すなわち本発明は、表流水をろ過して浄化水を得るために用いられる分離膜の薬洗液であって、クエン酸及び洗剤を含有する混合水溶液からなり、該混合水溶液中にクエン酸が0.1〜2重量%、洗剤が0.05〜4重量%含まれ、かつ洗剤に対するクエン酸の含有量の比の値が0.1〜3の範囲にあることを特徴とする分離膜の薬洗液を提供するものである。
本発明による薬洗液は、クエン酸と洗剤を特定割合で含有する混合水溶液とするので、簡便に出来、安定で効果的な洗浄力を有している。また、分離膜モジュールの特別な管理を要することなく、分離膜の材質を損なうことなく、水処理能力(水処理機能)の回復を容易に行うことができる。しかも洗浄操作も単純で、洗浄時間の大幅な短縮ができ洗浄効率を向上できる。
本発明の薬洗液が適用できる分離膜モジュールとしては、表流水の水浄化システムに用いられる分離膜モジュールであり、膜形態には中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、プリーツ型、スパイラル型、チューブラー(管状)型等が挙げられるが、分離膜と薬洗液との接触後に行う膜表面のフラッシングあるいは逆洗が最も効果的にできる中空糸分離膜モジュールが好ましい。
また、分離膜の材質は特に限定されるものではなく、高分子材料やセラミック材料等が使用できる。高分子材料としては、酢酸セルロース、その他のセルロース誘導体、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリビニリデンフルオライド等に適用できる。
酢酸セルロースを本発明の薬洗液の対象分離膜素材として用いる場合は、化学的耐久性の優れているものとして、酢化度が40〜62%の範囲にあるもの、好ましくは55〜62%の範囲にあるものが用いられる。また、平均重合度は100〜500の範囲にあるもの、好ましくは150〜350のものが用いられる。この範囲外の酢酸セルロースを用いた場合、分離膜が本発明の薬洗液により化学的に劣化する可能性があり、また、本発明の薬洗液を適用するためには、洗浄の際の薬洗液との接触時間とその薬洗液の濃度範囲をかなり狭くする必要があるため、洗浄の効果を期待できない結果となる。
本発明の薬洗液はクエン酸と洗剤を含有するが、洗剤に使用される界面活性剤は従来より分離膜用洗浄剤として用いられており、表流水の水浄化システムにおける分離膜を目詰まりさせる物質のうちの有機成分を除去するものと考えられる。
本発明に適当な洗剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(以下、単にSDSという)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下、単にLASという)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ES)及びα−オレフィンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤や、ショ糖脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。また、分離膜用洗剤として市販されている界面活性剤を含む混合組成物、例えばウルトラジル(ヘンケル・白水社、商品名)等も使用できる。
一方クエン酸は、無機成分の一部を溶解することによって目詰まり物質を分離膜から除去することができ、従って、分離膜の透水速度が回復できると考えられる。
本発明の薬洗液は、クエン酸と洗剤を含有する混合水溶液からなり、分離膜の水処理能の回復の点から、該混合水溶液中にクエン酸が0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、同じく洗剤が0.05〜4重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で含まれ、さらに洗剤に対するクエン酸の含有量の比の値が0.1〜3の範囲、好ましくは0.1〜2の範囲にあるものである。
ここに、薬洗液中にクエン酸が0.1〜2重量%としたのは、0.1重量%未満でも、2重量%を超えても、洗浄による分離膜の機能回復力が低下するからである。また、洗剤が0.05〜4重量%としたのは、0.05重量%未満でも、4重量%を超えても、分離膜の機能回復力が低下するからである。さらに、洗剤に対するクエン酸の含有量の比の値を0.1〜3としたのは、0.1未満でも、3を超えても分離膜の機能回復力が不十分になるからである。
本発明の薬洗液には、その洗浄効果を阻害しない範囲で、酵素、無機塩、りん酸系緩衝剤、キレート剤、酸、アルカリ等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の薬洗液の接触方法としては、流動を与えない条件で前記薬洗液に分離膜を静置浸漬して分離膜の目詰まり物質を除去する方法と、前記薬洗液に流動を与えて分離膜の目詰まり物質を剥ぎ取ると共に目詰まり物質を除去する方法等が考えられるが、洗浄方法の簡便性の点から前者(浸漬静置法)の方が望ましい。
本発明の薬洗液を用いた分離膜の洗浄においては、分離膜との接触後の洗浄操作が比較的重要である。すなわち、分離膜との接触後、膜間差圧が0.3kg/cm2以下で原水側の膜表面をフラッシングするか、あるいは、逆洗ないしは両者を併用して行うことが好ましい。ここでいう膜間差圧とは、フラッシング時の原水側(1次側)の圧力と透過側(2次側)の圧力との差を意味する。また、フラッシングとは、液体を原水側膜表面方向に比較的高速で流動させ、膜表面に付着した目詰まり物質を掃除する操作のことである。
本発明の薬洗液を用いた分離膜の洗浄においては、フラッシング時の膜間差圧を0.3kg/cm以下、好ましくは0.1kg/cm以下にすることによって効果的な洗浄が可能となる。膜間差圧が0.3kg/cmを越えてフラッシングを行うと、液体が原水側から膜を介して大きく透過する場合があり、この場合には、一旦薬洗液との接触によって剥離を受けた目詰まり物質が、このフラッシング操作によって再び分離膜を目詰まりさせるために、結局、分離膜の機能回復が出来ないこととなる惧れがある。なおフラッシングに用いる流体は、原水、浄化水およびこれらと空気との混合液体等がある。フラッシングの所要時間は特に限定されず、ろ過の透水速度がある一定のレベルに回復するまで行えばよいが、通常1〜100分程度である。一方、逆洗を行う場合は膜透過水等の浄化水、低濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液および空気等を用いることができ、逆洗圧力としては0.1〜2.0kg/cmが望ましい。
本発明の薬洗液による分離膜の洗浄においては、分離膜モジュールを水浄化システムから取り外して洗浄しても、分離膜モジュールを水浄化システムに装着したまま洗浄してもよい。
分離膜モジュールを水浄化システムから取り外して洗浄する場合には、薬洗液の入った容器に分離膜モジュールを浸漬し、静置することが望ましい。
一方、水浄化システムに分離膜モジュールの洗浄用の切り替え回路が用意されている場合には、分離膜モジュールをシステムに装着したまま薬洗液に置換し、所望の時間静置することにより洗浄することが可能となる。なお、洗浄用の回路とは、通常使用における透過水生成用の回路とは別の、供給原水の代わりに本発明の薬洗液並びにすすぎ用水が供給され、かつ、洗浄による処理廃液を排出することのできる回路である。
また、例えば分離膜モジュール4本によりろ過運転を行う水浄化システムにおいて、予め5本の分離膜モジュールを設置しておけば、4本の分離膜モジュールを運転しながら残り1本の分離膜モジュールを洗浄することができ、水浄化システムの運転を休止する必要がなくなる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3,比較例1〜4)
まず、実施例1につき説明する。分離膜モジュールとして三酢酸セルロース製中空糸膜モジュール(膜面積10m、有効膜長さ1m)を用い、図1に示す水浄化システムにおいて平均濁度7度の表流水である河川水から浄化水を得るために、約200日間ろ過運転した。
図1に示す水浄化システムには、逆止弁1、ポンプ2、中空糸膜モジュール3、透過水自動弁4、洗浄水排出自動弁5の構成に加えて、透過水を蓄積するための透過水タンク8、蓄積された透過水を中空糸膜モジュール3の出口側に戻して逆洗を行うためのポンプ9、逆洗自動弁10とを設けている。7は循環経路、6は洗浄水排出経路である。
通常運転に際しては、透過水自動弁4を開、洗浄水排出自動弁5、逆洗自動弁10はともに閉とし、ポンプ9を停止状態にする。このようにして河川水を逆止弁1を介してポンプ2により昇圧し、中空糸膜モジュール3に供給する。中空糸膜モジュール3を透過した透過水は透過水自動弁4を経由して透過水タンク8に蓄積される。
逆洗時は、透過水自動弁4は閉とし、洗浄水排出自動弁5及び逆洗自動弁10はともに開とし、ポンプ2は停止し、ポンプ9を運転し、透過水タンク8中の透過水を中空糸膜モジュール3を透して洗浄水排出自動弁5経由でシステム外に排出する。
具体的には、この水浄化システムで、原水(河川水)を中空糸膜モジュール3の中空糸膜の内側に流してろ過し、30分ごとに1分間、透過水を中空糸膜の外側から内側に流す逆洗を行った。運転後、分離膜モジュール中の任意の中空糸膜を50cmを切り出し、本発明による洗浄による分離膜の機能回復性を試験する試料とした。この試料中空糸膜中に気泡が入らないように注意して、LASを約0.17重量%含む市販の分離膜用洗剤であるウルトラジル53(ヘンケル・白水社製)の1重量%の水溶液とクエン酸1重量%の水溶液から得られた混合水溶液である薬洗液(クエン酸含有量/ウルトラジル53含有量=1.0)に8時間浸漬静置した。
この薬洗液はクエン酸と洗剤との2液の一定割合の混合であるので、調製が簡便であり、安定で効果的な洗浄力を有している。
浸漬した中空糸膜を取り出し、その一端からイオン交換水を膜間差圧0.1kg/cmで100ml流し(フラッシング)、内表面に付着していた目詰まり物質を掃流した。この時、中空糸膜のもう一端は開放してある状態である。以上のようにして洗浄した中空糸膜の純水透過速度(以下、単にPWPという)を測定して洗浄による機能回復性を求めた。ここでPWPは、有効長50cmの中空糸膜の内側から外側に透過した25℃の純水の量から算出した。洗浄後の中空糸膜のPWPは438リットル/m・hr・(kg/cm)であり、99.5%の洗浄回復率(下式(1))を示した。ここに、洗浄回復率とは、本発明の薬洗液による洗浄により中空糸膜(分離膜)の機能の回復率を意味する。
表−1に、薬洗液の内容、クエン酸/洗剤(ウルトラシ゛ル53)の重量比の値、洗浄回復率(%)、薬洗液のpH及びPWPを示した。また、1重量%クエン酸液と1重量%ウルトラジル53液の混合比の違いによる洗浄効果を図2に示す。なお洗浄前の機能低下した中空糸膜のPWPは51リットル/m・hr(kg/cm)であり、使用前の中空糸膜のPWPは440リットル/m・hr(kg/cm)である。また、ろ過運転後の中空糸膜のPWP低下率(すなわち、下式(2)の洗浄前PWP低下率)は11.6%であった。また、上記洗浄操作によって膜付着物の著しい流出が観察された。
また、本発明の薬洗液は、クエン酸と洗剤の特定割合の混合水溶液を用いているために、中空糸膜の洗浄時間は、約8時間であり、従来、3日間を要したのに比較して大幅な洗浄時間の短縮ができ、効率の大幅な向上が出来るとともに、洗浄時間の短縮により使用する洗浄剤量、人件費等の排水処理コストを上回る大幅なコスト低減をすることができた。
次に、表1の実施例2〜3、比較例1〜4に示すように、薬洗液の内容、比率を変えて、実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。表1に示すように、クエン酸と洗浄剤(ウルトラジル53)を特定の割合とした実施例1〜3が、洗浄回復率が極めて優れていることが解る。
洗浄回復率(%)
=(洗浄後PWP−洗浄前PWP)/(使用前PWP−洗浄前PWP)×100 …(1)
洗浄前PWP低下率(%)=(洗浄前PWP/使用前PWP)×100 …(2)
Figure 2007000869
(実施例4〜6,比較例5〜8)
洗浄剤としてLASを含むウルトラジル53の代りにSDSを使用し、その1重量%水溶液を用い、実施例1と同様にしてSDSに対するクエン酸の含有比を変えて洗浄を行った。結果を表−2に示す。また、1重量%クエン酸液と1重量%SDS液の混合比の違いによる洗浄効果を図3に示す。
この場合も、表2に示すように、クエン酸と洗浄剤(SDS)を特定の割合とした実施例4〜6が、洗浄回復率が極めて優れていることが解る。
Figure 2007000869
(実施例7〜9,比較例9〜10)
洗浄剤として、実施例1においてLASを含むウルトラジル53の代りにショ糖脂肪酸エステルを6重量%含有する洗剤(中性洗剤)であるサニーセーフA(第一工業製薬(株)、商品名)を使用し、その1重量%水溶液を用い、実施例1と同様にしてこの洗剤に対するクエン酸の含有比を変えて洗浄を行った。結果を表−3に示す。
また、比較例10においては、特開昭54−58686号公報の実施例3の場合、洗浄回復率は低いことを示す。ここでは混合溶液中の洗剤(中性洗剤)の濃度は0.4重量%、クエン酸の濃度は0.02重量%で、クエン酸/洗剤(中性洗剤)の重量比の値は0.05であり、本発明のいう重量比の値0.1〜3から外れている。実施例1と同様に水浄化システムで使用した酢酸セルロース中空糸膜を洗浄したが、洗浄回復率は74.3%と極めて低かった。すなわち、本発明のいうクエン酸/洗浄剤の重量比0.1〜3としてはじめて優れた洗浄回復率を有する。
この場合も、表3に示すように、クエン酸と洗剤(サニーセーフA)を特定の割合とした実施例7〜9が、洗浄回復率が極めて優れていることが解る。
Figure 2007000869
本発明の評価に用いた水浄化システムの構成を示す模式図である。 本発明の薬洗液(表−1に対応)の混合比の違いによる分離膜の純水透過速度(PWP)を示すグラフである。 本発明の他の薬洗液(表−2に対応)の混合比の違いによる分離膜の純水透過速度(PWP)を示すグラフである。
符号の説明
1 逆止弁
2 ポンプ
3 中空糸膜モジュール
4 透過水自動弁
5 洗浄水排出自動弁
6 洗浄水排出経路
7 循環経路
8 透過水タンク
9 ポンプ
10 逆洗自動弁

Claims (4)

  1. 表流水をろ過して浄化水を得るために用いられる分離膜の洗浄方法であって、
    薬洗液として、クエン酸及び洗剤を含有する混合水溶液からなり、該混合水溶液中にクエン酸が0.1〜2重量%、洗剤が0.05〜4重量%含まれ、かつ洗剤に対するクエン酸の含有量の比(クエン酸/洗剤)の値が0.1〜3の範囲にあるものを使用して、
    分離膜と前記薬洗液とを接触させた後、膜間差圧が0.3kg/cm以下で原水側の膜表面をフラッシングするか、逆圧流洗浄するか、または両方法を併用して洗浄する分離膜の洗浄方法。
  2. 前記接触が、薬洗液に分離膜を静置浸漬する方法である請求項1記載の分離膜の洗浄方法。
  3. 洗剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む混合組成物である請求項1または2記載の分離膜の洗浄方法。
  4. 対象分離膜が酢酸セルロース系膜である請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜の洗浄方法。

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