JPH11317224A - アルカリ蓄電池用正極活物質およびその製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用正極活物質およびその製造方法

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JPH11317224A
JPH11317224A JP11016752A JP1675299A JPH11317224A JP H11317224 A JPH11317224 A JP H11317224A JP 11016752 A JP11016752 A JP 11016752A JP 1675299 A JP1675299 A JP 1675299A JP H11317224 A JPH11317224 A JP H11317224A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Niを主たる金属元素とする酸化物からなる
正極活物質のエネルギー密度を高め、さらに、同材料の
製造法を提供する。 【解決手段】 Niを主たる金属元素とする酸化物であ
って、少なくともMnを固溶、または、共晶状態で有
し、Mnの平均価数が3.3価以上であり、CuKα線
を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近のピーク
の半価幅が1.2deg.以下であり、および/また
は、2θ=37〜40゜付近に位置するピークの積分強
度Aに対する2θ=18〜21゜付近に位置するピーク
の積分強度Bの比B/Aが1.25以下であり、および
/または、40Å以下の細孔半径を有する空間体積が全
細孔体積に対して60%以上である。この酸化物は、反
応槽内水溶液中の溶存酸素を5mg/l以下に保持した
状態で成長させた後、酸化させることにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Niを主たる金属
元素とする金属酸化物を主材料とする高容量のアルカリ
蓄電池用正極活物質およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体技術の進歩に伴い電子機器
の小型、軽量、多機能化が進み、携帯電話、ノートパソ
コンなどに代表される小型ポータブル機器のパーソナル
化が急速に進んでいる。そのため、その電源として広く
採用されているアルカリ蓄電池二次電池に対しても、益
々の小型、軽量化の要求が高まってきている。
【0003】現在に至るまで、アルカリ蓄電池用正極の
主活物質はニッケル酸化物(NiOOH)が用いられて
いるが、電極基体は従来の焼結基板を用いた焼結式電極
に代えて、より高多孔度(約95%)の3次元の発泡ニ
ッケル多孔体にニッケル酸化物粉末を高密度充填した電
極(発泡メタル式電極)が工業化され(例えば特公昭6
2−54235号公報、米国特許No.4251603
号)、これによってニッケル正極のエネルギー密度は飛
躍的に向上した。
【0004】上記ニッケル正極の高エネルギー密度化に
おいては、活物質であるニッケル酸化物粉末の製造方法
の改良も重要な技術の一つであった。従来のニッケル酸
化物粉末の製造方法は、ニッケル塩水溶液に水酸化ナト
リウムなどのアルカリ水溶液中に作用させて沈殿させ、
次いで熟成して結晶成長させたのち機械的な方法で粉砕
する方法が採用されていたが、製法が煩雑であるととも
に粉末形状が不定形であることから高い充填密度が得ら
れにくい問題があった。しかし、特公平4−80513
号公報に示されているように、他の製造方法として、ニ
ッケル塩水溶液にアンモニアを作用させてニッケルのア
ンモニウム錯体を形成させ、アルカリ水溶液中で水酸化
ニッケルを成長させる方法が提案され、連続製法が可能
となり低廉化が図れるとともに、粒子形状が球状に近い
ことにより高密度充填が可能となった。
【0005】しかし、この進歩においては、数10μm
にまで成長した大粒径の高密度粒子を活物質として用い
るため、活物質自身の電子伝導度の低下が影響して充放
電効率が低下するという問題があった。これに対して
は、Coやその酸化物およびNi等を添加することで電
子伝導性を補い(特公昭61−37733号公報、電気
化学,Vol.54,No.2,p.159(198
6)、Power Sources 12,p203
(1988))、さらに、活物質自身においてもCoな
どのNi以外の金属元素を固溶させることで充放電効率
の向上が図られた。
【0006】また、前述のような結晶内部に異種金属元
素を固溶させて充放電効率の向上を図る試みは、特公平
3−26903号公報、特公平3−50384号公報、
電気化学,Vol.54,No.2,p164(198
6),Power Sources,12,p203
(1988)に示されているように、従来より活物質の
内部にCd、Coを添加する方法が採用されているが、
環境面から、カドミウム・フリーの電池が要望され、カ
ドミウムに代わる金属元素の一例としてZnが提案され
たり、更にCo、ZnおよびBaなどの3元素の固溶体
も提案されている(米国特許No.5366831
号)。なお、このような充放電特性の高効率化を目的と
したニッケル酸化物への異種金属固溶は、古くになされ
た技術であり、特開昭51−122737号公報などで
も公知である。
【0007】以上のような基板形状、活物質形状、活物
質組成および添加物などの改良により、正極のエネルギ
ー密度は飛躍的に向上し、現在ではエネルギー密度60
0mAh/cc程度の正極が実用化されている。しか
し、前述のように、小型ポータブル機器用の電源として
のエネルギー密度向上に対する要望は益々拡大傾向にあ
る。電池のエネルギー密度の向上を図るためには、正・
負極、電解液、セパレータおよびそれらの構成法などの
面からのアプローチが考えられるが、負極に関しては、
従来のカドミウム負極に代わり、高エネルギー密度の金
属水素化物の実用化(Power Sources 1
2,p.393(1988))などにより、正極の倍以
上の体積エネルギー密度にまで達している。また、電池
構成法に関してもセパレータの薄膜化、極板の高密度充
填などの技術進歩によって急速な高エネルギー密度化が
進められてきており、現在においては、ほぼ限界にまで
達しつつある。そこで、エネルギー密度の一層の向上を
実現するためには、電池内のほぼ半分の体積比率を占め
る正極の一層の高エネルギー密度化が最も効果的な要素
技術として重要な位置づけになりつつある。
【0008】正極のエネルギー密度の向上を図るために
は、活物質のタップ密度向上、添加物量の低減、発泡ニ
ッケル基体の金属量の低減などといった電極充填密度向
上のアプローチが考えられるが、これらの技術はほぼ限
界に達しつつある。そのため、活物質自体の改質を図
り、反応性の向上、反応次数の向上を試みる必要があ
る。現状の正極活物質であるニッケル酸化物は、充填時
にβ型のNi(OH)2(2価の酸化物)であり、通常
の充放電ではβ型のNiOOH(3価)との間で1電子
反応(利用率:100%)が進行すると言われている。
しかし、この充電状態のβ−NiOOHは、過充電によ
って一部が高次酸化物であるγ−NiOOH(3.5〜
3.8価)にまで酸化される。なお、少なくともγ−N
iOOH は非化学量論的な材料で、結晶的にみても無
秩序(disorder)であることが知られている
(J.Power Sources、8、p229(1
982)など)。従来より、このγ−NiOOHは電気
化学的に不活性であり電圧低下や容量低下を引き起こす
ばかりでなく、層間が広がることで電極の体積膨脹によ
る導電剤、基板との接触不良、脱落、また、水分子を取
り込むことによる電解液の枯渇など多くの弊害を引き起
こすことから、生成を抑制する工夫がなされてきた。
【0009】しかし、ニッケル酸化物をベースにした活
物質を用いて、さらに高エネルギー密度化を図るために
は、高次酸化物であるγーNiOOHを使いこなすこと
が極めて重要である。このために、Niの一部をMn
(III)、Al(III)、Fe(III)などの異種金属を
固溶させ、層間にアニオンと水分子を取り込んだα型の
水酸化物に類似した構造の材料が提案されている(So
lid State Ionics,32/33,p.
104(1989)、J.Power Source
s,35,p.249(1991)、米国特許No.5
348822号(1994)、米国特許No.5569
562号(1996)、特開平8−225328号公報
など)。この酸化物は、γ−NiOOHと類似した構造
の高次酸化物との間で容易に充放電が進行すると言われ
ている。しかし、実際にはこの酸化物は層間が広く材料
自身が極めて嵩高くなることから、高密度充填が困難で
あり実用性は乏しいものと考えられる。
【0010】これに対して我々は、電極充填時にβタイ
プの結晶構造をもち、かつ、高次酸化物であるγ−Ni
OOHとの間で充放電が進行する活物質に注目してい
る。その一例として、高密度でかつ高次反応を目的とし
た異種金属固溶によるニッケル酸化物の改質を提案して
いる。また、固溶する異種金属としては、特にMnを主
成分とした組成が有望であることが提案されている(例
えば、特開平8−222215号公報、特開平8−22
2216号公報、特開平9−115543号公報)。前
記提案はMnをニッケル酸化物に固溶させることで、プ
ロトンの移動度、電子伝導性が向上し、利用率が向上す
ることを開示している。なお、Mnを固溶したニッケル
酸化物は、特開昭51−122737号公報、特開平4
−179056号公報、特開平5−41212号公報な
どに既に提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、異種金
属を固溶することでニッケル酸化物の改質を図り、充放
電効率を向上させる試みがいくつか提案されている。し
かし、固溶する異種金属の種類、固溶量によって、その
効果が十分に得られない場合がある。これに対して、前
記のようにMnを固溶したニッケル酸化物においては、
充放電効率、反応次数の向上の効果が極めて大きく、エ
ネルギー密度の向上が期待できる。しかしながら、特開
平4−179056号公報、特開平5−41212号公
報においては、主にサイクル寿命向上を目的としている
ため、反応次数の向上を目的としたものではない。
【0012】また、特開平8−222215号公報、特
開平8−222216号公報、特開平9−115543
号公報においては、電池特性に大きく影響を及ぼすMn
価数、結晶構造、細孔分布等の適正値が開示されておら
ず、一層の高エネルギー密度化のためには改善の余地が
ある。また、前記のMnを固溶したニッケル酸化物を製
造するにあたっては、Mn(II)が不安定で酸化されや
すいため、高密度な粒子に成長させることが極めて困難
である。しかしながら、前記提案の中には、この課題に
対する改善方法に関する記述がなく、高エネルギー密度
化を実現することは困難である。また、米国特許No.
5637423号においても、Mnを含むNi(OH)
2に関しての提案がなされているが、その製造法として
はシンター式の極板に関してのみ記載されており、高エ
ネルギー密度化を目的とした粉末状の金属酸化物の製造
法に関する開示はない。
【0013】以上のことから、本発明は、飛躍的な高エ
ネルギー密度化を実現するとともに充放電効率および寿
命特性の優れたアルカリ蓄電池用正極活物質とその製造
方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明では、少なくともMnを固溶、または、共晶状
態で有するニッケル酸化物の諸物性、すなわち、Mnの
平均価数、タップ密度、CuKα線を使用するX線回折
におけるピーク強度比などを適正化している。
【0015】そして、アルカリ蓄電池用正極活物質とし
て上記のような、良好な諸物性を有するニッケル酸化物
の製造方法を具現化する。
【0016】以上の構成のニッケル酸化物をアルカリ蓄
電池用正極活物質として用いることで、飛躍的な高エネ
ルギー密度化、サイクル安定性の向上、高率放電特性の
向上を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、少なくともMnを固溶または共晶状態で含む、β−
Ni(OH)2型のニッケル酸化物を主体とするアルカ
リ蓄電池用正極活物質であって、前記Mnの平均価数が
3.3価以上であり、タップ密度が1.7g/cc以上
であり、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜
40゜付近に位置するピークの半価幅が1.2deg.
以下であることを特徴とするであることを特徴としたも
のであり、ニッケル酸化物に固溶する異種金属として
は、高反応次数化のために顕著な効果を有するMnが好
ましい。また、Mnの平均価数は3.3価以上が望まし
く、3.3価より低い場合、電子伝導性の低下あるいは
γ生成効率の低下により、初期サイクルにおける充放電
効率が著しく低下する。また、タップ密度としては1.
7g/cc以上が好ましく、1.7g/cc以下では電
極への充填密度が低下し高エネルギー密度を図ることが
困難である。また、CuKα線を使用するX線回折の2
θ=37〜40゜付近に位置するピークの半価幅が1.
2deg.以下であることがとくに望ましい。すなわ
ち、半価幅が小さく結晶性が高いものにおいて充放電効
率の著しい向上を図ることができる。
【0018】なお、前記ニッケル酸化物は、通常ニッケ
ル水酸化物を意味する。
【0019】本発明の請求項2に記載の発明は、少なく
ともMnを固溶または共晶状態で含む、β−Ni(O
H)2型のニッケル酸化物を主体とするアルカリ蓄電池
用正極活物質であって、前記Mnの平均価数が3.3価
以上で、タップ密度が1.7g/cc以上であり、Cu
Kα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に
位置するピークの積分強度Aに対する、2θ=18〜2
1゜付近に位置するピークの積分強度Bの比B/Aが
1.25以下であることを特徴とする。
【0020】前記ピーク強度比B/Aが1.25以下の
場合、その作用効果は明らかではないが、サイクル末期
のγ相の放電効率が著しく向上しサイクル安定性が向上
する。
【0021】本発明の請求項3に記載の発明は、少なく
ともMnを固溶または共晶状態で含む、β−Ni(O
H)2型のニッケル酸化物を主体とするアルカリ蓄電池
用正極活物質であって、前記Mnの平均価数が3.3価
以上で、タップ密度が1.7g/cc以上であり、40
Å以下の細孔半径を有する空間体積が全細孔体積に対し
て60%以上であることを特徴としたものであり、40
Å以下の細孔(結晶子間の粒界)が多く存在すること
で、結晶構造の膨張収縮に伴う応力の緩和を図ることが
可能となる。また、これらの細孔は比表面積に大きく影
響を及ぼし、高率充放電時の充放電効率を著しく向上さ
せることができる。また、その割合は全細孔に対して6
0%以上でないと充分な効果が得られない。
【0022】本発明の請求項4に記載の発明は、少なく
ともMnを固溶または共晶状態で含む、β−Ni(O
H)2型のニッケル酸化物を主体とするアルカリ蓄電池
用正極活物質であって、前記Mnの平均価数が3.3価
以上で、タップ密度が1.7g/cc以上であり、Cu
Kα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に
位置するピークの半価幅が1.2deg.以下であり、
2θ=37〜40゜付近に位置するピークの積分強度A
に対する、2θ=18〜21゜付近に位置するピークの
積分強度Bの比B/Aが1.25以下であり、40Å以
下の細孔半径を有する空間体積が全細孔体積に対して6
0%以上であることを特徴としたものであり、これによ
り、高密度で、かつ、高次酸化物との充放電効率が向上
することから、高エネルギー密度化を図ることができ
る。さらに、前述のようにサイクル安定性の向上、高率
放電特性の向上も同時に図ることができる。
【0023】本発明の請求項5に記載の発明は、本発明
によるニッケル酸化物中に固溶または共晶状態で有する
該Mn含有量が、全金属元素合計に対して1モル%以上
12モル%以下であることを特徴とするものである。1
モル%より少ないと効果が小さく、また、12モル%よ
り多いと、NiとMnのイオン半径の違いから結晶に歪
みが生じやすくなり高密度に成長することが困難にな
る。従って、Mn含有量としては1モル%以上12モル
%以下であることが好ましい。
【0024】本発明の請求項6に記載の発明は、本発明
によるニッケル酸化物は、球状もしくはそれに類似した
形状の粉末であることを特徴としたものであり、これに
より電極への充填密度の向上を図ることができる。
【0025】本発明の請求項7に記載の発明は、上記N
iを主たる金属元素とする酸化物には、NiとMnのほ
かに、少なくともAlが含まれていることを特徴とした
ものである。請求項1の発明により、Mnを固溶したニ
ッケル酸化物は高次反応が進行し、かつ、高密度充填が
可能であることから、エネルギー密度の向上を図ること
ができる。しかし、その一方で放電時の電圧が若干低い
という課題を有していた。これに対して、同酸化物にA
lを固溶することで放電電圧を向上させることができ
る。
【0026】本発明の請求項8に記載の発明は、上記N
iを主たる金属元素とする酸化物には、NiとMnのほ
かに、少なくともCa、Mg、Ti、Zn、Sr、B
a、Y、Cd、Co、Cr、希土類金属、Biから選ば
れた一種以上の元素が含まれていることを特徴としたも
のであり、前記金属元素を固溶することで酸素過電圧が
増加し、充電効率を向上させる効果がある。
【0027】本発明の請求項9に記載の発明は、前記N
iを主たる金属元素とする酸化物粉末は、主に粉末の表
面に導電性を有する金属酸化物もしくは金属による表面
層で被覆されていることを特徴としたものであり、これ
により、金属酸化物もしくは金属といった導電材の分布
がより均一になり導電性が向上することから、導電材の
充填量を減らすことが可能となる。また、導電性の向上
により、高率放電特性を向上させることができる。さら
に、導電材が均一に分布していることで水溶液中での安
定性が向上し、放電後の保存特性を著しく向上させるこ
とができる。
【0028】本発明の請求項10に記載の発明は、少な
くともMnを固溶または共晶状態で含む、β−Ni(O
H)2型のニッケル酸化物を主体とするアルカリ蓄電池
用正極活物質であって、前記Mnの平均価数が3.3価
以上で、タップ密度が1.7g/cc以上であるアルカ
リ蓄電池正極活物質を製造する方法であって、反応槽内
の水溶液中の溶存酸素濃度を5mg/l以下に保持した
状態で、Ni塩が主成分であり、少なくともMn塩を含
む金属塩水溶液と、アルカリ水溶液とを連続的に作用さ
せてニッケル酸化物を成長させた後、酸化することで前
記正極活物質を得ることを特徴としたものである。ここ
で、溶存酸素が5mg/lより多いと金属酸化物の成長
過程においてMnの酸化反応が進行し、Mnイオン半径
の著しい低下により結晶格子に積層不整等の歪みが生
じ、高密度成長が困難になる。そこで、反応槽内の溶存
酸素濃度を5mg/l以下とすることでMnの酸化反応
を抑制することができ、高密度成長が可能となる。ま
た、少なくともMn塩を含むNi塩を主とする水溶液
と、アルカリ水溶液とを連続的に作用させることで、少
なくともMnを固溶したNiを主とする酸化物を高密度
に成長させることができる。また、成長した該金属酸化
物粉末を取り出した後に酸化させることで、Mnの平均
価数を3.3価以上に引き上げることができ、高密度で
かつ高い充放電効率の活物質を得ることができる。
【0029】本発明の請求項11に記載の発明は、前記
反応槽内に不活性ガス、および/または、還元剤を連続
的に供給することを特徴としたものであり、これによ
り、反応槽内の溶存酸素濃度を低くすることができ、高
密度な該金属酸化物粉末を安定に取り出すことができ
る。
【0030】本発明の請求項12に記載の発明は、前記
不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンから選ばれる
少なくとも一つを用いることを特徴としたものであり、
これにより、比較的容易に反応槽内の溶存酸素濃度を低
くすることができ、高密度な該金属酸化物粉末を安定に
取り出すことができる。
【0031】本発明の請求項13記載の発明は、請求項
11における還元剤としてヒドラジンを用いることを特
徴とするものであり、これにより、Mnの酸化反応を抑
制することができ、高密度な該金属酸化物粉末を安定に
取り出すことができる。
【0032】本発明の請求項14記載の発明は、前記ア
ルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液、または、
水酸化ナトリウム水溶液にアンモニウムイオンを含む水
溶液を用いることを特徴としたもので、少なくともMn
塩を含むNi塩を主とする金属塩水溶液と連続的に作用
させることで、該酸化物粒子を高密度に成長させること
ができる。
【0033】本発明の請求項15記載の発明は、本発明
による製造法における酸化の方法として、大気雰囲気中
に保持することを提案するものであって、これにより該
金属酸化物のMnの平均価数を3.3価以上に容易に引
き上げることができる。
【0034】本発明の請求項16記載の発明は、前記大
気雰囲気下においては、20〜110℃で1時間以上保
持する条件を特徴としたものであり、20℃より低温に
おいてはMnの酸化反応が十分に進行せず、平均3.3
価以上に引き上げることができない。また、110℃よ
り高温においては酸化物の分解反応が進行し充放電効率
の低下をもたらす。また、同酸化処理の時間に関して
は、1時間以下では金属酸化物粒子内部まで酸化させる
ことが困難である。
【0035】本発明の請求項17記載の発明は、酸化さ
せる方法として、酸素、または、酸化剤と作用させる方
法を提案するものであって、該金属酸化物のMnの平均
価数を3.3価以上に短時間で引き上げることができ
る。
【0036】本発明の請求項18記載の発明は、前記酸
化剤には、過酸化水素、過塩素酸塩から選ばれる少なく
とも一つを用いることを特徴とするもので、これにより
該金属酸化物のMnの平均価数を3.3価以上に引き上
げることが可能である。
【0037】本発明の請求項19記載の発明は、前記合
成槽内のpH値が11〜12.5であることを特徴とし
たものであり、pH値が11より小さいとMnの均一固
溶が困難となり、また、12.5より大きいと微少粒子
の凝集体となり高密度成長が困難となる。また、pH値
が12.5より小さくすることで、CuKα線を使用す
るX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置するピーク
の半価幅を1.2deg.以下にすることができる。従
って、pH値は11〜12.5が適している。
【0038】本発明の請求項20記載の発明は、前記合
成槽内の温度が20〜60℃であることを特徴としたも
のであり、20℃より低温においては反応槽の壁面にス
ケールが生成しやすく、また、60℃より高温において
は微少粒子の凝集体となりやすく、いずれも高密度成長
が困難となる。また、60℃以下で合成することによ
り、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40
゜付近に位置するピークの積分強度Aに対する2θ=1
8〜21゜付近に位置するピークの積分強度Bの比A/
Bを1.25以下とすることができ、サイクル寿命の向
上を図ることが可能となる。従って、合成槽内の温度は
20〜60℃が適している。
【0039】本発明の請求項21記載の発明は、前記金
属塩水溶液に含まれる全金属イオンの供給速度が2×1
-4〜2×10-2mol/minとなるように、前記水
溶液を供給することを特徴としたものであり、供給速度
が2×10-2mol/minより速いと高密度にまで成
長することができず、また、2×10-4mol/min
より遅いと粒子表面の微細孔がなくなり表面積の著しい
低下を引き起こす。また、2×10-4mol/minよ
り速く供給することで、40Å以下の細孔半径を有する
空間体積が全細孔体積に対して60%以上とすることが
可能となり、高率充放電時の充放電効率を著しく向上さ
せることが可能となる。従って、全金属イオンの供給速
度が2×10-4〜2×10-2mol/minとなるよう
に金属塩水溶液を供給することが好ましい。
【0040】以下、本発明の好適な実施の形態につい
て、図1から図4を用いて説明する。
【0041】(実施の形態1)図1は本発明の一実施例
による正極活物質を用いた円筒型密閉ニッケル・水素蓄
電池を示す。図1において、極板群10は負極板11と
正極板12の間にセパレータ13を介挿して渦巻き状に
捲回して構成される。負極11は、水素吸蔵合金MmN
3.55Co0.75Mn0.4Al0.3を活物質としている。正
極12は、ニッケル酸化物を活物質としている。電解液
はK+、Na+、Li+の水酸化物からなるトータル10
mol/lの高濃度のアルカリ水溶液からなる。セパレ
ータ13はスルフォン化ポリプロピレン製で、負極板1
1と正極板12とを隔離している。極板群10は、ニッ
ケルメッキされた鋼製の電池ケース14に挿入され、電
解液を保持している。電池ケース14の開口部は、正極
端子を兼ねるキャップ19との間に安全弁18を装着し
た封口板16、およびガスケット17により密閉されて
いる。15は極板群10と電池ケース14の底部との間
に介在させた絶縁板である。20は正極板12を封口板
16に接続するニッケル製リード片である。安全弁18
は、電池内で酸素ガスもしくは水素ガスが発生した場合
に、電池ケース外へ放出し、電池の破裂を防止するもの
で、弁作動圧は15〜20kgf/cm2程度である。
負極板のリード片は、図示しないが、電池ケース14に
接続されている。
【0042】この例では、負極をMmNi系AB5水素
吸蔵合金で構成したが、LaNi5などの他のAB5系水
素吸蔵合金、Zr−Ti−Mn−Ni系などのAB2
水素吸蔵合金、Mg−Ni系などのA2B系水素吸蔵合
金、あるいはカドミウム負極や亜鉛負極を用いた場合に
も同様に実施することができる。また、ここでは円筒型
密閉電池について説明したが、角形密閉電池、あるいは
電気自動車用や据え置き型の大型密閉電池であっても同
様に実施可能である。
【0043】図2は、本発明による正極の一例として、
発泡状ニッケル基板に活物質混合物を充填した電極を模
式的に表している。基板1は発泡状ニッケルから構成さ
れている。基板空孔部2には活物質粉末3が充填されて
いる。前記活物質粉末3は、平均価数3.3価以上のM
nを原子比でNi:Mn=9:1の割合で固溶させたニ
ッケル酸化物粒子である。導電性金属酸化物層4は、高
い導電性を有すCo酸化物によって構成されており、活
物質粒子表面および/または活物質粒子間、活物質と基
体間に存在して、活物質の粉末間および活物質と基板間
の導電性を補償する作用をもたせている。5は空隙部を
示す。
【0044】以上の説明では、基板を発泡ニッケルで構
成したが、その他ニッケルフェルトなどの三次元金属多
孔体あるいはパンチングメタルなどの二次元的な金属多
孔板を用いても同様に実施可能である。また、活物質粉
末としては、Niを主たる金属元素とする酸化物であっ
て、NiとMnのほかに、Al、Ca、Ti、Zn、S
r、Ba、Y、Cd、Co、Cr、希土類金属、Biか
ら選ばれた少なくとも一種以上の元素を固溶させた複数
金属元素の金属酸化物粉末を用いた場合でも同様に実施
可能である。
【0045】図3は、本発明の正極活物質の製造方法を
実施する反応装置の一例を示しており、反応槽21に
は、ニッケル塩とマンガン塩からなる金属塩水溶液供給
ライン22と、アンモニウムイオン供給ライン23と、
NaOH水溶液供給ライン24が導入されており、Na
OH供給ライン24にはpHスタット25が備えられて
おり、NaOH水溶液の供給量を調整している。
【0046】金属塩水溶液供給ライン22は、ニッケル
塩とマンガン塩以外に、Al、および/またはCa、T
i、Zn、Sr、Ba、Y、Cd、Co、Cr、希土類
金属、Biから選ばれた一種以上の金属塩水溶液を供給
するラインとしてもよい。
【0047】反応槽21には恒温槽26が備えられてお
り、反応槽21内の温度を一定に保っている。上部には
成長した金属酸化物粒子含有液を取り出すライン27が
備えられており、オーバーフローさせて、連続的に取り
出せるようになっている。
【0048】反応槽下部には不活性ガス供給ライン28
が導入されており、窒素を連続的に供給でき溶存酸素を
除去することが可能になっている。
【0049】なお、前記不活性ガス供給ライン28によ
って、アルゴンガス、ヘリウムガスを連続的に供給して
も構わない。また、不活性ガス供給ライン28以外に、
還元剤供給ラインを設け、ヒドラジン等を連続的に供給
できるようにしても構わない。
【0050】反応槽21の内部には攪拌装置29に接続
されている、攪拌翼30が備えられており、反応槽21
内の諸条件を均一に保っている。
【0051】なお、反応装置の構成としては前記の攪拌
槽型装置に属するタイプ以外に、分級機能を有す部分を
設けたマグマ型装置に属するタイプを採用しても構わな
い。
【0052】以上の反応装置を用い成長させた金属酸化
物粉末に、酸化処理を施したものを本発明によるアルカ
リ蓄電池用正極活物質とした。
【0053】
【実施例】次に、本発明による製造法の諸条件を変化さ
せることにより得られた具体例を説明する。
【0054】(実施例1)まず、NiSO4およびMn
SO4を含む混合水溶液、NaOH水溶液、NH3水溶液
を準備し、50℃に保持された図3と同様の構成の反応
装置内に、それぞれ0.5ml/minの流量で連続的
に供給した。また、同時にArガスを800ml/mi
nの流量で連続的に供給し、装置内の溶存酸素濃度を
0.05mg/lに保持した。ここで、前記水溶液の濃
度は、NiSO4濃度を2.2mol/l、MnSO4
度を0.2mol/l、NH3濃度を5mol/lと
し、NaOH濃度は4.2〜7mol/lの範囲内で変
化させた。なお、前記NaOH濃度の違いにより、pH
値は11〜13の範囲で異なる値を示した。また、この
ときのNiとMnイオンの供給速度は、前記水溶液濃度
と供給流量から1.2×10-3mol/minと算出さ
れた。
【0055】続いて、反応装置内のpHが一定となり、
金属塩濃度と酸化物粒子濃度のバランスが一定となり、
定常状態になったところで、オーバーフローにて得られ
た懸濁液を採取し、デカンテーションにより沈殿物を分
離した。これを水洗させた後、水で湿った状態の金属酸
化物粉末を大気中で保持することで、乾燥させるのと同
時に酸化処理を施した。ここで、酸化処理条件は、大気
中で20〜130℃の範囲で、20分〜24時間一定に
保持した。このようにして、平均粒径10μmの粉末を
得た。
【0056】組成分析を実施した結果、得られた金属酸
化物のMn固溶量はいずれも約8モル%であった。ま
た、XRDパターンを記録したところ、いずれもβ−N
i(OH)2型の単相であることが確かめられた。図4
に、典型的なXRDパターンを示す。また、タップ密度
を測定したところ、いずれも1.7g/cc以上を示
し、高エネルギー密度化のために適した材料(電極支持
体への充填性に優れた材料)であることが確かめられ
た。
【0057】さらに、ヨードメトリー法により全金属の
トータル価数を求め、その値よりMnの平均価数を算出
したところ、前記酸化処理の温度、時間によって2.8
価〜3.7価の範囲でばらついた。すなわち、20℃で
20分保持した場合2.8価を示し、130℃で24時
間保持した場合3.7価を示した。また、Mnの平均価
数または含有量と格子定数との間に相関関係(Vega
rdの法則)が認められたことから、MnはNiの一部
と置換固溶していることが確認された。
【0058】また、CuのKα線を用いたX線回折パタ
ーンを記録したところ、反応装置内のpHの違いにより
2θ=37〜40゜付近のピークの半価幅が異なり、
0.85〜1.34deg.であった。すなわち、pH
が高いほど半価幅が大きくなる傾向があり、pHが11
の場合の半価幅は0.85deg.となり、pHが13
の場合は1.34deg.となった。
【0059】このように種々の製造条件で得られた金属
酸化物粉末100gに、10gのCo(OH)2粉末、
40gの水を加え、混練してペースト状にした。このペ
ーストを多孔度95%の発泡ニッケル基板に充填し、乾
燥後、加圧成形することによって、ニッケル正極板を得
た。このようにして得られた正極板を切断し、電極リー
ドをスポット溶接し、理論容量1200mAhのニッケ
ル正極を得た。ただし、ここで示すニッケル電極の容量
密度は、活物質中のNiが一電子反応をするとして計算
したものである。
【0060】また、負極には、公知のアルカリ蓄電池用
負極を用いた。ここでは、水素吸蔵合金MmNi3.55
0.75Mn0.4Al0.3からなる負極を用いた。所望の割
合で混合したMm、Ni、Co、Mn、およびAlをア
ーク溶解炉にて溶解して所望の組成の水素吸蔵合金を得
た。この合金塊を不活性雰囲気中で機械的に粉砕し、粒
径30μmの粉末とした。これに水と結着剤のカルボキ
シメチルセルロースを加えてペースト状に混練した。こ
のペーストを電極支持体に加圧充填して、水素吸蔵合金
負極板を得た。この負極板を切断し、容量1920mA
hの負極とした。
【0061】上記の正極と負極を厚さ0.15mmのス
ルフォン化ポリプロピレン不織布からなるセパレータを
間に介して渦巻状の電極群を構成した。この電極群を電
池ケース内に挿入し、10mol/lのKOH水溶液を
2.2ml注入した後、作動弁圧約20kgf/cm2
の安全弁を持つ封口板により電池ケースの開口部を密閉
し、AAサイズの円筒密閉型ニッケル−水素蓄電池を作
製した。
【0062】まず、上記Mn平均価数の異なるサンプル
を活物質として円筒密閉型電池を作製し、それらの電池
特性を評価した。20℃において、120mAの電流で
18時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0V
まで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安
定した後、測定された放電容量から活物質の利用率を求
めた。なお、利用率は、活物質中のNiが一電子反応し
たときの理論電気量に対して算出した。
【0063】図5は、これらの実験の結果を表す図であ
って、Mnの平均価数に対する利用率との関係を示す特
性図である。この図から、Mnの平均価数が3.3価よ
り低い範囲において、Mn価数の上昇に伴い利用率が向
上する傾向があり、3.3価以上でほぼ頭打ちすること
がわかる。従って、Mnの平均価数としては、3.3価
以上が適切であると考えられる。
【0064】次に、前記のCukα線を使用するX線回
折パターンの2θ=38.5゜付近のピークの半価幅が
種々異なるサンプルを活物質として円筒密閉型電池を作
製し、それらの電池特性を評価した。評価方法は前記と
同様にして利用率を求めた。
【0065】図6は、これらの実験結果を表す図であっ
て、半価幅に対する利用率との関係を示す特性図であ
る。この図から、半価幅が1.2より大きい範囲におい
て、半価幅の上昇に伴い利用率が低下する傾向があり、
1.2以下で高い利用率を示すことがわかる。従って、
Cukα線を使用するX線回折パターンの2θ=38.
5゜付近のピークの半価幅としては、1.2以下が好ま
しい。
【0066】(実施例2)実施例1に記載のニッケル酸
化物製造条件において、NaOH水溶液の濃度を5.5
mol/lとし、pH値を12.0付近で一定になるよ
うに制御し、反応装置内の温度を20〜80℃の範囲内
で変化させて合成した。また、酸化処理条件は大気中8
0℃で24時間保持するものとした。これ以外は実施例
1と同様にして金属酸化物粉末を得た。
【0067】得られた金属酸化物粉末は、いずれも平均
粒径10μmの球状粉末であり、タップ密度1.7g/
cc以上であった。また、いずれもβ−Ni(OH)2
型の単相であり、Mn固溶量は約8モル%であった。ま
た、実施例1と同様にしてMnの平均価数を算出したと
ころ、いずれも3.6価であった。また、CuKα線を
用いたX線回折パターンを記録したところ、反応装置内
の温度の違いにより、2θ=37〜40゜付近に位置す
るピークの積分強度Aに対する、2θ=18〜21゜付
近に位置するピークの積分強度Bの比B/Aの値が異な
り、B/A=1.1〜1.3の範囲内でばらついた。す
なわち、反応槽内の温度が高いほどB/Aが高くなる傾
向があり、20℃のとき、1.1となり、80℃のとき
1.3となった。
【0068】前記のCukα線を使用するX線回折パタ
ーンのピークの積分強度比B/Aが種々異なるサンプル
を活物質として、実施例1と同様にして円筒密閉型電池
を作製し、それらの電池特性を評価した。評価方法は、
まず20℃において、120mAの電流で18時間充電
し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する
充放電サイクルを10サイクル繰り返し、放電容量が安
定した後、45℃において、0.6Aの電流で3時間充
電し、0.6Aの電流で電池電圧0.8Vまで放電する
充放電サイクルを繰り返した。前記の45℃での充放電
サイクルの1サイクル目の利用率U(1st)と、30
0サイクル目の利用率U(300th)との比率U(3
00th)/U(1st)(以下では容量維持率と称す
る)を求めることで、サイクル安定性(寿命特性)を評
価した。
【0069】図7は、前記実験の結果を表す図であっ
て、積分強度の比B/Aに対する容量維持率(U(30
0th)/U(1st))との関係を示す特性図であ
る。この図から、積分強度の比B/Aが1.25以下で
高い容量維持率を示すことがわかる。従って、サイクル
安定性を高めるためには、CuKα線を使用するX線回
折の2θ=37〜40゜付近に位置するピークの積分強
度Aに対する、2θ=18〜21゜付近に位置するピー
クの積分強度Bとの比B/Aは、1.25以下であるこ
とが好ましい。
【0070】(実施例3)実施例1に記載の製造上件に
おいて、NaOH水溶液の濃度を5.5mol/lと
し、pH値を12.0付近で一定になるように制御し、
NiとMnイオンの供給速度を5×10-5〜2×10-2
mol/minの範囲内で変化させた。酸化処理条件は
大気中80℃で24時間保持するものとした。これ以外
は実施例1と同様にして金属酸化物粉末を得た。
【0071】得られた酸化物粉末は、いずれも平均粒径
10μmの球状粉末であり、タップ密度1.7g/cc
以上であった。また、いずれもβ−Ni(OH)2型の
単相であり、Mn固溶量は約8モル%であった。また、
実施例1と同様にしてMnの平均価数を算出したとこ
ろ、いずれも3.6価であった。また、窒素ガス吸着に
よる細孔分布測定を実施したところ、前記NiとMnイ
オンの供給速度の違いにより、全細孔体積に対する40
Å以下の細孔半径を有する空間体積の割合(以下では、
40Å以下の細孔体積比率と称する)が40〜80%の
範囲でばらついた。すなわち、供給速度が速いほど、前
記細孔体積比率が高くなる傾向が有り、5×10-5mo
l/minのとき40%を示し、2×10-2mol/m
inのとき80%を示した。
【0072】前記の40Å以下の細孔体積比率が種々異
なるサンプルを活物質として、実施例1と同様にして円
筒密閉型電池を作製し、それらの電池特性を評価した。
評価方法は、まず20℃において、120mAの電流で
18時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0V
まで放電する充放電サイクルを10サイクル繰り返し、
放電容量が安定した後、20℃において、120mAの
電流で18時間充電した後、電流値を240mAおよび
1.2Aとして電池電圧0.8Vまで放電した。前記の
240mAで放電したときの利用率U(240mA)
と、1.2mAで放電したときの利用率U(1.2A)
との比率U(1.2A)/U(240mA)(以下では
放電容量比率と称する)を求めることで、高率放電特性
を評価した。
【0073】図8は、前記実験の結果を表す図であっ
て、40Å以下の細孔体積比率に対する放電容量比率
(U(1.2A)/U(240mA))との関係を示す
特性図である。この図から、細孔体積比率が60%以上
で高い放電容量比率を示すことがわかる。従って、高率
放電特性を向上させるためには、全細孔体積に対する4
0Å以下の細孔半径を有する空間体積の割合は、60%
以上であることが好ましい。
【0074】(実施例4)実施例1に記載の製造条件に
おいて、NaOH水溶液の濃度を5.5mol/lと
し、pH値を12.0付近で一定になるように制御し、
酸化処理条件を大気中80℃で24時間保持するものと
した。これ以外は実施例1と同様にして金属酸化物粉末
を得た。
【0075】得られた金属酸化物粉末は、いずれも平均
粒径10μmの球状粉末であり、タップ密度1.7g/
cc以上であった。そして、いずれもβ−Ni(OH)
2型の単相であり、Mn固溶量は約8モル%であった。
実施例1と同様にして、この金属酸化物中のMnの平均
価数を測定したところ、3.6価を示した。また、Cu
のKα線を用いたX線回折パターンを記録したところ、
2θ=37〜40゜付近のピークの半価幅が0.75d
eg.であり、2θ=37〜40゜付近に位置するピー
クの積分強度Aに対する2θ=18〜21゜付近に位置
するピークの積分強度Bとの比B/Aの値は1.15で
あった。さらに、窒素ガス吸着による細孔分布測定を実
施したところ、全細孔体積に対する40Å以下の細孔半
径を有する空間体積の割合は、68%を示した。
【0076】前記サンプルを用い、実施例1と同様にし
て円筒密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製し電池特性を
評価した。評価内容は、実施例1、2、3と同様にし
て、利用率、放電容量比率(U(1.2A)/U(24
0mA))および容量維持率(U(300th)/U
(1st))を測定した。なお、比較のために現行品に
て採用されているCo1重量%、Zn4重量%を固溶し
ている公知のニッケル酸化物粉末を活物質として用い、
同様にして円筒密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製し、
比較例1として電池特性を評価した。
【0077】これらの実験結果を表1に示す。この表か
ら、本発明の金属酸化物は、現行Ni(OH)2と比べ
高利用率を示し、かつ、高率放電特性、寿命特性もほぼ
同等レベルであることがわかる。
【0078】
【表1】
【0079】(実施例5)実施例4における金属酸化物
の製造において、NiSO4とMnSO4の濃度比を変え
た混合液を用い、Mn固溶量を0〜16モル%となるよ
うに合成した。
【0080】得られたMn固溶の金属酸化物粉末は、い
ずれも平均粒径10μmの球状粉末であり、タップ密度
1.7g/cc以上であった。また、いずれもβ−Ni
(OH)2型の単相であり、Mnの平均価数は3.5〜
3.6価の範囲内であった。また、CuのKα線を用い
たX線回折パターンを記録したところ、2θ=37〜4
0゜付近のピークの半価幅は0.6〜0.9deg.の
範囲内であり、2θ=37〜40゜付近に位置するピー
クの積分強度Aに対する2θ=18〜21゜付近に位置
するピークの積分強度Bとの比B/Aの値は1.0〜
1.2の範囲内であった。さらに、窒素ガス吸着による
細孔分布測定を実施したところ、全細孔体積に対する4
0Å以下の細孔半径を有する空間体積の割合は、65〜
73%の範囲内の値を示した。
【0081】これらの金属酸化物を活物質として用い、
実施例4と同様にして円筒密閉型電池を作製し、20℃
で240mAでの放電電気量から利用率を求めた。さら
に、それぞれの電極充填密度と前記利用率から、電極の
体積エネルギー密度(実容量密度)を求めた。なお、電
極充填密度については電極の体積と、充填した活物質お
よび添加剤の真比重から計算した空間体積比率(多孔
度)が25%になるよう、電極作製時の圧延率を調整し
た。
【0082】図9は、これらの実験の結果を表す図であ
って、Mn固溶量に対する利用率および電極の体積エネ
ルギー密度との関係を示す特性図である。この図から、
Mn固溶量が1.0モル%以上で著しく高い利用率を示
すことがわかる。また、Mn固溶量が1.0モル%以上
で高い体積エネルギー密度を示し、12.0モル%より
多くなると逆に低下することがわかる。体積エネルギー
密度は、利用率以外に電極充填密度とも大きく関係し、
また、充填密度は活物質のタップ密度に大きく影響す
る。そのため、Mn固溶量が多いと、NiとMnのイオ
ン半径の違いから結晶中に歪みが生じやすく、タップ密
度が減少し、電極充填密度が低下する。そのことが起因
して体積エネルギー密度が減少したものと考えられる。
従って、Mn固溶量としては、1.0モル%以上12.
0モル%以下が適切であると考えられる。
【0083】(実施例6)実施例4の製造法において、
出発原料として、2.1mol/lのNiSO4および
0.2mol/lのMnSO4および0.1mol/l
のAl2(SO43を含む混合水溶液を用いた以外は、
同様にしてNiを主としMnとAlを含む金属酸化物を
合成した。
【0084】得られた金属酸化物は、平均粒径10μm
の球状粉末であった。また、組成分析を実施した結果、
得られた金属酸化物のMn、Al固溶量はそれぞれ8モ
ル%、4モル%であり、β−Ni(OH)2型の単相で
あった。また、ヨードメトリー法により全金属のトータ
ル価数を求め、その値よりMnの平均価数を算出したと
ころ3.6価であった。また、CuのKα線を用いた粉
末X線回折パターンを記録したところ、2θ=37〜4
0゜付近のピークの半価幅は0.81deg.であり、
2θ=37〜40゜付近に位置するピークの積分強度A
に対する、2θ=18〜21゜付近に位置するピークの
積分強度Bとの比B/Aの値は1.22であった。さら
に、窒素ガス吸着による細孔分布測定を実施したとこ
ろ、全細孔体積に対する40Å以下の細孔半径を有する
空間体積の割合は、65%を示した。
【0085】この金属酸化物を活物質として用い、実施
例4と同様にして円筒密閉型電池を作製し、電池特性を
評価した。その評価結果については、下記実施例7にお
いていっしょにまとめる。
【0086】(実施例7)実施例4の製造法において、
出発原料として、2.1mol/lのNi(NO 32
よび0.2mol/lのMn(NO32および0.1m
ol/lのCa(NO32を含む混合水溶液を用いた以
外は、同様にしてNiを主としMnとCaを含む金属酸
化物を合成した。
【0087】得られた金属酸化物は、平均粒径10μm
の球状粉末であった。また、組成分析を実施した結果、
得られた金属酸化物のMn、Ca固溶量はそれぞれ8モ
ル%、4モル%であり、β−Ni(OH)2型の単相で
あった。また、ヨードメトリー法により全金属のトータ
ル価数を求め、その値よりMnの平均価数を算出したと
ころ3.6価であった。また、CuのKα線を用いた粉
末X線回折パターンを記録したところ、2θ=37〜4
0゜付近のピークの半価幅は0.73deg.であり、
2θ=37〜40゜付近に位置するピークの積分強度A
に対する2θ=18〜21゜付近に位置するピークの積
分強度Bとの比B/Aの値は1.17であった。さら
に、窒素ガス吸着による細孔分布測定を実施したとこ
ろ、全細孔体積に対する40Å以下の細孔半径を有する
空間体積の割合は、71%を示した。
【0088】この金属酸化物を活物質として用い、実施
例4と同様にして円筒密閉型電池を作製し、電池特性を
評価した。
【0089】また、同様に比較のため、実施例4の製造
法において、出発原料として、2.4mol/lのNi
SO4を用いた以外は、同様にしてニッケル酸化物を合
成した。得られたニッケル酸化物は、平均粒径10μm
の球状粉末であった。
【0090】このように得られたニッケル酸化物粉末を
用い、実施例4と同様にして第2の比較例として円筒密
閉型電池を作製した。
【0091】実施例4、6、7および比較例2として作
製した円筒密閉型電池を用い、実施例1と同様にして活
物質の利用率を求めた。また、同実験における放電時に
おいて、実放電容量の1/2の電気量に相当する放電深
度(DOD=50%)にて電圧を測定した。また、同実
験における充電時において、試験温度を45℃に設定
し、それ以外は同様にして活物質の利用率を求めた。表
2に、それらの結果を示す。
【0092】
【表2】
【0093】表2から明らかなように、Alを固溶させ
ることで、放電電圧の向上を図ることができ、また、C
aを固溶させることで、高温における充電効率を向上さ
せることができる。
【0094】ここでは、NiとMnのほかに、Caが含
まれた酸化物の例を示したが、Ca以外に、Mg、T
i、Zn、Sr、Ba、Y、Cd、Co、Cr、希土類
金属、Biにおいても同様に高温における充電効率を向
上させることができた。また、前記固溶元素とAlを組
み合わせた酸化物においては、放電電圧の向上と充電効
率の向上の相乗効果を確認することができた。
【0095】(実施例8)実施例4の製造法において、
酸化処理後に得られた金属酸化物粉末を水中に入れて攪
拌しながら、20重量%の硫酸コバルト水溶液と、25
重量%の水酸化ナトリウム水溶液とを滴下することで、
Co酸化物による表面層で被覆されている金属酸化物粉
末を合成した。
【0096】得られた酸化物は、平均粒径10μmの球
状粉末であった。組成分析を実施した結果、粉末内部層
の金属酸化物と表面層のCo酸化物との比は10:1重
量%であった。
【0097】このようにして得られた金属酸化物粉末を
用い、実施例4と同様にして円筒密閉型電池を作製し
た。
【0098】実施例4および実施例8にて作製した円筒
密閉型電池を用い、実施例4と同様にして活物質の利用
率を測定した。さらに、同実験における放電時の電流を
1200mAとしたときの利用率を測定した。表3に、
それらの結果を示す。
【0099】
【表3】
【0100】表3から明らかなように、Co酸化物によ
る表面層で被覆されている金属酸化物を用いた場合にお
いても、同様に高い利用率を示し、特に、高率放電時に
おいて利用率を向上させる効果があることを確認するこ
とができた。
【0101】なお、Co酸化物以外に、他の導電性を有
する金属酸化物もしくは金属による表面層で被覆されて
いる金属酸化物を用いた場合においても、同様な効果が
得られた。
【0102】(実施例9)実施例4の製造法において、
Arガス流量を0〜1200ml/minとし、溶存酸
素濃度を0.03〜9.00mg/lに変化させた以外
は、同様にして金属酸化物粉末を得た。
【0103】このときの溶存酸素濃度に対する得られた
金属酸化物粉末のタップ密度との関係を図10に示す。
この図から溶存酸素濃度が5mg/l以下で高いタップ
密度を示すことがわかる。従って、溶存酸素濃度は5m
g/l以下が適切であると考えられる。
【0104】なお、ここではArガスを供給したが、窒
素、ヘリウム等の他の不活性ガスを用いても同様に溶存
酸素濃度を5mg/l以下に保つことができ、同様な特
性の金属酸化物を得ることができた。また、これらを組
み合わせた場合においても、あるいは、ヒドラジン等の
還元剤を用いても同様な結果が得られた。
【0105】比較のため実施例9の製造法において、金
属酸化物を水洗させた後、真空下で乾燥させることで、
酸化を抑制した以外は、同様にして金属酸化物粉末を得
た。
【0106】得られた金属粉末のMnの平均価数を測定
したところ、2.4価を示した。また、同活物質の利用
率は92%と著しく低かった。従って、酸化処理を施す
ことでMn価数を高める必要がある。
【0107】(実施例10)実施例4の製造法におい
て、大気中で0〜130℃で、20分〜24時間保持し
酸化処理を施した以外は、同様にして金属酸化物粉末を
得た。
【0108】このときの各酸化温度での酸化時間に対す
る金属酸化物のMnの平均価数との関係を図11に示
す。この図から、Mnの平均価数3.3価以上の金属酸
化物を得るためには、20℃以上で1時間以上保持する
ことが適切であると考えられる。しかし、110℃より
高い温度で酸化処理を施した場合、利用率が低下する傾
向があった。これは、同処理により金属酸化物の分解反
応が進行したためと考えられる。従って、酸化温度とし
ては20℃〜110℃が適切であると考えられる。
【0109】なお、ここでは酸化処理を行うために大気
中にて保持したが、酸素、または、過酸化水素、過塩素
酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の酸化剤においても
同様に、Mnの平均価数を3.3価以上とすることがで
きた。
【0110】(実施例11)実施例4の製造法におい
て、合成槽内のpH値が10〜13の範囲内で変化させ
て合成した以外は、同様にして金属酸化物粉末を得た。
【0111】これらの金属酸化物において、CuKα線
を使用するX線回折測定を実施したところ、2θ=37
〜40゜付近に位置するピークの半価幅を1.2de
g.以下とするためには、pH値が12.5以下となる
ようにする必要があった。また、pH値が11より低い
とき、高密度に成長させることが困難となり、タップ密
度が1.7g/ccより小さくなった。
【0112】(実施例12)実施例4の製造法におい
て、合成槽内の温度が10〜80℃の範囲内で変化させ
て合成した以外は、同様にして金属酸化物粉末を得た。
【0113】これらの金属酸化物において、CuKα線
を使用するX線回折測定を実施したところ、2θ=37
〜40゜付近に位置するピークの積分強度Aに対する、
2θ=18〜21゜付近に位置するピークの積分強度B
との比B/Aの値を12.5以下にするためには、温度
を60℃以下に保持する必要であった。また、温度が2
0℃より低くなると温度制御が困難になるばかりでな
く、スケールの生成が著しくなることから、高密度に成
長させることが困難となり、タップ密度が1.7g/c
cより小さくなった。
【0114】(実施例13)実施例4の製造法におい
て、金属塩水溶液に含まれる全金属イオンの供給速度が
5×10-5〜5×10-2mol/minの範囲内で変化
させて合成した以外は、同様にして金属酸化物粉末を得
た。
【0115】これらの金属酸化物において、窒素ガス吸
着による細孔分布測定を実施したところ、全細孔体積に
対する40Å以下の細孔半径を有する空間体積の割合を
60%以上にするためには、全金属イオンの供給速度を
2×10-4以上にすることが必要であった。また、供給
速度が2×10-2より速くなると、滞留時間の著しい低
下により、高密度に成長させることが困難となり、タッ
プ密度が1.7g/ccより小さくなった。
【0116】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、正極活物
質の利用率を高めることができ、エネルギー密度を大き
く向上させることができる。さらに、寿命特性、高率放
電特性の向上を図ることができる。
【0117】これによって、エネルギー密度の優れたア
ルカリ蓄電池を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における密閉アルカリ蓄電池
の一部を切り欠いた斜視図
【図2】本発明の一実施例による金属酸化物粉末を充填
したニッケル正極のを模式的図
【図3】本発明の一実施の形態による金属酸化物製造装
置を示す図
【図4】本発明の一実施例によるNiを主たる元素とす
る金属酸化物のXRDチャート
【図5】本発明の実施例による金属酸化物のMn平均価
数に対する利用率の変化を示す図
【図6】本発明の実施例による金属酸化物のCuKα線
を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近のピーク
半価幅に対する利用率の変化を示す図
【図7】本発明の実施例による金属酸化物のCuKα線
を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置す
るピークの積分強度Aに対する、2θ=18〜21゜付
近に位置するピークの積分強度Bの比B/Aの変化に伴
う容量維持率の変化を示す図
【図8】本発明の実施例による金属酸化物の全細孔体積
に対する40Å以下の細孔半径を有する空間体積の割合
に対する、放電容量比率の変化を示す図
【図9】本発明の実施例による金属酸化物のMn固溶量
に対する利用率、体積エネルギー密度の変化を示す図
【図10】同金属酸化物の製造課程において、反応槽内
の溶存酸素濃度に対する合成物のタップ密度の変化を示
す図
【図11】本発明による製造過程において、大気雰囲気
下での各温度(酸化温度)における保持時間(酸化時
間)に対するMnの平均価数の変化を示す図
【符号の説明】
1 基板 2 基板空孔部 3 活物質粉末 4 導電性金属酸化物層 5 空隙部 10 極板群 11 負極板 12 正極板 13 セパレータ 14 電池ケース 15 絶縁板 16 封口板 17 ガスケット 18 安全弁 19 キャップ 20 正極リード片 21 反応槽 22 金属塩水溶液供給ライン 23 アンモニウムイオン供給ライン 24 NaOH水溶液供給ライン 25 pHスタット 26 恒温槽 27 金属酸化物粒子含有液取り出しライン 28 不活性ガス供給ライン 29 攪拌装置 30 攪拌翼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 功 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともMnを固溶または共晶状態で
    含む、β−Ni(OH)2型のニッケル酸化物を主体と
    するアルカリ蓄電池用正極活物質であって、前記Mnの
    平均価数が3.3価以上であり、タップ密度が1.7g
    /cc以上であり、CuKα線を使用するX線回折の2
    θ=37〜40゜付近に位置するピークの半価幅が1.
    2deg.以下であることを特徴とするアルカリ蓄電池
    用正極活物質。
  2. 【請求項2】 少なくともMnを固溶または共晶状態で
    含む、β−Ni(OH)2型のニッケル酸化物を主体と
    するアルカリ蓄電池用正極活物質であって、前記Mnの
    平均価数が3.3価以上で、タップ密度が1.7g/c
    c以上であり、CuKα線を使用するX線回折の2θ=
    37〜40゜付近に位置するピークの積分強度Aに対す
    る、2θ=18〜21゜付近に位置するピークの積分強
    度Bの比B/Aが1.25以下であることを特徴とする
    アルカリ蓄電池用正極活物質。
  3. 【請求項3】 少なくともMnを固溶または共晶状態で
    含む、β−Ni(OH)2型のニッケル酸化物を主体と
    するアルカリ蓄電池用正極活物質であって、前記Mnの
    平均価数が3.3価以上で、タップ密度が1.7g/c
    c以上であり、40Å以下の細孔半径を有する空間体積
    が全細孔体積に対して60%以上であることを特徴とす
    るアルカリ蓄電池用正極活物質。
  4. 【請求項4】 少なくともMnを固溶または共晶状態で
    含む、β−Ni(OH)2型のニッケル酸化物を主体と
    するアルカリ蓄電池用正極活物質であって、前記Mnの
    平均価数が3.3価以上で、タップ密度が1.7g/c
    c以上であり、CuKα線を使用するX線回折の2θ=
    37〜40゜付近に位置するピークの半価幅が1.2d
    eg.以下であり、2θ=37〜40゜付近に位置する
    ピークの積分強度Aに対する、2θ=18〜21゜付近
    に位置するピークの積分強度Bの比B/Aが1.25以
    下であり、40Å以下の細孔半径を有する空間体積が全
    細孔体積に対して60%以上であることを特徴とするア
    ルカリ蓄電池用正極活物質。
  5. 【請求項5】 固溶または共晶状態で有するMn含有量
    はニッケル酸化物における全金属元素合計に対して1モ
    ル%以上12モル%以下であることを特徴とする請求項
    1から4のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用正極活物
    質。
  6. 【請求項6】 ニッケル酸化物が球状もしくはそれに類
    似した形状の粉末であることを特徴とする請求項1から
    4のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
  7. 【請求項7】 ニッケル酸化物には、NiとMnのほか
    に、少なくともAlが含まれていることを特徴とする請
    求項1から4のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用正極
    活物質。
  8. 【請求項8】 ニッケル酸化物には、NiとMnのほか
    に、Ca、Mg、Ti、Zn、Sr、Ba、Y、Cd、
    Co、Cr、希土類金属、Biから選ばれた少なくとも
    一種以上の元素が含まれていることを特徴とする請求項
    1から4および7のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用
    正極活物質。
  9. 【請求項9】 ニッケル酸化物の粉末は、導電性を有す
    る金属酸化物もしくは金属により、その表面層が被覆さ
    れている請求項1から4のいずれかに記載のアルカリ蓄
    電池用正極活物質。
  10. 【請求項10】 少なくともMnを固溶または共晶状態
    で含む、β−Ni(OH)2型のニッケル酸化物を主体
    とするアルカリ蓄電池用正極活物質であって、前記Mn
    の平均価数が3.3価以上で、タップ密度が1.7g/
    cc以上であるアルカリ蓄電池正極活物質を製造する方
    法であって、 反応槽内の水溶液中の溶存酸素濃度を5mg/l以下に
    保持した状態で、Ni塩が主成分であり、少なくともM
    n塩を含む金属塩水溶液と、アルカリ水溶液とを連続的
    に作用させてニッケル酸化物を成長させた後、酸化する
    ことを特徴とする製造方法。
  11. 【請求項11】 反応槽内に不活性ガス、および/また
    は、還元剤を連続的に供給することを特徴とする請求項
    10記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  12. 【請求項12】 不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アル
    ゴンから選ばれる少なくとも一つを用いることを特徴と
    する請求項11記載のアルカリ蓄電池正極活物質の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 還元剤には、ヒドラジンを用いること
    を特徴とする請求項11記載のアルカリ蓄電池正極活物
    質の製造方法。
  14. 【請求項14】 アルカリ水溶液として水酸化ナトリウ
    ム水溶液、または、水酸化ナトリウム水溶液とアンモニ
    ウムイオンを含む水溶液を用いることを特徴とする請求
    項10記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  15. 【請求項15】 大気雰囲気中に保持することで酸化す
    ることを特徴とする請求項10記載のアルカリ蓄電池用
    正極活物質の製造方法。
  16. 【請求項16】 大気雰囲気下においては、20〜11
    0℃で1時間以上保持することを特徴とする請求項15
    記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  17. 【請求項17】 酸素または酸化剤と作用させることで
    酸化することを特徴とする請求項10記載のアルカリ蓄
    電池用正極活物質の製造方法。
  18. 【請求項18】 酸化剤には、過酸化水素、過塩素酸塩
    から選ばれる少なくとも一つを用いることを特徴とする
    請求項17記載のアルカリ蓄電池正極活物質の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 反応槽槽内のpH値が11〜12.5
    であることを特徴とする請求項10記載のアルカリ蓄電
    池正極活物質の製造方法。
  20. 【請求項20】 反応槽内の温度が20〜60℃である
    ことを特徴とする請求項10記載のアルカリ蓄電池正極
    活物質の製造方法。
  21. 【請求項21】 ニッケル塩水溶液に含まれる全金属イ
    オンの供給速度が2×10-4〜2×10-2mol/mi
    nとなるように、前記水溶液を供給することを特徴とす
    る請求項10記載のアルカリ蓄電池正極活物質の製造方
    法。
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