JPH11315195A - 熱可塑性ポリエステルエラストマー - Google Patents

熱可塑性ポリエステルエラストマー

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JPH11315195A
JPH11315195A JP12490498A JP12490498A JPH11315195A JP H11315195 A JPH11315195 A JP H11315195A JP 12490498 A JP12490498 A JP 12490498A JP 12490498 A JP12490498 A JP 12490498A JP H11315195 A JPH11315195 A JP H11315195A
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JP
Japan
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weight
thermoplastic polyester
polyester elastomer
acid
elastomer
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JP12490498A
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Hidetaka Miyaji
英孝 宮地
Shoichi Giyoubu
祥一 形舞
Koji Kobayashi
幸治 小林
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐熱性、耐熱老化性、滞留安定性、機械特性
に優れ、且つ高融点のポリエステルエラストマーを提供
する。 【解決手段】 (A) 下記一般式(1)〜(4)で示され
る繰り返し単位から構成され、還元粘度が0.5〜4.
0である熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量
部に対し、(B) 滑材0.01〜5重量部からなる組成物
である熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。 (式中Rは炭素数6〜18の芳香族、Gは分子量400
〜6000のポリオキシアルキレン基、Dは水添ダイマ
ージオール及びまたはその誘導体残基、R‘は炭素数1
〜25のアルキレン基を示す。またa,b,cはそれぞ
れ全ポリマー中の各繰り返し単位が占める重量%を、d
は全ポリマー中のモル%を示し、aは30〜95重量
%、bとcとの和に対するbの割合は0.01〜0.9
9、dは0〜20モル%である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーに関し、詳しくは成形性、耐水性、耐候
性、耐熱性に優れた高融点の熱可塑性ポリエステルエラ
ストマー、特に繊維、フィルム、シートをはじめとする
各種成形材料に用いることの出来る熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー、さらに詳しくは、ブーツ、ギア、チュ
ーブなどの成形材料に適し、自動車、家電部品等の耐熱
性が要求される用途、例えばジョイントブーツや、電線
被覆材などに有用な熱可塑性ポリエステルエラストマー
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルエラストマーとし
ては、従来よりポリブチレンテレフタレート(PBT)
単位をハードセグメント、ポリテトラメチレングリコー
ル(PTMG)をソフトセグメントとするポリエーテル
エステルエラストマー(特公昭49-48195,49-31558 号公
報)、PBT単位をハードセグメント、ポリカプロラク
トン(PCL)単位をソフトセグメントとするポリエス
テルエステルエラストマー(特公昭48-4116 号、特開昭
59-12926号、特開昭59-15117号公報)、及びPBT単位
をハードセグメント、二量体脂肪酸をソフトセグメント
とするポリエステルエラストマー(特開昭54-127955 号
公報)等が知られ、実用化されている。しかしながら、
ハードセグメントにPBTを用いる場合、PBTの融点
が230℃以下なのでエラストマーとしての融点は23
0℃以上になることはない。これらを改善するため、高
融点のポリエチレンナフタレートやポリシクロヘキサン
ジメチレンテレフタレートをハードセグメントに用いる
エラストマーが提案されている(特開平05-202176号公
報)が、ソフトセグメントとして主にポリテトラメチレ
ングリコールを使用しているため、弾性性能の問題から
ハードセグメントの割合が60重量%以下に限定され、
230℃以上の高融点を有するエラストマーは得られて
いない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、成形性、耐水性、耐候性、耐熱性、
に優れた高融点の熱可塑性ポリエステルエラストマーを
提供することを課題とするものである。なお前記融点に
ついて説明する。一般にエラストマーの融点や軟化点は
ハードセグメントの含量が増えて、弾性率が高くなると
向上する。従って、弾性率の高いエラストマーの高融点
化は可能である。しかし弾性率の高いエラストマーは、
ハードセグメントの含量が増加するため、当然ガラス転
移温度が高くなり、優れた弾性性能を発現することはで
きない。本発明では、エラストマーを高融点化しつつ
も、弾性率やガラス転移温度は必要以上に高くならない
ようにすることをポイントと捉え、すなわち同程度の弾
性率を有していても、融点が充分に高くなるものを高融
点エラストマーと定義し、本発明はこの高融点エラスト
マーの射出成形性、押出成形性、ブロー成形性を著しく
改良することが課題の一つとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは特定のハー
ドセグメント及び複数の特定のソフトセグメントからな
る熱可塑性ポリエステルエラストマーに滑剤を含有する
組成物を用いることで、上記課題が解決することを見い
だし、本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、
下記一般式(1)〜(4)で示される繰り返し単位から
構成され、還元粘度が0.5〜4.0である熱可塑性ポ
リエステルエラストマーに滑材が含有されていることを
特徴とする組成物である。
【0005】
【化5】
【0006】
【化6】
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】 (式中Rは炭素数6〜18の芳香族、Gは分子量400
〜6000のポリオキシアルキレン基、Dは水添ダイマ
ージオール及びまたはその誘導体残基、R‘は炭素数1
〜25のアルキレン基を示す。またa,b,cはそれぞ
れ全ポリマー中の各繰り返し単位が占める重量%を、d
は全ポリマー中のモル%を示し、aは30〜95重量
%、bとcとの和に対するbの割合は0.01〜0.9
9、dは0〜20モル%である。)
【0009】
【発明の実施の形態】以下の本発明について詳細に説明
する。本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマーにお
いて、前記一般式 (1)〜(4) で示される繰り返し単位を
構成する酸成分は、芳香族ジカルボン酸を主体とし、具
体的にはテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸、イソフタル酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸より選ばれる一種もしくは二種以上の
組み合わせを用いることが好ましく、芳香族ジカルボン
酸は全酸成分の70モル%以上、好ましくは80モル%
以上である。その他の酸成分としては、脂環族ジカルボ
ン酸、脂肪族ジカルボン酸が用いられ、脂環族ジカルボ
ン酸としてはシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸
としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添
ダイマー酸などが挙げられる。これらは樹脂の融点を大
きく低下させない範囲で用いられ、その量は全酸成分の
30モル%未満、好ましくは20モル%未満である。
【0010】前記一般式(1)で示される繰り返し単位
(以下エステル単位(1)という)を構成するグリコー
ル成分は、1,4−シクロヘキサンジメタノールであ
る。1,4−シクロヘキサンジメタノールにはシス体及
びトランス体の2種類の異性体が存在するが、トランス
体の割合が多い方が好ましい。エステル単位(1)は全
ポリマー中、30〜95重量%、好ましくは40〜80
重量%、特に50〜75重量%が望ましい。95重量%
を超えると柔軟性に劣り、弾性性能を有するエラストマ
ーが得られ難く、また30重量%未満では融点が低下
し、耐熱性に劣るようになるので好ましくない。
【0011】前記一般式(2)で示される繰り返し単位
(以下エステル単位(2)という)を構成するグリコー
ル成分は、特に限定しないが、例えばポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール、またはそれらの誘導体である両末端エチ
レンオキシサイド付加物が望ましい。ポリアルキレング
リコールの分子量としては400〜6000好ましくは
800〜3000、特に1000〜2000が望まし
い。分子量が400未満では弾性性能が不充分であり、
また得られるエラストマーのブロック性が低下するた
め、ポリマーの融点や軟化温度が低下する。また分子量
が6000を超えると相分離しやすくなり、これも弾性
性能が不充分となる原因ともなるので好ましくはない。
【0012】前記一般式(3)で示される繰り返し単位
(以下エステル単位(3)という)を構成するグリコー
ル成分である水添ダイマージオールとは、もちろんその
製法はこれに限定はしないが、例えば不飽和脂肪酸(炭
素数15〜21)の二量体であるダイマー酸を水素化し
て得られる下記一般式(5)で示される化合物を主成分
(50重量%以上)とする化合物、あるいは下記一般式
(5)で示される化合物と下記一般式(6)で示される
化合物との混合物のことである。
【0013】
【化9】 (前記式中R1 、R2 、R3 、R4 は実質的に不飽和基
を含まず、また実質的に直鎖状であり、そのうちR1
2 はアルキル基、R3 、R4 はアルキレン基であり、
1 〜R4 の炭素数の総和は22〜34である。)
【0014】
【化10】 (前記式中R5 、R6 、R7 、R8 は実質的に不飽和基
を含まず、また実質的に直鎖状であり、そのうちR5
6 はアルキル基、R7 、R8 はアルキレン基であり、
5 〜R8 の炭素数の総和は25〜37である。)
【0015】なお水添ダイマージオール誘導体とは、実
質的に水添ダイマージオールから誘導されるジオール化
合物であり、具体的には水添ダイマージオールのエチレ
ンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物な
どが挙げられる。オキサイド化合物の付加は、水添ダイ
マージオールの両末端でも片末端のみでもよい。また付
加するオキサイド化合物のモル数は、水添ダイマージオ
ールと等モルないし20倍のモル数が好ましい。
【0016】前記一般式(4)で示される繰り返し単位
(以下エステル単位(4)という)を構成するグリコー
ル成分としては、炭素数が1〜25のアルキレングリコ
ールを用いることができる。例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジメチロールヘプタン、ジメチロールペンタン、ト
リシクロデカンジメタノール、メチルペンタンジオー
ル、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ビ
スフェノールXのエチレンオキサイド誘導体(XはA,
S,F)などである。これらのグリコールは各種特性の
バランスにより適切な組み合わせで用いられるが、シク
ロヘキサンジメタノールと芳香族ジカルボン酸からなる
エステル単位(1)の結晶性を妨げないことが前提であ
るため、これらのグリコールの共重合量は全グリコール
に対して、20モル%以下であることが望ましい。
【0017】前記エステル単位(2)とエステル単位
(3)の割合は、各種特性のバランスにより適切な組み
合わせで用いられるため特に限定はしないが、エステル
単位(2)とエステル単位(3)との重量和に対するエ
ステル単位(2)の割合は0.01〜0.99、好まし
くは0.05〜0.95、特に0.1〜0.9が望まし
い。0.01よりも少ないとエラストマーとしての弾性
性能に欠け、0.99よりも多いとハードセグメントと
の相溶性に欠けこれもエラストマーとしての弾性性能に
欠けるようになるので好ましくはない。
【0018】本発明熱可塑性ポリエステルエラストマー
において、少量に限って三官能以上のポリカルボン酸や
ポリオール成分を含むこともできる。例えば無水トリメ
リット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメチ
ルプロパン、グリセリン、無水ピロメリット酸などを3
モル%以下使用できる。
【0019】次に本発明熱可塑性ポリエステルエラスト
マーを得る方法としては、公知の任意の方法を採用する
ことができる。例えば、溶融重合法、溶液重合法、固相
重合法などいずれも適宜用いられる。溶融重合法の場
合、エステル交換法でも直接重合法であってもよい。樹
脂の粘度を向上させるため、溶融重合後に固相重合を行
うことはもちろん望ましいことである。反応に用いる触
媒としては、アンチモン触媒、ゲルマニウム触媒、チタ
ン触媒が良好である。特にチタン触媒は、詳しくはテト
ラブチルチタネート、テトラメチルチタネートなどのテ
トラアルキルチタネート、シュウ酸チタンカリなどのシ
ュウ酸金属塩などが好ましい。またその他の触媒として
は公知の触媒であれば特に限定はしないが、ジブチルス
ズオキサイド、ジブチルスズジラウリレートなどのスズ
化合物、酢酸鉛などの鉛化合物が挙げられる。
【0020】また本発明で用いる滑剤として炭化水素
系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコー
ル系、金属石鹸系、天然ワックス系、シリコーン系、フ
ッ素系化合物が挙げられる。具体的には、流動パラフィ
ン、合成パラフィン、合成硬質パラフィン、合成イソパ
ラフィン石油炭化水素、塩素化パラフィン、パラフィン
ワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレン、フ
ルオロカルボン油、炭素数12以上のラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン
酸、ベヘニン酸等の脂肪酸化合物、ヘキシルアミド、オ
クチルアミド、ステアリルアミド、パルミチルアミド、
オレイルアミド、エルシルアミド、エチレンビスステア
リルアミド、ラウリルアミド、ベヘニルアミド、メチレ
ンビスステアリルアミド、リシノールアミド等の炭素数
3〜30の飽和或いは不飽和脂肪族アミド及びその誘導
体、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価ア
ルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、
脂肪酸の脂肪アルコールエステルであるブチルステアレ
ート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレ
ート等、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エ
チレングリコール、分子量200ないし10000以上
のポリエチレングリコール、ポリグリセロール、カルナ
ウバロウ、カンデリラロウ、クイボタロウ、、モンタン
ロウ、ジメチルシリコーン、シリコンガム、四フッ化エ
チレンなどの滑剤が挙げられる。また、直鎖飽和脂肪
酸、側鎖酸、シノール酸、ポリメチレン環を有する化合
物からなる金属塩で金属が(Li,Mg,Ca,Sr,
Ba,Zn,Cd,Al,Sn,Pb)から選ばれた金
属石鹸も挙げることができる。
【0021】本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー組成物に含有される滑材としては0.01〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部が好ましい。滑剤が5
重量部を越える場合では、滑剤がブリードすることから
製品外観を損なうため好ましくない。また、滑材が0.
01重量部未満では、押出時や成形時の離型効果が認め
られない。また、滑剤は二種類以上の組み合わせでも特
に問題ない範囲で含有してもよい。
【0022】本発明の樹脂組成物の配合方法としては、
加熱ロール、押出機、バンバリミキサー等の混練機を用
いて配合することができる。また、熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー樹脂組成物を製造する際のエステル交換
反応の前又は重縮合反応前のオリゴマー中に、添加及び
混合することができる。
【0023】さらに本発明の組成物は、添加剤として公
知のヒンダードフェノール系、硫黄系、燐系、アミン系
の酸化防止剤、ヒンダードアミン系、トリアゾール系、
ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリ
チル系等の光安定剤、帯電防止剤、滑剤、過酸化物等の
分子調整剤、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合
物、カルボジイミド系化合物等の反応基を有する化合
物、金属不活性剤、有機及び無機系の核剤、中和剤、制
酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、充填剤、難燃剤、難燃助
剤、有機及び無機系の顔料などを添加することができ
る。これらの添加物の配合方法としては、加熱ロール、
押出機、バンバリミキサー等の混練機を用いて配合する
ことができる。また、熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー樹脂組成物を製造する際のエステル交換反応の前又は
重縮合反応前のオリゴマー中に、添加及び混合すること
ができる。
【0024】得られた本発明の熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーの還元粘度は0.5〜4.0、好ましくは
0.5〜3.0であることが好ましい。還元粘度が0.
5未満だと機械特性に劣り、4.0を越えると成形性に
劣るので好ましくない。なお、本発明熱可塑性ポリエス
テルエラストマーの融点の下限は特に限定ないが、一般
的には150℃以上が好ましい。耐熱性を必要とする用
途には、200℃以上が好ましいが、特に耐熱性を必要
とする用途には、230℃以上が好ましい。ところで、
Adv.Chem..Ser.,176,129(19
79).によると、ポリシクロヘキサンジメチレンテレ
フタレートとポリテトラメチレングリコールのみからな
るポリエステルエラストマーでは、ポリシクロヘキサン
ジメチレンテレフタレートを50重量%以上含有すると
相分離し、エラストマーとしての弾性性能は発現しない
と記載されている。しかしながら、驚くべきことに、本
発明では、ソフトセグメントをポリアルキレングリコー
ルのみから、ポリアルキレングリコール及び水添ダイマ
ージオール及び/又はその誘導体の併用系に変えること
で、50重量%以上のハードセグメント量においても、
充分な弾性性能を発現することが本発明者などにより見
いだされた。この理由は定かでないが、シクロヘキサン
骨格を有する水添ダイマージオール及び/又はその誘導
体がポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートとポ
リアルキレングリコールの相溶化剤として働いているた
めに、両者の相溶性が改善されていると推定される。
【0025】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。なお、これらの実施例において各測定項目は、以
下の方法に従った。また得られたポリマー中のポリシク
ロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリテトラメチ
レングリコールなどの重量%はプロトンNMRによって
測定した値である。 還元粘度:ポリマー0.05gを25mlの混合溶
媒(フェノール/テトラクロロエタン=60/40)に
溶かして、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定し
た。 結晶融点、結晶化温度:結晶融点はDSC にて室温か
ら20℃/分で昇温し測定した。結晶化温度は、室温か
ら20℃/分で融点より約20℃高い温度まで昇温し、
その温度で2分間保持した後、10℃/分で降温して測
定した。 表面硬度:ASTM D2240により測定した。 曲げ弾性率:ASTM D790により測定した。 引張強さ、切断時伸び:JIS K6351 により測定
した。 冷却時間:100×100×2mmの成形品を射出
成形し、離型時に金型から成型品が無理なくはずせるま
でに冷却するのに要する時間を測定した。射出成形温度
は実施例1〜7、及び比較例1は290℃で、比較例2
は220℃に設定した。 ビカット軟化温度:ASTM D1525により測
定した。
【0026】ポリエステル合成例1 ジメチルテレフタレート460重量部、シクロヘキサン
ジメタノール450重量部、水添ダイマージオール(東
亞合成社製;HP1000)100重量部、ポリテトラ
メチレングリコール(分子量1000)250重量部、
酸化防止剤A−7(表1に示す)2重量部、テトラブチ
ルチタネート0.9重量部を仕込み、室温から260℃
まで2時間かけて昇温し、その後260℃で1時間加熱
しエステル交換反応を行った。次いで缶内を徐々に減圧
にすると共に昇温し、45分かけて275℃、1tor
r以下にして初期重縮合反応を行った。さらに275
℃、1torr以下の状態で4時間重合反応を行い、ポ
リマーをペレット状に取り出しポリマーAを得た。得ら
れたポリマーの還元粘度は1.03であり、ポリマー中
のポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート成分、
ポリテトラメチレングリコール成分、水添ダイマージオ
ール成分の重量%はそれぞれ65%、25%、10%で
あった。その結果を表2に示す。
【0027】ポリエステル合成例2 ポリエステル合成例1においてポリシクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート成分を75重量%、ポリテトラメ
チレングリコール成分、水添ダイマージオール成分をそ
れぞれ17重量%、8重量%となるようにした以外は全
てポリエステル合成例1と同様にして、また反応温度を
適宜適正化して、熱可塑性ポリエステルエラストマーを
重合し、ポリマーBを得た。
【0028】比較合成例1 ポリエステル合成例1においてポリシクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート成分の代わりにポリブチレンテレ
フタレート成分を65重量%、ポリテトラメチレングリ
コール成分35重量%となるようにした以外は全てポリ
エステル合成例1と同様にして、また反応温度を適宜適
正化して、熱可塑性エラストマーを重合し、ポリマーC
を得た。その結果を表5に示すが、得られたエラストマ
ーは、切断時伸びや耐光性は充分だが特に融点が低く、
耐熱性が劣ることが判る。
【0029】実施例1〜7、比較例1,2 ポリエステル合成例1,2及び比較合成例1で得られた
ポリマーA〜Cと表1に示す滑剤を表2,3に従い配合
し、押出機を用いて、ペレット状に取り出し、熱風乾燥
機にて水分率0.1%以下に乾燥を行った。それぞれ適
宜適正化の条件で射出成形を行い、各測定を行った。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【発明の効果】以上かかる構成よりなる本発明熱可塑性
ポリエステルエラストマーは、表4,5からも明らかな
ように、結晶化温度が著しく向上されており、射出成形
時などでの冷却時間が少なく金型が高温状態でも離型が
出来るため、成形サイクルの短縮が可能である。同程度
の弾性率を有する従来のポリエステルエラストマーと比
べると、融点が約60℃も高く、ビカット硬度も50℃
前後高く、耐熱性と離型性を従来にないレベルで両立す
ることができる熱可塑性ポリエステルエラストマーであ
ることが判る。すなわち本発明は、耐熱性、成形加工
性、機械特性に優れ、且つ高融点であるため、繊維、フ
ィルム、シートをはじめとする各種成形材料に用いるこ
とができる。またブーツ、ギア、チューブなどの成形材
料としても適している。例えば、ジョイントブーツや、
電線被覆材などに有用であり、産業界に寄与すること大
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 下記一般式(1)〜(4)で示され
    る繰り返し単位から構成され、還元粘度が0.5〜4.
    0である熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量
    部に対し、(B) 滑材 0.01〜5重量部からなる組成
    物である熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式中Rは炭素数6〜18の芳香族、Gは分子量400
    〜6000のポリオキシアルキレン基、Dは水添ダイマ
    ージオール及びまたはその誘導体残基、R‘は炭素数1
    〜25のアルキレン基を示す。またa,b,cはそれぞ
    れ全ポリマー中の各繰り返し単位が占める重量%を、d
    は全ポリマー中のモル%を示し、aは30〜95重量
    %、bとcとの和に対するbの割合は0.01〜0.9
    9、dは0〜20モル%である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005336427A (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Nok Corp フレキシブルブーツ用成形材料
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