JPH11312801A - 積層薄膜 - Google Patents

積層薄膜

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JPH11312801A
JPH11312801A JP10134634A JP13463498A JPH11312801A JP H11312801 A JPH11312801 A JP H11312801A JP 10134634 A JP10134634 A JP 10134634A JP 13463498 A JP13463498 A JP 13463498A JP H11312801 A JPH11312801 A JP H11312801A
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film
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性の良好な単一配向金属薄膜を含む積層
薄膜を提供する。 【解決手段】 立方晶(100)単一配向のエピタキシ
ャル膜である金属薄膜と、この金属薄膜と接する界面に
{111}ファセット面が存在するバッファ層とを有す
る積層薄膜。前記バッファ層は、希土類元素酸化物、酸
化ジルコニウム、またはZrの一部を希土類元素もしく
はアルカリ土類元素で置換した酸化ジルコニウムを含有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄膜を含む積
層薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体結晶基板であるSi基板上に、超
伝導膜、誘電体膜、強誘電体膜、圧電膜等の各種機能膜
を形成、集積化した電子デバイスが考案されている。例
えば、半導体と超伝導体との組み合わせでは、SQUI
D、ジョセフソン素子、超伝導トランジスタ、電磁波セ
ンサーおよび超伝導配線LSI等が挙げられ、半導体と
誘電体との組み合わせでは、集積度のさらに高いLS
I、SOI技術による誘電体分離LSIが挙げられ、半
導体と強誘電体との組み合わせでは、不揮発性メモリ
ー、赤外線センサー、光変調器、光スイッチ、OEIC
(光・電子集積回路:OPTO-ELECTRONIC INTEGRATED CIR
CUITS)等が挙げられる。
【0003】これらの電子デバイスにおいて、最適なデ
バイス特性およびその再現性を確保するためには、機能
膜ができるだけ完全な単結晶に近いエピタキシャル膜で
あることが望まれる。多結晶体では粒界による物理量の
撹乱のため、良好なデバイス特性を得ることが難しい。
【0004】ところで、Si基板と機能膜との間には、
通常、電極膜を設ける。結晶性の良好な機能膜を得るた
めには、電極膜を単結晶に近いエピタキシャル膜として
形成することが必要となる。このような要求に対し本発
明者らは、特開平9−110592号公報において、S
i単結晶基板上に(001)配向のZrO2薄膜、安定
化ジルコニア薄膜、希土類元素酸化物薄膜等を含むバッ
ファ層を設け、このバッファ層上に、BaTiO3等か
らなる(001)配向のペロブスカイト層を形成し、こ
のペロブスカイト層上にPt等からなる金属薄膜を電極
膜として形成することを提案している。ペロブスカイト
層を設けるのは、ZrO2(001)薄膜上にPt薄膜
を直接形成すると、Ptは(111)配向または多結晶
となり、Pt(100)単一配向膜を形成することがで
きないからである。これは、ZrO2(001)面とP
t(100)面の格子不整合が大きいために、Ptはエ
ピタキシャル成長するよりも、すなわち(100)面を
成長面として成長するよりも、エネルギー的に安定な
(111)面を成長面として成長するからである。
【0005】しかし、ペロブスカイト層の形成には手間
がかかり、特に、均質で、設計通りの組成をもつペロブ
スカイト層を形成することは難しい。具体的には、Zr
を含有するバッファ層上にBaTiO3薄膜を形成する
際には、BaZrO3等の(110)配向しやすい物質
が形成されやすい。また、特開平9−110592号公
報では、大面積の均質な薄膜が形成できる方法として、
酸化性ガス中で金属蒸気を基板表面に供給する蒸着法を
用いているが、この方法でBaTiO3薄膜を形成する
場合、基板表面に酸化物として堆積したときにBa:T
i=1:1となるように、BaおよびTiの蒸発量を正
確に制御する必要がある。
【0006】したがって、ペロブスカイト層を設けるこ
となく結晶性の良好な(100)配向金属薄膜を形成で
きれば、低コスト化、品質向上、歩留まり向上の点で大
きな進歩となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、結晶
性の良好な単一配向金属薄膜を含む積層薄膜を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。 (1) 立方晶(100)単一配向のエピタキシャル膜
である金属薄膜と、この金属薄膜と接する界面に{11
1}ファセット面が存在するバッファ層とを有する積層
薄膜。 (2) 前記バッファ層が、希土類元素酸化物、酸化ジ
ルコニウム、またはZrの一部を希土類元素もしくはア
ルカリ土類元素で置換した酸化ジルコニウムを含有する
上記(1)の積層薄膜。 (3) 希土類元素およびアルカリ土類元素をRで表し
たとき、前記バッファ層において原子比R/(Zr+
R)が0.2〜0.75である上記(2)の積層薄膜。 (4) 前記バッファ層を挟んで前記金属薄膜の反対側
に下地層を有し、この下地層が、酸化ジルコニウム、ま
たはZrの一部を希土類元素もしくはアルカリ土類元素
で置換した酸化ジルコニウムを含有し、希土類元素およ
びアルカリ土類元素をRで表したとき、この下地層にお
ける原子比R/(Zr+R)が、前記バッファ層におけ
る原子比R/(Zr+R)よりも小さい上記(2)の積
層薄膜。 (5) 前記金属薄膜がPt、Ir、PdおよびRhの
少なくとも1種を含有する上記(1)〜(4)のいずれ
かの積層薄膜。 (6) 表面がSi(100)単結晶から構成される基
板上に存在する上記(1)〜(5)のいずれかの積層薄
膜。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の積層薄膜は、Si単結晶
等からなる基板上に形成されており、基板側にバッファ
層を有し、このバッファ層に接して金属薄膜を有する。
【0010】バッファ層 バッファ層は、金属薄膜と基板との間に設けられる。な
お、バッファ層は、絶縁体としても機能する。
【0011】バッファ層は、金属薄膜との界面が{11
1}ファセット面を含むことが特徴である。図1(a)
に、バッファ層表面のファセット面の模式図を示す。図
1(b)に、このファセット面を拡大して示す。バッフ
ァ層は、立方晶(100)配向、正方晶(001)配向
または単斜晶(001)配向のエピタキシャル膜なの
で、このファセット面は、{111}ファセット面であ
る。金属薄膜は、バッファ層の{111}ファセット面
上に{111}配向膜としてエピタキシャル成長する。
金属薄膜の成長に伴って、ファセット面により構成され
る凹部は埋められ、最終的に、図1(c)に示すように
金属薄膜の表面は平坦となり、かつ、この表面は基板表
面に平行となる。この表面は、立方晶(100)面とな
るが、結晶格子の歪み等により正方晶(001)面とな
ることもある。
【0012】バッファ層表面にファセット面を存在さ
せ、このファセット面上に、立方晶となる金属からなる
金属薄膜を形成したときに、この金属薄膜が立方晶(1
00)配向のエピタキシャル膜となることは、従来報告
されておらず、本発明において初めて見いだされたこと
である。前述したように、従来もZrO2薄膜や希土類
元素酸化物薄膜をバッファ層として用いることは知られ
ていたが、平坦なバッファ層上に金属薄膜を直接形成し
た場合、良質な立方晶(100)配向エピタキシャル膜
は得られていない。
【0013】ファセット面の寸法は特に限定されない
が、ファセット面の高さ、すなわち、バッファ層の面内
と直交する平面に投影したときの寸法が小さすぎると、
バッファ層表面にファセット面を設けたことによる効果
が小さくなるので、投影寸法は5nm以上であることが好
ましい。一方、この投影寸法が大きい場合、それに伴っ
て金属薄膜を厚くしないと金属薄膜表面が平坦にならな
くなる。しかし、金属薄膜を厚くするとクラックが発生
しやすくなるので、上記投影寸法は30nm以下であるこ
とが好ましい。なお、上記投影寸法は、バッファ層断面
の透過型電子顕微鏡写真から求める。
【0014】上記界面におけるファセット面の比率は、
好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であ
る。ファセット面の比率が低すぎると、金属薄膜を良質
なエピタキシャル膜として成長させることが困難とな
る。なお、本明細書におけるファセット面の比率は、バ
ッファ層断面の透過型電子顕微鏡写真から以下のように
して求めた面積比である。バッファ層表面の測定対象領
域の長さ(面内方向の長さ)をBとし、面内と平行な表
面(ファセット面以外)の合計長さをHとすると、上記
比率は、[1−(H/B)2]で表される。上記測定対
象領域の長さBは、1μm以上とする。
【0015】表面に{111}ファセット面を形成する
ために、バッファ層は、希土類元素酸化物を主成分とす
るか、酸化ジルコニウムを主成分とするか、Zrの一部
を希土類元素もしくはアルカリ土類元素で置換した酸化
ジルコニウムを主成分とすることが好ましい。なお、本
明細書における希土類元素は、ScおよびYを含むもの
とする。このようなバッファ層は、立方晶(100)配
向または単斜晶(001)配向のとき、表面にファセッ
ト面を出現させることが可能である。
【0016】希土類元素およびアルカリ土類元素をRで
表すと、バッファ層の組成は、Zr1-xx2-δで表す
ことができる。x=0である酸化ジルコニウム(ZrO
2)は、高温から室温にかけて立方晶→正方晶→単斜晶
と相転移を生じるが、希土類元素またはアルカリ土類元
素の添加により立方晶は安定化する。ZrO2に希土類
元素またはアルカリ土類元素を添加した酸化物は、一般
に安定化ジルコニアと呼ばれる。本発明では、ZrO2
安定化のための元素として希土類元素を用いることが好
ましい。
【0017】本発明では、ファセット面が形成可能であ
ればZr1-xx2-δにおけるxは特に限定されない。
ただし、Jpn.J.Appl.Phys.27(8)L1404-L1405(1988)に
は、希土類元素安定化ジルコニアにおいてxが0.2未
満である組成域では正方晶または単斜晶の結晶になるこ
とが報告されており、また、J.Appl.Phys.58(6)2407-24
09(1985)には、正方晶または単斜晶となる組成域におい
ては、得ようとするもの以外の配向面が混入し、単一配
向のエピタキシャル膜が得られないことが報告されてい
る。しかし、本発明者らが検討を重ねた結果、後述する
蒸着法を利用することにより、xが0.2未満の組成で
もエピタキシャル成長が可能となり、良好な結晶性が得
られることがわかった。高純度のZrO2膜は、絶縁抵
抗が高くなり、リーク電流が小さくなるので、絶縁特性
を必要とする場合には好ましい。ただし、ファセット面
の形成を容易にするためには、xを0.2以上とするこ
とが好ましい。
【0018】一方、バッファ層をSi単結晶基板に接し
て形成する場合、xが0.75を超える組成域では、立
方晶ではあるが、(100)単一配向が得られにくく、
(111)配向の結晶が混入したり、(111)単一配
向となったりしてしまう。したがって、Si単結晶基板
上にバッファ層を直接形成する際には、Zr1-xx2-
δにおいてx≦0.75以下、特に0.50以下とする
ことが好ましい。
【0019】ただし、Si単結晶基板上に、適当な下地
層を介してバッファ層を形成することにより、xが大き
い場合でもバッファ層を立方晶(100)単一配向とす
ることができる。このような下地層としては、酸化ジル
コニウムまたは安定化ジルコニアからなる立方晶(10
0)配向、正方晶(001)配向または単斜晶(00
1)配向の薄膜が好ましい。なお、下地層では、バッフ
ァ層よりもxを小さい値に設定することになる。
【0020】安定化ジルコニア薄膜が含む希土類元素
は、安定化ジルコニア薄膜に接する薄膜または基板の格
子定数に応じ、これらと安定化ジルコニア薄膜との格子
定数がマッチングするように適宜選択すればよい。希土
類元素の種類を固定したままxを変更すれば安定化ジル
コニアの格子定数を変えることができるが、xだけの変
更ではマッチング調整可能領域が狭い。しかし、希土類
元素を変更すれば格子定数を比較的大きく変更すること
ができるので、マッチングの最適化が容易となる。例え
ばYに替えてPrを用いれば、格子定数を大きくするこ
とができる。
【0021】なお、酸素欠陥を含まない酸化ジルコニウ
ムは化学式ZrO2で表わされるが、安定化ジルコニア
は、添加した安定化元素の種類、量および価数により酸
素の量が変化し、Zr1-xx2-δにおけるδは、通
常、0〜1.0となる。
【0022】バッファ層は、組成が連続的ないし段階的
に変化する傾斜組成構造であってもよい。傾斜組成構造
とする場合、Zr1-xx2-δにおけるxが、バッファ
層の裏面側から表面側(金属薄膜側)に向かって増大す
る構成とすることが好ましい。上記した下地層を設ける
場合、下地層がバッファ層の一部と考えれば、このバッ
ファ層は、組成が段階的に変化するものといえる。
【0023】バッファ層に用いる希土類元素は、Sc、
Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの少なくとも1
種を選択すればよいが、希土類元素酸化物には、六方晶
である希土類a型構造となりやすいものが存在するの
で、安定して立方晶の酸化物となる元素を選択すること
が好ましい。具体的には、Sc、Y、Ce、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの
少なくとも1種が好ましく、これらのうちから、酸化物
としたときの格子定数やその他の条件に応じて適宜選択
すればよい。
【0024】バッファ層には、特性改善のために添加物
を導入してもよい。例えば、AlおよびSiは、膜の抵
抗率を向上させる効果がある。さらに、Mn、Fe、C
o、Niなどの遷移金属元素は、膜中において不純物に
よる準位(トラップ準位)を形成することができ、この
準位を利用することにより導電性の制御が可能になる。
【0025】なお、下地層やバッファ層として用いるZ
rO2薄膜において、Zrの比率の上限は現在のところ
99.99mol%程度である。また、現在の高純度化技術
ではZrO2とHfO2との分離は難しいので、ZrO2
の純度は、通常、Zr+Hfでの純度を指している。し
たがって、本明細書におけるZrO2の純度は、Hfと
Zrとを同元素とみなして算出された値であるが、Hf
2は本発明におけるZrO2薄膜においてZrO2と全
く同様に機能するため、問題はない。また、このこと
は、上記安定化ジルコニアにおいても同様である。
【0026】バッファ層の厚さは特に限定されず、適切
な寸法のファセット面が形成されるように適宜設定すれ
ばよいが、好ましくは5〜1000nm、より好ましくは
25〜100nmである。バッファ層が薄すぎると均一な
ファセット面を形成することが困難であり、厚すぎると
バッファ層にクラックが発生することがある。なお、下
地層の厚さは、下地層が均質なエピタキシャル膜とな
り、表面が平坦で、クラックが発生しないように適宜決
定すればよいが、通常、2〜50nmとすることが好まし
い。
【0027】金属薄膜 金属薄膜を設ける理由は、以下の通りである。本発明の
積層薄膜を電子デバイスの構成要素として利用する場
合、金属薄膜は主に電極として機能する。本発明によっ
て得られた結晶性および表面性の良好な金属薄膜上に、
機能膜として圧電薄膜等を形成すれば、特性の良好な薄
膜バルク共振器等の各種電子デバイスが実現する。ま
た、LEDやレーザーダイオード等の発光素子では、高
輝度化が重要であるが、素子中に発光光を反射する機能
を設ければ、高輝度化を容易に達成できることがある。
例えば、反射層として働く薄膜を素子中の適当な位置に
配置して、素子外部への発光の放出を助長することが可
能である。本発明における金属薄膜は、このような反射
層として機能させることもできる。また、金属薄膜は、
薄膜積層体中において応力を吸収する役割を果たすの
で、金属薄膜の上に形成される薄膜のクラック発生を防
ぐ効果も示す。
【0028】バッファ層のファセット面が存在する表面
に設けられる金属薄膜は、前述したように、ファセット
面により構成される凹部を埋めながら成長し、最終的に
金属薄膜表面は平坦となり、かつ、基板表面に平行とな
る。このとき金属薄膜は、通常、膜面と平行に(10
0)面が配向した立方晶エピタキシャル膜となっている
が、応力によって結晶が変形して、例えば正方晶(00
1)配向のエピタキシャル膜となることもある。
【0029】金属薄膜は、Pt、Ir、PdおよびRh
の少なくとも1種を主成分とすることが好ましく、これ
らの金属の単体またはこれらの金属を含む合金から構成
されることが好ましい。また、金属薄膜は、組成の異な
る2種以上の薄膜から構成されていてもよい。
【0030】金属薄膜の厚さは用途により異なるが、好
ましくは10〜500nm、より好ましくは50〜150
nmであり、結晶性、表面性を損なわない程度に薄いこと
が好ましい。より具体的には、バッファ層のファセット
面により構成される凹凸を埋めるためには、厚さを30
nm以上とすることが好ましく、100nm以上の厚さとす
れば、十分な表面平坦性が得られる。また、電極として
十分に機能させるためには、厚さを50〜500nmとす
ることが好ましい。
【0031】なお、金属薄膜の比抵抗は、好ましくは1
-7〜103Ωcm、より好ましくは10-7〜10-2Ωcm
である。
【0032】結晶性および表面性 バッファ層、金属薄膜および下地層の結晶性は、XRD
(X線回折)における反射ピークのロッキングカーブの
半値幅や、RHEED像のパターンで評価することがで
きる。また、表面性は、RHEED像のパターンおよび
透過型電子顕微鏡で評価することができる。なお、RH
EEDとは、反射高速電子線回折(Reflction High Ene
rgy Electron Diffraction)である。
【0033】具体的には、X線回折において、(20
0)面または(002)面[希土類c型構造のバッファ
層では(400)面]の反射のロッキングカーブの半値
幅がいずれも1.50°以下となる程度の結晶性を有し
ていることが好ましい。なお、ロッキングカーブの半値
幅の下限値は特になく、小さいほど好ましいが、現在の
ところ、前記下限値は一般に0.7°程度、特に0.4
°程度である。また、RHEEDにおいては、像がスポ
ット状である場合、表面に凹凸が存在していることにな
り、ストリーク状である場合、表面が平坦であることに
なる。そして、いずれも場合でも、RHEED像がシャ
ープであれば、結晶性に優れていることになる。
【0034】本発明の積層薄膜において、バッファ層、
金属薄膜および下地層は、エピタキシャル膜である。本
明細書におけるエピタキシャル膜は、第一に、単一配向
膜である必要がある。この場合の単一配向膜とは、X線
回折による測定を行ったとき、目的とする面以外のもの
の反射のピーク強度が目的とする面の最大ピーク強度の
10%以下、好ましくは5%以下である膜である。例え
ば、(k00)単一配向膜、すなわちa面単一配向膜で
は、膜の2θ−θX線回折で(k00)面以外の反射ピ
ークの強度が、(k00)面反射の最大ピーク強度の1
0%以下、好ましくは5%以下である。なお、本明細書
において(k00)は、(100)や(200)などの
等価な面を総称する表示である。本明細書におけるエピ
タキシャル膜の第二の条件は、膜面内をx−y面とし、
膜厚方向をz軸としたとき、結晶がx軸方向、y軸方向
およびz軸方向に共に揃って配向していることである。
このような配向は、RHEED評価でスポット状または
ストリーク状のシャープなパターンを示すことで確認で
きる。例えば、表面に凹凸が存在するバッファ層におい
て結晶配向に乱れがある場合、RHEED像はシャープ
なスポット状とはならず、リング状に伸びる傾向を示
す。上記した二つの条件を満足すれば、エピタキシャル
膜といえる。
【0035】基板 本発明で用いる基板は、Si、MgO、SrTiO3
の各種単結晶から選択することができるが、Si(10
0)単結晶表面を有する基板が最も好ましい。Si単結
晶基板を用いる場合、基板と積層薄膜とは、それぞれの
面内に存在する軸同士も平行であることが好ましい。
【0036】製造方法 バッファ層、金属薄膜および下地層の形成方法は特に限
定されず、基板上、特にSi単結晶基板上に、これらを
エピタキシャル膜として形成可能な方法から適宜選択す
ればよいが、好ましくは蒸着法、特に、前記特開平9−
110592号公報や、本出願人による特願平9−10
6776号等に開示されている蒸着法を用いることが好
ましい。
【0037】以下、製造方法の具体例として、安定化ジ
ルコニアからなるバッファ層の形成について説明する。
【0038】この製造方法を実施するにあたっては、例
えば図8に示すような構成の蒸着装置1を用いることが
望ましい。
【0039】この蒸着装置1は、真空ポンプPが設けら
れた真空槽1aを有し、この真空槽1a内には、下部に
基板2を保持するホルダ3が配置されている。このホル
ダ3は、回転軸4を介してモータ5に接続されており、
このモータ5によって回転され、基板2をその面内で回
転させることができるようになっている。上記ホルダ3
は、基板2を加熱するヒータ6を内蔵している。
【0040】蒸着装置1は、酸化性ガス供給装置7を備
えており、この酸化性ガス供給装置7のノズル8は、上
記ホルダ3の直ぐ下方に配置されている。これによっ
て、酸化性ガスは、基板2近傍でその分圧が高くされる
ようになっている。ホルダ3のさらに下方には、Zr蒸
発部9および希土類元素蒸発部10が配置されている。
これら各蒸発部には、それぞれの蒸発源の他に、蒸発の
ためのエネルギーを供給するエネルギー供給装置(電子
線発生装置、抵抗加熱装置等)が配置されている。
【0041】まず、上記ホルダに基板をセットする。こ
の製造方法では、均質な薄膜を大面積基板、例えば10
cm2以上の面積を持つ基板上に形成することができる。
これにより、本発明の積層薄膜を有する電子デバイス
を、従来に比べて極めて安価なものとすることができ
る。なお、基板の面積の上限は特にないが、現状では4
00cm2程度である。現状の半導体プロセスは2〜8イ
ンチのSiウエハ、特に6インチタイプのウエハを用い
たものが主流であるが、この方法ではこれに対応が可能
である。また、ウエハ全面ではなく、部分的にマスク等
で選択して積層薄膜を形成することも可能である。
【0042】Si単結晶基板を用いる場合、バッファ層
の形成前に、基板に表面処理を施すことが好ましい。基
板の表面処理は、例えば前記特開平9−110592号
公報や、本出願人による特願平9−106776号など
に記載された処理方法を利用することが好ましい。
【0043】このような表面処理後、基板表面のSi結
晶はSi酸化物層により被覆されて保護された状態とな
っている。そして、このSi酸化物層は、バッファ層形
成の際に基板表面に供給されるZr等の金属によって還
元され、除去される。
【0044】次に、基板を真空中で加熱し、Zrおよび
希土類元素と、酸化性ガスとを基板表面に供給すること
により、バッファ層を形成していく。加熱温度は、良好
な結晶性が得られ、かつファセット面が形成されるよう
に適宜設定すればよい。具体的には、結晶化するために
は400℃以上であることが望ましく、750℃以上で
あれば結晶性に優れた膜が得られる。また、ファセット
面の寸法は、加熱温度によって制御できる。加熱温度の
上限は、基板の耐熱性によっても異なるが、通常、13
00℃程度である。ここで用いる酸化性ガスとしては、
酸素、オゾン、原子状酸素、NO2、ラジカル酸素等の
いずれであってもよいが、以下の説明では、酸素を例に
挙げる。
【0045】バッファ層の形成に際しては、真空ポンプ
で継続的に真空槽内を排気しながら、酸素ガスを真空蒸
着槽内に継続的に供給する。基板近傍における酸素分圧
は、10-3〜10-1Torr程度であることが好ましい。酸
素分圧の上限を10-1Torrとしたのは、真空槽内にある
蒸発源中の金属を劣化させることなく、かつその蒸発速
度を一定に保つためである。真空蒸着槽に酸素ガスを導
入するに際しては、基板の表面にその近傍からガスを噴
射し、基板近傍だけに高い酸素分圧の雰囲気をつくると
よく、これにより少ないガス導入量で基板上での反応を
より促進させることができる。このとき真空槽内は継続
的に排気されているので、真空槽のほとんどの部分は1
-4〜10-6Torrの低い圧力になっている。酸素ガスの
供給量は、好ましくは2〜50cc/分、より好ましくは
5〜25cc/分である。酸素ガス供給量を制御すること
により、ファセット面を容易に形成することが可能とな
り、また、ファセット面の寸法を変更することができ
る。酸素ガスの最適供給量は、真空槽の容積、ポンプの
排気速度その他の要因により決まるので、あらかじめ適
当な供給量を求めておく。
【0046】各蒸発源は、電子ビーム等で加熱して蒸発
させ、基板に供給する。均質でかつファセット面を有す
る薄膜を形成するために、成膜速度は、0.05〜1.
00nm/s、特に0.100〜0.500nm/sとすること
が好ましい。成膜速度を制御することにより、ファセッ
ト面を容易に形成することが可能となり、また、ファセ
ット面の寸法を変更することができる。
【0047】成膜面積が10cm2程度以上である場合、
例えば直径2インチの基板の表面に成膜するときには、
図8に示すように基板を回転させ、酸素ガスを基板表面
の全域に万遍なく供給することにより、成膜領域全域で
酸化反応を促進させることができる。これにより、大面
積でしかも均質な膜の形成が可能となる。このとき、基
板の回転数は10rpm以上であることが望ましい。回転
数が低いと、基板面内で膜厚の分布が生じやすい。基板
の回転数の上限は特にないが、通常は真空装置の機構上
120rpm程度となる。
【0048】希土類元素酸化物からなる薄膜や酸化ジル
コニウムからなる薄膜についても、上記した安定化ジル
コニア薄膜の場合に準じて形成すればよい。また、例え
ば、酸化ジルコニウム薄膜上に希土類元素酸化物薄膜を
形成する際に、両薄膜において同一の希土類元素を使用
する場合には、酸化ジルコニウム薄膜が所定の厚さに形
成されたときにZrの供給を停止し、希土類元素だけを
引き続いて供給することにより、連続して両薄膜を形成
することができる。また、バッファ層を傾斜組成構造と
する場合には、Zrの供給量を徐々に減らし、最後には
ゼロとして、希土類元素酸化物薄膜の形成に移行すれば
よい。
【0049】上記した製造方法は、従来の真空蒸着法、
スパッタリング法、レーザーアブレージョン法などとの
比較において特に明確なように、不純物の介在の余地の
ない、しかも制御しやすい操作条件下で実施しうるた
め、再現性よく完全性が高い目的物を大面積で得るのに
好適である。
【0050】なお、この方法においてMBE装置を用い
た場合でも、全く同様にして目的とする薄膜を得ること
ができる。
【0051】金属薄膜の形成方法 金属薄膜は、蒸着により形成することが好ましい。蒸着
時の基板温度は500〜750℃とすることが好まし
い。基板温度が低すぎると結晶性の高い膜が得られにく
く、基板温度が高すぎると膜の表面の凹凸が大きくなり
やすい。なお、蒸着時に真空槽内に微量の酸素を流しな
がらRfプラズマを導入することにより、さらに結晶性
を向上させることができる。具体的には、例えばPt薄
膜において、(100)配向結晶中に(111)配向結
晶が混入することを防ぐ効果がある。
【0052】本発明では、金属薄膜表面の平坦度は一般
に良好となるが、金属薄膜の厚さや形成方法によっては
十分な平坦度が得られないこともある。そのような場合
には、金属薄膜表面を研磨して平坦化することができ
る。研磨には、アルカリ溶液等を用いる化学的研磨、コ
ロイダルシリカ等を用いる機械的研磨、化学的研磨と機
械的研磨との併用などを用いればよい。
【0053】積層薄膜表面を研磨すると、研磨歪が残留
することがある。研磨歪を除去する必要がある場合、積
層薄膜にアニールを施すことが好ましい。アニールは、
好ましくは300〜850℃、より好ましくは400〜
750℃で、好ましくは1秒間〜30分間、より好まし
くは5〜15分間行う。
【0054】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0055】実施例1 Si(100)単結晶基板上に、ZrO2薄膜、Y23
薄膜、Pt薄膜がこの順で積層された積層薄膜を、以下
の手順で形成した。
【0056】まず、表面が(100)面となるように切
断して鏡面研磨したSi単結晶ウエハ(直径2インチ、
厚さ250μmの円板状)を用意した。このウエハ表面
を40%フッ化アンモニウム水溶液により、エッチング
洗浄した。
【0057】次に、図8に示す蒸着装置1を用い、真空
槽1a内に設置された回転および加熱機構を備えた基板
ホルダ3に上記単結晶基板2を固定し、真空槽を10-6
Torrまで油拡散ポンプにより排気した後、基板洗浄面を
Si酸化物を用いて保護するため、基板を20rpmで回
転させ、酸素を基板付近にノズル8から10cc/分の割
合で導入しつつ、600℃に加熱した。これにより基板
表面が熱酸化され、基板表面に厚さ約1nmのSi酸化物
膜が形成された。
【0058】次いで、基板を900℃に加熱し、回転さ
せた。回転数は20rpmとした。このとき、ノズルから
酸素ガスを10cc/分の割合で導入すると共に、金属Z
rを蒸発源から蒸発させて前記基板表面に供給し、前工
程で形成したSi酸化物の還元と薄膜形成とを行った。
なお、金属Zrの供給量は、ZrO2の膜厚に換算して
10nmとした。この薄膜は、X線回折においてZrO2
の(002)ピークが明瞭に観察され、(001)単一
配向で高結晶性のZrO2薄膜であることが確認され
た。また、このZrO2薄膜は、図2に示すように、R
HEEDにおいて完全なストリークパターンを示し、表
面が分子レベルで平坦であって、かつ高結晶性のエピタ
キシャル膜であることが確認された。
【0059】次に、このZrO2薄膜を形成した単結晶
基板を基板とし、基板温度900℃、基板回転数20rp
m、酸素ガス導入量10cc/分の条件で、基板表面に金
属Yを供給することにより、Y23薄膜を形成した。金
属Yの供給量は、Y23に換算して40nmとした。この
23薄膜のRHEED像は、図3に示されるようにシ
ャープなスポット状であった。このことから、このY2
3薄膜は、結晶性が良好なエピタキシャル膜であり、
かつ、表面に凹凸が存在することがわかる。このY23
薄膜の断面を、透過型電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、高さ10nmのファセット面が存在し、ファセット面
の比率は95%以上であった。
【0060】次に、Y23薄膜上に厚さ100nmのPt
薄膜を形成した。基板温度は700℃、基板回転数は2
0rpmとした。このPt薄膜のRHEED像は、図4に
示されるようにシャープなストリーク状であった。この
ことから、このPt薄膜は、結晶性が良好なエピタキシ
ャル膜であり、かつ、表面が分子レベルで平坦であるこ
とがわかる。
【0061】また、Pt薄膜表面について、JIS B 0610
による十点平均粗さRz(基準長さ1000nm)を測定
したところ、1.1〜1.8nmであり、平坦性に優れて
いることが直接確認できた。
【0062】このようにして得られたPt/Y2O3/ZrO2/Si
(100)積層構造体のX線回折チャートを、図5に示す。
図5には各薄膜について(100)と等価な面のピーク
および(001)と等価な面のピークだけが認められ、
これから、各薄膜が(100)単一配向または(00
1)単一配向であることがわかる。図5において、Pt
(200)反射のロッキングカーブの半値幅は1.1°
であり、配向性に優れていることが確認された。
【0063】実施例2 ZrO2薄膜およびY23薄膜に替えて安定化ジルコニ
ア薄膜を形成したほかは実施例1と同様にして、Pt/安
定化ジルコニア/Si(100)積層構造体を作製した。安定化
ジルコニア薄膜の組成は、Zr0.70.32-δとし、安
定化ジルコニア薄膜を形成する際の基板温度、基板回転
数および酸素導入量は、実施例1におけるZrO2薄膜
形成の際と同じとした。
【0064】この安定化ジルコニア薄膜のRHEED像
は、図6に示されるようにシャープなスポット状であっ
た。このことから、この安定化ジルコニア薄膜は、結晶
性が良好なエピタキシャル膜であり、かつ、表面に凹凸
が存在することがわかる。この安定化ジルコニア薄膜断
面の透過型電子顕微鏡写真を、図7に示す。図7におい
て、右側がSi単結晶基板側である。バッファ層の金属
薄膜との界面は、基板表面に平行な面(図中において垂
直な面)がほとんどなく、大部分がファセット面から構
成されていることがわかる。この安定化ジルコニア薄膜
のファセット面の比率は、90%以上であった。
【0065】
【発明の効果】本発明では、Zr酸化物および希土類元
素酸化物の少なくとも1種を含有するバッファ層を設
け、このバッファ層の表面にファセット面を存在させ
る。このバッファ層表面に金属薄膜を直接形成したと
き、金属薄膜は(100)単一配向で結晶性の良好な膜
となり、しかも、金属薄膜の表面は分子レベルで平坦と
なる。また、ファセット面の存在によりバッファ層と金
属薄膜との接触面積が増すので、金属薄膜の剥離を抑制
できる。
【0066】また、本発明では、前記特開平9−110
592号公報と異なり、バッファ層と金属薄膜との間に
BaTiO3等からなるペロブスカイト層を設ける必要
がないため、製造工程が簡略化される。また、本発明に
おけるバッファ層は、ペロブスカイト層に比べ、より高
い結晶性が安定して得られるため、バッファ層としての
機能が高い。また、本発明におけるバッファ層は、Ba
TiO3層に比べピンホールが発生しにくい。
【0067】本発明の積層薄膜を設けた基板上に、強誘
電体、圧電体、超伝導体等からなる機能膜を積層するこ
とにより、不揮発性メモリ、赤外線センサ、光変調器、
光スイッチ、OEIC、SAW素子、コンボルバ、コリ
メータ、メモリ素子、イメージスキャナ、薄膜バルク共
振子、フィルタ、SQUID、ジョセフソン素子、超伝
導トランジスタ、電磁波センサ、超伝導配線LSIなど
が作製可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、バッファ層表面の{111}ファセ
ット面の模式図であり、(b)は、その拡大図であり、
(c)は、このファセット面上に金属薄膜を形成した状
態を示す模式図である。
【図2】結晶構造を示す図面代用写真であって、Si単
結晶基板上に形成されたZrO2薄膜のRHEED像で
ある。
【図3】結晶構造を示す図面代用写真であって、図2に
RHEED像を示すZrO2薄膜上に形成されたY23
薄膜のRHEED像である。
【図4】結晶構造を示す図面代用写真であって、図3に
RHEED像を示すY23薄膜上に形成されたPt薄膜
のRHEED像である。
【図5】Pt/Y2O3/ZrO2/Si(100)積層構造体のX線回折チ
ャートである。
【図6】結晶構造を示す図面代用写真であって、Si単
結晶基板上に形成された安定化ジルコニア薄膜のRHE
ED像である。
【図7】結晶構造を示す図面代用写真であって、Si単
結晶基板上に形成された安定化ジルコニア薄膜の断面の
透過型電子顕微鏡写真である。
【図8】本発明の積層薄膜の形成に用いられる蒸着装置
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 蒸着装置 1a 真空槽 2 基板 3 ホルダ 4 回転軸 5 モータ 6 ヒータ 7 酸化性ガス供給装置 8 ノズル 9 Zr蒸発部 10 希土類元素蒸発部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 27/108 H01L 27/04 C 21/8242 27/10 651 39/02 ZAA 39/24 ZAA

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立方晶(100)単一配向のエピタキシ
    ャル膜である金属薄膜と、この金属薄膜と接する界面に
    {111}ファセット面が存在するバッファ層とを有す
    る積層薄膜。
  2. 【請求項2】 前記バッファ層が、希土類元素酸化物、
    酸化ジルコニウム、またはZrの一部を希土類元素もし
    くはアルカリ土類元素で置換した酸化ジルコニウムを含
    有する請求項1の積層薄膜。
  3. 【請求項3】 希土類元素およびアルカリ土類元素をR
    で表したとき、前記バッファ層において原子比R/(Z
    r+R)が0.2〜0.75である請求項2の積層薄
    膜。
  4. 【請求項4】 前記バッファ層を挟んで前記金属薄膜の
    反対側に下地層を有し、この下地層が、酸化ジルコニウ
    ム、またはZrの一部を希土類元素もしくはアルカリ土
    類元素で置換した酸化ジルコニウムを含有し、希土類元
    素およびアルカリ土類元素をRで表したとき、この下地
    層における原子比R/(Zr+R)が、前記バッファ層
    における原子比R/(Zr+R)よりも小さい請求項2
    の積層薄膜。
  5. 【請求項5】 前記金属薄膜がPt、Ir、Pdおよび
    Rhの少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれ
    かの積層薄膜。
  6. 【請求項6】 表面がSi(100)単結晶から構成さ
    れる基板上に存在する請求項1〜5のいずれかの積層薄
    膜。
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