JPH0955544A - 電子デバイス用基板 - Google Patents

電子デバイス用基板

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JPH0955544A
JPH0955544A JP7231986A JP23198695A JPH0955544A JP H0955544 A JPH0955544 A JP H0955544A JP 7231986 A JP7231986 A JP 7231986A JP 23198695 A JP23198695 A JP 23198695A JP H0955544 A JPH0955544 A JP H0955544A
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film
single crystal
thin film
electronic device
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JP7231986A
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Yoshihiko Yano
義彦 矢野
Takao Noguchi
隆男 野口
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Original Assignee
TDK Corp
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  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 Si単結晶基板、この基板上に形成さ
れ、組成Zr1-x x2-δ(ここで、RはYを含む希
土類金属であり、x=0〜0.75である)の第1エピ
タキシャル酸化薄膜、この第1エピタキシャル酸化物薄
膜上に形成され、組成が上記Zr1-x x2-δでZr
の含有量が徐々に減少した組成傾斜膜、およびこの組成
傾斜膜上に形成され、前記Rの酸化物の第2エピタキシ
ャル酸化物膜を備え、前記第1および第2エピタキシャ
ル酸化物薄膜と前記組成傾斜膜がRが全て同一希土類金
属である。 【効果】 この構造体は、結晶性の優れた機能膜を得る
ための、結晶性の優れた表面をもつバッファ層を具備し
た電子デバイス用基板として、利用価値の高いものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子デバイス用基板に
関し、更に詳細には、Si単結晶上にZrO2 およびY
を含む希土類酸化物からなるエピタキシャル薄膜を形成
してなる電子デバイス用基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体結晶基板であるSi基板上に、超
電導膜または誘電体膜を形成、集積化した電子デバイス
が考案されている。半導体と超電導体または誘電体を組
み合わせることにより、たとえば、半導体と超電導体の
組み合わせでは、SQUID、ジョセフソン素子、超電
導トランジスタ、電磁波センサーおよび超電導配線LS
I等、半導体と誘電体では、集積度のさらに高いLS
I、SOI技術による誘電体分離LSI、不揮発性メモ
リー、赤外線センサー、光変調器および光スイッチ、O
EIC(光・電子集積回路:opto-electronic integrat
ed circuits )等が試作されている。
【0003】これら超電導体または誘電体材料などの機
能材を用いた半導体デバイスにおいて、最適なデバイス
特性およびその再現性を確保するためには、単結晶を用
いることが必要である。多結晶体では粒界による物理量
の攪乱のため、良好なデバイス特性を得ることが難し
い。このことは薄膜材料についても同様で、できるだけ
完全な単結晶に近い機能材料のエピタキシャル膜が望ま
れる。
【0004】応用的に価値のある、おもな超電導体およ
び強誘電体の結晶構造は、ペロブスカイト構造をとって
いる。ペロブスカイト型酸化物のエピタキシャル成長は
基板の材料と結晶方位に大きく依存し、Si基板上へ直
接エピタキシャル成長させることは、現在のところ不可
能である。そこで、Siにエピタキシャル成長したバッ
ファ層を設け、その上にペロブスカイト型酸化物のエピ
タキシャル成長させることが必要である。バッファ層の
材料として、YSZ(ZrO2 にYをドープさせた材
料)は、基板のSi結晶との格子整合、ペロブスカイト
結晶との格子整合とも比較的よく、早くから、Si基板
とペロブスカイト結晶膜とのバッファ材として、Si基
板上のYSZエピタキシャル膜は注目されてきた。
【0005】YSZバッファ層の役割は、Si基板でY
SZが単結晶膜となり、このYSZ膜上に形成された機
能膜も単結晶化することを可能にし、Siとペロブスカ
イト構造の機能膜との結晶格子の不整合を緩和する。そ
のため、良好なペロブスカイト構造の機能膜を形成する
ためには、用いる機能膜のペロブスカイト結晶との格子
不整合が小さいバッファ層が好ましい。これまで、検討
されてきた超電導材のペロブスカイト結晶、特にはYB
COは、格子定数が3.86程度で、YSZ結晶格子定
数の対角線、格子定数3.68とマッチングする、さら
にYBCOと格子不整合の小さいバッファ材として、C
eなど他材料の検討やYSZバッファ層の改良が行われ
ている。本発明の発明者らもバッファ材について検討を
進めており、現在のところ、ZrO2 をベースとするエ
ピタキシャルバッファ層がもっとも結晶性に優れている
ことを確認している。YSZバッファ層の改良について
は、Appl.Phys.Lett.55(4),24
July 1989,第360ページ、Japane
se Journal of Applied Phy
sics,Vol.29,No6.June 199
0.pp.L955−L957、特開平4−49679
号に示され、YSZ膜上に希土類酸化物膜を積層した後
YBCOを形成する方法が述べられている。
【0006】しかしながら、強誘電体のペロブスカイト
結晶、たとえばBaTiO3 をSi基板上のYSZバッ
ファ層上に成膜したところ、ポリクリスタルの膜しか得
られずエピタキシャル成長は不可能であった。さらに、
YSZバッファ層の代わりに前述のYSZ膜上に希土類
酸化物膜を積層したバッファ材を用いて同様に成膜した
が、エピタキシャル成長が可能であったものの、XRD
(X線回折)におけるBaTiO3 膜結晶の(002)
反射ピークのロッキングカーブの半値幅は、1.9度と
極端に結晶性の劣るものしか得ることができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
これまでのバッファ層を用いた、機能膜である強誘電体
のBaTiO3 ペロブスカイト結晶をSi基板上に形成
した構造にあっては、機能膜が得られるようになってき
た。このようにして得られたYBCO膜では、バッファ
層との格子マッチングおよび高品質のバッファ層結晶を
用いることにより結晶性が向上し、77Kにおいて4×
106 (A/cm2 )の超電導臨界電流密度が得られる。
超電導臨界電流密度は、デバイス応用を考えた場合、高
ければ高い程よく、さらになる電流密度の向上により、
応用が広がってくるため、この課題を解決する方法が必
要とされている。そこでより高結晶性でバッファ層とし
て優れる材料が必要となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の本発明により達成される。 (1)Si単結晶基板、この基板上に形成され、組成Z
1-x x2-δ(ここで、RはYを含む希土類金属で
あり、x=0〜0.75である)の第1エピタキシャル
酸化薄膜、この第1エピタキシャル酸化物薄膜上に形成
され、組成が上記Zr1-x x2-δでZrの含有量が
徐々に減少した組成傾斜膜、およびこの組成傾斜膜上に
形成され、前記Rの酸化物の第2エピタキシャル酸化物
膜を備え、前記第1および第2エピタキシャル酸化物薄
膜と前記組成傾斜膜がRが全て同一希土類金属であるこ
とを特徴とする電子デバイス用基板。 (2)組成が、第1エピタキシャル酸化物薄膜から第2
エピタキシャル酸化物薄膜まで連続的に変化している上
記(1)の電子デバイス用基板。 (3)前記単結晶基板の前記酸化物薄膜形成面である基
板表面の面積が、10cm2 以上である上記(1)の電子
デバイス用基板。 (4)上記(1)ないし(3)のいずれかの電子デバイ
ス用基板の製造方法であって、真空層内で、Si単結晶
基板の加熱、真空層内への酸化性ガスの導入、およびZ
rまたはZrと少なくとも1種の希土類金属(Yを含
む)の単結晶基板表面への蒸発による供給を行い、前記
単結晶基板の基板表面に、前記酸化物薄膜をエピタキシ
ャル成長させて前記組成の第1エピタキシャル酸化物薄
膜を形成し、ついでZrの供給量を徐々に減らして、前
記組成傾斜膜を形成し、最後に、Zrの供給を停止し
て、希土類金属のみを供給して第2エピタキシャル酸化
物薄膜を形成することを特徴とする電子デバイス用基板
の製造方法。 (5)前記Si表面処理基板として、その前記基板表面
に0.2〜10nmのSi酸化物層を形成し、この後、基
板温度を600〜1200℃に設定するとともに、前記
真空層内に酸化性ガスを導入して少なくとも基板近傍の
雰囲気を1×10-4〜1×10-1Torrとして、この状態
で、前記Si酸化物層が形成された基板表面に、Zrま
たはZrと少なくとも1種の希土類金属(Yを含む)と
を蒸発により供給して、前記処理したSi単結晶基板を
用いる上記(4)の電子デバイス用基板。 (6)前記Si酸化物を形成する際、酸化性ガスを導入
した真空層内で、Si単結晶基板を300〜700℃に
加熱し、真空層内の少なくとも基板近傍の雰囲気の酸素
分圧を1×10-4Torr以上として、Si酸化物層を形成
する上記(5)の電子デバイス用基板。 (7)前記単結晶基板の表面にその近傍から酸化性ガス
を噴射し、この前記単結晶板近傍だけ他の部分より酸化
性ガス分圧の高い雰囲気を作る上記(4)〜(6)のい
ずれかの電子デバイス用基板の製造方法。 (8)前記単結晶基板を、基板表面面積が10cm2 以上
のものとするとともに、基板面内で回転することによ
り、前記酸化性ガス高分圧雰囲気を前記単結晶基板の全
体にわたって供し、この結晶基板の全基板表面にわたっ
て実質的に均一な酸化物薄膜を形成する上記(7)の電
子デバイス用基板の製造方法。 (9)前記単結晶基板として、Si単結晶を、その(1
00)面が基板表面となるように用いる上記(4)〜
(8)のいずれかの電子デバイス用基板の製造方法。 (10)前記単結晶基板として、Si単結晶を、その
(111)面が基板表面となるように用いる上記(4)
〜(8)のいずれかの電子デバイス用基板の製造方法。 (11)前記単結晶基板を750℃以上に加熱する上記
(4)〜(10)のいずれかの電子デバイス用基板の製造
方法。
【0009】
【発明の作用・効果】Si、強誘ペロブスカイト結晶、
およびバッファ層となり得るYSZ、希土類酸化物の格
子定数を表1に示す。希土類酸化物およびZrO2 の格
子定数は、各結晶のa軸を2LDとする正方形の結晶格
子の対角線の1/2を示した。強誘電体のペロブスカイ
ト結晶、例えばYBCO、PZTおよびBaTiO3
のバッファ層としては、斜線の領域の材料がマッチング
がよく候補にあがることがわかる。ここで、放射線元素
であるアクチニュウム系の元素およびK、Naなど酸化
物として不安定な元素として除外すると、希土類のN
d、Gd、Ce、Eu、Sm、Pr、La酸化物がバッ
ファ層として有力な候補にあがる。
【0010】これらの希土類酸化物をSi(100)面
にエピ成長を試み、希土類酸化物結晶を(100)配向
のエピタキシャル結晶で作製しバッファ層としての利用
を考えた。しかしながら、これらの希土類酸化物結晶は
いずれもSi(100)上にエピタキシャル成長は不可
能であることが実験より明らかになった。そこで、Si
ウエハーの(100)面上に、組成Zr1-x x2-δ
(ここで、RはYを含む希土類金属であり、x=0〜
0.75である)のエピタキシャル酸化物膜を形成した
のち、前記希土類酸化物膜を成膜したところ、Yを含む
希土類酸化膜の(100)エピタキシャル成長が可能で
あることが確認された。さらに、組成Zr1-x x2-
δのエピタキシャル酸化物膜におけるRと前記Yを含む
希土類エピタキシャル酸化物膜における金属元素を同種
のものとして、このZr1-x x2-δのエピタキシャ
ル酸化物膜からYを含むエピタキシャル酸化物膜に組成
が傾斜的に変化させた構造とすると、その最表面の結晶
性は著しく優れている。
【0011】本発明によるとSi基板上で希土類酸化物
結晶を(100)配向のエピタキシャル結晶を作製する
ことができ、その最表面の結晶性を著しく改善できる。
この構造体は、結晶性の優れた機能膜を得るための、結
晶性の優れた表面をもつバッファ層を具備した電子デバ
イス用基板として用いることができる。
【0012】
【具体的構成】本発明の電子デバイス用基板は、その表
面に、第1エピタキシャル酸化物薄膜、組成傾斜膜およ
び第2エピタキシャル酸化物薄膜が順に形成されてい
る。
【0013】なお、ここでいうエピタキシャル膜とは、
膜の基板面をX−Y面とし、膜厚方向をZ軸とすると、
結晶がX軸、Y軸およびZ軸方向にともにそろって配向
しており、それぞれの方向から測定したX線またはX線
回析で目的とする反射以外の強度が目的とする面の最大
強度の5%以下のものを言う。例えば、(001)エピ
タキシャル膜すなわちc面エピタキシャル膜では、膜の
2θ−θX線回析で(00l(エル))面以外の反射強
度が、(00l(エル))面反射の最大ピーク強度の5
%以下のもので、かつRHEED評価でスポットまたは
ストリークパターンを示す膜であれば(001)エピタ
キシャル膜と言える。(111)エピタキシャル膜に関
しても同様である。
【0014】上記第1エピタキシャル酸化物薄膜は、組
成Zr1-x x2-δ(ここで、RはYを含む希土類金
属であり、x=0〜0.75好ましくは0.2〜0.5
0である)のエピタキシャル膜である酸化物薄膜であ
る。この酸化物エピタキシャル膜結晶性はxの範囲に存
在し、xが0.2未満の小さい領域ではZr1-x x
2-δは正方晶の結晶にある。それ以上では、立方晶にあ
る。立方晶は結晶の対向性が正方晶より高く、バッファ
層として優れる。これはバッファ層表面の結晶が正方晶
より立方晶の方が規則正しく配列しているため、その上
に形成される膜の結晶性が高くなるためと考えられる。
【0015】一方、xが0.75を越える領域では立方
晶であるが目的とする結晶面以外の面が混入する。例え
ばZr1-x x2-δの(100)エピタキシャル膜を
得ようとすると、この範囲では(111)の結晶が混入
する。
【0016】すなわち、正方晶および立方晶のできる範
囲と、目的とする結晶面が得られる範囲からZr1-x
x2-δにおいてxは0〜0.75、好ましくは0.2
〜0.50の範囲でバッファ層とで優れたエピタキシャ
ル膜が得られる。
【0017】希土類金属は、第2エピタキシャル酸化物
薄膜の上に形成される機能膜の格子定数と、該酸化物薄
膜の格子定数とを好ましくマッチングさせるため、その
種類が選択される。この点については、第2エピタキシ
ャル酸化物薄膜の説明の際にさらに詳細に説明する。
【0018】なお、酸素欠陥を含まない酸化ジルコニウ
ムは、化学式ZrO2 で表わせられるが、Yを含む希土
類を添加した酸化ジルコニウムは、添加した金属元素の
種類、量および価数により酸素の量が変化するため、本
発明の酸化物薄膜の組成を化学式Zr1-x x2-δと
δを用いて表わした。δは通常0〜0.5程度である。
【0019】第1エピタキシャル酸化物薄膜の膜厚とし
ては0.5〜50nm、好ましくは1〜30nm程度が好ま
しい。
【0020】組成傾斜膜は、その組成が上記Zr1-x
x2-δで、Zrの含有量が、第1エピタキシャル酸化
物薄膜側から第2エピタキシャル酸化物薄膜に向かって
徐々に減少した組成となっている。上記Zrの含有量
は、第1エピタキシャル酸化物薄膜隣接部分が該第1エ
ピタキシャル酸化物薄膜と実質的に同一で、徐々に減少
し、第2エピタキシャル酸化物薄膜に隣接する部分でゼ
ロとなることが好ましい。
【0021】この組成傾斜膜の膜厚は、50nm以下、特
に1〜30nmとすることが好ましい。上述のように、こ
の組成傾斜膜は、第2エピタキシャル酸化物薄膜を(1
00)でエピタキシャル成長させるために必要である。
組成傾斜膜なしでは、第2エピタキシャル酸化物薄膜は
(111)配向が強くなり、(100)のエピタキシャ
ル膜は得られない。そのため、組成傾斜膜の膜厚は、結
晶性および表面性の優れる範囲内で用いることが好まし
い。膜厚が厚すぎると、組成傾斜膜の表面の凹凸が大き
くなる傾向があり、第1酸化物薄膜の凹凸が激しいと、
第2エピタキシャル酸化物薄膜の酸化物の結晶性が劣化
する。成膜の方法にも依存するが、組成傾斜膜の膜厚が
50nmを超えると、3nm以上の凹凸が現れ易い。そこ
で、組成傾斜膜の膜厚は、50nm以下、特に30nm以下
であることが好ましい。なお、この膜厚の下限は、現在
のところ0.5nm程度である。
【0022】上記組成傾斜膜上に形成された第2エピタ
キシャル酸化物薄膜は、希土類金属R(Yを含む)の酸
化物のエピタキシャル膜である。この第2エピタキシャ
ル酸化物薄膜、第1エピタキシャル酸化物薄膜および組
成傾斜膜のRは全て同一である。この第2エピタキシャ
ル酸化物薄膜の膜厚は、0.5〜50nm、特に1〜30
nmが好ましい。その理由は、第2酸化物薄膜の膜厚が
0.5nm未満であると、第1酸化物薄膜表面の第2酸化
物による被覆が不完全で、第1および第2酸化物を積み
重ねたことによる本発明の効果が認められなくなる。す
なわち、MIS素子にした場合、良好なC−V特性が得
られない。そのため、0.5nm以上、特に1nm以上であ
ることが好ましい。また膜厚が厚すぎると、第1および
第2の酸化物薄膜の膜厚の合計が大きくなり、MIS容
量が低下してしまう。第1酸化物薄膜と第2酸化物薄膜
の合計の膜厚は、5〜100nm程度とすることが好まし
い。この合計の膜厚が5nm未満であると、MISキャパ
シタを構成したとき、リークを生じる傾向がある。これ
は、膜にピンホールが発生する可能性が高くなるためで
あると考えられる。一方、膜厚が100nm以上である
と、MISキャパシタの容量が低下する。以上のように
第2酸化物の膜厚は、第1酸化物の膜厚を考慮して0.
5〜50nm、好ましくは1〜30nm程度がよい。
【0023】上記第2エピタキシャル酸化物薄膜上には
機能膜が形成される。この機能膜は、主にペロブスカイ
ト構造を有するエピタキシャル膜であり、具体的には、
Bi系酸化物超電導膜、YBa2 Cu37-8 (YBC
O)超電導膜等の高温超電導膜、BaTiO3 、PbT
iO3 、PZT、PLZT、その他のPb系ペロブスカ
イト、その他Bi系ペロブスカイトである強誘電体膜、
さらには、La1-x Srx CoO3 、La1-x Srx
x RuO3 、In23 (Snドープ)、その他酸化
物導電膜、Pt、Si、Ge、GaAs等の半導体やメ
タルの膜が挙げられる。
【0024】具体的に使用される希土類金属は、その酸
化物すなわち第2エピタキシャル酸化物薄膜の結晶の格
子定数が、上記の機能膜の結晶の格子定数にフィットし
たものが選択される。第2エピタキシャル酸化物薄膜と
機能膜の格子定数は、ミスット率(格子定数の不整合
率)=(第2エピタキシャル酸化物薄膜の格子定数−機
能膜の格子定数)/第2エピタキシャル酸化物薄膜の格
子定数または機能膜の格子定数が±15%以下であるこ
とが好ましい。なお、金属の種類によっては、機能膜の
格子が第2エピタキシャル酸化物薄膜の格子にそのまま
マッチングする場合や、45°回転することによりマッ
チングする場合があるので、それぞれに応じた格子定数
を選択する。
【0025】例えば、機能膜として後述のYBCO膜
(格子定数0.386nm)を選択する場合には、希土類
酸化物としては格子定数が0.3866nmのSm23
を選択すればよいし、PbTiO3 (格子定数0.38
96nm)の場合には、格子定数が0.3904のPr2
3 を選択することができる。
【0026】本発明の上記酸化物薄膜のロッキングカー
ブの半値幅は1.50°以下である。また、酸化物薄膜
のRHEED像もストリーク性が高い。すなわち、RH
EED像がストリークであって、しかもシャープであ
る。以上により、本発明の酸化物薄膜は、結晶性、およ
びその表面性がともに良好である。したがって、本発明
の酸化物薄膜の表面上には、高品質の機能性エピタキシ
ャル膜を形成することができる。なお、上記ロッキング
カーブの半値幅の下限値は特にないが、小さければ小さ
いほど好ましい。現在のところ、ロッキングカーブの半
値幅は0.7°程度である。
【0027】本発明の電子デバイス用基板は、均一な上
記酸化物薄膜を有する大面積基板、例えば10cm2 以上
の基板面積を持つことができる。これにより、基板のみ
ならずこの基板を用いて製造された電子デバイスも従来
に比べて極めて安価なものとなる。なお、基板の面積の
上限は特にないが、現状では2インチ〜8インチのSi
ウエハーを用いた半導体プロセス、特に6インチタイプ
が主流で、これに対応が可能である。
【0028】次に、本発明の電子デバイス用基板の製造
方法について詳細に説明する。
【0029】なお、本発明の製造方法を実施するにあた
っては、図1に示したような蒸着装置1を用いることが
望ましい。
【0030】蒸着装置1は、真空槽1aを有し、この真
空槽1a内には、下部に単結晶基板2を保持するホルダ
3ガ配置されている。このホルダ3は、回転軸4を介し
てモータ5に接続されており、このモータ5によって回
転され、上記単結晶基板2をその基板面内で回転させる
ことができるようになっている。上記ホルダ3内には、
単結晶基板2を加熱するヒータ6が内蔵されている。
【0031】蒸着装置1は、また、酸化性ガス供給装置
7を備えており、この酸化性ガス供給装置7の酸化性ガ
ス供給口8は、上記ホルダ3の直ぐ下方に配置されてい
る。これによって、酸化性ガスは、単結晶基板2近傍で
その分圧が高くされるようになっている。ホルダ3の更
に下方には、Zr蒸発部9および希土類金属蒸発部10
が配置されている。これらのZr蒸発部9および希土類
金属蒸発部10には、それぞれの金属源の他に、電子線
発生装置等の金属源に蒸発のためのエネルギを供給する
ためのエネルギ供給装置が配置されている。なお、図に
おいて、Pは、真空ポンプである。
【0032】次に、形成方法について説明する。この方
法においては、まず、上記ホルダに単結晶基板をセット
する。このとき、単結晶基板としては、Siの単結晶基
板が用いられ、目的の酸化物薄膜が形成される基板表面
として、(100)面あるいは(111)面が選択され
る。基板表面上に形成される機能膜をエピタキシャル成
長させた単結晶とし、しかも結晶を適切な方位とするた
めである。なお、基板表面は、鏡面仕上げのウエハーを
用い表面をエッチング洗浄しておくことが好ましい。エ
ッチング洗浄は40%フッ化アンモニウム水溶液等によ
り行う。本発明のMISキャパシタを製造するために用
いるSi単結晶基板は、例えば10cm2以上の基板面積
を持つことができる。これにより、MISキャパシタを
従来に比べて極めて安価なものとすることができる。な
お、基板の面積の上限は特にないが、現状では400cm
2 程度である。これにより、現在2インチ〜8インチの
Siウエハーを用いた半導体プロセス、特に6インチタ
イプが主流で、これに対応が可能である。
【0033】清浄化されたSi単結晶基板は、極めて反
応性が高いため、これを保護する目的と、ZrO2 を主
成分とする良好なエピタキシャル膜を成長させる目的
で、Si単結晶基板の基板表面を次のようにして表面処
理する。
【0034】まず、基板表面が清浄化されたSi単結晶
基板を真空槽中に配置し、酸化性ガスを導入しつつ加熱
して、Si単結晶基板表面に、Si酸化物層を形成す
る。酸化性ガスとしては、酸素、オゾン、原子状酸素、
NO2 等を用いることができる。清浄化されたSi単結
晶基板の基板表面は、上記したように極めて反応性に富
むため、これを保護膜として用い、Si単結晶基板表面
を再配列、汚染などから保護する。上記Si酸化物層の
層厚は、0.2〜10nm程度とすることが好ましい。
0.2nm未満ではSi表面の保護が不完全であるからで
ある。上限を10nmとした理由は、後述する。
【0035】上記の加熱は、300〜700℃の温度
に、0〜10分程度保持して行う。このとき、昇温速度
は、30〜70℃/分程度とする。温度が高すぎたり、
昇温速度が早すぎると、Si酸化膜の形成が不十分にな
り、逆に、温度が低すぎたり、保持時間が長すぎると、
Si酸化膜が厚すぎてしまう。
【0036】酸化性ガスの導入は、例えば酸化性ガスと
して酸素を用いる場合、真空槽内を当初1×10-7〜1
×10-4Torr程度の真空にし、酸化性ガスの導入によ
り、少なくともSi単結晶基板の近傍の雰囲気の酸素分
圧が1×10-4となるようにして行うことが好ましい。
この雰囲気の酸素分圧が上限となる状態は純酸素状態で
あるが、空気であってもよく、特に1×10-1Torr程度
以下であることが好ましい。
【0037】上記工程後、真空中で加熱する。Si表面
結晶は、保護膜により、保護されているので、残留ガス
である炭化水素と反応してSiC膜が形成される等の汚
染がない。
【0038】加熱温度は、600〜1200℃、特に7
00〜1100℃とすることが好ましい。600℃未満
であると、Si単結晶基板表面に後述する1×1構造が
得られない。1200℃を超えると、保護膜によるSi
表面結晶の保護が十分でなくSi単結晶基板の結晶性が
乱れてしまう。
【0039】ついで、Zrと酸化性ガスまたはZrおよ
び希土類(Yを含む)金属と酸化性ガスを表面に供給す
る。この過程でZr等の金属は、前工程で形成したSi
酸化物による保護膜を還元し、除去する。同時に露出し
たSi表面結晶表面にZrと酸素またはZrと希土類金
属(Yを含む)および酸素により、1×1の表面構造が
形成される。本発明においては、上記Zrの替わりにア
ルカリ土類金属、希土類金属(Sc、Yを含む)、Z
r、Hrの少なくとも1種類の金属を用いてもよい。
【0040】すなわち、本発明のSi基板は、Si単結
晶で構成され、その基板表面が、アルカリ土類、希土類
(Sc、Yを含む)、Zr、Hfの少なくとも1種類の
金属と酸素とにより形成された実質的に1×1の表面構
造を有する。
【0041】表面構造は、反射高速電子線回折(Reflec
tion High Energy Electron Diffraction :以下、RH
EEDと称する)による像のパターンで調べることがで
きる。例えば、本発明が目的とする1×1の表面構造の
場合、電子線入射方向が[110]で図2の(a)に示
したような1倍周期C1の完全なストリークパターンと
なり、入射方向を[1-10]にしても全く同じパターン
となる。一方、Si単結晶清浄表面は、1×2、2×
1、または、1×2と2×1が混在している表面構造と
なる。このような場合には、RHEED像のパターン
は、電子線の入射方向[110]または[1-10]のい
ずれか、または両方で図2の(b)に示したような、1
倍周期C1と2倍周期C2を持つパターンになる。本発
明の1×1の表面構造においては、上記RHEEDのパ
ターンでみて、入射方向が[110]および[1-10]
両方で、図2の(b)の2倍周期C2が見られない。
【0042】またSi清浄表面は、1×1構造を示す場
合がある。われわれの実験でも何度か観察されたが、1
×1を示す条件は、不明確で安定に再現性よく1×1を
Si清浄面で得ることは、現状では不可能である。
【0043】1×2、2×1、1×1いずれの構造のS
i清浄面は、真空中、高温で汚染されやすく、特に残留
ガス中に含まれる炭化水素と反応し表面にSiCを形成
し、基板表面の結晶が乱れる。したがって、Si基板上
に酸化膜を結晶成長させる際に適した1×1構造を安定
に形成することがこれまで不可能であった。
【0044】本発明の1×1の表面構造を示す表面は、
上記アルカリ土類、希土類(Sc、Yを含む)、Zr、
Hfの少なくとも1種類の金属をM、酸素およびSiの
相互作用により形成されている。この表面は高温、真空
中で汚染されることなく、安定で、酸化物を結晶成長さ
せる基板として最適である。
【0045】金属Mとして、上記の中から2種以上用い
るときの量比は任意である。
【0046】なお、上記アルカリ土類金属とは、カルシ
ウムCa、ストロンチウムSr、バリウムBa、ラジウ
ムRa、ベリリウムBe、マグネシウムMgを示す。ま
た、希土類金属とは、イットリウムY、ランタンLa、
セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、プロ
メチウムPm、サマリウムSm、ユーロピウムEu、ガ
ドリニウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムD
y、ホルミウムHo、エルビウムEr、ツリウムTm、
イッテルビウムYb、ルテチウムLuおよびスカンジウ
ムScを示す。また単結晶基板の1cm2 程度の狭い領域
では、この方法で単結晶基板上で酸化反応を促進するこ
とができるが、基板面積が10cm2 以上、たとえば直径
2インチの大きな単結晶基板面積に成膜するためには図
1のように基板を回転させ、高酸素分圧を基板全面に供
給することにより、大面積での膜作製が可能となる。こ
のとき、基板の回転数は、10rpm 以上であることが望
ましい。回転数が遅いと膜厚方向および面内でZr、
Y、Oのそれぞれの組成分布が生じるためである。この
基板の回転数の上限は特にないが、通常は真空装置の機
構上120rpm 程度である。
【0047】上記ZrO2 への希土類金属(Yを含む)
の添加は以下の効果がある。
【0048】ZrO2 単体は高温から立方晶→正方晶→
室温で単斜晶と相転移を起こす。立方晶を安定化するた
めに、希土類金属(Yを含む)を添加したものが安定化
ジルコニアである。ZrO2 をペロブスカイト結晶成長
用のバッファ層として用いるためには対象性の高い立方
晶の膜を用いる方が好ましい。そのため、Zr、希土類
金属(Yを含む)の各金属元素を別々の蒸発源からZr
/希土類金属の比を制御しつつ同時に蒸発させて単結晶
基板に蒸着せしめる。ここで、蒸発源からの希土類金属
(Yを含む)/Zrのモル比は、0〜3.0、好ましく
は0.25〜1.0であることが好ましい。これによ
り、上記好ましい組成比の第1エピタキシャル酸化物薄
膜を得ることができる。
【0049】ついで、Zrの供給量を徐々に減少し、希
土類金属(Yを含む)/Zrのモル比を増大させ、組成
傾斜膜を形成する。Zrの供給量を徐々に減少するに
は、Zr蒸発源への供給電力のみを徐々に下げるか、そ
れとともに希土類金属の蒸発源への供給電力を増大して
行えばよい。最終的には、Zrの供給を停止し、希土類
金属の酸化物のみの第2エピタキシャル酸化物薄膜を形
成する。
【0050】以上、製造方法の詳細を説明したが、この
製造方法は、従来の真空蒸着法、スパッタリング法、レ
ーザーアブレーション法の比較において特に明確なごと
く、不純物の介在の余地のない、しかも制御しやすい操
作条件化で実施うるため、再現性よく完全性が高い目的
物を大面積で得るのに好適である。さらに本方法をMB
E装置を用いても、全く同様にして目的薄膜を得ること
ができる。
【0051】以上のようにして得られた電子デバイス用
基板は、例えば、そのままの構造で半導体プロセスによ
り加工し、従来のSiO2 を代替することによりDRA
M用のコンデンサおよびゲートとして構成が可能であ
る。さらに本基板上に機能膜としてSiを形成すること
によりSOIデバイスとして応用でき、また強誘電体、
超電導体の機能膜を形成することにより、不揮発性メモ
リ、赤外線センサ、光偏重器、光スイッチOEIC、S
QUID、ジョセフソン素子、超電導トランジスタ、電
磁波および超電導配線LSIに応用することができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0053】酸化物薄膜を成長させる単結晶基板とし
て、その表面が(100)面となるように切断、鏡面研
磨したSi単結晶ウエハー用いた。鏡面表面は購入後4
0%フッ化アンモニウム水溶液により、エッチング洗浄
を行った。なお、Si基板は、直径2インチの円形基板
を用いた。
【0054】真空槽内に設置された回転および加熱機構
を備えた基板ホルダーに上記単結晶基板を固定し、真空
蒸着槽を10-6Torrまで油拡散ポンプにより排気した
後、基板を900℃に加熱し、回転させる。回転数は2
0rpm とした。
【0055】その後、金属ZrおよびPrをそれぞれ独
立した蒸発源からPr/Zrモル比で0.45に制御し
つつ同時に供給した。この時は酸素は導入しない。供給
量をZr+Pr合金の膜厚に換算して0.2nmに達した
ならば、ノズルから酸素ガスを25cc/分の割合で導入
し、金属と酸素を反応させ約10nmのPSZ(ZrO2
にPrをドープさせた材料)膜を形成した。
【0056】ついで、蒸発のためのエネルギー供給装置
のパワーを下げることにより、Zrの供給を徐々に減少
させ、蒸発源からのPr/Zrモル比を徐々に増大させ
最終的にPr100%とした。ここで、本製法では、金
属ZrおよびPrをそれぞれ独立した蒸発源から供給し
ているためこの操作が可能となっている。Pr/Zrモ
ル比を増大させはじめてから、最終的にPr100%ま
での組成傾斜領域は30nmとした。
【0057】さらに、Pr100%の供給量でPr酸化
物を10nm成膜し、PSZとPr酸化物の組成傾斜構造
を得た。
【0058】本実施例で得られた薄膜について測定した
X線の結果を図2に示す。図にはPSZの(004)ピ
ークが明瞭に観察されている。このピークは、はじめに
10nm形成したPSZの結晶からの回折であり、Si基
板の結晶構造、対称性を反映した方位に強く配向した結
晶膜が得られていることがわかる。さらに、このピーク
の左側にブロードなテールが見られる。これは、PSZ
からPr酸化物に組成が傾斜して形成されていることを
示すものである。格子定数が徐々に変化していることを
がよくわかる。
【0059】さらに、図3にこの薄膜のRHEED ( R
eflection High Energy Electron Diffraction )パター
ンを示す。電子線の入射方向はSi基板の(110)方
向からである。この結果からわかるように、この構造の
薄膜表面の回折パターンは、シャープなストリーク状に
なっていることから、膜は単結晶で、その表面は平坦で
あることがわかる。
【0060】ここで、傾斜層の効果を明確にするため、
このPSZからPr酸化物膜に組成が傾斜的に変化して
いる構造膜と、PSZとPr酸化物の2層構造の膜の比
較例を示す。
【0061】はじめに、図4に、PSZとPr酸化物の
2層構造の膜のRHEEDパターンを示す。
【0062】回折パターンは、シャープでストリーク状
になっていることから、膜は単結晶で、その表面は平坦
であることがわかる。しかし、図3のようにシャープで
ない。これらは、図4の膜は、図3の膜に比べ、表面の
結晶の配列が悪く、結晶の対称性も劣ることを示してい
る。
【0063】次に、この2種類の膜をバッファ層として
上に機能膜であるBaTiO3 を形成し、YBCOの結
晶性をXRD(X線回折)により評価した。XRDにお
けるYBCO膜結晶の(005)反射ピークのロッキン
グカーブ半値幅は、2層構造のバッファ層を用いた場
合、1.9度であり、本発明の傾斜構造を用いた場合、
0.9度となり機能膜YBCOの結晶性を著しく改善で
きることがわかる。これは、図3および図4の比較でわ
かるように、バッファ層としての傾斜構造膜の表面結晶
が優れるためである。
【0064】また、YBCOの超電導臨界電流密度を測
定したところ、2層構造のバッファそうにおいては、2
×105 (A/cm2 )であったものに対して、本発明の
傾斜構造を用いた場合1×107 (A/cm2 )と優れた
特性を示した。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による傾斜
構造膜は、組成Zr1-x x2-δのエピタキシャル酸
化物膜におけるRと前記Yを含む希土類エピタキシャル
酸化物膜における金属元素を同種のものとして、このZ
1-x x2-δのエピタキシャル酸化物膜からYを含
む希土類エピタキシャル酸化物膜に組成が傾斜的に変化
させた構造をしているため、Zr1-x x2-δのエピ
タキシャル酸化物膜からYを含む希土類エピタキシャル
酸化物膜に組成が傾斜的に変化させた構造をしているた
め、Zr1-x x2-δのエピタキシャル酸化物膜とY
を含む希土類エピタキシャル酸化物結晶の間に格子不整
合が存在しないため、Yを含む希土類酸化物膜の最表面
の結晶性が優れる。この構造体は、結晶性の優れた機能
膜を得るための、結晶性の優れた表面をもつバッファ層
を具備した電子デバイス用基板として、利用価値の高い
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子デバイス用基板の製造方法に用い
られる蒸着装置の1例を示す図である。
【図2】本発明の実施例により単結晶基板上に得られた
薄膜のX線回折図である。
【図3】本発明の実施例の電子デバイス用基板の薄膜の
結晶構造を示す図面代用写真であって、Si単結晶基板
の[110]方向から電子線を入射した場合の薄膜の反
射高速電子線回析パターンを示すものである。
【図4】比較例の実施例の電子デバイス用基板の薄膜の
結晶構造を示す図面代用写真であって、Si単結晶基板
の[110]方向から電子線を入射した場合の薄膜の反
射高速電子線回析パターンを示すものである。
【符号の説明】
1 蒸着装置 1a 真空槽 2 単結晶基板 3 ホルダ 4 回転軸 5 モータ 6 ヒータ 7 酸化性ガス供給装置 8 酸化性ガス供給口 9 Zr蒸発部 10 希土類金属蒸発部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si単結晶基板、この基板上に形成さ
    れ、組成Zr1-x x2-δ(ここで、RはYを含む希
    土類金属であり、x=0〜0.75である)の第1エピ
    タキシャル酸化薄膜、この第1エピタキシャル酸化物薄
    膜上に形成され、組成が上記Zr1-x x2-δでZr
    の含有量が徐々に減少した組成傾斜膜、およびこの組成
    傾斜膜上に形成され、前記Rの酸化物の第2エピタキシ
    ャル酸化物膜を備え、前記第1および第2エピタキシャ
    ル酸化物薄膜と前記組成傾斜膜がRが全て同一希土類金
    属であることを特徴とする電子デバイス用基板。
  2. 【請求項2】 組成が、第1エピタキシャル酸化物薄膜
    から第2エピタキシャル酸化物薄膜まで連続的に変化し
    ている請求項1の電子デバイス用基板。
  3. 【請求項3】 前記単結晶基板の前記酸化物薄膜形成面
    である基板表面の面積が、10cm2 以上である請求項1
    の電子デバイス用基板。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの電子デバ
    イス用基板の製造方法であって、 真空層内で、Si単結晶基板の加熱、真空層内への酸化
    性ガスの導入、およびZrまたはZrと少なくとも1種
    の希土類金属(Yを含む)の単結晶基板表面への蒸発に
    よる供給を行い、前記単結晶基板の基板表面に、前記酸
    化物薄膜をエピタキシャル成長させて前記組成の第1エ
    ピタキシャル酸化物薄膜を形成し、ついでZrの供給量
    を徐々に減らして、前記組成傾斜膜を形成し、最後に、
    Zrの供給を停止して、希土類金属のみを供給して第2
    エピタキシャル酸化物薄膜を形成することを特徴とする
    電子デバイス用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記Si表面処理基板として、その前記
    基板表面に0.2〜10nmのSi酸化物層を形成し、こ
    の後、基板温度を600〜1200℃に設定するととも
    に、前記真空層内に酸化性ガスを導入して少なくとも基
    板近傍の雰囲気を1×10-4〜1×10-1Torrとして、
    この状態で、前記Si酸化物層が形成された基板表面
    に、ZrまたはZrと少なくとも1種の希土類金属(Y
    を含む)とを蒸発により供給して、前記処理したSi単
    結晶基板を用いる請求項4の電子デバイス用基板。
  6. 【請求項6】 前記Si酸化物を形成する際、酸化性ガ
    スを導入した真空層内で、Si単結晶基板を300〜7
    00℃に加熱し、真空層内の少なくとも基板近傍の雰囲
    気の酸素分圧を1×10-4Torr以上として、Si酸化物
    層を形成する請求項5の電子デバイス用基板。
  7. 【請求項7】 前記単結晶基板の表面にその近傍から酸
    化性ガスを噴射し、この前記単結晶板近傍だけ他の部分
    より酸化性ガス分圧の高い雰囲気を作る請求項4〜6の
    いずれかの電子デバイス用基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記単結晶基板を、基板表面面積が10
    cm2 以上のものとするとともに、基板面内で回転するこ
    とにより、前記酸化性ガス高分圧雰囲気を前記単結晶基
    板の全体にわたって供し、この結晶基板の全基板表面に
    わたって実質的に均一な酸化物薄膜を形成する請求項7
    の電子デバイス用基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記単結晶基板として、Si単結晶を、
    その(100)面が基板表面となるように用いる請求項
    4〜8のいずれかの電子デバイス用基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記単結晶基板として、Si単結晶
    を、その(111)面が基板表面となるように用いる請
    求項4〜8のいずれかの電子デバイス用基板の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記単結晶基板を750℃以上に加熱
    する請求項4〜10のいずれかの電子デバイス用基板の
    製造方法。
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