JPH11312684A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH11312684A
JPH11312684A JP13469298A JP13469298A JPH11312684A JP H11312684 A JPH11312684 A JP H11312684A JP 13469298 A JP13469298 A JP 13469298A JP 13469298 A JP13469298 A JP 13469298A JP H11312684 A JPH11312684 A JP H11312684A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐圧性及び高速動作性に優れたバイポーラ型
トランジスタを含む半導体装置を提供する。 【解決手段】 半導体結晶基板11に形成されたエミッ
タ領域12と、該エミッタ領域を取り囲んで配置され、
外部ベース部15が設けられたベース領域13と、該ベ
ース領域を取り囲んで配置され、低抵抗部17が設けら
れたコレクタ領域14とを備えるバイポーラ型トランジ
スタを含む半導体装置(10、40)において、エミッ
タ領域12と低抵抗部17との最短距離(L1+L2、
L1′+L3)を、エミッタ領域12と外部ベース部1
5との最短距離(L1、L1′)よりも長くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイポーラ型トラ
ンジスタを含む半導体装置及びその製造方法に関し、特
に、耐圧性及び高速動作性に優れた高集積半導体装置及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バイポーラ型トランジスタ構造を有する
半導体装置は、例えばp型のシリコン基板内に形成され
たn型のコレクタ領域、該コレクタ領域に接合するp型
のベース領域及び該ベース領域に接合するn型のエミッ
タ領域を備える。一般的に、ベース領域はエミッタ領域
を取り囲んで配置され、コレクタ領域はベース領域を取
り囲んで配置されている。
【0003】また、コレクタ領域には、該コレクタ領域
内の不純物濃度より高い不純物濃度を有し該コレクタ領
域の導電型と同一導電型を示す低抵抗部が設けられ、ベ
ース領域には、高速動作を図るための、該ベース領域内
の不純物濃度より高い不純物濃度を有し該コレクタ領域
の導電型と同一導電型を示す外部ベース部が設けられて
いる。低抵抗部及び外部ベース部は、それぞれ、コレク
タ領域に埋め込まれている。低抵抗部及び外部ベース部
は、それぞれ、コレクタ領域及びベース領域の電気接続
部を構成し、これにより、バイポーラ型トランジスタの
高速化が図られる。
【0004】このような半導体装置の従来の製造では、
ベース領域及びエミッタ領域を形成するための不純物の
導入領域を規定するマスクの形成後、該マスクの両側の
コレクタ領域を形成するための拡散領域に、外部ベース
部及び低抵抗部が、それぞれ、マスクの各側の側面に近
接して対称的に埋め込まれて形成される。そのため、前
記バイポーラ型トランジスタ構造では、エミッタ領域と
外部ベース部との最短距離及びエミッタ領域と低抵抗部
との最短距離は、等しく形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、バイポーラ
型トランジスタ構造では、一般的に、エミッタ領域と低
抵抗部との間の最短距離は、トランジスタ素子の耐圧性
に大きな影響を与え、該耐圧性を高めるために、エミッ
タ領域と低抵抗部との間の最短距離を大きく設定する必
要がある。また、エミッタ領域と外部ベース部との最短
距離は、トランジスタ素子の高速動作性に大きな影響を
与え、該高速動作性を高めるために、エミッタ領域と外
部ベース部との最短距離を小さく設定する必要がある。
【0006】ところが、前記したような従来なバイポー
ラ型トランジスタでは、低抵抗部及び外部ベース部はエ
ミッタ領域の両側に対称的に配置されており、前記両最
短距離は等しくなる。このことから、耐圧性の向上を図
るためにエミッタ領域及び低抵抗部間の距離を大きく形
成すると、エミッタ領域及び外部ベース部間の距離も大
きくなり、そのため、高速動作性が低下する。他方、高
速動作性の向上を図るためにエミッタ領域及び外部ベー
ス部間の距離を小さく形成すると、エミッタ領域及び低
抵抗部間の距離も小さくなることから、耐圧性が低下す
る。いずれにしても、素子の耐圧性及び高速動作性を共
に高めることはできなかった。そのため、耐圧性及び高
速動作性に優れたバイポーラ型トランジスタを含む半導
体装置及びその製造方法が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の点を解
決するために、次の構成を採用する。 〈構成1〉本発明に係る半導体装置は、p型またはn型
の二つの導電型のうちのいずれか一方の導電型を示す半
導体結晶基板に形成され、二つの導電型のうちの他方の
導電型を示すエミッタ領域と、該エミッタ領域を取り囲
んで配置され、一方の導電型を示し、電気的な接続のた
めの外部ベース部が設けられたベース領域と、該ベース
領域を取り囲んで配置され、他方の導電型を示し、電気
的な接続のための低抵抗部が設けられたコレクタ領域と
を備えるバイポーラ型トランジスタを含み、エミッタ領
域と低抵抗部との最短距離は、エミッタ領域と外部ベー
ス部との最短距離よりも長いことを特徴とする。
【0008】〈作用1〉本発明に係るバイポーラ型トラ
ンジスタを含む半導体装置では、エミッタ領域と低抵抗
部との最短距離及びエミッタ領域と外部ベース部との最
短距離を、相互に異ならせることにより、エミッタ領域
及び低抵抗部間の最短距離を、所望の耐圧性を得るに十
分な値に設定することができると共に、エミッタ領域及
び外部ベース部間の最短距離を、所望の高速動作性を確
保し得るに十分な値に設定することができる。従って、
本発明に係る半導体装置によれば、所望の優れた耐圧性
及び高速動作性を有するバイポーラ型トランジスタ素子
を含む半導体装置を提供することができる。
【0009】ベース領域に接続している外部ベース部
を、コレクタ領域に埋め込んで配置することができる。
【0010】バイポーラ型トランジスタの機能動作時で
の高速化を図るために、外部ベース部における不純物濃
度を、ベース領域におけるそれよりも高く設定し、低抵
抗部における不純物濃度を、コレクタ領域におけるそれ
よりも高く設定することが望ましい。
【0011】〈構成2〉本発明に係る半導体装置の製造
方法は、p型またはn型の二つの導電型のうちのいずれ
か一方の導電型を示す半導体結晶基板に、二つの導電型
のうちの他方の導電型を示す拡散領域を形成すること、
該拡散領域の中央部上に、上層及び下層からなる積層構
造を有する積層マスクを形成すること、拡散領域におけ
る外部ベース部の形成のための第1の領域を除く領域を
覆い且つ上層の上面に至る第1の補助マスクと積層マス
クとで構成された第1のイオン注入用マスクを用いた選
択イオン注入により、一方の導電型を示す外部ベース部
を形成すること、第1の補助マスクを除去し、拡散領域
における低抵抗部の形成のための第2の領域を除く領域
を覆い且つ上層の上面に至る第2の補助マスクと積層マ
スクとで構成された第2のイオン注入用マスクを用いた
選択イオン注入により、他方の導電型を示す低抵抗部を
形成することを含む。
【0012】本発明の製造方法は、前記した外部ベース
部の形成のための第1の領域へのイオン注入に際して、
積層マスクの第1の領域に近接する側部を、第1のイオ
ン注入用マスクの縁部として、選択的なイオン注入が行
われ、前記した低抵抗部の形成のための第2の領域への
イオン注入に際して、積層マスクの第2の領域に近接す
る側面に形成された該側面を覆う側壁部を、第2のイオ
ン注入用マスクの一部として、選択的なイオン注入が行
われ、その後、側壁部及び上層を除去し、下層を熱酸化
抑制作用を有する抑制膜とした熱酸化により、拡散領域
上に酸化膜が形成され、その後、下層が除去され、酸化
膜をイオン注入用マスクとしたイオン注入により、外部
ベース部に接続する一方の導電型を示すベース領域の形
成のための一方の導電型の不純物が拡散領域の一部に導
入され、その後、他方の導電型を示すエミッタ領域の形
成のための他方の導電型の不純物がベース領域の酸化膜
により規定される部分に導入され、ベース領域及びエミ
ッタ領域を除く拡散領域で他方の導電型を示すコレクタ
領域が構成されることを特徴とする。
【0013】〈作用2〉本発明に係るバイポーラ型トラ
ンジスタを含む半導体装置の製造方法では、外部ベース
部が、積層マスクの外部ベース部に近接する側面に側壁
部がない状態で、第1の領域へのイオン注入により形成
される。他方、低抵抗部が、積層マスクの低抵抗部に近
接する側面に側壁部が配置されて形成された状態で、第
2の領域へのイオン注入により形成される。また、エミ
ッタ領域は、側壁部を除去した後、積層マスクの下層を
用いて形成された酸化膜により規定される。このことか
ら、エミッタ領域と、低抵抗部及び外部ベース部との両
最短距離間に、側壁部の幅寸法すなわち側壁部の有無に
応じた差が生じる。これにより、エミッタ領域と低抵抗
部との最短距離は、エミッタ領域と外部ベース部との最
短距離よりも側壁部の幅寸法分長く形成される。
【0014】従って、本発明に係る半導体装置の製造方
法によれば、エミッタ領域と低抵抗部との最短距離及び
エミッタ領域と外部ベース部との最短距離を、それぞ
れ、トランジスタ素子の耐圧性及び高速動作性を高める
に最適な値に設定することができることから、耐圧性及
び高速動作性のうちいずれか一方の特性を犠牲にするこ
となく、両特性に優れるバイポーラ型トランジスタを含
む半導体装置を容易に製造することができる。
【0015】外部ベース部の形成のために、積層マスク
全側面を覆う側壁部を形成した後積層マスクの第1の領
域に近接する側面上の側壁部を除去し、その後、第1の
領域へのイオン注入を行うことができる。
【0016】また、外部ベース部の形成のために、積層
マスク全側面を覆う側壁部の形成に先立って、第1の領
域へのイオン注入を行うことができる。これにより、側
壁部を部分的に除去することなく、外部ベース部を形成
することができる。
【0017】積層マスクの下層の側面を、等方性エッチ
ングにより、積層マスクの側面を規定する上層の縁部よ
りも後退させることができる。等方性エッチングとし
て、熱燐酸を用いたウェットエッチングを利用すること
ができ、また、これに代えて、フッ素イオンを用いた等
方性ドライエッチングを利用することができる。このよ
うな段階的な積層マスクを用いることにより、該積層マ
スクに形成される側壁部の幅寸法の増大を招くことな
く、低抵抗部とエミッタ領域との距離を増大することが
できる。従って、前記側壁部の幅寸法の増大により起因
する製造上のデメリットを招くことなく、耐圧性の向上
を図ることができる。
【0018】半導体結晶基板として、シリコン結晶を用
いることができ、積層マスクの上層を、シリコン酸化膜
で形成することができ、積層マスクの下層を、シリコン
窒化膜で形成することができる。また、側壁部をシリコ
ン酸化膜で形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
について詳細に説明する。 〈具体例1〉図1は、本発明に係るバイポーラ型トラン
ジスタを含む半導体装置の具体例1の断面図を示す。本
発明に係る半導体装置10では、半導体基板として、p
型のシリコン基板11が用いられている。このシリコン
基板には、該基板の表面からみて上面12aがほぼ円形
で示される平板状のn型のエミッタ領域12と、該エミ
ッタ領域の下面12bを取り囲んで配置された円形皿状
のp型のベース領域13と、該ベース領域の下面13a
を取り囲んで配置されたn型のコレクタ領域14とが設
けられている。
【0020】ベース領域13の下面には、該ベース領域
の外縁からエミッタ領域12の径方向外方へ向けて伸び
る外部ベース部15が設けられている。外部ベース部1
5は、従来よく知られているように、ベース領域13と
同一導電型のp型を示し、また、ベース領域13とベー
ス電極16との間に電気的に良好なオーミック接続を得
るために、外部ベース部15に添加された不純物の濃度
は、ベース領域のそれよりも高く設定されている。
【0021】コレクタ領域14の上面には、低抵抗部1
7が設けられている。該低抵抗部17は、従来よく知ら
れているように、コレクタ領域14と同一導電型のn型
を示し、また、コレクタ領域14とコレクタ電極18と
の間に電気的に良好なオーミック接続を得るために、低
抵抗部17に添加された不純物の濃度は、コレクタ領域
14のそれよりも高く設定されている。外部ベース部1
5及び低抵抗部17は、それぞれ、エミッタ領域12の
両側のコレクタ領域14内に埋められて配置されてい
る。
【0022】また、エミッタ領域12の上面には、該領
域への電気的な接続のための配線部分として、n型を示
す導電型の不純物が添加された多結晶シリコン19が設
けられている。
【0023】図示の例では、エミッタ領域12とコレク
タ領域14との間に介在するベース領域13の厚さ寸法
は、エミッタ領域12の中心軸20に関して対称的に設
定されている。しかし、エミッタ領域12の一側に配置
されている外部ベース部15とエミッタ領域12との間
には、ベース領域13の外縁部の厚みによる間隔L1の
みが存在するのに対し、エミッタ領域12の他側に配置
されている低抵抗部17とエミッタ領域12との間に
は、ベース領域13の外縁部の厚みによる間隔L1に加
えて、さらに、該外縁部と低抵抗部17との間のコレク
タ領域14の一部によって規定される間隔L2が存在す
る。そのため、エミッタ領域12と低抵抗部17との最
短距離L1とL2との和は、エミッタ領域12と外部ベ
ース部15との最短距離L1よりもL2分、長く形成さ
れている。
【0024】ベース領域13に設けられる高濃度不純物
を含む外部ベース部15及びコレクタ領域14に設けら
れる高濃度不純物を含む低抵抗部17は、従来よく知ら
れているように、前記オーミックコンタクトを可能にす
ると共に、素子の高速化を可能とする。しかも、前記し
たように、エミッタ領域12と外部ベース部15との間
に印加される電圧に比較して高い電圧が印加されるエミ
ッタ領域12と低抵抗部17との間の最短距離(L1+
L2)は、エミッタ領域12と外部ベース部15との間
の最短距離(L1)よりも大きく設定されていることか
ら、素子の高い耐圧性が得られる。
【0025】このような高速動作性及び耐圧性の両特性
に優れた半導体装置10は、例えば図2及び図3に示さ
れた製造工程により、製造することができる。図2及び
図3は、本発明に係るバイポーラ型トランジスタを含む
半導体装置の具体例1の製造工程を示す。図2(a)に
示されているように、例えば前記したp型のシリコン基
板11には、素子分離のための高濃度不純物拡散層から
なるp型の素子分離拡散領域21及び該素子分離拡散領
域上の例えば10000Åの厚さ寸法を有するシリコン
酸化膜22が形成される。この素子分離拡散領域21及
びシリコン酸化膜22からなる素子分離構造により、バ
イポーラ型トランジスタのための素子領域23が規定さ
れている。
【0026】素子領域23には、従来よく知られている
ように、n型の不純物が拡散され、この拡散により、活
性領域24が形成されている。該活性領域すなわち拡散
領域24の上面に、例えば100〜150Åの厚さ寸法
を有するシリコン酸化膜25が、パッド酸化膜として形
成されている。このシリコン酸化膜25のほぼ中央部上
に、平面形状がほぼ円形のシリコン窒化膜26が形成さ
れる。また、該シリコン窒化膜上に、シリコン酸化膜2
7が形成されている。このシリコン窒化膜26及びシリ
コン酸化膜27により、積層マスク28が構成される。
この積層マスク28の形成について、フォトリソグラフ
及びエッチングが利用されている。
【0027】積層マスク28の表面を含む半導体基板1
1上の全面に例えばCVD法を用いて、シリコン酸化膜
が形成される。その後、選択的なエッチングにより、図
2(b)に示されているように、積層マスク28の全側
面を覆う側壁部29が形成される。側壁部29は、幅寸
法Wを有する。
【0028】側壁部29の形成後、前記外部ベース部1
5を形成するために、フォトリソグラフにより、図2
(c)に示されているように、フォトレジストからなる
第1の補助マスク30が形成される。該第1の補助マス
クをエッチングマスクとして、拡散領域24上にエッチ
ングを施すことにより、積層マスク28の側面に形成さ
れた第1の補助マスク30から露出された側壁部29a
及びシリコン酸化膜27の一半27aが、除去される。
この第1の補助マスク30とシリコン酸化膜27aが除
去された積層マスク28とにより、第1のイオン注入用
マスク31が構成され、これにより、外部ベース部15
の形成領域すなわち第1の領域32が規定される。
【0029】その後、第1のイオン注入用マスク31を
用いた選択イオン注入により、第1の領域32に、例え
ばホウ素がp型不純物として注入され、このp型の不純
物が添加された第1の領域32により、外部ベース部1
5が形成される。外部ベース部15は、積層マスク28
の側面に形成された側壁部29の一側29aが除去され
た状態で形成されることから、この外部ベース部15の
積層マスク28に近接する側面15aは、積層マスク2
8の側面より規定される。
【0030】外部ベース部15を形成した後、前記低抵
抗部17を形成するために、第1の補助マスク30が除
去される。その後、フォトリソグラフにより、図3
(a)に示されているように、フォトレジストからなる
第2の補助マスク33が、外部ベース部15を覆って形
成される。この第2の補助マスク33は、外部ベース部
15上から、積層マスク28のシリコン窒化膜26の露
出面部上に伸びる。図示の例では、第2の補助マスク3
3は、さらにシリコン酸化膜27の他半27bに伸びて
いる。この第2の補助マスク33と、シリコン酸化膜2
7bが残った積層マスク28と、積層マスク28の側面
に残った側壁部29の他側29bとにより、第2のイオ
ン注入用マスク34が構成され、これにより、低抵抗部
17の形成領域すなわち第2の領域35が規定される。
【0031】その後、第2の領域35に、第2のイオン
注入用マスク34を用いた例えばリンをn型不純物とす
るイオン注入が行われ、このn型の不純物が添加された
第2の領域35により、低抵抗部17が形成される。低
抵抗部17は、積層マスク28の側面に形成された側壁
部29bが設けられた状態で形成されることから、この
低抵抗部17の積層マスク28に近接する側面17a
と、積層マスク28の側面との間には、側壁部29bの
幅寸法Wによる間隔が存在する。
【0032】低抵抗部17を形成した後、図2(b)に
示されているように、第2の補助マスク33、側壁部2
9の他側29b及びシリコン酸化膜27の他半27bが
除去される。この除去により露出するシリコン窒化膜2
6を熱酸化の抑制マスクとして、素子領域23に熱酸化
が行われ、これにより、外部ベース部15及び低抵抗部
17を覆って拡散領域24上に、酸化膜36が、シリコ
ン酸化膜22から伸長するように形成される。この酸化
膜36は、拡散領域24上のシリコン窒化膜26によっ
て露出された面部を覆い、さらに、シリコン窒化膜26
の縁部下に入り込む。このことから、酸化膜36の縁部
で規定される内縁36aと低抵抗部17の内縁36aに
近接する前記側面17aとの間隔は、前記内縁36aと
外部ベース部15の内縁36aに近接する前記側面15
aとの間隔に比較して、前記側壁部29の幅寸法W分、
大きくなる。酸化膜36の形成後、円形の平面形状を示
すシリコン窒化膜26が除去される。この除去により、
酸化膜36に覆われない領域37が露出する。
【0033】領域37に、ベース領域13の形成のため
の例えばホウ素をp型の不純物として注入することによ
り、図2(b)に示されているように、n型を示す拡散
領域24の中央部に、p型領域24aが形成される。こ
のp型領域24aの縁部は、外部ベース部15に至る
が、前記幅寸法W分により、低抵抗部17に至らない。
そのため、p型領域24aは、外部ベース部15に電気
的に接続されるが、低抵抗部17の側面17aとの間
に、間隔L2を置く。拡散領域24内へのp型領域24
aの形成により、拡散領域24内のp型領域24aの外
方部分24bで、コレクタ領域14が構成される。
【0034】その後、例えばCVD法を用いて、多結晶
シリコン19が、シリコン基板11上の全面を覆って形
成される。この多結晶シリコン19に、砒素などのn型
の不純物イオン注入を行うことにより、n型の不純物
が、多結晶シリコン19下の領域37へ拡散する。この
拡散により、p型領域24a内には、n型のエミッタ領
域12が構成される。また、p型領域24aのエミッタ
領域12を除く部分で、p型のベース領域13が構成さ
れる。ベース領域13の厚さ寸法は、前記不純物の拡散
により形成されることから、前記円形のシリコン窒化膜
26による中心軸20に関してほぼ対称であり、このベ
ース領域13の外縁部の厚さ寸法は、トランジスタ素子
としての所定の性能を確保する上で、必要な、従来とほ
ぼ同様な値L1に設定されている。
【0035】エミッタ領域12、ベース領域13及びコ
レクタ領域14を形成した後、図3(c)に示されてい
るように、多結晶シリコン19が選択的に酸化される。
この多結晶シリコンは、エミッタ領域12の配線として
利用される。その後、図1に示されているように、従来
よく知られたようなコンタクトホール、該コンタクトホ
ールに関連した前記電極16及び18が形成される。
【0036】図示の例では、前記したように、エミッタ
領域12の一側に配置されている外部ベース部15とエ
ミッタ領域12との間には、ベース領域13の外縁部の
厚みL1による間隔が形成される。これに対し、エミッ
タ領域12の他側に配置されている低抵抗部17とエミ
ッタ領域12との間には、ベース領域13の外縁部の厚
みL1及び該外縁部と低抵抗部17との間にある間隔L
2による間隔が形成される。これにより、エミッタ領域
12と低抵抗部17との最短距離L1とL2との和が、
エミッタ領域12と外部ベース部15との最短距離L1
よりもL2分、長くなる。従って、本発明に係る半導体
装置10の製造方法によれば、耐圧性及び高速動作性の
両特性に優れるバイポーラ型トランジスタを含む半導体
装置10を容易に製造することができる。
【0037】前記したところでは、エミッタ領域12及
び低抵抗部17間の最短距離を従来より長く設定し、し
かも、該最短距離をエミッタ領域12及び外部ベース部
15間の最短距離と異ならせるために、積層マスク28
の側面を覆う側壁部29を形成した後、該側壁部を部分
的に除去し、その後、外部ベース部15が形成される半
導体装置10の製造方法について説明した。これに代え
て、具体例2で示すように、積層マスク28の側面を覆
う側壁部29の形成に先だって、外部ベース部15を形
成することができる。
【0038】〈具体例2〉図4及び図5は、本発明に係
るバイポーラ型トランジスタを含む半導体装置40の具
体例2の製造工程を示す。図4及び図5に示されている
半導体装置40の製造工程では、前記した図2及び図3
に示された製造工程におけると同様に、p型のシリコン
基板11及び該基板上に形成された積層マスク28が用
いられている。
【0039】この積層マスク28は、前記図2(a)と
実質的に同様なステップを示す図4(a)に示されてい
るように、n型の拡散領域24上に形成されたシリコン
窒化膜26及びシリコン酸化膜27により構成される。
拡散領域24が形成されている素子領域23は、シリコ
ン基板11に形成された素子分離拡散領域21及び該領
域上のシリコン酸化膜22からなる素子分離構造により
規定される。
【0040】素子領域23に、外部ベース部15を形成
するために、フォトリソグラフにより、図4(a)に示
されているように、フォトレジストからなる第1の補助
マスク41が、積層マスク28の上面に至って形成され
る。この第1の補助マスク41及び積層マスク28で構
成された第1のイオン注入用マスク42を用いて、該第
1のイオン注入用マスクによって規定された第1の領域
32に、例えばホウ素をp型不純物とするイオン注入に
より、図4(b)に示されているように、p型の外部ベ
ース部15が形成される。この外部ベース部15の積層
マスク28に近接する側面15aは、積層マスク28の
側面より規定される。
【0041】外部ベース部15の形成後、第1の補助マ
スク41が除去される。その後、素子領域23に、例え
ば熱燐酸を用いたウェットエッチングあるいはフッ素イ
オンを用いた等方性ドライエッチングを施すことによ
り、積層マスク28の下層すなわちシリコン窒化膜26
の縁部が除去される。すなわち、シリコン窒化膜26の
側面26aは、積層マスク28の上層すなわちシリコン
酸化膜27の側面27cよりも後退させられる。側面2
6aと側面27cとの間隔は、所望のW1の値となって
いる。このW1の間隔により、積層マスク28は、段階
的な形状となる。
【0042】間隔W1の形成後、積層マスク28の表面
を含む素子領域23上の全面に例えばCVD法を行うこ
とにより、シリコン酸化膜が形成される。その後、選択
的なエッチングにより、図4(c)に示されているよう
に、シリコン酸化膜27の側面27cにより規定される
積層マスク28の全側面を覆う側壁部29が形成され
る。側壁部29は、前記したと同様に、例えば幅寸法W
を有する。
【0043】側壁部29の形成後、低抵抗部17を形成
するために、素子領域23上にフォトリソグラフが行わ
れ、これにより、フォトレジストからなる第2の補助マ
スク43が、外部ベース部15を覆って形成される。第
2の補助マスク43は、外部ベース部15上から、積層
マスク28の上に伸びている。第2の補助マスク43
と、積層マスク28と、側壁部29とで構成された第2
のイオン注入用マスク44を用いて、該第2のイオン注
入用マスクにより規定された第2の領域35に、例えば
リンをn型不純物とするイオン注入を行うことにより、
n型の低抵抗部17が形成される。
【0044】図示の例では、外部ベース部15の形成
は、側壁部29の形成前に行われることから、側壁部2
9を部分的に除去する必要はない。そのため、具体例1
の製造工程に必要であった、外部ベース部15を形成す
るために、側壁部29を部分的に除去するエッチング処
理が不要になる。
【0045】また、図示の例では、積層マスク28のシ
リコン窒化膜26及びシリコン酸化膜27間に段差寸法
W1が設定されていることから、側面17aと前記シリ
コン窒化膜26の側面26aとの間には、段差寸法W1
及び側壁部29の幅寸法Wによる間隔(W+W1)が存
在する。
【0046】低抵抗部17を形成した後、前記した半導
体装置10の製造工程におけると同様に、図5(a)及
び図5(b)に示されているように、第2のイオン注入
用マスク44が除去される。その後、シリコン窒化膜2
6を用いた熱酸化により、シリコン窒化膜26の縁部下
に入り込む酸化膜36が形成される。該酸化膜を用い
て、エミッタ領域12、ベース領域13およびコレクタ
領域14が形成される。
【0047】このベース領域13の外縁部は、外部ベー
ス部15に至るが、低抵抗部17の側面17aとの間
に、間隔L3を置く。しかも、この間隔L3は、前記低
抵抗部17の側面17aと前記シリコン窒化膜26の側
面26aとの間隔(W+W1)により、前記具体例1の
製造工程における間隔L2よりも大きくなる。
【0048】エミッタ領域12、ベース領域13及びコ
レクタ領域14の形成後、前記具体例1の製造工程にお
けると同様に、図5(c)に示されているように、従来
よく知られた多結晶シリコンからなる配線19、電極1
6及び18が形成される。
【0049】図示の例では、前記した具体例1の製造工
程におけると同様に、外部ベース部15とエミッタ領域
12との間には、ベース領域13の外縁部の厚みL1′
による間隔が形成され、これに対し、低抵抗部17とエ
ミッタ領域12との間には、ベース領域13の外縁部の
厚みL1′及び該外縁部と低抵抗部17との間隔L3に
よる間隔が形成される。これにより、エミッタ領域12
と低抵抗部17との最短距離L1′とL3との和が、エ
ミッタ領域12と外部ベース部15との最短距離L1′
よりもL3分、長く設定される。しかも、間隔L3は、
前記具体例1の間隔L2より大きく形成されることか
ら、低抵抗部17とエミッタ領域12との間隔は、より
一層大きくなる。
【0050】また、具体例2では、段階的な形状を有す
る積層マスク28を用いることにより、外部ベース部1
5及び低抵抗部17を覆う酸化膜36は、積層マスク2
8の側面27cより後退させた側面26aを有するシリ
コン窒化膜26の縁部下に入り込んで形成されることか
ら、この酸化膜36により規定される領域37にイオン
注入を行うことにより形成されたベース領域13の厚さ
寸法L1′は、具体例1におけるL1よりも大きくな
る。
【0051】従って、本発明に係る具体例2の半導体装
置40の製造方法によれば、前記したように、側壁部2
9の部分的な除去工程を施すことなく、また、側壁部2
9の幅寸法を増大させることなく、エミッタ領域12と
低抵抗部17とのより大きな間隔を得ることができ、し
かも、ベース領域13の厚さ寸法の増大により、必要に
応じて、エミッタ領域12と外部ベース部15との間の
耐圧性を高めることができる。これにより、半導体装置
40の耐圧性をより一層高めることができる。
【0052】具体例2の製造上で利用された段階的な形
状を有する積層マスク28を具体例1に製造に適用する
ことができる。
【0053】
【発明の効果】本発明に係るバイポーラ型トランジスタ
を含む半導体装置では、エミッタ領域と低抵抗部との最
短距離は、エミッタ領域と外部ベース部との最短距離よ
りも長く設定され、これにより、エミッタ領域及び低抵
抗部間の最短距離を、所望の耐圧性を得るに最適な値に
設定することができると共に、エミッタ領域及び外部ベ
ース部間の最短距離を、前記エミッタ領域及び低抵抗部
間の最短距離よりも小さな、所望の高速動作性を確保し
得るに最適な値に設定することができる。従って、本発
明に係る半導体装置によれば、耐圧性及び高速動作性の
両特性に優れたバイポーラ型トランジスタ素子を含む半
導体装置を提供することができる。
【0054】本発明に係るバイポーラ型トランジスタを
含む半導体装置の製造方法では、前記したように、外部
ベース部ための第1の領域へのイオン注入に際し、積層
マスクに実質的に側壁部がない状態で、イオン注入が行
われ、他方、低抵抗部のための第2の領域へのイオン注
入に際し、積層マスクに側壁部が形成された状態で、イ
オン注入が行われる。このことから、エミッタ領域と、
低抵抗部及び外部ベース部との両最短距離間に、側壁部
の幅寸法に応じた差が生じることから、エミッタ領域と
低抵抗部との最短距離は、エミッタ領域と外部ベース部
との最短距離よりも側壁部幅寸法長く形成される。
【0055】従って、本発明に係る半導体装置の製造方
法によれば、エミッタ領域と低抵抗部との最短距離及び
エミッタ領域と外部ベース部との最短距離を、それぞ
れ、トランジスタ素子の耐圧性及び高速動作性を高める
に最適な値に設定することができることから、耐圧性及
び高速動作性のうちいずれか一方の特性を犠牲にするこ
となく、両特性に優れるバイポーラ型トランジスタを含
む半導体装置を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバイポーラ型トランジスタを含む
半導体装置の具体例1を示す断面図である。
【図2】本発明に係る具体例1の製造工程を示す断面図
(その1)である。
【図3】本発明に係る具体例1の製造工程を示す断面図
(その2)である。
【図4】本発明に係る具体例2の製造工程を示す断面図
(その1)である。
【図5】本発明に係る具体例2の製造工程を示す断面図
(その2)である。
【符号の説明】
10、40 半導体装置 11 シリコン基板 12 エミッタ領域 13 ベース領域 14 コレクタ領域 15 外部ベース部 17 低抵抗部 23 素子領域 24 拡散領域 26 シリコン窒化膜(下層) 27 シリコン酸化膜(上層) 28 積層マスク 29 側壁部 30、41 第1の補助マスク 31、42 第1のイオン注入用マスク 32 第1の領域 33、43 第2の補助マスク 34、44 第2のイオン注入用マスク 35 第2の領域 36 酸化膜 L1、L1′ ベース領域の厚さ寸法(エミッタ領域及
び外部ベース部間の最短距離) L1+L2、L1′+L3 エミッタ領域及び低抵抗部
間の最短距離

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型またはn型の二つの導電型のうちの
    いずれか一方の導電型を示す半導体結晶基板に形成さ
    れ、前記二つの導電型のうちの他方の導電型を示すエミ
    ッタ領域と、該エミッタ領域を取り囲んで配置され、前
    記一方の導電型を示すベース領域であって該ベース領域
    への電気的な接続のための外部ベース部が設けられたベ
    ース領域と、前記ベース領域を取り囲んで配置され、前
    記他方の導電型を示すコレクタ領域であって該コレクタ
    領域への電気的な接続のための低抵抗部が設けられたコ
    レクタ領域とを備えるバイポーラ型トランジスタを含
    み、前記エミッタ領域と前記低抵抗部との最短距離は、
    前記エミッタ領域と前記外部ベース部との最短距離より
    も長いことを特徴とする半導体装置。
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