JPH11311474A - 保冷庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却器の除霜を短時間で満遍なく行うことの
できる保冷庫を提供する。 【解決手段】 除霜運転において、庫内の空気が通風路
１ｇ内に流入すると、仕切板２ｂによって流入空気が上
下の空気通路に分流し、それぞれ冷却器２の上面側及び
下面側に送風されることから、ヒータ５の加熱空気が冷
却器２の全体に満遍なく流通する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は生鮮食品の輸送コン
テナ等として用いられる保冷庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の保冷庫としては、前面に
開閉扉を有する断熱性の保冷庫本体と、庫内の底面側に
配置された冷却器と、冷却器を駆動する冷凍装置と、庫
内の空気を循環する送風機とから構成されたものが知ら
れている。

【０００３】ところで、前記保冷庫では扉の開閉による
外気の侵入や収納物の解凍等により発生した水分が霜と
なって冷却器に付着し、これが成長して冷却器の表面を
覆うと、冷却器と庫内空気との伝熱が妨げられて冷却能
力を低下させるという不具合がある。また、冷却器が庫
内の底板や収納物で覆われているため、冷却器の着霜を
容易に確認することができず、着霜により冷却能力の低
下した状態であるにも拘わらず生鮮食品の輸送等に使用
され、収納物の低温保存に支障を来すという欠点もあ
る。

【０００４】そこで、例えば特開平９−２１０５３６号
公報に記載されているように、冷却器の着霜を検知する
センサと、冷却器を加熱可能なヒータとを備え、センサ
によって冷却器の着霜が検知されると、ヒータ及び送風
機を作動し、ヒータによって加熱した空気を冷却器に送
風することにより、冷却器の除霜を行うようにしたもの
が知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来例
では冷却器の近傍に配置したヒータに送風機で空気を送
風しているが、冷却器は多数の伝熱板等を組み合わせた
複雑な構造であるため、除霜用の加熱空気を冷却器全体
に満遍なく流通させることができず、除霜完了まで長時
間を要したり、或いは完全に除霜することができないと
いう問題点があった。また、除霜用のヒータによって特
定の部位の蓄冷材が極度に加熱され、蓄冷材の性状が変
質するという問題点もあった。

【０００６】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、冷却器の除霜を短時
間で満遍なく行うことのできる保冷庫を提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項１では、庫内の所定位置に設置され
た冷却器と、庫内の空気を冷却器を介して循環する送風
機と、冷却器を加熱可能なヒータとを備え、ヒータ及び
送風機を作動することにより冷却器を除霜するようにし
た保冷庫において、除霜時における冷却器の空気流入側
に、冷却器への送風空気を冷却器の複数箇所に向かって
案内する空気案内手段を設けている。これにより、庫内
の空気が冷却器の空気流入側に流入すると、冷却器への
送風空気が空気案内手段によって冷却器の複数箇所に向
かって送風されることから、ヒータの加熱空気が冷却器
の全体に満遍なく流通する。

【０００８】また、請求項２では、請求項１記載の保冷
庫において、前記空気案内手段を冷却器の空気流入側を
複数の空気通路に仕切る仕切板によって形成し、各空気
通路内にそれぞれヒータを配置している。これにより、
請求項１の作用に加え、冷却器への送風空気が仕切板で
仕切られた各空気通路内でそれぞれヒータによって加熱
される。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１乃至図６は本発明の一実施形
態を示すもので、図１は保冷庫の全体斜視図、図２はそ
の側面断面図、図３は着霜センサの斜視図、図４はその
取付状態を示す側面断面図、図５は制御系を示すブロッ
ク図、図６は制御部の動作を示すフローチャートであ
る。

【００１０】この保冷庫は、前面を開口した断熱性の保
冷庫本体１と、庫内を冷却する冷却器２と、冷却器２の
着霜を検知する着霜センサ３と、冷却器２の着霜を外部
に知らせる警告灯４と、冷却器２を除霜するためのヒー
タ５と、庫内の空気を循環する送風機６と、警告灯４、
ヒータ４及び送風機６の動作を制御する制御部７とを備
えている。

【００１１】保冷庫本体１は前面開口部を開閉する扉１
ａを有し、保冷庫本体１の下部には．移動用のキャスタ
１ｂが取付けられている。保冷庫本体１の上部には機械
室１ｃが設けられ、機械室１ｂ内には冷凍装置を構成す
る圧縮機１ｄ，凝縮器１ｅ等が収容されている。また、
保冷庫本体１内の底面側及び背面側には仕切板１ｆによ
って覆われた通風路１ｇが設けられている。

【００１２】冷却器２は保冷庫本体１内の底面側に配置
され、その上方を前記仕切板１ｆによって覆われてい
る。冷却器２は、機械室１ｃの冷凍装置に接続された冷
媒管２ａと、冷媒管２ａに熱的に接触する蓄冷材（図示
せず）とを備え、冷媒管２ａを流通する低温冷媒によっ
て蓄冷材を冷却し、蓄冷材によって庫内を冷却するよう
になっている。また、冷却器２の前面側には冷却器の空
気流入側を上下二つの空気通路に仕切る仕切板２ｂが設
けられている。

【００１３】着霜センサ３は、冷却器２に近接して配置
された温度検出器３ａと、温度検出器３ａを収容する容
器３ｂとからなり、容器３ｂの側面には複数のスリット
状の開口部３ｃが設けられている。この着霜センサ３は
冷却器２の背面側に取付けられ、図４の一点鎖線で示す
ように冷却器２に付着した霜Ａが成長すると、霜Ａによ
って開口部３ｃが閉塞されるようになっている。即ち、
着霜センサ３の開口部３ｃが霜Ａで閉塞されていない場
合は、庫内の循環空気が開口部３ｃを介して容器３ｂ内
に流入するため、温度検出器３ａの検出温度は庫内温度
と近似した温度になるが、着霜センサ３の開口部３ｃが
霜Ａによって閉塞されると、庫内空気が容器３ｂ内に流
入しなくなるため、温度検出器３ａの検出温度は冷却器
２の温度に近づいて低下する。

【００１４】警告灯４は保冷庫本体１の外面に設けら
れ、所定の点灯表示をすることによって冷却器２の着霜
を警告するようになっている。

【００１５】ヒータ５は電熱線からなり、通風路１ｇ内
の仕切板２ｂによって仕切られた各空気通路内にそれぞ
れ冷却器２の前面側に近接して配置されている。また、
保冷庫本体１の外面にはヒータ５を任意に作動させる除
霜スイッチ５ａが設けられている。

【００１６】送風機６は通風路１ｇの上方に設けられ、
通風路１ｇ内の空気を庫内側に吐出するようになってい
る。

【００１７】制御部７はマイクロコンピュータによって
構成され、着霜センサ３、警告灯４、ヒータ５、除霜ス
イッチ５ａ及び送風機６に接続されている。この制御部
７では、着霜センサ３の開口部３ｃが霜Ａによって閉塞
されたことによる検出温度の変化を着霜として検知する
ようになっている。

【００１８】以上のように構成された保冷庫において
は、送風機６の作動により、庫内の空気が通風路１ｇ内
の一端側に吸入され、冷却器２によって冷却された後、
通風路１ｇの他端側から庫内の上部に吹出され、庫内が
冷却される。

【００１９】ここで、制御部７の動作を図６のフローチ
ャートを参照して説明する。即ち、冷却器２の着霜によ
り、着霜センサ３の検出温度Ｔが所定温度Ｔ1 以下にな
ると（Ｓ１）、警告灯４を点灯し（Ｓ２）、除霜スイッ
チ５ａがオンにされると（Ｓ３）、ヒータ５及び送風機
６を作動し（Ｓ４，Ｓ５）、警告灯４の点灯を解除する
（Ｓ６）。これにより、ヒータ５で加熱された空気によ
って冷却器２の除霜が行われ、冷却器２の着霜が解消さ
れて着霜センサ３の検出温度Ｔが所定温度Ｔ1よりも高
くなると（Ｓ７）、ヒータ５を停止し（Ｓ８）、所定時
間ｔが経過したならば（Ｓ９）、送風機６を停止する
（Ｓ１０）。

【００２０】前記除霜運転において、庫内の空気が通風
路１ｇ内に流入すると、仕切板２ｂによって流入空気が
上下の空気通路に分流し、それぞれ冷却器２の上面側及
び下面側に送風される。その際、冷却器２への送風空気
は仕切板２ｂで仕切られた各空気通路内でそれぞれヒー
タ５によって加熱される。

【００２１】このように、本実施形態の保冷庫によれ
ば、除霜時における冷却器２の空気流入側に、流入空気
を冷却器２の上面側及び下面側に向かって案内する仕切
板２ｂを設けたので、ヒータ５の加熱空気を冷却器２の
全体に満遍なく流通させることができ、冷却器２の除霜
を短時間で完全に行うことができる。この場合、仕切板
２ｂによって仕切られた各空気通路内にそれぞれヒータ
５を配置したので、冷却器２の上面側及び下面側への送
風空気をそれぞれ各ヒータ５によって確実に加熱するこ
とができる。

【００２２】尚、前記実施形態ではヒータ５及び仕切板
２ｂを冷却器２の前面側に配置したものを示したが、図
７に示すようにヒータ５及び仕切板２ｂを冷却器２の背
面側に配置し、除霜運転時は送風機６を逆回転させて通
風路１ｇ内の空気を反対方向に送風するようにしてもよ
い。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の保冷庫
によれば、ヒータの加熱空気を冷却器の全体に満遍なく
流通させることができるので、冷却器の除霜を短時間で
完全に行うことができる。

【００２４】また、請求項２の保冷庫によれば、請求項
１の効果に加え、冷却器の複数箇所へ送風空気をそれぞ
れ確実に加熱することができるので、冷却器の除霜をよ
り効率的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す保冷庫の全体斜視図

【図２】保冷庫の側面断面図

【図３】着霜センサの斜視図

【図４】着霜センサの取付状態を示す側面断面図

【図５】制御系を示すブロック図

【図６】制御部の動作を示すフローチャート

【図７】ヒータ及び仕切板の他の配置例を示す保冷庫の
部分側面断面図

【符号の説明】

２…冷却器、２ｂ…仕切板、５…ヒータ、６…送風機。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 庫内の所定位置に設置された冷却器と、
   庫内の空気を冷却器を介して循環する送風機と、冷却器
   を加熱可能なヒータとを備え、ヒータ及び送風機を作動
   することにより冷却器を除霜するようにした保冷庫にお
   いて、 除霜時における冷却器の空気流入側に、冷却器への送風
   空気を冷却器の複数箇所に向かって案内する空気案内手
   段を設けたことを特徴とする保冷庫。
2. 【請求項２】 前記空気案内手段を冷却器の空気流入側
   を複数の空気通路に仕切る仕切板によって形成し、 各空気通路内にそれぞれヒータを配置したことを特徴と
   する請求項１記載の保冷庫。