JPH11310839A - 高強度Ni基超合金方向性凝固鋳物 - Google Patents

高強度Ni基超合金方向性凝固鋳物

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JPH11310839A
JPH11310839A JP13436098A JP13436098A JPH11310839A JP H11310839 A JPH11310839 A JP H11310839A JP 13436098 A JP13436098 A JP 13436098A JP 13436098 A JP13436098 A JP 13436098A JP H11310839 A JPH11310839 A JP H11310839A
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casting
solidification
heat treatment
solution heat
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JP13436098A
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Hideki Tamaoki
英樹 玉置
Akira Yoshinari
明 吉成
Akira Okayama
昭 岡山
Shigeyoshi Nakamura
重義 中村
Kagehiro Kageyama
景弘 影山
Takehiro Ono
丈博 大野
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Hitachi Ltd
Proterial Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単結晶鋳造で生じた結晶粒界や溶体化熱処理
時に生じた再結晶などの欠陥に対して抵抗性の高くて、
大型タービン用動翼、静翼に好適な、高強度Ni基超合
金方向性凝固鋳物を提供する。 【解決手段】 本発明は、種結晶法あるいはセレクタ法
を用いた方向性凝固法により鋳造され、Cr、Al他を
含むNi基超合金方向性凝固鋳物であって、重量%で
C:0.03〜0.20%を含み、炭化物を体積率で
1.0%以上含むことを特徴とし、炭化物のピン止め効
果により、鋳造時の結晶粒界の直線粒界化及び溶体化処
理時の再結晶の成長を抑制するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン等の
高温機器の動翼、静翼等の高温部品に用いられる、新規
な製造性に優れた高強度Ni基超合金方向性凝固鋳物に
関する。特に、大型で形状が複雑なため、種結晶法ある
いはセレクタ法を用いた単結晶鋳造中に結晶粒界が生成
しやすく、また鋳造時に生じた残留応力により溶体化熱
処理時に再結晶が生じやすい発電用の大型の動翼、静翼
において、これらの欠陥が生じにくく、またこれらの欠
陥が発生した場合においても、これらの欠陥に対する抵
抗性の高い、新規な製造性に優れた高強度Ni基超合金
方向性凝固鋳物に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンの燃焼ガス温度は、熱効率
の向上を目的に年々上昇する傾向にあり、ガスタービン
の各高温部材には従来より高温強度の優れた材料が必要
とされている。そのため、ガスタービンの高温部材中で
最も苛酷な環境に曝される動翼用の材料は、Ni基超合
金の普通鋳造材から柱状晶材へと変遷し、さらに航空機
用エンジンのガスタービンでは、より高温強度の優れた
単結晶材が実用化されている。ここで、柱状晶材及び単
結晶材は方向性凝固材の一種であり、どちらも一方向凝
固法と呼ばれる方法で鋳造される。柱状晶材では、米国
特許第3,260,505号公報等に示される方法で結晶粒を一
方向に細長く成長させ、主応力の作用方向に垂直な粒界
を極力少なくすることで高温強度の向上が可能となる。
また、単結晶材では、米国特許第3,494,709号公報ある
いは3,915,761号公報等に示される方法により鋳物全体
を一つの結晶とすることで実質的に粒界を無くし、より
一層の高温強度の向上が可能となる。単結晶は主に、種
結晶法あるいはセレクタ法と呼ばれる手法で鋳造され、
種結晶法の例は米国特許第3,915,761号公報の図3に、
セレクタ法の例は米国特許第3,494,709号公報の図6に
示されている。
【0003】前述のとおり、航空機エンジン用のガスタ
ービンでは、単結晶材が実用化されており、特開昭53-1
46223号公報、特開昭60-211031号公報、特開昭61-28454
5号公報等に示される合金が適用されている。これらの
公報には、Ni基超合金の高温強度を向上させるため、
溶体化熱処理温度はできるだけ高くすることが好ましい
こと、そのためにはNi基超合金の融点を著しく低下さ
せるC、B等の結晶粒界強化元素の含有量を不純物程度
とするべきであることが記されている。Ni基超合金
は、主にNi3(Al,Ti,Nb,Ta)からなるγ’相により析出
強化されているが、Ni基超合金の高温強度を高くする
ためには、析出強化相であるγ’相はできるだけ均一微
細に析出している必要がある。しかし、鋳造時にはγ’
相は粗大に析出し、さらに、最終凝固部にはより粗大な
共晶γ’相が晶出する。従って、溶体化熱処理で、これ
らの粗大なγ’相を一旦γ相中に固溶させ、冷却時に均
一微細に再析出させる必要がある。そのためには、溶体
化熱処理温度をできるだけ高くし、鋳造時に粗大に析出
したγ’相のうちのできるだけ多くを一旦γ相中に固溶
させることが好ましい。上記公報に示される合金では、
合金の融点を低下させる結晶粒界強化元素を不純物程度
にしか含まなくすることで、高温での溶体化熱処理を可
能とし、鋳造時に析出した粗大なγ’相と鋳造時に晶出
した共晶γ’相のほぼ100%を均一微細なγ’相とす
ることが可能である。
【0004】しかし、前述のように、これらの合金は結
晶粒界強化元素を不純物程度にしか含まないため、単結
晶鋳造中に結晶粒界が発生した場合、その部分の強度は
著しく低い。例えば、900℃を超える温度のクリープ
試験では、結晶粒界が無い場合に破断時間が1000時
間を超えるような条件でも、結晶粒界が存在すると、応
力を負荷するのとほぼ同時に破断してしまうほどにな
る。従って、これらの合金を用いてガスタービン用の動
翼あるいは静翼を製造する場合は、翼全体を完全な単結
晶とする必要がある。
【0005】一方、発電用のガスタービンにおいても、
効率の向上を目的とした燃焼ガス温度の向上に対応する
ため、動翼、静翼への単結晶材の適用が望まれている。
しかし、単機出力で25MWを超えるクラスの発電用ガ
スタービンでは、特開昭51-34819号公報や特開平6-5735
9号公報等に示される合金からなる一方向凝固材や普通
鋳造材が依然として主流である。これは、ガスタービン
では、その動翼及び静翼は、出力にほぼ比例して大型化
するため、発電用の大型ガスタービンの動翼及び静翼
は、全長で航空機用の約3〜4倍となり、全体を完全な
単結晶とするのが困難なためである。このような場合、
一般に結晶粒界は凝固方向にほぼ沿って生成する。従っ
て、以下、”凝固方向”と、”鋳造時に発生した粒界に
平行方向”は同一の方向を示す言葉である。
【0006】また、上記の問題とともに、冷却性能の向
上を目的とした、近年の翼形状の複雑化も、発電用ガス
タービンに単結晶翼を適用する上での大きな問題点の一
つとなっている。これは、翼形状の複雑化に伴い、鋳造
時に鋳物が鋳型あるいは内部冷却孔を形成するための中
子を鋳ぐるんで凝固する箇所が増大し、金属とセラミッ
クスの熱膨張差により、この部分に発生する残留応力に
起因して、再結晶が生じる問題である。再結晶は、溶体
化熱処理時にこの残留応力を解放することで発生し、こ
の再結晶粒の結晶粒界の強度も著しく低いため、単結晶
翼を実用化する上での大きな問題点となっている。
【0007】上記の問題をふまえて、特開平5-59473号
公報及び特開平5-59474号公報には、単結晶合金に少量
のC及びごく少量のBを添加することで、隣接する結晶
粒の方位差が約9゜の結晶粒界の存在を許容できる合金
が開示されている。これにより、鋳造時に発生する結晶
粒界に対しては、若干の改善が見られているものの、溶
体化熱処理時に発生する再結晶の防止に関しては、なん
ら対策がなされていない。また、これらの公報には、組
成に対する知見は述べられているものの、鋳造後あるい
は溶体化熱処理時に形成される組織を制御することの重
要性については、なんら述べられていない。
【0008】また、同様に特開平7-145703号公報及び特
開平9-170402号公報には、大型発電用ガスタービン用に
特開平5-59473号公報及び特開平5-59474号公報に示され
る合金よりもさらに鋳造時に発生する結晶粒界の強度を
重視した鋳物の製造方法が開示されている。さらに、特
開平9-272933号公報には、特開平7-145703号公報及び特
開平9-170402号公報に示される製造方法より、単結晶で
の強度と結晶粒界が存在した場合の強度を高度にバラン
スさせた合金を得るための方法が開示されている。しか
し、これらの公報においても、溶体化熱処理は、より高
い温度で実施することが好ましいことが示されているの
みで、再結晶防止に関する具体的記述は見られない。ま
た、これらの公報にも、鋳造後、あるいは溶体化熱処理
時に形成される組織を制御することの重要性について
は、なんら述べられていない。
【0009】鋳造時に生成する結晶粒界の存在を十分に
許容できる合金としては、特開平2-153037号公報あるい
は特開平3-97822号公報等に一方向凝固用合金が示され
ている。これらの合金は、種結晶やセレクタを用いず、
米国特許第3,260,505号公報等に示される一方向凝固法
で鋳造される鋳物を主に対象にしている。しかし、これ
らの合金は、B、Hf等の融点降下元素を多量に含んで
いるため、溶体化熱処理温度を高くすることができず、
強度が低いという欠点がある。
【0010】一方、再結晶の防止方法に関しては、特開
平10-46303号公報に、体積率で1〜4%の共晶組織を残
留させることで、再結晶の成長を抑制する方法が開示さ
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のとおり、Ni基
超合金の高温強度を向上させるためには、より高い温度
で溶体化熱処理を実施し、できるだけ多くの粗大なγ’
相及び共晶γ’相を均一微細化させることが望ましい。
しかし、そのためには結晶粒界強化元素を取り除く必要
があり、その結果、単結晶鋳造時に粒界が発生した場
合、その強度は実用に耐えられないレベルとなってしま
う。従って、この考え方によって製造される単結晶翼
は、鋳造の歩留まりが低く、特に大型の発電用ガスター
ビンの動翼あるいは静翼への適用は難しい。
【0012】一方、少量のCとごく少量のBを添加し、
溶体化熱処理温度を低下させることなく、鋳造時に発生
する結晶粒界の強度を向上させる方法では、溶体化熱処
理中に、結晶粒界からBが結晶粒内に拡散してしまう現
象、及び、結晶粒界が移動して強度的抵抗の小さい直線
粒界化してしまう現象により、結晶粒界の強度は必ずし
も十分では無い。また、再結晶に対する抵抗性も小さ
い。
【0013】さらに、結晶粒界の強度をより高くするた
めに、特にB、Hfの添加量を増加させると、合金の融
点が低下し、溶体化熱処理温度を低くする必要性が生
じ、凝固方向の強度を十分高くすることが難しくなる。
【0014】本発明の目的は、優れた高温強度を有し、
かつ鋳造時に発生する粒界及び溶体化熱処理時に発生す
る再結晶粒界の両方に対する高い抵抗性を持つ、製造性
に優れた高強度Ni基超合金方向性凝固鋳物を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、一凝固部と、
この凝固部の凝固方向に対して横に広がる不連続の突出
部とから構成され、この突出部の高さが凝固部の肉厚以
上(好ましくは1.5〜2倍)である、高強度Ni基超合
金方向性凝固鋳物である。
【0016】本発明は、従来知られているいくつかの単
結晶合金に対して、C、B、Hf及びZr等の結晶粒界
強化元素を添加し、さらに様々な鋳造凝固条件及び溶体
化熱処理条件を検討した結果得られたものである。つま
り、Cを0.03〜0.20%添加し、炭化物を体積率
で1.0%以上析出させると、この炭化物のピン止め効
果により、鋳造時に生成した結晶粒界の直線粒界化及
び、溶体化熱処理時に発生した再結晶粒の成長が抑制さ
れることを明らかにした結果である。この場合、Cは合
金の初期溶融温度をほとんど低下させないため、γ’相
の溶体化率をほぼ100%とすることが可能であり、単
結晶としての強度も高く維持できる利点がある。炭化物
は、再結晶を抑制するためには、40000平方μmの
領域に少なくとも一つ存在するように析出させる必要が
ある。また、種結晶法あるいはセレクタ法を用いて方向
性凝固中に結晶粒界が発生した場合、この粒界が、粒界
に対して垂直方向の982℃−21 kgf/mm2の条件のク
リープ破断時間が30時間以上の強度を有するようにす
るためには、結晶粒界に沿って200μmに少なくとも
一つの割合で炭化物を析出させる必要がある。このよう
な条件は、炭化物の含有量と共に、適切な鋳造条件の選
択による組織制御によって達成される。
【0017】上記の効果を得るためには、Cは0.03
%以上必要であるが、過度のCの添加は、過剰な炭化物
を生成し、炭化物が疲労亀裂の起点となることで疲労強
度の低下につながるため、C添加量は0.20%以下と
することが好ましい。
【0018】さらに、Bを0.004〜0.05%添加
し、溶体化熱処理温度を若干低くすることで、共晶組織
を残存させ、さらに場合によっては、未固溶のγ’相を
含む領域を若干残すことで、溶体化熱処理時の再結晶粒
の成長及び鋳造時に生じた結晶粒界からのBの拡散消失
及び粒界の直線粒界化をより完全に防ぐことが可能にな
る。これは、共晶組織、未固溶のγ’相を含む領域、硼
化物、炭化物と硼化物の混合物も、炭化物と同様に結晶
粒界の移動に対するピン止め効果が期待できるためであ
る。さらに、Bは鋳造時に発生する粒界に偏析して、粒
界の強度を高める効果がある。この粒界に偏析したB
は、溶体化熱処理中に、結晶粒界から粒内に拡散消失す
る現象を示すが、共晶組織及び未固溶のγ’相を含む領
域は、このBの拡散速度を著しく低下させ、Bの結晶粒
界からの消失を抑え、結晶粒界の強度を維持する効果が
ある。Bを添加した場合にも、再結晶を抑制するために
は、溶体化熱処理時において、40000平方μmの領
域に、共晶組織、炭化物、硼化物、炭化物と硼化物の混
合物、あるいはγ’相が未固溶である領域のいずれか
が、少なくとも一つ以上存在する必要がある。
【0019】また、種結晶法あるいはセレクタ法を用い
て方向性凝固中に結晶粒界が発生した場合、この粒界
が、粒界に対して垂直方向の982℃−21 kgf/mm2
条件のクリープ破断時間が30時間以上の強度を有する
ようにするためには、結晶粒界に沿って、溶体化熱処理
時に、200μmに少なくとも一つの割合で共晶組織、
炭化物、硼化物、炭化物と硼化物の混合物、あるいは
γ’相が未固溶である領域の何れかが存在する必要があ
る。なお、上記の粒界は任意の角度の方位差がある場合
であり、方位差が20゜以内の場合は、破断時間が10
0時間以上となる。このような条件は、適切な鋳造条
件、及び、適切な溶体化熱処理条件の選択による組織制
御によって達成される。通常、この適切な鋳造条件と
は、一方向凝固の鋳型引き出し速度で200〜400 m
m/h、溶体化熱処理条件は、熱処理温度で1200〜1
305℃の範囲である。
【0020】上記の効果を得るためには、Bを最低でも
0.004%以上添加する必要がある。しかし、BはN
i基超合金の融点を著しく低下させる元素であるため、
過度に添加すると、高温強度向上に有効な溶体化熱処理
温度を著しく低く抑える必要性が生じる。従って、凝固
方向の1040℃−14 kgf/mm2の条件のクリープ破断
時間を400時間以上とするためには、Bの添加量を
0.05%以下とする必要がある。BはCと複合添加さ
れることが望ましいが、炭化物を除いた、共晶組織、未
固溶のγ’相を含む領域及び硼化物のみで、再結晶粒の
成長の抑制及び鋳造時に生成した粒界の直線粒界化がピ
ン止め可能な場合は、単独添加とすることも可能であ
る。
【0021】上記の粒界の移動に関するピン止め効果
は、炭化物、硼化物またはそれらの混合物が体積率で
1.0%以上析出していて、かつγ’相の溶体化率が9
5%未満の場合、溶体化熱処理後においても共晶組織が
体積率で0.5%以上残存している場合、あるいは、溶
体化熱処理後においてもγ’相が未固溶である領域が体
積率で4%以上残存している場合に特に効果が高い。
γ’相の溶体化率が95%を超えると、炭化物、硼化物
またはそれらの混合物が体積率で1.0%析出している
のみでは十分なピン止め効果が得られない場合がある。
溶体化熱処理後に残存する共晶組織の体積率が増大する
と、共晶組織が疲労亀裂の起点となり疲労強度が低下す
るため、溶体化熱処理後に残存する共晶組織の体積率は
30%以下とする必要がある。また、溶体化熱処理後に
残存するγ’相が未固溶である領域の体積率が増える
と、それに従って、クリープ強度が低下する。そのた
め、凝固方向の1040℃−14 kgf/mm2の条件のクリ
ープ破断時間を400時間以上とするためには、溶体化
熱処理後に残存するγ’相が未固溶である領域の体積率
を20%以下とする必要がある。
【0022】Bは、種結晶法あるいはセレクタ法を用い
た方向性凝固時に発生する粒界の強度を重視する場合に
は必須の添加元素である。Bを添加することで、通常は
3゜程度までしか許容できない隣接する結晶粒間の方位
差も、20゜程度まで許容可能になる。しかし、前述の
ように、Bは溶体化熱処理中に結晶粒界から拡散消失し
てしまい、さらに、結晶粒界そのものが溶体化熱処理中
に移動してしまう。従って、粒界の十分なピン止め及び
未固溶γ’相を残存させることによるBの拡散の抑制に
よって、はじめて、鋳造時に生成する結晶粒界の強度向
上に及ぼすBの効果が発揮される。このことは、種結晶
あるいはセレクタを用いて鋳造された方向性凝固鋳物中
に、鋳造時に発生した粒界の強度は、単に組成のみでは
なく、鋳造条件及び溶体化熱処理温度を制御することに
よって得られる組織に大きく依存していることを示して
いる。従って、凝固条件及び溶体化熱処理条件と鋳物の
ミクロ組織の関係を明らかにすることが重要なポイント
となる。
【0023】なお、γ‘相が未固溶な部分とは、溶体化
熱処理の開始から冷却が始まる時点までの間に、γ’相
がγ相中に固溶しなかった部分で、鋳造後に偏析が存在
するため、偏析の拡散に従ってその領域は小さくなる。
また、同様に共晶組織も溶体化熱処理中に、偏析の解消
により小さくなる傾向にある。
【0024】C及びB以外の結晶粒界強化元素である、
Hf及びZrは、共晶組織の形状を複雑化し、共晶組織
による結晶粒界のピン止め効果を増大させる効果があ
る。しかし、これらの元素も、合金の融点を著しく低下
させることから、添加量を各々Hfは2%以下、Zrは
0.1%以下とすることが望ましい。
【0025】その他、安定なγ’相を形成し、十分な高
温強度を得るためにAlは2〜7%の範囲で添加される
必要がある。また、必要最小限の耐食性を得るためにC
rは最低でも2%添加される必要がある。さらに、十分
な高温強度を得るために、母相であるγ相を主に強化す
る元素として、Cr、Mo、W、Re、析出強化相であ
るγ’相を強化する元素として、V、Nb、Ta、Ti
を添加することが好ましい。これらの元素の割合は、γ
相とγ’相の格子定数ミスマッチ、相安定性等を考慮し
て決定される。特に相安定性を考慮すれば、各々の元素
は、Cr:25%以下、Mo:8%以下、W:16%以
下、Re:16%以下、V:4%以下、Nb:8%以
下、Ta:16%以下、Ti:7%以下に限定される。
また、Coは主に700℃以下での延性向上を目的に最
大15%程度添加される。またRu、Rh、Pd、I
r、Pt等の元素には耐食性向上の効果が期待できる
が、これらの元素は非常に高価であるため、工業的見地
からは、これらの元素の添加量の総和は8%以下に制限
されることが望ましい。Sc、Y、La、Ce等の元素
は、酸化皮膜の密着性を向上させ、Ni基超合金の耐酸
化性の改善に寄与する。しかし、これらの元素はNi基
超合金の融点を著しく低下させるため、これらの元素の
総和は2%以下に制限されることが好ましい。
【0026】本発明における再結晶粒の成長領域は表面
に形成され、その深さが300μm以下、表面で直径約
1000μm以下が好ましく、より深さが200μm以
下、表面で直径400μm以下となるようにするのが好
ましい。また、本発明における動翼及び静翼における翼
部とプラットフォームまたはサイドウォールとの連結部
分での肉厚が3mm以下、好ましくは0.5〜3mm、
より好ましくは1.0〜2.0mmであり、連結部分での
曲率半径は5mm以下が好ましく、より好ましくは0.
5〜3mmであり、更に翼部長さは40mm以上、より
好ましくは70mm以上、上限は200mm以下で、好
ましくは150mm以下である。
【0027】通常のNi基超合金は上記の添加元素に加
えて、ベースであるNi及び不可避の不純物から形成さ
れる。不可避不純物としては、Si≦0.05%、Mn
≦0.5%、P≦0.005%、S≦0.003%、Mg
≦0.02%、Ca≦0.02%、Fe≦0.2%、Cu
≦0.2%程度が含有される。これらは、マスターイン
ゴットの溶解時、及び一方向凝固鋳造時にプロセス上不
可避的に混入し、最終製品である鋳物中に存在するもの
である。従って、工業的には、これらの不純物を含んだ
上での特性変化を考慮して、特性を評価する必要があ
る。さらに、ガス不純物として、一般に、[N]:15 p
pm未満、[O]:15 ppm未満が含有される。
【0028】なお、本発明は、種結晶法あるいはセレク
タ法を用いて方向性凝固されたNi基超合金方向性凝固
鋳物に関して、これらの鋳物に鋳造中に発生する結晶粒
界あるいは溶体化熱処理中に発生する再結晶粒界に対す
る抵抗性向上を目的としたものであり、結晶粒界強化元
素の添加量、及び、鋳造条件や溶体化熱処理条件の制御
により形成される組織に大きく依存する。従って、結晶
粒界強化元素以外の元素については、Ni基超合金とし
ての特性を大きく逸脱しない範囲で添加されている限り
においては、特にその添加量に限定されるものではな
い。
【0029】以上に述べた合金は、種結晶あるいはセレ
クタを用いた方向性凝固法により鋳造されたNi基超合
金方向性凝固鋳物に好適であり、以上に述べたプロセス
に従って製造された方向性凝固鋳物は、再結晶粒界及び
鋳造時に生成する粒界に対する抵抗性の高い、極めて製
造性に優れた高強度Ni基超合金方向性凝固鋳物であ
る。本発明は、特に、鋳物全体を単結晶とすることを意
図して鋳造しながら、鋳造中に結晶粒界が生成しやすい
製品、あるいは溶体化熱処理中に再結晶が生成しやすい
製品に対して好適である。このような製品としては、具
体的には、発電用大型ガスタービンの動翼あるいは静翼
がある。本発明により、従来は不良品とされていた、結
晶粒界の存在する単結晶翼、あるいは再結晶の発生した
単結晶翼を十分使用可能なものとすることができる。つ
まり、本発明により、鋳造時に発生した結晶粒界は、実
用に耐えるに十分な強度を有しており、また溶体化熱処
理時に発生した再結晶粒は、許容欠陥寸法内あるいはご
く表面を研削仕上げするのみで除去できる程度までしか
成長しないためである。これにより、単結晶翼の大幅な
歩留まり向上が図れるのみでなく、非破壊的な検査が不
可能である内面の結晶粒界及び再結晶に関する危険性を
大幅に低減することが可能となり、単結晶翼の大幅な信
頼性向上が達成される。
【0030】本発明に係るNi基超合金は、重量で、
C:0.03〜0.25%、Cr:4〜10%、Co:7
〜12%、W:4〜10%、Re:0.5〜4%、M
o:0.3〜2%、Ta:3.5〜10%、Al:4〜7
%、Ti:0.2〜5%及びHf:0〜0.5%含む合
金、又はこれにB:0.004〜0.006%含むことが
好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】各種成分のNi基超合金につい
て、方向性凝固鋳物を作製し、金属組織及び高温クリー
プの各試験を行った。
【0032】[実施例1]表1及び表2に、Cが再結晶
及び凝固方向のクリープ破断強度に及ぼす影響を検討し
た結果を示す。合金No.4は、米国Cannon-Muskegon社
からCMSX-4とういう登録商標名で市販されている合金で
あり、特開昭60−211031号公報中にその詳細が
記されている。この組成のマスターインゴットを用い
て、種結晶法により、凝固方向が<001>方位、凝固
方向に垂直な長手方向が<110>方位となる、100
mm×15mm×130mmの単結晶平板を鋳造した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】合金No.C41〜47は、合金No.4のマ
スターインゴットに、一方向凝固炉中で各々表1に示す
量のC(0.03%〜0.25%の7レベル)を添加した
後、種結晶法で同様の単結晶平板を鋳造した。一方向凝
固鋳造条件は、鋳型加熱温度1540℃、鋳型引出し速
度300mm/hとした。これらの鋳物の完全に単結晶に
なった部分から、20mm×20mm×10mmの試料を切り
出し、この試料の20mm×20mmの一面にマイクロビッ
カース硬度計で荷重300gの条件で圧痕をつけた。圧
痕の大きさは対角で約40μmであった。その後、全て
の試料に最高温度1321℃で2時間加熱後空冷の溶体
化熱処理を施した。これらの試料について、王水+過酸
化水素水でマクロエッチング後、再結晶の有無を確認し
た。その結果、全ての試料に再結晶の発生が認められた
ため、再結晶部分の断面を切断して再結晶深さを測定し
た。
【0036】その結果を表2に示す。この結果から、C
を全く含まない合金No.4では、再結晶組織が試料裏面
まで貫通していたのに対して、Cを含む試料では、炭化
物により再結晶の成長がピン止めされているのが確認さ
れた。炭化物の量が多いほど、再結晶の成長深さは浅か
った。上記鋳物の別の単結晶部分について、1080℃
で4時間加熱後、空冷、871℃で20時間加熱後、空
冷の2段の時効処理を施し、この試料について、凝固方
向のクリープ破断強度を、温度1040℃、応力14 k
gf/mm2の条件で評価した。結果を表2に示す。この結果
から、Cは再結晶の成長を抑制する効果があるが、一方
で、Cの添加量が増加するに従ってクリープ破断強度が
低下することが明らかになった。このことから、最適な
Cの添加量は0.03〜0.20%程度と考えられる。
また、この結果から、再結晶深さを200μm以下とす
るためには炭化物の面積率を1.0%以上とする必要が
あることがわかる。
【0037】合金No.C48では、合金No.4のマスタ
ーインゴットに、一方向凝固炉中でCと共にTaを添加
することにより、Ta含有量を、他の合金No.C41〜
47よりも1%だけ多くした。その結果、再結晶の成長
を抑え、かつクリープ破断強度にも優れた合金が得られ
た。
【0038】上記の全ての合金において、部分溶融無し
に最高温度1321℃での溶体化熱処理が可能であっ
た。
【0039】[実施例2]表3および表4に、C及びB
が再結晶、凝固方向及び凝固方向に垂直方向のクリープ
破断強度に及ぼす影響を検討した結果を示す。合金No.
4及びC43は実施例1で用いた合金と同じである。合
金No.B41〜B44は、実施例1の合金No.C41〜
47と同様に、合金No.4のマスターインゴットに一方
向凝固炉中で各々表3に示す量のC(0.07%の1レベ
ル)及びB(0.004〜0.051の4レベル)を添加し
た。なお、ここでは、図1に示す、二つの種を用いる特
殊な種結晶法で100mm×15mm×130mmの平板を、
(5)で示す凝固方向に鋳造した。二つの種は成長方向が
共に<001>方位であり、一つの結晶は平板長手方向
が<110>方位に、別の結晶は平板長手方向が<11
0>方位から<100>方位側に20゜ずれるようにな
っている。従って、平板中央部には隣接する結晶粒の方
位差が20゜の粒界(4)が存在することになる。一方向
凝固鋳造条件は、鋳型加熱温度1540℃、鋳型引出し
速度300mm/hとした。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表3、表4中で、合金No.B42HT1〜
3は、同時に鋳造した試料について、溶体化熱処理温度
のみを1310℃、1295℃、1270℃に変えたも
のである。これらの鋳物の完全に単結晶になった部分か
ら、20mm×20mm×10mmの試料(3)を切り出し、こ
の試料の20mm×20mmの一面にマイクロビッカース硬
度計で荷重300gの条件で圧痕をつけた。圧痕の大き
さは対角で約40μmであった。その後、全ての試料に
表4に示す最高温度で、溶体化熱処理を施した。最高温
度に加熱後は空冷とした。これらの試料について、王水
+過酸化水素水の腐食液でマクロエッチング後、再結晶
の有無を確認した。その結果、全ての試料に再結晶の発
生が認められたため、再結晶部分の断面を切断して再結
晶深さを測定した。
【0043】その結果を表4に示す。この結果から、C
を全く含まない合金No.4では、再結晶組織が試料裏面
まで貫通していたのに対して、C及びBを含む試料で
は、炭化物、炭化物と硼化物の混合物、共晶組織あるい
はγ’相が未固溶である領域によって、再結晶の成長が
ピン止めされているのが確認された。上記鋳物の別の部
分について、1080℃で4時間加熱後、空冷、871
℃で20時間加熱後、空冷の2段の時効処理を施し、こ
の試料のクリープ破断強度を評価した。凝固方向に採取
した試料(1)のクリープ強度は、温度1040℃、応力
14 kgf/mm2の条件で、垂直方向の強度は、試料中央部
に結晶粒界が存在するように採取した試料(2)で、温度
982℃、応力21 kgf/mm2の条件で評価した。結果を
表4に示す。全ての合金において、鋳造後は、粒界はデ
ンドライト組織の間を縫うような形で曲線状に存在す
る。しかし、Cを全く含まない合金No.4では、溶体化
熱処理により粒界が直線化し、粒界に対して応力が垂直
に作用する垂直方向のクリープ破断強度は、荷重負荷と
ほぼ同時に破断する程度まで低下した。一方、Cを0.
07%含む合金No.C43では、炭化物により粒界の直
線化が阻止され、垂直方向の破断時間は10.3時間で
あった。さらに、Bを含有することで粒界の強度は向上
して、垂直方向の破断時間は100時間以上となり、か
つ溶体化率の低い試料ほど、垂直方向の強度が高いとい
う傾向を示した。
【0044】この結果は、Bが鋳造時に発生する結晶粒
界の強度に直接寄与していること、溶体化率が低いほど
粒界移動のピン止め効果が高いことを表しているものと
考えられる。溶体化率が低いほど粒界移動に対するピン
止め効果が高いのは、溶体化率が低いほど、共晶組織あ
るいはγ’相が未固溶である領域が多いためである。十
分なピン止めが無く、鋳造時の位置から移動してしまっ
た粒界は、その直線的な形状に加えて、移動後はBを含
有していないため、粒界の強度が大幅に低いものと考え
られる。また、二次イオン質量分析法による測定結果か
ら、鋳造時の位置にとどまっている粒界においても、溶
体化熱処理時に周囲のγ’相がγ相中に完全に固溶した
粒界には、Bがほとんど存在していないことが明らかに
なった。従って、鋳造時に形成される粒界の周囲に存在
する、溶体化熱処理中にγ’相がγ相中に完全に固溶し
ない領域は、粒界からのBの拡散消失の抑制という役割
も果たしているものと考えられる。従って、適切な溶体
化熱処理条件を選択し、鋳造中に発生した結晶粒界の周
囲に、溶体化熱処理中にγ’相がγ相中に完全に固溶し
ない領域を残すことで、鋳造中に発生する粒界の強度低
下が抑制できると考えられる。このことは、粒界の強度
に対しては、単にCやBの添加量ではなく、組織制御が
重要であることを示している。
【0045】垂直方向の強度、つまり鋳造中に発生した
粒界の強度は、B添加量の増加及び溶体化率の低下に従
って向上した。しかし、反対に、凝固方向の強度は、B
添加量の増加及び溶体化率の低下に従って低下した。従
って、凝固方向の強度と、垂直方向の強度のバランスを
考慮すれば、適切なBの添加量は0.004〜0.05
%程度の範囲と考えられる。
【0046】合金No.B45は、合金No.B41〜44
と同様の鋳造方法で、かつ、C及びBに加えてTa及び
Hfを一方向凝固炉中で添加することにより、Ta及び
Hfの含有量を合金No.B41〜44より1%及び0.
15%だけ多くしたものである。この結果、凝固方向と
垂直方向のクリープ強度のバランスの優れた合金が得ら
れた。
【0047】以上に示した、C、B、Hf等の結晶粒界
強化元素の添加量の制御及び、凝固条件、溶体化熱処理
条件の検討による組織制御によって、凝固方向の強度、
垂直方向の強度(鋳造時に発生した粒界の強度)の両方
に優れ、かつ再結晶に対する高い抵抗性をもつ合金を得
るための方法は、表5に示すような、従来知られている
大型単結晶製品に適さないと考えられる合金の改良に適
用することが可能である。
【0048】
【表5】
【0049】[実施例3]表6に示す合金で、図2に示
す25MW級ガスタービン用動翼、及び、図3に示す2
5MW級ガスタービン用静翼を鋳造した。動翼、静翼共
にセレクタ方式にによる一方向凝固による単結晶翼を形
成した。
【0050】
【表6】
【0051】図2に示すガスタービン用動翼は、翼部2
3、プラットフォーム24、シャンク26、タービンデ
ィスクへの植込み部となるダブルテイル27、及び燃焼
ガスの流出を防ぐシールフィン25によって構成され、
ダブルテイル27から翼部23にわたって冷却用の空気
又は水蒸気を流す冷却孔が設けられている。翼部23は
空洞になっていて、横に張り出したプラットフォーム2
4との連結部の肉厚が約3mmであり、図2で紙面側が凹
部で、その反対側が凸状になっている。その凸側の翼部
23から凝固が進行して、プラットフォーム24は翼部
23の凝固方向に対して曲率半径0.5〜5mmで不連続
的に約80〜90°急激に横に広がっており、その高さ
は約5mmとなっている。このような構造をもつ部材を溶
体化処理すると、凸側の翼部に再結晶粒界が生じるの
で、再結晶による強度低下を防ぐために、前述のように
CおよびBの少なくとも一方を含有する必要がある。な
お、翼部23の長さは70mmである。
【0052】この動翼では、単結晶の翼部23から横に
広がるプラットフォーム24側(図中(22)に示す線
より最終凝固部側)に、互いに隣接する結晶粒間の方位
差が20゜以内の結晶粒界が鋳造中に発生した。この動
翼から、応力方向が前記結晶粒界に対して垂直方向にな
るような試験片を採取して、クリープ破断強度を評価し
た。条件は温度982℃、応力21 kgf/mm2とした。こ
の試料の結晶粒間の方位差は10゜であり、破断時間は
205.8時間であった。一方、同じ動翼の単結晶部分
から、応力負荷方向が同一になるように採取した試験片
のクリープ破断強度を評価したところ、破断時間は27
3.5時間であった。このことから、鋳造中に結晶粒界
が発生した場合においても、単結晶としての強度に近
い、十分実用に耐えうる強度を有していることがわか
る。図4に、結晶粒界近傍のミクロ組織を示す。粒界
(41)は、共晶組織(42)、炭化物(44)、溶体化熱処
理時にγ’相がγ相中に固溶しなかった部分によって、
十分ピン止めされていることがわかる。この効果によ
り、本動翼は、鋳造時に発生した結晶粒界が十分な強度
を有しているものと考えられる。なお、この動翼の鋳造
条件は、鋳型加熱温度1580℃、鋳型引下げ速度35
0mm/hとした。溶体化熱処理条件は、最高加熱温度
1280℃で4時間加熱後空冷、時効条件は、1080
℃で4時間加熱後空冷、及び、871℃で20時間加熱
後空冷の2段時効とした。
【0053】また、図3に示すガスタービン用静翼は、
翼部33に対して両側にサイドウォール34,35が設
けられ、サイドウォール34から翼部33を経てサイド
ウォール35へと凝固するものである。31は凝固方向
を示すものである。本実施例においても、翼部33は紙
面に対して凸状になっているが、その裏側は凹状になっ
ており、本実施例においては凸状になっている側の翼部
33とサイドウォール35との連結部が溶体化処理によ
って再結晶粒界が形成され易いので、前述のC及びBの
少なくとも一方の含有が必要である。本実施例における
翼部33のサイドウォール間の長さが70mmであり、翼
部33は空洞になっており、36及び37が空洞になっ
ており、冷却用空気又は水蒸気が流入し、翼部33の凸
側及び凹側のリーディングエッジ部とトレイリングエッ
ジ部側に空気が排出される多数の細かい孔が設けられて
いる。水蒸気冷却の場合は、静翼は水蒸気が外部へ排出
されない構造となっている。翼部の肉厚は約3mmで、そ
の凸側の凝固からサイドウォール34と35で横に広が
っており、その高さは最も低い所で約5mmである。静
翼においても、翼部33とサイドウォール34、35と
の付根部分は、翼部33の凸部及び凹部ともに動翼と同
様に曲率を有し、ほぼ90°の角度で不連続的に凝固方
向に対して横に広がった形である。
【0054】この静翼では、翼部33の端部で、単結晶
の翼部33から横に広がるサイドウォール35に移行す
る直前の部位に、(32)に示す部分に再結晶が発生し
た。しかし、図5に示すように、再結晶粒(51)の成長
前面(52)は、共晶組織(53)及び溶体化熱処理中に
γ’相がγ相中に未固溶であった部分(54)によりピン
止めされ、成長が抑制されていることがわかる。再結晶
粒の成長は、深さ方向に約150μm、長さ約650μm
成長したところで停止している。この深さは、静翼のこ
の部分の許容欠陥寸法内に収まっており、この再結晶粒
は使用にあたって許容可能なレベルである。なお、この
静翼の鋳造条件及び熱処理条件は動翼と同一とした。
【0055】以上のように、結晶粒界強化元素量の適切
な選択、及び、粒界の移動に対してピン止め効果を得ら
れるように組織制御することで、鋳造時に結晶粒界が発
生してもその粒界は十分実用に耐えうる強度を有し、再
結晶粒の成長を許容欠陥寸法内に収められるような、大
型ガスタービン用動翼及び静翼の製造が可能となる。
【0056】
【発明の効果】本発明により、鋳造時に結晶粒界が発生
してもその粒界は十分実用に耐えうる強度を有し、再結
晶粒の成長を許容欠陥寸法内に収められるような、大型
ガスタービン用動翼及び静翼の製造が可能となる。従っ
て、本発明により、大型ガスタービン用動翼及び静翼の
歩留まり及び信頼性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2の方向性凝固鋳物からの試料
採取位置を示す図。
【図2】本発明によって製造された25MW級ガスター
ビン用動翼を示す図。
【図3】本発明によって製造された25MW級ガスター
ビン用静翼を示す図。
【図4】本発明によって製造された25MW級ガスター
ビン用動翼の結晶粒界近傍のミクロ組織を示す金属組織
の写真。
【図5】本発明に従って製造された25MW級ガスター
ビン用静翼の再結晶粒近傍のミクロ組織を示す金属組織
の写真。
【符号の説明】
1 凝固方向評価用試料 2 垂直方向評価用試料 3 再結晶評価用試料採取位置 4 粒界 23 翼部(動翼) 24 プラットフォーム 25 シールフィン 26 シャンク 27 ダブルテイル 33 翼部(静翼) 34,35 サイドウォール 41 粒界 42 共晶組織 43 溶体化熱処理時にγ’相が完全にγ相中に固溶し
た領域 44 炭化物 45 溶体化熱処理時にγ’相が完全にγ相中に固溶し
なかった領域 46 凝固方向 51 再結晶粒 52 再結晶成長前面 53 共晶組織 54 溶体化熱処理時にγ’相が完全にγ相中に固溶し
なかった領域 55 溶体化熱処理時にγ’相が完全にγ相中に固溶し
た領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡山 昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 中村 重義 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 影山 景弘 島根県安来市安来町2107番地の2 日立金 属株式会社冶金研究所内 (72)発明者 大野 丈博 島根県安来市安来町2107番地の2 日立金 属株式会社冶金研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一凝固部と、該凝固部の凝固方向に対し
    て横に広がって不連続の突出部を有し、該突出部の高さ
    が前記凝固部の肉厚以上であり、重量%で、C:0.0
    3〜0.20%を含み、炭化物を体積率で1.0〜10%
    含むことを特徴とする高強度Ni基超合金方向性凝固鋳
    物。
  2. 【請求項2】 一凝固部と、該凝固部の凝固方向に対し
    て横に広がって不連続の突出部を有し、該突出部の高さ
    が前記凝固部の肉厚以上であり、重量%で、C:0.0
    3〜0.20%、B:0.004〜0.05%を含み、
    γ’相の溶体化率が95%未満で、炭化物、硼化物また
    はそれらの混合物を体積率で1.0%以上含むことを特
    徴とする高強度Ni基超合金方向性凝固鋳物。
  3. 【請求項3】 一凝固部と、該凝固部の凝固方向に対し
    て横に広がって不連続の突出部を有し、該突出部の高さ
    が前記凝固部の肉厚以上であり、重量%で、C:0.0
    3〜0.20%、B:0.004〜0.05%を含み、溶
    体化熱処理後に残存する共晶組織の体積率が0.5〜3
    0%であり、炭化物、硼化物またはそれらの混合物を体
    積率で1.0%以上含むことを特徴とする高強度Ni基
    超合金方向性凝固鋳物。
  4. 【請求項4】 一凝固部と、該凝固部の凝固方向に対し
    て横に広がって不連続の突出部を有し、該突出部の高さ
    が前記凝固部の肉厚以上であり、重量%で、C:0.0
    3〜0.20%、B:0.004〜0.05%を含み、溶
    体化熱処理後に残存するγ’相が未固溶である領域の体
    積率が4〜20%であり、炭化物、硼化物またはそれら
    の混合物を体積率で1.0%以上含むことを特徴とする
    高強度Ni基超合金方向性凝固鋳物。
  5. 【請求項5】 重量%で、Hf:0〜2%、Zr:0〜
    0.1%、Cr:2〜25%、Al:2〜7%、Mo:
    0〜8%、W:0〜16%、Re:0〜16%、V:0
    〜4%、Nb:0〜8%、Ta:0〜16%、Co:0
    〜15%、Ti:0〜7%と、Ru、Rh、Pd、Ir
    及びPtの1種または2種以上の合計量8%以下と、S
    c、Y、La及びCeの1種または2種以上の合計量2
    %以下とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の高強度Ni基超合金方向性凝固鋳物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の高強度
    Ni基超合金方向性凝固鋳物からなる発電用ガスタービ
    ン用の動翼。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の高強度
    Ni基超合金方向性凝固鋳物からなる発電用ガスタービ
    ン用の静翼。
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