JPH11308812A - センサ付電動機におけるセンサマグネット取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサマグネットの電機子への取付けの手間
を減らして製造コストを下げる。 【解決手段】 センサマグネット２を電機子６の回転軸
３に固定した整流子１の樹脂部４にインサート成形によ
って固定し、整流子１を回転軸３に固定することによっ
て同時にセンサマグネット２を回転軸３に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この出願の発明は、電機子の
回転軸と一体に回転するセンサマグネットと、該センサ
マグネットの磁束を検知して前記電機子の回転数を表す
電気信号を出力するセンサとを備えたセンサ付電動機に
関し、特に、センサマグネットの固定装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】この種の電動機は公知であり、例えば特
開平４−１６８９６４号公報に記載されている。この従
来装置におけるセンサマグネット固定装置は、図７に示
すように、電機子Ｒの回転軸Ａに整流子Ｂを圧入して固
定すると共にリング状のセンサマグネットＣを回転軸Ａ
に圧入するか、或いは接着剤により接着することによっ
て固定するものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように、整流子Ｂ
とセンサマグネットＣを回転軸Ａに個別に取り付けるこ
とは、電動機の組立の手間を減らして製造コストを下げ
る観点からすると、決して好ましいとは言えない。

【０００４】この出願の発明は、電動機の組立の手間を
従来装置よりも減らして製造コストを下げることができ
るセンサマグネット固定装置を提供することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この出願の請求項１の発
明は、電機子の回転軸と一体に回転するセンサマグネッ
トと、該センサマグネットの磁束を検知して前記電機子
の回転数を表す電気信号を出力するセンサとを備えたセ
ンサ付電動機において、前記センサマグネットを前記回
転軸に固定した整流子の樹脂部にインサート成形によっ
て固定したことを特徴とするセンサ付電動機におけるセ
ンサマグネット取付装置である。

【０００６】また、この出願の請求項２の発明は、請求
項１に記載のセンサ付電動機におけるセンサマグネット
取付装置であって、前記センサマグネットは、リング形
状を有し、少なくとも一対の磁極が軸対称となるように
着磁されており、内周面には前記両磁極の間の中央に位
置する少なくとも一対の軸方向溝が形成されており、前
記樹脂部が前記センサマグネットの一側から前記軸方向
溝を通り入り前記センサマグネットの他側に延在してい
て前記センサマグネットを軸方向及び径方向に固定して
いることを特徴とするセンサ付電動機におけるセンサマ
グネット取付装置である。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１〜３はこの出願の発明に係る
センサ付電動機のセンサマグネット固定装置を示す。図
１〜３において、１は整流子、２はリング状のセンサマ
グネット、３は回転軸、４は整流子１の樹脂部、６は電
機子である。図２、３に示すように、センサマグネット
２の内径は回転軸３の外径と同等であり、センサマグネ
ット２にはＮ極とＳ極とが軸対称となるように着磁され
ており、センサマグネット２の内周面にはＮ極とＳ極の
間の中央に位置する一対の軸方向溝５、５が形成されて
いる。軸方向溝５、５を有するリング状のセンサマグネ
ット２は、整流子１を成形する際、整流子１の樹脂部に
インサート成形によって固定される。このインサート成
形により、樹脂部４がセンサマグネット２の一側から軸
方向溝５、５を通り入りセンサマグネット２の他側に延
在し、従ってセンサマグネット２が樹脂部４に軸方向及
び径方向に固定される。尚、図１においてセンサマグネ
ット２の外周には、図示しないセンサが配置されるもの
である。

【０００８】而して、整流子１を回転軸３に圧入して固
定する作業により同時にセンサマグネット２が回転軸３
に固定されるので、電動機の組立の手間が少なく、製造
コストが低くなる。

【０００９】センサマグネット２の内周に軸方向溝５、
５を設ける代わりに、図４に示すようにセンサマグネッ
ト２の内径を回転軸３の外径よりも大きくし、センサマ
グネット２の内周の円周方向全体にわたって樹脂部４が
存在するようにすることとしてもよい。

【００１０】図６は図２、３の構成とした場合における
センサマグネット２の外周面の磁束密度分布を示し、図
５は図４の構成とした場合のセンサマグネット２の外周
面の磁束密度分布を示す。図５及び図６の比較から明ら
かなように、磁束密度のピーク値は図２、３の構成の方
が高い。図５におけるピーク値が図６におけるピーク値
より低くなるのは、センサマグネット２と回転軸３との
間の磁気抵抗が大きいためである。而して、ピーク値の
高さ及び整流子に対するセンサマグネットの回り止めの
点から、図２、３の構成の方が好ましい。

【００１１】尚、図２〜４では、センサマグネット２に
着磁するＮ極とＳ極を一つとしているが、２対以上とす
ることとしてもよい。その場合、図３の軸方向溝５は、
円周方向に隣り合う２つの磁極の中間に位置するように
２対以上とするものである。

【００１２】

【発明の効果】以上に説明したように、この出願の発明
は、センサマグネットを電機子の回転軸に固定した整流
子の樹脂部にインサート成形によって固定したことか
ら、整流子を回転軸に固定することによって同時にセン
サマグネットを回転軸に固定することができ、従って電
動機の組立の手間が少なく、製造コストが低くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この出願の発明に係るセンサマグネット固定装
置を示す図である。

【図２】センサマグネットを図１の右方向から見た図で
ある。

【図３】図１中のＩ−Ｉ線に沿う断面図である。

【図４】この出願の発明に係るセンサマグネット固定装
置の他の構成を示す図である。

【図５】図４の構成におけるセンサマグネット外周の磁
束密度分布を示す図である。

【図６】図２、３の構成におけるセンサマグネット外周
の磁束密度分布を示す図である。

【図７】従来のセンサマグネット固定装置を示す図であ
る。

【符号の説明】

１・・・整流子 ２・・・センサマグネット ３・・・回転軸 ４・・・樹脂部 ５・・・軸方向溝 ６・・・電機子

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電機子の回転軸と一体に回転するセンサ
   マグネットと、該センサマグネットの磁束を検知して前
   記電機子の回転数を表す電気信号を出力するセンサとを
   備えたセンサ付電動機において、前記センサマグネット
   を前記回転軸に固定した整流子の樹脂部にインサート成
   形によって固定したことを特徴とするセンサ付電動機に
   おけるセンサマグネット取付装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のセンサ付電動機におけ
   るセンサマグネット取付装置であって、前記センサマグ
   ネットは、リング形状を有し、少なくとも一対の磁極が
   軸対称となるように着磁されており、内周面には前記両
   磁極の間の中央に位置する少なくとも一対の軸方向溝が
   形成されており、前記樹脂部が前記センサマグネットの
   一側から前記軸方向溝を通り入り前記センサマグネット
   の他側に延在していて前記センサマグネットを軸方向及
   び径方向に固定していることを特徴とするセンサ付電動
   機におけるセンサマグネット取付装置。