JPH11302752A - チタンの精製法 - Google Patents

チタンの精製法

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JPH11302752A
JPH11302752A JP13122898A JP13122898A JPH11302752A JP H11302752 A JPH11302752 A JP H11302752A JP 13122898 A JP13122898 A JP 13122898A JP 13122898 A JP13122898 A JP 13122898A JP H11302752 A JPH11302752 A JP H11302752A
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thermal decomposition
chamber
pyrolysis
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Shigenori Okudaira
成教 奥平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、低級塩化チタンを中間
体として粗チタンから精製チタンを得るチタンの精製法
に関して、体系化した技術を得ることである。従来法に
比べて高収率、低原価で、簡易な装置を用いたチタンの
精製法を提供する。 【解決手段】 本発明は、気密の反応器1内で粗チタン
と四塩化チタン蒸気から精製チタンを生成する方法に関
する発明である。本発明では、生成室9で低級塩化チタ
ン蒸気と四塩化チタン蒸気を生成し、分離室12又は熱
分解室13で低級塩化チタン蒸気と四塩化チタン蒸気を
冷却して低級塩化チタン固体を析出させ、四塩化チタン
蒸気を反応器1外へ排出する、第一ステップを行う。熱
分解室13で、低級塩化チタン固体を熱分解させて精製
チタンを生成し、低級塩化チタン蒸気と四塩化チタン蒸
気を発生させる第二ステップを行う。第一ステップと第
二ステップを繰り返し行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチタンの精製法に係
り、特に低級塩化チタンを中間体とするチタンの精製法
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体デバイス製造用ターゲット
材等の高純度チタンの工業的生産に実用されているチタ
ンの精製技術には、溶融塩電解法と沃度法が知られてお
り、何れも99.9999wt%程度の高純度の製品が
得られる極めて精製効率の高い技術である(例えば特開
平2−213490号公報、特開平3−213490号
公報、特開平3−215633号公報、特開平6−17
3065号公報、特開平7−252551号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記溶融塩電解法は高
温の溶融塩の中で電解を行うもので、設備規模に対する
生産量が小さく、また浴中に粉粒状で析出する製品を取
り出す際、浴が随伴する等生産性が低く、従ってコスト
は高いという不都合がある。
【0004】また沃度法は古くから知られた方法であ
り、近年改良が行われたが、なお1100〜1300℃
の高温と10-3〜10-1Torrの真空を要し、製品の
形状、生産設備の規模に制約があり、前者同様に生産効
率が低くコストは高いという不都合がある。
【0005】本発明の低級塩化チタンを中間体とする精
製法に類する技術で、工業的に実用化されたものは、発
明者の知る限りでは知見することができない。
【0006】また文献上では、例えば特開昭47−23
308号公報、特開昭47−22814号公報、特開昭
47−42515号公報で、二塩化チタンより金属チタ
ンを製造する技術が提供されている。
【0007】しかし、いずれも粗チタンから低級塩化チ
タンを経て精製チタンを得るまでの一貫した体系化され
た技術を開示するものではない。
【0008】本発明の目的は、低級塩化チタンを中間体
として、粗チタンから精製チタンを得るに至る一貫した
体系化した技術を得ることであり、従来法に比べより高
生産性、高収率、低原価で、物質損失が少なく、簡易な
装置を用いたチタンの精製法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、請求項1に
係る発明では、反応関与物質、即ち四塩化チタン、三塩
化チタン、二塩化チタンおよびチタンを除くすべての気
体、または、反応関与物質と不活性ガスを除くすべての
気体が排除された雰囲気を保持する気密の反応器内で、
予め反応器内に充填された粗チタンと四塩化チタン蒸気
とを高温で略平衡に達するまで充分に反応させ、低級塩
化チタン蒸気と四塩化チタン蒸気との生成混合蒸気を生
成する生成反応を行い、該生成混合蒸気を冷却し、低級
塩化チタン固体を析出させ、残った四塩化チタン蒸気を
前記反応器外へ排出し、次いで前記析出した低級塩化チ
タン固体を熱分解させて精製チタンを得る熱分解反応を
行い、該熱分解反応に随伴して発生する低級塩化チタン
蒸気と四塩化チタン蒸気との熱分解混合蒸気を前記生成
混合蒸気と同様冷却し、低級塩化チタン固体を析出さ
せ、残った四塩化チタン蒸気を反応器外へ排出し、前記
析出した低級塩化チタンを熱分解し、精製チタンを得る
チタンの精製方法において、前記反応器内に設けられた
一室以上の生成室で前記生成反応による生成混合蒸気の
生成を行い、前記反応器内に設けられた一室以上の熱分
解室のうちの所定の熱分解室で前記生成混合蒸気の冷
却、低級塩化チタン固体の析出および四塩化チタン蒸気
の排出を行う第一ステップと、前記所定の熱分解室を含
む熱分解室において、熱分解反応による精製チタンの生
成と前記熱分解混合蒸気の発生とを含む第二ステップ
と、を有し、前記第一ステップと前記第二ステップを繰
り返し行うに際し、反応関与物質蒸気の分圧の和を単に
圧力と定義すると、前記生成反応を実施する温度および
圧力条件及び前記熱分解反応を実施する温度および圧力
条件をチタンと四塩化チタンとが反応した結果形成され
る諸不均一気相平衡系のうち固相としてチタンのみが安
定に存在しうる平衡系、即ち次の2平衡;
【化3】
【化4】 により表される平衡系が形成されるための温度および圧
力条件の範囲の中から選定した温度及び圧力条件とし、
前記熱分解室内に低級塩化チタン固体を析出させる際に
は、既に行った第一ステップがある場合には、既に行っ
た第一ステップにおいて低級塩化チタン固体を析出させ
た位置と少なくとも一部を重複させた位置に前記低級塩
化チタン固体を析出させ、前記第二ステップにおける低
級塩化チタン固体の熱分解は、前記第一ステップでの析
出位置において行うことにより解決される。
【0010】また、上記課題は、請求項2に係る発明で
は、前記第二ステップは、前記反応器内に設けられた所
定の熱分解室で析出した低級塩化チタン固体の当該所定
の熱分解室における熱分解反応による精製チタンの生成
と熱分解混合蒸気の発生を含む熱分解処理と、該処理で
発生する熱分解混合蒸気を他の熱分解室に導き、当該他
の熱分解室において前記熱分解混合蒸気を冷却して低級
塩化チタン固体を析出させ、蒸気の儘残った四塩化チタ
ンを前記反応器外へ排出する分離処理と、を含み、前記
分離処理で発生する熱分解混合蒸気を更に前記所定の熱
分解室を含む他の熱分解室に導いて前記分離処理を行
い、次いで前記熱分解処理と同様の熱分解処理を行い、
前記熱分解処理と分離処理とを繰り返し行う構成を有す
ることにより解決される。
【0011】さらに、上記課題は、請求項3に係る発明
では、前記第一ステップは、常時行う様にすることによ
り解決される。
【0012】さらに、上記課題は、請求項4に係る発明
では、前記第二ステップの熱分解室と連通し、前記第二
ステップの熱分解室の上方に位置する分離室へ前記熱分
解室で発生する熱分解混合蒸気を導入し、冷却して低級
塩化チタン固体を析出させ、四塩化チタン蒸気と分離す
ると共に反応器外へ排出し、低級塩化チタン固体を機械
的手段により前記熱分解室へかき落とし、当該熱分解室
において前記第一ステップで析出した低級塩化チタン固
体と共に熱分解することを繰り返し行うことにより解決
される。
【0013】さらに、上記課題は、請求項5に係る発明
では、次の式;
【数2】 を満足する温度t(℃)および圧力(Torr)で示さ
れる領域内から選定される温度及び圧力の下において、
前記生成反応及び前記熱分解反応を実施することにより
解決される。
【0014】また、上記課題は、請求項6に係る発明で
は、前記熱分解室における低級塩化チタン固体の熱分解
を行うに際し、熱分解室に不活性ガスを導入することに
より解決される。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項1に係る発明は、反応関与
物質、即ち四塩化チタン、三塩化チタン、二塩化チタン
およびチタンを除くすべての気体、または、反応関与物
質と不活性ガスを除くすべての気体が排除された雰囲気
を保持する気密の反応器内において、チタンを精製する
方法の発明である。
【0016】予め反応器内に充填された粗チタンと四塩
化チタン蒸気とを高温において略平衡に達するまで充分
に反応させ、低級塩化チタン蒸気と四塩化チタン蒸気と
の混合蒸気即ち生成混合蒸気を生成する次の二反応;
【化5】
【化6】 即ち生成反応を行う。ここで、二塩化チタン及び三塩化
チタンを低級塩化チタンと定義する。
【0017】次に、前記生成混合蒸気を冷却し、低級塩
化チタン固体を析出させ、残った四塩化チタン蒸気を反
応器外へ排出し、次いで、前記析出した低級塩化チタン
固体を熱分解させ、精製チタンを得る反応;
【化7】
【化8】 即ち熱分解反応を行う。該熱分解反応に随伴して形成さ
れる二平衡;
【化9】
【化10】 により発生する低級塩化チタン蒸気と四塩化チタン蒸気
との混合蒸気、即ち熱分解混合蒸気は生成混合蒸気と同
様に冷却し、低級塩化チタン固体を析出させ、残った四
塩化チタン蒸気を反応器外へ排出し、前記析出した低級
塩化チタンを熱分解し、精製チタンを得る次の反応;
【化11】
【化12】 により再び処理する。
【0018】このプロセスには、単管状の反応器を用い
る。尚、U字管状、二重管状等の反応器を用いてもよ
い。本体には軟鋼、ステンレス鋼、石英等の耐熱性材質
を用いる。四塩化チタンのみが接触する高温部はニッケ
ルライニングを施す。低級塩化チタンと四塩化チタンの
混合蒸気が接触する部分は、チタンまたはニッケルのラ
イニングを施す。
【0019】本発明のプロセスは次のように構成され
る。即ち反応器内に、一室以上の生成室と一室以上の熱
分解室を設ける。先ず前記生成室で、前記生成反応;
【化13】
【化14】 による前記生成混合蒸気の生成を行う。次に前記熱分解
室のうちの所定の熱分解室で前記生成混合蒸気の冷却、
低級塩化チタンの固化析出および四塩化チタン蒸気の排
出を行う。前記生成反応及び前記生成混合蒸気の冷却、
低級塩化チタンの固化析出および四塩化チタン蒸気の排
出を第一ステップと定義する。
【0020】該第一ステップでは、チタン精製の中間体
である低級塩化チタン蒸気を生成し、該低級塩化チタン
蒸気を冷却して析出させることにより、生成した精製チ
タンの空隙間に低級塩化チタン蒸気を浸透させて固化さ
せるため、結果として精製チタンの嵩密度を高くするこ
とができる。
【0021】次いで前記所定の熱分解室を含む熱分解室
で前記熱分解反応;
【化15】
【化16】 による精製チタンの生成と前記熱分解混合蒸気の発生を
行い、これを第二ステップと定義する。前記第一ステッ
プと前記第二ステップを、繰り返し行う。
【0022】請求項1に係る発明では、反応関与物質の
蒸気分圧の和を圧力と定義している。つまり、前記生成
反応および前記熱分解反応を実施する温度および圧力条
件をチタンと四塩化チタンとが反応した結果、形成され
る諸不均一気相平衡系のうち固相としてチタンのみが安
定に存在しうる平衡系、即ち次の2平衡;
【化17】
【化18】 により表される平衡系が形成されるための温度および圧
力条件の範囲の中から選定する。なお、ここで上記固相
としてチタンのみが安定に存在しうる平衡系を固相チタ
ン平衡系と定義する。
【0023】前記生成反応においては、前記固相チタン
平衡系の条件下では、生成した低級塩化チタンは粗チタ
ンの表面に固体として析出することはできない。前記固
相チタン平衡系条件下では、前記低級塩化チタンは蒸気
としてのみ存在できるからである。従って前記固相チタ
ン平衡系の条件下で前記生成反応を行うことにより、粗
チタン表面は常に露出し、四塩化チタン蒸気と直接接触
できるので、高い反応速度を得ることができる。
【0024】また、固相チタン平衡系の条件下で前記熱
分解反応を行うことにより、他の条件を用いる場合より
も、二塩化チタン濃度の高い生成混合蒸気が発生するた
め、精製チタンの収率を高くすることができる。二塩化
チタン濃度が高い程熱分解時の精製チタンの収率が向上
するからである。
【0025】更に、前記熱分解反応では、低級塩化チタ
ン固体が存在する雰囲気を固相チタン平衡系の条件まで
加熱及び/又は減圧する。このようにすることで、チタ
ン固相を析出させることができる。低級塩化チタンは、
固相チタン平衡系の条件下で固相としては存在すること
ができないため熱分解するからである。この際熱分解反
応に随伴して平衡;
【化19】
【化20】 が形成されるため、低級塩化チタンと四塩化チタンの混
合蒸気が発生し、低級塩化チタン固体の一部のみがチタ
ンに変換し、残部は熱分解混合蒸気に変換する。
【0026】前記固相チタン平衡系の温度と圧力の条件
について、例えば用いるべき温度を定めると、それに適
合する圧力は、ある上限値以下の範囲に限定される。温
度の変化巾に対する圧力上限値の変化巾は極めて大き
く、測温誤差によってある温度に適合する圧力の範囲は
理論値と大幅に狂う可能性がある。そこで、予め実際に
用いる反応器と計器を使用して固相チタン平衡系が成立
する温度及び圧力条件を実地において測定し、この実測
値を用いて反応条件の微調整を行う。かかる調整操作を
行うことにより、確実に前記固相チタン平衡系の条件下
で反応を行うことが可能となる。
【0027】固相チタン平衡系が成立する温度及び圧力
条件を測定する装置について説明する。測定装置には、
実際の反応に用いる反応器を用いる。該反応器内のチタ
ンライニングその他の反応性物質は取り除く。尚、軟
鋼、ステンレス鋼、ニッケル、石英等は使用してもよ
い。
【0028】前記反応器内の生成室の両端部に耐蝕性の
多孔質板、バッフル状の板等の境界壁を設ける。このよ
うにすることにより、前記生成室の内外に差圧がない時
における、対流等のガスの出入はほとんど阻止できる。
また、前記生成室の内外に僅かでも差圧があるときは前
記生成室の内外にガスが流通し、その差圧を解消するこ
とができる。チタンは、前記生成室にのみ充填する。反
応器には、四塩化チタン液を収容し、その温度t(℃)
を調節することにより内部の蒸気圧を任意の圧力に保持
できる四塩化チタン容器を、バルブを介して反応器に連
結する。
【0029】固相チタン平衡系が成立する温度及び圧力
条件を測定する操作について説明する。先ず反応器全体
を四塩化チタン蒸気が液化しない温度に保温する。前記
反応器内の空気を排気した後、生成室を均一な温度t0
(℃)に保持する。四塩化チタン容器のバルブを開け、
前記四塩化チタン容器と反応器との圧力が同じ値になる
よう調整する。四塩化チタン容器の温度tを上昇または
下降させ、反応器圧力P(Torr)を除々に、上昇ま
たは下降させる操作を繰り返す。
【0030】以下、固相チタン平衡系が成立する温度及
び圧力条件を測定した結果について説明する。前記反応
器内の圧力PがP>P0のとき、四塩化チタン容器内と
反応器内との圧力が同じ値になった後も四塩化チタン蒸
気は四塩化チタン容器から反応器内へ流入した。P<P
0で、四塩化チタン蒸気は反応器内より四塩化チタン容
器へ流出した。
【0031】P>P0のときは、生成室内の四塩化チタ
ン蒸気がチタンと反応して生成する低級塩化チタンが固
体となって生成室内に蓄積したため、反応消費された量
に対応する量の四塩化チタン蒸気が四塩化チタン容器か
ら生成室内に流入し、反応が進行を続けたと考えられ
る。
【0032】一方、P<P0のときは生成室内に蓄積し
た低級塩化チタン固体が熱分解し、これに伴い低級塩化
チタン蒸気と四塩化チタン蒸気との混合蒸気が発生し
た。発生した混合蒸気のうち低級塩化チタン蒸気は、反
応器の冷部に固体として析出し、四塩化チタン蒸気は反
応器より流出したと考えられる。P=P0では、低級塩
化チタンの生成も分解も起こらない境界の状態となり、
四塩化チタン蒸気の流入、流出は停止した。
【0033】以上の結果より、温度t0(℃)の下にお
いてP(Torr)<P0(Torr)が固相チタン平
衡系の形成条件として測定された。前記実験を行った反
応器においては、この条件で低級塩化チタンの生成反応
および熱分解反応を行えばよい。同様に、反応器の圧力
P(Torr)を一定値P0(Torr)に保持し、生
成室の温度t(℃)を上下し、反応器に対する四塩化チ
タンの流入流出が停止する境界の温度t0(℃)を求め
ることもできる。
【0034】請求項1に係る発明では、前記熱分解室内
に低級塩化チタン固体を析出させる際には、既に行った
第一ステップがある場合には、既に行った第一ステップ
において低級塩化チタン固体を析出させた位置と少なく
とも一部を重複させた位置に前記低級塩化チタン固体を
析出させ、前記第二ステップにおける低級塩化チタン固
体の熱分解は、前記第一ステップでの析出位置において
行う。この様に構成するのは、以下の理由からである。
【0035】即ち、低級塩化チタン固体を一回熱分解し
たとき、低級塩化チタンの体積に対する精製チタンの体
積は通常10%程度であり、最大でも13%弱である。
従って例えば熱分解室に、当該熱分解室の容積の60%
の体積の低級チタン固体を析出させた場合には、1回の
熱分解後に(60/100)×(10/100)×10
0=6%より、前記熱分解室の容積の6%の体積の精製
チタンが生成される。前記熱分解室の空隙率は94%で
あり、容積効率上極めて不十分な数値である。
【0036】そこで、第2回の第一ステップ以降、熱分
解室内で既に行った第一ステップにおいて低級塩化チタ
ン固体を析出させた位置と同一範囲の位置に析出を行
い、その場において熱分解を行う。このようにすること
により、既に行った第一ステップにおいて生成した精製
チタンの空隙を新たに生成した精製チタンで埋めること
ができる。従って、空隙率の少ない精製チタンが得ら
れ、熱分解室の容積効率が向上する。
【0037】しかし、熱分解室における低級塩化チタン
固体の析出形状は一般に不規則であり、例えば熱分解室
壁へ析出する層の厚さも高低凹凸がある。そこで本発明
では、繰り返し行われる析出を全く同位置で行うのでは
なく、一部が重複する位置で行うこともできる。このよ
うにすることにより、析出する低級塩化チタン固体の層
の高低凹凸を平均化することができ、全体として熱分解
室の容積を有効に使うことができる。
【0038】更に、本発明では、密な状態に析出した前
記低級塩化チタン固体をその析出位置において熱分解
し、析出と熱分解を繰り返す。このようにすることによ
り、チタンの充填率を向上し、前記熱分解室の空隙率を
低下させることができる。
【0039】また、低級塩化チタンを当該低級塩化チタ
ンが析出した位置で熱分解することにより、低級塩化チ
タンを熱分解条件が整えられた部位にスクレーパー、ス
クリューコンベア等の機械的手段で移送して熱分解する
方法では得ることができない、高い嵩密度の精製チタン
を得ることができる。
【0040】前記機械的手段による移送の場合、既に生
成したチタンの空隙に低級塩化チタン固体を詰め込むこ
とは困難であり、生成したチタンを圧縮することしか出
来ないのに対し、析出位置で低級塩化チタンを熱分解す
る方法による場合は、生成したチタンの空隙間に低級塩
化チタン蒸気が浸透して固化するため、1回当たりの充
填率は高くなるからである。更に、析出、熱分解を繰り
返すことにより精製チタンの嵩密度を上げることが出来
るからである。
【0041】このようにして10回の熱分解を繰り返せ
ば、{1−(94/100)10}×100の式より、熱
分解室容積の46%はチタンで充填される。46/10
0×4.5(g/cm3)の式より、2.1(g/c
3)の嵩密度の精製チタンを得ることができる。
【0042】尚、併せて機械的手段による移送を行って
もよいが、機械的手段による移送は、以下の問題点があ
る。すなわち、低級塩化チタンを加熱して熱分解する時
先ず比較的低温において、次式;
【化21】 による三塩化チタンの熱分解が起こり、次いで前記の固
相としてチタンのみが安定に存在しうる高温の条件下で
次式;
【化22】 による二塩化チタンの熱分解が起こる。
【0043】低級塩化チタンを機械的手段で移送し上記
高温二塩化チタンの熱分解条件下に一気にもたらすと、
三塩化チタンと二塩化チタンの熱分解が同時に激しく起
こる。低級塩化チタンのダストは、発生した四塩化チタ
ン蒸気と共に反応器外まで運ばれ、低級塩化チタンの損
失は大きくなる。結果として精製チタン収率が低下する
という問題が生じる。
【0044】そこで、本発明では、上記問題点を解決す
るため、低級塩化チタン固体が存在する雰囲気の温度上
昇及び/又は圧力低下を低速度で行う。このようにする
ことにより低級塩化チタンの熱分解を段階的に緩やかに
行うことができる。従って、低級塩化チタンの損失を少
なくすることができ、精製チタンの収率を高くすること
ができる。
【0045】請求項2および3に係る発明は、低級塩化
チタン固体の熱分解反応に随伴して発生する前記熱分解
混合蒸気の処理の方法を提供するものである。反応器内
に2室以上の熱分解室、例えば2室の熱分解室を設け
る。ここでは、当該2室の熱分解室をA室およびB室と
する。
【0046】本発明では、先ず前記反応器内に設けられ
た所定の熱分解室、例えばA室で熱分解処理を行う。こ
こで熱分解処理とは、前記反応器内に設けられた所定の
熱分解室A室で析出した低級塩化チタン固体を当該所定
の熱分解室A室において熱分解して精製チタンを生成さ
せ、熱分解混合蒸気を発生させることをいう。
【0047】次に、該熱分解処理で発生する熱分解混合
蒸気を他の熱分解室B室に導く。当該他の熱分解室B室
においては、分離処理を行う。ここで分離処理とは、前
記熱分解混合蒸気を冷却して低級塩化チタン固体を析出
させ、蒸気の儘残った四塩化チタンを前記反応器外へ排
出することをいう。
【0048】前記分離処理で発生する熱分解混合蒸気を
更に前記所定の熱分解室を含む他の熱分解室、ここでは
A室に導いて前記分離処理を行い、次いで前記熱分解処
理と同様の熱分解処理を行い、前記熱分解処理と分離処
理とを繰り返し行う。
【0049】このA室とB室における熱分解の繰り返し
のステップを、前記第二ステップとして、前記第一ステ
ップと交互に繰り返し行う。又は、A室またはB室にお
ける熱分解反応のうち少なくとも一室における熱分解反
応は第一ステップと併行して行う。即ち、前記第一ステ
ップは、A室またはB室と生成室との間で常時行う。
【0050】このように、第一ステップと第二ステップ
を繰り返すことにより、総合的な結果として第一ステッ
プにおいて生成した低級塩化チタンの総量の大部分を熱
分解でき、精製チタンの収率を向上することができる。
【0051】熱分解室、例えばA室およびB室における
低級塩化チタン固体の熱分解は、請求項1の第二ステッ
プにおいて行われる熱分解条件と同様の固相チタン平衡
系の条件下において行う。
【0052】請求項1乃至3に係る熱分解室間、例えば
A室とB室との間の熱分解混合蒸気の導入は、以下の様
に行う。A室からB室へ熱分解混合蒸気を導入する場合
は、A室側の反応器の端部を閉じB室側の端部から反応
器内を排気する。このようにすることにより、A室の熱
分解反応で発生する熱分解混合蒸気がB室側端部へ向か
う流れをつくることができ、前記熱分解混合蒸気をB室
内に流入させることができる。この熱分解混合蒸気はB
室内で冷却され低級塩化チタンが固化析出し、四塩化チ
タン蒸気が発生する。当該四塩化チタン蒸気はA室とは
逆方向のB室側端部へ向かい、反応器外へ排気される。
B室からA室へ熱分解混合蒸気を導入する場合も、同様
の原理により行う。
【0053】請求項1乃至3に係る発明のうち反応器内
の室数が最も少ない場合は、生成室が1室、熱分解室が
2室の場合である。この場合の熱分解室を、それぞれA
室,B室とする。例えば縦長の中空円筒状の容器体であ
る反応器を垂直に設置し、下から上に向かって生成室,
A室,B室の順に設置する。先ず前記第一ステップとし
て反応器下端から四塩化チタンを供給し、生成室におい
て生成混合蒸気を生成させる。該生成混合蒸気はA室に
導き、A室で冷却して低級塩化チタン固体を析出させ
る。次いで第二ステップとして反応器下端を閉じて生成
室の四塩化チタン蒸気の供給を停止し、反応器上端から
排気しつつA室を加熱及び/又は減圧し、熱分解を行
う。熱分解によりA室で発生した熱分解混合蒸気をB室
に導き、該熱分解混合蒸気をB室で冷却して、低級塩化
チタン固体を析出させる。次いで反応器上端を閉じて反
応器下端から排気しつつB室を加熱及び/又は減圧し熱
分解を行う。かかる析出及び熱分解の操作を、A室とB
室との間で繰り返し、低級塩化チタンを消化した後、再
び第一ステップに戻る。第一ステップと第二ステップを
繰り返す。
【0054】また縦長の中空円筒状の容器体である反応
器を垂直に設置し、下から上に向かって1室の生成室、
熱分解室であるA室,B室の順に設置した場合におい
て、A室で熱分解を行うとき、生成室の生成反応も同時
に併行して行い、生成室からの生成混合蒸気とA室から
の熱分解混合蒸気とを同時にB室に導くこともできる。
【0055】しかし、この場合、B室で熱分解を行うと
きは、発生する混合蒸気はA室へ向かって下向きに導か
れるので、A室で低級塩化チタン固体が析出した際に発
生した四塩化チタン蒸気は、生成室を通過して反応器下
端から排出しなければならない。従ってこの場合生成室
の生成反応を同時に併行して行うことはできない。反応
器内の気流は下向きであるから、生成室で生成され、下
向きに流れる生成混合蒸気を生成室の上部に位置するA
室で冷却処理することができないからである。
【0056】常に生成反応と熱分解反応を同時に併行し
て行うための反応器としては、例えば中空円筒状の容器
体である反応器を水平に設置し、反応器内に例えば左端
から右端に向かって順に左生成室、左熱分解室、右熱分
解室、右生成室を左右対称に設置したものを用いること
ができる。
【0057】左生成室、左熱分解室、右熱分解室、右生
成室を設置した反応器を用いた場合について説明する。
先ず例えば反応器の左生成室および左熱分解室を加熱
し、右生成室および右熱分解室を冷却する。反応器左端
から四塩化チタンを供給し、左生成室で生成反応を行
い、左熱分解室で熱分解反応を行う。発生した生成混合
蒸気および熱分解混合蒸気を右熱分解室に導き、低級塩
化チタンを固化析出させる。右熱分解室において発生し
た四塩化チタン蒸気を反応器右端から排出する。
【0058】次に反応器の右生成室および右熱分解室を
加熱し、左生成室および左熱分解室を冷却する。反応器
右端から四塩化チタンを供給し、右生成室で生成反応を
行い、右熱分解室で熱分解反応を行う。発生した生成混
合蒸気および熱分解混合蒸気を左熱分解室に導き、低級
塩化チタンを固化析出させる。左熱分解室において発生
した四塩化チタン蒸気を反応器左端から排出する。
【0059】以下、同様に左右を反転した操作を繰り返
す。初回の操作は生成反応のみであるが、その後はすべ
て生成反応と、熱分解反応が同時併行して行われる。生
成反応による低級塩化チタンの生成量と、熱分解反応に
よる低級塩化チタンの消化量とのバランスがとれるよ
う、四塩化チタンの供給量を調節する。
【0060】反応器内の気流方法と稼動する室の相対位
置に矛盾がない限り、生成室及び熱分解室の配置は、前
記の配置に限られるものではない。例えば、細長い中空
円筒状の容器体である反応器を用い、当該反応器の径に
対し長さの短い多数の熱分解室を輪切り状に連結して設
けることもできる。以下に説明する熱分解の範囲を拡大
する方法、ゾーンメルティングによる方法、熱分解室に
温度勾配を与える方法を、熱分解帯域移動法と定義す
る。
【0061】前記多数の熱分解室を設ける場合の例とし
て、反応器の径に対し長さの長い熱分解室を設け、その
一端から加熱を開始し除々にその範囲を拡大して最終的
に熱分解室の全体を加熱して熱分解を行う方法を用いる
こともできる。当該方法を用いると、低級塩化チタンの
熱分解及び固化析出の位置が一方向へ順次移動するの
で、熱分解室内に均一に精製チタンを析出させるように
調整することができる。熱分解室の一部で熱分解が起こ
ると、熱分解により発生する熱分解混合蒸気は加熱帯域
の拡大方向の先の未だ加熱されていない低温部に導か
れ、該低温部で低級塩化チタンを析出する。次いでその
析出位置が加熱され析出した低級塩化チタンが熱分解さ
れると、更に先の位置で低級塩化チタンが析出する。こ
のように熱分解と析出が繰り返されながら熱分解が進行
するため、見かけ上1回の熱分解過程であっても、低級
塩化チタンは繰り返し多数回の熱分解を受ける。このた
め、熱分解収率は著しく向上する。
【0062】また、他の例として、ゾーンメルティング
のように一定の巾の加熱及び冷却ゾーンを移動させるよ
うな加熱方法を用いることも可能である。即ち、反応器
の長さ方向に向かって順次加熱し、加熱された位置をそ
の後順次冷却する方法である。この場合は精製チタンの
逆反応を防止するために、加熱及び冷却ゾーンが移動す
る方向と、熱分解混合蒸気が流れる方向とを互いに逆と
するとよい。さらに、熱分解室に温度勾配を与え、徐々
に減圧することにより温度の高い部分から徐々に熱分解
を行い、減圧度が増すに従ってより低温の部分において
も熱分解を行なう。かかる熱分解条件の範囲を拡大する
方法によっても、熱分解収率の向上を図ることが出来
る。
【0063】請求項4に係る発明は、低級塩化チタン固
体の熱分解反応に随伴して発生する熱分解混合蒸気の処
理の方法を提供するものである。即ち、請求項4に係る
発明には、製造装置として縦型の中空円筒状の容器体で
ある反応器を用いる。当該反応器内部には、下部から上
部に向かって順次生成室、熱分解室及び分離室を配置す
る。
【0064】請求項1記載の第二ステップで低級塩化チ
タン固体の熱分解に随伴して発生する熱分解混合蒸気を
前記分離室において冷却し、低級塩化チタン固体を析出
させ、四塩化チタン蒸気と分離する。該四塩化チタン蒸
気は反応器外へ排出する。
【0065】一方、前記分離室に析出した低級塩化チタ
ン固体を、機械的手段,例えば前記分離室内に垂直に挿
入された螺旋運動をするシャフトに水平に取り付けられ
たかき取り羽根によってかき取り、下方の前記熱分解室
に落下させる。落下した前記低級塩化チタン固体は、第
一ステップで熱分解室に析出した生成混合蒸気からの低
級塩化チタン固体と共に熱分解する。以上の前記分離室
における熱分解混合蒸気からの低級チタン固体の析出及
びかき落とし等の処理を、前記第一ステップ及び第二ス
テップと共に繰り返し行う。
【0066】低級塩化チタン固体のかき落としは第一ス
テップ実施時に行うのが好ましい。二塩化チタンの熱分
解条件下における三塩化チタンの激しい熱分解による低
級塩化チタンの損失が防止できるからである。すなわ
ち、第一ステップ時であれば熱分解室は二塩化チタンが
熱分解を起こさない条件下にあるため、かき落とされた
三塩化チタンは熱分解しないか、若しくは穏やかな熱分
解を起こすからである。尚、前記低級塩化チタン固体の
かき落としは、第一ステップ及び第二ステップの繰り返
し過程を通じて連続的に行うこと、第二ステップ実施時
に行うことも可能である。
【0067】又、請求項2又は3に係る発明では、第一
ステップで発生した生成混合蒸気からの低級塩化チタン
固体は熱分解室において析出させるのに対し、請求項4
に係る発明、即ち分離室を設ける場合は低級塩化チタン
固体は以下のように析出させる。すなわち、生成混合蒸
気中の低級塩化チタンの一部は熱分解室において析出さ
せ、残部を分離室において析出させる。この生成混合蒸
気から析出させた低級塩化チタン固体は、熱分解混合蒸
気からの低級塩化チタン固体と共に熱分解室にかき落と
し、熱分解することもできる。
【0068】このとき、反応器各部は一定の温度に保持
すればよく、運転中に温度を変える必要はない。第一ス
テップでの熱分解室の温度は比較的高温とし、第二ステ
ップにおいてもこの温度を保持したまま、第一ステップ
よりも第二ステップを低圧条件下で行うことにより熱分
解及び析出を行うことができるからである。
【0069】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。
【0070】図1により、本発明に用いる製造装置の一
例を説明する。本例では、製造装置として反応器1を用
いており、反応器1は、生成室9、分離室12、熱分解
室13、スクレーパーシャフト10、かきとり刃11を
主要構成要素とする。
【0071】本例における反応器1は、ステンレス鋼か
ら構成され、図1に示すように中空円筒状の容器体であ
り、胴部長さ約175cm、外径約22cmのものを用
いている。反応器1の頭部には反応器蓋2が取付けら
れ、密閉可能とされる。反応器1の底部には、内筒底板
4の上方まで挿入された四塩化チタン供給管5が取り付
けられ、反応器蓋2の側面には、四塩化チタン排出管6
が取り付けられる。
【0072】本例反応器1の内部には反応器蓋2から懸
垂された中空円筒状の内筒3が設置される。内筒3は、
チタンから構成され、長さ約170cm、内径18cm
のものを用いている。
【0073】本例生成室9は、内筒3の一部であって、
仕切り板8と内筒底板4に区切られた中空円筒状の部分
であり、高さ60cmの範囲である。仕切り板8は、反
応器蓋2と接合される反応器頭部フランジ7の上面から
下方約110cmの位置に取り付けられる。仕切り板8
を通してガスの流通は可能だが、粒体は流通できず仕切
り板8に支持される。生成室9には粗チタンが充填され
る。生成室9では、充填された粗チタンと下方から供給
される四塩化チタン蒸気とが前記第一ステップで反応
し、生成混合蒸気を生成する。
【0074】スクレーパーシャフト10は、反応器蓋2
の頭部中心を貫通して内筒3の中心に挿入される。スク
レーパーシャフト10はチタンから構成される。スクレ
ーパーシャフト10の先端にはシャフト10に対し逆T
字型にかき取り刃11が取付けられる。スクレーパーシ
ャフト10は螺旋運動、即ち回転運動と上下運動との合
成運動を行うように構成される。スクレーパーシャフト
10の螺旋運動に伴い、かき取り刃11の先端が内筒3
の内壁と摺動し、内壁に析出する低級塩化チタンを下方
へかき落とす。
【0075】図1には、かき取り刃11の下限位置、即
ちスクレーパーシャフト10の螺旋運動の上下方向の下
限位置を示す。図1に示すかき取り刃11の下限位置
は、反応器頭部フランジ7の上面から約60cm下方であ
る。従って、かき取り刃11によるかき取り範囲は、図
1に示すかき取り刃11の位置からフランジ7と同じ高
さの位置までである。
【0076】本例分離室12は、内筒3の一部であっ
て、かき取り刃11の下限位置と仕切り板8に区切られ
た中空円筒状の部分であり、高さ60cmの範囲であ
る。分離室12では、低級塩化チタン蒸気が冷却されて
低級塩化チタン固体が析出し、下方へかき落とされる。
【0077】本例熱分解室13は、内筒3の一部であっ
て、仕切り板8とかき取り刃11の下限位置に区切られ
た中空円筒状の部分であり、高さ約50cmの範囲であ
る。熱分解室13では、前記第一ステップで生成混合蒸
気から低級塩化チタンの一部が析出する。また、前記第
二ステップでこの析出低級塩化チタンおよび分離室から
かき落とされた低級塩化チタンの熱分解を行う。
【0078】本例の加熱炉14は温度調節機構であり、
反応器1を取り囲むように構成される。加熱炉14では
前記生成室9、前記分離室12、前記熱分解室13の温
度および温度分布の調節を行う。加熱炉14は少なくと
も上下3段以上に分割され、各区分はそれぞれ、独立し
て任意に温度及び温度分布の調節をすることができる。
【0079】本例の四塩化チタン供給管5は、四塩化チ
タン供給バルブ15を介して、図示しない四塩化チタン
供給設備へ連結される。該四塩化チタン供給設備は四塩
化チタン蒸気を反応器内へ供給し、反応器内を約760
Torr(abs.)以下の圧力に調整する設備であ
る。前記四塩化チタン供給設備には、計量器が附帯され
る。反応器1と四塩化チタン供給バルブ15との間には
圧力計16が設置され、該圧力計16で反応器内圧力の
計測をする。
【0080】本例の四塩化チタン排出管6は、四塩化チ
タン排出バルブ17を介して、図示しない四塩化チタン
コンデンサーに連結される。該四塩化チタンコンデンサ
ーは、排出四塩化チタン蒸気を−20℃以下まで冷却し
て液化し回収する装置である。該四塩化チタンコンデン
サーには、回収された四塩化チタンを貯える回収受器が
附帯される。四塩化チタン排出管6は更に、排気バルブ
18を介して図示しない排気設備に連結される。反応器
1からの四塩化チタン排出量が少ない時は排気バルブ1
8を開き、反応器内の圧力が10-2(Torr)以下と
なるまで排気することができる。
【0081】排気バルブ18を介して四塩化チタン排出
管6が連結された図示しない排気設備は、更に配管が設
けられ前記四塩化チタンコンデンサーと接続される。−
20℃における四塩化チタンの蒸気圧は約0.9(To
rr)であるから、コンデンサー内に非凝縮性ガスが存
在しない時、コンデンサーは排出四塩化チタンをコンデ
ンサー内圧力が0.9(Torr)近くになるまで排出
することができる。しかし、コンデンサー内に非凝縮性
ガスが溜まった時は排出能力が低下する。そこで、前記
配管を通じてコンデンサー内のガスを一時的に上記排気
設備で排気できるようにしたものである。
【0082】スクレーパーシャフト10はシャフトシー
ル19の上方で螺施運動駆動機構に連結される。反応器
内に挿入されるシャフト下半部分の低級塩化チタン附着
による汚染、および高温からシール部を保護するため、
シャフトシールは、反応器蓋2の上端から約60cm上方
の位置に設けられる。かかる約60cmという長さは、ス
クレーパーシャフト10の上下方向ストローク距離に相
当する。
【0083】本例に用いる装置を用い、実施の形態の欄
に記載した、減圧条件下における熱分解帯域移動法のチ
タン精製実験を行った。減圧条件下における熱分解帯域
移動法の原理について説明する。本実験では、反応器の
下端が高温で上端が低温となるような温度勾配を与え、
各部温度を一定に保持する。反応器内の圧力を徐々に低
下させ、熱分解が起こる範囲を下端から上端に向かって
拡大していく。反応器に存在する低級塩化チタンは下端
から順に熱分解するので、発生した熱分解混合蒸気は、
その上方かつ近傍の、熱分解中の部分より低温で未だ熱
分解反応が開始されない部分に導かれる。前記熱分解混
合蒸気は、熱分解中の部分より低温で未だ熱分解反応が
開始されない部分に低級塩化チタン固体を析出する。こ
の熱分解と析出の位置が圧力低下に伴い次第に上方に移
動していく過程で、繰り返し熱分解を行う。この様にす
ることにより、熱分解の操作一回当りの熱分解比率を高
くすることができる。
【0084】以下、そのチタン精製実験の操作について
説明する。生成室9に粗チタンとして粒径約1(mm)
〜17(mm)の市販のスポンジチタン19(kg)を
層高55(cm)となるよう充填し、反応器1を組立て
る。その後、排気設備により反応器1内を10-2(To
rr)まで排気する。
【0085】次に反応器1の昇温を行う。生成室9下端
の温度を1000(℃)とする。生成室9と熱分解室1
3との境界における温度を963(℃)とする。ここ
で、固相二塩化チタン平衡系を、固相として二塩化チタ
ンのみが安定に存在しうる平衡系と定義すると、963
(℃)は、300(Torr)における固相チタン平衡
系と固相二塩化チタン平衡系の境界温度である。熱分解
室13と分離室12との境界における温度を850
(℃)とする。850(℃)は、5(Torr)におけ
る固相チタン平衡系と固相二塩化チタン平衡系の境界温
度である。分離室12上端の温度を200(℃)とす
る。反応器1各部を前記の温度まで昇温した後、全精製
反応終了までこれらの温度を保持する。
【0086】次に、四塩化チタン供給バルブ15を開い
て反応器1内に四塩化チタン蒸気を30(mol/H
r.)即ち5.69(Kg/Hr.)の流量で供給し、
第一回の生成反応を約2時間行う。
【0087】生成反応は、反応器1内の圧力を300
(Torr)として行う。生成室9は固相チタン平衡系
にあるため、生成室9に低級塩化チタンは析出しない。
それに対し、熱分解室13は固相二塩化チタン平衡系に
あるため、生成混合蒸気が熱分解室13に流入すると熱
分解室13の底部において直ちに二塩化チタンを析出す
る。熱分解室13の底部から上端部に向かって、温度の
低下に従い次第に三塩化チタンに富む低級塩化チタンを
析出する。
【0088】第一回の生成反応終了の直前にはスクレー
パーシャフト10を2往復作動させ、分離室12に析出
した低級塩化チタンを熱分解室へかき落す。尚、スクレ
ーパーの温度が上昇することを避けるため、スクレーパ
ーシャフト10を停止させるときは、図1に示す上限位
置に停止させる。
【0089】四塩化チタン供給バルブ15を閉じ四塩化
チタンの供給を停止して、第一回の生成反応を終了す
る。その後、第一回の熱分解反応を開始するため、直ち
に四塩化チタン排出バルブ17を開け、反応器1内の圧
力を約10(Torr/min.)の速度で300(T
orr)から5(Torr)以下まで減圧する。
【0090】反応器1内の圧力を300(Torr)か
ら徐々に低下すると熱分解室13は底部から固相チタン
平衡系の条件に入って熱分解を開始し、次第に熱分解が
起こる範囲を上方に向かって拡大する。圧力が5(To
rr)まで低下すると、熱分解が起こる範囲は熱分解室
13の上端に達する。圧力の低下により、低級塩化チタ
ンの熱分解と析出が繰り返し行われ、かかる熱分解と析
出の繰り返しにより、高収率の精製チタンを得ることが
できる。
【0091】第一回の熱分解反応の終期において、反応
器1内圧力が5(Torr)以下となり四塩化チタンの
排出が僅かとなったら、四塩化チタン排出バルブ17を
一旦閉じ、四塩化チタン供給バルブ15を開く。四塩化
チタンは流量30(mol/Hr.)で供給する。反応
器1内の圧力が300(Torr)となるように四塩化
チタン排出バルブ17を調節する。第二回の生成反応を
第一回生成反応と同じ操作で行う。
【0092】第二回生成反応終了後、第一回熱分解反応
と同じ操作で第二回熱分解反応を行う。同様にして第三
回、第四回、および第五回の生成反応と熱分解反応を行
う。
【0093】第五回の熱分解終了後、四塩化チタン供給
バルブ15を閉じた儘、四塩化チタン排出バルブ17も
一旦閉じ、スクレーパー10の連続作動を開始する。こ
の回の熱分解時に発生した熱分解混合蒸気から分離室1
2に析出した残留低級塩化チタンを完全に熱分解するた
めである。直ちに低級塩化チタンの熱分解による反応器
1内の圧力上昇が起こるので、300(Torr)を超
えないよう四塩化チタン排出バルブ17を調節し、以後
前記熱分解と同様、徐々に減圧する。反応器1内の圧力
が5(Torr)以下となったら、バルブ17を閉じ、
反応器1を放冷する。
【0094】反応器1が冷却して常温になったら、反応
器1を分解し、熱分解室13に生成した精製チタンを採
取する。直ちに該精製チタンを1規定の塩酸、純水、メ
タノールで逐次洗浄し、真空乾燥を行う。
【0095】以下、前記装置を用いて前記操作で行った
実験の結果について説明する。第一回の生成反応におけ
る四塩化チタン供給量は60.0(mol)即ち11.
4(Kg)であった。流量30(mol/Hr.)の四塩
化チタン蒸気を約2時間供給したからである。一方、四
塩化チタン排出量は23.8(mol)即ち4.52
(Kg)であった。排出された四塩化チタン蒸気がコン
デンサーで液化された後に回収受器に液体四塩化チタン
として溜められるが、この回収受器に溜められた液量を
測定して得た数値である。以上より、四塩化チタン排出
量は四塩化チタン供給量の39.7%であった。供給量
と排出量との差60.3%は低級塩化チタンの生成に消
費されたと考えられる。
【0096】第一回の生成反応終了の直前にスクレーパ
ー10を2往復作動させ、分離室12に析出した低級塩
化チタンを熱分解室13へかき落したところ、四塩化チ
タン排出流量の増加が認められた。低級塩化チタン中の
三塩化チタンが熱分解し二塩化チタンに変化したためと
推測される。
【0097】第一回の生成反応の終了後、第一回の熱分
解反応を開始するため、四塩化チタン排出バルブ17を
調節し、反応器1内圧力を300(Torr)から5
(Torr)以下まで約10(Torr/min.)の
速度で減圧したところ、約3(Torr)に達するまで
に約30分を要した。
【0098】第一回の熱分解反応の四塩化チタン排出量
は27.9(mol)即ち5.29(Kg)であり、生
成反応時の四塩化チタン供給量に対する比率は{27.
9(mol)/60(mol)}×100=46.5%
であった。この排出四塩化チタンは低級塩化チタンの熱
分解によって発生したもの考えられる。
【0099】本例の熱分解帯域移動法を用いずに1回の
熱分解操作の過程で1回の熱分解しか起こらない方法を
とる場合、生成反応時の四塩化チタン供給量に対する熱
分解反応時の四塩化チタン排出量の比率は通常20%程
度である。このことと比較すると、本実験結果の46.
5%という値は非常に大きい。この結果は、本実験にで
は一回の熱分解過程において繰り返し熱分解が行われ、
熱分解率が高かったことを示唆する。
【0100】第二回の生成反応における四塩化チタン供
給量は60.0(mol)即ち11.4(Kg)、四塩
化チタン排出量は24.2(mol)即ち4.59(K
g)で供給量に対し40.3%であった。第二回熱分解
反応における四塩化チタン排出量は33.9(mol)
即ち6.43(Kg)で、第二回生成反応の四塩化チタ
ン供給量に対する第二回熱分解反応の四塩化チタン排出
量の比率は56.5%であった。この比率が第一回にお
ける同様の比率に対して高い理由は、第一回熱分解反応
において熱分解せずに熱分解混合蒸気となって分離室1
2で析出した未分解低級塩化チタンが、第二回生成反応
による低級塩化チタンと共に熱分解されたためと推定さ
れる。
【0101】第一回から第五回までの生成反応における
四塩化チタン供給量の合計は300(mol)即ち5
6.9(Kg)であった。四塩化チタン排出量の合計は
123(mol)即ち23.3(Kg)で、四塩化チタ
ン供給量の41.7%であった。100−41.7=5
8.3%の供給四塩化チタンが低級塩化チタンの生成に
寄与したと推定される。
【0102】一方、第一回から第五回までの熱分解反応
における四塩化チタン供給量の合計は164(mol)
即ち31.1(Kg)で、生成反応における四塩化チタ
ン供給量の合計の54.7%であった。この値も、本例
の熱分解帯域移動法を用いずに1回の熱分解操作の過程
で1回の熱分解しか起こらない方法をとる場合に比べ著
しく高い。
【0103】第五回の熱分解終了後、スクレーパー10
を連続作動し、第五回の熱分解時に発生した熱分解混合
蒸気から分離室12に析出した残留低級塩化チタンを完
全に熱分解したところ、約3(mol)即ち0.6(K
g)の四塩化チタンが排出した。
【0104】以上の結果より、全反応を通じての四塩化
チタン排出量の合計は123+164+3=290(m
ol)即ち55.0(Kg)であった。四塩化チタン排
出量の四塩化チタン供給量に対する比率は(290/3
00)×100=96.7%であった。この値は、物量損
失がない場合は100%となるべき値である。物量損失
相当分100−96.7=3.3%は主として、反応器1
のかき落し不能部分に溜まった低級塩化チタンおよびコ
ンデンサーに溜まった非凝縮性ガスを排気する際、非凝
縮性ガスと共に四塩化チタンが排気されたことによるも
のと推定される。
【0105】最終的に採取された精製チタンは重量5.
51(Kg)即ち11.5(mol)であった。粒径1
〜25(mm)程度に整粒した時の嵩比重は約0.2で
あった。本例で原料として用いた粗チタンと採取された
精製チタンの分析値は表1の通りである。
【0106】
【表1】
【発明の効果】以上のように本発明に係るチタン精製法
によれば、収率よく、嵩密度の高い精製チタンを得るこ
とができる。すなわち、本発明に係るチタン精製法は、
生産性の高いチタンの精製法である。また、本発明に係
るチタン精製法によれば、従来法と比較して低原価でチ
タンを精製することができ、物質損失も少ない。さら
に、簡易な装置でかかる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の一実施例を示す概略構成説
明図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 反応器蓋 3 反応器内筒 4 内筒底板 5 四塩化チタン供給管 6 四塩化チタン排出管 7 反応器頭部フランジ 8 仕切り板 9 生成室 10 スクレーパーシャフト 11 かき取り刃 12 分離室 13 熱分解室 14 加熱炉 15 四塩化チタン供給バルブ 16 圧力計 17 四塩化チタン排出バルブ 18 排気バルブ 19 シャフトシール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応関与物質、即ち四塩化チタン、三塩
    化チタン、二塩化チタンおよびチタンを除くすべての気
    体、または、反応関与物質と不活性ガスを除くすべての
    気体が排除された雰囲気を保持する気密の反応器内で、
    予め反応器内に充填された粗チタンと四塩化チタン蒸気
    とを高温で略平衡に達するまで充分に反応させ、低級塩
    化チタン蒸気と四塩化チタン蒸気との生成混合蒸気を生
    成する生成反応を行い、該生成混合蒸気を冷却し、低級
    塩化チタン固体を析出させ、残った四塩化チタン蒸気を
    前記反応器外へ排出し、次いで前記析出した低級塩化チ
    タン固体を熱分解させて精製チタンを得る熱分解反応を
    行い、該熱分解反応に随伴して発生する低級塩化チタン
    蒸気と四塩化チタン蒸気との熱分解混合蒸気を前記生成
    混合蒸気と同様冷却し、低級塩化チタン固体を析出さ
    せ、残った四塩化チタン蒸気を反応器外へ排出し、前記
    析出した低級塩化チタンを熱分解し、精製チタンを得る
    チタンの精製方法において、 前記反応器内に設けられた一室以上の生成室で前記生成
    反応による生成混合蒸気の生成を行い、前記反応器内に
    設けられた一室以上の熱分解室のうちの所定の熱分解室
    で前記生成混合蒸気の冷却、低級塩化チタン固体の析出
    および四塩化チタン蒸気の排出を行う第一ステップと、 前記所定の熱分解室を含む熱分解室において、熱分解反
    応による精製チタンの生成と前記熱分解混合蒸気の発生
    とを含む第二ステップと、を有し、 前記第一ステップと前記第二ステップを繰り返し行うに
    際し、反応関与物質蒸気の分圧の和を単に圧力と定義す
    ると、前記生成反応を実施する温度および圧力条件及び
    前記熱分解反応を実施する温度および圧力条件をチタン
    と四塩化チタンとが反応した結果形成される諸不均一気
    相平衡系のうち固相としてチタンのみが安定に存在しう
    る平衡系、即ち次の2平衡; 【化1】 【化2】 により表される平衡系が形成されるための温度および圧
    力条件の範囲の中から選定した温度及び圧力条件とし、 前記熱分解室内に低級塩化チタン固体を析出させる際に
    は、既に行った第一ステップがある場合には、既に行っ
    た第一ステップにおいて低級塩化チタン固体を析出させ
    た位置と少なくとも一部を重複させた位置に前記低級塩
    化チタン固体を析出させ、 前記第二ステップにおける低級塩化チタン固体の熱分解
    は、前記第一ステップでの析出位置において行うことを
    特徴とするチタンの精製法。
  2. 【請求項2】 前記第二ステップは、前記反応器内に設
    けられた所定の熱分解室で析出した低級塩化チタン固体
    の当該所定の熱分解室における熱分解反応による精製チ
    タンの生成と熱分解混合蒸気の発生を含む熱分解処理
    と、 該処理で発生する熱分解混合蒸気を他の熱分解室に導
    き、 当該他の熱分解室において前記熱分解混合蒸気を冷却し
    て低級塩化チタン固体を析出させ、蒸気の儘残った四塩
    化チタンを前記反応器外へ排出する分離処理と、を含
    み、 前記分離処理で発生する熱分解混合蒸気を更に前記所定
    の熱分解室を含む他の熱分解室に導いて前記分離処理を
    行い、次いで前記熱分解処理と同様の熱分解処理を行
    い、前記熱分解処理と分離処理とを繰り返し行う構成を
    有し、前記第一ステップで生成した低級塩化チタンの総
    量の大部分を熱分解して、精製チタンを得る請求項1記
    載のチタン精製法。
  3. 【請求項3】 前記第一ステップは、常時行う様にした
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のチタン精製法。
  4. 【請求項4】 前記第二ステップの熱分解室と連通し、
    前記第二ステップの熱分解室の上方に位置する分離室へ
    前記熱分解室で発生する熱分解混合蒸気を導入し、冷却
    して低級塩化チタン固体を析出させ、四塩化チタン蒸気
    と分離すると共に反応器外へ排出し、低級塩化チタン固
    体を機械的手段により前記熱分解室へかき落とし、 当該熱分解室において前記第一ステップで析出した低級
    塩化チタン固体と共に熱分解することを繰り返し行い、
    前記第一ステップで精製した低級塩化チタンの総量の大
    部分を熱分解して精製チタンを得る請求項1,2,3い
    ずれか記載のチタンの精製法。
  5. 【請求項5】 次の式; 【数1】 を満足する温度t(℃)および圧力(Torr)で示さ
    れる領域内から選定される温度及び圧力の下において、
    前記生成反応及び前記熱分解反応を実施する請求項1,
    2,3,4いずれか記載のチタン精製法。
  6. 【請求項6】 前記熱分解室における低級塩化チタン固
    体の熱分解を行うに際し、熱分解室に不活性ガスを導入
    する請求項1,2,3,4,5いずれか記載のチタンの
    精製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012129900A1 (zh) * 2011-03-31 2012-10-04 昆山金鼎新能源科技有限公司 一种具有激发式的高能量供电装置

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