JPH113025A - 画像記録装置及び画像記録方法 - Google Patents

画像記録装置及び画像記録方法

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JPH113025A
JPH113025A JP9154110A JP15411097A JPH113025A JP H113025 A JPH113025 A JP H113025A JP 9154110 A JP9154110 A JP 9154110A JP 15411097 A JP15411097 A JP 15411097A JP H113025 A JPH113025 A JP H113025A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レインボータイプのホログラフィックステレ
オグラムを作製する上での諸問題を解決し、カラーのホ
ログラフィックステレオグラムホログラムを作製するこ
とが可能な画像記録装置及び画像記録方法を提供する。 【解決手段】 ホログラフィックステレオグラムをレイ
ンボータイプとするために、シリンドリカルフレネルレ
ンズ144によって物体光を上下方向に集光させる。一
方、参照光に関しては、エッジリット方式を採用して、
光導入ブロックを介してホログラム用記録媒体130に
照射する。そして、シリンドリカルフレネルレンズ14
4を適当な量だけ上下方向に移動させることにより再生
像の色が変化することを利用すれば、カラーのホログラ
フィックステレオグラムを作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッジリット方式
のホログラフィックステレオグラムに画像を記録する画
像記録装置及び画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3次元画像を記録媒体に記録する手法と
して、ホログラフィックステレオグラムを用いた手法が
知られている。ホログラフィックステレオグラムは、被
写体を異なる観察点から順次撮影することにより得られ
た多数の画像を原画として、これらを1枚のホログラム
用記録媒体に順次記録することにより作製される。
【0003】このようなホログラフィックステレオグラ
ムのうち、横方向にだけ視差を有するホログラフィック
ステレオグラムは、被写体を異なる観察点から順次撮影
することにより得られた多数の画像を原画として、これ
らを1枚のホログラム用記録媒体に短冊状の要素ホログ
ラムとして順次記録することにより作製される。
【0004】例えば、図21に示すように、被写体60
0を横方向の異なる観察点から順次撮影することにより
得られた複数の原画601a〜601eが、短冊状の要
素ホログラムとしてホログラム用記録媒体602に順次
記録される。
【0005】このようなホログラフィックステレオグラ
ムでは、横方向の異なる観察点から順次撮影することに
より得られた画像情報が、短冊状の要素ホログラムとし
て横方向に順次記録されているので、このホログラフィ
ックステレオグラムを観察者が両目で見たとき、その左
右の目にそれぞれ写る2次元画像は若干異なるものとな
る。これにより、観察者は視差を感じることとなり、ス
テレオ立体視の原理により、3次元画像が再生されるこ
ととなる。
【0006】ところで、通常のホログラムにおいて、3
次元画像を再生するための照明光源と、ホログラムとは
空間的に離れている。このため、通常のホログラムで
は、再生のために広い空間を必要とし、また、最適な条
件で再生するにはホログラムと照明光源との位置関係を
決められた条件にセットしなければならない。これは、
複数の要素ホログラムからなるホログラフィックステレ
オグラムにおいても同様である。
【0007】これに対して、照明光源とホログラムが一
体化していれば、照明のための空間が不要になって小型
化を図ることができ、しかも、ホログラムと照明光源の
位置関係が常に一定となるので、常に最適な条件で再生
を行うことができる。そして、これを実現するものとし
て、透明な光導入ブロックに記録媒体を貼り付けて記録
再生を行うエッジリット方式のホログラムがある。
【0008】記録媒体を透過した光により3次元画像が
再生される透過型ホログラムを、エッジリット方式で作
製する際は、図22に示すように、適当な厚さのガラス
又はプラスチック等の透明材料からなる光導入ブロック
610の一方の面610aにホログラム用記録媒体61
1を貼り付ける。このとき、通常、ホログラム用記録媒
体611は、光の全反射を防ぐために、インデックスマ
ッチング液612を介して光導入ブロック610に貼り
付けられる。そして、光導入ブロック610の他方の面
610bから、被写体613からの物体光614をホロ
グラム用記録媒体611に向けて照射するとともに、光
導入ブロック610の端面610cから参照光615を
ホログラム用記録媒体611に向けて照射する。これに
より、透過型エッジリットホログラムが作製される。
【0009】そして、このように作製された透過型エッ
ジリットホログラムを再生する際は、図23に示すよう
に、再生用照明光を導入するための光導入ブロック62
0の一方の面620aにホログラム621をインデック
スマッチング液622を介して貼り付けたうえで、光導
入ブロック620の端面620bから再生用照明光62
3をホログラム621に向けて照射する。このとき、ホ
ログラム621を透過する光は、ホログラム621によ
って回折される。そして、この回折光624によって再
生像625が生じ、当該再生像625が観察者626に
よって観察されることとなる。
【0010】また、記録媒体を反射した光により3次元
画像が再生される反射型ホログラムを、エッジリット方
式で作製する際は、透過型エッジリットホログラムを作
製する際と同様、図24に示すように、光導入ブロック
630の一方の面630aに、インデックスマッチング
液631を介して、ホログラム用記録媒体632を貼り
付ける。そして、反射型のときには、ホログラム用記録
媒体632を貼り付けた側から、被写体633からの物
体光634をホログラム用記録媒体632に向けて照射
するとともに、光導入ブロック630の端面630bか
ら参照光635をホログラム用記録媒体632に向けて
照射する。これにより、反射型エッジリットホログラム
が作製される。
【0011】そして、このように作製された反射型エッ
ジリットホログラムを再生する際は、図25に示すよう
に、光導入ブロック640の一方の面640aにホログ
ラム641をインデックスマッチング液642を介して
貼り付けた上で、光導入ブロック640の端面640b
から再生用照明光643をホログラム641に向けて照
射する。このとき、ホログラム641によって反射され
る光は、ホログラム641によって回折される。そし
て、この回折光644によって再生像645が生じ、当
該再生像645が観察者646によって観察されること
となる。
【0012】このようなエッジリット方式のホログラム
では、再生用照明光の光源と光導入ブロックを一体化す
ることにより、再生用の光学系を小型化することがで
き、しかも、常に最適な条件で再生を行うことができ
る。また、エッジリット方式のホログラムは、再生用照
明光の入射角度が大きくなるため、光導入ブロックの外
部から入射した光によって像が再生されるようなことが
ないという特徴を有している。このため、エッジリット
方式のホログラムは、ヘッドアップディスプレイ装置の
ように、太陽等からの光によって像が再生されると好ま
しくないような分野において利用が進んでいる。
【0013】また、ホログラムにおいては、カラー化に
ついても研究がなされている。そして、ホログラムのカ
ラー化の方法としては、主に2つの方法が知られてい
る。1つはリップマンホログラムであり、もう1つはレ
インボーホログラムである。
【0014】リップマンホログラムは、ホログラム用記
録媒体の異なる面から物体光と参照光を入射させて反射
型のホログラムを作ることにより波長の選択性を生じさ
せ、カラーホログラムを作る。しかし、リップマンホロ
グラムでカラーホログラムを作るためには、レーザ光を
3本使うか、もしくは記録媒体に対しての膨潤処理を行
う必要であり、小型で安価な画像記録装置のための方式
としては不適当である。
【0015】一方、レインボーホログラムは、1本のレ
ーザ光でカラーホログラムを作れるという利点がある。
したがって、小型で安価な画像記録装置のための方式と
しては、レインボーホログラムが好適である。そして、
このようなレインボーホログラムをホログラフィックス
テレオグラムに適用する際は、例えば、ホログラム用記
録媒体に記録する各要素ホログラムをレインボーホログ
ラムとすればよい。なお、以下の説明では、各要素ホロ
グラムをレインボーホログラムとして作製したホログラ
フィックステレオグラムのことを、レインボータイプの
ホログラフィックステレオグラムと称する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レイン
ボーホログラムを適用してワンステップホログラフィッ
クステレオグラムを作製しようとすると、様々な問題が
生じる。ここで、ワンステップホログラフィックステレ
オグラムとは、物体光と参照光との干渉縞が記録された
記録媒体をそのままホログラフィックステレオグラムと
して用いるもののことである。なお、ホログラフィック
ステレオグラムの作製方法としては、物体光と参照光の
干渉縞が記録された記録媒体をもとにして、その干渉縞
を他の記録媒体に転写することによりホログラフィック
ステレオグラムを得る方法もあり、このように作製され
たホログラフィックステレオグラムは、ツーステップホ
ログラフィックステレオグラムと称される。
【0017】レインボーホログラムを適用してワンステ
ップホログラフィックステレオグラムを作製するときに
は、例えば図26に示すような光学系を用いる。なお、
図26(A)は、レインボータイプのワンステップホロ
グラフィックステレオグラムを作製する画像記録装置全
体の光学系を上方から見た図であり、図26(B)は、
当該画像記録装置の光学系の物体光用の部分を横方向か
ら見た図である。
【0018】図26に示すように、このような画像記録
装置では、記録媒体700に対して参照光Laと物体光
Lbとを同じ側から入射させる。そして、物体光Lbの
側の光学系に、第1のレンズ701と、第2のレンズ7
02とを配置する。ここで、第1のレンズ701は、作
製するホログラフィックステレオグラムに視差を持たせ
る方向に、物体光Lbを収束させるレンズであり、第2
のレンズ702は、視差のない方向に物体光Lbを収束
させるレンズである。なお、以下の説明では、作製する
ホログラフィックステレオグラムに視差を持たせる方向
のことを視差方向と称し、視差のない方向のことを非視
差方向と称する。通常のホログラフィックステレオグラ
ムでは、視差方向は横方向となり、非視差方向は上下方
向となる。
【0019】図26に示した画像記録装置においては、
参照光Laは物体光Lbと同じ側から所定の角度にて入
射される。また、物体光Lbは第2のレンズ702によ
って非視差方向に収束された後、第1のレンズ701に
よって視差方向に収束される。そして、これらの参照光
Laと物体光Lbとがホログラム用記録媒体700上に
おいて干渉し、これにより、ホログラム用記録媒体70
0に要素ホログラムが形成される。
【0020】このようにして各要素ホログラムを形成す
ることによって得られたホログラフィックステレオグラ
ムは、各要素ホログラムがレインボーホログラムとなっ
ているので、白色光で再生することができる。この様子
を図27に示す。
【0021】図27に示すように、各要素ホログラムを
形成したときに用いた参照光と同じ角度で白色照明光7
10をホログラフィックステレオグラム711に照射
し、各要素ホログラムを形成したときに用いた物体光の
焦点位置に観察者の瞳712が位置するようにして、再
生像を観察したとする。このとき、各要素ホログラムで
回折した再生光のうち、記録したときと同じ波長成分の
光713が、瞳712に入射する。
【0022】一方、記録時に用いた光よりも長波長の光
714は、瞳712とは異なる位置に集光する。同様
に、記録時に用いた光よりも短波長の光715も、瞳7
12とは異なる位置に集光する。したがって、観察者の
瞳712には特定の色成分の再生光だけが入射すること
となり、この結果、色分散によるぼけの少ない再生像が
観察されることとなる。
【0023】ところで、図26に示したような画像記録
装置では、記録媒体700の直前に配される第1のレン
ズ701に参照光Laが入射しないようにするために、
第1のレンズ701を記録媒体700から大きく離さな
ければならない。しかし、第1のレンズ701には、通
常、集光角が大きなレンズを用いる必要があるため、第
1のレンズ701を記録媒体700から離すには、第1
のレンズ701のレンズ径を非常に大きくしなければな
らないという問題が生じる。
【0024】さらに、レインボータイプのホログラフィ
ックステレオグラムを作製するためには、通常のホログ
ラフィックステレオグラムのように視差方向に物体光を
収束させるだけでなく、非視差方向にも物体光を収束さ
せる必要がある。そのために、図26に示した画像記録
装置では、非視差方向に物体光Lbを集光する第2のレ
ンズ702を、視差方向に物体光Lbを集光する第1の
レンズ701よりも手前側、すなわち記録すべき画像を
表示する表示装置703の側に配置している。しかしな
がら、このように第1のレンズ701の前段に第2のレ
ンズ702を配置すると、視差方向に物体光Lbを集光
する第1のレンズ701で収差が生じてしまい、要素ホ
ログラムがきれいに露光されないという問題が生じる。
【0025】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、エッジリット方式を利用する
ことによってレインボータイプのホログラフィックステ
レオグラムを実現するものである。すなわち、本発明で
は、エッジリット方式のホログラフィックステレオグラ
ムに画像を記録する画像記録方法及び画像記録装置を提
供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像記録装
置は、物体光及び参照光を同時に照射してホログラム用
記録媒体を露光することにより形成される要素ホログラ
ムを複数形成することにより、一方向にのみ視差を有す
るホログラフィックステレオグラムを作製する画像記録
装置である。この画像記録装置は、作製されるホログラ
フィックステレオグラムが視差を持たない方向(非視差
方向)に、物体光を収束又は発散させる光学部材と、ホ
ログラム用記録媒体に光学的に接触する光導入ブロック
とを備えている。そして、要素ホログラムを形成するに
際し、ホログラム用記録媒体の一方の面に、上記光学部
材によって収束又は発散された物体光を照射するととも
に、ホログラム用記録媒体の他方の面に、上記光導入ブ
ロックを介して参照光を照射する。
【0027】この画像記録装置において、上記光学部材
は、物体光を非視差方向に収束又は発散させる。そし
て、光学部材によって非視差方向に収束又は発散された
物体光が、ホログラム用記録媒体に照射される。したが
って、この画像記録装置では、レインボータイプのホロ
グラフィックステレオグラムを作製することができる。
また、この画像記録装置において、参照光は、光導入ブ
ロックを介してホログラム用記録媒体に照射される。す
なわち、この画像記録装置で作製されるホログラフィッ
クステレオグラムは、エッジリット方式のホログラフィ
ックステレオグラムとなる。
【0028】また、本発明に係る画像記録方法は、物体
光及び参照光を同時に照射してホログラム用記録媒体を
露光することにより形成される要素ホログラムを複数形
成することにより、一方向にのみ視差を有するホログラ
フィックステレオグラムを作製する画像記録方法であ
る。そして、要素ホログラムを形成するに際し、ホログ
ラム用記録媒体の一方の面に、作製されるホログラフィ
ックステレオグラムが視差を持たない方向に収束又は発
散された物体光を照射するとともに、ホログラム用記録
媒体の他方の面に、ホログラム用記録媒体に光学的に接
触した光導入ブロックを介して参照光を照射する。
【0029】この画像記録方法では、物体光を非視差方
向に収束又は発散させた上で、ホログラム用記録媒体に
照射するようにしている。したがって、この画像記録装
置によれば、レインボータイプのホログラフィックステ
レオグラムを作製することができる。また、この画像記
録方法では、光導入ブロックを介してホログラム用記録
媒体に参照光を照射するようにしている。したがって、
この画像記録方法によれば、エッジリット方式のホログ
ラフィックステレオグラムを作製することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、ワンステップホログラフィックステレオグラムを作
製するホログラフィックステレオグラムプリンタシステ
ムに本発明を適用した例を挙げ、図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0031】1.ホログラフィックステレオグラムプリ
ンタシステム まず、ホログラフィックステレオグラムプリンタシステ
ムの概略について説明する。
【0032】図1に、このホログラフィックステレオグ
ラムプリンタシステム100の概略構成を示す。このホ
ログラフィックステレオグラムプリンタシステム100
は、エッジリット方式によりレインボータイプのワンス
テップホログラフィックステレオグラムを作製するもの
であり、データ処理部101と、制御用コンピュータ1
02と、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置
103とを備えている。
【0033】データ処理部101は、視差画像列撮影装
置111から出力される、実物体を横方向の異なる複数
の観察点から撮影(例えば多眼式カメラによる同時撮影
又は移動式カメラによる連続撮影)することにより得ら
れた複数画像分の画像データD11、又は画像データ生
成用コンピュータ112から出力される、横方向に順次
視差を与えて作成された複数のレンダリング画像の各画
像データD12に基づいて視差画像列D13を生成し、
当該視差画像列D13の各画像データに対して画像処理
用コンピュータ113によって所定の画像処理を施して
ホログラフィックステレオグラム作製用の画像データD
14とした後、これらをハードディスク装置等のような
記憶装置114に格納する。
【0034】また、データ処理部101は、この後の露
光動作時、記憶装置114に格納された視差画像列の各
画像データD14を順番に読み出し、読み出された各画
像データD15を順次制御用コンピュータ102に送出
する。
【0035】制御用コンピュータ102は、露光動作
時、データ処理部101から供給される視差画像列の各
画像データD15に基づいて、ホログラフィックステレ
オグラムプリンタ装置103のシャッタ132、液晶デ
ィスプレイ(以下、LCDと称する。)141、後述す
るプリンタヘッド部をそれぞれ駆動制御する。
【0036】ホログラフィックステレオグラムプリンタ
装置103は、図1との対応部分に同一符号を付した図
2に示されるような構成を有し、上述した制御用コンピ
ュータ102から供給される画像データD15に基づい
てLCD141を駆動して、これら各画像データD15
に基づく各画像をそれぞれ短冊状の要素ホログラムとし
てホログラム用記録媒体130に順次記録し、ホログラ
フィックステレオグラムを作製する。
【0037】このホログラフィックステレオグラムプリ
ンタ装置103は、制御用コンピュータ102から供給
される画像データD15のうちの1つの画像データに基
づいてLCD141を駆動させることにより、LCD1
41に当該画像データD15に基づく画像を表示させる
とともに、制御用コンピュータ102からシャッタ13
2に制御信号S11を送出してこれを開くように駆動さ
せることにより、レーザ光源131から出射されたレー
ザ光L11をシャッタ132、ハーフミラー133及び
ミラー138を順次介してスペーシャルフィルタ139
に入射させるようになされている。
【0038】このレーザ光L11は、スペーシャルフィ
ルタ139によって広げられ、その後コリメータレンズ
140によって平行光にされる。その後、LCD141
を透過することにより当該LCD141に表示された画
像に応じた投影光に変換された後、当該投影光が、シリ
ンドリカルレンズ143に入射し、当該シリンドリカル
レンズ143により視差方向に集光された後、プリンタ
ヘッド部150に保持されたホログラム用記録媒体13
0に入射する。
【0039】ここで、シリンドリカルレンズ143によ
り視差方向に集光された投影光がホログラム用記録媒体
130に入射する直前であって、ホログラム用記録媒体
130に触れない位置に、非視差方向にのみ投影光を収
束させるシリンドリカルフレネルレンズ144を配置す
る。このシリンドリカルフレネルレンズ144は、作製
するホログラフィックステレオグラムをレインボータイ
プとするために必要なものである。
【0040】ここで、シリンドリカルレンズ144の焦
点距離は、画像を再生して観察するときの、ホログラフ
ィックステレオグラムと視点との間の距離に合わせる。
すなわち、例えば、再生時の観察距離を30cmと仮定
したときには、シリンドリカルレンズ144には、焦点
距離が30cmのものを使用する。このシリンドリカル
フレネルレンズ144としては、例えば、ポリカーボネ
ートからなり、厚さが1mm、ピッチが200μmのも
のを使用する。なお、このシリンドリカルレンズ144
は、複屈折の少ないもののほうが、ホログラフィックス
テレオグラムの回折効率が高くなるので好ましい。
【0041】一方、ハーフミラー133において反射し
たレーザ光L11は、シリンドリカルレンズ134、コ
リメータレンズ135及びミラー136を順次介して、
参照光としてホログラム用記録媒体130の裏面側から
所定の角度をもって入射される。このとき、参照光の入
射角度を大きくするとホログラム用記録媒体130の表
面における表面反射が大きくなるため、光導入ブロック
137を用意し、その端部から参照光を入射するように
する。この場合、参照光の光路長は、ハーフミラー13
3を透過した後ミラー138を介してホログラム用記録
媒体130に入射するレーザ光L11(以下、これを物
体光と呼ぶ。)の光路長と、ほぼ同じ長さとすることが
好ましい。これは、物体光と参照光の光路差がレーザ光
L11のコヒーレント長よりも大きくなると、物体光と
参照光の干渉性が悪くなってしまうからである。
【0042】かくして、このホログラフィックステレオ
グラムプリンタ装置103では、この物体光(投影光)
と参照光とをホログラム用記録媒体130の記録面上に
おいて干渉させることができ、これにより、LCD14
1に表示された画像をホログラム用記録媒体130に短
冊状に干渉縞として記録し得るようになされている。そ
して、このように記録された短冊状の干渉縞が、ホログ
ラフィックステレオグラムを構成する要素ホログラムと
なる。
【0043】さらに、このホログラフィックステレオグ
ラムプリンタ装置103では、このように1画像の記録
が終了すると、制御用コンピュータ102によりシャッ
タ132が駆動されてレーザ光源131から出射された
レーザ光L11が遮光されるとともに、LCD141の
駆動が停止され、かつ、制御用コンピュータ102の制
御のもとプリンタヘッド部150が駆動され、ホログラ
ム用記録媒体130が要素ホログラムの横幅1本分だけ
送られる。
【0044】さらにこの後、制御用コンピュータ102
の制御によりLCD141が駆動して続く画像データD
15に基づく画像を表示した後、制御用コンピュータ1
02の制御によりシャッタ132が開かれてLCD14
1に表示された画像がホログラム用記録媒体130に記
録される。そして、この後、同様の動作が順次繰り返さ
れる。
【0045】このようにして、ホログラフィックステレ
オグラムプリンタ装置103においては、供給された視
差画像列の各画像データに基づく各画像を順次ホログラ
ム用記録媒体130に短冊状に記録し得るようになって
おり、これにより所望のホログラフィックステレオグラ
ムを得ることができる。
【0046】ところで、このようにホログラム用記録媒
体130に画像を記録する際には、反射型で再生できる
ホログラムと、透過型で再生できるホログラムとが同時
に2つできる。この原理を図3を用いて説明する。な
お、ここでは説明を簡略化するため、光導入ブロック1
37の屈折率と、ホログラム用記録媒体130の屈折率
とは等しいものとする。
【0047】図3に示すように、参照光として光導入ブ
ロック137を介してホログラム用記録媒体130に入
射した光L11Aは、ホログラム用記録媒体130の内
部を直進し、その後、空気との界面130aにおいて全
反射する。そして、この全反射によって戻ってきた光L
11Bもまた参照光として使われることとなる。換言す
れば、ホログラム用記録媒体130には、進行方向の異
なる2種類の参照光が照射されることになる。したがっ
て、このように作製されたホログラフィックステレオグ
ラムに対する再生用照明光として、全反射される前の光
L11Aに相当する照明光を照射すれば反射型で再生す
ることが可能であり、また、全反射後の光L11Bに相
当する照明光を照射すれば透過型で再生することが可能
である。
【0048】なお、ホログラム用記録媒体130と空気
との界面130aにおいて参照光が全反射するか否か
は、ホログラム用記録媒体130の屈折率と参照光の入
射角度による。そこで、本発明を適用する際には、ホロ
グラム用記録媒体130の屈折率と参照光の入射角度
を、参照光が全反射するような条件に設定しておく。
【0049】逆に、ホログラム用記録媒体130と空気
との界面130aにおいて参照光が全反射しないような
とき、すなわち参照光がホログラム用記録媒体130を
透過してしまうようなときには、ホログラム用記録媒体
130を透過した参照光が物体光側に配された光学部
材、例えばシリンドリカルフレネルレンズ144に入射
する。このようになると、当該参照光がシリンドリカル
フレネルレンズ144によって反射されて再びホログラ
ム用記録媒体130に入射してしまうことがある。この
ようにシリンドリカルフレネルレンズ144によって反
射されて再びホログラム用記録媒体130に入射する光
は、画像を記録する上でのノイズ成分となる。
【0050】そこで、このような光の再入射を防ぐため
に、ホログラム用記録媒体130と空気との界面130
aにおいて参照光が全反射しないようなときには、例え
ば、図4に示すように、シリンドリカルフレネルレンズ
144とホログラム用記録媒体130との間に、ルーバ
ーフィルム145を配置する必要がある。これにより、
シリンドリカルフレネルレンズ144によって参照光が
反射されて再びホログラム用記録媒体130に入射する
のが防止される。
【0051】しかしながら、このようなルーバーフィル
ム145は、物体光の光路中に配されることとなるた
め、物体光を乱す要因となり、画像の均一性や明るさを
落とす原因になる。これに対して、図3に示したよう
に、ホログラム用記録媒体130と空気との界面130
aにおいて参照光が全反射するようにしておけば、参照
光がホログラム用記録媒体130を透過しないので、ル
ーバーフィルム145が不要となる。したがって、記録
される画像の均一性や明るさが向上することとなる。し
かも、ルーバーフィルム145が不要な分、光学系を簡
略化することもできる。また、参照光が全反射して透過
してこないということは、レインボーホログラムを形成
する上でも非常に好適である。
【0052】なお、記録される画像のシャープネスをあ
げるため、シリンドリカルフレネルレンズ144は、ホ
ログラム用記録媒体130のなるべく近傍に配置するこ
とが好ましい。ただし、ホログラム用記録媒体130の
界面において参照光が全反射するようにするため、ホロ
グラム用記録媒体130とシリンドリカルフレネルレン
ズ144との間には、間隙を設けておく。すなわち、シ
リンドリカルフレネルレンズ144とホログラム用記録
媒体130との間に空気を介在させ、これにより、ホロ
グラム用記録媒体130と空気との界面130aにおい
て参照光が全反射するようにしておく。
【0053】なお、シリンドリカルフレネルレンズ14
4とホログラム用記録媒体130との間には、空気では
なく、ホログラム用記録媒体130との界面において参
照光が全反射する条件を満たすような屈折率を持つ物質
を介在させるようにしてもよい。すなわち、ホログラム
用記録媒体130と、参照光が全反射する条件を満たす
ような屈折率を持つスペーサと、シリンドリカルフレネ
ルレンズ144とを重ね合わせて配置するようにしても
よい。
【0054】なお、シリンドリカルフレネルレンズ14
4をホログラム用記録媒体130に近づけすぎると、シ
リンドリカルフレネルレンズ144の表面の構造がシャ
ープに要素ホログラムに記録されてしまうような場合が
ある。このようなときには、シリンドリカルフレネルレ
ンズ144を、ホログラム用記録媒体の表面から若干離
して配置したほうが画質が向上する場合もある。
【0055】ホログラム用記録媒体130の近傍の光学
系を図5に示す。図5(A)は、ホログラム用記録媒体
130の近傍の光学系を上から見た図であり、図5
(B)は、ホログラム用記録媒体130の近傍の光学系
を横から見た図である。
【0056】図5(A)に示すように、参照光として光
導入ブロック137に入射した光L11Aは、光導入ブ
ロック137にインデックスマッチング用の液体170
を介して光学的に接触するように配されたホログラム用
記録媒体130に入射し、その後、ホログラム用記録媒
体130と空気との界面で全反射する。
【0057】一方、物体光L11Cは、図5(B)に示
すように、シリンドリカルレンズ143によって、ほぼ
ホログラム用記録媒体130上で焦点を結ぶように視差
方向に集光された後、図5(A)に示すように、シリン
ドリカルフレネルレンズ144により非視差方向に収束
される。その後、この物体光L11Cは、ホログラム用
記録媒体130に入射し、上述したように、光導入ブロ
ック137を介してホログラム用記録媒体130に入射
してきた光L11A、並びにホログラム用記録媒体13
0と空気との界面で全反射した光L11Bと干渉し、こ
れにより、ホログラム用記録媒体130に要素ホログラ
ムが形成される。
【0058】このようにホログラム用記録媒体130に
入射する物体光L11Cは、シリンドリカルフレネルレ
ンズ144によって非視差方向に収束されているので、
図5(A)中の点線に示すように、光導入ブロック13
7を通過した後、ある点Fで焦点を結ぶ。この点Fとホ
ログラム用記録媒体130との距離は、作製されたホロ
グラフィックステレオグラムを観察するときの距離とほ
ぼ等しくしておく。すなわち、上述したように、シリン
ドリカルレンズ144の焦点距離は、画像を再生して観
察するときの、ホログラフィックステレオグラムと視点
との間の距離に合わせておく。
【0059】このように、物体光L11Cを非視差方向
にも収束させた上でホログラム用記録媒体130に入射
するようにしておくことにより、レインボータイプのホ
ログラフィックステレオグラムを作製することができ
る。
【0060】2.ホログラム用記録媒体 上記ホログラフィックステレオグラムプリンタシステム
において使用されるホログラム用記録媒体130につい
て説明する。
【0061】ホログラム用記録媒体130は、図6に示
すように、テープ状に形成されたフィルムベース材13
0A上に光重合型フォトポリマからなるフォトポリマ層
130Bが形成されるとともに、当該フォトポリマ層1
30B上にカバーシート130Cが被着されることによ
り形成された、いわゆるフィルム塗布タイプの記録媒体
である。なお、感光部となるフォトポリマ層130Bと
しては、例えば、デュポン株式会社製、商品名:OMN
I−DEX(未露光時の屈折率は1.487)を、膜厚
が約20μmとなるように形成したものが好適である。
【0062】光重合型フォトポリマは、初期状態では、
図7(A)に示すように、モノマMがマトリクスポリマ
に均一に分散している。これに対して、図7(B)に示
すように、10〜400mJ/cm2 程度のパワーの光
L12を照射すると、露光部においてモノマMが重合す
る。そして、ポリマ化するにつれて周囲からモノマMが
移動してモノマMの濃度が場所によって変化し、これに
より、屈折率変調が生じる。この後、図7(C)に示す
ように、1000mJ/cm2 程度のパワーの紫外線又
は可視光L13を全面に照射することにより、モノマM
の重合が完了する。このように、光重合型フォトポリマ
は、入射された光に応じて屈折率が変化するので、参照
光と物体光との干渉によって生じる干渉縞を、屈折率の
変化として記録することができる。
【0063】このような光重合型フォトポリマを用いた
ホログラム用記録媒体130は、露光後に特別な現像処
理を施す必要が無い。したがって、光重合型フォトポリ
マを感光部に用いたホログラム用記録媒体130を使用
する上記ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置
103は、構成を簡略化することができる。
【0064】3.プリンタヘッド部 上記ホログラフィックステレオグラムプリンタシステム
100において、本発明のポイントとなる部分は、ホロ
グラフィックステレオグラムプリンタ装置103の部
分、特にプリンタヘッド部150近傍の構成である。そ
こで、以下に、プリンタヘッド部150近傍の構成につ
いて、図8を参照して詳細に説明する。
【0065】このプリンタヘッド部150は、ホログラ
ム用記録媒体130を保持し移送する機構を有する。す
なわち、所定位置に装填されたフィルムカートリッジ1
51内のローラ152を所定のトルクをもって回転自在
に軸支するとともに、当該フィルムカートリッジ151
から引き出されたホログラム用記録媒体130を一対の
間欠送り用ローラ153A,153Bで挟み込むように
して保持し得るようになされ、これにより当該ホログラ
ム用記録媒体130をローラ152と間欠送り用ローラ
153A,153Bとの間において物体光の光軸に対し
てほぼ垂直に位置させ得るようになされている。
【0066】ここで、ローラ152及び間欠送り用ロー
ラ153A,153Bは、図示しないトーションコイル
ばねにより互いに離反する方向に付勢されており、これ
によりローラ152と間欠送り用ローラ153A,15
3Bとの間に掛け渡されるようにローディングされたホ
ログラム用記録媒体130に対して所定の引っ張り力テ
ンションを与え得るようになされている。
【0067】また、このプリンタヘッド部150におい
ては、参照光の入射位置に対応する位置に、透明なガラ
ス等からなる光導入ブロック137が、ホログラム用記
録媒体130に接触するように配される。この光導入ブ
ロック130は、エッジリット方式による記録を行うに
際して、端部から参照光を入射させ、当該参照光をホロ
グラム用記録媒体130の面に対して鋭角に入射させる
ものである。具体的には、例えば、屈折率が1.51の
ガラスBK7を用いる。
【0068】このプリンタヘッド部150において、ホ
ログラム用記録媒体130には、該ホログラム用記録媒
体130の一方の面に入射する物体光と、ホログラム用
記録媒体130の他方の面に鋭角に入射する参照光とに
よって干渉縞が形成されることとなる。
【0069】ここで、参照光は、光導入ブロック137
の側面から入射した後に、光導入ブロック137と光学
的に接触しているホログラム用記録媒体130に到達す
る。このとき、先に説明したように、ホログラム用記録
媒体130と空気との界面に達する前の参照光が、ホロ
グラム用記録媒体130内において物体光と干渉して、
反射型の要素ホログラムが形成される。
【0070】このとき、ホログラム用記録媒体130と
空気との界面で全反射して戻ってきた参照光も物体光と
干渉し、透過型の要素ホログラムが形成される。したが
って、このように作製されたホログラフィックステレオ
グラムは、透過型での再生が可能もある。このように、
エッジリット方式を採用し、ホログラム用記録媒体13
0と空気との界面で参照光を全反射させるようにするこ
とにより、透過型で再生可能なホログラフィックステレ
オグラムを作製するにも関わらず、参照光を物体光の反
対側から入射させることが可能となる。
【0071】そして、このようにホログラム用記録媒体
130と空気との界面で全反射して戻ってきた参照光に
よって形成される要素ホログラムは、当該参照光と、シ
リンドリカルフレネルレンズ144によって収束された
物体光との干渉によって形成される。したがって、この
要素ホログラムは、レインボーホログラムとなる。すな
わち、このような装置構成とすることにより、エッジリ
ット方式によりレインボータイプのホログラフィックス
テレオグラムを容易に作製することができる。
【0072】ところで、このプリンタヘッド部150に
おいて、光導入ブロック137は、ホログラム用記録媒
体130に接触するように設けられている。これによ
り、ローラ152と間欠送り用ローラ153A,153
Bとの間におけるホログラム用記録媒体130の微小振
動を抑えることができ、明るい(回折効率の高い)ホロ
グラフィックステレオグラムを形成できるようになる。
【0073】また、光導入ブロック137の前段部に
は、液体170を含ませたスポンジ161が、光導入ブ
ロック137とホログラム用記録媒体130との両者に
接触するように配されている。なお、スポンジ161か
ら供給される液体170は、フォトポリマ層130Bを
支持するフィルムベース材130A上に供給されること
となるため、フォトポリマ層130Bには直接は接触し
ない。
【0074】ここで、スポンジ161の幅は、ホログラ
ム用記録媒体130の裏側にまで液体170が廻り込ま
ないように、ホログラム用記録媒体130の幅よりも狭
くする。また、スポンジ161に含ませる液体170に
は、ホログラム用記録媒体130と光導入ブロック13
7とのインデックスマッチングを可能とする屈折率を有
する液体を使用する。具体的には、例えばo−キシレン
が適当である。なお、インデックスマッチングを可能と
する屈折率の条件については後述する。
【0075】このスポンジ161が配されることによ
り、ホログラム用記録媒体130と光導入ブロック13
7との間に液体170を連続的に供給し、ホログラム用
記録媒体130と光導入ブロック137との間に常に液
体170を介在させておくことができるようになる。こ
れにより、光導入ブロック137とホログラム用記録媒
体130とを、間に空隙を生じさせることなく、密着さ
せることができるようになるため、ホログラム用記録媒
体130の振動を十分に抑制できるようになる。
【0076】なお、ホログラム用記録媒体130と光導
入ブロック137との間に液体170を介在させる方法
としては、ホログラム用記録媒体130及び光導入ブロ
ック137等を液体中に配することも考えられるが、こ
こでは、ホログラム用記録媒体130及び光導入ブロッ
ク137を空気中に配置し、表面張力によって液体17
0を保持させているため、装置構成を簡略化でき、ま
た、メンテナンスも容易である。
【0077】一方、間欠送り用ローラ153A,153
Bにおいては、図示しないステッピングモータによる回
転力に基づいて矢印eで示す方向に自在に回転し得るよ
うになされている。このステッピングモータは、制御用
コンピュータ102から供給される制御信号S12に基
づいて、1画像分の露光終了毎に間欠送り用ローラ15
3A,153Bを順次所定角度だけ回転させるようにな
され、これによりホログラム用記録媒体130が1要素
ホログラム分だけ送られる。
【0078】また、ホログラム用記録媒体130の進路
のうち間欠送り用ローラ153A,153Bよりも後段
には、当該進路に沿って紫外線ランプ157が配設され
ており、これにより間欠送り用ローラ153A,153
Bによって送られてくるホログラム用記録媒体130の
露光部分に対してモノマMの拡散を終了させるための紫
外線L13を所定パワーで照射し得るようになされてい
る。
【0079】さらにホログラム用記録媒体130の進路
のうち紫外線ランプ157の後段には、回転自在に軸支
されたヒートローラ158と、一対の送り排出用送りロ
ーラ159A,159Bと、カッタ160とが順次配設
されている。ここで、排出用送りローラ159A,15
9Bは、ホログラム用記録媒体130がヒートローラ1
58の周面に半周に亘って密着した状態に巻きつくよう
に保持するようになされている。
【0080】このヒートローラ158は、内部にヒータ
等の図示しない発熱手段を備えており、これによりその
周面が約120℃程度の温度を保ち得るようになされて
いる。なお、この設定は、露光後の光重合フォトポリマ
(OMNl−DEX)を、120〔℃〕の一定温度を保
つように温度制御された加熱プレートと、上側からばね
力で押さえつけられたガラス板との間に挟み込んで5分
間加熱することによって、120℃で2時間雰囲気加熱
した場合と同じ程度の屈折率変調度が得られることが実
験により確認できたことによる。
【0081】このヒートローラ158は、その周面にホ
ログラム用記録媒体130が当接し始めてから離れるま
でに記録画像が定着し得る程度の時間がかかるようにそ
の外径が選定されており、これによりヒートローラ15
8を通過したホログラム用記録媒体130に記録された
画像を確実に定着させ得るようになされている。
【0082】また、排出用送りローラ159A,159
Bの図示しない駆動機構(以下、これを排出用送りロー
ラ駆動機構と呼ぶ。)は、ホログラム用記録媒体130
の間欠送り時、制御用コンピュータ102から出力され
る制御信号S12に基づいて、排出用送りローラ159
A,159Bを間欠送り用ローラ153A,153Bと
同期させて回転させるようになされている。これによ
り、ホログラム用記録媒体130を、間欠送り用ローラ
153A,153Bと排出用送りローラ159A、15
9Bとの間において弛ませることなく、確実にヒートロ
ーラ158の周面に密着した状態に保持させることがで
きる。
【0083】さらにカッタ160の図示しない駆動機構
(以下、これをカッタ駆動機構と呼ぶ。)は、制御用コ
ンピュータ102から供給される制御信号S12に基づ
いてホログラム用記録媒体130に所望の画像が記録さ
れた後、当該ホログラム用記録媒体130の画像が記録
された全ての領域部分がカッタ160よりも外部に排出
された段階でカッタ160を駆動させ、この部分を他の
部分から切り離すようにするものである。これにより、
ホログラム用記録媒体130における画像が記録された
部分を1枚のホログラフィックステレオグラムとして外
部に排出することができる。
【0084】4.ホログラフィックステレオグラムプリ
ンタ装置の動作 以上のようなプリンタヘッド部150を有するホログラ
フィックステレオグラムプリンタ装置103を用いてホ
ログラフィックステレオグラムを作製する際のホログラ
フィックステレオグラムプリンタ装置130の動作につ
いて説明する。
【0085】ホログラフィックステレオグラムを作製す
る際は、先ず、図6に示したような構成を有するホログ
ラム用記録媒体130をローラ152に巻き付けた状態
でフィルムカートリッジ151に収納しておく。
【0086】そして、このホログラム用記録媒体130
をローラ152と間欠送り用ローラ153A,153B
との間にローディングさせ、光導入ブロック137がホ
ログラム用記録媒体130に接触するようにセットす
る。また、スポンジ161には十分に液体170を含ま
せておく。
【0087】なお、ホログラム用記録媒体130に対す
る記録を行う前に、制御用コンピュータ102からプリ
ンタヘッド部150のステッピングモータ及び排出用送
りローラ駆動機構に制御信号S12を送出してこれらを
駆動させ、ホログラム用記録媒体130を、ホログラム
用記録媒体130と光導入ブロック137とが接触する
長さ分以上送っておく。このとき、ホログラム用記録媒
体130には、光導入ブロック137に接触し始める位
置にてスポンジ161から液体170が供給される。し
たがって、ホログラム用記録媒体130と光導入ブロッ
ク137とは、それらの間に液体170が介在された状
態で接触する。すなわち、ホログラム用記録媒体130
と光導入ブロック137とは、液体170を介して光学
的に接触した状態となる。
【0088】次いで、制御用コンピュータ102から視
差画像列の各画像に基づく画像データD15をLCD1
41に供給して、該LCD141を駆動させ、この画像
データD15に基づく画像を表示させる。
【0089】また、制御用コンピュータ102からシャ
ッタ132に制御信号S11を送出して、該シャッタ1
32を開かせることにより、レーザ光源131から出射
されたレーザ光L11をLCD141を通して、ホログ
ラム用記録媒体130に入射させる。このとき、レーザ
光L11は、レーザ光源131から出射された後、シャ
ッタ132、ハーフミラー133、ミラー138、スペ
ーシャルフィルタ139、コリメータレンズ140を順
次介することは前述したとおりであり、これによって、
ホログラム用記録媒体130に物体光(投影光)として
入射される。また、レーザ光源131から出射されシャ
ッタ132を介してハーフミラー133に入射したレー
ザ光L11の半分は、ハーフミラー133によって反射
され、シリンドリカルレンズ134、コリメータレンズ
135、ミラー136を順次介して、ホログラム用記録
媒体130に参照光として裏面側から入射される。
【0090】このようにして、物体光と参照光とをホロ
グラム用記録媒体130上で干渉させて露光させること
により、LCD141に表示させた画像をホログラム用
記録媒体130に短冊状に干渉縞として記録する。
【0091】そして、この画像の記録が終了すると、制
御用コンピュータ102の制御によりシャッタ132を
閉じてレーザ光源131から出射されたレーザ光L11
を遮光し、LCD141の駆動を停止する。また、制御
用コンピュータ102からプリンタヘッド部150のス
テッピングモータ及び排出用送りローラ駆動機構に制御
信号S12を送出してこれらを駆動させることにより、
ホログラム用記録媒体130を1要素ホログラム分だけ
送らせる。なお、ホログラム用記録媒体130を間欠送
りするに際しては、光導入ブロック137をホログラム
用記録媒体130から離間させる必要はない。
【0092】その後は、LCD141に画像データD1
5に基づく画像を表示させる操作、シャッタ132を開
いて物体光と参照光とをホログラム用記録媒体130上
で干渉させて露光させる操作、ステッピングモータ及び
排出用送りローラ駆動機構によってホログラム用記録媒
体130を1要素ホログラム分だけ送らせる操作等を繰
り返すことにより、データ処理部101から供給された
視差画像列の各画像に基づく各画像データD15をホロ
グラム用記録媒体130に順次短冊状に記録させてい
く。
【0093】このとき、プリンタヘッド部150におい
て、物体光と参照光とによるホログラム用記録媒体13
0の露光を行う部分よりも後段側では、紫外線ランプ1
57により、順次間欠送りされるホログラム用記録媒体
130の全面に亘って紫外線L13が照射される。これ
により、ホログラム用記録媒体130において、図7に
示したように、フォトポリマ層130Bの露光部分にお
けるモノマMの重合が完了する。
【0094】また、この紫外線ランプ157よりも後段
側では、ヒートローラ158により、ホログラム用記録
媒体130が加熱される。これによって、フォトポリマ
層130Bの屈折率変調度が増加し、記録画像が定着す
る。
【0095】さらに、このヒートローラ158よりも後
段側では、制御用コンピュータ102から供給される制
御信号S12に基づいてカッタ駆動機構が駆動され、カ
ッタ160により、完成したホログラフィックステレオ
グラムが所定のサイズに裁断されて、外部に排出され
る。
【0096】以上のように、ホログラム用記録媒体13
0に対して所望の画像を記録するに際し、ホログラム用
記録媒体130と光導入ブロック137との間に連続的
に液体170を供給し、これらの間に常に液体170を
介在させると、光導入ブロック137とホログラム用記
録媒体130とが、間に空隙を生じることなく密着する
ようになるため、ホログラム用記録媒体130の振動が
十分に抑制されるようになる。さらに、ここでは、ホロ
グラム用記録媒体130及び光導入ブロック137を空
気中に配置し、表面張力によって液体170を保持させ
ているため、メンテナンスも容易である。
【0097】5.ホログラフィックステレオグラムから
の画像の再生 つぎに、以上のように作製されたホログラフィックステ
レオグラムから画像を再生する方法について説明する。
【0098】上述したように、以上のように作製された
ホログラフィックステレオグラムには、ホログラム用記
録媒体130と空気との界面に達する前の参照光によっ
て反射型のホログラムが形成されるとともに、ホログラ
ム用記録媒体130と空気との界面において全反射した
参照光によって透過型のホログラムが形成される。更
に、このように形成された透過型のホログラムは、シリ
ンドリカルフレネルレンズ144によって集光された物
体光と、当該物体光と同一の側から入射する参照光とが
干渉して形成されたものであるため、レインボーホログ
ラムとなる。
【0099】したがって、本方式で記録されたホログラ
フィックステレオグラムを透過型で再生する際には、図
9に示すように、液体270を介して照明光導入ブロッ
ク271にホログラフィックステレオグラム272を貼
り付けた上で、再生用照明光273を照明光導入ブロッ
ク271の端部271aからホログラフィックステレオ
グラム272に向けて入射させればよい。ここで、ホロ
グラフィックステレオグラム272は、照明光導入ブロ
ック271の面のうち、観察者274に近いほうの面2
71cに貼り付ける。このとき、ホログラフィックステ
レオグラム272からは透過回折してきた回折光275
によって生じる再生像276が、観察者によって観察さ
れることとなる。
【0100】また、本方式で記録したホログラフィック
ステレオグラムは、反射型で再生することも可能であ
る。すなわち、図10に示すように、液体260を介し
て照明光導入ブロック261にホログラフィックステレ
オグラム262を貼り付けた上で、再生用照明光263
を照明光導入ブロック261の端部261aからホログ
ラフィックステレオグラム262に向けて入射する。こ
こで、ホログラフィックステレオグラム262は、照明
光導入ブロック261の面のうち、観察者264から遠
い方の面261bに貼り付ける。このとき、ホログラフ
ィックステレオグラム262で反射してきた回折光26
5によって生じる再生像266が、観察者264によっ
て観察されることとなる。
【0101】図9のように透過型で3次元画像を再生し
たときには、再生像276は、図10に示したような再
生方法に比べて、物体が手前にあるように再生される。
したがって、図9に示したように3次元画像を再生する
ことにより、立体感を強調することができ、ディスプレ
イ効果が高まることとなる。
【0102】なお、照明光導入ブロック261,271
の形状は必ずしも直方体である必要はなく、ホログラフ
ィックステレオグラム262,272に対する再生用照
明光263,273の入射角度が、記録時にホログラム
用記録媒体130に入射した参照光の入射角度と一致す
るようになされていれば、どのような形状であっても良
い。
【0103】6.ホログラム用記録媒体と光導入ブロッ
クとの間に介在させる液体の条件 上記ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置10
3では、ホログラム用記録媒体130と光導入ブロック
137との間に液体170を介在させている。以下、こ
の液体170の条件について説明する。
【0104】上記ホログラフィックステレオグラムプリ
ンタ装置103のように、エッジリット方式によって記
録を行うに際しては、参照光がホログラム用記録媒体1
30の面に対して鋭角に入射されるため、この参照光が
光導入ブロック137とホログラム用記録媒体130と
の界面で全反射してしまったり、ホログラム用記録媒体
130において実際に記録がなされるフォトポリマ層1
30Bの表面の凹凸が、画像に木目調のムラとなって現
れたりしやすい。このため、光導入ブロック137とホ
ログラム用記録媒体130との間に介在させる液体17
0には、ホログラム用記録媒体130と光導入ブロック
137とのインデックスマッチングを可能とすることが
要求される。すなわち、光導入ブロック137と液体1
70との界面や、液体170とホログラム用記録媒体1
30との界面で全反射を起こさない条件とすること、さ
らには、各界面での強度反射率(s成分)が小さくなる
ような条件とすることが要求される。
【0105】図11に示すように、屈折率ngの光導入
ブロック137の端部137aから参照光L11Aが入
射し、屈折率nmの液体170を通過して、屈折率np
ホログラム用記録媒体130に達するとき、各界面での
光線角度をそれぞれ、θg、θm、θpとすると、下記式
(1)が成り立つ。
【0106】 ng sinθg =nm sinθm =np sinθp ・・・(1) このとき、各界面で全反射を起こさない条件は、下記の
式(2)(3)のようになる。
【0107】 nm >ng sinθg ・・・(2) np >nm sinθm (=ng sinθg ) ・・・(3) なお、ホログラム用記録媒体130のフォトポリマ層1
30Bとして、前述したように、屈折率が1.487で
あるものを用いるならば、ngは、上記式(3)に、np
=1.487を代入することにより、下記式(4)にて
示される。
【0108】 ng <1.487/sinθg ・・・(4) ここで、θg=75°あるいはθg=78°とすると、n
gは、下記の式(5)又は(6)となる。
【0109】 θg =75°のとき、 ng <1.539 ・・・(5) θg =78°のとき、 ng <1.520 ・・・(6) 上記式(5)(6)を満たす材料としては、例えば、屈
折率が1.51のガラスBK7が挙げられる。光導入ブ
ロック137としてガラスBK7を用いたとき、n
mは、上記式(2)に、ng=1.51を代入することに
より求めることができる。
【0110】したがって、θg=75°あるいはθg=7
8°とすると、nmは、下記式(7)(8)となる。
【0111】 θg =75°のとき、 nm >1.458 ・・・(7) θg =78°のとき、 nm >1.477 ・・・(8) すなわち、参照光L11Aが光導入ブロック137とホ
ログラム用記録媒体130との界面で全反射するのを防
止するためには、光導入ブロック137とホログラム用
記録媒体130との間に介在させる液体170として、
屈折率nmが上記の式(7)(8)を満たすものを用い
ればよい。
【0112】しかしながら、ホログラフィックステレオ
グラムを作製する際には、上述の条件を満たすのみでは
未だ不十分であり、各界面での強度反射率(s成分)を
小さくすることも必要である。界面での反射が強くなる
と、光のロスが大きくなるばかりでなく、反射した光が
余計なホログラムを形成し、回折効率を低下させること
になるからである。また、上述した全反射を防止する条
件は、各界面が平面である場合について適用されるもの
であるのに対し、実際のホログラム用記録媒体130に
おいてはフォトポリマ層130Bの表面に多少のうねり
があることから、上述した条件を満たしても、全反射が
起こる部分が生じ、画像に木目調のムラが現れやすい。
【0113】光導入ブロック137と液体170との界
面での強度反射率(s成分)Rs(g-m)、並びに液体1
70とホログラム用記録媒体130との界面での強度反
射率(s成分)Rs(m-p)は、下記の式(9)(10)
で示される。
【0114】 Rs(g-m) =sin2(θg −θm )/sin2(θg +θm ) ・・・(9) Rs(m-p) =sin2(θm −θp )/sin2(θm +θp ) ・・・(10) そして、Rs(g-m) 、Rs(m-p) がそれぞれ0に近いほ
ど好ましいことから、下記式(11)にて求められる値
が1に近いほどよい。
【0115】 (1−Rs(g-m) )×(1−Rs(m-p) ) ・・・(11) ここで、np=1.487、ng=1.51、θg=75
°あるいはθg=78°とし、nmを種々に変化させたと
きのRs(g-m)、Rs(m-p)、(1−Rs(g-m))×(1
−Rs(m-p))の値をシミュレーションによって求め
た。この結果を図12、図13に示す。
【0116】そして、(1−Rs(g-m))×(1−Rs
(m-p))の値が0.9以上となるnmの範囲を求めると、
下記の式(12)(13)のようになった。
【0117】 θg=75°のとき、 1.475<nm<1.549 ・・・(12) θg=78°のとき、 1.486<nm<1.514 ・・・(13) なお、ここでは、ホログラム用記録媒体130の屈折率
pとして、フォトポリマ層130Bの屈折率を採用し
ている。しかし、実際に用いているホログラム用記録媒
体130は、図6に示したように、フォトポリマ層13
0Bがフィルムベース材130Aとカバーシート130
Cとの間に挟み込まれた構造となされており、フォトポ
リマ層130Bと液体170とが接触しているわけでは
ない。このため、フォトポリマ層130Bと液体170
との間に存在するフィルムベース材130Aやカバーシ
ート130Cの屈折率が、フォトポリマ層130Bと液
体170のいずれかと等しいものでない場合には、上述
したnmの範囲に多少のズレが生じることとなる。
【0118】7.カラーのホログラフィックステレオグ
ラム 本発明によれば、カラーのホログラフィックステレオグ
ラムを容易に作製することができる。例えば、上述した
ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置103で
は、非視差方向に集光作用をもつ光学部品であるシリン
ドリカルフレネルレンズ144を、非視差方向に適当な
量だけ移動させてやることで、再生像の色を調整するこ
とができ、これを利用すれば、レインボーホログラムと
同じ原理で、カラーのホログラフィックステレオグラム
を作製することができる。
【0119】カラーのホログラフィックステレオグラム
を作製する際は、先ず、ホログラム用記録媒体130に
照射される物体光の焦点位置を各ホログラフィックステ
レオグラム毎に変えて、光の3原色に対応した3枚のホ
ログラフィックステレオグラムを作製する。
【0120】すなわち、赤色の再生像が得られるような
位置に、非視差方向のみに集光作用をもつ上記シリンド
リカルフレネルレンズ144を配置して、赤色成分用の
ホログラフィックステレオグラムを作製する。同様に、
緑色の再生像が得られるような位置に、シリンドリカル
フレネルレンズ144を配置して、緑色成分用のホログ
ラフィックステレオグラムを作製する。同様に、青色の
再生像が得られるような位置に、シリンドリカルフレネ
ルレンズ144を配置して、青色成分用のホログラフィ
ックステレオグラムを作製する。
【0121】このように、非視差方向のみに集光作用を
もつシリンドリカルフレネルレンズ144の位置を変え
て、赤色の再生像が得られるホログラフィックステレオ
グラムと、緑色の再生像が得られるホログラフィックス
テレオグラムと、青色の再生像が得られるホログラフィ
ックステレオグラムとを作製する。
【0122】そして、このように光の3原色に対応した
3枚のホログラフィックステレオグラムを作製した後、
それらのホログラフィックステレオグラムを重ね合わせ
て貼り合わせる。これにより、カラーの再生像が得られ
るホログラフィックステレオグラムが得られる。
【0123】ところで、ホログラフィックステレオグラ
ムを再生するときに、記録時の光学系と使用する光の波
長が同じならば、再生像は元の物体の位置に生じる。し
かしながら、再生時に用いる光の波長が記録時と異なる
と、再生像の生じる位置は変化する。図14に示すよう
に、参照光源点301からの参照光と、物体光源点30
2からの物体光との干渉によってホログラフィックステ
レオグラム300を作製し、当該ホログラフィックステ
レオグラム300を、図15に示すように、参照光源点
301と同一の位置に配された再生照明光源点303か
らの再生照明光によって再生したとき、再生像点304
の位置は、下記式(14)(15)で表される。
【0124】 1/Ri=1/Rc+μ(1/Ro−1/Rr) ・・・(14) sinθi=sinθc+μ(sinθo−sinθr) ・・・(15) なお、ここでは、図14及び図15に示すように、ホロ
グラフィックステレオグラム300の面にx軸及びy軸
をとり、当該面に垂直にz軸をとっている。そして、参
照光、物体光、再生照明光の光源は全て点光源であると
し、それらは全てx−z面内にあるものとしている。
【0125】また、上記式(14)(15)において、
Rは各光源からホログラフィックステレオグラム300
の中心までの距離、θはそれぞれの角度を表しており、
添字r,o,c,iは、それぞれ参照光、物体光、再生
照明光、再生光を表している。また、μは、記録時の波
長λoと再生時の波長λcとの比であり、下記式(16)
で表される。
【0126】μ=λc/λo ・・・(16) 上記式(14)乃至(16)から分かるように、再生像
点304の位置は記録再生時に用いる光の波長によって
変化する。したがって、上述のように3枚のホログラフ
ィックステレオグラムを重ね合わせることにより、カラ
ーの再生像が得られるホログラフィックステレオグラム
を作製する際は、このような再生像点304の位置の変
化を考慮して、各ホログラフィックステレオグラムから
の各再生像が重なり合うようにする必要がある。
【0127】具体的には、例えば、画像記録時に使用す
るレーザ光の波長λoが532nmであり、画像再生時
に使用する光の波長λcが、470nm(青)、532
nm(緑)、610nm(赤)の3色であるときには、
以下のように、光の3原色に対応したホログラフィック
ステレオグラムを作製する。なお、ここでは、参照光の
入射角度を75°とし、再生像を観察するときのホログ
ラフィックステレオグラムと視点との間の距離を300
mmとする。
【0128】まず、緑色成分に対応したホログラフィッ
クステレオグラムを作製する際は、記録波長λoと再生
波長λcが同じなので、ホログラフィックステレオグラ
ムを観察するときの瞳の位置にシリンドリカルフレネル
レンズ144の集光点が位置するようにする。すなわ
ち、緑色成分の画像を記録する際には、ホログラム用記
録媒体130の中心にシリンドリカルフレネルレンズ1
44の中心を合わせておけばよい。
【0129】一方、青色成分及び赤色成分に対応したホ
ログラフィックステレオグラムを作製する際は、記録波
長λoと再生波長λcが異なるので、再生像点304の位
置が変化する。したがって、青色成分及び赤色成分に対
応したホログラフィックステレオグラムを作製する際
は、再生像点304の位置の変化を考慮する必要があ
る。
【0130】青色成分に対応したホログラフィックステ
レオグラムを作製するとき、λo=532nm、λc=4
70nm、θi=0°、θc=−75°、θr=−75°
である。このとき、上記式(15)から、θo=7.3
2°となる。
【0131】したがって、青色成分に対応したホログラ
フィックステレオグラムからの再生像が、上述のように
作製された緑色成分に対応したホログラフィックステレ
オグラムからの再生像と重なり合うようにするには、青
色成分に対応したホログラフィックステレオグラムを作
製する際に、物体光源点302の位置を7.32°だけ
予め偏向させて、物体光をホログラム用記録媒体130
に集光させればい。
【0132】このように物体光の入射方向を変えて集光
するには、例えば、図16に示すように、シリンドリカ
ルフレネルレンズ144の中心をホログラム用記録媒体
130の中心からずらしてやればよい。なお、図16に
示した例では、シリンドリカルフレネルレンズ144の
中心をホログラム用記録媒体130の中心から上方にず
らしている。そして、このようにシリンドリカルフレネ
ルレンズ144の中心をホログラム用記録媒体130の
中心からずらす際のずらし量δΒは、δΒ=300mm
×tan7.32°=38.5mmとすればよい。
【0133】同様に、赤色成分に対応したホログラフィ
ックステレオグラムを作製するときも、シリンドリカル
フレネルレンズ144をずらしてやることにより、赤色
成分に対応したホログラフィックステレオグラムからの
再生像が、上述のように作製された緑色成分及び青色成
分に対応したホログラフィックステレオグラムからの再
生像と重なり合うようにすることができる。このときの
シリンドリカルフレネルレンズ144のずらし量δB
も、青色成分に対応したホログラフィックステレオグラ
ムについての先の計算と同様な計算により算出すること
ができ、その値は37.32mmとなる。
【0134】以上のように、青色成分及び赤色成分に対
応したホログラフィックステレオグラムを作製する際
に、非視差方向にのみ集光作用を持つ光学部材であるシ
リンドリカルフレネルレンズ144の位置をずらしてや
ることにより、光の3原色に対応した3つの再生像が、
全て同じ位置に再生されるようになる。そして、上述し
たように、このように光の3原色に対応した3枚のホロ
グラフィックステレオグラムを作製した後、それらのホ
ログラフィックステレオグラムを重ね合わせて貼り合わ
せることにより、カラーの再生像が得られるホログラフ
ィックステレオグラムを作製することができる。
【0135】なお、上記式(14)から分かるように、
記録波長λoと再生波長λcとが異なると、再生像点の角
度だけでなく、ホログラフィックステレオグラムから再
生像点までの距離も変わるが、上述の説明ではこのよう
な効果については触れなかった。このような効果は、ア
クロマチックアングルを生じることで知られている。し
たがって、厳密に3色の再生像点を合わせるためには、
集光点の角度だけではなく、ホログラフィックステレオ
グラムから再生像点までの距離についても補正する必要
がある。この点については、例えば、参照光を非平行光
とすることにより補正することができる。しかしなが
ら、実用上はそこまで補正しなくても十分に良好な画質
のホログラフィックステレオグラムを得ることができ
る。すなわち、上述のように、単にシリンドリカルフレ
ネルレンズ144の位置を移動することでカラー化を図
るだけでも、実用上は十分な画質のカラーのホログラフ
ィックステレオグラムを得ることができる。
【0136】ところで、上述の説明では、非視差方向の
みに集光作用をもつ光学部品であるシリンドリカルフレ
ネルレンズ144の位置を変えて、緑色成分に対応した
ホログラフィックステレオグラムと、青色成分に対応し
たホログラフィックステレオグラムと、赤色成分に対応
したホログラフィックステレオグラムとをそれぞれ作製
し、その後、それら3枚のホログラフィックステレオグ
ラムを重ね合せることでカラーのホログラフィックステ
レオグラムを得た。しかし、カラーのホログラフィック
ステレオグラムの作製方法は、これに限られるものでは
ない。
【0137】例えば、ホログラフィックステレオグラム
を構成する各要素ホログラムを形成する際に、光の3原
色に対応した3回の露光を行うようにしても、カラーの
ホログラフィックステレオグラムを作製することができ
る。
【0138】すなわち、例えば、先ず、赤色成分に対応
した要素ホログラムが形成されるようにホログラム用記
録媒体130を露光し、次に、ホログラム用記録媒体1
30の同じ位置に、緑色成分に対応した要素ホログラム
が形成されるように露光し、次に、ホログラム用記録媒
体130の同じ位置に、青色成分に対応した要素ホログ
ラムが形成されるように露光する。
【0139】このとき、赤色成分の再生像と、緑色成分
の再生像と、青色成分の再生像とが同じ位置に再生され
るように、各露光毎に物体光の焦点位置を非視差方向に
移動させる。これは、例えば、上述の例と同様に、非視
差方向のみに集光作用をもつ光学部品であるシリンドリ
カルレンズ144の位置を各露光毎に変化させることに
より実現できる。
【0140】以上のように、各要素ホログラム毎に多重
露光を行うことにより、各要素ホログラムがそれぞれカ
ラーの再生像が得られるレインボーホログラムとなり、
これらの要素ホログラムから構成されるホログラフィッ
クステレオグラムは、全体としてカラーのホログラフィ
ックステレオグラムとなる。
【0141】また、例えば、赤色成分に対応した要素ホ
ログラムと、青色成分に対応した要素ホログラムと、緑
色成分に対応した要素ホログラムとからホログラフィッ
クステレオグラムを構成するようにしても、カラーのホ
ログラフィックステレオグラムとすることができる。
【0142】すなわち、ホログラフィックステレオグラ
ムを構成する要素ホログラムとして、記録する画像の赤
色成分に対応した赤色成分要素ホログラムと、記録する
画像の緑色成分に対応した緑色成分要素ホログラムと、
記録する画像の青色成分に対応した青色成分要素ホログ
ラムとを形成するようにする。
【0143】具体的には、例えば、ホログラム用記録媒
体130に、先ず、赤色成分要素ホログラムを形成し、
次に、赤色成分要素ホログラムの隣に緑色成分要素ホロ
グラムを形成し、次に、緑色成分要素ホログラムの隣に
青色成分要素ホログラムを形成する。このようにして、
赤色成分要素ホログラム、緑色成分要素ホログラム及び
青色成分要素ホログラムの形成を繰り返す。
【0144】このとき、赤色成分要素ホログラムからの
再生像と、緑色成分要素ホログラムからの再生像と、青
色成分要素ホログラムからの再生像とが同じ位置に再生
されるように、赤色成分要素ホログラムの形成時と、緑
色成分要素ホログラムの形成時と、青色成分要素ホログ
ラムの形成時とで、ホログラム用記録媒体130に照射
される物体光の焦点位置を非視差方向に変化させる。こ
れは、例えば、上述の例と同様に、非視差方向のみに集
光作用をもつ光学部品であるシリンドリカルレンズ14
4の位置を各露光毎に変化させることにより実現でき
る。
【0145】以上のようにして、赤色成分要素ホログラ
ム、青色成分要素ホログラム及び緑色成分要素ホログラ
ムを1枚のホログラム用記録媒体に連続的に形成するこ
とにより、全体としてはカラーの再生像が得られるホロ
グラフィックステレオグラムとすることができる。
【0146】8.その他の実施の形態 以上の説明では、物体光を非視差方向に収束させる光学
部材として、シリンドリカルフレネルレンズを例に挙げ
たが、この光学部材は、物体光を非視差方向に収束させ
るものであるならば、シリンドリカルフレネルレンズ以
外のものであってもよい。
【0147】具体的には、例えば、図17に示すように
シリンドリカルレンズ344を用いることも可能である
し、また、ホログラムによって光を集光するホログラム
レンズを用いることも可能である。ただし、図17に示
したようなシリンドリカルレンズ344では、レンズの
厚みの影響によって視差方向の集光に収差を生じる。し
たがって、物体光を非視差方向に収束させる光学部材と
しては、シリンドリカルレンズ344よりも、上述した
ようなシリンドリカルフレネルレンズ144のほうが好
適である。
【0148】なお、ホログラム用記録媒体130に入射
する物体光を、ホログラム用記録媒体130の面上にお
いて視差方向に十分に収束させておけば、物体光を非視
差方向に収束させる光学部材として、非視差方向にだけ
収束させるような光学部材ではなく、通常の凸レンズを
用いることも可能である。
【0149】また、カラーのホログラフィックステレオ
グラムを作製するときには、物体光を非視差方向に収束
させる光学部材として、図18に示すような光学部材4
44を用いるようにしてもよい。この光学部材444
は、第1のシリンドリカルレンズ444aと、第2のシ
リンドリカルレンズ444bと、第3のシリンドリカル
レンズ444cとを、中心位置をずらして一体化したも
のである。ここで、各シリンドリカルレンズ444a,
444b,444cの中心位置のずらし量は、上述した
ずらし量δBに相当するようにする。
【0150】このような光学部材444を用いてカラー
のホログラフィックステレオグラムを作製する際は、赤
色の再生像が得られるように要素ホログラムを形成する
ときと、緑色の再生像が得られるように要素ホログラム
を形成するときと、青色の再生像が得られるように要素
ホログラムを形成するときとで、物体光が入射するシリ
ンドリカルレンズが切り替わるように、光学部材444
を視差方向に平行に動かしてよればよい。
【0151】すなわち、例えば、赤色の再生像を得るた
めの要素ホログラムを形成するときには、第1のシリン
ドリカルレンズ444aに物体光が入射するように光学
部材444を視差方向に平行に動かし、同様に、緑色の
再生像を得るための要素ホログラムを形成するときに
は、第2のシリンドリカルレンズ444bに物体光が入
射するように光学部材444を視差方向に平行に動か
し、同様に、青色の再生像を得るための要素ホログラム
を形成するときには、第3のシリンドリカルレンズ44
4cに物体光が入射するように光学部材444を視差方
向に平行に動かす。
【0152】このような光学部材444を用いたときに
は、光学部材444を平行に動かすだけで、常に一定の
ずらし量δBが得られるので、ずらし量δBの誤差は非
常に小さくなる。また、このような光学部材444を用
いたときには、光学部材444の移動量が少なくて済む
ので、装置の小型化の点でも有利である。
【0153】なお、ここでは分かりやすく図示するため
に、光学部材444を構成するレンズは、3つのシリン
ドリカルレンズとしたが、3つのシリンドリカルレンズ
に変えて、3つのシリンドリカルフレネルレンズを用い
るようにしても良いことは言うまでもない。むしろ、シ
リンドリカルフレネルレンズを用いた方が、上述したよ
うにレンズの厚みの影響によって生じる収差が少なくて
済むので、より好適である。
【0154】ところで、上述の説明では、物体光を非視
差方向に収束させてホログラム用記録媒体130に入射
させたが、図19及び図20に示すように、物体光L1
1Cを非視差方向に発散させてホログラム用記録媒体1
30に入射させるようにして、再生の際に共役光再生を
行うようにしてもよい。このようにしても、上述のホロ
グラフィックステレオグラムと同様に、レインボータイ
プのホログラフィックステレオグラムを作製することが
できる。
【0155】なお、物体光を非視差方向に発散させる光
学部材としては、例えば、図19に示すように、物体光
L11Cを発散させる作用を有する凹レンズ状のシリン
ドリカルレンズ544aを用いてもよいし、また、図2
0に示すように、物体光L11Cを発散させる作用を有
するシリンドリカルフレネルレンズ544bを用いても
よい。
【0156】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、エッジリット方式を採用したレインボータイ
プのホログラフィックステレオグラムを容易に作製する
ことができる。しかも、本発明によれば、カラーのホロ
グラフィックステレオグラムを容易に作製することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラフィックステレオグラムプリンタシス
テムの一構成例を示す図である。
【図2】ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置
の光学系の一例を示す図である。
【図3】ホログラム用記録媒体の界面における参照光の
全反射の様子を示す図である。
【図4】参照光がホログラム用記録媒体に再入射するの
を防止するためにルーバーフィルムを配した状態を示す
図である。
【図5】ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置
のホログラム用記録媒体近傍の光学系を示す図である。
【図6】ホログラム用記録媒体の一例を示す断面図であ
る。
【図7】光重合型フォトボリマの感光プロセスを示す模
式図である。
【図8】ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置
のプリンタヘッド部近傍の構成例を示す図である。
【図9】ホログラフィックステレオグラムの透過型での
再生方法を示す模式図である。
【図10】ホログラフィックステレオグラムの反射型で
の再生方法を示す模式図である。
【図11】液体の屈折率の条件を求めるため、参照光の
入射経路を示した図である。
【図12】θg=75°のとき、液体の屈折率と強度反
射率との関係を示す図である。
【図13】θg=78°のとき、液体の屈折率と強度反
射率との関係を示す図である。
【図14】記録時における参照光源と物体光源の位置関
係を示す図である。
【図15】再生時における再生照明光源と再生像の位置
関係を示す図である。
【図16】シリンドリカルフレネルレンズの中心をホロ
グラム用記録媒体の中心からずらした状態を示す図であ
る。
【図17】非視差方向に物体光を収束させる光学部材と
して、シリンドリカルレンズを用いた例を示す図であ
る。
【図18】3つのシリンドリカルレンズを一体化した光
学部材を示す図である。
【図19】非視差方向に物体光を発散させる光学部材と
して、シリンドリカルレンズを用いた例を示す図であ
る。
【図20】非視差方向に物体光を発散させる光学部材と
して、シリンドリカルフレネルレンズを用いた例を示す
図である。
【図21】ホログラフィックステレオグラムの作製方法
を示す模式図である。
【図22】透過型エッジリットホログラムの作製方法を
示す模式図である。
【図23】透過型エッジリットホログラムの再生方法を
示す模式図である。
【図24】反射型エッジリットホログラムの作製方法を
示す模式図である。
【図25】反射型エッジリットホログラムの再生方法を
示す模式図である。
【図26】レインボータイプのホログラフィックステレ
オグラムを作製する従来の画像記録装置の光学系を示す
図である。
【図27】レインボータイプのホログラムの再生の原理
を示す模式図である。
【符号の説明】
130 ホログラム用記録媒体、 144 シリンドリ
カルフレネルレンズ、137 光導入ブロック

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体光及び参照光を同時に照射してホロ
    グラム用記録媒体を露光することにより形成される要素
    ホログラムを複数形成することにより、一方向にのみ視
    差を有するホログラフィックステレオグラムを作製する
    画像記録装置において、 作製されるホログラフィックステレオグラムが視差を持
    たない方向に、物体光を収束又は発散させる光学部材
    と、 ホログラム用記録媒体に光学的に接触する光導入ブロッ
    クとを備え、 要素ホログラムを形成するに際し、ホログラム用記録媒
    体の一方の面に、上記光学部材によって収束又は発散さ
    れた物体光を照射するとともに、ホログラム用記録媒体
    の他方の面に、上記光導入ブロックを介して参照光を照
    射することを特徴とする画像記録装置。
  2. 【請求項2】 作製されるホログラフィックステレオグ
    ラムが視差を持たない方向に、上記光学部材の焦点位置
    が移動可能であることを特徴とする請求項1記載の画像
    記録装置。
  3. 【請求項3】 各要素ホログラム毎に多重露光を行うと
    ともに、 各露光毎に、作製されるホログラフィックステレオグラ
    ムが視差を持たない方向に、上記光学部材の焦点位置を
    移動させることを特徴とする請求項2記載の画像記録装
    置。
  4. 【請求項4】 上記多重露光として、光の3原色に対応
    した3回の露光を行うことを特徴とする請求項3記載の
    画像記録装置。
  5. 【請求項5】 上記光学部材は、複数のレンズが一体化
    されてなり、 物体光が入射するレンズが切り換わるように光学部材を
    動かすことにより、物体光が入射する光学部材の焦点位
    置が移動するようになされていることを特徴とする請求
    項2記載の画像記録装置。
  6. 【請求項6】 物体光及び参照光を同時に照射してホロ
    グラム用記録媒体を露光することにより形成される要素
    ホログラムを複数形成することにより、一方向にのみ視
    差を有するホログラフィックステレオグラムを作製する
    画像記録方法において、 要素ホログラムを形成するに際し、ホログラム用記録媒
    体の一方の面に、作製されるホログラフィックステレオ
    グラムが視差を持たない方向に収束又は発散された物体
    光を照射するとともに、ホログラム用記録媒体の他方の
    面に、ホログラム用記録媒体に光学的に接触した光導入
    ブロックを介して参照光を照射することを特徴とする画
    像記録方法。
  7. 【請求項7】 各要素ホログラム毎に多重露光を行うと
    ともに、 各露光毎に、作製されるホログラフィックステレオグラ
    ムが視差を持たない方向に、物体光の焦点位置を移動さ
    せることを特徴とする請求項6記載の画像記録方法。
  8. 【請求項8】 上記多重露光として、光の3原色に対応
    した3回の露光を行うことを特徴とする請求項7記載の
    画像記録方法。
  9. 【請求項9】 ホログラム用記録媒体に照射される物体
    光の焦点位置を各ホログラフィックステレオグラム毎に
    変えて、光の3原色に対応した3枚のホログラフィック
    ステレオグラムを作製し、 それらのホログラフィックステレオグラムを貼り合わせ
    て、カラーの再生像が得られるホログラフィックステレ
    オグラムを作製することを特徴とする請求項6記載の画
    像記録方法。
  10. 【請求項10】 要素ホログラムとして、記録する画像
    の赤色成分に対応した赤色成分要素ホログラムと、記録
    する画像の緑色成分に対応した緑色成分要素ホログラム
    と、記録する画像の青色成分に対応した青色成分要素ホ
    ログラムとを形成するとともに、 赤色成分要素ホログラム形成時と、緑色成分要素ホログ
    ラム形成時と、青色成分要素ホログラム形成時とで、ホ
    ログラム用記録媒体に照射される物体光の焦点位置を変
    化させ、カラーの再生像が得られるホログラフィックス
    テレオグラムを作製することを特徴とする請求項6記載
    の画像記録方法。
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