JP2000056663A - ホログラフィックステレオグラムの作製装置及び作製方法並びに記録媒体 - Google Patents

ホログラフィックステレオグラムの作製装置及び作製方法並びに記録媒体

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JP2000056663A
JP2000056663A JP10222155A JP22215598A JP2000056663A JP 2000056663 A JP2000056663 A JP 2000056663A JP 10222155 A JP10222155 A JP 10222155A JP 22215598 A JP22215598 A JP 22215598A JP 2000056663 A JP2000056663 A JP 2000056663A
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holographic stereogram
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English (en)
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Nobuhiro Kihara
信宏 木原
Akira Shirokura
明 白倉
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Original Assignee
Sony Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/26Processes or apparatus specially adapted to produce multiple sub- holograms or to obtain images from them, e.g. multicolour technique
    • G03H1/268Holographic stereogram

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な再生像が得られると共に、作製時及び
再生時の作業性を向上させるホログラフィックステレオ
グラムを作製するホログラフィックステレオグラムの作
製装置及び作製方法並びにこのホログラフィックステレ
オグラムに用いられる記録媒体を提供する。 【解決手段】 記録媒体10としてブロック状の基体1
1上にホログラム記録層12が形成されたものを用い、
参照光をブロック状基体11の側面11bから入射させ
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッジリット方式
のホログラフィックステレオグラムを作製するホログラ
フィックステレオグラムの作製装置及び作製方法並びに
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】3次元画像を記録媒体に記録する手法と
して、ホログラフィックステレオグラムを用いた手法が
知られている。ホログラフィックステレオグラムは、被
写体を異なる観察点から順次撮影することにより得られ
た多数の画像を原画として、これらを1枚のホログラム
用記録媒体に順次記録することにより作製される。
【0003】このようなホログラフィックステレオグラ
ムのうち、横方向にだけ視差を有するホログラフィック
ステレオグラムは、被写体を異なる観察点から順次撮影
することにより得られた多数の画像を原画として、これ
らを1枚のホログラム用記録媒体に短冊状の要素ホログ
ラムとして順次記録することにより作製される。
【0004】例えば、図11に示すように、被写体20
0を横方向の異なる観察点から順次撮影することにより
得られた複数の原画201a〜201eが、短冊状の要
素ホログラムとしてホログラム用記録媒体202に順次
記録される。
【0005】このようなホログラフィックステレオグラ
ムでは、横方向の異なる観察点から順次撮影することに
より得られた画像情報が、短冊状の要素ホログラムとし
て横方向に順次記録されているので、このホログラフィ
ックステレオグラムを観察者が両目で見たとき、その左
右の目にそれぞれ写る2次元画像は若干異なるものとな
る。これにより、観察者は視差を感じることとなり、ス
テレオ立体視の原理により、3次元画像が再生されるこ
ととなる。
【0006】ところで、通常のホログラムにおいて、3
次元画像を再生するための照明光源と、ホログラムとは
空間的に離れている。このため、通常のホログラムで
は、再生のために広い空間を必要とし、また、最適な条
件で再生するにはホログラムと照明光源との位置関係を
決められた条件にセットしなければならない。これは、
複数の要素ホログラムからなるホログラフィックステレ
オグラムにおいても同様である。
【0007】これに対して、照明光源とホログラムが一
体化していれば、照明のための空間が不要になって小型
化を図ることができ、しかも、ホログラムと照明光源の
位置関係が常に一定となるので、常に最適な条件で再生
を行うことができる。そして、これを実現するものとし
て、透明な光導入ブロックに記録媒体を貼り付けて記録
再生を行うエッジリット方式のホログラムが注目を集め
ている。
【0008】エッジリット方式によって、記録媒体を透
過した光により3次元画像が再生される透過型ホログラ
ムを作製する際は、図12に示すように、適当な厚さの
ガラス又はプラスチック等の透明材料からなる光導入ブ
ロック210の一方の面210aにホログラム用記録媒
体211を貼り付ける。このとき、通常、ホログラム用
記録媒体211は、光の全反射を防ぐために、インデッ
クスマッチング液212を介して光導入ブロック210
に貼り付けられる。そして、光導入ブロック210の他
方の面210bから、被写体213からの物体光214
をホログラム用記録媒体211に向けて照射するととも
に、光導入ブロック210の端面210cから参照光2
15をホログラム用記録媒体211に向けて照射する。
これにより、透過型エッジリットホログラムが作製され
る。
【0009】そして、このように作製された透過型エッ
ジリットホログラムを再生する際は、図13に示すよう
に、再生用照明光を導入するための光導入ブロック22
0の一方の面220aにホログラム221をインデック
スマッチング液222を介して貼り付けたうえで、光導
入ブロック220の端面220bから再生用照明光22
3をホログラム221に向けて照射する。このとき、ホ
ログラム221を透過する光は、ホログラム221によ
って回折される。そして、この回折光224によって再
生像225が生じ、当該再生像225が観察者226に
よって観察されることとなる。
【0010】また、エッジリット方式によって、記録媒
体を反射した光により3次元画像が再生される反射型ホ
ログラムを作製する際は、透過型エッジリットホログラ
ムを作製する際と同様、図14に示すように、光導入ブ
ロック230の一方の面230aに、インデックスマッ
チング液231を介して、ホログラム用記録媒体232
を貼り付ける。そして、反射型のときには、ホログラム
用記録媒体232を貼り付けた側から、被写体233か
らの物体光234をホログラム用記録媒体232に向け
て照射するとともに、光導入ブロック230の端面23
0bから参照光235をホログラム用記録媒体232に
向けて照射する。これにより、反射型エッジリットホロ
グラムが作製される。
【0011】そして、このように作製された反射型エッ
ジリットホログラムを再生する際は、図15に示すよう
に、光導入ブロック240の一方の面240aにホログ
ラム241をインデックスマッチング液242を介して
貼り付けた上で、光導入ブロック240の端面240b
から再生用照明光243をホログラム241に向けて照
射する。このとき、ホログラム241によって反射され
る光は、ホログラム241によって回折される。そし
て、この回折光244によって再生像245が生じ、当
該再生像245が観察者246によって観察されること
となる。
【0012】このようなエッジリット方式のホログラム
では、再生用照明光の光源と光導入ブロックを一体化す
ることにより、再生用の光学系を小型化することがで
き、しかも、常に最適な条件で再生を行うことができ
る。また、エッジリット方式のホログラムは、再生用照
明光の入射角度が大きくなるため、光導入ブロックの外
部から入射した光によって像が再生されるようなことが
ないという特徴を有している。このため、エッジリット
方式のホログラムは、ヘッドアップディスプレイ装置の
ように、太陽等からの光によって像が再生されると好ま
しくないような分野において利用が進んでいる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなエッジリット方式によりワンステップホログラフィ
ックステレオグラムを作製しようとすると、様々な問題
が生じる。ここで、ワンステップホログラフィックステ
レオグラムとは、物体光と参照光との干渉縞が記録され
た記録媒体をそのままホログラフィックステレオグラム
として用いるもののことである。なお、ホログラフィッ
クステレオグラムの作製方法としては、物体光と参照光
の干渉縞が記録された記録媒体をもとにして、その干渉
縞を他の記録媒体に転写することによりホログラフィッ
クステレオグラムを得る方法もあり、このように作製さ
れたホログラフィックステレオグラムは、ツーステップ
ホログラフィックステレオグラムと称される。
【0014】エッジリット方式によりワンステップホロ
グラフィックステレオグラムを作製するときには、記録
媒体として、図16に示すように、保護基体250上に
感光材層251が形成されたものが用いられる。そし
て、この記録媒体がインデックスマッチング液252を
介して光導入ブロック253の一方の面253aに貼り
付けられ、例えば透過型のワンステップホログラフィッ
クステレオグラムを作製するときは、光導入ブロック2
53の他方の面253bから、被写体からの物体光L1
が記録媒体に向けて照射されるとともに、光導入ブロッ
ク153の端面253cから参照光L2が記録媒体に向
けて照射される。
【0015】これにより、記録媒体の感光材層251に
物体光と参照光との干渉縞が記録され、ワンステップホ
ログラフィックステレオグラムが作製される。
【0016】しかしながら、このように作製されたワン
ステップホログラフィックステレオグラムは、所望の画
像を形成する干渉縞の他に、不要なパターンが形成され
ている場合が多く、これにより再生像に木目調のムラが
現れて、良好な画質が得られない場合が多かった。これ
は、以上のようにしてエッジリット方式によりワンステ
ップホログラフィックステレオグラムを作製する際に、
参照光が光導入ブロック253とインデックスマッチン
グ液252との界面や、インデックスマッチング液25
2と記録媒体の保護基体250との界面、さらには保護
基体250と感光材層251との界面で界面反射を起こ
し、この界面反射により反射された光と参照光自体との
干渉縞が感光材層251に記録されてしまうためである
と考えられる。
【0017】また、以上のように、保護基体250上に
感光材層251が形成されてなる記録媒体をインデック
スマッチング液252を介して光導入ブロック253に
貼り付ける方法をとると、感光材層251の表面性を良
好に保つことが困難で、感光材層251表面の凹凸が再
生像の木目調のムラとなって現れてしまう場合もあっ
た。
【0018】さらに、上述したエッジリット方式による
と、ホログラフィックステレオグラム作製時に、記録媒
体をインデックスマッチング液252を介して光導入ブ
ロック253に貼り付けて露光を行い、作製されたホロ
グラフィックステレオグラムを再生する時にも、このホ
ログラフィックステレオグラムを改めてインデックスマ
ッチング液252を介して光導入ブロック253に貼り
付けて観察する必要があり、作業が煩雑であるとの問題
も有している。
【0019】そこで、本発明は、以上の問題点を解決
し、良好な再生像が得られると共に、作製時及び再生時
の作業性を向上させるホログラフィックステレオグラム
を作製するホログラフィックステレオグラムの作製装置
及び作製方法並びにこのホログラフィックステレオグラ
ムに用いられる記録媒体を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係るホログラフ
ィックステレオグラムの作製装置は、物体光及び参照光
を同時に照射して感光材を露光することにより、視差画
像列の各画像を要素ホログラムとして上記感光材に順次
記録するホログラフィックステレオグラムの作製装置に
おいて、光を透過するブロック状の基体上に感光材が設
けられてなる記録媒体を保持する記録媒体保持手段と、
この記録媒体保持手段を駆動して記録媒体を所定の露光
位置に位置決めする駆動手段と、参照光を上記記録媒体
の基体の側面から入射させて上記感光材に照射させる参
照光学系とを備えることを特徴としている。
【0021】このホログラフィックステレオグラムの作
製装置によりホログラフィックステレオグラムを作製す
る際は、記録媒体として光を透過するブロック状の基体
上に感光材が設けられたものが用いられる。そして、こ
の記録媒体は、記録媒体保持手段によって保持され、駆
動手段により所定の露光位置に位置決めされる。
【0022】所定の露光位置に位置決めされた記録媒体
の感光材には、物体光と参照光とが同時に照射される。
このとき、参照光は、参照光学系により、基体の側面か
ら記録媒体に入射し、感光材に照射される。
【0023】このホログラフィックステレオグラムの作
製装置によれば、記録媒体として、光を透過するブロッ
ク状の基体上に感光材が設けられたものが用いられるの
で、界面反射した光と参照光自体との干渉等に起因する
不要なパターンの形成が抑制され、木目調のムラ等の生
じない良好な再生像が得られるホログラフィックステレ
オグラムを作製することができるとともに、記録及び再
生時の作業性を向上させることができる。
【0024】なお、このホログラフィックステレオグラ
ムの作製装置においては、記録媒体として、ブロック状
の基体の少なくとも一側面に研磨加工が施されたものを
用い、参照光学系が、基体の研磨加工が施された側面か
ら参照光を入射させることが望ましい。
【0025】これにより、ホログラフィックステレオグ
ラムの作製装置は、より良好な再生像が得られるホログ
ラフィックステレオグラムの作製が可能となる。
【0026】また、このホログラフィックステレオグラ
ムの作製装置においては、記録媒体として、ブロック状
の基体の感光材が設けられた箇所及び側面の一部を除く
部分に光を吸収する光吸収手段が設けられたものを用
い、参照光学系が、基体の光吸収手段が設けられていな
い側面から参照光を入射させることが望ましい。
【0027】このようにブロック状の基体に光吸収手段
を設けるようにした場合、基体内に入射した光の基体内
での不要な反射が防止されることになる。したがって、
このような記録媒体を用いたホログラフィックステレオ
グラムの作製装置は、より良好な再生像が得られるホロ
グラフィックステレオグラムの作製が可能となる。
【0028】また、本発明に係るホログラフィックステ
レオグラムの作製方法は、物体光及び参照光を同時に照
射して感光材を露光することにより、視差画像列の各画
像を要素ホログラムとして上記感光材に順次記録してホ
ログラフィックステレオグラムを作製するに際し、光を
透過するブロック状の基体上に感光材が設けられてなる
記録媒体を用い、この記録媒体に対して基体の側面から
参照光を入射して露光を行うことを特徴としている。
【0029】このホログラフィックステレオグラムの作
製方法によれば、記録媒体として、光を透過するブロッ
ク状の基体上に感光材が設けられたものを用いるので、
界面反射した光と参照光自体との干渉等に起因する不要
なパターンの形成が抑制され、木目調のムラ等の生じな
い良好な再生像が得られるホログラフィックステレオグ
ラムを作製することができるとともに、記録及び再生時
の作業性の向上を図ることができる。
【0030】なお、このホログラフィックステレオグラ
ムの作製方法においては、記録媒体として、ブロック状
の基体の少なくとも一側面に研磨加工が施されたものを
用い、参照光を基体の研磨加工が施された側面から入射
させるようにすれば、より良好な再生像が得られるホロ
グラフィックステレオグラムの作製が可能となる。
【0031】また、このホログラフィックステレオグラ
ムの作製方法においては、記録媒体として、ブロック状
の基体の感光材が設けられた箇所及び側面の一部を除く
部分に光を吸収する光吸収手段が設けられたものを用
い、参照光を基体の光吸収手段が設けられていない側面
から入射するようにすれば、基体内に入射した光の基体
内での不要な反射が防止され、より良好な再生像が得ら
れるホログラフィックステレオグラムの作製が可能とな
る。
【0032】また、本発明に係る記録媒体は、物体光及
び参照光が同時に照射されて感光材が露光され、視差画
像列の各画像が要素ホログラムとして上記感光材に順次
記録されることにより作製されるホログラフィックステ
レオグラムに用いられる記録媒体であって、光を透過す
るブロック状の基体上に感光材が設けられてなることを
特徴としている。
【0033】この記録媒体には、物体光と参照光とが同
時に入射する。そして、これらの光が感光材に照射され
ることにより、感光材が露光され、視差画像列の各画像
が要素ホログラムとして記録される。このとき、参照光
は、基体の側面から記録媒体に入射し、感光材に照射さ
れることになる。
【0034】この記録媒体は、光を透過するブロック状
の基体上に感光材が設けられた構成とされているので、
ホログラフィックステレオグラムを作製する際に、この
記録媒体を用いるようにすれば、界面反射した光と参照
光自体との干渉等に起因する不要なパターンの形成が抑
制され、木目調のムラ等の生じない良好な再生像が得ら
れるホログラフィックステレオグラムを作製することが
できるとともに、記録及び再生時の作業性の向上を図る
ことができる。
【0035】なお、この記録媒体においては、ブロック
状の基体の少なくとも一側面に研磨加工が施され、この
基体の研磨加工が施された側面から参照光が入射される
ようにすれば、画像の記録状態をより良好なものとする
ことができる。
【0036】また、この記録媒体においては、ブロック
状の基体の感光材が設けられた箇所及び側面の一部を除
く部分に光を吸収する光吸収手段を設け、基体の光吸収
手段が設けられていない側面から参照光が入射されるよ
うにすれば、画像の記録状態をより良好なものとするこ
とができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、ワンステップホログラフィックステレオグラムを作
製するホログラフィックステレオグラム作製装置に本発
明を適用した例を挙げ、図面を参照しながら詳細に説明
する。
【0038】まず、本実施の形態に係るホログラフィッ
クステレオグラム作製装置で使用される記録媒体につい
て図1乃至図4を参照して説明する。
【0039】図1乃至図3に示すように、この記録媒体
10は、例えば、BK7等の無色透明のガラス等が略直
方体に成形されてなるブロック状基体11上に、ホログ
ラフィック材料よりなるホログラム記録層12が形成さ
れ、更に、ホログラム記録層12上に、無色透明の樹脂
フィルム等よりなる保護層13が形成されている。な
お、本明細書においてブロックとは、一般にフィルムと
呼ばれているものよりも厚みが大きく、剛性を有する固
体をいう。また、ここではブロック状基体11のホログ
ラム記録層12が形成される面を記録層形成面11aと
いう。
【0040】この記録媒体10に3次元画像を記録する
際は、後述するように、参照光がブロック状基体11の
側面11bから当該ブロック状基体11内に入射してホ
ログラム記録層12に照射される。したがって、ブロッ
ク状基体11は、参照光が入射される側面11bの表面
精度が高いことが望ましい。そこで、本実施の形態で
は、BK7よりなるブロック状基体11の参照光が入射
される側面11bに対して研磨加工を施し、その表面精
度をλ/2(λは参照光の波長)程度まで向上させた。
なお、この参照光が入射される側面11bの表面精度は
高いほどよいことは言うまでもない。
【0041】また、ブロック状基体11の一側面11b
から入射した参照光は、このブロック状基体11内を透
過してホログラム記録層12に照射されるので、ブロッ
ク状基体11は、ガラスの均一性が高い方が望ましい。
なお、ここではブロック状基体11をガラス(BK7)
より構成した例について説明しているが、ブロック状基
体11の材料としては、ガラス以外に例えばプラスティ
ック等を用いることも可能である。ただし、この場合
は、複屈折による参照光の偏光面の回転を極力抑えるた
めに、使用するプラスティック材料を吟味するととも
に、その複屈折軸に配慮する必要がある。
【0042】また、ブロック状基体11の記録層形成面
11aと参照光が入射する面11bとを除く各面には、
光を吸収する黒色のフィルム等の光吸収部材14が設け
られていることが望ましい。
【0043】このように、ブロック状基体11の光を透
過させる必要のない面に光吸収部材14を設けることに
より、参照光がブロック状基体11内に入射した際のブ
ロック状基体11内での不要な反射が抑制され、ホログ
ラム記録層12に不要な干渉縞を記録してしまうという
不都合を回避することができる。なお、光吸収部材14
としては、ブロック状基体11に黒色のビニールテープ
を貼り付けてこれを光吸収部材14としてもよいし、ま
た、ブロック状基体11に黒色の塗装を施してこれを光
吸収部材14としてもよい。
【0044】ところで、ブロック状基体11は、取り扱
いの利便性や配置スペース等を考慮すると、その厚さが
なるべく薄い方が望ましい。しかしながら、ブロック状
基体11の厚さをあまり薄くすると、以下のような問題
が生じる。
【0045】すなわち、ブロック状基体11には、上述
したように、その一側面11bから参照光が入射される
が、ブロック状基体11の厚さをあまり薄くすると、こ
の参照光の入射角度θを大きくする必要が生じる。そし
て、参照光の入射角度θをあまり大きくすると、参照光
の利用効率が低下して良好な再生像が得られなくなると
いう問題が生じる。
【0046】具体的には、良好な再生像が得られるのは
参照光の入射角θを75°程度とした場合までであり、
例えば参照光の入射角θが80°を越えると、得られる
再生像の画質が著しく劣化する。したがって、参照光の
入射角度は、80°以下に設定されることが望ましく、
より良好な再生像を得るためには、75°程度に設定さ
れることが望ましい。
【0047】ここで、参照光の入射角度を75°に設定
するには、ブロック状基体11の厚さTを、参照光を入
射角度75°で入射させるに足る値に設定する必要があ
る。具体的には、例えばブロック状基体11の参照光が
入射する方向の長さを60mmとしたときには、ブロッ
ク状基体11の厚さTは、約16mm(60mm×ta
n15°)よりも厚く設定する必要がある。
【0048】また、ブロック状基体11内に入射した参
照光は、図3に示すように、ブロック状基体11内を直
進してホログラム記録層12に照射される。そして、こ
のホログラム記録層12に照射された参照光がホログラ
ム記録層12と保護層13との界面又は保護層13と大
気との界面で全反射するようにすれば、この全反射によ
って戻ってきた反射光もまた参照光として使われること
となる。したがって、このように参照光をホログラム記
録層12と保護層13との界面又は保護層13と大気と
の界面で全反射させるようにした場合、作製されたホロ
グラフィックステレオグラムに対する再生用照明光とし
て、参照光に相当する照明光を照射すれば反射型で再生
することが可能であり、また、反射光の共役光に相当す
る照明光を照射すれば透過型で再生することが可能とな
る。
【0049】ここで、参照光が全反射するか否かは、ホ
ログラム記録層12の屈折率と参照光の入射角度θによ
る。すなわち、ホログラム記録層12の屈折率がRのと
きの全反射角度がRAとすると、参照光の入射角度θが
RAよりも小さくなると、参照光はホログラム記録層1
2と保護層13との界面で全反射せずに、外部に漏れ出
る成分が生じる。したがって、作製されるホログラフィ
ックステレオグラムを反射型及び透過型の双方で再生可
能とするには、参照光の入射角度θを、全反射角度RA
よりも大きく設定する必要がある。
【0050】また、この記録媒体10に3次元画像を記
録する際に、物体光は、保護層13を透過してホログラ
ム記録層12に入射する。そして、物体光と参照光との
干渉縞がホログラム記録層12に記録されることにな
る。したがって、保護層13に対しては、光散乱が少な
いこと、複屈折が少ないこと、光透過率が高いこと等の
光学特性が要求される。
【0051】一方、ホログラム記録層12には、従来公
知のホログラフィック材料が広く使用可能であるが、特
に、参照光と物体光との干渉によって生じる干渉縞を屈
折率の変化として記録するものが好適である。そこで、
本実施の形態では、ホログラム記録層12を構成するホ
ログラフィック材料として、デュポン社製の商品名「O
MNI−DEX」を用いた。このホログラフィック材料
は、光重合型フォトポリマからなり、初期状態では、図
4(A)に示すように、モノマMがマトリクスポリマに
均一に分散している。このホログラフィック材料に対し
て、図4(B)に示すように、10〜400mJ/cm
2 程度のパワーの光Laを照射すると、照射された光L
aのパワーに応じて、露光された部分のモノマMが重合
し、その結果、モノマMの濃度が場所によって変化し
て、屈折率変調が生じる。この後、図4(C)に示すよ
うに、1000mJ/cm2 程度のパワーの紫外線Lb
を全面に照射することにより、モノマMの重合が完了
し、屈折率変調度が増強されるとともに、この屈折率変
調が定着する。
【0052】なお、一般にホログラフィック材料は、無
色透明の樹脂材料よりなるベースフィルム上に設けら
れ、このベースフィルムと一体に市販されているが、本
発明で用いる記録媒体10は、ブロック状基体11の記
録層形成面11a上に、このベースフィルムと一体にな
ったホログラフィック材料を、そのホログラフィック材
料の持つ粘着性を利用して貼り付けることにより容易に
得られる。このとき、ベースフィルムは、保護層13と
して機能する。
【0053】次に、本実施の形態に係るホログラフィッ
クステレオグラム作製装置の概略について説明する。
【0054】図5に、このホログラフィックステレオグ
ラム作製装置100の概略構成を示す。なお、ここでは
単色で横方向にのみ視差を持つワンステップホログラフ
ィックステレオグラムを作製するホログラフィックステ
レオグラム作製装置100について説明するが、本発明
はこの例に限定されるものではなく、縦横の両方向に視
差を持つホログラフィックステレオグラムや、例えばレ
インボーホログラムのようにカラーのホログラフィック
ステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグ
ラム作製装置に適用することも可能である。
【0055】図5に示すホログラフィックステレオグラ
ム作製装置100は、データ処理部101と、制御用コ
ンピュータ102と、ホログラフィックステレオグラム
プリンタ装置103とを備えている。
【0056】データ処理部101は、視差画像列撮影装
置111から出力される、実物体を横方向の異なる複数
の観察点から撮影(例えば多眼式カメラによる同時撮影
又は移動式カメラによる連続撮影)することにより得ら
れた複数画像分の画像データD11、又は画像データ生
成用コンピュータ112から出力される、横方向に順次
視差を与えて作製された複数のレンダリング画像の各画
像データD12に基づいて視差画像列D13を生成し、
当該視差画像列D13の各画像データに対して画像処理
用コンピュータ113によって所定の画像処理を施して
ホログラフィックステレオグラム作製用の画像データD
14とした後、これらをハードディスク装置等のような
記憶装置114に格納する。
【0057】また、データ処理部101は、この後の露
光動作時、記憶装置114に格納された視差画像列の各
画像データD14を順番に読み出し、読み出された各画
像データD15を順次制御用コンピュータ102に送出
する。
【0058】制御用コンピュータ102は、露光動作
時、データ処理部101から供給される視差画像列の各
画像データD15に基づいて、ホログラフィックステレ
オグラムプリンタ装置103のシャッタ132、液晶デ
ィスプレイ(以下、LCDと称する。)141、後述す
るプリンタヘッド部をそれぞれ駆動制御する。
【0059】ホログラフィックステレオグラムプリンタ
装置103は、図5との対応部分に同一符号を付した図
6に示されるような構成を有し、上述した制御用コンピ
ュータ102から供給される画像データD15に基づい
てLCD141を駆動して、これら各画像データD15
に基づく各画像をそれぞれ短冊状の要素ホログラムとし
て記録媒体10に順次記録し、ホログラフィックステレ
オグラムを作製する。
【0060】このホログラフィックステレオグラムプリ
ンタ装置103は、制御用コンピュータ102から供給
される画像データD15のうちの1つの画像データに基
づいてLCD141を駆動させることにより、LCD1
41に当該画像データD15に基づく画像を表示させる
とともに、制御用コンピュータ102からシャッタ13
2に制御信号S11を送出してこれを開くように駆動さ
せることにより、レーザ光源131から出射されたレー
ザ光L11をシャッタ132、ハーフミラー133及び
ミラー138を順次介してスペーシャルフィルタ139
に入射させるようになされている。
【0061】このレーザ光L11は、スペーシャルフィ
ルタ139によって広げられ、その後コリメータレンズ
140によって平行光にされる。その後、LCD141
を透過して当該LCD141に表示された画像に応じた
投影光(物体光)に変換される。
【0062】そして、LCD141により変換された物
体光は、視差方向に関しては、図6(B)に示すよう
に、投影レンズ142を通過した後に、シリンドリカル
レンズ143に入射し、当該シリンドリカルレンズ14
3により視差方向に集光されてプリンタヘッド部150
に保持された記録媒体10に保護層13側から入射す
る。
【0063】また、物体光は、非視差方向に関しては、
図6(A)に示すように、投影レンズ142を透過する
ことによって、プリンタヘッド部150に保持された記
録媒体10のホログラム記録層12上に結像される。
【0064】ここで、シリンドリカルレンズ143によ
り視差方向に集光された物体光が記録媒体130に入射
する直前であって記録媒体130に触れない位置には、
一次元拡散板144が配設されている。この一次元拡散
板144は、非視差方向の視野角を確保するために必要
なものであり、物体光はこの一次元拡散板144により
非視差方向にのみ拡散した状態で記録媒体10に入射す
る。なお、この一次元拡散板144の代わりにシリンド
リカルフレネルレンズを用いるようにした場合は、作製
するホログラフィックステレオグラムをレインボータイ
プとすることができる。
【0065】一方、ハーフミラー133において反射し
たレーザ光L11は、シリンドリカルレンズ134、コ
リメータレンズ135及びミラー136を順次介して、
参照光としてブロック状基体11の側面11aから所定
の角度をもって記録媒体10内に入射される。このと
き、参照光の光路長は、物体光の光路長とほぼ同じ長さ
とすることが好ましい。これは、物体光と参照光の光路
差がレーザ光L11のコヒーレント長よりも大きくなる
と、物体光と参照光の干渉性が悪くなってしまうからで
ある。
【0066】かくして、このホログラフィックステレオ
グラムプリンタ装置103では、この物体光(投影光)
と参照光とを記録媒体10のホログラム記録層12上に
おいて干渉させることができ、これにより、LCD14
1に表示された画像を記録媒体10に短冊状に干渉縞と
して記録し得るようになされている。そして、このよう
に記録された短冊状の干渉縞が、ホログラフィックステ
レオグラムを構成する要素ホログラムとなる。
【0067】さらに、このホログラフィックステレオグ
ラムプリンタ装置103では、このように1画像の記録
が終了すると、制御用コンピュータ102によりシャッ
タ132が駆動されてレーザ光源131から出射された
レーザ光L11が遮光されるとともに、LCD141の
駆動が停止され、御用コンピュータ102の制御のもと
プリンタヘッド部150が駆動され、記録媒体130が
要素ホログラムの横幅1本分だけ送られる。
【0068】さらにこの後、制御用コンピュータ102
の制御によりLCD141が駆動して続く画像データD
15に基づく画像を表示した後、制御用コンピュータ1
02の制御によりシャッタ132が開かれてLCD14
1に表示された画像が記録媒体10に記録される。そし
て、この後、同様の動作が順次繰り返される。
【0069】このようにして、ホログラフィックステレ
オグラムプリンタ装置103においては、供給された視
差画像列の各画像データに基づく各画像を順次記録媒体
10に短冊状に記録し得るようになっており、これによ
り所望のホログラフィックステレオグラムを得ることが
できる。
【0070】ところで、このように記録媒体10に画像
を記録する際には、上述したように、参照光が記録媒体
10のホログラム記録層12と保護層13との界面又は
保護層13と大気との界面において全反射するので、反
射型で再生できるホログラムと、透過型で再生できるホ
ログラムとが同時に2つできる。
【0071】ここで、参照光がホログラム記録層12と
保護層13との界面において全反射しないようなとき、
すなわち参照光が記録媒体10を透過してしまうような
ときには、ホログラム用記録媒体10を透過した参照光
が物体光側に配された光学部材、例えば一次元拡散板1
44に入射することになる。このようになると、当該参
照光が一次元拡散板144によって反射されて再び記録
媒体130に入射してしまうことがある。このように一
次元拡散板144によって反射されて再び記録媒体10
に入射する光は、画像を記録する上でのノイズ成分とな
る。
【0072】そこで、このような光の再入射を防ぐため
に、ホログラム記録層12と保護層13との界面におい
て参照光が全反射しないようなときには、例えば、図7
に示すように、一次元拡散板144と記録媒体10との
間に、ルーバーフィルム145を配置する必要がある。
これにより、一次元拡散板144によって参照光が反射
されて再び記録媒体10に入射するのが防止される。
【0073】しかしながら、このようなルーバーフィル
ム145は、物体光の光路中に配されることとなるた
め、物体光を乱す要因となり、画像の均一性や明るさを
落とす原因になる。
【0074】これに対して、記録媒体10内に入射した
参照光がホログラム記録層12と保護層13との界面又
は保護層13と大気との界面において全反射するように
しておけば、参照光が記録媒体10を透過しないので、
ルーバーフィルム145が不要となる。したがって、記
録される画像の均一性や明るさが向上することとなる。
しかも、ルーバーフィルム145が不要な分、光学系を
簡略化することもできる。
【0075】次に、記録媒体10を保持するプリンタヘ
ッド部150について説明する。
【0076】このプリンタヘッド部150は、記録媒体
10を保持する記録媒体保持機構160と、この記録媒
体保持機構160を駆動して、この記録媒体保持機構1
60に保持された記録媒体10を所定の露光位置に位置
決めする駆動機構170とを有している。
【0077】記録媒体保持機構160は、図8に示すよ
うに、移動ステージ161と、この移動ステージ161
上に設けられ、記録媒体10をその平行な2側面から挟
み込むように保持する一対の保持部材162,163と
を備えている。
【0078】一対の保持部材162,163のうち一方
の保持部材162には、記録媒体10の側面に当接する
部分の略中央部にねじ溝162aが設けられており、こ
のねじ溝162aに、ねじ部材164が螺合するように
なされている。そして、一対の保持部材162,163
間に記録媒体10が設置され、ねじ部材164が記録媒
体10側に押し込まれることにより、記録媒体10は、
一対の保持部材162,163間に安定的に保持され
る。
【0079】駆動機構170は、ボールねじ171と、
このボールねじ171と平行に設けられた一対のスライ
ドベアリング172,173とを備えている。そして、
これらボールねじ171とスライドベアリング172,
173は、移動ステージ161の保持部材162,16
3が設けられた面と反対の面側にて、移動ステージ16
1に連結されている。
【0080】ボールねじ171は、図示しないステッピ
ングモータによる回転力に基づいて回転し得るようにな
されている。このステッピングモータは、制御用コンピ
ュータ102から供給される制御信号S12に基づい
て、1画像分の露光終了毎にボールねじ171を順次所
定角度だけ回転させる。そして、このボールねじ171
の回転に伴って、移動ステージ161がスライドベアリ
ング172,173に案内されて、図8中矢印Aで示す
方向に間欠的に移動する。これにより、一対の保持部材
162,163間に保持された記録媒体10が要素ホロ
グラムの横幅1本分だけ送られる。
【0081】また、記録媒体10の進路の後段には、当
該進路に沿って紫外線ランプが配設されており、この紫
外線ランプにより、駆動機構170によって送られてく
る記録媒体10の露光部分に対して所定パワーで紫外線
が照射される。これにより、記録媒体10は、ホログラ
ム記録層12のモノマMの拡散が終了することになる。
【0082】また、記録媒体10の進路の更に後段に
は、当該進路に沿って加熱ヒータが配設されており、こ
の加熱ヒータにより、記録媒体10が加熱される。これ
により、記録媒体10は、ホログラム記録層12の屈折
率変調度が増加して記録画像が定着することとなる。
【0083】以上のように、1画像分の露光終了毎に記
録媒体保持機構160に保持された記録媒体10が要素
ホログラムの横幅1本分だけ送り操作されることによ
り、記録媒体10には短冊状の要素ホログラムが順次記
録され、紫外線の照射、加熱処理等が施されてホログラ
フィックステレオグラムが作製されることとなる。
【0084】そして、このように作製されたホログラフ
ィックステレオグラムは、記録媒体保持機構160から
取り外され、参照光に相当する再生光が照射されること
により、記録画像が再生される。
【0085】ここで、従来のエッジリット方式のホログ
ラフィックステレオグラムは、再生時に、ホログラム感
光材料を露光で用いた光導入ブロックから一度分離させ
た後に、再び別の再生用の光導入ブロックにインデック
スマッチング液を介して貼り付け、これに参照光に相当
する再生光を照射することで記録画像を再生する必要が
あった。
【0086】しかしながら、本発明のホログラム作製装
置により作製されたホログラフィックステレオグラム
は、要素ホログラムが記録された記録媒体10にそのま
ま参照光に相当する再生光を照射することで記録画像を
再生することができるので、再生時の作業が極めて簡便
である。
【0087】以上説明したように、本発明に係るホログ
ラフィックステレオグラムの作製装置100は、記録媒
体10として、ブロック状基体11の記録層形成面11
a上にホログラム記録層12と保護層13とが形成され
たものを用い、その一側面11bから参照光を入射させ
るようにしているので、従来のエッジリット方式のホロ
グラフィックステレオグラムを作製するときのように、
記録媒体をインデックスマッチング液を介して光導入ブ
ロックに貼り付けた状態で光を照射させることがないの
で、界面反射した光と参照光自体との干渉等に起因する
不要なパターンの形成が抑制され、木目調のムラ等の生
じない良好な再生像が得られるホログラフィックステレ
オグラムを作製することができる。
【0088】なお、以上は、記録媒体として、直方体の
ブロック状基体11の記録層形成面11a上にホログラ
ム記録層12と保護層13とが形成された記録媒体10
を用いた例について説明したが、本発明で用いられる記
録媒体は、この例に限定されるものではなく、例えば、
図9に示すように、円筒状のブロック状基体21の周面
21aにホログラム記録層22と保護層23とが形成さ
れた記録媒体20を用いるようにしてもよい。
【0089】この円筒状の記録媒体20に対しては、ホ
ログラム記録層12と保護層13とが形成された周面か
ら物体光が照射され、ブロック状基体21の一方の端面
21bから参照光が入射される。
【0090】そして、このような円筒状の記録媒体20
は、図10(a)及び図10(b)に示すように、例え
ば3本の駆動用ゴムローラ181,182,183によ
り、周面が3方から挟み込まれるようにして保持され
る。この駆動用ゴムローラ181,182,183は、
上述したプリンタヘッド部150の記録媒体保持機構1
60の機能と駆動機構170の機能とを兼ねるものであ
り、それぞれが図示しないステッピングモータによる回
転力に基づいて回転し得るようになされている。
【0091】そして、制御用コンピュータ102から供
給される制御信号S12に基づいて、ステッピングモー
タが1画像分の露光終了毎に3本の駆動用ゴムローラ1
81,182,183をそれぞれ同期させて所定角度だ
け回転させる。これにより、円筒状の記録媒体20は、
図10中矢印Bに示すよう方向に要素ホログラムの横幅
1本分だけ送られる。
【0092】このように、記録媒体として円筒形のブロ
ック状基体21の周面21aにホログラム記録層22と
保護層23とが形成された記録媒体20を用いた場合に
は、円筒形のホログラフィックステレオグラムを作製す
ることができる。
【0093】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るホログラフィックステレオグラムの作製装置は、
記録媒体として、光を透過するブロック状の基体上に感
光材が設けられてなるものを用い、ブロック状の基体の
側面から参照光を入射させるようにしており、従来のエ
ッジリット方式のホログラフィックステレオグラムを作
製するときのように、記録媒体をインデックスマッチン
グ液を介して光導入ブロックに貼り付けた状態で光を照
射させることがないので、界面反射した光と参照光自体
との干渉等に起因する不要なパターンの形成が抑制さ
れ、木目調のムラ等の生じない良好な再生像が得られる
ホログラフィックステレオグラムを作製することができ
る。
【0094】また、このホログラフィックステレオグラ
ムの作製装置により作製されたホログラフィックステレ
オグラムは、従来のエッジリット方式のホログラフィッ
クステレオグラムのように、再生時に光導入ブロックに
インデックスマッチング液を介して貼り付ける必要がな
いので、再生時の作業が極めて簡便となる。
【0095】また、本発明に係るホログラフィックステ
レオグラムの作製方法は、記録媒体として、光を透過す
るブロック状の基体上に感光材が設けられてなるものを
用い、ブロック状の基体の側面から参照光を入射させる
ようにしており、従来のエッジリット方式のホログラフ
ィックステレオグラムを作製するときのように、記録媒
体をインデックスマッチング液を介して光導入ブロック
に貼り付けた状態で光を照射させることがないので、界
面反射した光と参照光自体との干渉等に起因する不要な
パターンの形成が抑制され、木目調のムラ等の生じない
良好な再生像が得られるホログラフィックステレオグラ
ムを作製することができる。
【0096】また、このホログラフィックステレオグラ
ムの作製方法により作製されたホログラフィックステレ
オグラムは、従来のエッジリット方式のホログラフィッ
クステレオグラムのように、再生時に光導入ブロックに
インデックスマッチング液を介して貼り付ける必要がな
いので、再生時の作業が極めて簡便となる。
【0097】また、本発明に係る記録媒体は、光を透過
するブロック状の基体上に感光材が設けられてなるの
で、ホログラフィックステレオグラムを作製する際に、
この記録媒体を用いるようにすれば、界面反射した光と
参照光自体との干渉等に起因する不要なパターンの形成
が抑制され、木目調のムラ等の生じない良好な再生像が
得られるホログラフィックステレオグラムを作製するこ
とができるとともに、記録及び再生時の作業性の向上を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム用記録媒体の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】上記ホログラム用記録媒体の断面図であり、図
1におけるA1−A2線断面図である。
【図3】上記ホログラム用記録媒体の断面図であり、図
1におけるA3−A4線断面図である。
【図4】ホログラフィック材料の感光プロセスを説明す
る図であり、(A)はモノマがマトリクスポリマに均一
に分散している状態を示し、(B)は所定のパワーの光
が照射された状態を示し、(C)は全面に紫外線が照射
された状態を示している。
【図5】ホログラフィックステレオグラム作製装置の一
構成例を示す模式図である。
【図6】ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置
の一構成例を示す模式図である。
【図7】参照光が記録媒体に再入社するのを防止するた
めにルーバーフィルムを配した状態を示す図である。
【図8】プリンタヘッド部の要部を示す斜視図である。
【図9】記録媒体の他の例を示す斜視図である。
【図10】プリンタヘッド部の他の例の要部を示す図で
あり、(a)はプリンタヘッド部の要部を示す平面図で
あり、(b)はプリンタヘッド部の要部を示す側面図で
ある。
【図11】ホログラフィックステレオグラムの作製方法
を示す模式図である。
【図12】透過型エッジリットホログラムの作製方法を
示す模式図である。
【図13】透過型エッジリットホログラムの再生方法を
示す模式図である。
【図14】反射型エッジリットホログラムの作製方法を
示す模式図である。
【図15】反射型エッジリットホログラムの再生方法を
示す模式図である。
【図16】従来のエッジリットホログラムをワンステッ
プで作製する際の界面反射を説明する図である。
【符号の説明】
10 記録媒体、11 ブロック状基体、12 ホログ
ラム記録層、100ホログラフィックステレオグラム作
製装置、103 ホログラフィックステレオグラムプリ
ンタ装置、133 ハーフミラー、134 シリンドリ
カルレンズ、135 コリメータレンズ、136 全反
射ミラー、141 LCD、143シリンドリカルレン
ズ、144 一次元拡散板、150 プリンタヘッド
部、160 記録媒体保持機構、170 駆動機構

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体光及び参照光を同時に照射して感光
    材を露光することにより、視差画像列の各画像を要素ホ
    ログラムとして上記感光材に順次記録するホログラフィ
    ックステレオグラムの作製装置において、 光を透過するブロック状の基体上に上記感光材が設けら
    れてなる記録媒体を保持する記録媒体保持手段と、 上記記録媒体保持手段を駆動して上記記録媒体を所定の
    露光位置に位置決めする駆動手段と、 上記参照光を上記記録媒体の基体の側面から入射させて
    上記感光材に照射させる参照光学系とを備えることを特
    徴とするホログラフィックステレオグラムの作製装置。
  2. 【請求項2】 上記基体の少なくとも一側面は研磨加工
    が施されており、 上記参照光学系は、上記基体の上記研磨加工が施された
    側面から上記参照光を入射させることを特徴とする請求
    項1記載のホログラフィックステレオグラムの作製装
    置。
  3. 【請求項3】 上記基体には上記感光材が設けられた箇
    所及び側面の一部を除く部分に光を吸収する光吸収手段
    が設けられており、 上記参照光学系は、上記基体の上記光吸収手段が設けら
    れていない側面から上記参照光を入射させることを特徴
    とする請求項1記載のホログラフィックステレオグラム
    の作製装置。
  4. 【請求項4】 上記基体は略直方体に成形されており、 上記駆動手段は、上記記録媒体保持手段を間欠送りして
    上記記録媒体を所定の露光位置に位置決めすることを特
    徴とする請求項1記載のホログラフィックステレオグラ
    ムの作製装置。
  5. 【請求項5】 上記基体は略円筒形に成形されており、 上記駆動手段は、上記記録媒体保持手段を所定の角度で
    回転させて上記記録媒体を所定の露光位置に位置決めす
    ることを特徴とする請求項1記載のホログラフィックス
    テレオグラムの作製装置。
  6. 【請求項6】 物体光及び参照光を同時に照射して感光
    材を露光することにより、視差画像列の各画像を要素ホ
    ログラムとして上記感光材に順次記録してホログラフィ
    ックステレオグラムを作製するに際し、 光を透過するブロック状の基体上に上記感光材が設けら
    れてなる記録媒体を用い、この記録媒体に対して上記基
    体の側面から上記参照光を入射して露光を行うことを特
    徴とするホログラフィックステレオグラムの作製方法。
  7. 【請求項7】 上記基体の少なくとも一側面は研磨加工
    が施されており、上記参照光を上記基体の研磨加工が施
    された側面から入射させることを特徴とする請求項6記
    載のホログラフィックステレオグラムの作製方法。
  8. 【請求項8】 上記基体には上記感光材が設けられた箇
    所及び側面の一部を除く部分に光を吸収する光吸収手段
    が設けられており、 参照光を上記基体の上記光吸収手段が設けられていない
    側面から入射することを特徴とする請求項6記載のホロ
    グラフィックステレオグラムの作製方法。
  9. 【請求項9】 上記基体は略直方体に成形されているこ
    とを特徴とする請求項6記載のホログラフィックステレ
    オグラムの作製方法。
  10. 【請求項10】 上記基体は略円筒形に成形されている
    ことを特徴とする請求項6記載のホログラフィックステ
    レオグラムの作製方法。
  11. 【請求項11】 物体光及び参照光が同時に照射されて
    感光材が露光され、視差画像列の各画像が要素ホログラ
    ムとして上記感光材に順次記録されることにより作製さ
    れるホログラフィックステレオグラムに用いられる記録
    媒体であって、 光を透過するブロック状の基体上に上記感光材が設けら
    れてなることを特徴とする記録媒体。
  12. 【請求項12】 上記基体の少なくとも一側面は研磨加
    工が施されており、この基体の研磨加工が施された側面
    から上記参照光が入射されることを特徴とする請求項1
    1記載の記録媒体。
  13. 【請求項13】 上記基体の上記感光材が設けられた箇
    所及び側面の一部を除く部分には光を吸収する光吸収手
    段が設けられており、 上記基体の光吸収手段が設けられていない側面から上記
    参照光が入射されることを特徴とする請求項11記載の
    記録媒体。
  14. 【請求項14】 上記基体が略直方体に成形されている
    ことを特徴とする請求項11記載の記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記基体が略円筒形に成形されている
    ことを特徴とする請求項11記載の記録媒体。
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