JPH11302083A - 窯炉内張り施工体およびその製造方法 - Google Patents

窯炉内張り施工体およびその製造方法

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JPH11302083A
JPH11302083A JP10125405A JP12540598A JPH11302083A JP H11302083 A JPH11302083 A JP H11302083A JP 10125405 A JP10125405 A JP 10125405A JP 12540598 A JP12540598 A JP 12540598A JP H11302083 A JPH11302083 A JP H11302083A
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coarse
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flame
particle
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JP10125405A
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Naoki Hirai
直樹 平井
Yoriyoshi Mikami
頼儀 三上
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窯炉内張り施工体において、溶射施工体の被
施工体への接着性を確保しつつ耐熱衝撃性を向上させ
る。 【解決手段】 窯炉内張りの耐火物下地層1の上に火炎
溶射層6を溶射するに際し、溶射施工開始時には微粒子
耐火物のみを噴出して、耐火物下地層1の表面に微粒子
耐火物のみの初期施工体層を形成し、続いて微粒子耐火
物を噴出しながら、微粒子耐火物中に分散埋没させる粗
粒子耐火物4の噴出添加量を徐々に増加させる。これに
より、窯炉内張りの耐火物下地層1の上に、微粒子耐火
物中に粗粒子耐火物4が分散埋没した火炎溶射層6を有
する窯炉内張り施工体において、粗粒子耐火物4の火炎
溶射層6中での存在確率が、耐火物下地層1との接着界
面層2から表面層5に向かうに従って連続的に増加する
窯炉内張り施工体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として鉄鋼製造
プロセスで用いられる窯炉の内張り施工体およびその製
造方法に関し、特に、火炎溶射により施工される窯炉内
張り施工体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼製造プロセスで用いられる窯炉の多
くは、火炎溶射法による熱間補修を受けながら使用され
てきた。
【0003】この溶射材料に用いられる耐火物粉体に
は、優れた溶融性と粉体流動性が要求される。そのため
に、溶融し易いように微粒にすると、流動性を損ない粉
体吐出時に脈動が生じる恐れがあり、一方、粒径が大き
いと溶融が完全に行われないまま付着する危険性があ
る。このような問題を解決する技術として、例えば、特
開昭55−21539号公報には、全体が500μm以
下でその中の10μm以下の粒子を20%以下とするこ
とが開示されている。この場合の耐火物粉体は、溶射火
炎によって溶融するように規制された粒度を有してい
る。
【0004】ところで、上記技術のように完全に耐火物
粉体を溶融させて施工した場合、非常に緻密な施工体と
なって、熱衝撃性が低下する場合がある。このような問
題を解決する技術としては、特公昭63−2917号公
報に、微粒子状の耐火物を溶射した成形体の未溶融部分
に同質耐火物の粗粒子を系外から打ち込み、未溶融粒子
状で溶射成形体中に分散埋没させて未溶融部分を凝固さ
せることにより、耐熱衝撃性、耐剥離性に優れた粉末耐
火物溶射成形体を作ることが開示されている。また、そ
の添加方法としては、例えば、特公昭59−51857
号公報に、粉末溶射器の中央ノズルからは10mm以下
の粗粒子耐火物を噴出させ、その周囲ノズルからは微粉
末耐火物を噴出させながらガス火焔中を通過させて溶射
を行うことにより、溶射層の亀裂を防止し、溶射能力を
格段に向上させることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭63−29
17号公報や特公昭59−51857号公報に記載の従
来技術による粗粒子添加溶射施工体は、粗粒子が未溶融
状態で微粒子の溶融凝固組織内に均一分散する組織を有
している。このような組織は、微粒子の溶射施工開始と
同時に粗粒子が添加されることで形成されるものである
が、この場合、施工体と被施工体との実質的な融着面積
は溶融凝固する微粒子が付着した面積に限られるため、
接着強度が低下し、施工体の特性が十分に利用できない
という問題があった。
【0006】また、従来の溶射バーナーは微粉末耐火物
の噴出孔と火炎孔が別孔であり、微粉末耐火物の噴出の
ために必須となる輸送ガスによって火炎温度が若干下が
るだけでなく、さらに粗粒子を溶射バーナー中央ノズル
から噴出させた場合には、火炎温度がよりいっそう低下
して付着歩留が低下する問題があった。
【0007】そこで、本発明は、溶射施工時の付着歩留
を確保しながら、粗粒子耐火物を添加した火炎溶射層の
接着性をも確保し、さらに、この溶射層の優れた耐熱衝
撃性を発揮させて、内張りの優れた耐用性を確保するこ
とのできる、窯炉内張り施工体およびその製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の要旨は、下記の通りである。
【0009】(1) 窯炉内張りの耐火物下地層の上
に、微粒子耐火物中に粗粒子耐火物が分散埋没した火炎
溶射層を有する窯炉内張り施工体において、前記粗粒子
耐火物の火炎溶射層中での存在確率が、前記耐火物下地
層との接着界面層から表面層に向かうに従って連続的に
増加することを特徴とする、窯炉内張り施工体。
【0010】(2) 前記粗粒子耐火物の90%以上の
粒径が、0.2mm超1mm以下であることを特徴とす
る、上記(1)に記載の窯炉内張り施工体。
【0011】(3) 窯炉内張りの耐火物下地層の上に
火炎溶射層を溶射するに際し、溶射施工開始時には微粒
子耐火物のみを噴出して、前記耐火物下地層の表面に微
粒子耐火物のみの初期施工体層を形成し、引き続き微粒
子耐火物を噴出しながら、該微粒子耐火物中に分散埋没
させる粗粒子耐火物の噴出添加量を徐々に増加させるこ
とによって、粗粒子耐火物の火炎溶射層中での存在確率
が、耐火物下地層との接着界面層から表面層に向かうに
従って連続的に増加する組織を有する火炎溶射層を形成
することを特徴とする、窯炉内張り施工体の製造方法。
【0012】(4) 前記粗粒子耐火物の噴出添加は、
微粒子耐火物の噴出孔と火炎孔を有する溶射バーナーヘ
ッドとは別の配管系を経由して、前記溶射バーナーヘッ
ドの火炎の外に配設した噴出ノズルから、溶射面に向け
て行うことを特徴とする、上記(3)に記載の窯炉内張
り施工体の製造方法。
【0013】(5) 噴出添加する前記粗粒子耐火物
は、少なくとも最大含有化学成分が微粒子耐火物と同じ
である耐火物の廃材を粉砕して得られる耐火物であるこ
とを特徴とする、上記(3)または(4)に記載の窯炉
内張り施工体の製造方法。
【0014】(6) 噴出添加する前記粗粒子耐火物と
して、粒径が0.05〜1mmである粒子の配合割合が
90%以上である耐火物を用いることを特徴とする、上
記(3)ないし(5)のいずれかに記載の窯炉内張り施
工体の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の窯炉内張り施工体の断面
組織を模式的に図1に示す。使用中である窯炉の内張り
耐火物などの被施工体である耐火物下地層1に火炎溶射
層6が火炎溶射により接着されている。なお、図1で
は、内張りの耐火物下地層1として、使用中の窯炉の内
張りを例示しているが、本発明はこれに限られるもので
はなく、新規築炉時の使用前の内張り耐火物を下地層と
することもできる。また、下地層である耐火物は、れん
がや不定形耐火物を含むものである。
【0016】火炎溶射層6は、微粒子耐火物が溶融凝固
したマトリックス3からなる火炎溶射層中に粗粒子耐火
物4が分散埋没した組織であり、分散する粗粒子耐火物
4の存在確率が内張り耐火物下地層1との接着界面層2
から火炎溶射層6の表面層5に向かうに従って連続的に
増加する組織を有する。即ち、粗粒子耐火物4の含有量
を傾斜変化させた組織である。被施工体である耐火物下
地層1との接着部分には粗粒子耐火物を含まず、微粒子
耐火物のみの施工で耐火物下地層1との十分な接着強度
を確保する。次いで、施工厚み方向の急激な組織変化を
避けるため、施工体表面に向かって徐々に粗粒子耐火物
4の存在確率が増加した組織にすることによって、粗粒
子耐火物4を含有する火炎溶射層6の優れた耐熱衝撃性
を発揮させる。
【0017】粗粒子耐火物の含有量およびその傾斜変化
量は、火炎溶射層が使用される環境に対応して最適な条
件を選択すればよいが、目安としては、微粒子耐火物の
みの施工部分を除き、粗粒子耐火物の含有量が表面層に
向かって比例的に緩やかに増加し、施工体表面付近で2
0%程度になる傾斜組織が好ましい。
【0018】本発明における火炎溶射層中に分散する粗
粒子耐火物は、90%以上が粒径0.2mm超1mm以
下とする必要がある。0.2mm以下の粒子は、溶射火
炎で溶融して施工体組織中に粒子として殆ど残留しない
か、従来の微粒子耐火物の粒径範囲にあるので耐熱衝撃
性向上効果があまりない。また、1mmを越える粒子
は、微粒子耐火物の施工体中に埋没施工し難く、埋没し
た場合においても、微粒子耐火物の施工体との密着性が
あまりないために耐熱衝撃性向上効果が期待できない。
【0019】本発明による窯炉内張り施工体の製造方法
としては、先ず溶射施工開始時には微粒子耐火物のみを
噴出して、内張り耐火物の下地層に微粒子耐火物のみの
初期施工体層を形成する。初期施工体層の厚みは、十分
な接着強度を確保するうえで、5mm以上とするのが好
ましい。引き続き微粒子耐火物を施工しながら、該微粒
子耐火物に添加する粗粒子耐火物の量を徐々に増加させ
ていくことによって、粗粒子耐火物の火炎溶射層中での
存在確率が、耐火物下地層との接着界面層から表面層に
向かうに従って連続的に増加する組織を形成する。粗粒
子耐火物の含有量は、前記のように表面層に向かって比
例的に緩やかに増加し、施工体表面付近で20%程度に
することが好ましい。
【0020】また、本発明では、前記粗粒子耐火物の噴
出添加は、微粒子耐火物の噴出孔と火炎孔を有する溶射
バーナーヘッドとは別の配管系を経由して、前記溶射バ
ーナーヘッドの火炎の外に配設した噴出ノズルから、溶
射面に向けて行うことが好ましい。
【0021】図2(a)、(b)に、本発明により窯炉
内張り施工体を製造する溶射装置の耐火物噴出孔部の配
管系模式図を示す。溶射バーナー7には、微粒子耐火物
の噴出孔10とそれを取り囲むように火炎孔9が配置さ
れている。
【0022】粗粒子耐火物は、従来は中央ノズル11よ
り噴出したが、本発明では溶射バーナー7に隣接する火
炎の外に配置した噴出ノズル8から噴出する。中央ノズ
ル11から粗粒子耐火物を噴出する場合、粒子輸送用ガ
スが完全に火炎中に混入するために火炎温度が低下し、
付着歩留が微粒子耐火物の単独施工に比べて低下する。
噴出ノズル8を火炎の外に配置することで、粒子輸送用
ガスによって速度を得た粗粒子耐火物は噴出後そのまま
火炎中に進入するのに対し、粒子輸送用ガスは火炎によ
って遮断され火炎との衝突部の温度を若干低下させるに
留まるため、火炎温度を下げることなく粗粒子耐火物を
添加することができ、施工体の付着歩留を向上させられ
る。また、摩耗の大きい粗粒子耐火物用配管系を溶射バ
ーナーとは別系にすることで、修理などを容易にする効
果もある。
【0023】微粒子耐火物は、従来より火炎溶射材料と
して用いられている耐火物粉末と化学成分および粒度分
布が同等の耐火物粉末でよい。
【0024】粗粒子耐火物は、少なくとも最大含有化学
成分が微粒子耐火物と同じである耐火物の廃材を粉砕し
て得られる粗粒子耐火物を用いることができる。粗粒子
の化学成分が微粒子の化学成分と大きく異なると、溶融
した微粒子との接着性が悪くなったり、熱膨張などが異
なって施工体の特性に悪影響を及ぼすため好ましくな
い。なお、粗粒子耐火物として、未使用耐火物原料を使
用しても同等の特性は得られるが、廃棄物リサイクルと
経済性向上の観点から、廃材を用いる方が好ましい。よ
り好ましくは、溶射施工を行う窯炉内張り施工体の廃材
を用いる。これによって、火炎溶射層の物性が内張り耐
火物下地層の物性により近づき、窯炉内張り施工体の優
れた特性を発揮できる。例えば、取鍋用には従来よりア
ルミナ質の溶射材料が一般に用いられるが、ここに本発
明を適用する場合には、取鍋の内張りに使用されたアル
ミナ質耐火物の廃材を粉砕して得られる粗粒子耐火物を
用いればよい。
【0025】耐熱衝撃性の向上効果のある粒径は、前記
のように0.2mm超1mm以下であるが、粗粒子耐火
物用原料として0.2mm以下の粒子が含まれていても
何ら本発明の効果を阻害するものではない。0.2mm
以下の粒子は、火炎温度で溶融する材質であれば溶融付
着し、溶融しない材質であっても比較的微粒子耐火物の
マトリックスに埋没しやすい。実験の結果、粒径が0.
05〜1mmの間に90%以上含まれる場合に、粗粒子
の付着歩留として50%以上が得られた。耐火物廃材を
粗粒子に用いる場合であっても、付着歩留が50%より
少ないと経済上の効果が殆どなくなる。
【0026】本発明に用いる粗粒子耐火物の粒度は、粒
径が0.05〜1mmである粒子の配合割合が90%以
上含まれるものである。粒径が50μmより小さい粒子
は、微粒子耐火物として溶射を行っても粉塵として飛散
する場合が多く殆ど付着しないので、粒径50μmより
小さい粒子は除外する。別系で添加する粗粒子の粒径は
最大10mmまでの適用例があるが、実験の結果、未溶
融の粗粒子はその粒径が大きいほど施工体に当たって跳
ね返る量が多く、1mmより大きくなると殆どが付着し
ない。従って、本発明において、粗粒子耐火物として粒
径1mmより大きい粒子は除外する。
【0027】
【実施例】本発明の実施例および比較例を表1、2に示
す。表3は実施例に使用した微粒子耐火物原料および粗
粒子耐火物原料の主な化学成分を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】実施例1〜4は本発明の例であり、比較例
5は従来の微粒子耐火物溶射施工体、比較例10は従来
の粗粒子耐火物添加溶射施工体、その他の比較例は本発
明の範囲から外れた例である。実施例における微粒子耐
火物の粒度は、全て50〜300μmを用いた。施工は
微粒子耐火物の噴出量を150kg/hとして行い、粗
粒子耐火物の添加量(%)は、(粗粒子耐火物噴出量k
g/h)×100÷(微粒子耐火物噴出量+粗粒子耐火
物噴出量kg/h)で制御した。粗粒子耐火物の添加
は、溶射バーナーの中心ノズルまたは別系の火炎外配管
系から行った。
【0032】付着歩留は、微粒子耐火物と粗粒子耐火物
の合計噴出重量に対する溶射施工体の質量%から計算し
た。耐食性指数は、溶射施工体に溶融スラグを吹き付け
たときの溶損量を測定し、従来材を100としたときの
溶損量の比の逆数とした。従って、耐食性指数が大きい
ほど溶損が少なく、耐食性に優れることを示す。接着強
度指数は、溶射施工体の接着界面に沿う剪断強度を測定
し、粗粒子耐火物を添加していない微粒子耐火物の溶射
施工体の剪断強度に対する強度比で表した。熱衝撃抵抗
性は、溶射施工体を作成後に引き続いて溶射バーナーに
よる急速加熱と火炎消火による放冷を繰り返し、溶射施
工体の表面にき裂が最初に観察される加熱回数で評価し
た。加熱回数は最大5回とし、5回でき裂が観察されな
い場合は5回超(>5)と評価した。
【0033】実施例1は、アルミナの微粒子に取鍋で使
用済みのアルミナ/マグネシア質不定形廃材を粉砕して
得られた50μm〜1mmの粗粒子を添加した例で、従
来の微粒子耐火物溶射施工体と比較して、微粒子がアル
ミナ単味であるため、従来のアルミナ/スピネル質溶射
材に比較して若干耐食性が低下する以外、付着歩留、接
着強度は同等であって、熱衝撃抵抗性に優れた。
【0034】実施例2は、微粒子としてアルミナ/スピ
ネル質の溶射材を用いたところ、従来溶射材と同等の付
着歩留、耐食性、接着強度を得て、かつ熱衝撃抵抗性が
向上した。
【0035】実施例3は、アルミナ/スピネル質の微粒
子溶射材料にT/D(タンディッシュ)使用済みのアル
ミナ/シリカ質廃材を粉砕して得られた50μm〜1m
mの粗粒子を添加した例で、従来の微粒子耐火物溶射施
工体と比較して、付着歩留、耐食性、接着強度がほぼ同
等で、熱衝撃抵抗性に優れた。
【0036】実施例4は、アルミナ/珪酸質の微粒子溶
射材料に取鍋で使用済みのアルミナ/マグネシア質不定
形廃材を粉砕して得られた50μm〜1mmの粗粒子を
添加した例で、熱衝撃抵抗性に優れる上に、その他の特
性は従来の微粒子耐火物溶射施工体と同等であった。
【0037】比較例5は、従来より取鍋や脱ガス炉に用
いられている微粒子溶射材であるが、熱衝撃抵抗性試験
では1回目の加熱で表面き裂が発生した。
【0038】比較例6は、実施例1に対し粗粒子耐火物
の添加量を傾斜させることなく施工初期から20%一定
の噴出を行った例である。施工体の熱衝撃抵抗性は向上
するが、施工初期の接着性に劣るため付着歩留が低下
し、接着強度も低くなった。
【0039】比較例7は、実施例1に対し粗粒子耐火物
として50〜200μmの取鍋使用済み廃材を用いたた
め、施工体中に埋没組織が観察されず耐熱衝撃性は向上
しなかった。
【0040】比較例8は、粗粒子耐火物として1〜5m
mの取鍋使用済み廃材を用いた例で、施工体組織中に埋
没粒子は観察されたが、粗粒子耐火物の含有量は低く殆
ど耐熱衝撃性は向上しなかった。
【0041】比較例9は、実施例2に対し初期施工体層
を確保せずに施工した例で、付着歩留が低下し、接着強
度が低下した。
【0042】比較例10は、実施例2に対し粗粒子耐火
物の傾斜含有量を変え施工体表面近傍で50%になるよ
うに施工した例で、耐食性、接着強度がほぼ同等で熱衝
撃抵抗性に優れるものの、粗粒子添加量を20%より多
くしても付着歩留が低下した。
【0043】比較例11は、実施例2に対し粗粒子耐火
物を従来の溶射バーナーの中心ノズルより噴出した例
で、本発明の施工体の特性は得られるものの火炎温度の
低下により付着歩留が低下したため、経済性に劣った。
【0044】比較例12は、実施例1に対し粗粒子耐火
物の化学成分が微粒子耐火物と大きく異なる例で、付着
歩留が低下すると共に耐熱衝撃抵抗性もあまり向上しな
かった。
【0045】比較例13は、実施例1に対し粗粒子耐火
物として5mm以下の取鍋使用済み廃材を用いて施工し
た例である。施工中に50μmより小さい粒子の発塵が
観察された。また1mmより大きな粒子も殆どが跳ね返
ってしまい、施工体中の含有量が低かった。施工体の特
性としてはほぼ本発明の効果が得られているが、粗粒子
の付着歩留はおおよそ40%であり経済性に劣った。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、窯炉内張り施工体の耐
用性が向上することで、窯炉の寿命が向上するだけでな
く、溶射材のコストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窯炉内張り施工体の断面組織を模式的
に示す図である。
【図2】本発明により窯炉内張り施工体を製造するため
の溶射装置の耐火物噴出孔部の配管系を模式的に示す図
である。
【符号の説明】
1 耐火物下地層 2 接着界面層 3 マトリックス 4 粗粒子耐火物 5 表面層 6 火炎溶射層 7 溶射バーナー 8 噴出ノズル 9 火炎孔 10 微粒子耐火物の噴出孔 11 中央ノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窯炉内張りの耐火物下地層の上に、微粒
    子耐火物中に粗粒子耐火物が分散埋没した火炎溶射層を
    有する窯炉内張り施工体において、前記粗粒子耐火物の
    火炎溶射層中での存在確率が、前記耐火物下地層との接
    着界面層から表面層に向かうに従って連続的に増加する
    ことを特徴とする、窯炉内張り施工体。
  2. 【請求項2】 前記粗粒子耐火物の90%以上の粒径
    が、0.2mm超1mm以下であることを特徴とする、
    請求項1に記載の窯炉内張り施工体。
  3. 【請求項3】 窯炉内張りの耐火物下地層の上に火炎溶
    射層を溶射するに際し、溶射施工開始時には微粒子耐火
    物のみを噴出して、前記耐火物下地層の表面に微粒子耐
    火物のみの初期施工体層を形成し、引き続き微粒子耐火
    物を噴出しながら、該微粒子耐火物中に分散埋没させる
    粗粒子耐火物の噴出添加量を徐々に増加させることによ
    って、粗粒子耐火物の火炎溶射層中での存在確率が、耐
    火物下地層との接着界面層から表面層に向かうに従って
    連続的に増加する組織を有する火炎溶射層を形成するこ
    とを特徴とする、窯炉内張り施工体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記粗粒子耐火物の噴出添加は、微粒子
    耐火物の噴出孔と火炎孔を有する溶射バーナーヘッドと
    は別の配管系を経由して、前記溶射バーナーヘッドの火
    炎の外に配設した噴出ノズルから、溶射面に向けて行う
    ことを特徴とする、請求項3に記載の窯炉内張り施工体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 噴出添加する前記粗粒子耐火物は、少な
    くとも最大含有化学成分が微粒子耐火物と同じである耐
    火物の廃材を粉砕して得られる耐火物であることを特徴
    とする、請求項3または請求項4に記載の窯炉内張り施
    工体の製造方法。
  6. 【請求項6】 噴出添加する前記粗粒子耐火物として、
    粒径が0.05〜1mmである粒子の配合割合が90%
    以上である耐火物を用いることを特徴とする、請求項3
    ないし請求項5のいずれか1項に記載の窯炉内張り施工
    体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012207817A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Taiyo Nippon Sanso Corp 燃焼バーナ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012207817A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Taiyo Nippon Sanso Corp 燃焼バーナ

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