JPH11301496A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JPH11301496A
JPH11301496A JP12530498A JP12530498A JPH11301496A JP H11301496 A JPH11301496 A JP H11301496A JP 12530498 A JP12530498 A JP 12530498A JP 12530498 A JP12530498 A JP 12530498A JP H11301496 A JPH11301496 A JP H11301496A
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JP
Japan
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steering shaft
steering
bearing
housing
mounting portion
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Application number
JP12530498A
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English (en)
Inventor
Shuichiro Shioyama
修一郎 塩山
Hideaki Shimizu
秀昭 清水
Katsuyuki Moriya
勝之 守屋
Takayuki Shirai
貴之 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受の内輪が操舵軸に微小隙間をもって遊嵌
される部分に潤滑油を保持する保持溝を形成し、錆等に
よって軸受による操舵軸の回転支持機能が失われたと
き、保持溝内の潤滑油によって、内輪に対して操舵軸を
回転させる。 【解決手段】 下側軸受11の内輪11Aは操舵軸6の
軸受遊嵌部6Dに隙間嵌めされ、外輪11Bは軸取付筒
2の軸受圧入部に圧入嵌めされている。また、軸受遊嵌
部6Dにはピニオン7の歯溝に連続する保持溝8を形成
する。この保持溝8内にはピニオン7とラック14から
滴下するグリスが浸入する。そして、下側軸受11が錆
等によって支持機能を失ったとき、操舵軸6を内輪11
Aに対して回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両の運転
者が舵取操作を行うときの操作力を軽減する構成とした
動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両には、運転者の
舵取操作力を軽減させるために油圧式または電動式の動
力舵取装置が搭載されている。そして、例えば実開平7
−37859号公報には電動式の動力舵取装置が開示さ
れている。
【0003】この種の従来技術による電動式の動力舵取
装置は、操舵軸取付部を有したハウジングと、該ハウジ
ングの操舵軸取付部内に回転可能に設けられ、舵取操作
により電動モータから発生する操舵力を車輪側に伝える
操舵軸と、該操舵軸の軸方向に離間して前記ハウジング
の操舵軸取付部と操舵軸との間に設けられ該操舵軸を少
なくとも軸方向の2箇所で回転可能に支持する軸受とを
備えている。また、前記操舵軸の一端は、ハウジングの
操舵軸取付部から突出され、その突出端には車両のステ
アリングハンドルがステアリングコラム等を用いて連結
されている。
【0004】ここで、電動モータは操舵軸から径方向に
離間してハウジングに設けられ、その出力軸は操舵軸と
ほぼ直交するように操舵軸に向けて延びると共に、出力
軸の先端側にはクラッチ機構、減速機等を用いて駆動ギ
ヤが連結されている。また、駆動ギヤの回転を伝達する
従動ギヤは、駆動ギヤに対応した位置で操舵軸の外周側
に嵌着され、これらの駆動ギヤと従動ギヤとは、互いに
ほぼ直交する方向に回転を伝達している。
【0005】さらに、軸受間に位置した操舵軸の外周面
にはピニオンが形成され、該ピニオンは、ハウジングに
支持され車両の操向用車輪にナックルアーム等を用いて
接続されたラックに連結されている。
【0006】そして、従来技術による動力舵取装置で
は、運転者がステアリングハンドルによって舵取操作を
行うと、電動モータの回転トルクが駆動ギヤ、従動ギヤ
等によって操舵軸に伝達され、この回転トルクがピニオ
ン、ラックを通して操向用車輪に伝達される。これによ
って、運転者のハンドル操作力を軽減させる構成となっ
ている。
【0007】また、ハウジングの操舵軸取付部に対して
操舵軸を回転可能に支持するため、操舵軸の軸方向上側
には上側軸受、下側には下側軸受が配設され、各軸受
は、内輪、外輪、各輪間に位置した複数個の転動体によ
って構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、車両を長期に亘って戸外に放置し続けた場
合に、動力舵取装置のハウジング(操舵軸取付部)内で
上側軸受や下側軸受等に錆が発生し、操舵軸取付部内で
の操舵軸の回転操作が重くなる可能性がある。
【0009】この場合、操舵軸取付部に対する操舵軸の
取付作業、交換作業を容易にするために、上側軸受は、
その内輪が操舵軸に対して圧入嵌めされ、外輪が操舵軸
取付部に対して微小な隙間をもって遊嵌(以下、隙間嵌
めという)された状態で支持されている。また、下側軸
受は、その内輪が操舵軸に対して隙間嵌めされ、外輪が
操舵軸取付部に対して圧入嵌めされた状態で支持されて
いる。これにより、これらの軸受の隙間嵌め部分によっ
て操舵軸の回転を許すことができる。
【0010】しかし、前記各軸受の隙間嵌め部分に錆等
が発生したときには、ハウジングの操舵軸取付部内で操
舵軸を回転させるのが難しくなり、運転者の操舵フィー
リングが悪化するという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はハウジングと操舵軸との間に遊
嵌される軸受のすきまばね部分にグリス等の潤滑油を保
持することにより、軸受に錆付き等が発生した場合で
も、操舵軸の回転を補償でき、運転者の操舵フィーリン
グを良好に保つことができるようにした動力舵取装置を
提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明が採用する動力舵取装置は、操舵軸取付
部を有したハウジングと、該ハウジングの操舵軸取付部
内に回転可能に設けられ、舵取操作により電動モータか
ら発生する操舵力を車輪側に伝える操舵軸と、該操舵軸
の軸方向に離間して前記ハウジングの操舵軸取付部と操
舵軸との間に設けられ該操舵軸を少なくとも軸方向の2
箇所で回転可能に支持する軸受とを備えている。
【0013】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、軸受のうち少なくとも一つの軸受を、内輪を操
舵軸に微小隙間をもって遊嵌すると共に外輪をハウジン
グの操舵軸取付部に圧入し、前記操舵軸と前記軸受の内
輪側との間に、前記ハウジング内の潤滑油を保持するた
めの保持溝を形成したことにある。
【0014】このように構成することにより、例えばハ
ウジング内のギヤ部分に塗布したグリス等の潤滑油が舵
取操作時に発生する摩擦熱等で粘度が低下し、ハウジン
グの下方へと滴下するようなときに、この潤滑油を保持
溝内に保持し続けることができ、この潤滑油によって軸
受の内輪と操舵軸との間に錆等が発生するのを防止でき
る。そして、仮りに軸受の内輪と外輪との間に錆付き等
が発生した場合でも、遊嵌状態にある軸受の内輪に対し
て操舵軸を回転させることができ、操舵軸の回転抵抗を
小さく抑えることができる。
【0015】請求項2の発明では、各軸受間に位置した
操舵軸の外周面にピニオンを形成し、潤滑油用の保持溝
は該ピニオンの歯溝に連続する溝として操舵軸の外周面
に形成したことにある。
【0016】このように構成することにより、操舵軸の
外周面側に切削加工等でピニオンを形成するときに、こ
れに連続して保持溝も形成でき、該保持溝の加工を容易
に行うことができる。
【0017】一方、請求項3が採用する構成の特徴は、
軸受のうち少なくとも一つの軸受を、内輪を操舵軸に圧
入すると共に外輪をハウジングの操舵軸取付部に微小な
隙間をもって遊嵌し、前記操舵軸取付部と前記軸受の外
輪との間には、前記ハウジング内の潤滑油を保持するた
めの保持溝を形成したことにある。
【0018】このように構成することにより、例えばハ
ウジング内のギヤ部分から流出した潤滑油を保持溝内に
保持し続けることができ、この潤滑油によって軸受の外
輪と操舵軸との間に錆等が発生するのを防止できる。そ
して、仮りに軸受の内輪と外輪との間に錆付き等が発生
した場合でも、遊嵌状態にある軸受の外輪に対して操舵
軸を回転させ、操舵軸の回転抵抗を小さく抑えることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る動力舵取装置
の実施の形態を、図1ないし図8を参照しつつ詳細に説
明する。まず、図1ないし図6に基づいて、本発明によ
る第1の実施の形態を述べる。
【0020】1は車両のエンジンルーム(図示せず)等
に配置される動力舵取装置のハウジングで、該ハウジン
グ1は、後述する操舵軸6が回転可能に取付けられる操
舵軸取付部としての軸取付筒2と、駆動装置18が取付
けられる減速機ケース3とによって構成され、鋳造等の
手段を用いて一体成形されている。
【0021】ここで、軸取付筒2は、その軸方向一端
(上側)が大径な開口部2Aとなり、他端(下側)が小
径な開口部2Bとなった段付筒状に形成され、開口部2
Aには蓋体4が、開口部2Bにはキャップ5がそれぞれ
着脱可能に設けられている。さらに、下側に位置した開
口部2Bの上側には径方向に突出する略筒状のラック取
付部2Cが一体的に形成されている。
【0022】また、軸取付筒2の軸方向中間部内周に
は、後述する上側軸受10の外輪10Bが隙間嵌めされ
る円筒状の軸受遊嵌部2Dと、該軸受遊嵌部2Dの下側
に位置して径方向内向きに突出し、上側軸受10の外輪
10Bを後述するシム板23を介して下側から支持する
上側の環状段部2Eとが設けられている。一方、軸取付
筒2の下端側内周には、後述する下側軸受11の外輪1
1Bが圧入嵌めされる円筒状の軸受圧入部2Fと、該軸
受圧入部2Fの上側に位置して径方向内向きに突出し、
下側軸受11の外輪11Bを上側から支持する下側の環
状段部2Gとが設けられている。
【0023】6は軸取付筒2内に上側軸受10、下側軸
受11を用いて回転可能に設けられた段付円柱状の操舵
軸で、該操舵軸6は、上端側が蓋体4を通して軸取付筒
2外に突出し、その突出端側には車両のステアリングハ
ンドルがステアリングコラム(いずれも図示せず)等を
用いて連結されている。
【0024】また、操舵軸6は、その軸方向中間部に後
述の従動ギヤ9と上側軸受10とを位置決めするための
大径な鍔部6Aが形成され、該鍔部6Aの上側には、従
動ギヤ9が圧入されるギヤ嵌着部6Bが形成され、前記
鍔部6Aの下側には、後述する上側軸受10の内輪10
Aが圧入嵌めされる軸受嵌着部6C、後述するピニオン
7、下側軸受11が隙間嵌めされる軸受遊嵌部6D、ね
じ部6Eが順次形成されている。
【0025】7はピニオンで、該ピニオン7は、軸受嵌
着部6Cと軸受遊嵌部6Dとの間の位置で操舵軸6の外
周に形成され、図5に示すように螺旋状に延びる歯形と
なっている。そして、ピニオン7は後述のラック14と
噛合し、操舵軸6からの操舵力をラック14側へと伝え
るものである。またピニオン7とラック14との間には
予めグリス等の潤滑油が塗布され、このグリスによりピ
ニオン7とラック14との間を潤滑状態に保持するよう
になっている。
【0026】8,8,…は操舵軸6の軸受遊嵌部6D外
周面に形成された保持溝で、該各保持溝8は、ピニオン
7の歯溝に連続する溝形状をもって形成され、グリス等
の潤滑油を下側軸受11の内輪11Aとの間で保持する
ものである(図5参照)。
【0027】9は操舵軸6のギヤ嵌着部6Bに圧入等の
手段を用いて固着された大径な従動ギヤで、該従動ギヤ
9はベベルギヤ(傘歯車)として構成され、後述の駆動
ギヤ22と噛合状態に保持されている。また、従動ギヤ
9の下側面はシム板24を介して操舵軸6の鍔部6Aに
当接されている。そして、従動ギヤ9は駆動ギヤ22側
からの回転をほぼ直交する方向の回転に変換すると共
に、この回転力を一定の減速比で減速し、操舵軸6側に
大トルクの操舵力を伝える構成となっている。
【0028】10は軸取付筒2に対して操舵軸6を回転
可能に支持する上側軸受で、該上側軸受10は、内輪1
0Aおよび外輪10Bと、これらの間に転動可能に設け
た複数個のボール10Cとによって構成され、内輪10
Aは操舵軸6の軸受嵌着部6Cに圧入嵌めされ、外輪1
0Bは図3に示すように、軸取付筒2の軸受遊嵌部2D
に微小隙間δ1 をもって遊嵌(以下、隙間嵌めという)
されている。また、内輪10Aは上側面が操舵軸6の鍔
部6Aに当接され、外輪10Bは下側面が軸取付筒2の
環状段部2Eにより当接されている。さらに、後述する
ロックナット12,13によって操舵軸6は下側に引っ
張られた状態となっているから、外輪10Bは環状段部
2Dに向けて軸方向下側に押付けられ、該外輪10Bが
軸取付筒2に対して相対回転するのを規制している。
【0029】11は軸取付筒2に対して操舵軸6を回転
可能に支持する下側軸受で、該下側軸受11は、内輪1
1Aおよび外輪11B、これらの間に転動可能に設けた
複数個のボール11Cによって構成され、内輪11Aは
操舵軸6の軸受遊嵌部6Dに微小隙間δ2 をもって隙間
嵌めされ(図4参照)、外輪11Bは軸取付筒2の軸受
圧入部2Fに圧入嵌めされている。また、内輪11Aは
下側面が操舵軸6のねじ部6Eに螺着されたロックナッ
ト12,13に当接し、外輪11Bは軸取付筒2の環状
段部2Eとキャップ5との間で挟持されている。さら
に、ロックナット12,13は軸取付筒2内で操舵軸6
を下側軸受11を用いて抜止め状態に保持すると共に、
内輪11Aを上側に押付けられ、該内輪11Aが操舵軸
6に対して相対回転するのを規制している。
【0030】14は操舵軸6のピニオン7に噛合したラ
ックで、該ラック14は軸取付筒2のラック取付部2C
内に変位可能に設けられ、その両端側がピニオン7と直
交する方向に突出すると共に、車両の操向用車輪(図示
せず)に連結されている。
【0031】15はラック取付部2C内に摺動可能に挿
嵌されたラック押え、16は該ラック押え15をラック
14の背面側にスプリング17を用いて押圧するラック
蓋で、該ラック蓋16はラック取付部2C内に螺合さ
れ、その螺合位置に応じてスプリング17のばね力を可
変に調整する。そして、スプリング17のばね力によ
り、ラック14はピニオン7に対して適正な噛合状態に
保たれている。
【0032】18は回転源としての駆動装置で、該駆動
装置18は、操舵軸6から径方向に離れた位置で減速機
ケース3の先端側に取付けられた電動モータ19と、該
電動モータ19の出力軸に連結された後述の減速機20
とによって大略構成され、舵取操作に対応した操舵力を
発生させるものである。
【0033】20は操舵軸6と電動モータ19との間に
位置して減速機ケース3内に収容された減速機で、該減
速機20は、減速機ケース3の底部側に螺着された複数
本の締付ボルト21,21,…によって減速機ケース3
内に固定されている。また、減速機20の出力側には、
軸取付筒2内に向けて操舵軸6の径方向に延びるギヤシ
ャフト20Aが設けられている。そして、該減速機20
は、電動モータ19の回転を減速してギヤシャフト20
Aから操舵軸6に、大きなトルクを伝達するものであ
る。
【0034】22は減速機20のギヤシャフト20Aの
先端側に設けられた小径な駆動ギヤで、該駆動ギヤ22
は従動ギヤ9と同様にベベルギヤにより構成され、減速
機ケース3から軸取付筒2内に突出している。そして、
駆動ギヤ22は操舵軸6側の従動ギヤ9に一定の減速比
をもって噛合し、減速機20と操舵軸6との間で回転方
向を変換させる。また、従動ギヤ9と駆動ギヤ22との
間にもグリス等の潤滑油が塗布され、このグリスにより
ギヤ間を潤滑状態に保っている。
【0035】23,24はシム板で、該シム板23は、
軸取付筒2の環状段部2Eと上側軸受10の外輪10B
との間に設けられている。また、シム板24は、操舵軸
6の外周側に位置して鍔部6Aと従動ギヤ9との間に設
けられている。
【0036】なお、操舵軸6の突出端側には、前記ステ
アリングコラムの途中等に位置してトルクセンサ(図示
せず)が設けられ、このトルクセンサは、車両の運転者
がステアリングハンドルを操作したときの舵取操作力を
ステアリングコラムの捩れ等として検出する。そして、
トルクセンサからの検出信号は舵取用のコントロールユ
ニット(図示せず)に出力され、該コントロールユニッ
トは検出信号に対応した駆動信号を電動モータ19に出
力するものである。
【0037】本実施の形態による動力舵取装置は上述の
如き構成を有するもので、次にその作動について説明す
る。
【0038】まず、車両の運転者がステアリングハンド
ルを舵取操作すると、この操作力をトルクセンサで検出
し、このときの検出信号を舵取用のコントロールユニッ
トへと出力する。そして、コントロールユニットは舵取
操作に対応した駆動信号を電動モータ19に出力するこ
とにより、該電動モータ19の出力軸から回転力として
の操舵力を発生させる。
【0039】そして、出力軸の回転は減速機20により
減速され、該減速機20のギヤシャフト20Aに大トル
クの回転を伝えると共に、この回転が駆動ギヤ22、従
動ギヤ9を用いてさらに減速させることにより、操向用
車輪の舵取りを行うのに十分な操舵力を操舵軸6に与え
ることができ、運転者の舵取操作力を確実に軽減させる
ことができる。また、電動モータ19の回転を減速機2
0で減速して操舵軸6に伝えるから、電動モータ19の
小型化が可能であり、消費電力等も削減することができ
る。
【0040】ここで、本実施の形態にあっては、、下側
軸受11の内輪11Aが隙間嵌めされる操舵軸6の軸受
遊嵌部6Dに、グリス等の潤滑油を保持するための各保
持溝8を形成したから、例えばピニオン7とラック14
との間に塗布したグリスの一部が舵取操作時の摩擦熱等
により粘度が低下し、下方へと流下したような場合に、
このグリスは各保持溝8内に保持でき、下記のような作
用効果を奏する。
【0041】即ち、車両を長期に亘って戸外等に放置し
た場合に、ハウジング1の軸取付筒2内に雨水等が浸入
することによって、例えば下側軸受11の内輪11Aと
外輪11Bとの間に錆が発生し、下側軸受11による操
舵軸6の円滑な回転支持機能が失うことがある。
【0042】しかし、本実施の形態では、操舵軸6の軸
受遊嵌部6Dを下側軸受11の内輪11A内に隙間嵌め
で挿入し、軸受遊嵌部6Dの外周面にはピニオン7の歯
溝に連続する各保持溝8を形成しているから、ピニオン
7側から流下するグリスを軸受遊嵌部6Dと内輪11A
との間で各保持溝8内に保持し続けることができる。そ
して、軸受遊嵌部6Dと内輪11Aとの間に錆等が発生
するのを防止すると共に、両者の間をグリスにより潤滑
状態に保持でき、下側軸受11の内輪11Aに対して操
舵軸6を円滑に回転させることができる。
【0043】これにより、仮りに下側軸受11の内輪1
1Aと外輪11Bとの間に錆付き等が発生した場合で
も、保持溝8内に保持されたグリスによって、下側軸受
11の内輪11Aに対して操舵軸6を回転させることが
でき、操舵軸6の回転抵抗を小さく抑えることができ
る。この結果、例えば修理工場等に向けて車両を運転す
る間の操舵フィーリングをある程度は良好に保ち、車両
の走行時の操作性や安全性を高めることができる。
【0044】また、各保持溝8は、ピニオン7の歯溝に
連続する溝として操舵軸6の外周面に形成しているか
ら、操舵軸6の外周面を切削加工してピニオン7を形成
するとき、このピニオン7に連続して保持溝8も形成で
き、該保持溝8加工を容易に行うことができる。
【0045】なお、第1の実施の形態では、操舵軸6に
形成した保持溝8をピニオン7の歯溝に連続する溝形状
に形成した場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、図6に示す操舵軸6′のように、軸受遊嵌部6Dに
軸方向に延びる保持溝8′,8′,…を形成してもよ
い。また、保持溝8′,8′は1本だけ形成するように
してもよい。
【0046】次に、本発明による第2の実施の形態を図
7、図8を参照して説明する。なお、本実施の形態で
は、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一
の符号を付し、その説明を省略するものとする。しか
し、本実施の形態の特徴は、上側軸受10の外輪10B
が微小隙間δ1 をもって隙間嵌めされる軸取付筒2の軸
受遊嵌部2Dに保持溝31,31,…を形成したことに
ある。
【0047】ここで、前記各保持溝31は、図8に示す
ように、軸受遊嵌部2Dに所定間隔を離間して軸方向に
延びるスプライン溝として形成している。なお、各保持
溝31は、このスプライン溝に限らず、雌ねじ、螺旋状
等のようにに溝型を形成してもよい。
【0048】本実施の形態にあっては、駆動ギヤ22と
従動ギヤ9との間に塗布されたグリス等の潤滑油一部が
舵取操作時の摩擦熱等により粘度が低下し、下方へと流
下したような場合に、このグリスは各保持溝31内に保
持できる。
【0049】かくして、このように構成される本実施の
形態では、例えば上側軸受10に錆付き等が発生した場
合でも、遊嵌状態にある上側軸受10の外輪10Bに対
して操舵軸6を回転させ、操舵軸6の回転抵抗を小さく
抑えることができる。
【0050】この結果、前記第1の実施の形態と同様
に、例えば修理工場等に向けて車両を運転する間の操舵
フィーリングをある程度は良好に保ち、車両の走行時の
操作性や安全性を高めることができる。
【0051】なお、第1の実施の形態では保持溝8を操
舵軸6の軸受遊嵌部6Dに形成し、第2の実施の形態で
は保持溝31を軸取付筒2の軸受遊嵌部2Dに形成する
ものとして述べたが、本発明はこれに限らず、下側軸受
11の内輪11Aの内周面に保持溝を形成しても、上側
軸受10の外輪10Bの外周面に保持溝を形成してもよ
いことは勿論である。
【0052】また、実施の形態では、操舵軸6と減速機
20のギヤシャフト20Aとをベベルギヤからなる駆動
ギヤ22と従動ギヤ9とを用いて連結した場合を例に挙
げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばハイポ
イトギヤ等を用いて減速機の出力側を操舵軸に連結する
構成としてもよい。
【0053】さらに、実施の形態では、ハウジング1を
軸取付筒2と減速機ケース3とから構成し、該減速機ケ
ース3を軸取付筒2の上端側からほぼ直交する方向に突
出させるものとして述べたが、これに限らず、例えば実
公平5−42950号(実開平1−122364号)公
報等で開示されているように、段付筒状のハウジング内
に減速機と操舵軸とをほぼ同軸に設け、減速機の出力側
に操舵軸を直接連結する構成としてもよい。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に記載の発
明によれば、軸受のうち少なくとも一つの軸受は、内輪
を操舵軸に微小隙間をもって遊嵌すると共に外輪をハウ
ジングの操舵軸取付部に圧入し、前記操舵軸と前記軸受
の内輪側との間に、ハウジング内の潤滑油を保持する保
持溝を形成したから、ハウジング内の潤滑油を保持溝内
に保持し続けることができ、この潤滑油によって軸受の
内輪と操舵軸との間に錆等が発生するのを防止できる。
そして、仮りに軸受の内輪と外輪との間に錆付き等が発
生した場合でも、遊嵌状態にある軸受の内輪に対して操
舵軸を回転させることにより、例えば修理工場等に向け
て車両を運転する間の操舵フィーリングをある程度は良
好に保ち、車両の走行時の操作性や安全性を高めること
ができる。
【0055】請求項2に記載の発明では、各軸受間に位
置した操舵軸の外周面にピニオンを形成し、潤滑油用の
保持溝をピニオンの歯溝に連続する溝として操舵軸の外
周面に形成したから、操舵軸の外周面を切削加工によっ
てピニオンを形成するとき、このピニオンに連続して保
持溝も形成でき、該保持溝の加工をピニオンの同一工程
で行うことができる。
【0056】請求項3に記載の発明では、軸受のうち少
なくとも一つの軸受は、内輪を操舵軸に圧入すると共に
外輪をハウジングの操舵軸取付部に微小な隙間をもって
遊嵌し、前記操舵軸取付部と前記軸受の外輪との間に、
ハウジング内の潤滑油を保持する保持溝を形成したか
ら、ハウジング内の潤滑油を保持溝内に保持し続けるこ
とができ、この潤滑油によって軸受の外輪と操舵軸との
間に錆等が発生するのを防止できる。そして、仮りに軸
受の内輪と外輪との間に錆付き等が発生した場合でも、
遊嵌状態にある軸受の外輪に対して操舵軸を回転させる
ことができ、車両の操向時の操作性や安全性を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による動力舵取装置を示す縦
断面図である。
【図2】図1中の軸取付筒、操舵軸等を拡大して示す縦
断面図である。
【図3】上側軸受の取付状態を示す要部拡大断面図であ
る。
【図4】下側軸受の取付状態を示す要部拡大断面図であ
る。
【図5】操舵軸に形成されたピニオン、保持溝等を拡大
して示す外観図である。
【図6】第1の実施の形態の変形例による操舵軸のピニ
オン、保持溝等を示す図5と同様位置からみた外観図で
ある。
【図7】第2の実施の形態による動力舵取装置の要部を
拡大して示す縦断面図である。
【図8】図7中の矢示VIII−VIII方向からみた上側軸
受、軸取付筒、操舵軸、保持溝等を示す横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 軸取付筒(操舵軸取付部) 2D 軸受遊嵌部 2F 軸受圧入部 6 操舵軸 6C 軸受嵌着部 6D 軸受遊嵌部 7 ピニオン 8,8′,31 保持溝 10 上側軸受 11 下側軸受 10A,11A 内輪 10B,11B 外輪 10C,11C ボール 19 電動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 貴之 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵軸取付部を有したハウジングと、該
    ハウジングの操舵軸取付部内に回転可能に設けられ、舵
    取操作により回転源から発生する操舵力を車輪側に伝え
    る操舵軸と、該操舵軸の軸方向に離間して前記ハウジン
    グの操舵軸取付部と操舵軸との間に設けられ該操舵軸を
    少なくとも軸方向の2箇所で回転可能に支持する軸受と
    を備えてなる動力舵取装置において、 前記軸受のうち少なくとも一つの軸受は、内輪を前記操
    舵軸に微小隙間をもって遊嵌すると共に外輪を前記ハウ
    ジングの操舵軸取付部に圧入し、前記操舵軸と前記軸受
    の内輪側との間には、前記ハウジング内の潤滑油を保持
    するための保持溝を形成したことを特徴とする動力舵取
    装置。
  2. 【請求項2】 前記各軸受間に位置した前記操舵軸の外
    周面にはピニオンを形成し、前記保持溝は該ピニオンの
    歯溝に連続する溝として操舵軸の外周面に形成してなる
    請求項1記載の動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 操舵軸取付部を有したハウジングと、該
    ハウジングの操舵軸取付部内に回転可能に設けられ、舵
    取操作により回転源から発生する操舵力を車輪側に伝え
    る操舵軸と、該操舵軸の軸方向に離間して前記ハウジン
    グの操舵軸取付部と操舵軸との間に設けられ該操舵軸を
    少なくとも軸方向の2箇所で回転可能に支持する軸受と
    を備えてなる動力舵取装置において、 前記軸受のうち少なくとも一つの軸受は、内輪を前記操
    舵軸に圧入すると共に外輪を前記ハウジングの操舵軸取
    付部に微小な隙間をもって遊嵌し、前記操舵軸取付部と
    前記軸受の外輪との間には、前記ハウジング内の潤滑油
    を保持するための保持溝を形成したことを特徴とする動
    力舵取装置。
JP12530498A 1998-04-20 1998-04-20 動力舵取装置 Pending JPH11301496A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009018628A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2010132038A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
JP5472315B2 (ja) * 2009-11-27 2014-04-16 日本精工株式会社 電動式パワーステアリング装置
CN117003117A (zh) * 2023-09-22 2023-11-07 河南海泰重工有限公司 一种龙门集装箱起重机行车轮液压顶升转向装置

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