JP2023009729A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023009729A
JP2023009729A JP2021113241A JP2021113241A JP2023009729A JP 2023009729 A JP2023009729 A JP 2023009729A JP 2021113241 A JP2021113241 A JP 2021113241A JP 2021113241 A JP2021113241 A JP 2021113241A JP 2023009729 A JP2023009729 A JP 2023009729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
peripheral surface
support bearing
shaft
electric power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021113241A
Other languages
English (en)
Inventor
広和 遊佐
Hirokazu YUSA
篤志 前田
Atsushi Maeda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2021113241A priority Critical patent/JP2023009729A/ja
Publication of JP2023009729A publication Critical patent/JP2023009729A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)

Abstract

【課題】ハウジングのうちで支持軸受の両側に存在する内部空間同士を連通できるだけでなく、支持軸受の軸方向変位を防止するための止めねじが緩むことも防止できる、電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】ハウジングを構成する軸受ハウジング部26の内周面に、支持軸受66を軸方向に跨ぐように連通溝41を形成する。支持軸受66の軸方向の変位を防止するための止めねじ67の径方向外側の端部にかしめ部82を形成し、かしめ部82を連通溝41の内側に進入させる。【選択図】図7

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、補助動力源として電動モータを利用する。このような電動パワーステアリング装置は、補助動力源として油圧を利用する油圧パワーステアリング装置に比べて、小型かつ軽量に構成でき、補助動力の大きさの制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。電動パワーステアリング装置は、電動モータの設置位置の相違により、コラムアシスト式、ピニオンアシスト式、ラックアシスト式の3種類に大別される。
図9及び図10は、特開2013-226880号公報(特許文献1)に記載された、ラックアシスト式の電動パワーステアリング装置の従来構造の1例を示している。
電動パワーステアリング装置100は、図示しない左右の操舵輪の間部分に、ステアリングギヤユニット101を備える。ステアリングギヤユニット101は、左右の操舵輪に、運転者のステアリングホイールの操作に応じた所望の舵角を付与する。
ステアリングギヤユニット101は、車両の幅方向に軸方向(長手方向)を向けて配置されたラック軸102と、ラック軸102と噛合したピニオン軸103とを有する。ステアリングギヤユニット101は、図示しないステアリングホイールの回転運動を、ラック軸102の直線運動に変換する。
ピニオン軸103は、ステアリングホイールに対し、図示しないステアリングシャフト、自在継手及び中間シャフト等を介して接続されており、ステアリングホイールの操舵操作に伴って回転する。ピニオン軸103の回転は、ラック軸102の往復直線運動に変換され、ラック軸102の軸方向両側の端部に接続されたタイロッド104a、104bを押し引きする。
ラック軸102及びピニオン軸103は、車両に固定されたハウジング105の内側に収容されている。ハウジング105は、ラック軸102の軸方向に関して一方側(図9及び図10の左側)に配置された主ハウジング部106と、ラック軸102の軸方向に関して他方側(図9及び図10の右側)に配置された副ハウジング部107とを連結してなる。
主ハウジング部106は、ラック軸102の軸方向に関して他方側の端部に、後述するプーリ機構113を収容するためのプーリ収容部108を有する。副ハウジング部107は、ラック軸102の軸方向に関して一方側の端部に、後述する支持軸受112を収容するための軸受ハウジング部109を有する。主ハウジング部106と副ハウジング部107とは、プーリ収容部108の内部空間と軸受ハウジング部109の内部空間とを連通させた状態で連結される。
ステアリングギヤユニット101は、ラック軸102に操舵補助力を付与し、運転者がステアリングホイールを操作するのに必要な操舵力を軽減するために、アシスト装置110をさらに備える。
アシスト装置110は、ボールねじ機構111と、支持軸受112と、プーリ機構113と、電動モータ114と、図示しない電子制御ユニット(ECU)と、図示しないトルクセンサとを備える。
ボールねじ機構111は、電動モータ114の回転運動をラック軸102の往復直線運動に変換するためのもので、外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝を有するラック軸102と、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝を有するナット115と、複数個のボール1116とから構成されている。
支持軸受112は、軸受ハウジング部109に内嵌されており、ボールねじ機構111を構成するナット115を、軸受ハウジング部109の内側に回転のみ可能に支持している。支持軸受112が、軸受ハウジング部109に対して軸方向に相対変位することを防止するために、軸受ハウジング部109の内周面の開口部に、円環形状を有する止めねじ117を螺着している。そして、止めねじ117の側面を、支持軸受112を構成する外輪の側面に押し付けている。
プーリ機構113は、プーリ収容部108の内側に収容されている。プーリ機構113は、電動モータ114のモータ出力軸の先端部に固定された駆動プーリ118と、ボールねじ機構111を構成するナット115に固定された従動プーリ119と、駆動プーリ118と従動プーリ119とに掛け渡されたベルト120とから構成されており、電動モータ114の回転を減速してナット115に伝達する。
電動モータ114は、トルクセンサの出力信号に基づいて、電子制御ユニットにより駆動制御される。電動モータ114が発生する駆動トルクは、プーリ機構113及びボールねじ機構111を介して、ラック軸102に対して操舵補助力として伝達される。これにより、運転者がステアリングホイールを操作するのに必要な操舵力を軽減することができる。
ラック軸102の軸方向に関してハウジング105の両側の端部には、ハウジング105の内部に泥水等の異物が侵入することを防止するためのブーツ121a、121bが取り付けられている。ブーツ121a、121bは、タイロッド104a、104bの周囲を覆っている。
特開2013-226880号公報 特開2016-120872号公報
特開2013-226880号公報に記載された従来構造の電動パワーステアリング装置100は、止めねじ117が緩む可能性がある。
たとえば、電動パワーステアリング装置を構成するハウジング105は、近年、軽量化を目的としてアルミニウム合金等の軽合金から造られることがあるのに対して、支持軸受112の軸方向変位を防止するための止めねじ117は、鉄系合金から造られることがある。このため、熱膨張係数の違いから、止めねじ117が緩む可能性がある。
また、ハウジング105と止めねじ117とを同種金属製とした場合にも、支持軸受112を構成する外輪に、軸受ハウジング部109に対して相対回転するクリープが発生した場合には、外輪の回転によって止めねじ117が連れ回わされ、止めねじ117が緩む可能性がある。
いずれにしても、止めねじ117が緩んだ場合には、支持軸受112が軸受ハウジング部109に対して軸方向に相対変位したり、止めねじ117が従動プーリ119に接触して、従動プーリ119の回転を阻害したりする可能性がある。
また、従来構造の電動パワーステアリング装置100は、ハウジング105のうちで、支持軸受112を挟んで左右両側に存在する第1内部空間122と第2内部空間123とを、連通させる特別な構造を備えていない。このため、ブーツ121a、121bが、膨張と収縮とを繰り返し、劣化する可能性がある。また、第1内部空間122と第2内部空間123とに生じる圧力差が、ラック軸102の作動性に悪影響を及ぼす可能性がある。
すなわち、ラック軸102が軸方向に関して一方側(図9の左側)に移動すると、軸方向一方側に配置されたブーツ121aの全長が伸びるため、第1内部空間122の圧力は低下し、ブーツ121aが収縮する(潰れる)。一方、軸方向他方側に配置されたブーツ121bの全長は縮むため、第2内部空間123の圧力は上昇し、ブーツ121bが膨張する(膨らむ)。反対に、ラック軸102が軸方向に関して他方側(図9の右側)に移動すると、軸方向他方側に配置されたブーツ121bの全長が伸びるため、第2内部空間123の圧力は低下し、ブーツ121bが収縮する。一方、軸方向一方側に配置されたブーツ121aの全長は縮むため、第1内部空間122の圧力は上昇し、ブーツ121aが膨張する。
このように、従来構造の電動パワーステアリング装置100では、ブーツ121a、121bが、膨張と収縮とを繰り返すため、劣化する可能性がある。また、ラック軸102が直線運動する度に、第1内部空間122と第2内部空間123とに圧力差を生じるため、ラック軸102の作動性に悪影響を及ぼす可能性がある。このような問題は、支持軸受112としてグリースを内部に封入した密封軸受を使用した場合に、より顕著になる。
このような事情に鑑みて、特開2016-120872号公報(特許文献2)には、ハウジングの内周面に連通路を形成することで、支持軸受の両側に配置された第1内部空間と第2内部空間とを連通する構造が開示されている。ただし、特開2016-120872号公報には、連通路に、空気を移動させる以外の機能を持たせることについては、一切記載されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ハウジングのうちで支持軸受の両側に存在する内部空間同士を連通することができるだけでなく、支持軸受の軸方向変位を防止するための止めねじが緩むことも防止できる、電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明の電動パワーステアリング装置は、ハウジングと、ボールねじ機構と、支持軸受と、止めねじと、を備える。
前記ボールねじ機構は、外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝を有するラック軸と、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝を有するナットと、前記軸側ボールねじ溝と前記ナット側ボールねじ溝との間を転動する複数個のボールと、を有する。
前記支持軸受は、前記ハウジングに内嵌され、前記ナットを、前記ハウジングの内側に回転のみ可能に支持する。
前記止めねじは、前記ハウジングの内周面に螺着され、前記支持軸受が軸方向に変位することを防止する。
前記ハウジングの内周面には、前記支持軸受を軸方向に跨ぐように形成され、前記ハウジングのうちで前記支持軸受を挟んで両側に存在する内部空間同士を連通する連通溝を有する。
前記止めねじは、径方向外側の端部に、前記連通溝の内側に進入したかしめ部を有し、前記ハウジングに対する回り止めが図られている。
本発明の一態様にかかる電動パワーステアリング装置では、前記かしめ部と前記連通溝の内面との間に、隙間を備えることができる。
本発明の一態様にかかる電動パワーステアリング装置では、前記支持軸受を、グリースを内部に封入した密封軸受とすることができる。
本発明の一態様にかかる電動パワーステアリング装置では、前記ハウジングを、内周面に雌ねじ部を有するものとし、前記止めねじを、外周面に、前記雌ねじ部に螺着する雄ねじ部を有するものとし、前記かしめ部を、前記雄ねじ部の一部により構成することができる。
本発明の一態様にかかる電動パワーステアリング装置では、前記止めねじを、前記支持軸受とは反対側を向いた軸方向側面の径方向外側部のうち、前記連通溝と円周方向に関する位相が一致する部分に、凹部を有するものとすることができる。
本発明の一態様にかかる電動パワーステアリング装置では、前記ハウジングを、プーリ収容部を有する主ハウジング部と、軸受ハウジング部を有する副ハウジング部とを結合することにより構成することができる。
また、前記軸受ハウジング部を、前記支持軸受を内嵌し、かつ、内周面に前記連通溝が形成された取付筒部と、前記取付筒部の外周面の一部から径方向外側に張り出した張出部とを有するものとし、前記連通溝を、前記取付筒部の内周面のうちで、円周方向に関する位相が前記張出部と一致する部分に備えることができる。
本発明によれば、ハウジングのうちで支持軸受の両側に存在する内部空間同士を連通することができるだけでなく、支持軸受の軸方向変位を防止するための止めねじが緩むことも防止できる、電動パワーステアリング装置を実現できる。
図1は、実施の形態の第1例を示す、ラックアシスト式の電動パワーステアリング装置の模式図である。 図2は、実施の形態の第1例にかかる電動パワーステアリング装置を構成するステアリングギヤユニットを示す、部分断面背面図である。 図3は、図2のA部断面図である。 図4は、図3の部分拡大図である。 図5は、図2のB-B線断面図である。 図6は、実施の形態の第1例に関して、副ハウジングのみを取り出し、軸方向一方側から見た斜視図である。 図7は、実施の形態の第1例に関して、主ハウジング部と副ハウジングとを分離し、副ハウジング部及びその内部構造を軸方向一方側から見た、部分断面端面図である。 図8は、図7の部分拡大図である。 図9は、従来構造の1例のステアリングギヤユニットを示す、正面図である。 図10は、図9のC-C線断面図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1~図8を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後方向は、車両の前後方向を意味し、上下方向は、車両の上下方向を意味し、左右方向は、車両の幅方向を意味する。また、左右方向は、後述するラック軸11及びラック軸収容部19の軸方向に一致する。ラック軸11及びラック軸収容部19の軸方向に関して一方側とは、図1の右側、図2~図4の左側を指し、ラック軸11及びラック軸収容部19の軸方向に関して他方側とは、図1に左側、図2~図4の右側を指す。
〔電動パワーステアリング装置の全体構成〕
本例の電動パワーステアリング装置1は、図1に全体構成を示すように、ステアリングギヤユニット2にアシスト装置3を備えた、ラックアシスト式の電動パワーステアリング装置である。電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール4と、ステアリングシャフト5と、ステアリングコラム6と、1対の自在継手7a、7bと、中間シャフト8と、ステアリングギヤユニット2とを備えている。
ステアリングシャフト5は、車体に支持されたステアリングコラム6の内側に、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト5の後端部には、運転者が操舵操作するステアリングホイール4が取り付けられている。ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7a、中間シャフト8及び別の自在継手7bを介して、ステアリングギヤユニット2を構成する、後述のピニオン軸12に接続されている。
〔ステアリングギヤユニット〕
ステアリングギヤユニット2は、左右の操舵輪9a、9bの間部分に配置され、左右の操舵輪9a、9bに、運転者のステアリングホイールの操作に応じた所望の舵角を付与する。ステアリングギヤユニット2は、ハウジング10と、ラック軸11と、ピニオン軸12と、押圧機構13(図5参照)と、アシスト装置3とを有する。
〈ハウジング〉
ハウジング10は、それぞれがアルミニウム系合金等の軽合金をダイキャスト成形することにより一体的に造られた主ハウジング部14と副ハウジング部15とを、複数本のボルト16により左右方向に連結してなる。
ハウジング10は、ハウジング本体17と、複数(図示の例では3つ)の車両取付部18a、18b、18cとを有する。ハウジング10のうち、左右方向に関してハウジング本体17の一方側(図2の左側)の端部から他方側(図2の右側)部分、及び、2つの車両取付部18a、18bは、主ハウジング部14に備えられており、左右方向に関してハウジング本体17の他方側の端部、及び、1つの車両取付部18cは、副ハウジング部15に備えられている。
〈ハウジング本体〉
ハウジング本体17は、ラック軸収容部19と、ピニオン軸収容部20と、ラックガイド収容部21と、センサ収容部22とを有する。
《ラック軸収容部》
ラック軸収容部19は、主ハウジング部14のパイプ状部分及び副ハウジング部15の円筒状部分により構成されている。ラック軸収容部19は、略円筒形状を有しており、ハウジング10を車両に固定した状態で、中心軸を左右方向に向け、略水平に配置される。ラック軸収容部19は、軸方向に関して両側の端部が開口している。ラック軸収容部19の内側には、ラック軸11が往復移動可能に収容されている。
ラック軸収容部19は、軸方向中間部に、ラック軸収容部本体23を有しており、軸方向両側の端部のそれぞれに、後述するブーツ53a、53bの端部を結合するためのブーツ結合筒部24a、24bを有している。ラック軸収容部19は、軸方向に関してラック軸収容部本体23の他方側に、プーリ収容部25を有する。プーリ収容部25の内側には、アシスト装置3を構成するプーリ機構68が収容されている。ラック軸収容部19は、軸方向に関してプーリ収容部25の他方側に、軸受ハウジング部26を有する。軸受ハウジング部26の内側には、アシスト装置3を構成するボールねじ機構65のナット72及び支持軸受66が収容されている。
要するに、ラック軸収容部19は、軸方向一方側から順に、ブーツ結合筒部24a、ラック軸収容部本体23、プーリ収容部25、軸受ハウジング部26、ブーツ結合筒部24bを有する。ブーツ結合筒部24a、ラック軸収容部本体23及びプーリ収容部25は、主ハウジング部14に備えられており、軸受ハウジング部26及びブーツ結合筒部24bは、副ハウジング部15に備えられている。主ハウジング部14と副ハウジング部15とは、プーリ収容部25の内部空間と軸受ハウジング部26の内部空間とを連通させた状態で連結されている。
なお、プーリ収容部25及び軸受ハウジング部26、並びに、プーリ収容部25及び軸受ハウジング部26のそれぞれの内側に収容された部材に関する説明中、軸方向、径方向、円周方向は、特に断らない限り、ラック軸11の軸方向、径方向、円周方向をいう。
《プーリ収容部》
プーリ収容部25は、オーバル状(卵状)の筒形状を有する筒体27と、内部空間を2つに仕切る隔壁部28とを有する。
筒体27は、軸方向に関して他方側の端部が開口している。筒体27の開口縁部には、軸受ハウジング部26の内周面にインロー嵌合するための嵌合筒部29を有している。嵌合筒部29は、オーバル状の筒形状を有している。
隔壁部28は、プーリ収容部25の内部空間を、後述の駆動プーリ84を収容する略三角柱状の空間と、後述の従動プーリ85を収容する略円柱状の空間とに仕切る。隔壁部28の円周方向両側の端部と、筒体27の内周面との間には、後述のベルト86を通過させるための隙間がそれぞれ備えられている。
《軸受ハウジング部》
軸受ハウジング部26は、図3に示すように、段付円筒形状を有する取付筒部30と、取付筒部30の外周面の略半部(図7の上半部)から径方向外側に張り出した、略三角板状の張出部31と、軸方向一方側の端部に備えられたオーバル状の筒形状を有する突条部32と、複数(図示の例では6個)の取付フランジ部33a~33fとを有する。
取付筒部30は、図3に示すように、内周面の軸方向中間部に、軸方向一方側を向いた段差面34を備えている。段差面34には、後述する支持軸受66を構成する外輪76を突き当てる。取付筒部30の内周面は、段差面34の軸方向一方側に、円筒面状の嵌合面35を有しており、段差面34の軸方向他方側に、円筒面状の小径部36を有している。嵌合面35には、後述する支持軸受66を構成する外輪76を内嵌する。取付筒部30の内周面は、嵌合面35の軸方向一方側に、雌ねじ部37を有する。雌ねじ部37には、後述する止めねじ67の雄ねじ部80を螺着する。
張出部31は、軸方向に貫通した貫通孔38を備えている。貫通孔38は、円孔であり、後述する電動モータ69のモータ出力軸88と同軸に配置されている。貫通孔38は、たとえば、プーリ機構68を構成するベルト86の張力を調整するのに利用される。
本例では、プーリ収容部25の開口縁部に備えられた嵌合筒部29を、軸受ハウジング部26に備えられた突条部32に対してインロー嵌合し、かつ、取付フランジ部33a~33fのそれぞれに備えられた通孔39を挿通した取付ボルト40を、プーリ収容部25に対して螺合することで、主ハウジング部14と副ハウジング部15とを連結している。
取付フランジ部33aは、張出部31の円筒面状の外周面のうちで、取付筒部30の中心軸O30及び貫通孔38の中心軸O38にそれぞれ直交する仮想線α(図7参照)が通過する部分(図7の上端部)に備えられている。また、取付フランジ部33bは、取付筒部30の円筒面状の外周面のうちで、径方向に関して張出部31とは反対側に位置し、かつ、仮想線αが通過する部分(図7の下端部)に設けられている。残りの取付フランジ部33c~33fは、軸受ハウジング部26の前側面及び後側面に同数ずつ設けられている。
本例では、取付筒部30の内周面のうち、軸方向一方側の端部から中間部にわたる範囲に、連通溝41を備えている。連通溝41は、ハウジング10を構成するラック軸収容部19のうちで、支持軸受66を挟んで左右両側に存在する第1内部空間42と第2内部空間43とを連通する機能を有する。別の言い方をすれば、連通溝41は、支持軸受66によって分断された第1内部空間42と第2内部空間43とを連通する機能を有する。第1内部空間42は、ラック軸収容部19の内部空間のうちの軸方向一方側部を構成しており、第2内部空間43は、ラック軸収容部19の内部空間のうちの軸方向他方側部を構成している。
連通溝41は、取付筒部30の内周面に、エンドミル等の切削工具を用いた切削加工により、又はダイキャスト成形により形成されている。連通溝41は、全体がL字形状を有しており、円弧形の断面形状を有する。ただし、本発明を実施する場合には、連通溝41の全体形状を直線形状としても良いし、連通溝41の断面形状を矩形状としても良い。
連通溝41は、雌ねじ部37及び嵌合面35に形成された、軸方向に伸長する第1直線部44と、段差面34に形成された、径方向に伸長する第2直線部45とからなる。第1直線部44の軸方向他方側の端部は、第2直線部45の径方向外側の端部に接続されている。このため、連通溝41は、嵌合面35に内嵌される後述の支持軸受66を軸方向に跨ぐように形成されている。第1直線部44と第2直線部45とは、取付筒部30の中心軸O30を含む同一仮想平面上に存在している。第1直線部44の軸方向一方側の端部は、取付筒部30の軸方向一方側の端面に開口しており、第2直線部45の径方向内側の端部は、小径部36の内周面に開口している。
連通溝41は、取付筒部30の内周面のうちで、円周方向に関する位相が張出部31と一致する部分(図7中の矢印βの範囲)に備えられている。別の言い方をすれば、連通溝41は、取付筒部30の内周面のうちで、取付筒部30の外周面に張出部31が設けられることで、軸受ハウジング部26の径方向に関する肉厚が大きくなった部分に備えられている。特に本例では、連通溝41は、取付筒部30の内周面のうち、前記仮想線αが通過する部分に備えられている。なお、本例では、連通溝41を取付筒部30の内周面の円周方向1個所に設けているが、本発明を実施する場合には、連通溝を取付筒部の内周面の複数個所に設けることができる。
《ピニオン軸収容部》
ピニオン軸収容部20は、主ハウジング部14に備えられており、略円筒形状を有している。ピニオン軸収容部20の内側には、ピニオン軸12の先半部が回転可能に収容されている。ピニオン軸収容部20は、ハウジング10を車両に固定した状態で、中心軸を上下方向に向けて配置される。ピニオン軸収容部20は、ラック軸収容部19の前側(図2の奥側)で、かつ、ラック軸収容部19の軸方向一方側(図2の左側)部分に配置されている。ピニオン軸収容部20は、ラック軸収容部19に対しねじれの位置関係に配置されている。つまり、ピニオン軸収容部20の中心軸とラック軸収容部19の中心軸とは、ねじれの位置関係にある。また、前後方向から見て、ピニオン軸収容部20の中心軸は、ラック軸収容部19の中心軸に対して直交する方向には配置されておらず、該直交する方向に対し左右方向に傾斜している。ピニオン軸収容部20の内部空間は、ラック軸収容部19の内部空間に連通している。ピニオン軸収容部20の下側の開口部は、下蓋46により塞がれている。
《ラックガイド収容部》
ラックガイド収容部21は、主ハウジング部14に備えられており、円筒形状を有している。ラックガイド収容部21の内側には、ラック軸11をピニオン軸12に向けて押圧するための、後述するラックガイド59を含む押圧機構13が収容されている。ラックガイド収容部21は、ハウジング10を車両に固定した状態で、中心軸を前後方向に向けて配置される。ラックガイド収容部21は、ラック軸収容部19の後側(図2の手前側)で、かつ、ラック軸収容部19の軸方向一方側部分に配置されている。具体的には、ラックガイド収容部21は、ラック軸収容部19の軸方向において、ピニオン軸収容部20と同じ位置に配置されている。このため、ラックガイド収容部21は、ラック軸収容部19を挟んでピニオン軸収容部20の反対側に配置されている。ラックガイド収容部21の内部空間も、ラック軸収容部19の内部空間に連通している。
《センサ収容部》
センサ収容部22は、主ハウジング部14に備えられており、円筒形状を有している。センサ収容部22の内側には、アシスト装置3を構成する後述のトルクセンサ71(又はアングルセンサ)が収容されている。センサ収容部22は、ピニオン軸収容部20の上側に、ピニオン軸収容部20と一体に備えられている。センサ収容部22は、ピニオン軸収容部20よりも内径及び外径がそれぞれ大きい。センサ収容部22の上側の端部には、円環形状を有する上蓋47が装着されている。
《車両取付部》
車両取付部30a~30cのそれぞれの内側には、ブッシュ48を内嵌している。ハウジング10は、ブッシュ48を挿通したボルト等の固定部材を用いて、車両に固定される。
《ラック軸》
ラック軸11は、炭素鋼やステンレス鋼等の金属製の棒状部材であり、軸方向(長手方向)を左右方向に向けて配置される。ラック軸11は、軸方向一方側部分の外周面の一部に、ピニオン軸12の外周面に備えられたピニオン歯54と噛合する、ラック歯49(図1及び図5参照)を有する。ラック軸11は、軸方向他方側部分の外周面に、螺旋状の軸側ボールねじ溝50(図1及び図3等参照)を有する。ラック軸11は、ラック軸収容部19の内側に、軸方向に関する往復移動を可能に収容されている。ラック軸11の軸方向両側の端部は、ラック軸収容部19の軸方向両側の開口部から突出しており、球面継手51a、51bを介してタイロッド52a、52bに接続されている。
球面継手51a、51bは、蛇腹状のブーツ53a、53bにより周囲を覆われている。軸方向一方側のブーツ53aの軸方向一方側の端部は、軸方向一方側のタイロッド52aに外嵌されており、軸方向一方側のブーツ53aの軸方向他方側の端部は、軸方向一方側のブーツ結合筒部24aに外嵌されている。軸方向他方側のブーツ53bの軸方向他方側の端部は、軸方向他方側のタイロッド52bに外嵌されており、軸方向他方側のブーツ53bの軸方向一方側の端部は、軸方向他方側のブーツ結合筒部24bに外嵌されている。このため、ブーツ53aの内部空間は、ラック軸収容部19の第1内部空間42につながっており、ブーツ53bの内部空間は、ラック軸収容部19の第2内部空間43につながっている。
《ピニオン軸》
ピニオン軸12は、図5に示すように、外周面にピニオン歯54を有するピニオン本体55と、中空筒状のシャフト部56とを、トーションバー57により連結してなる。トーションバー57は、シャフト部56の内側に配置されている。トーションバー57の上端部は、シャフト部56の上端部に連結されており、トーションバー57の下端部は、ピニオン本体55の上端部に連結されている。
ピニオン本体55は、ピニオン軸12の先半部を構成しており、ピニオン軸収容部20の内側に、1対の転がり軸受58a、58bを用いて回転自在に支持されている。ピニオン本体55(ピニオン軸12)の中心軸は、ピニオン軸収容部20の中心軸と同軸に配置されている。
シャフト部56は、ピニオン軸12の基半部を構成しており、センサ収容部22の上側の端部に装着された上蓋47の中央孔を上下方向に挿通して配置されている。シャフト部56の上下方向の中間部は、上蓋47に対して、転がり軸受58cにより回転自在に支持されている。シャフト部56の上端部は、ステアリングホイール4に対し、自在継手7a、7b及び中間シャフト8等を介して接続されている。
ステアリングホイール4を操作すると、自在継手7a、7b及び中間シャフト8を介してシャフト部56に入力される操舵トルクと、ピニオン本体55が回転することに対する抵抗とにより、ピニオン本体55とシャフト部56とが、トーションバー57を捩り方向に弾性変形させつつ、回転方向に相対変位する。ピニオン本体55とシャフト部56との相対変位量は、後述するトルクセンサ71により測定される。
ピニオン本体55の回転は、ピニオン歯54とラック歯49との噛み合い部により、ラック軸11の直線運動に変換され、ラック軸11の軸方向両側の端部に接続されたタイロッド52a、52bを押し引きする。これにより、左右の操舵輪9a、9bに舵角が付与される。
《押圧機構》
押圧機構13は、ラック軸11を、ピニオン軸12を構成するピニオン本体55に向けて押圧するものであり、図5に示すように、ラックガイド収容部21の内側に収容されている。押圧機構13は、ラックガイド59と、キャップ60と、コイルばね61とを有する。
ラックガイド59は、ラックガイド収容部21の内側に、ラック軸11に対する遠近移動を可能に配置されている。ラックガイド59は、略円柱形状を有しており、ラック軸11に対向する一方側の端面に、ラック軸11の背面の輪郭形状に合致した形状を有する、部分円筒状のガイド凹面62を有する。ガイド凹面62には、摺動性に優れたシートを添設することができる。ラックガイド59は、ラック軸11とは反対側を向いた他方側の端面の中央部に、ガイド側凹部63を有する。
キャップ60は、円盤形状を有しており、ラックガイド収容部21の開口部に螺着されており、ラックガイド収容部21の開口部を塞いでいる。キャップ60は、ラックガイド59と対向する一方側の端面の中央部に、キャップ側凹部64を有する。
コイルばね61は、圧縮された状態で、ラックガイド59とキャップ60との間に挟持されている。コイルばね61の大部分は、ガイド側凹部63の内側に配置されており、コイルばね61の一部(残部)は、キャップ側凹部64の内側に配置されている。また、コイルばね61の一方側の端部は、ガイド側凹部63の底面に当接しており、コイルばね61の他方側の端部は、キャップ側凹部64の底面に当接している。このようなコイルばね61の弾力により、ラックガイド59をラック軸11に向けて押圧している。これにより、ラック軸11をピニオン軸12(ピニオン本体55)に向けて弾性的に押圧して、ピニオン歯54とラック歯49との噛み合い部のバックラッシュを低減している。
《アシスト装置》
アシスト装置3は、ラック軸11に操舵補助力を付与し、運転者がステアリングホイール4を操作するのに必要な操舵力を軽減する。アシスト装置3は、図3に示すように、ボールねじ機構65と、支持軸受66と、止めねじ67と、プーリ機構68と、電動モータ69と、電子制御ユニット(Electronic Control Unit)70(図2参照)と、トルクセンサ71(図5参照)とを備える。
ボールねじ機構65は、電動モータ69の回転運動をラック軸11の往復直線運動に変換するためのもので、ラック軸11と、ナット72と、複数個のボール73とを有する。
ナット72は、ラック軸11の軸側ボールねじ溝50を覆うように配置されており、ラック軸収容部19を構成する軸受ハウジング部26の内側に、支持軸受66を利用して回転のみ可能に支持されている。ナット72は、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝74を有する。このため、ナット側ボールねじ溝74と軸側ボールねじ溝50とは、ナット72の径方向に対向して配置されている。ナット72の径方向に対向するナット側ボールねじ溝74と軸側ボールねじ溝50との間には、ボール73が転動する螺旋状の負荷路75が形成される。負荷路75の始点と終点とは、ナット72に備えられた図示しない循環手段によりつながれている。負荷路75の終点にまで達したボール73は、循環手段により、負荷路75の始点にまで戻される。なお、負荷路75の始点と終点とは、ナット72の回転方向が変化する度に入れ替わる。
支持軸受66は、内部にグリースを封入した密封軸受である。支持軸受66は、軸受ハウジング部26を構成する取付筒部30に、隙間嵌めで内嵌されている。
支持軸受66は、内周面に1対の外輪軌道を有する1つの外輪76と、外周面に1対の内輪軌道を有する1つの内輪77と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に配置された複数個の玉78と、1対の密封装置79a、79bとを有している。
外輪76は、軸受ハウジング部26の取付筒部30の内周面に備えられた嵌合面35に、微小隙間を介して内嵌されている。また、外輪76の軸方向他方側の側面を、取付筒部30の内周面に備えられた段差面34に突き当てている。これにより、軸受ハウジング部26に対する支持軸受66の軸方向に関する位置決めを図っている。
内輪77は、ナット72とは別体に構成されており、ナット72に対して外嵌固定されている。ただし、本発明を実施する場合には、支持軸受を構成する内輪とナットとを一体に構成し、ナットの外周面に1対の内輪軌道を備えることもできる。密封装置79a、79bは、支持軸受66の内部に封入したグリースが外部に漏出することを防止する。
本例では、支持軸受66として、1対の密封装置79a、79bを備え、グリースを内部に封入した密封軸受を使用しているため、ラック軸収容部19の内部空間は、支持軸受66により分断される。つまり、支持軸受66の左右両側に存在する第1内部空間42及び第2内部空間43のそれぞれの空気は、支持軸受66を通じて移動することが実質的に防止される。なお、本発明を実施する場合に、支持軸受の軸受形式は特に問わず、例えば深溝玉軸受を2つ組み合わせて構成することもできる。
止めねじ67は、支持軸受66が軸受ハウジング部26に対して軸方向に相対変位することを防止するもので、取付筒部30の内周面に備えられた雌ねじ部37に螺着されている。止めねじ67は、円環形状を有しており、外周面に雌ねじ部37に螺合する雄ねじ部80を有する。また、止めねじ67は、内周面に、円周方向に関する凹凸形状を有する、工具との係合が可能な係合部81を有する。止めねじ67は、外輪76の内径寸法とほぼ同程度の内径寸法を有する。止めねじ67は、軸受ハウジング部26の雌ねじ部37に螺着した状態で、止めねじ67の軸方向他方側の側面を、外輪76の軸方向一方側の側面に押し付けている。
止めねじ67は、径方向外側の端部に、取付筒部30の内周面に備えられた連通溝41の内側に進入した、かしめ部82を有している。本例では、このようなかしめ部82により、軸受ハウジング部26に対する止めねじ67の回り止めを図り、止めねじ67が緩むのを防止している。
止めねじ67は、支持軸受66とは反対側を向いた軸方向一方側の側面の径方向外側部で、かつ、円周方向に関する位相が連通溝41と一致する部分に、凹部83を有している。本例では、止めねじ67の軸方向一方側の側面に、たとえばポンチ等の工具を用いて凹部83を形成することで、かしめ部82を形成している。すなわち、止めねじ67の軸方向一方側の側面のうち、径方向に関して凹部83の外側に位置する部分を径方向外側に押し拡げる(塑性変形させる)ことで、当該部分にかしめ部82を形成している。このため、かしめ部82は、凹部83の輪郭に沿って湾曲した凸円弧形状を有しており、止めねじ67の軸方向一方側の端部に備えられている。かしめ部82の先端部は、雄ねじ部80の一部により構成されている。
図8に示すように、かしめ部82と連通溝41の内面との間には、軸方向視で略三日月形状を有する隙間90が備えられている。すなわち、かしめ部82の先端部は、連通溝41の内面に接していない。このため、かしめ部82を形成することによって、連通溝41が塞がれることを防止している。
プーリ機構68は、図3に示すように、駆動プーリ84と、従動プーリ85と、ベルト86とを有する。プーリ機構68は、プーリ収容部25の内側に収容されている。
駆動プーリ84は、外周面に外歯を有しており、電動モータ69のモータ出力軸88の先端部に固定されている。従動プーリ85は、駆動プーリ84よりも大径に構成されており、外周面に外歯を有している。従動プーリ85は、ナット72の軸方向一方側に配置されており、ナット72に対して相対回転不能に固定されている。ベルト86は、内周面に内歯を有しており、駆動プーリ84と従動プーリ85とに掛け渡されている。プーリ機構68は、電動モータ69の回転を減速してナット72に伝達する。
電動モータ69は、プーリ機構68及びボールねじ機構65を介して、ラック軸11に操舵補助力を付与するためのもので、プーリ収容部25に対して、複数本のボルト87を用いて固定されている。
電動モータ69は、先端部に駆動プーリ84が固定されるモータ出力軸88と、図示しないロータやステータの周囲を覆うモータハウジング89とを備える。モータハウジング89は、アルミニウム合金等の金属製で、有底円筒形状を有している。電動モータ69をプーリ収容部25に固定した状態で、モータ出力軸88は、ラック軸収容部19の中心軸及びラック軸11の中心軸と略平行に配置される。
電子制御ユニット70は、電動モータ69を駆動制御する。電子制御ユニット70は、電源回路部、パワースイッチング素子を備えた電力変換回路部、パワースイッチング素子を制御する制御回路部等を搭載した図示しない基板等を有する。電子制御ユニット70は、ラック軸収容部19の軸方向に関して、電動モータ69の一方側に配置されており、電動モータ69と一体化されている。
トルクセンサ71は、図5に示すように、センサ収容部22の内側に収容されている。トルクセンサ71は、ピニオン軸12を構成するシャフト部56の周囲に配置されており、トーションバー57の捩れ方向及び捩れ量を検出する。トルクセンサ71は、ハーネス91を利用して、電子制御ユニット70に電気的に接続される。これにより、トルクセンサ71は、電力の供給を受けるとともに、トーションバー57の捩れ方向及び捩れ量に対応した信号を電子制御ユニット70へ出力する。トルクセンサ71としては、たとえば、磁歪効果を利用した非接触式トルクセンサを使用することもできる。
トルクセンサ71と電気的に接続された電子制御ユニット70は、トルクセンサ71の出力信号に基づいて、電動モータ69を駆動制御する。これにより、電動モータ69が発生する駆動トルクを、プーリ機構68及びボールねじ機構65を介し、ラック軸11に対して操舵補助力として伝達する。この結果、運転者がステアリングホイール4を操作するのに必要な操舵力を軽減する。
本例の電動パワーステアリング装置1によれば、ハウジング10のうちで支持軸受66の両側に存在する第1内部空間42と第2内部空間43とを連通することができるだけでなく、支持軸受66の軸方向変位を防止するための止めねじ67が緩むことも防止できる。
すなわち、本例では、ハウジング10のうちで、支持軸受66を内嵌する軸受ハウジング部26の取付筒部30の内周面に、支持軸受66を軸方向に跨ぐように連通溝41を形成している。そして、連通溝41により、支持軸受66の左右両側に存在する第1内部空間42と第2内部空間43とを連通している。このため、ラック軸11が直線運動した際に、連通溝41を利用して、第1内部空間42と第2内部空間43との間で空気を移動させることができる。したがって、ラック軸11を軸方向に直線運動させた場合にも、ブーツ53a、53bに膨張と収縮とが繰り返し生じることを防止できる。また、第1内部空間42及び第2内部空間43の圧力変化を小さく抑えることができる。この結果、ブーツ53a、53bの劣化を抑制できるとともに、ラック軸11の作動性を良好に確保することができる。
さらに本例では、連通溝41の内側に、止めねじ67の径方向外側の端部に形成したかしめ部82を進入させている。このため、ハウジング10(副ハウジング部15)をアルミニウム合金等の軽合金製とし、止めねじ67をたとえば鉄系合金製とした場合にも、連通溝41を利用して、止めねじ67がハウジング10に対して相対回転することを防止でき、止めねじ67が緩むことを防止できる。
この結果、支持軸受66が軸受ハウジング部26に対して軸方向に相対変位したり、止めねじ67が従動プーリ85に接触して、従動プーリ85の回転を阻害したりすることを防止することもできる。なお、本発明によれば、止めねじを、ハウジングと同種金属から構成した場合にも、止めねじが緩むことを防止できる。
また、本例では、止めねじ67の径方向外側の端部に形成したかしめ部82と、連通溝41の内面との間に、隙間90を設けているため、かしめ部82を形成することに伴って、連通溝41の本来の機能を損なうことを防止できる。
また、本例では、かしめ部82の先端部を、止めねじ67の外周面に備えられた雄ねじ部80の一部により構成しているため、止めねじ67の径方向外側の端部を塑性変形させて、かしめ部82を形成するのに必要な荷重(かしめ荷重)を小さく抑えられる。
また、本例では、連通溝41を、取付筒部30の内周面のうちで、円周方向に関する位相が張出部31と一致する部分に形成している。このため、連通溝41を、軸受ハウジング部26のうちで、径方向に関する肉厚が大きくなった部分に形成することができる。したがって、連通溝41を形成することで、軸受ハウジング部26の剛性が低下することを抑制できる。また、連通溝41の断面積を大きくすることが可能になり、第1内部空間42と第2内部空間43との間で効率良く空気を移動させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、発明の技術思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明を実施する場合に、連通溝及びかしめ部に関して、形成数、形成位置、形状(断面形状を含む)及び加工方法等は、実施の形態の構造に限定されず、適宜変更することができる。たとえば、連通溝及びかしめ部は、複数ずつ備えることができ、この場合には、連通溝及びかしめ部を、円周方向に関して等間隔に配置することもできる。また、支持軸受の構造についても、実施の形態に限定されず、単列、複列を問わずに、従来から知られた各種構造の軸受を採用することができる。
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングギヤユニット
3 アシスト装置
4 ステアリングホイール
5 ステアリングシャフト
6 ステアリングコラム
7a、7b 自在継手
8 中間シャフト
9 総舵輪
10 ハウジング
11 ラック軸
12 ピニオン軸
13 押圧機構
14 主ハウジング部
15 副ハウジング部
16 ボルト
17 ハウジング本体
18a、18b 18c 車両取付部
19 ラック軸収容部
20 ピニオン軸収容部
21 ラックガイド収容部
22 センサ収容部
23 ラック軸収容部本体
24a、24b ブーツ結合筒部
25 プーリ収容部
26 軸受ハウジング部
27 筒体
28 隔壁部
29 嵌合筒部
30 取付筒部
31 張出部
32 突条部
33a~33f 取付フランジ部
34 段差面
35 嵌合面
36 小径部
37 雌ねじ部
38 貫通孔
39 通孔
40 取付ボルト
41 連通溝
42 第1内部空間
43 第2内部空間
44 第1直線部
45 第2直線部
46 下蓋
47 上蓋
48 ブッシュ
49 ラック歯
50 軸側ボールねじ溝
51a、51b 球面継手
52a、52b タイロッド
53a、53b ブーツ
54 ピニオン歯
55 ピニオン本体
56 シャフト部
57 トーションバー
58a、58b、58c 転がり軸受
59 ラックガイド
60 キャップ
61 コイルばね
62 ガイド凹面
63 ガイド側凹部
64 キャップ側凹部
65 ボールねじ機構
66 支持軸受
67 止めねじ
68 プーリ機構
69 電動モータ
70 電子制御ユニット
71 トルクセンサ
72 ナット
73 ボール
74 ナット側ボールねじ溝
75 負荷路
76 外輪
77 内輪
78 玉
79a、79b 密封装置
80 雄ねじ部
81 係合部
82 かしめ部
83 凹部
84 駆動プーリ
85 従動プーリ
86 ベルト
87 ボルト
88 モータ出力軸
89 モータハウジング
90 隙間
91 ハーネス
100 電動パワーステアリング装置
101 ステアリングギヤユニット
102 ラック軸
103 ピニオン軸
104 タイロッド
105 ハウジング
106 主ハウジング部
107 副ハウジング部
108 プーリ収容部
109 軸受ハウジング部
110 アシスト装置
111 ボールねじ機構
112 支持軸受
113 プーリ機構
114 電動モータ
115 ナット
116 ボール
117 止めねじ
118 駆動プーリ
119 従動プーリ
120 ベルト
121a、121b ブーツ
122 第1内部空間
123 第2内部空間

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝を有するラック軸と、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝を有するナットと、前記軸側ボールねじ溝と前記ナット側ボールねじ溝との間を転動する複数個のボールと、を有するボールねじ機構と、
    前記ハウジングに内嵌され、前記ナットを、前記ハウジングの内側に回転のみ可能に支持する支持軸受と、
    前記ハウジングの内周面に螺着され、前記支持軸受が軸方向に変位することを防止する止めねじと、を備え、
    前記ハウジングの内周面には、前記支持軸受を軸方向に跨ぐように形成され、前記ハウジングのうちで前記支持軸受を挟んで両側に存在する内部空間同士を連通する連通溝を有し、
    前記止めねじは、径方向外側の端部に、前記連通溝の内側に進入したかしめ部を有し、前記ハウジングに対する回り止めが図られている、
    電動パワーステアリング装置。
  2. 前記かしめ部と前記連通溝の内面との間には、隙間が備えられている、請求項1に記載した電動パワーステアリング装置。
  3. 前記支持軸受は、グリースを内部に封入した密封軸受である、請求項1~2のうちのいずれか1項に記載した電動パワーステアリング装置。
  4. 前記ハウジングは、内周面に雌ねじ部を有しており、
    前記止めねじは、外周面に、前記雌ねじ部に螺着される雄ねじ部を有しており、
    前記かしめ部は、前記雄ねじ部の一部により構成されている、
    請求項1~3のうちのいずれか1項に記載した電動パワーステアリング装置。
  5. 前記止めねじは、前記支持軸受とは反対側を向いた軸方向側面の径方向外側部のうち、前記連通溝と円周方向に関する位相が一致する部分に、凹部を有する、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載した電動パワーステアリング装置。
  6. 前記ハウジングは、プーリ収容部を有する主ハウジング部と、軸受ハウジング部を有する副ハウジング部とを結合してなり、
    前記軸受ハウジング部は、前記支持軸受を内嵌し、かつ、内周面に前記連通溝が形成された取付筒部と、前記取付筒部の外周面の一部から径方向外側に張り出した張出部とを有しており、
    前記連通溝は、前記取付筒部の内周面のうちで、円周方向に関する位相が前記張出部と一致する部分に備えられている、
    請求項1~5のうちのいずれか1項に記載した電動パワーステアリング装置。
JP2021113241A 2021-07-08 2021-07-08 電動パワーステアリング装置 Pending JP2023009729A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021113241A JP2023009729A (ja) 2021-07-08 2021-07-08 電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021113241A JP2023009729A (ja) 2021-07-08 2021-07-08 電動パワーステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023009729A true JP2023009729A (ja) 2023-01-20

Family

ID=85118282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021113241A Pending JP2023009729A (ja) 2021-07-08 2021-07-08 電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023009729A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6702060B2 (en) Electric power steering apparatus
EP2559607B1 (en) Electric power steering device
EP3534037B1 (en) Electric actuator
US7278334B2 (en) Electric power steering apparatus
EP3534506B1 (en) Electric actuator
EP3254930A1 (en) Steering device
US20090260468A1 (en) Steering device and movement converting device used therefor
US6849025B2 (en) Frictional roller transmission
EP2810851A1 (en) Steering system
KR20050084173A (ko) 웜 지지 장치 및 이것을 구비한 파워 어시스트 유닛
WO2005000662A1 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2017109654A (ja) ステアリング装置
US6516680B1 (en) Power steering apparatus
EP0896917B1 (en) Power steering device
JP3976031B2 (ja) 電動パワーステアリング装置用ベルト減速装置及び電動パワーステアリング装置
JP2023009729A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2004331049A (ja) 電動舵取装置の軸受固定方法
JP2022095290A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2006290237A (ja) 電動パワーステアリング装置
WO2022137978A1 (ja) ステアリング装置
JP7197070B1 (ja) 電動パワーステアリング装置
WO2023148997A1 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP7379204B2 (ja) 電動パワーステアリング装置用のハウジング
JP7346888B2 (ja) ステアリング装置、およびボールねじ装置
JPH0611872Y2 (ja) ステアリング装置