JPH11300085A

JPH11300085A - 洗濯機

Info

Publication number: JPH11300085A
Application number: JP10111942A
Authority: JP
Inventors: Kenji Koshiga; 健二越賀; Shinichi Nakajima; 信市中島; Junichi Morinaka; 準一森中; Shinichi Matsuda; 眞一松田
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1998-04-22
Filing date: 1998-04-22
Publication date: 1999-11-02

Abstract

(57)【要約】【課題】洗濯容量のアップに対応するとともに、脱水
時におけるアンバランスの発生を抑制する。【解決手段】洗濯軸２９、脱水軸２７が同軸の２重構
造で、パルセータ２５側から、減速機構３０、スプリン
グクラッチ機構３２、駆動モータ３１の順に配列され
て、これらが同一軸線上にあり、駆動モータ３１のロー
タ部３１ａにスプリングクラッチ機構３２の一部を形成
するため、脱水槽２４、受筒２３などの重心位置と脱水
槽２４の回転中心とを一致させることができ、脱水時に
おけるアンバランスの発生を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭で使用す
る衣類の洗浄、すすぎを低速回転するパルセータによっ
て行い、脱水を脱水槽の高速回転によって行う洗濯機に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来使用している全自動洗濯機は、図
９、図１０に示すような構成となっている。すなわち、
本体１内には、サスペンション２によって支持した受筒
３を設け、受筒３内には洗濯槽を兼ねた脱水槽４（以下
単に脱水槽４と称する）を備えている。脱水槽４は天面
を開口しており、洗濯物を天面から投入できるようにな
っている。また、底部にはパルセータ５を有し、側面に
は多数の孔を有している。

【０００３】脱水槽４は、受筒３の底面に設けた軸受６
によって支持されている脱水軸７に固定されている。ま
たパルセータ５は、脱水軸７の内部に軸受８によって支
持されている洗濯軸９に固定されている。この洗濯軸９
は減速機構１０につながり、減速機構入力軸４２にはプ
ーリ１４が取り付けられている。減速機構入力軸４２の
プーリ１４の取り付け部は４面を削り、プーリ１４の取
り付け孔はこれにはめ合う形状として、プーリ１４の回
転力を伝達させていた。プーリ１４はベルト１１を介し
て、駆動モータ１２につながる。また、減速機構入力軸
４２には、駆動モータ１２の回転を洗濯軸９または脱水
軸７に切り換えて伝達するためのスプリングクラッチ機
構１３を有する。

【０００４】スプリングクラッチ機構１３は減速機構入
力軸４２に設けた４面を削った部分にはめ合う孔形状を
設けたクラッチ入力ボス部１３ｄとクラッチスプリング
１３ｂと、クラッチスプリング１３ｂの端部を曲げて設
けた制御爪部１３ｅと、クラッチスプリング１３ｂの端
部を曲げて設けた制御爪部１３ｅがはまり込む切り欠き
をもうけたレリーズスリーブ１３ｃと、レリーズスリー
ブ１３ｃのストッパー１３ｆにかみ合うクラッチ駆動手
段１３ａと、クラッチスプリング１３ｂが巻き付く脱水
軸７のクラッチ出力ボス部１３ｇから成る構成としてい
る。

【０００５】以上の構成で、洗濯・すすぎ行程では、ス
プリングクラッチ機構１３のクラッチ駆動手段１３ａを
レリーズスリーブ１３ｃのストッパー１３ｆにかみ合わ
せ、クラッチスプリング１３ｂの端部を曲げて設けた制
御爪部１３ｅを固定すると、クラッチスプリング１３ｂ
はクラッチ入力ボス部１３ｄに巻き付くことがでぎず、
クラッチ入力ボス部１３ｄが回転しても脱水軸７のクラ
ッチ出力ボス部１３ｇに回転を伝達することができな
い。駆動モータ１２の回転は洗濯軸９を介してパルセー
タ５に伝達されるのみとなり、被洗濯物に機械力を与え
る。こうして脱水槽４に収容している洗濯物の洗濯・す
すぎが進行する。

【０００６】また脱水行程では、スプリングクラッチ機
構１３のクラッチ駆動手段１３ａをレリーズスリーブ１
３ｃのストッパー１３ｆからかみ合わせを外し、クラッ
チスプリング１３ｂの端部を曲げて設けた制御爪部１３
ｅを自由にすると、クラッチスプリング１３ｂはクラッ
チ入力ボス部１３ｄに巻き付く、クラッチ入力ボス部１
３ｄが回転すると、脱水軸７のクラッチ出力ボス部１３
ｇに回転を伝達する。駆動モータ１２の回転は脱水軸７
を介して脱水槽４に伝達されるのみとなり、脱水槽４全
体が回転する。脱水槽４が回転することによって洗濯・
すすぎを終了した洗濯物の水分は、遠心力によって脱水
槽４の側面に多数設けている多数の孔から受筒３内に、
絞り出される。こうして洗濯物は自動的に脱水される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成の洗濯
機は駆動モータ１２がベルト１１を介して減速機構１０
に動力を伝達している。このため、洗濯容量の大容量化
や洗浄力の向上のために洗濯物により大きな機械力を与
えようとすると、ベルトスリップ、ベルト伸び、ベルト
切れ等、経時変化によるベルト張力変化による伝達トル
クに上限があり、大容量に対応する伝達トルクを得るこ
とができない。

【０００８】また、重量物である駆動モータ１２と減速
機構１０とが受筒３の下方に並設されているので、本体
１内に懸架されている脱水槽４、受筒３などの重心位置
が脱水槽４の回転中心（脱水軸７）とずれてしまう。こ
れにより、脱水槽４が脱水回転を行うとき、アンバラン
スとなりやすく、回転による振動が大きくなる。

【０００９】本発明はこのような従来の構成が有してい
る課題を解決するもので、洗濯容量んもアップに対応す
るとともに、脱水時におけるアンバランスの発生を抑制
することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような従来
の構成が有している課題を解決するもので、簡単な構成
で高トルク駆動を行い、精度の確保を行い、同軸構造の
駆動モータを実現する洗濯機としているものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】請求項１に記載した発明は、脱水
槽を固定して自由に回転する中空の脱水軸と、脱水槽内
に配置したパルセータを固定した前記脱水軸内に配置し
た洗濯軸と、脱水軸と洗濯軸を駆動する駆動モータと、
駆動モータの回転を減速して洗濯軸に伝達する減速機構
と、駆動モータの回転を脱水軸と洗濯軸かに切り換える
クラッチ機構とを備え、洗濯軸，脱水軸が同軸の２重構
造で，パルセータ側から、減速機構，スプリングクラッ
チ機構，駆動モータの順に配列されて、これらが同一軸
線上にあり、駆動モータのロータ部にスプリングクラッ
チ機構の一部を形成したことを特徴とする洗濯機であ
る。

【００１２】この構成により、減速機構、スプリングク
ラッチ機構、駆動モータが同一軸線上に位置するので、
脱水槽、受筒などの重心位置と脱水槽の回転中心とを一
致させることができ、脱水時におけるアンバランスの発
生を抑制できるとともに、ベルトが不要となるのでベル
トによる課題も解消することができる。また、スプリン
グクラッチ機構の回転伝達部の一部を駆動モータのロー
タに形成しているので、部品点数が削減でき組立性を向
上させることができ、また、スプリングクラッチ機構の
薄型化や小型化がはかれるので、洗濯機の本体下方の容
積が大きく取られることも抑えることがせきる。

【００１３】請求項２に記載した発明は、請求項１記載
の発明に加えて、駆動モータのロータとスプリングクラ
ッチ機構の一部を一体化したため、脱水時に減速機構入
力軸にかかる力がなくなるので、減速機構入力軸の強度
に依存せず、ロータから直接クラッチ入力ボス部に伝達
するので、より高トルク伝達が可能となる。これによ
り、脱水槽を十分なトルクで回転させることができる。

【００１４】請求項３に記載した発明は、駆動モータの
ロータとスプリングクラッチ機構の一部を一体化し、ク
ラッチ入力ボスの表面を別の材料で覆うことで、ロータ
として必要な性質は磁性体であり、軽量かつ加工性の良
いもの、クラッチ入力ボスは表面が硬く、耐磨耗性が必
要とされる。これにより、それぞれに適したものを用意
できる。

【００１５】請求項４に記載した発明は、駆動モータの
ロータとスプリングクラッチ機構の一部を薄肉の磁性体
で一体化する洗濯機である。

【００１６】この構成により、ローターとクラッチ入力
ボス部を同一金型で形状を製作するので、部品精度上が
り、部品点数が削減でき、組立性を向上させることがで
き、また、スプリングクラッチ機構の薄型化や小型化が
図れた洗濯機としている。

【００１７】請求項５に記載した発明は、駆動モータの
ロータとクラッチ入力ボス間の回転力伝達をかみ合いク
ラッチで行うことで高トルクの駆動を可能とした洗濯機
としている。

【００１８】請求項６に記載した発明は、駆動モータの
ロータとクラッチ入力ボス間の回転力伝達をクラッチ入
力ボス部のフランジ部の設けたかみ合いクラッチで行う
ことで、かみ合いクラッチ部を半径方向に距離が取れる
のでせん断力を小さくでき、ロータ、クラッチ入力ボス
部のフランジ材料を安価なものが使用でき、クラッチ入
力ボス部のフランジでロータの面振れを規制できること
を可能とした洗濯機としている。

【００１９】請求項７に記載した発明は、脱水軸に設け
たクラッチ出力ボス部を別部品とし、駆動モータのロー
タとスプリングクラッチ機構の組立をクラッチスプリン
グと組み合わせて、先に組み立て脱水軸に組み込むよう
にし、組立性を高め、スプリングクラッチ機構単独で検
査、また、スプリングクラッチ機構だけを交換が可能な
洗濯機としている。

【００２０】

【実施例】（実施例１）以下本発明の第１の実施例につ
いて説明する。図１は本実施例の全体構成を示す断面図
である。

【００２１】本体２１内には、脱水振動を防振するよう
に、サスペンション２２によって懸架された受筒２３を
設け、受筒２３内には脱水槽２４を回転自在に配し、こ
の脱水槽２４の内底部には、洗濯物を攪拌する攪拌翼の
一種であるパルセータ２５を回転自在に配している。脱
水槽２４は、受筒２３の底部に設けた軸受２６によって
軸支されている脱水軸２７の上端部に固定され、パルセ
ータ２５は、脱水軸２７の中空部に、脱水軸２７と同軸
上となるように配された洗濯軸２９の上端部に固定され
ている。

【００２２】また、洗濯軸２９脱水軸２７の中空部内に
設けた軸受け２８によって軸支され、洗濯軸の下端部は
減速機構３０の出力側に接続されている。減速機構３０
の減速機構入力軸４２には駆動モータ３１が取り付けら
れている。

【００２３】また、駆動モータ３１は、円盤状で、その
外周には高さ方向に延びる磁石取付部３１ｃを有するロ
ータ３１ａと、磁石取り付け部３１ｃの外周部に貼着さ
れた磁石と対向するようにロータ３１ａの磁石の外周側
に配され、ロータ３２ａに回転磁界を与えるステータ３
１ｂとから構成されている。減速機構３０の減速機構入
力軸４２は、駆動モータ３１のロータ３１ａの回転中心
部に連結されている。

【００２４】また、スプリングクラッチ機構３２は図２
に示すように、駆動モータ３１の回転力を伝達する回転
力伝達部と、回転力伝達部を固定または解放させる駆動
部から構成されているもので、具体的には、回転力伝達
部は、ロータ３１ａと磁石取り付け部で内包される空間
に設けたクラッチ入力ボス部３２ｄと脱水軸２７に設け
たクラッチ出力ボス部３２ｇと固定・解放するクラッチ
スプリング３２ｂと、クラッチスプリング３２ｂの制御
爪部３２ｅとはまり込み、制御爪３２ｅの動きを規制す
るレリーズスリーブ３２ｃと、レリーズスリーブ３２ｃ
のストッパー３２ｆにかみあい、レリーズスリーブ３２
ｃの回転・停止を制御するクラッチ駆動手段３２ａとか
ら構成されている。

【００２５】以下本実施例の動作について説明する。洗
濯・すすぎ行程では、スプリングクラッチ機構３２を動
かすクラッチ駆動手段３２ａに通電を停止する。クラッ
チ駆動手段３２ａはレリーズスリーブ３２ｃのストッパ
ー３２ｆに噛み込み、レリーズスリーブ３２ｃは自由に
回転することができなくなる。レリーズスリーブ３２ｃ
にはまり込んだクラッチスプリング３２ｂの制御爪部３
２ｅが固定され、クラッチスプリング３２ｂは減速機構
入力軸４２とはめ合ったクラッチ入力ボス部３２ｄと脱
水軸２７に設けたクラッチ出力ボス部３２ｇとの締め付
けを緩め、回転力を伝達できない状態とする。駆動モー
タ３１の動力は洗濯軸２９を介してパルセータ２５に伝
達されるのみとなり、被洗濯物に機械力を与える。こう
して脱水槽２４に収容している洗濯物の洗濯・すすぎが
進行する。

【００２６】洗濯工程を終了すると、自動的に脱水工程
に入り、この脱水行程では、脱水槽２４内の水が排水さ
れ、スプリングクラッチ機構３２を動かすクラッチ駆動
手段３２ａに通電する。クラッチ駆動手段３２ａはレリ
ーズスリーブ３２ｃのストッパー３２ｆから離れ、レリ
ーズスリーブ３２ｃは自由に回転することができる。レ
リーズスリーブ３２ｃにはまり込んだクラッチスプリン
グ３２ｂの制御爪部３２ｅが自由となり、クラッチスプ
リング３２ｂは減速機構入力軸４２とはめ合ったクラッ
チ入力ボス部３２ｄと脱水軸２７に設けたクラッチ出力
ボス部３２ｇとを締め付け、回転力を伝達できる状態と
する。減速機構入力軸４２と脱水軸２７とは連結され脱
水槽２４全体が回転する。脱水槽２４が回転することに
よって洗濯・すすぎを終了した洗濯物の水分は、遠心力
によって脱水槽２４の側面に多数設けている孔から受筒
２３内に、絞り出される。こうして洗濯物は自動的に脱
水される。このようにして、脱水槽２４内に投入された
洗濯物は自動的に洗濯・すすぎ・脱水行程を終了するも
のである。

【００２７】以上のように本実施例によれば、洗濯軸２
９、脱水軸２７が同軸の２重構造で、パルセータ側か
ら、減速機構３０、スプリングクラッチ機構３２、駆動
モータ３１の順に配列されて、これらが同一軸線上にあ
ることで、モータと機構部が一体となり、受筒２３の中
心に重心が来るため、従来のようにモータが受筒２３の
中心にない為に生じたアンバランスがなくなり、脱水時
の振動を押さえる。また、駆動モータ３１により直接、
減速機構３０、脱水軸３０を回転させるので、従来のベ
ルトが不要となり、ベルトスリップや耐久性も解消する
ことができる。

【００２８】また、スプリングクラッチ機構の回転力伝
達部の一部、すなわちクラッチ入力ボス部３２ｄを駆動
モータ３１のロータ３１ａに内包されているので、薄型
化や小型化が図れる洗濯機を提供するものである。

【００２９】（実施例２）以下本発明の第２の実施例に
ついて図３に基づき説明する。本実施例では、スプリン
グクラッチ機構３２の一部であるクラッチ入力ボス部３
２ｄを駆動モータ３１のロータ３１ａと一体化すること
により、同軸構造での駆動モータ３１のロータ部３１ａ
を精度良く作ることができ、また、減速機構入力軸４２
を介さずに直接トルクを伝達するので、脱水軸２７に高
トルクの回転力を伝達することができ、脱水槽２４の高
トルクの回転が可能となり、立ち上げ時間の短縮、泡に
よる起動不良を起こさない洗濯機を提供するものであ
る。

【００３０】（実施例３）以下本発明の第３の実施例に
ついて、図４に基づき説明する。本実施例では、駆動モ
ータ３１のロータ３１ａとスプリングクラッチ機構３２
のクラッチ入力ボス部３２ｄを一体化したクラッチ入力
ボス部３２ｄの表面を別の材料クラッチボスリング３３
で覆うことで、クラッチ入力ボス部３２ｄに必要な特性
である耐磨耗性の良い材料と駆動モータ３１のロータ部
３１ａに必要な特性である靱性が良く、軽量かつ、加工
性の良い材料を別々に選ぶことができる洗濯機を提供す
るものである。

【００３１】（実施例４）次に本発明の第４の実施例に
ついて、図５に基づき説明する。本実施例では、薄肉の
磁性体で駆動モータ３１のロータ３１ａとクラッチ入力
ボス部３２ｄを一体化し、ロータボス３１ｅを圧入して
ロータ３１ａを形成したことで、ロータ３１ａとクラッ
チ入力ボス部３２ｄを同一金型で形状を製作するので、
部品精度上がり、部品点数が削減でき、組立性を向上さ
せることができ、また、スプリングクラッチ機構３２の
薄型化や小型化が図れた洗濯機を提供するものである。

【００３２】（実施例５）続いて本発明の第５の実施例
について図６に基づき説明する。本実施例では、駆動モ
ータ３１のロータ３１ａとクラッチ入力ボス部３２ｄに
それぞれかみ合いクラッチ部３２ｈ，３１ｄを設け、こ
れをかみ合わせることで、ロータ３１ａの回転力を減速
機構入力軸４２を介さずに、かみ合いクラッチ部３２ｈ
と３１ｄでクラッチ入力ボス部３２ｄに回転力を伝達す
ることができる。従って、クラッチ入力ボス部３２ｄの
減速機構入力軸４２との取り付け孔は丸孔でよく、ま
た、減速機構入力軸４２の強度に関係なく、脱水槽２４
の高トルクの回転が可能となる洗濯機を提供するもので
ある。

【００３３】（実施例６）続いて本発明の第６の実施例
について図７に基づき説明する。本実施例では、駆動モ
ータ３１のロータ３１ａにかみ合いクラッチ部３１ｄを
形成し、クラッチ入力ボス部３２ｄにフランジ３２ｉを
設け、ボス外径より外側でトルク伝達のかみ合いクラッ
チ部３２ｈを設けることで高トルクの駆動を可能とした
洗濯機を提供するものである。

【００３４】（実施例７）続いて本発明の第７の実施例
について図８に基づき説明する。本実施例では、脱水軸
２７に形成していたクラッチ出力ボス部３２ｄを別部品
とし、脱水軸２７と九らっつ出力ボス部３２ｄとにトル
ク伝達のかみ合いクラッチ部２７ａ，３２ｉを設け、駆
動モータ３１のロータ３１ａとスプリングクラッチ機構
３２の組立をクラッチスプリング３２ｄと組み合わせ
て、先に組み立て脱水軸２７に組み込むようにし、組立
性を高めた洗濯機を提供するものである。

【００３５】

【発明の効果】本発明の請求項１に記載した発明は、洗
濯軸、脱水軸が同軸の２重構造で、パルセータ側から、
減速機構、スプリングクラッチ機構、駆動モータの順に
同一軸線上に配列することで、モータと機構部が一体と
なり、受筒のアンバランスが押さえられ、脱水時の振動
を押さえた洗濯機を実現するものである。

【００３６】なお、駆動モータの種類は限定されるもの
でなく、駆動モータのロータ内部に空間を設けられる形
式のものであれば限定される物ではない。

【００３７】本発明の請求項２に記載した発明は、スプ
リングクラッチ機構の一部を駆動モータのロータ部と一
体化することにより、同軸構造での駆動モータのロータ
を精度良く作ることができ、また、脱水槽の高トルクの
回転が可能となる洗濯機を実現するものである。

【００３８】本発明の請求項３に記載した発明は、駆動
モータのロータ部とクラッチ入力ボス部を一体化したク
ラッチ入力ボス部表面を別の材料で覆うことで、クラッ
チ入力ボスに必要な特性と駆動モータのロータ部に必要
な特性を別々に選ぶことができる洗濯機を実現するもの
である。

【００３９】本発明の請求項４に記載した発明は、薄肉
の磁性体で駆動モータのロータ部とクラッチ入力ボス部
を一体化したことで、ローターとクラッチ入力ボス部を
同一金型で製作するので、同軸構造の一体部品となり、
駆動モータのロータを精度良く作ることができ、また、
コストを抑えることができる洗濯機を実現するものであ
る。

【００４０】本発明の請求項５に記載した発明は、駆動
モータのロータとクラッチ入力ボス部のそれぞれかみ合
いクラッチ部を設け、これをかみ合わせることで、脱水
槽を駆動するとき、駆動モータの回転力はロータからク
ラッチボス部に直接伝達され、減速機構入力軸の強度に
関係なく、ロータとクラッチボス間の回転力伝達を確実
にし、高トルク伝達を可能にする。また、スプリングク
ラッチボス部の減速機構入力軸とはまり合う孔も特殊な
孔形状が要らない洗濯機を実現するものである。

【００４１】なお、駆動モータのロータとクラッチボス
部をはめあい構造とすると、同軸度はスプリングクラッ
チボス部の丸孔で規制、ロータの同軸度はボス部丸孔と
洗濯軸とはめあい、ロータとボス部ははめあい、ロータ
の振れはボス端面で規制することが出来る。

【００４２】本発明の請求項６に記載した発明は、駆動
モータのロータとクラッチ入力ボス間の回転力伝達をク
ラッチ入力ボス部のフランジ部の設けたかみ合いクラッ
チで行うことで、かみ合いクラッチ部を半径方向に距離
が取れるのでせん断力を小さくでき、ロータ、クラッチ
入力ボス部のフランジ材料を安価なものが使用でき、ク
ラッチ入力ボス部のフランジでロータの面振れを規制で
きることを可能とした洗濯機としている。

【００４３】本発明の請求項７に記載した発明は、脱水
軸に形成していたクラッチ出力ボス部を別部品とし、脱
水軸とクラッチ出力ボス部のトルク伝達のかみ合いクラ
ッチ部を設け、駆動モータのロータとクラッチの組立を
スプリングクラッチバネと組み合わせて、先に組み立て
脱水軸に組み込むようにしたことで、組立性を高め、ス
プリングクラッチ機構単独で組み立て、検査、部品交換
が可能とした洗濯機を実現するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例である洗濯機の全体構成
を説明する断面図

【図２】本発明の第１の実施例である洗濯機のクラッチ
機構周辺の分解斜視図

【図３】本発明の第２の実施例である洗濯機のクラッチ
機構周辺の分解斜視図

【図４】本発明の第３の実施例である洗濯機のクラッチ
機構周辺の分解斜視図

【図５】本発明の第４の実施例である洗濯機のクラッチ
機構周辺の分解斜視図

【図６】本発明の第５の実施例である洗濯機のクラッチ
機構周辺の分解斜視図

【図７】本発明の第６の実施例である洗濯機のクラッチ
機構周辺の分解斜視図

【図８】本発明の第７の実施例である洗濯機のクラッチ
機構周辺の分解斜視図

【図９】従来例である洗濯機の全体構成を説明する断面
図

【図１０】従来例である洗濯機のクラッチ機構周辺の分
解斜視図

【符号の説明】

１本体２サスペンション３受筒４脱水槽５パルセータ６軸受７脱水軸８軸受９洗濯軸１０減速機構１１ベルト１２駆動モータ１３スプリングクラッチ機構１３ａクラッチ駆動手段１３ｂクラッチスプリング１３ｃレリーズスリーブ１３ｄクラッチ入力ボス部１３ｅ制御爪部１３ｆストッパー１３ｇクラッチ出力ボス部２１本体２２サスペンション２３受筒２４脱水槽２５パルセータ２６軸受２７脱水軸２７ａかみ合いクラッチ部２８軸受２９洗濯軸３０減速機構３１駆動モータ３１ａロータ３１ｂステータ３１ｃ磁石取り付け部３１ｄかみ合いクラッチ部３１ｅロータボス３２スプリングクラッチ３２ａクラッチ駆動手段３２ｂクラッチスプリング３２ｃレリーズスリーブ３２ｄクラッチ入力ボス部３２ｅ制御爪部３２ｆストッパー３２ｇクラッチ出力ボス部３２ｈかみ合いクラッチ部３１ｉフランジ３２ｊかみ合いクラッチ部３３クラッチボスリング４２減速機構入力軸４３軸受

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者松田眞一大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】脱水槽を回転させる中空の脱水軸と、前
記脱水槽内に配設した攪拌翼を回転させ、かつ前記脱水
軸と同軸上に配した洗濯軸と、前記脱水軸と前記洗濯軸
を回転させる駆動モータと、前記駆動モータの回転を減
速して前記洗濯軸を回転させる減速機構と、前記駆動モ
ータの回転を脱水軸に伝達または非伝達とするスプリン
グクラッチ機構とを備え、前記減速機構と前記駆動モー
タとを同軸上に配するとともに、前記スプリングクラッ
チ機構を、前記駆動モータの回転を前記脱水軸に伝達す
るクラッチ入力ボス部と、クラッチスプリングと、前記
クラッチスプリングの端部を曲げて設けた制御爪部と、
前記制御爪部がはまり込む切り欠きを設けたレリーズス
リーブと、前記レリーズスリーブに設けたストッパーを
固定するまたは、解放するクラッチ駆動手段と、前記ス
プリングが巻き付く前記脱水軸のクラッチ出力ボス部と
から成り、前記スプリングクラッチ機構の一部を前記駆
動モータのロータ部内部に内包した洗濯機。
【請求項２】スプリングクラッチ機構の一部であるク
ラッチ入力ボス部を駆動モータのロータ部に形成した請
求項１記載の洗濯機。
【請求項３】クラッチ入力ボス部表面を別部材とした
請求項２記載の洗濯機。
【請求項４】薄肉の磁性体で駆動モータのロータ部と
クラッチ入力ボス部を形成し、一体化した請求項２記載
の洗濯機。
【請求項５】脱水槽を回転させる中空の脱水軸と、前
記脱水槽内に配設した攪拌翼を回転させ、かつ前記脱水
軸と同軸上に配した洗濯軸と、前記脱水軸と前記洗濯軸
を回転させる駆動モータと、前記駆動モータの回転を減
速して前記洗濯軸を回転させる減速機構と、前記駆動モ
ータの回転を脱水軸に伝達または非伝達とするスプリン
グクラッチ機構とを備え、前記減速機構と前記駆動モー
タとを同軸上に配するとともに、前記スプリングクラッ
チ機構を、前記駆動モータの回転を前記脱水軸に伝達す
るクラッチ入力ボス部と、クラッチスプリングと、前記
クラッチスプリングの端部を曲げて設けた制御爪部と、
前記制御爪部がはまり込む切り欠きを設けたレリーズス
リーブと、前記レリーズスリーブに設けたストッパーを
固定するまたは、解放するクラッチ駆動手段と、前記ク
ラッチスプリングが巻き付く前記脱水軸のクラッチ出力
ボス部とから成り、前記駆動モータのロータ部と前記ス
プリングクラッチ機構のクラッチ入力ボス部に前記駆動
モータのロータ部に発生した回転力を前記スプリングク
ラッチ入力ボス部に伝達するかみ合いクラッチ部を設
け、前記スプリングクラッチ機構の一部を前記駆動モー
タのロータ部内部に内包したことを特徴とする洗濯機。
【請求項６】駆動モータのロータ部に発生した回転力
をクラッチ入力ボス部に伝達するかみ合いクラッチ部を
前記クラッチ入力ボス部の外周より外側にかみ合いクラ
ッチ部を設けた請求項５記載の洗濯機。
【請求項７】脱水槽を回転させる中空の脱水軸と、前
記脱水槽内に配設した攪拌翼を回転させ、かつ前記脱水
軸と同軸上に配した洗濯軸と、前記脱水軸と前記洗濯軸
を回転させる駆動モータと、前記駆動モータの回転を減
速して前記洗濯軸を回転させる減速機構と、前記駆動モ
ータの回転を脱水軸に伝達または非伝達とするスプリン
グクラッチ機構とを備え、前記減速機構と前記駆動モー
タとを同軸上に配するとともに、前記スプリングクラッ
チ機構を、前記駆動モータの回転を前記脱水軸に伝達す
るクラッチ入力ボス部と、クラッチスプリングと、前記
クラッチスプリングの端部を曲げて設けた制御爪部と、
前記制御爪部がはまり込む切り欠きを設けたレリーズス
リーブと、前記レリーズスリーブに設けたストッパーを
固定するまたは、解放するクラッチ駆動手段と、前記ク
ラッチスプリングが巻き付く前記脱水軸のクラッチ出力
ボス部とから成る構成とし、前記脱水軸のクラッチ出力
ボス部を前記脱水軸と別部品とし、前記脱水軸のクラッ
チ出力ボス部と前記脱水軸に前記クラッチ出力ボス部に
伝達された回転力を前記脱水軸に伝達するかみ合いクラ
ッチ部を設け、前記スプリングクラッチ機構の一部を前
記駆動モータのロータ部内部に内包した洗濯機。