JPH11298029A - 太陽電池モジュール及び複層ガラスモジュール - Google Patents

太陽電池モジュール及び複層ガラスモジュール

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JPH11298029A
JPH11298029A JP10102670A JP10267098A JPH11298029A JP H11298029 A JPH11298029 A JP H11298029A JP 10102670 A JP10102670 A JP 10102670A JP 10267098 A JP10267098 A JP 10267098A JP H11298029 A JPH11298029 A JP H11298029A
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健治 邑田
Kuniyuki Tsujino
晋行 辻野
Takayoshi Yasuda
孝慶 安田
Shoji Sakaitani
昭司 堺谷
Oshi Hikosaka
多 彦坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣合う太陽電池セル間の領域に入射した光を
有効に利用でき、発電効率の向上を図ることができる太
陽電池モジュールを提供する。 【解決手段】 太陽電池モジュールの裏面側に、太陽電
池セル1が存在する領域に対応した透明な光透過部分4
aと、太陽電池セル1が存在しない領域に対応した白色
の光反射部分4bとを有する裏面シート4を設ける。太
陽電池セル1が存在する領域に表面側及び裏面側から入
射される入射光(実線矢符LA 及び破線矢符LC )は、
そのまま太陽電池セル1内にその表面側及び裏面側から
入射される。太陽電池セル1が存在しない領域、つま
り、隣合う太陽電池セル1,1間の領域に表面側から入
射される入射光(実線矢符LB )は、裏面シート4の光
反射部分4bで表面画に反射され、ガラス板3と空気と
の界面で全反射されて太陽電池セル1内にその表面側か
ら入射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の両面光入射
型の太陽電池セルを備えた太陽電池モジュール、及び、
2重のガラス窓に複数の両面光入射型の太陽電池セルを
組み込んだ複層ガラスモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】複数の太陽電池セルを備えた太陽電池モ
ジュールには、光を透過しないフィルムで裏面を被って
太陽電池セルの表面側からのみの入射光を発電に利用す
る単面光入射型と、裏面に透明なフィルムを使用して太
陽電池セルの表面及び裏面側からの入射光を何れも発電
に利用する両面光入射型とがある。両型の太陽電池モジ
ュールを同一条件で設置して、その起電力特性を調べる
と、単面光入射型の太陽電池モジュールに比べて、両面
光入射型の太陽電池モジュールは5〜10%程度の出力
向上の結果が得られる。
【0003】図12はこのような従来の両面光入射型の
太陽電池モジュールの断面図である。図において1は、
例えば結晶系半導体からなる基板に非晶質半導体層を形
成し、結晶系基板と非晶質半導体層との間に半導体接合
を構成し、表面側及び裏面側に透光性導電膜,集電極を
形成して、表面及び裏面の両側からの光入射により光起
電力を発生する両面光入射型の太陽電池セルである。
【0004】このような複数の太陽電池セル1が、隣合
うセル同士で所定の距離を隔てて配置した状態で、EV
A(エチレンビニルアセテート)層2内に埋め込まれて
いる。また、EVA層2の表面側には、強化ガラスから
なるガラス板3が設けられ、EVA層2の裏面側には、
全面が透明または不透明である裏面フィルム40が設け
られている。この場合、裏面側からの入射光を発電に利
用するときには、全面が透明な裏面フィルム40を使用
し、裏面側からの入射光を発電に利用しないときには、
全面が不透明な裏面フィルム40を使用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図12における矢符
は、全面が透明な裏面フィルム40を使用した従来の太
陽電池モジュールにおける入射光の経路を示している。
太陽電池セル1が存在する領域に表面側または裏面側か
ら入射された光(LX またはLY )は、その太陽電池セ
ル1に入射されて起電力発生に寄与できるが、太陽電池
セル1が存在しない領域、つまり、隣合う太陽電池セル
1,1間の領域に入射された光(LZ )は、太陽電池セ
ル1に入射することなくそのまま透明な裏面フィルム4
0を通過していく。
【0006】よって、従来の太陽電池モジュールでは、
隣合う太陽電池セル間の領域に入射される光を有効に利
用できず、発電効率が悪くて出力電圧が低いという問題
がある。
【0007】ところで、二重のガラス板を窓に用いる際
に、その一方のガラス板に上述したような複数の両面光
入射型の太陽電池セルを配置させた太陽電池付きの複層
ガラスモジュールが商品化されている。このような複層
ガラスモジュールにおいても、隣合う太陽電池セル間の
領域に入射された光は複層ガラスモジュール内をそのま
ま通過するので、その光を有効に利用できず、太陽電池
セルの面積分だけの光量しか起電力に変換できず、発電
効率が悪い。
【0008】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、隣合う太陽電池セル間の領域に入射した光を有
効に利用でき、発電効率の向上を図ることができる太陽
電池モジュール及び太陽電池付きの複層ガラスモジュー
ルを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る太陽電池
モジュールは、距離を隔てて配置した複数の両面光入射
型の太陽電池セルを備えた太陽電池モジュールにおい
て、隣合う太陽電池セル間の領域に対応して、光を反射
する反射部材を選択的に設けていることを特徴とする。
【0010】請求項2に係る太陽電池モジュールは、請
求項1において、前記反射部材は1枚のシートに形成さ
れており、前記シートの前記太陽電池セルが存在する領
域に対応する部分は光透過性であることを特徴とする。
【0011】請求項3に係る複層ガラスモジュールは、
2枚のガラス板を距離を隔てて備え、前記2枚のガラス
板のうちの一方のガラス板の他方のガラス板に対向する
側の面に、互いに距離を隔てて複数の両面光入射型の太
陽電池セルを設けた複層ガラスモジュールにおいて、前
記他方のガラス板が熱反射ガラスであることを特徴とす
る。
【0012】請求項4に係る複層ガラスモジュールは、
2枚のガラス板を距離を隔てて備え、前記2数のガラス
板のうちの一方のガラス板の他方のガラス板に対向する
側の面に、互いに距離を隔てて複数の両面光入射型の太
陽電池セルを設けた複層ガラスモジュールにおいて、隣
合う太陽電池セル間の領域に対応して、前記他方のガラ
ス板の前記他方のガラス板に対向する面に光反射加工を
選択的に施していることを特徴とする。
【0013】本発明の太陽電池モジュールでは、隣合う
太陽電池セル間の領域(太陽電池セルが存在しない領
域)に対応して、反射部材を選択的に設ける。隣合う太
陽電池セル間の領域に表面側から入射した光は、その反
射部材で反射した後、太陽電池セルへ入射する。この結
果、従来例では有効利用できていなかった、隣合う太陽
電池セル間の領域に入射される光を、有効に利用できる
ことになり、発電効率が向上する。
【0014】また、反射部材は1枚のシートに形成され
ており、シートの太陽電池セルが存在する領域に対応す
る部分は透明であるので、太陽電池セルが存在する領域
に裏面側から入射した光が太陽電池セルへ入射されるこ
とが妨げられない。
【0015】本発明の複層ガラスモジュールでは、他方
のガラス板(太陽電池セルを設けない側のガラス板)に
熱反射ガラスを使用する。一方のガラス板を通って隣合
う太陽電池セル間の領域に入射した光は、熱反射ガラス
製の他方のガラス板で反射した後、太陽電池セルへその
裏面側から入射する。
【0016】本発明の他の複層ガラスモジュールでは、
隣合う太陽電池セル間の領域(太陽電池セルが存在しな
い領域)に対応して、他方のガラス板(太陽電池セルを
設けない方のガラス板)に光反射加工を施している。一
方のガラス板を通って隣合う太陽電池セル間の領域に入
射した光は、他方のガラス板の光反射加工が施された部
分で反射した後、太陽電池セルへ入射する。
【0017】この結果、本発明の太陽電池付きの複層ガ
ラスモジュールにあっては、従来例では有効利用できて
いなかった、隣合う太陽電池セル間の領域に入射される
光を、有効に利用できることになり、発電効率が向上す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面を参照して具体的に説明する。まず、本発明の
太陽電池モジュールについて、以下の第1〜第3の実施
の形態で説明する。
【0019】(第1実施の形態)図1は本発明の第1実
施の形態による太陽電池モジュールの断面図、図2は同
じくその分解図である。図において1は、両面光入射型
の太陽電池セルであり、複数の両面光入射型の太陽電池
セル1(厚さ:0.1〜0.7mm)が、隣合うセル同
士で所定の距離(1mm以上)を隔てて、配置した状態
で、EVA層2(厚さ:0.2〜3.0mm)内に埋め
込まれている。また、EVA層2の表面側には、例えば
白板強化ガラス(厚さ:3.2mm)からなるガラス板
3が設けられ、EVA層2の裏面側には、PVF(ポリ
フッ化ビニル)製の裏面シート4が設けられている。
【0020】この裏面シート4は、太陽電池セル1が存
在する領域に対応した透明な光透過部分4aと、太陽電
池セル1が存在しない領域に対応した白色の光反射部分
4bとを有する。よって、裏面シート4の各光透過部分
4aの面積は、各太陽電池セル1の面積に略一致する。
このような裏面シート4を作製する方法としては、全体
が透明なシート材に対して光反射部分4bとなる領域に
白色塗料をパターン印刷する方法、または、全面が白色
のシート材に対して光透過部分4aとなる領域を選択的
に打ち抜く方法等が可能である。
【0021】図3は、両面光入射型の太陽電池セル1の
一例を示す断面図である。図3において、11は単結晶
シリコン,多結晶シリコン等の結晶系半導体からなるn
型の結晶系シリコン基板である。結晶系シリコン基板1
1の一方の主面(表面)上には、i型の非晶質シリコン
層12,p型の非晶質シリコン層13がこの順に積層さ
れ、更にその上に、例えばITOからなる透光性導電膜
14及びAgからなる櫛形状の集電極15が形成されて
いる。結晶系シリコン基板11の他方の主面(裏面)上
には、i型の非晶質シリコン層16,n型の非晶質シリ
コン層17がこの順に積層され、更にその上に、例えば
ITOからなる透光性導電膜18及びAgからなる櫛形
状の集電極19が形成されている。
【0022】このような太陽電池モジュールを製造する
場合、図2に示すように、ガラス板3と、EVA層2と
なるEVAシート2aと、複数の両面光入射型の太陽電
池セル1と、EVA層2となるEVAシート2bと、光
透過部分4a及び光反射部分4bを有する裏面シート4
とを、各太陽電池セル1の位置が各光透過部分4aに合
致するように位置合わせを行って積層した後、その積層
体に加熱圧着処理(温度:約150℃,時間:30〜6
0分)を施して一体化させる。
【0023】次に、この第1実施の形態における入射光
の進み方について、図1を参照して説明する。太陽電池
セル1が存在する領域に表面側からガラス板3を介して
入射される入射光(実線矢符LA )は、そのまま太陽電
池セル1内にその表面側から入射される。
【0024】一方、太陽電池セル1が存在しない領域、
つまり、隣合う太陽電池セル1,1間の領域に表面側か
らガラス板3を介して入射される入射光(実線矢符
B )は、裏面シート4の光反射部分4bで表面側に反
射され、その後、ガラスと空気との屈折率の違いによ
り、ガラス板3と空気との界面で全反射されて太陽電池
セル1内にその表面側から入射される。また、裏面シー
ト4の光反射部分4bで反射された後に、そのまま太陽
電池セル1内にその裏面側から入射される光もある。
【0025】また、太陽電池セル1が存在する領域に裏
面側から裏面シート4の光透過部分4aを介して入射さ
れる入射光(破線矢符LC )は、そのまま太陽電池セル
1内にその裏面側から入射される。
【0026】このように、太陽電池セル1が存在する領
域への入射光だけでなく、隣合う太陽電池セル1,1間
への入射光も起電力発生に寄与できるので、光電変換効
率が向上する。
【0027】(第2実施の形態)図4は本発明の第2実
施の形態による太陽電池モジュールの断面図、図5は同
じくその分解図である。図4,5において図1,2と同
一部分には同一番号を付して、それらの説明を省略す
る。第2実施の形態では、太陽電池モジュールの裏面側
にも表面側と同様に、ガラス板6を設けている。なお、
24は、上述の第1実施の形態における裏面シート4と
同様の反射シートであり、反射シート24の裏面にEV
Aシート5,例えば白板強化ガラス(厚さ:3.2m
m)からなるガラス板6がこの順に設けられている。他
の構成は、上述の第1実施の形態と同様である。
【0028】このような太陽電池モジュールを製造する
場合、図5に示すように、ガラス板3と、EVA層2と
なるEVAシート2aと、複数の両面光入射型の太陽電
池セル1と、EVA層2となるEVAシート2bと、光
透過部分4a及び光反射部分4bを有する反射シート2
4と、EVAシート5と、ガラス板6とを、各太陽電池
セル1の位置が各光透過部分4aに合致するように位置
合わせを行って積層した後、その積層体に加熱圧着処理
(温度:約150℃,時間:30〜60分)を施して一
体化させる。
【0029】次に、この第2実施の形態における入射光
の進み方について、図4を参照して説明する。太陽電池
セル1が存在する領域に表面側からガラス板3を介して
入射される入射光(実線矢符LD )は、そのまま太陽電
池セル1内にその表面側から入射される。一方、太陽電
池セル1が存在しない領域、つまり、隣合う太陽電池セ
ル1,1間の領域に表面側からガラス板3を介して入射
される入射光(実線矢符LE )は、反射シート24の光
反射部分4bで表面側に反射され、その後、ガラス板3
の空気との界面で全反射されて太陽電池セル1内にその
表面側から入射される。また、裏面シート4の光反射部
分4bで反射された後に、そのまま太陽電池セル1内に
その裏面側から入射される光もある。
【0030】また、太陽電池セル1が存在する領域に裏
面側からガラス板6及び反射シート24の光透過部分4
aを介して入射される入射光(破線矢符LF )は、その
まま太陽電池セル1内にその裏面側から入射される。一
方、太陽電池セル1が存在しない領域、つまり、隣合う
太陽電池セル1,1間の領域に裏面側からガラス板6を
介して入射される入射光(破線矢符LG )は、反射シー
ト24の光反射部分4bで裏面側に反射され、その後、
ガラス板6と空気との界面で全反射されて太陽電池セル
1内にその裏面側から入射される。
【0031】このように、太陽電池セル1が存在する領
域への入射光だけでなく、隣合う太陽電池セル1,1間
への入射光も起電力発生に寄与できるので、光電変換効
率が向上する。また、太陽電池セル1,1間への裏面側
からの入射光についても、太陽電池セル1へ入射できる
ようにしたので、第1実施の形態に比べて、入射光の有
効利用をより高めることが可能である。
【0032】(第3実施の形態)図6は本発明の第3実
施の形態による太陽電池モジュールの断面図、図7は同
じくその分解図である。図6,7において図1,2,
4,5と同一部分には同一番号を付して、それらの説明
を省略する。第3実施の形態では、複数の太陽電池セル
1を反射シート34に嵌め込んだ構成をなしている。つ
まり、反射シート34の複数の各空白部分34cに各太
陽電池セル1が位置決めされている。このような反射シ
ート34は、全面が白色のシート材に対して各太陽電池
セル1に対応する部分を打ち抜いて作製できる。また、
7は、この太陽電池セル1及び反射シート34と表面側
のガラス板3との間に介装されたEVAシートである。
【0033】このような太陽電池モジュールを製造する
場合、図7に示すように、ガラス板3と、EVAシート
7と、複数の両面光入射型の太陽電池セル1と、光反射
部分4b及び空白部分34cを有する反射シート34
と、EVAシート5と、ガラス板6とを、各太陽電池セ
ル1が反射シート34との各空白部分4cに嵌め込まれ
るように位置合わせを行って積層した後、その積層体に
加熱圧着処理(温度:約150℃,時間:30〜60
分)を施して一体化させる。
【0034】次に、この第3実施の形態における入射光
の進み方について、図6を参照して説明する。太陽電池
セル1が存在する領域に表面側からガラス板3を介して
入射される入射光(実線矢符LH )は、そのまま太陽電
池セル1内にその表面側から入射される。一方、太陽電
池セル1が存在しない領域、つまり、隣合う太陽電池セ
ル1,1間の領域に表面側からガラス板3を介して入射
される入射光(実線矢符LI )は、反射シート34の光
反射部分4bで表面側に反射され、その後、ガラス板3
の空気との界面で全反射されて太陽電池セル1内にその
表面側から入射される。
【0035】また、太陽電池セル1が存在する領域に裏
面側からガラス板6を介して入射される入射光(破線矢
符LJ )は、そのまま太陽電池セル1内にその裏面側か
ら入射される。一方、太陽電池セル1が存在しない領
域、つまり、隣合う太陽電池セル1,1間の領域に裏面
側からガラス板6を介して入射される入射光(破線矢符
K )は、反射シート34の光反射部分4bで裏面側に
反射され、その後、ガラス板6と空気との界面で全反射
されて太陽電池セル1内にその裏面側から入射される。
【0036】このように、太陽電池セル1が存在する領
域への入射光だけでなく、隣合う太陽電池セル1,1間
への入射光も起電力発生に寄与できるので、光電変換効
率が向上する。また、太陽電池セル1,1間への裏面側
からの入射光についても、太陽電池セル1へ入射できる
ようにしたので、第2実施の形態と同様に、第1実施の
形態に比べて、入射光の有効利用をより高めることが可
能である。
【0037】上述したような構成の本発明の太陽電池モ
ジュールと、太陽電池セル1,1間が透明である従来の
太陽電池モジュールとを作製してそれらの起電力特性を
調べた。何れの太陽電池モジュールにあっても、隣合う
太陽電池セル1,1間の距離を2mm、各太陽電池セル
1の大きさを100mm×100mmとし、本発明の太
陽電池モジュールでは太陽電池セル1,1間に光反射部
分4bが存する裏面シート4または反射シート24,3
4を使用し、従来の太陽電池モジュールでは全面が透明
である裏面フィルム40を使用した。起電力を測定した
結果、本発明の太陽電池モジュールでは従来の太陽電池
モジュールに比べて、約2%の出力向上を確認できた。
【0038】なお、上述の各実施の形態では、ガラス板
3,6として白板強化ガラスを使用したが、厚さ3mm
以上の強化ガラス、フロートガラス、及び、PC(ポリ
カーボネート)板等の透明プラスチック板等も使用でき
る。また、EVAに代えて、PVB(ポリビニルブチラ
ール),シリコーン等の他の透明樹脂を用いても良い。
更に、裏面シート4または反射シート24,34の材料
として、PET(ポリエチレンテレフタラート)を使用
することも可能である。
【0039】次に、本発明の太陽電池付きの複層ガラス
モジュールについて、以下の第4,第5の実施の形態で
説明する。
【0040】(第4実施の形態)図8は本発明の第4実
施の形態による複層ガラスモジュールの断面図である。
この複層ガラスモジュールは建物の壁面に設置されてお
り、屋外側に設けられた第1ガラス板21と、この第1
ガラス板21から適長離れた屋内側に設けられた第2ガ
ラス板22と、第1ガラス板21の屋内側の表面に配設
された複数の両面光入射型の太陽電池セル1とを有す
る。この屋内側に設ける第2ガラス板22は、光を反射
し、しかも透光性を有する熱反射ガラスである。各太陽
電池セル1は、例えば図3に示すような構成をなし、こ
れらの複数の太陽電池セル1が、隣合うセル同士で所定
の距離を隔てて配置した状態で、第1ガラス板21の屋
内側の表面に設けられている。
【0041】この第4実施の形態における入射光の進み
方について、図8の拡大図である図9を参照して説明す
る。太陽電池セル1が存在する領域に屋外から第1ガラ
ス板21を介して入射される入射光(実線矢符LM
は、そのまま太陽電池セル1内にその表面側から入射さ
れる。一方、太陽電池セル1が存在しない領域、つま
り、隣合う太陽電池セル1,1間の領域に屋外から第1
ガラス板21を介して入射される入射光(実線矢符
N )は、その間隙を通過した後、第2ガラス板22で
反射されて、太陽電池セル1内にその裏面側から入射さ
れる。また、太陽電池セル1が存在する領域に屋内から
第2ガラス板22を介して入射される入射光(実線矢符
R )は、そのまま太陽電池セル1内にその裏面側から
入射される。
【0042】(第5実施の形態)図10は本発明の第5
実施の形態による複層ガラスモジュールの断面図であ
る。図10において図8と同一部分には同一番号を付し
て、それらの説明を省略する。第5実施の形態では、第
4実施の形態と異なり、屋内側の第2ガラス板22は普
通のガラス板であるが、その第1ガラス21に対向する
表面において、太陽電池1が存在しない領域、つまり、
隣合う太陽電池セル1,1間の領域に対応して、光を反
射するための反射加工が選択的に施されている。第2ガ
ラス板22のこの光反射加工部22a以外の領域は光が
透過される。
【0043】この第5実施の形態における入射光の進み
方について、図10の拡大図である図11を参照して説
明する。太陽電池セル1が存在する領域に屋外から第1
ガラス板21を介して入射される入射光(実線矢符
S )は、そのまま太陽電池セル1内にその表面側から
入射される。一方、太陽電池セル1が存在しない領域、
つまり、隣合う太陽電池セル1,1間の領域に屋外から
第1ガラス板21を介して入射される入射光(実線矢符
T )は、その間隙を通過した後、第2ガラス板22の
光反射加工部22aで反射されて、太陽電池セル1内に
その裏面側から入射される。また、同じく太陽電池セル
1が存在しない領域に屋外から第1ガラス板21を介し
て入射される入射光(実線矢符LU )は、その間隙を通
過した後、第2ガラス板22の光反射加工部22aで反
射された後、第1ガラス板21と空気との界面で再び反
射されて、太陽電池セル1内にその表面側から入射され
る。また、太陽電池セル1が存在する領域に屋内から第
2ガラス板22を介して入射される入射光(実線矢符L
W )は、そのまま太陽電池セル1内にその裏面側から入
射される。
【0044】このように、第4,第5実施例の何れも、
太陽電池セル1が存在する領域への屋内及び屋外からの
入射光だけでなく、隣合う太陽電池セル1,1間への屋
外からの入射光も起電力発生に寄与できるので、光電変
換効率が向上する。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の太陽電池モジュ
ールでは、隣合う太陽電池セル間の領域に対応して、光
反射部分を有するシートを設けるようにしたので、隣合
う太陽電池セル間に入射した光を、この光反射部分で反
射させて、太陽電池セル内に入射させるようにでき、両
面入射による起電力の向上に加えて、光電変換効率の向
上を図れて、発電量を更に増加できる。
【0046】また、本発明の太陽電池付きの複層ガラス
モジュールでは、屋内側のガラスに熱反射ガラスを使用
するか、または、隣合う太陽電池セル間の領域に対応し
て屋内側のガラスに光反射加工を施すようにしたので、
隣合う太陽電池セル間に入射した光を反射させて、太陽
電池セル内に入射させるようにでき、両面入射による起
電力の向上に加えて、光電変換効率の向上を図れて、発
電量を更に増加できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池モジュール(第1実施の形
態)の断面図である。
【図2】本発明の太陽電池モジュール(第1実施の形
態)の分解図である。
【図3】両面入射型の太陽電池セルの構成図である。
【図4】本発明の太陽電池モジュール(第2実施の形
態)の断面図である。
【図5】本発明の太陽電池モジュール(第2実施の形
態)の分解図である。
【図6】本発明の太陽電池モジュール(第3実施の形
態)の断面図である。
【図7】本発明の太陽電池モジュール(第3実施の形
態)の分解図である。
【図8】本発明の太陽電池付きの複層ガラスモジュール
(第4実施の形態)の断面図である。
【図9】本発明の太陽電池付きの複層ガラスモジュール
(第4実施の形態)の拡大断面図である。
【図10】本発明の太陽電池付きの複層ガラスモジュー
ル(第5実施の形態)の断面図である。
【図11】本発明の太陽電池付きの複層ガラスモジュー
ル(第5実施の形態)の拡大断面図である。
【図12】従来の太陽電池モジュールの断面図である。
【符号の説明】
1 太陽電池セル 3,6 ガラス板 4 裏面シート 4a 光透過部分 4b 光反射部分 21 第1ガラス板 22 第2ガラス板 22a 光反射加工部 24,34 反射シート 24c 空白部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堺谷 昭司 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 彦坂 多 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 距離を隔てて配置した複数の両面光入射
    型の太陽電池セルを備えた太陽電池モジュールにおい
    て、隣合う太陽電池セル間の領域に対応して、光を反射
    する反射部材を選択的に設けていることを特徴とする太
    陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 前記反射部材は1枚のシートに形成され
    ており、前記シートの前記太陽電池セルが存在する領域
    に対応する部分は光透過性である請求項1記載の太陽電
    池モジュール。
  3. 【請求項3】 2枚のガラス板を距離を隔てて備え、前
    記2枚のガラス板のうちの一方のガラス板の他方のガラ
    ス板に対向する側の面に、互いに距離を隔てて複数の両
    面光入射型の太陽電池セルを設けた複層ガラスモジュー
    ルにおいて、前記他方のガラス板が熱反射ガラスである
    ことを特徴とする複層ガラスモジュール。
  4. 【請求項4】 2枚のガラス板を距離を隔てて備え、前
    記2数のガラス板のうちの一方のガラス板の他方のガラ
    ス板に対向する側の面に、互いに距離を隔てて複数の両
    面光入射型の太陽電池セルを設けた複層ガラスモジュー
    ルにおいて、隣合う太陽電池セル間の領域に対応して、
    前記他方のガラス板の前記他方のガラス板に対向する面
    に光反射加工を選択的に施していることを特徴とする複
    層ガラスモジュール。
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