JPH1129538A - 飽和脂肪族カルボン酸アミドの製造方法 - Google Patents
飽和脂肪族カルボン酸アミドの製造方法Info
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- JPH1129538A JPH1129538A JP33314897A JP33314897A JPH1129538A JP H1129538 A JPH1129538 A JP H1129538A JP 33314897 A JP33314897 A JP 33314897A JP 33314897 A JP33314897 A JP 33314897A JP H1129538 A JPH1129538 A JP H1129538A
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Abstract
製造設備の建設コストおよび運転コストが安価であり、
副生成物量が少なく、高純度のカルボン酸アミドを高選
択率、高収得率で工業的に製造することが可能なカルボ
ン酸アミドの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 飽和脂肪族カルボン酸とアンモニアとの
反応によって得られる飽和脂肪族カルボン酸アンモニウ
ムを脱水して飽和脂肪族カルボン酸アミドを製造するに
際して、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムの脱水反応
を、反応系に水を供給して行うことを特徴とする飽和脂
肪族カルボン酸アミドの製造方法。好ましくは、反応系
に水を供給して上記飽和脂肪族カルボン酸アミドの製造
を連続法で行い、定常状態における水の量が、飽和脂肪
族カルボン酸、アンモニア、飽和脂肪族カルボン酸アン
モニウム、飽和脂肪族カルボン酸アミド、および水の合
計モル数を100モルとした場合に、20〜70モルで
あることが望ましい。
Description
可塑剤の安定剤、染料、医薬品、その他の有機合成用材
料に広く用いられている飽和脂肪族カルボン酸アミド
(以下単にカルボン酸アミドともいう。)の製造方法に
関する。更に詳しくは、対応する飽和脂肪族カルボン酸
(以下カルボン酸ともいう。)とアンモニアから得られ
るアンモニウム塩の脱水反応を、反応系に水を供給して
行ってカルボン酸アミドを得ることによって、副生成物
の生成量を抑え、効率よく高純度なカルボン酸アミドを
製造する方法に関する。
モニウムと水との混合物から、水の一部を蒸留法によっ
て分離除去する方法に関する。更に詳しくは、飽和脂肪
族カルボン酸アンモニウムと水との混合物に飽和脂肪族
カルボン酸を添加してから蒸留することによって、飽和
脂肪族カルボン酸アンモニウムを効率的に回収する方法
に関する。
モニアとからカルボン酸アンモニウム塩を合成し、これ
を脱水反応させることによって製造し得ることが知られ
ている。
バッチ式と連続式があるが、工業的製造方法としては、
目的とするカルボン酸アミド、個々の出発原料、副生成
物の種類、物性等によって、生成物としてのカルボン酸
アミドの分離精製条件や副生物、未反応原料の除去やリ
サイクルの条件が大きく左右される。特に、原料のコス
トあるいは入手の容易性、分離精製後の目的物の最終収
得率、分離精製系を含めた全生産工程のシンプルさ、製
造設備の建設費、運転操作性、ユーティリティーコスト
なども極めて重要な要因であり、これら全てを総合的に
判断して工業的製造プロセスを決定する必要がある。
造する場合、従来、反応温度150〜220℃、反応時
間12〜30時間に設定され、この際に副生する水は低
沸点留分として反応装置上部から取り除かれていた。
合、カルボン酸アンモニウムの転化率を90%以上とす
ることが可能である。しかし、ニトリル化合物、カルボ
ン酸アミド2量化物などの副生成物が比較的多く生成す
るため、カルボン酸アミドの選択率は90〜95%と低
く、カルボン酸アミドの最終的な収得率も満足できるも
のではない。さらにバッチ反応でカルボン酸アミドを製
造しようとすると、処理時間が長くなり、また副生成物
生成量が多くなるため、生産性、経済性の点から判断し
て、上記製造方法は工業的に有利な製造方法とは言えな
い。
7−38754号公報などには、カルボン酸アミドの連
続的製造法として、カルボン酸、またはカルボン酸アン
モニウムを反応塔上部、または中央部分から連続的に供
給し、アンモニアを反応塔下部から連続的に供給し、カ
ルボン酸アミドを製造する方法が開示されている。
ニアをカルボン酸に対して過剰量で使用している。その
余剰分のアンモニアは水と共に反応塔上部から留出する
が、その留分を凝縮し回収するためには極めて低温の冷
媒を用いなければならない。さらに、回収されるアンモ
ニア水から水を留去するための分離装置、その分離操作
によって得られるアンモニアガスを回収するための吸収
塔が必要であり、経済性、操作性などの点で満足できる
製造法とは言えない。
ボン酸アンモニウムの分解反応によって生じるアンモニ
アガスの多くは反応塔上部から系外に留出する。そのた
め、原料として加えたアンモニア量に対するカルボン酸
アミドの収率は満足できるものとは言えず、更にニトリ
ル化合物、カルボン酸アミド2量化物(カルボン酸の2
量化アミド)などの副生成物も比較的多く生成するとの
問題点がある。
料として、高純度のカルボン酸アミドを高収率で製造し
うるようなカルボン酸アミドの製造方法の出現が望まれ
ていた。
は、前記方法以外に、脱水触媒の存在下にカルボン酸ア
ンモニウムからカルボン酸アミドを製造する方法も提案
されており、この製法では、脱水触媒として、酸化モリ
ブデン、アルキルスズ系触媒、シリカゲル−アルミナ混
合物、四塩化チタン触媒が用いられている。
応させることができ、ニトリル化合物、カルボン酸アミ
ド2量化物等の副生成物の生成を抑制でき、反応時間も
短縮化できる。しかし触媒を用いてカルボン酸アミドを
製造した場合、得られたカルボン酸アミド中に触媒が溶
解含有していることが懸念されるため、反応終了後カル
ボン酸アミドから触媒を分離除去する工程が必要とな
る。触媒使用に伴う触媒製造コスト、触媒除去コスト等
も考慮すると、この方法もまた満足できる製造方法とは
言えない。
ドの製法に関し、先に、特開平9−157233号公報
にて、「式RCONH2(R:炭素数1〜4の飽和アル
キル基)で表されるカルボン酸アミドの製造方法におい
て、第1工程として、精留塔部と反応容器部とからなる
反応装置に式RCOOH(Rは前記に同じ)で表される
カルボン酸とそのアンモニウム塩とを新規に、あるいは
第2工程と第3工程からリサイクルして供給し(但し、
総供給量において該カルボン酸がそのアンモニウム塩に
対して0.1〜2.0倍モルである。)、130〜20
0℃で該アンモニウム塩の脱水反応を行い、生じた水と
該カルボン酸および/または未反応の該アンモニウム塩
の混合成分を精留塔上部から留去し、該カルボン酸アミ
ドを含む成分を反応容器から得る工程、第2工程とし
て、第1工程から得られたカルボン酸アミドを含む成分
を蒸留して該カルボン酸アミドを精製する工程、および
第3工程として、第1工程で回収された水と該カルボン
酸および/または未反応の該アンモニウム塩の混合成分
から水を留去する工程からなるカルボン酸アミドの製造
方法」を提案している。
高純度な飽和低級アルキルカルボン酸アミドを簡単かつ
良好な収率で工業的に有利に製造可能である。しかしな
がら、この方法では、カルボン酸アンモニウムから脱水
反応によりカルボン酸アミドを生成させる際にジカルボ
ン酸アミド、アミジン系化合物(アミジンカルボン酸
塩)等の副生成物が、ある程度生成してしまうなど、さ
らなる改良の余地があった。
ドの製法による場合を含めて、一般に、得られたカルボ
ン酸アミドと水を含有する反応混合物には、未反応原料
のカルボン酸アンモニウム等も含まれており、一般的な
蒸留法によって精製することにより、カルボン酸アンモ
ニウム及び水などの低沸点成分と、カルボン酸アミド等
の高沸点成分とに分離可能であり、比較的高純度のカル
ボン酸アミドを得ることができる。
ドは沸点が比較的高く、その温度域における熱安定性に
乏しいため、精製段階で不純物(副生物)の生成等が起
こる。この際、主に副生する不純物として、そのカルボ
ン酸の2量化アミドであるジカルボン酸アミドが挙げら
れるが、このジカルボン酸アミドはカルボン酸アミドと
ほぼ同様の沸点を示すため、カルボン酸アミドと共に高
沸点成分として得られ、通常の蒸留精製手段によっては
カルボン酸アミドとジカルボン酸アミドとを分離し精製
することは極めて難しい。
に晒されるとカルボン酸とニトリル化合物に分解される
ことが知られている。このようなジカルボン酸アミドを
不純物として含むカルボン酸アミドを反応原料として用
いて、高温条件下でアセチレンなどと反応させて、例え
ばN-ビニルカルボン酸アミド(有用なビニルモノマーの
1種)を製造しようとすると、その製造段階でジカルボ
ン酸アミドの分解反応が同時に起こり、カルボン酸とニ
トリル化合物が発生する。発生したカルボン酸は、N-ビ
ニルカルボン酸アミドを含む反応液の変質の原因とな
り、ポリマーの生成等を引き起こす。その結果、N-ビニ
ルカルボン酸アミドの製造ラインが閉塞するなどのトラ
ブルが発生したり、N-ビニルカルボン酸アミド収率の低
下が起こる。従って、ジカルボン酸アミドが含有された
カルボン酸アミドをそのままN-ビニルカルボン酸アミド
の合成原料に用いるのは好ましくない。
として適したジカルボン酸アミドを含まない高純度カル
ボン酸アミドを得る方法としては、蒸留法と再結晶法と
を組み合わせた精製法が一般的に知られている。蒸留法
のみでは分離が難しいジカルボン酸アミドを除去するに
は、再結晶法を併用することは有効な手段である。しか
し、この再結晶法では一般的に再結晶用溶媒として、カ
ルボン酸アミドの溶解性が比較的高いアルコール水溶液
が用いられるため、処理後の母液中には、カルボン酸ア
ミドが比較的高濃度で存在することになる。しかもこの
方法では、カルボン酸アミドの収率が低く、その収得率
を上げるためには母液の再処理工程が必要となる。また
この方法では、再結晶用溶媒を除去するための乾燥工程
も必要となり、コスト的に不利である。
アミドを、N-ビニルカルボン酸アミドなどの合成原料と
して使用するためには、何らかの前処理を行い、ジカル
ボン酸アミドを、N-ビニルカルボン酸アミドなどを製造
する際に悪影響を与えない成分に転化しておくことが必
要である。
る反応混合物は、前述したように蒸留法によってカルボ
ン酸アミドを主成分とする高沸点成分と、カルボン酸ア
ンモニウム及び水を主成分とする低沸点成分とに分離さ
れる。
ばカルボン酸アミド製造用の原料として再利用可能であ
り、またそれ自体、染色緩衝剤、有機合成緩衝剤、医薬
用原料、有機合成原料などとして有用である。
含有する低沸点成分から水を除去してカルボン酸アンモ
ニウムを回収し再利用することが、廃棄物量を削減し、
カルボン酸アミドを高収得率で製造するためには重要で
ある。
成分(混合物)からの水の分離は、再結晶法によって行
うことが可能である。再結晶法による水分離は、混合物
の晶析温度以下まで冷却して実施するか、またはカルボ
ン酸アンモニウムに対して、貧溶媒であるアルコールな
どの有機溶媒を添加して行われる。これらの再結晶法で
は、カルボン酸アンモニウムの水への溶解性が大きいた
め、カルボン酸アンモニウムを回収した後の残液中にカ
ルボン酸アンモニウムが比較的高濃度で残ることにな
る。高収得率でカルボン酸アンモニウムを得るには、更
に残液からのカルボン酸アンモニウムの回収を行うこと
が必要となる。冷却晶析法では、水濃度(水分含量)が
高くなると晶析温度を極めて低く設定するか、若しくは
有機溶媒を添加するなどの措置を講じなければならな
い。有機溶媒を使用した場合には、得られたカルボン酸
アンモニウム結晶に付着している有機溶媒を取り除く乾
燥工程や有機溶媒をリサイクルするための工程が別に必
要となってくる。該工程用の設備費、生産性等を考慮す
ると、有機溶媒を使用してカルボン酸アンモニウムの冷
却晶析による精製を行うことは、工業的プロセスとして
は有効的な精製方法とは言えない。
ン酸アンモニウムと水を含有する低沸点成分から水の除
去を行う方法では、カルボン酸アンモニウムは熱安定性
に乏しいため、比較的低温域においてもカルボン酸とア
ンモニアに熱分解する。そして分解によって生じたアン
モニアは、水とともに装置上部から留出する。このアン
モニアを回収しようとするならばアンモニアと水を含む
留分から更に水を分離する操作が必要であり、非効率的
な分離方法であり、工業的方法としては不適当である。
このためカルボン酸アンモニウムと水を含有する低沸点
成分からの簡便でより経済的なカルボン酸アンモニウム
の回収技術の開発が望まれている。
ドは、カルボン酸アンモニウムの脱水反応で製造される
が、従来の方法では副反応が起り、反応液からカルボン
酸アミドを分離した残分にはこれら副反応による生成物
(不純物)が濃縮されて含有される。この残分は不純物
を多く含むとはいえ、主成分はカルボン酸アミドであ
り、工業的にはこの残分からの更なるカルボン酸アミド
の回収、または製造工程へのリサイクルなどの有効利用
が望まれる。
からカルボン酸アミドを回収した後の残分の有効利用が
可能であり、しかもカルボン酸アミドの品質に悪影響を
与えるような副反応生成物が蓄積しないようなカルボン
酸アミドの製造方法の開発も求められている。
問題点を解決しようとするものであって、生産工程を簡
素化でき、運転操作性に優れ、製造設備の建設コストお
よび運転コストが安価であり、副生成物量が少なく、高
純度のカルボン酸アミドを高選択率、高収得率で工業的
に製造することが可能なカルボン酸アミドの製造方法を
提供することを目的としている。
た残分の有効利用を図ることができ、カルボン酸アミド
の製造に悪影響を与える副反応生成物が反応系に蓄積し
ないようなカルボン酸アミドの製造方法を提供すること
を目的としている。
有する粗カルボン酸アミドを精製して、高純度であり、
N-ビニルカルボン酸アミド等の合成原料として好適に
使用可能であるようなカルボン酸アミドを、簡単かつ良
好な収得率で工業的に有利に精製できるようなカルボン
酸アミドの精製方法を提供することを目的としている。
ウムと水とを含む混合物から水を除去して飽和脂肪族カ
ルボン酸アンモニウムを効率よく製造する方法を提供す
ることを目的としている。
ドの製造方法は、飽和脂肪族カルボン酸とアンモニアと
の反応によって得られる飽和脂肪族カルボン酸アンモニ
ウムを脱水して飽和脂肪族カルボン酸アミドを製造する
に際して、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムの脱水反
応を、反応系に水を供給して行うことを特徴としてい
る。
上記飽和脂肪族カルボン酸アミドの製造を連続法で行
い、定常状態における水の量が、飽和脂肪族カルボン
酸、アンモニア、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウム、
飽和脂肪族カルボン酸アミド、および水の合計モル数を
100モルとした場合に、20〜70モルであることが
好ましい。
ミドの製造方法においては、[I]反応容器に、原料と
して(a)飽和脂肪族カルボン酸とアンモニアと水、およ
び/または(b)飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムと水
を供給し、水の存在下に、飽和脂肪族カルボン酸アンモ
ニウムの脱水反応を行うことにより飽和脂肪族カルボン
酸アミドと水を生成させる第1工程、[II]上記第1工
程で得られた飽和脂肪族カルボン酸アミドと水とを含む
反応混合物を、第1精留塔内で(好ましくは減圧下)、
蒸留により、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムおよび
水を含む低沸点成分と、飽和脂肪族カルボン酸アミドを
含む高沸点成分とに分離して飽和脂肪族カルボン酸アミ
ドを得る第2工程、および[III] 第2精留塔内で、上
記第2工程で得られる低沸点成分から一部の水を留去し
て得られる飽和脂肪族カルボン酸アンモニウム水溶液を
第1工程に供給する第3工程、を含むことが好ましい。
ても、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムの脱水反応を
130〜250℃の温度、および2〜20kgf/cm
2の圧力条件下に行うことが好ましい。
た飽和脂肪族カルボン酸アミドを高濃度で含む高沸点成
分を、さらに精留して、飽和脂肪族カルボン酸アミドを
分取した残分に、水を添加して該残分に含まれる副反応
生成物を加水分解して飽和脂肪族カルボン酸アミドと飽
和脂肪族カルボン酸アンモニウムとを含む混合物を得
て、これを第1工程または第2工程にリサイクル供給す
ることが好ましい。
た飽和脂肪族カルボン酸アミドを高濃度で含む高沸点成
分に、または、さらに精留して得られる飽和脂肪族カル
ボン酸アミド留分に、式R2OH(R2:炭素数1〜4の
アルキル基)で示されるアルコールを加え、該高沸点成
分中に含まれる副生成物のアルコリシスを行って飽和脂
肪族カルボン酸アミドを得ることが好ましい。
和脂肪族ジカルボン酸アミドであり、上記アルコールが
メタノールであることが好ましい。本発明においては、
上記第3工程において、第2工程で得られる飽和脂肪族
カルボン酸アンモニウムおよび水を含む低沸点成分に、
飽和脂肪族カルボン酸を添加して該飽和脂肪族カルボン
酸を該飽和脂肪族カルボン酸アンモニウム1モルに対し
て0.1〜10モルの量で存在させて蒸留し、水を分離
することが好ましい。
ン酸が、式R1COOH(R1:炭素数1〜4のアルキル
基)で示され、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムが式
R1COONH4(R1:同上)で示され、飽和脂肪族カ
ルボン酸アミドが式R1CONH2(R1:同上)で示さ
れることが好ましく、特に、上記飽和脂肪族カルボン酸
が酢酸であり、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムが酢
酸アンモニウムであり、飽和脂肪族カルボン酸アミドが
酢酸アミドであることが望ましい。
ミドの製造方法によれば、生産工程を簡素化でき、運転
操作性に優れ、製造設備の建設コストおよび運転コスト
が安価であり、副生成物量が少なく、高純度のカルボン
酸アミドを高選択率、高収得率で工業的に製造すること
が可能である。
回収した残分の有効利用を図ることができ、カルボン酸
アミドの製造に悪影響を与える副反応生成物が反応系に
蓄積しないようなカルボン酸アミドの製造方法が提供さ
れる。
ドを含有する粗カルボン酸アミドを精製して、高純度で
あり、N-ビニルカルボン酸アミド等の合成原料として
好適に使用可能であるようなカルボン酸アミドを、簡単
かつ良好な収得率で工業的に有利に精製できるようなカ
ルボン酸アミドの精製方法が提供される。
ンモニウムと水とを含む混合物から水を除去して飽和脂
肪族カルボン酸アンモニウムを効率よく製造する方法が
提供される。
ルボン酸アミドの製造方法について、具体的に説明す
る。
飽和脂肪族カルボン酸(e)とアンモニアとの反応によっ
て得られる飽和脂肪族カルボン酸アンモニウム(f)を脱
水して飽和脂肪族カルボン酸アミド(g)を製造するに際
して、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウム(f)の脱水反
応を、反応系に水を供給して、飽和脂肪族カルボン酸ア
ミド(g)を製造している。
素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくはメチル基で
あることが望ましい。) このように反応系に水を供給しながら脱水反応を行う
と、副反応生成のジカルボン酸アミド(R1CO)2NH
(式中、R1は上記と同じ。)、あるいはアミジン(h)
のカルボン酸塩:
それぞれ加水分解される。このように副生成物は加水分
解されると、副生物の一つであるジカルボン酸アミド
は、相当するカルボン酸アミドとカルボン酸等に転化
し、またアミジンカルボン酸塩は、相当するカルボン酸
アミドとカルボン酸アンモニウム等に転化し、カルボン
酸アミドとカルボン酸アンモニウムを主成分(加水分解
に供した水を含む。)とする混合物にすることができる
ため、反応系に悪影響を与える恐れのある上記副生物の
量を低減でき、高選択率でカルボン酸アミドの合成を行
うことができる。
して、好ましくは連続的に供給して上記飽和脂肪族カル
ボン酸アミドの製造を行い、定常状態における水の量
が、飽和脂肪族カルボン酸、アンモニア、飽和脂肪族カ
ルボン酸アンモニウム、飽和脂肪族カルボン酸アミド、
および水の合計モル数を100モルとした場合に、20
〜70モル、好ましくは35〜55モルである。
脱水反応は、130〜250℃、好ましくは160〜2
00℃の温度、および2〜20kgf/cm2、好まし
くは4〜10kgf/cm2の圧力条件下に行うことが
望ましい。反応温度が130℃より低くなると、アンモ
ニウム塩の転化率が十分上がらず、処理時間も長期化す
る傾向があり、反応温度が250℃より高くなると、副
生成物の生成量が大きくなり、反応系の圧力が高くな
り、より高価な耐圧反応容器が必要となり、コスト的に
不利となる。反応時間は、反応温度などの反応条件にも
よるが、通常は滞留時間1〜10時間が妥当である。
ン酸アミド)は、式R1CONH2(R1:同上)で表さ
れ、具体的には、アセトアミド、プロピオン酸アミド、
iso-酪酸アミド、n-酪酸アミド、ピバリン酸アミド、is
o-吉草酸アミド、n-吉草酸アミドなどが挙げられ、特に
アセトアミドが好ましい。
ンモニウム塩を製造する際に用いられるカルボン酸は、
上記カルボン酸アミドに対応するカルボン酸:R1CO
OH(R1:同上)であり、具体的には、酢酸、プロピ
オン酸、iso-酪酸、n-酪酸、ピバリン酸、iso-吉草酸、
n-吉草酸などが挙げられる。
族カルボン酸アミド(カルボン酸アミド)の製造方法に
ついて、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。図
1は、本発明の好ましい態様を模式的に示す実施例であ
る。
すように1つである。 [第1工程]図1に示すカルボン酸アミドの製造方法
は、第1工程、第2工程および第3工程からなり、第1
工程では、[I]反応容器に、原料として (a)飽和脂肪族カルボン酸:R1COOH(R1:同上)
とアンモニアと水、および/または (b)飽和脂肪族カルボン酸アンモニウム:R1COONH
4(R1:同上)と水を供給し、水の存在下に、飽和脂肪
族カルボン酸アンモニウムの脱水反応を行うことにより
飽和脂肪族カルボン酸アミドと水を生成させている。
250℃、好ましくは160〜200℃で行われ、反応
時間は、反応温度等の条件にもよるが、滞留時間で、通
常1〜10時間程度である。
(第2工程または第3工程よりリサイクルされるアンモ
ニウム塩のアンモニア分も含む)1モルに対して、カル
ボン酸(第2工程及び第3工程よりサイクルされるアン
モニウム塩のカルボン酸分も含む)0.1〜10モルの
範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜2モル、さら
に好ましくは0.8〜1.2モルが望ましい。
多量に加えられても反応成績等に及ぼす影響は少ない
が、リサイクルするアンモニア、またはカルボン酸の量
が増加してくるため、装置的にもエネルギー的にも無駄
になる。
供給モル量(比)が1より小さい条件で脱水反応を行う
場合には、後述する第2工程の蒸留操作において、低沸
点留分に含まれる過剰量の遊離のアンモニア成分を回収
しなければならない。その場合、アンモニアを回収する
ためのアンモニア吸収塔などが新たに必要となる。カル
ボン酸供給モル量/アンモニア供給モル量(比)の値が
1に近いと導入する装置は簡易なものとなる。
図1におけるカルボン酸とアンモニアのように、反応容
器内に別々に各成分を直接供給しても良い。また、予め
別の混合槽でこれら各成分を混合し、反応させてカルボ
ン酸アンモニウムを主成分とする混合液を調製した後、
カルボン酸アンモニウム、水を含むその混合液を他の反
応容器内に供給し、水の存在下に脱水反応を進行させて
も良い(図示せず)。図1に示すように反応容器内に
直接原料を供給する場合には、反応装置内でカルボン
酸とアンモニアからそのカルボン酸のアンモニウム塩が
直ちに生成し、そのアンモニウム塩から脱水してカルボ
ン酸アミドが合成される。
ないが、通常前述したような圧力(2〜20kgf/cm2)
で行われる。その理由は、脱水反応では、供給した水、
及び副生する水をできるだけ除去することなく、その存
在下で脱水反応を効率的に進めるためには、より高温下
で操作を行うのが望ましい。そのため、一般的に反応は
上記加圧下で行われる。その圧力は、原料として用いら
れるカルボン酸、アンモニア、そのカルボン酸のアンモ
ニウム塩等の供給モル比、操作温度等に依存するが、上
記範囲が一般的である。
ては、上記の脱水反応を行うに必要とされる最高圧力に
耐えうる容器であれば特に制限はなく、その構造様式に
厳密な条件はない。
1工程で得られた飽和脂肪族カルボン酸アミドと水とを
含む反応混合物を、第1精留塔内で、蒸留により、飽
和脂肪族カルボン酸アンモニウムおよび水を含む低沸点
成分と、飽和脂肪族カルボン酸アミドを含む高沸点成分
とに分離して飽和脂肪族カルボン酸アミドを得ている。
程で得られたカルボン酸アミドを含む混合成分を精留塔
の中央部に供給し、精留塔底部から高純度なカルボン酸
アミドを、精留塔塔頂から低沸騰点物を回収している。
れる。蒸留装置内の圧力は、減圧、常圧、加圧の何れで
あってもよいが、蒸留温度を低下させ、カルボン酸アミ
ド2量化物(ジカルボン酸アミド)、あるいはこのジカ
ルボン酸アミドの熱分解で生じるカルボン酸とニトリル
化合物などの副生成物が多量に生成するのを防ぐために
は、減圧下で行うのが望ましい。
は、通常減圧下で行われ、1〜400Torr、特に10〜
100Torrの減圧下で行うのが好ましい。また、その設
定圧力(操作圧力)によって精留塔内の温度分布は決定
され、精留塔底部の温度が操作圧力におけるカルボン酸
アミドの沸騰点となるように蒸留操作を行うのが望まし
い。
で得られたカルボン酸アミドを含む混合成分の組成は、
主として第1工程に供給(フィード)された原料の配合
比及びその反応条件によって決定される。本発明におい
てはカルボン酸アミドの濃度に特に制限はないが、一般
にカルボン酸アミド濃度の高い原料を用いた方が製造さ
れるカルボン酸アミドの純度が高く、かつ同一装置であ
っても処理能力が大きくなるので望ましく、通常、第1
工程からカルボン酸アミド濃度40〜70重量%の反応
混合物が第2工程に供給される。反応混合物中には、こ
のカルボン酸アミド以外に水が含まれ、さらには、カル
ボン酸アンモニウム、カルボン酸アミドの2量化物(ジ
カルボン酸アミド)、アミジン系化合物(アミジンカル
ボン酸塩)などが含まれるが、第1工程の原料フィード
の配合組成によっては、更にカルボン酸またはアンモニ
アの何れかが含まれる。
の精留原料として用いる場合、ベーパーコンデンサーで
アンモニアを完全にトラップさせるのは難しく、未凝縮
アンモニアガスが発生する。このガスを吸収するアンモ
ニア吸収工程を設けることが望ましい(図示せず)。そ
のアンモニアガス吸収工程の構造、様式には特に制限は
ないが、本発明をより効率的に実施するためには、アン
モニアの吸収剤あるいは捕捉剤(トラップ剤)として、
カルボン酸アミド製造用の原料の一つであるカルボン酸
と同様なカルボン酸、例えば酢酸を用いるのが望まし
い。
タワーを用い、アンモニアトラップ剤としてのカルボン
酸を塔上部から供給し、アンモニアを主成分とする未凝
縮ガスを塔下部から供給し、気液接触させ、アンモニア
等を吸収させる。回収されたアンモニアは第1工程また
は第3工程へ送られ、反応原料として再利用すればよ
い。このような操作を行うことによって、例えば、真空
系で行う場合には真空ポンプへのアンモニアガスの流入
を防止できると共に、単位量のカルボン酸アミドを得る
ために必要とされる原材料の量(原単位)を低減でき原
単位の向上も可能とすることができる。
ルボン酸を加えたものを用いベーパーのカルボン酸濃度
を高めることによって未凝縮アンモニアガスを抑制させ
ることもできる。
の如何なる位置に供給すべきかという点については特に
制限されないが、供給位置と精留塔塔頂部の間には、カ
ルボン酸アミドが精留塔塔頂から留出しないように、カ
ルボン酸アミドと留出物が充分分離できるだけの分離性
能を持った精留部分を設け、供給位置と精留塔塔底部の
間には精留塔塔底からカルボン酸やそのアンモニウム塩
などの低沸点物が許容量以上に留出しないように、カル
ボン酸アミドと低沸点物が充分分離できるだけの分離性
能を持った精留部分を設けることが必要である。
限はなく、その構造様式に厳密な条件はない。通常では
精留塔部分として1〜100段、好ましくは5〜50段
の理論段数を有するものを用いる。
例えば棚段塔としては、泡鐘トレー、ユニフラックスト
レー、フレキシトレー、ナッターフロートレー、バラス
トトレー、多孔板トレー、カスケードトレー、ベンチュ
リートレー、キッテルトレー、リサイクリングトレー、
チムニートレー、ジェットトレー、ターボグリッドトレ
ー、リップルトレー、デュアルフロートレー、バッフル
トレー等を用いた棚段塔が挙げられる。
サドル型充填塔、スプレーパック、パナパック、グッド
ロイパッキング、ステッドマンパッキング、マクマホン
パッキング、スルザーパッキング、ヘリクス、垂直平板
充填物等を用いた充填塔が挙げられる。
らのカルボン酸アミドの留出を可能な限り抑え、塔頂か
らの留出物がアンモニウム塩と水を主成分とする混合物
となるように設定すれば良く、特に制限されないが、通
常0.2〜10が望ましい。
分は、第1工程の反応原料であるカルボン酸のアンモニ
ウム塩と水であり、第3工程へ送られる。精留塔塔底か
らの缶出物は、カルボン酸アミド濃度が95〜99.9
重量%の高純度カルボン酸アミドである。これはそのま
ま製品として使用しても良いが、この分離されたカルボ
ン酸アミドを再度蒸留精製法、抽出蒸留精製法、各種晶
析装置を用いた晶析精製法、吸着分離法または膜分離法
など、一般的な精製方法でより高純度のカルボン酸アミ
ドに精製しても良い。
留塔塔頂部の間に、高沸点成分が許容量以上装置から留
出しないように、カルボン酸アミドと高沸点成分が充分
分離できるだけの分離性能を持った精留部分を有する装
置を用いる。精製原料に含まれる高沸点の濃度、目的物
カルボン酸アミドに許容される高沸点物の濃度によって
は、その操作を単蒸留操作によっても行うことが可能で
ある。
高純度のカルボン酸アミドを得ることも可能である。こ
の操作は、精留塔を備えた精製装置を用い、精製塔上部
から低沸点物を、下部より高沸点物を除去しながら、同
時に塔中央部または下部付近からカルボン酸アミドを回
収し、目的成分を得る。精製装置としては、カルボン酸
アミドが塔頂部から留出しないように、カルボン酸アミ
ドと留出物が充分分離できるだけの分離性能を持った精
留部分を供給位置と精留塔塔頂部の間に有し、カルボン
酸やそのアンモニウム塩などの低沸点物がカルボン酸ア
ミド中に許容量以上に含まれないように、カルボン酸ア
ミドと低沸点物が充分分離できるだけの分離性能を持っ
た精留部分を供給位置とカルボン酸アミド回収位置の間
に有し、およびアミジン系化合物などの高沸点物がカル
ボン酸アミド中に許容量以上に含まれないように、カル
ボン酸アミドと高沸点物が充分分離できるだけの分離性
能を持った精留部分をカルボン酸アミド回収位置と精留
塔塔底部の間に有する精留塔を備えたものを用いる。
液は、第1工程または第3工程へ送り、リサイクルする
ことが可能であり、原単位の著しい低下は起こらない。
ここで、カルボン酸アミドを高濃度で含有する上記缶出
物から、高純度カルボン酸アミドを分取する方法につい
てさらに詳述する。
上記第2工程で得られた飽和脂肪族カルボン酸アミドを
高濃度で含む高沸点成分に、またはそれをさらに精留し
て得られる飽和脂肪族カルボン酸アミド留分(高沸点成
分)に、式R2OH(R2:炭素数1〜4のアルキル基)
で示されるアルコールを加え、これら高沸点成分中に含
まれる副生成物のアルコリシスを行って飽和脂肪族カル
ボン酸アミドを得ることが好ましい。
カルボン酸アミド(a)を含む粗カルボン酸アミドにアル
コール(b)を加えてカルボン酸アミドのアルコール溶液
を調製する。この溶液を加熱して下記式に示すように、
ジカルボン酸アミド(a)のアルコリシスを行い、ジカル
ボン酸アミド(a)をカルボン酸アミド(c)とカルボン酸エ
ステル(d)に分解することによって、実質的にジカルボ
ン酸アミドを除去できる。
アルキル基を示し、互いに同一であっても、異なってい
てもよい。) このようなアルコリシスによってジカルボン酸アミドを
含まない高純度のカルボン酸アミド(c)のアルコール溶
液が得られる。さらに、必要に応じてこの高純度カルボ
ン酸アミドのアルコール溶液からアルコールとカルボン
酸エステルを分離することによって高純度のカルボン酸
アミドを得ることができる。カルボン酸エステル(d)は
アルコリシスと同時に、またはアルコリシスが終了した
後に分離することができる。
が好ましく、得られるカルボン酸アミド(c)とカルボン
酸エステル(d)との分離精製の利便性を考慮して選択さ
れる。好ましくは、式R2OH(式中、R2は炭素数1〜
4のアルキル基を示す。)で示されるアルコールが用い
られる。このようなアルコールとしては、例えば、メタ
ノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノー
ル、n-ブタノールなどが挙げられ、メタノールが好まし
い。
00℃、好ましくは80〜170℃の温度域で実施され
る。上記範囲を超えて低温域で反応を行うとジカルボン
酸アミドのアルコリシスが遅くなり、反応時間が長期化
する。逆に上記範囲を超えて反応温度が高すぎると反応
速度は速くなるが、カルボン酸アミドの熱変性が起こ
り、カルボン酸アミドの収得率が低下する。
ド/アルコール混合モル比、反応開始時のジカルボン酸
アミドの濃度、反応型式などによって異なる。各々の条
件に適した反応時間を設定すれば良く、反応時間に特に
制限はない。但し、反応温度、ジカルボン酸アミド/ア
ルコール混合モル比によって最適値は変動するが、通
常、カルボン酸アミドの熱変質は、反応時間に比例する
ので短時間で反応を行った方が好ましい。
の何れであってもよいが、常圧が好ましい。減圧下で行
うと反応成績の低下、処理時間の長期化が起こる。加圧
下で行うと耐圧性の要求される装置が必要となり、コス
ト的に不利である。
には特に制限はないが、カルボン酸アミドに含まれるジ
カルボン酸アミドの量に応じて、添加量を決定するのが
好ましい。一般的には、ジカルボン酸アミドとアルコー
ルのモル比がジカルボン酸アミド/アルコール=1/1
〜1/1000、さらには、1/10〜1/100とな
るようにアルコールを加えるのが好ましい。アルコール
濃度を高くすると系の沸点が低くなる。そのため、常圧
で反応を行おうとすると、反応温度が低くなり、反応を
有利に行えない。反応器を密閉型式にし、加圧下で行え
ば反応温度が上げられ、反応時間も短縮化されるが、高
圧容器が必要となる。アルコール濃度が低くなるとジカ
ルボン酸アミドのアルコリシス(メタノリシス)の反応
速度が遅くなり、これも条件的に不利となる。
応型式には特に制限はない。反応温度を反応液の沸点に
設定し、還流状態で反応を行っても良く、また沸点より
低い温度でベーパー発生を抑えた条件で操作を行っても
よい。反応容器を密閉容器とし、加圧下で行っても良
い。
なく、その構造様式にも特に制限はない。還流条件下に
反応を行う場合は、反応容器とベーパーコンデンサーの
直結したものを用いれば良く、また加圧下で該反応を行
う際には操作圧に耐えうる高圧反応容器を用いればよ
い。
り、空気中の水分を吸湿して徐々に分解する。したがっ
て、反応容器、更に原料タンク、製品タンクなどの付帯
設備は窒素や乾燥空気などの雰囲気下に保つことが望ま
しい。
ン酸エステルの分離は、アルコリシスと同時に、または
アルコリシスが終了した後に行うことも可能である。例
えば、アルコリシス反応を反応液の沸点で行うことによ
り、カルボン酸エステルを含む低沸分のベーパーを発生
させるようにしてもよい。生成するカルボン酸エステル
の沸点は、カルボン酸アミドと比較してかなり低いの
で、そのベーパー中に該カルボン酸エステルは高濃度で
含まれることになる。このベーパーの凝縮液を系外に留
去することによって、カルボン酸エステルを除去でき
る。精留塔を用いることによってこのカルボン酸エステ
ルの分離はより効率的に行うことができる。
残分の加水分解によるリサイクル>また本発明において
は、飽和脂肪族カルボン酸アミドを高濃度で含む高沸点
成分を、さらに上述したような種々の方法で精留して、
飽和脂肪族カルボン酸アミドを分取した残分(残液)
に、水を添加して該残分に含まれる副反応生成物を加水
分解して飽和脂肪族カルボン酸アミドと飽和脂肪族カル
ボン酸アンモニウムとを含む混合物を得て、これを第1
工程または第2工程にリサイクル供給することが好まし
い。
カルボン酸アンモニウムの脱水反応でカルボン酸アミド
を製造する場合の主たる反応副生成物は、前述したよう
に一般式(R1CO)2NH(式中、R1は前記と同
じ。)で示されるジカルボン酸アミドと、前記式(h)す
なわちR1C(NH)(NH2)(式中、R1は前記と同
じ。)で示されるアミジンのカルボン酸塩であり、これ
らの反応副生成物は一般的に合成反応液から蒸留あるい
は晶析などの方法でカルボン酸アミドを分離した残分
(残液)に濃縮されて含まれている。
解反応を行うことにより、ジカルボン酸アミドは相当す
るカルボン酸アミドとカルボン酸などに、アミジンカル
ボン酸塩は相当するカルボン酸アミドとカルボン酸アン
モニウムなどに転化させることができ、それによってカ
ルボン酸アミドとカルボン酸アンモニウムを主成分(加
水分解に供した水を含む。)とする混合物を得ることが
できる。
とカルボン酸アンモニウムを主成分とする混合物は、第
1工程または第2工程に供給して、カルボン酸アンモニ
ウムからカルボン酸アミドを製造する際の原料の一部と
して供給し、または第2工程の精留塔に供給して再使用
(リサイクル)することができ、効率的である。
分を加えて、副反応生成物の選択的加水分解を行う際に
は、主成分のカルボン酸アミドの加水分解をできうる限
り抑制できる条件を採用することが好ましい。ジカルボ
ン酸アミドとアミジンカルボン酸塩は、カルボン酸アミ
ドと比較して加水分解反応を受けやすいと考えられる。
なお、酸または塩基触媒を存在させると反応副生成物の
加水分解速度を速めることができるが、カルボン酸アミ
ドも加水分解されやすくなって選択性の低下につながる
ため好ましくはない。
応副生成物量にもよるが、通常、残分に水を加えた後の
全量に対して水の量が1〜50重量%になるように調整
される。この水の量が上記範囲を超えて多すぎるとカル
ボン酸アミドの加水分解が進行して選択性が低下する。
反対に少なすぎると、反応副生成物の加水分解速度が遅
くなり、反応に長時間を要し、効率的でない。
℃、好ましくは100〜200℃の範囲で、通常は常圧
下で行われる。またこの加水分解反応は、加圧下に実施
してもよい。副反応生成物の選択的な加水分解反応に供
した後の残分は、単独でカルボン酸アミドの分離操作に
かけてもよいが、カルボン酸アミドの合成反応液と混合
したのちカルボン酸アミドの分離操作を行ってもよい。
した残分(残液)に、水を添加して該残分に含まれる副
反応生成物を加水分解して飽和脂肪族カルボン酸アミド
と飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムとを含む混合物を
得る上述したような方法は、上記本発明の第2工程で得
られる、高純度飽和脂肪族カルボン酸アミドを分取した
残渣に適用する場合に限らず、従来より公知の方法で飽
和脂肪族カルボン酸アミドを分取した残分(残液)に適
用しても有効である。
[III] 第2精留塔内で、上記第2工程で得られる低
沸点成分から一部の水を留去して、得られた飽和脂肪族
カルボン酸アンモニウム水溶液を第1工程の反応器に
供給している。
第1精留塔塔頂から回収された、主成分が水とカルボン
酸アンモニウム塩である低沸点成分(混合成分)から一
部の水を留去して、主成分がカルボン酸アンモニウムの
水溶液を得て、この得られたカルボン酸アンモニウム水
溶液(回収成分)を第1工程へリサイクルする工程であ
る。
留分離法で行われる。蒸留装置内の圧力は、減圧、常
圧、加圧の何れであってもよいが、減圧下で行うのが望
ましい。蒸留する際の温度は、特に限定されないが、蒸
留温度が高くなると、カルボン酸アンモニウムの分解反
応が促進され、蒸留装置上部から水とともにアンモニア
が留出することになり、その留分からアンモニアを留去
するアンモニア水分離工程が別に必要となる。このた
め、通常、装置内最下部温度(蒸留塔ボトム温度)で1
50℃以下、好ましくは120℃以下の低温で蒸留を行
うことが望ましい。
0Torr、さらに好ましくは10〜400Torr、特に
好ましくは50〜300Torrの減圧下に行うのが望まし
い。また、その操作圧力によって精留等塔内の温度分布
は決定される。
る、第2工程の第1精留塔塔頂からの回収成分の組成
は、主に第1工程の原料の供給配合比及び反応条件によ
って決定される。
カルボン酸のアンモニウム塩、水の他に、カルボン酸も
しくはアンモニアが含まれた混合液である。この混合液
(第3工程の精留用原料)をそのまま蒸留装置内に供
給して蒸留操作を行っても良いが、その混合液にカルボ
ン酸またはアンモニアを供給することによって、第3工
程に供給する混合液中にフリーのアンモニアが存在せず
に、カルボン酸が若干、過剰量となるように調整して、
第3工程の蒸留操作を行うことが好ましい。すなわち、
該混合液中のカルボン酸アンモニウム塩に対するカルボ
ン酸のモル比が該アンモニウム塩/カルボン酸=1/
0.1〜1/10、好ましくは1/0.25〜1/2と
なるように調整して第3工程に供給することが好まし
い。
過剰量で加えられた場合には、アンモニウム塩の分解反
応が抑制され、カルボン酸アンモニウムの分解反応によ
ってアンモニアガスが発生したとしてもカルボン酸がト
ラップ剤としての作用を発揮するため、第3工程の蒸留
装置上部からのアンモニアの留出を抑えることができ
る。また、該装置下部から回収されて第1工程へリサイ
クルされるカルボン酸アンモニウム塩成分に含まれる水
分含量を減少させることができ、さらにこの第3工程で
使用される蒸留塔の理論段数も低くすることが可能であ
る。
より多量に第3工程の精留用原料に加えるとカルボン酸
が装置上部から留出することとなり、またカルボン酸と
水を分離する工程が別に必要となるためコスト的に不利
である。
には特に制限はなく、その構造様式に厳密な条件はな
い。通常は、精留塔部分として1〜100段、好ましく
は5〜50段の理論段数を有するものを用い、精留塔の
構造は任意のものが用いられ、例えば前述したような棚
段塔、充填塔が挙げられる。
料供給位置と精留塔塔頂部の間には、カルボン酸、また
はアンモニアが精留塔塔頂から許容量以上留出しないよ
うな分離性能を持った精留部分を設け、原料供給位置と
精留塔塔底部の間には、精留塔塔底から水が許容量以上
に缶出しないような分離性能を持った精留部分を設ける
のが望ましい。
ボン酸アンモニウム、カルボン酸、アンモニアの留出を
抑えることができ、塔頂から可能な限り水のみが流出す
るように設定すれば良く、通常還流比としては0.2〜
10が望ましい。
ンモニウム塩と水を主成分とし、場合によっては更にカ
ルボン酸を含む混合物である。この混合物は、第1工程
へ送られ再利用される。
物)中のカルボン酸と等モル量のアンモニアを添加して
カルボン酸とアンモニアとを反応させてカルボン酸アン
モニウムとし、カルボン酸アンモニウムの純度を高めて
も良い。
るカルボン酸アミドの製造方法では、カルボン酸とアン
モニアから得られるカルボン酸アンモニウムの脱水反応
が、第2工程及び/または第3工程から供給されるリサ
イクル成分中の水、及び脱水反応の進行に伴い生成した
大量の水の存在下で進行させるところに特徴を有し、カ
ルボン酸アミドの2量体、ニトリル化合物、アミジン系
化合物の副生を抑制した条件下での脱水反応を進行させ
る点にある。この結果、高選択率でカルボン酸アミドを
製造することが可能となった。
る水は、従来法ではカルボン酸またはアンモニアととも
に回収されていたのに対して、本発明においては、水と
カルボン酸アンモニウムとを主成分とする混合液として
分取し、この水とカルボン酸アンモニウムとを主成分と
する混合液からの一部の水の分離は、カルボン酸アンモ
ニウム塩の分解速度が遅い比較的低温下で蒸留操作を行
うことによって、またこの分離操作をカルボン酸存在下
で行うことによって、より効率的に、簡易な装置で水を
能率よく除去することが可能となった。
ジカルボン酸アミドは、カルボン酸アミドと沸点が近似
し、またジカルボン酸アミドの沸点領域では、カルボン
酸アミドの熱安定性が乏しいため、従来では簡単な方法
で両者を分離することは前述したように困難であった
が、本発明においては、ジカルボン酸アミドを含む粗カ
ルボン酸アミドにアルコールを加え、加熱してジカルボ
ン酸アミドのアルコリシスを行い、ジカルボン酸アミド
をカルボン酸アミドとカルボン酸エステルに分解してい
るので、カルボン酸アミドとカルボン酸エステルとの大
きな沸点差を利用した蒸留などの簡単な方法で、カルボ
ン酸アミドの変質などを防止しつつ、実質的にジカルボ
ン酸アミドを除去して、高純度カルボン酸アミドを得る
ことが可能になった。
法では、カルボン酸とアンモニアから得られるカルボン
酸アンモニウムの脱水反応を、水の供給下で進行させる
ことにより、副生するカルボン酸アミドの2量体、ニト
リル化合物、アミジン系化合物などの副生生物の生成量
を極めて低く抑えることにより、高選択率でカルボン酸
アミドが製造できた。
ニウム塩との分離を遊離のカルボン酸存在下で行うこと
によって、より効率的に、簡易な装置で水を除去し、カ
ルボン酸アンモニウム塩を分取することができた。
でき、運転操作性に優れ、製造設備の建設コストおよび
運転コストが安価であり、副生成物量が少なく、高純度
のカルボン酸アミドを高選択率、高収得率で工業的に製
造することが可能となった。
回収した残分の有効利用を図ることができ、カルボン酸
アミドの製造に悪影響を与える副反応生成物が反応系に
蓄積しないようなカルボン酸アミドの製造方法が確立さ
れた。
ドを含有する粗カルボン酸アミドを精製して、高純度で
あり、N-ビニルカルボン酸アミド等の合成原料として
好適に使用可能であるようなカルボン酸アミドを、簡単
かつ良好な収得率で工業的に有利に精製できるようなカ
ルボン酸アミドの精製方法が確立された。
明するが、本発明は下記の例によって何ら限定されるも
のではない。
容積1m3の撹拌機付反応容器に、酢酸を61.2kg/時
間、アンモニアを24.5kg/時間、第3工程よりリサ
イクルして供給された、酢酸アンモニウム/酢酸/水
(モル比)=20/15/10の混合液を73.3kg/
時間の割合で連続的に供給し、同時にアセトアミド濃度
54重量%の混合成分(液)を159kg/時間の割合で
連続的に抜き出した。
量が、酢酸、アンモニア、酢酸アンモニウム、酢酸アミ
ド、および水の合計モル数を100モルとした場合に、
47モルの量で含まれていた。また、この混合成分の酢
酸アンモニウム転化率は72%であり、アセトアミド選
択率99%であった。
た理論段数22段の充填式精留塔の中央部に、第1工程
から抜き出されたアセトアミド濃度54重量%の混合成
分(液)を159kg/時間の割合で連続的に供給した。
蒸留操作は圧力50Torr、還流比2で行い、蒸留塔塔底
温度は142℃であった。
合で回収され、濃縮物中のアセトアミド濃度は99重量
%であった。また、塔頂からは酢酸アンモニウムと水の
混合物が74.1kg/時間の割合で回収された。
精留塔塔頂物として得られた酢酸アンモニウムと水の混
合物に酢酸をモル比が酢酸アンモニウム/酢酸=1/
0.75となるように加えた。それをマクマホン充填物
が充填された理論段数10段の充填式精留塔の下段に9
9.3kg/時間の割合で連続的に供給した。蒸留操作は
圧力200Torr、還流比2で行い、蒸留塔ボトム温度は
100℃であった。
59重量%の酢酸アンモニウム/酢酸/水混合成分[酢
酸アンモニウム/酢酸/水(モル比)=1/0.75/
0.5]が73.4kg/時間の割合で回収され、塔頂から
は水濃度99.5重量%の成分が25.9kg/時間で回収
された。その缶出物は第1工程の反応原料として再利用
した。
4段の充填式精留塔が付いた内容積2m3の撹拌機付反
応容器に、酢酸アンモニウムを1000kg仕込み、徐々
に加熱した。脱水反応の進行にともない生成した水を装
置上部から回収しながら操作は行い、最終的に約180
℃まで反応容器内の温度を上昇させた。回収した反応液
のアセトアミド濃度は約60重量%であり、酢酸アンモ
ニウム転化率95%、アセトアミド選択率94%であっ
た。
に保たれた容積0.6m3の撹拌機付反応容器に、酢酸を
60kg/時間、アンモニアを17kg/時間の割合で連続
的に供給し、同時に反応容器部からは酢酸アミド濃度約
54重量%の反応物(液)を77kg/時間の割合で連続
的に抜き出した。滞留時間6時間で操作は実施し、その
ときの酢酸アンモニウム転化率は72%であり、酢酸ア
ミド選択率は99%であった。
物が充填された理論段数22段の充填式精留塔の中央部
に、酢酸アミド濃度約54重量%の反応物(液)を77
kg/時間の割合で連続的に供給した。蒸留操作は圧力5
0mmHg、還流比2で行い、蒸留塔塔底温度は143℃
であった。
回収され、濃縮物の酢酸アミド濃度は99重量%であっ
た。また、塔頂からは酢酸アンモニウムと水の混合物が
35kg/時間の割合で回収された。
続的に供給しながら再度、圧力10mmHg、温度110
℃の条件下で単蒸留操作を行い、酢酸アミド成分を分離
し、高純度酢酸アミド(純度99.7重量%)を得た。
また装置下部より4kg/時間の割合で残分は回収され、
その残分の組成は下記表B2の通りであった。
器に、表B2に示した組成の残分を3kg/時間、水を1
kg/時間の割合で連続的に添加し、温度170℃、操作
圧力5.5kgf/cm2、滞留時間6時間で反応は進行させ
た。同時に反応液も4kg/時間の割合で抜き出した。
す。反応終了後のジアセトアミド転化率は95%、アセ
トアミジン酢酸塩転化率は80%であった。
2工程)へ送り、フィード原料の一部として用いた。
ようにした以外は、実施例B1と同様にしてカルボン酸
アミドを製造した。
に、酢酸を60kg/時間、アンモニアを17kg/時間の
割合で連続的に供給し、更に実施例B1に記載した方法
で得られた、表B2に示した組成の残分を3kg/時間の
割合で連続的にフィードした。反応液は80kg/時間の
割合で連続的に抜き出した。反応温度170℃、滞留時
間6時間で操作は行い、その反応時の圧力は5.5kgf/
cm2であった。
アミドの製造を行った。得られた反応物の組成を下記表
B4に示す。
ようにした以外は、実施例B2と同様にしてカルボン酸
アミドを製造した。
圧反応容器に酢酸を60kg/時間、アンモニアを17kg
/時間の割合で連続的にフィードした。反応液は77kg
/時間の割合で連続的に抜き出した。反応温度170
℃、滞留時間6時間で操作は行い、その反応時の圧力は
6kgf/cm2であった。
アミドの製造を行った。得られた反応物の組成を下記表
B5に示す。
酢酸アミドに対する割合は、実施例B2に示した残分を
原料の一部として加え場合と同じであった。
理論段数14段の充填式精留塔が付いた容積2m 3の撹
拌機付反応容器に酢酸を192kg/時間、アンモニアを
34kg/時間の割合で連続的に供給した。操作は、反応
容器内温度170℃、還流比2、滞留時間6時間で行っ
た。反応容器部からは酢酸アミド濃度60重量%の反応
液が186kg/時間の割合で、蒸留塔塔頂からは水/酢
酸[水/酢酸(モル比)=1/0.06]の混合物が4
0kg/時間の割合で回収された。酢酸とアンモニアから
得られる酢酸アンモニウムの転化率は95%であり、ア
セトアミド選択率は95%であった。
物が充填された理論段数22段の充填式精留塔の中央部
に、酢酸アミド濃度60重量%の反応物(液)を186
kg/時間の割合で連続的に供給した。蒸留操作は圧力5
0mmHg、還流比2で行い、蒸留塔塔底温度は143℃
であった。濃縮物は、塔底より116kg/時間の割合で
回収され、濃縮物の酢酸アミド濃度は97重量%であっ
た。
連続的に供給しながら再度、圧力10mmHg、温度11
0℃の条件下で単蒸留操作を行い、酢酸アミド成分を分
離し、高純度酢酸アミド(純度99.5重量%)を得
た。また装置下部より12kg/時間の割合で残分は回収
され、その残分の組成は表B6に示す通りであった。
器に、表B6に示した組成の残分12kg/時間、水を4
kg/時間の割合で連続的に添加し、同時に反応液を16
kg/時間の割合で抜き出した。温度170℃、操作圧力
5.5kgf/cm2、滞留時間6時間で反応は進行させた。
回収された反応物の組成を下記表B7に示す。反応終了
後のジアセトアミド転化率は96%、アセトアミジン酢
酸塩転化率は91%であった。
送り、酢酸アミドの原料の一部として用いた。
3の反応容器に、酢酸アミド濃度99.5重量%、ジアセ
トアミド濃度0.3重量%、その他水、酢酸などを含む
混合物を90kg/時間、メタノールを10kg/時間の割
合で連続的にフィードした。反応容器温度115℃、反
応液容量2m3で運転した。また反応液は100kg/時
間の割合で連続的に抜き出した。反応容器上部からはメ
タノールを主成分とするベーパーの上昇が確認され、こ
のベーパーはベーパーコンデンサーにて凝縮し、反応容
器へ戻した。ジアセトアミドの転化率は92%であっ
た。
9.5重量%、ジアセトアミド濃度0.3重量%、その他
(水、酢酸など)混合物を95kg/時間、メタノールを
5kg/時間の割合で連続的にフィードする。反応容器温
度120℃、反応液容量3m3で運転した。また反応液
は100kg/時間の割合で連続的に抜き出した。ジアセ
トアミドの転化率は90%であった。
成分を留去した結果、純度99.9重量%以上、ジ酢酸
アミド濃度0.03重量%未満の酢酸アミド製品(高純
度酢酸アミド)89kg/時間を得た。
4の酢酸アンモニウム水溶液に、酢酸を、酢酸アンモニ
ウムの0.7倍モル量加えた。得られた混合物をマクマ
ホン充填物が充填された理論段数10段の充填式精留塔
の下段に100kg/時間の割合で連続的に供給した。な
お、蒸留操作は圧力200Torr、還流比2で行い、蒸留
塔ボトム温度は100℃であった。
酸/水(モル比)=1/0.7/0.5の混合成分が67
kg/時間の割合で回収され、塔頂からは水濃度99.5
重量%の成分が33kg/時間で回収された。
=1/0.2/5の酢酸アンモニウム水溶液に酢酸を加
え、酢酸アンモニウム/酢酸/水(モル比)=1/1/
5の水溶液を調製した。この水溶液をマクマホン充填物
が充填された理論段数10段の充填式精留塔の下段に1
00kg/時間の割合で連続的に供給した。なお、蒸留操
作は圧力200Torr、還流比2で行い、蒸留塔ボトム温
度は100℃であった。
酸/水(モル比)=1/1/0.2の成分が61kg/時
間の割合で回収され、塔頂からは水濃度98.0重量%
の成分が39kg/時間で回収された。
4の酢酸アンモニウム水溶液に、酢酸を、酢酸アンモニ
ウムの0.7倍モル量加えた。得られた混合物をマクマ
ホン充填物が充填された理論段数10段の充填式精留塔
の下段に100kg/時間の割合で連続的に供給した。な
お、蒸留操作は圧力70Torr、還流比2で行い、蒸留塔
ボトム温度は85℃であった。
酸/水(モル比)=1/0.7/0.4の成分が66kg/
時間の割合で回収され、塔頂からは水濃度99.0重量
%の成分が34kg/時間で回収された。
4の酢酸アンモニウム水溶液をマクマホン充填物が充填
された理論段数10段の充填式精留塔の下段に100kg
/時間の割合で連続的に供給した。なお、蒸留操作は圧
力200Torr、還流比2で行い、蒸留塔ボトム温度は1
00℃であった。
酸/水(モル比)=1/0.7/0.5の成分が51kg/
時間の割合で回収され、塔頂からは10重量%アンモニ
ア水が49kg/時間で回収された。
印で示す。マクマホン充填物が充填された理論段数14
段の充填式精留塔が設けられた内容積2m3の攪拌機付
き反応容器の精留塔下部から酢酸を新規に114kg/
時間の割合で、反応容器部からアンモニアを32kg/
時間の割合で連続的に供給した。また、第2、第3工程
より回収されたリサイクル酢酸を72kg/時間、酢酸
アンモニウムを8kg/時間の割合で精留塔上部から新
規に加えた酢酸と共に供給した。操作は、反応器内温度
170℃、還流比2、内容量1.4m3で行った。反応
容器部からアセトアミド濃度60重量%の反応液が18
7kg/時間の割合で、精留塔塔頂からは水濃度88重
量%の酢酸と水の混合物が39kg/時間の割合で回収
された。原料として供給されたアンモニアの転化率は1
00%であり、酢酸アンモニウムの転化率は95%であ
り、アセトアミド選択率は95%であった。
た理論段数22段の充填式精留塔の中央部に、第1工程
で回収されたアセトアミド濃度60重量%の反応液を1
87kg/時間の割合で連続的に供給した。蒸留操作
は、圧力50Torr、還流比2で行い、蒸留温度は1
43℃であった。アセトアミド濃縮物は、塔底より11
3kg/時間の割合で回収され、濃縮物のアセトアミド
濃度は99重量%であった。また、塔頂からは酢酸、酢
酸アンモニウム、水の混合物[酢酸/酢酸アンモニウム
/水(モル比)=11/1/1]が74kg/時間の割
合で回収され、回収物は、そのまま第1工程の反応原料
として使用した。
の混合物をマクマホン充填物が充填された理論段数50
段の充填式精留塔の下段に、39kg/時間の割合で連
続的に供給した。蒸留操作は、圧力70Torr、還流
比2で行い、蒸留温度55℃であった。
酢酸/水混合物が5kg/時間の割合で回収された。そ
の酢酸を主成分とする回収物は、第1工程の反応原料と
して再利用した。
ミドの製造方法の好ましい1態様を示す模式図である。
ルボン酸アミドの製造方法を示す模式図である。図2
中、AcはCH3CO-基の略である。
Claims (11)
- 【請求項1】飽和脂肪族カルボン酸とアンモニアとの反
応によって得られる飽和脂肪族カルボン酸アンモニウム
を脱水して飽和脂肪族カルボン酸アミドを製造するに際
して、 飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムの脱水反応を、反応
系に水を供給して行うことを特徴とする飽和脂肪族カル
ボン酸アミドの製造方法。 - 【請求項2】反応系に水を供給して上記飽和脂肪族カル
ボン酸アミドの製造を連続法で行い、定常状態における
水の量が、飽和脂肪族カルボン酸、アンモニア、飽和脂
肪族カルボン酸アンモニウム、飽和脂肪族カルボン酸ア
ミド、および水の合計モル数を100モルとした場合
に、20〜70モルであることを特徴とする請求項1に
記載の方法。 - 【請求項3】[I]反応容器に、原料として (a)飽和脂肪族カルボン酸とアンモニアと水、および/
または (b)飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムと水 を供給し、 水の存在下に、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムの脱
水反応を行うことにより飽和脂肪族カルボン酸アミドと
水を生成させる第1工程、 [II]上記第1工程で得られた飽和脂肪族カルボン酸ア
ミドと水とを含む反応混合物を、 第1精留塔内で、蒸留により、飽和脂肪族カルボン酸ア
ンモニウムおよび水を含む低沸点成分と、飽和脂肪族カ
ルボン酸アミドを含む高沸点成分とに分離して飽和脂肪
族カルボン酸アミドを得る第2工程、および [III] 第2精留塔内で、上記第2工程で得られる低沸
点成分から一部の水を留去して得られる飽和脂肪族カル
ボン酸アンモニウム水溶液を第1工程に供給する第3工
程、 を含むことを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載の
方法。 - 【請求項4】上記飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムの
脱水反応を130〜250℃の温度、および2〜20k
gf/cm2の圧力条件下に行うことを特徴とする請求
項1〜3の何れかに記載の方法。 - 【請求項5】上記第2工程で得られた飽和脂肪族カルボ
ン酸アミドを高濃度で含む高沸点成分を、さらに精留し
て、飽和脂肪族カルボン酸アミドを分取した残分に、水
を添加して該残分に含まれる副反応生成物を加水分解し
て飽和脂肪族カルボン酸アミドと飽和脂肪族カルボン酸
アンモニウムとを含む混合物を得て、これを第1工程ま
たは第2工程にリサイクル供給する請求項3〜4の何れ
かに記載の方法。 - 【請求項6】上記第2工程で得られた飽和脂肪族カルボ
ン酸アミドを高濃度で含む高沸点成分に、式R2OH
(R2:炭素数1〜4のアルキル基)で示されるアルコ
ールを加え、該高沸点成分中に含まれる副生成物のアル
コリシスを行って飽和脂肪族カルボン酸アミドを得るこ
とを特徴とする請求項3に記載の方法。 - 【請求項7】上記第2工程で得られた飽和脂肪族カルボ
ン酸アミドを高濃度で含む高沸点成分をさらに精留して
得られた飽和脂肪族カルボン酸アミド留分に、式R2O
H(R2:炭素数1〜4のアルキル基)で示されるアル
コールを加え、該留分中に含まれる副生成物のアルコリ
シスを行って飽和脂肪族カルボン酸アミドを得ることを
特徴とする請求項3に記載の方法。 - 【請求項8】上記アルコールがメタノールであり、副生
成物が飽和脂肪族ジカルボン酸アミドであることを特徴
とする請求項6〜7の何れかに記載の方法。 - 【請求項9】上記第3工程において、第2工程で得られ
る飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムおよび水を含む低
沸点成分に、飽和脂肪族カルボン酸を添加して該飽和脂
肪族カルボン酸を該飽和脂肪族カルボン酸アンモニウム
1モルに対して0.1〜10モルの量で存在させて蒸留
し、水を分離することを特徴とする請求項3に記載の方
法。 - 【請求項10】上記飽和脂肪族カルボン酸が、式R1C
OOH(R1:炭素数1〜4のアルキル基)で示され、
飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムが式R1COONH4
(R1:炭素数1〜4のアルキル基)で示され、飽和脂
肪族カルボン酸アミドが式:R2CONH2(R2:炭素
数1〜4のアルキル基)で示される請求項1〜9の何れ
かに記載の方法。 - 【請求項11】上記飽和脂肪族カルボン酸が酢酸であ
り、飽和脂肪族カルボン酸アンモニウムが酢酸アンモニ
ウムであり、飽和脂肪族カルボン酸アミドが酢酸アミド
である請求項10に記載の方法。
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JP9-109444 | 1997-05-12 | ||
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CN115974811A (zh) * | 2023-01-10 | 2023-04-18 | 滕州市天水生物科技有限公司 | 一种2-异丙基-4-甲基噻唑的制备方法 |
-
1997
- 1997-12-03 JP JP33314897A patent/JP3608927B2/ja not_active Expired - Fee Related
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