JPH11292959A - 非晶性ポリエステル樹脂、その製造方法および中空成形容器 - Google Patents

非晶性ポリエステル樹脂、その製造方法および中空成形容器

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JPH11292959A
JPH11292959A JP9931898A JP9931898A JPH11292959A JP H11292959 A JPH11292959 A JP H11292959A JP 9931898 A JP9931898 A JP 9931898A JP 9931898 A JP9931898 A JP 9931898A JP H11292959 A JPH11292959 A JP H11292959A
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淳 二 丹
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町 浩 司 中
Onori Fukuoka
岡 大 典 福
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 下記式[I]で示される繰り返し単位か
ら構成される25℃のテトラクロロエタン/フェノール
=1/1(重量比)の混合溶液中で測定した極限粘度
[η]が0.4dl/g以上であり、DSCで測定したガラ
ス転移温度が120℃以上である非晶性ポリエステル樹
脂;[I]:「-CO-R1-CO-O-R2-O-」{「-CO-R1-CO-」
は、4,4’ースルホンビス安息香酸残基90〜100
モル%、「-O-R2-O-」は、式[II]:「-O-(CH2)n-O-R3
-O-(CH2)n-O-」{「-O-R3-O-」は、炭素数2〜12の脂
肪族または脂環族ジオール残基等、nは2〜12の整
数}で示されるジオール残基が5〜95モル%存在す
る。}。 【効果】 溶融重縮合にて容易に得られ、酸素、二酸化
炭素ガスバリヤー性に優れるとともに耐熱性に優れ、加
熱飲料を充填しても熱変形を生じにくく、かつ所望の中
空成形容器を効率よく製造しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、非晶性ポリエステル樹
脂、その製造方法および中空成形容器に関し、さらに詳
しくは、溶融重縮合にて容易に得られる非晶性ポリエス
テル樹脂であり、酸素、二酸化炭素ガスバリヤー性に優
れるとともに耐熱性に優れ、加熱飲料を充填しても熱変
形を生じにくく、かつ所望の中空成形容器を効率よく製
造しうるような非晶性ポリエステル樹脂、その製造方
法、およびこのようなポリエステル樹脂からなる中空成
形容器に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、ジュース、天然水、各種飲
用茶などの各種飲料用の中空容器(飲料用容器)として
は、種々のプラスチック製中空成形容器が用いられてい
るが、このような容器用の種々のプラスチック素材のう
ちでもポリエチレンテレフタレート(PET)がガスバ
リヤー性、透明性、耐熱性および機械的強度に優れてい
るため多用されている。
【0003】しかしながらPET製中空成形容器に各種
飲料が充填されたのち消費者にわたるまでには、通常か
なりの時間が経過し、この間に、例えば、酸素が外部か
ら容器内に透過・浸入して内容物が変質することがある
という問題点があった。
【0004】ところでPET製飲料用容器には、高温で
加熱滅菌処理された非炭酸系飲料を充填し、あるいは該
容器自体を加熱滅菌処理しても、容器の膨張あるいは収
縮などによって容器が熱変形してしまわないような耐熱
性が要求される。
【0005】このようなPET製飲料容器の問題点を改
善し諸要求に応えるべく、以下に示すような種々の提案
がなされている。例えば、特公平1−49384号公報
には、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソ
フタレートとからなる組成物が開示され、該組成物は、
耐ガス透過性、耐熱性、耐衝撃性、透明性に優れた容器
を形成しうる旨記載されている。
【0006】また、特開昭59−39547号公報に
は、最内層がエチレンテレフタレートを主な繰り返し単
位とするポリエステルからなり、外層がエチレンイソフ
タレートを主な繰り返し単位とするポリエステルからな
る耐ガス透過性多層容器が開示されている。
【0007】しかしながら、上記各公報に記載の容器
は、高温で加熱滅菌処理しようとすると、耐熱性が不十
分であるとの問題点がある。また特開昭60−1614
25号公報には、対称性の良好なモノマーを組み合わせ
て用いることで、結晶性が高められ、ガスバリヤー性が
改良されたPET製容器が提案されている。
【0008】しかしながら、この公報に記載のPET製
容器は、結晶性を有しており、結晶化して白化し透明性
を損ないやすいという問題点がある。さらには、その分
子構造の如何によっては低重合体の融点や該低重合体を
溶融重縮合してなる重合体の融点が極めて高くなり、例
えば、低重合体の溶融重縮合が困難になるとの問題点も
ある。
【0009】このため、溶融重縮合にて容易に製造で
き、高ガスバリヤー性、高耐熱性を有し、透明性に優
れ、かつ成形条件が違っても(例えば成形時の大きな温
度変化が生じても)透明性の変化の少ないポリエステル
樹脂の出現が望まれていた。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、溶融重縮合にて容易に製造で
き、ガスバリヤー性、耐熱性、透明性に優れ、成形条件
が違っても透明性が変わらないような非晶性ポリエステ
ル樹脂、このようなポリエステル樹脂の製造方法、およ
びこのようなポリエステル樹脂からなる中空成形容器を
提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明に係る非晶性ポリエステル樹脂
は、下記式[I]で示される繰り返し単位から構成され
る高分子であり、25℃のテトラクロロエタン/フェノ
ール=1/1(重量比)の混合溶液中で測定した極限粘
度[η]が0.4dl/g以上であり、DSCで測定したガ
ラス転移温度が120℃以上であることを特徴としてい
る。
【0012】
【化4】
【0013】{式[I]中、「−CO−R1−CO−」
は、4,4’ースルホンビス安息香酸残基(イ)、またはテ
レフタル酸残基、イソフタル酸残基、4、4’−ビフェ
ニルジカルボン酸残基、4、4’-スルフィドビス安息
香酸残基、4、4’−オキシビス安息香酸残基、2,6
-ナフタレンジカルボン酸残基、2,7-ナフタレンジカ
ルボン酸残基、1,4ナフタレンジカルボン酸残基、炭
素数2〜12の脂肪族または脂環族ジカルボン酸残基か
ら選ばれる少なくとも1種類のジカルボン酸残基(ロ)で
あり、該非晶性ポリエステル樹脂中に、4,4’ースル
ホンビス安息香酸残基(イ)が90〜100モル%の量
で、ジカルボン酸残基(ロ)が10〜0モル%(ジカルボ
ン酸残基総量100モル%)の量で存在しており、式
[I]中、「−O−R2−O−」は、下記式[II]:
【0014】
【化5】
【0015】{式[II]中、「−O−R3−O−」は、
炭素数2〜12の脂肪族または脂環族ジオール残基(炭
素−炭素結合間に酸素原子が介在していてもよい)、ハ
イドロキノン残基、レゾルシン残基、4,4’−ビフェ
ノール残基、ビスフェノールA残基、ビスフェノールS
残基、ビスフェノールフルオレン残基、4,4’-オキ
シビスヒドロキシフェニル残基、4,4’-スルフィド
ビスヒドロキシフェニル残基から選ばれる少なくとも1
種類の基であり、nは2〜12の整数である。}で示さ
れるジオール残基(ハ)、または炭素数2〜12の脂肪族
または脂環族ジオール残基(炭素−炭素結合間に酸素原
子が介在していてもよい)、ハイドロキノン残基、レゾ
ルシン残基、4,4’−ビフェノール残基、ビスフェノ
ールA残基、ビスフェノールS残基、ビスフェノールフ
ルオレン残基、4,4’-オキシビスヒドロキシフェニ
ル残基、4,4’-スルフィドビスヒドロキシフェニル
残基から選ばれる少なくとも1種類のジオール残基(ニ)
であり、該非晶性ポリエステル樹脂中に、ジオール残基
(ハ)が5〜95モル%の量で、ジオール残基(ニ)が95〜
5モル%(ジオール残基総量100モル%)の量で存在
している。}。
【0016】本発明においては、上記非晶性ポリエステ
ル樹脂を、溶融重縮合法にて製造することが好ましい。
本発明に係るポリエステルの製造方法は、ジカルボン酸
とジオールとのエステル化反応および/またはジカルボ
ン酸の低級アルコールエステルとジオールとのエステル
交換反応を行って低重合体を得るとともに、該低重合体
の溶融重縮合反応を行ってポリエステルを製造する方法
であって、上記ジカルボン酸および/またはジカルボン
酸エステルが、4,4’ースルホンビス安息香酸および
/またはその低級アルコールエステル、および/または
テレフタル酸、イソフタル酸、4、4’−ビフェニルジ
カルボン酸、4、4’-スルフィドビス安息香酸、4、
4’−オキシビス安息香酸、2,6-ナフタレンジカル
ボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフ
タレンジカルボン酸、炭素数2〜12の脂肪族または脂
環族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種類のジカ
ルボン酸および/またはそのエステルであり、上記ジオ
ールが、式:
【0017】
【化6】
【0018】{式[IIb]において、「−O−R3−O
−」は炭素数2〜12の脂肪族または脂環族ジオール残
基(炭素−炭素結合間に酸素原子が介在していてもよ
い)、ハイドロキノン残基、レゾルシン残基、4,4’
−ビフェノール残基、ビスフェノールA残基、ビスフェ
ノールS残基、ビスフェノールフルオレン残基、4,
4’-オキシビスヒドロキシフェニル残基、4,4’-ス
ルフィドビスヒドロキシフェニル残基から選ばれる少な
くとも1種類の基であり、nは2〜12の整数であ
る。}で表されるジオール、および/または炭素数2〜
12の脂肪族または脂環族ジオール(炭素−炭素結合間
に酸素原子が介在していてもよい)、ハイドロキノン、
レゾルシン、4,4’−ビフェノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、
4,4’−オキシビスヒドロキシフェニル、4,4’−
スルフィドビスヒドロキシフェニルから選ばれる少なく
とも1種類のジオールであることを特徴としている。
【0019】本発明の好ましい態様においては、上記ジ
カルボン酸および/またはその低級アルコールエステル
が、4,4’ースルホンビス安息香酸および/またはそ
の低級アルコールエステル(イ)90〜100モル%、お
よびジカルボン酸および/またはそのエステル(ロ)10
〜0モル%(但し、(イ)+(ロ)=100モル%)からな
り、上記ジオールが、式[IIb]で表されるジオール
(ハ)5〜95モル%、およびジオール(ニ)95〜5モル%
(但し、(ハ)+(ニ)=100モル%)からなることが望ま
しい。
【0020】本発明に係る中空成形容器は、上記の非晶
性ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物から成形されてい
ることを特徴としている。本発明によれば、溶融重縮合
にて容易に製造でき、ガスバリヤー性、耐熱性、透明性
に優れ、成形条件が違っても透明性が変わらないような
非晶性ポリエステル樹脂、このようなポリエステル樹脂
の製造方法、このようなポリエステル樹脂からなる中空
成形容器が提供される。
【0021】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る非晶性ポリエ
ステル樹脂、その製造方法および中空成形容器について
具体的に説明する。なお、本明細書では、例えば、ジカ
ルボン酸から誘導される成分単位を、ジカルボン酸残
基、ジカルボン酸単位などと言うことがあり、またジオ
ールから誘導される成分単位を、ジオール残基、ジオー
ル単位などともいう。
【0022】[非晶性ポリエステル樹脂]本発明に係る
非晶性ポリエステル樹脂は、下記式[I]で示される繰
り返し単位から構成される高分子である。
【0023】
【化7】
【0024】<ジカルボン酸残基(ジカルボン酸単位)
>式[I]中、「−CO−R1−CO−」は、必須成分の
4,4’ースルホンビス安息香酸残基(イ)、または必要に
より、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基、4、4’
−ビフェニルジカルボン酸残基、4、4’-スルフィド
ビス安息香酸残基、4、4’−オキシビス安息香酸残
基、2,6-ナフタレンジカルボン酸残基、2,7-ナフ
タレンジカルボン酸残基、1,4ナフタレンジカルボン
酸残基、炭素数2〜12の脂肪族または脂環族ジカルボ
ン酸残基から選ばれる少なくとも1種類のジカルボン酸
残基(ロ)である。
【0025】上記ジカルボン酸残基(ロ)(「その他のジ
カルボン酸残基」とも言う。)のうちでは、テレフタル
酸残基、イソフタル酸残基、2,6-ナフタレンジカル
ボン酸残基、2,7-ナフタレンジカルボン酸残基が好
ましく、特に、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基、
2,6-ナフタレンジカルボン酸残基がガスバリヤー性
に優れた非晶性ポリエステル樹脂となるため望ましい。
【0026】本発明のポリエステル樹脂中には、式
[I]中の「−CO−R1−CO−」で表される4,4’
ースルホンビス安息香酸残基(イ)が90〜100モル%、
好ましくは95〜100モル%の量で、および、上記式
「−CO−R1−CO−」で表される「その他のジカル
ボン酸残基」(ロ)が残部量(但し、ジカルボン酸残基(イ)
+(ロ)=100モル%)、すなわち10〜0モル%、好
ましくは5モル以下の量で含まれていることが望まし
く、このような量で各ジカルボン酸残基が存在している
と、ガスバリヤー性、耐熱性に優れた非晶性ポリエステ
ル樹脂となるため好ましい。 <ジオール残基(ジオール単位)>本発明においては、
上記式[I]中、「−O−R2−O−」はジオール残基を
示し、このジオール残基は、下記式[II]:
【0027】
【化8】
【0028】{式[II]中、「−O−R3−O−」は、
炭素数2〜12の脂肪族または脂環族ジオール残基(炭
素−炭素結合間に酸素原子が介在していてもよい)、ハ
イドロキノン残基、レゾルシン残基、4,4’−ビフェ
ノール残基、ビスフェノールA残基、ビスフェノールS
残基、ビスフェノールフルオレン残基、4,4’-オキ
シビスヒドロキシフェニル残基、4,4’-スルフィド
ビスヒドロキシフェニル残基から選ばれる少なくとも1
種類の基であり、nは2〜12の整数である。}で示さ
れるジオール残基(ハ)、または炭素数2〜12の脂肪族
または脂環族ジオール残基(炭素−炭素結合間に酸素原
子が介在していてもよい)、ハイドロキノン残基、レゾ
ルシン残基、4,4’−ビフェノール残基、ビスフェノ
ールA残基、ビスフェノールS残基、ビスフェノールフ
ルオレン残基、4,4’-オキシビスヒドロキシフェニ
ル残基、4,4’-スルフィドビスヒドロキシフェニル
残基から選ばれる少なくとも1種類のジオール残基(ニ)
(「その他のジオール残基」とも言う。)である。
【0029】本発明においては、上記に例示したジオー
ル残基「−O−R3−O−」の中では芳香環を含むジオ
ール残基が好ましく、ハイドロキノン残基、レゾルシン
残基、ビスフェノールA残基、ビスフェノールS残基、
ビスフェノールフルオレン残基、4,4’-オキシビス
ヒドロキシフェニル残基がより好ましく、レゾルシン残
基、ビスフェノールS残基が、ガスバリヤー性の観点か
ら更に好ましい。また、メチレンの数nは2〜12の整
数であるが、n=2〜4が耐熱性の観点で好ましく、n
=2が経済的により好ましい。
【0030】また、上記式[II]で示されるジオール残
基以外の「−O−R2−O−」(その他のジオール残基
(ニ))のうちでは、炭素数2〜12の脂肪族または脂環
族ジオール残基(炭素−炭素結合間に酸素原子が介在し
ていてもよい)が好ましく、さらには、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ルなどの炭素数2〜12の脂肪族または脂環族ジオール
残基が、製造時の共重合性が良好なため好ましく、特に
エチレングリコール残基が好ましい。
【0031】本発明の非晶性ポリエステル樹脂は、本発
明の目的を損なわない範囲で、上記各残基に加えて、さ
らに、3個以上のカルボキシル基を有する多官能カルボ
ン酸類、または3個以上のヒドロキシ基を有する多官能
アルコールから導かれる単位を含有していてもよく、例
えば、トリメシン酸、無水ピロメリット酸などの多官能
カルボン酸類から導かれる単位;グリセリン、1,1,1-ト
リメチロールメタン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,
1,1-トリメチロールプロパン、ペンタエルスリトールな
どの多官能アルコール類から導かれる単位;を含有して
いてもよい。
【0032】本発明に係る非晶性ポリエステル樹脂にお
いては、式[II]で示されるジオール残基(ハ)が5〜9
5モル%、好ましくは20〜80モル%の量で、その他
のジオール残基(ニ)が残部量、すなわち95〜5モル
%、好ましくは80〜20モル%(但し、ジオール残基
総量[(ハ)+(ニ)]=100モル%)の量で含まれているこ
とが望ましく、このような量で各ジオール残基が存在し
ていると、結晶性が阻害され、非晶性のポリエステル樹
脂が得られるため好ましい。しかも、このような量で各
ジオール残基を有するポリエステルは、後述するような
溶融重縮合法により容易に製造できる。
【0033】本発明に係る非晶性ポリエステル樹脂は、
25℃のテトラクロロエタン/フェノール=1/1(重
量比)の混合溶液中で測定した極限粘度[η]が0.4dl
/g以上であるが、0.5〜1.5dl/gであることが好
ましく、特に0.6〜1.2dl/gであることが望まし
い。このような極限粘度[η]をもつ非晶性ポリエステル
は、結晶化しにくく、機械的強度、ガスバリヤー性、耐
熱性に優れている。
【0034】本発明に係る非晶性ポリエステル樹脂は、
示差走査型熱量計(DSC、昇温速度10℃/分)で測
定されるガラス転移点が、120℃以上であるが、さら
には130℃以上であることが望ましい。
【0035】本発明に係るポリエステル樹脂は非晶性で
ある。ポリエステル樹脂が非晶性であることは、従来よ
り公知の様々な方法で判断あるいは確認しうるが、例え
ば、示差走査型熱量計において、昇温速度10℃/mi
n.で加熱し、ガラス転移点以上の温度で融解による吸
熱ピーク熱量が観測されないことから該ポリエステルが
非晶性であると判断しうる。
【0036】[非晶性ポリエステル樹脂の製造]上記の
ような非晶性ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフ
タレートなどの通常のポリエステル樹脂を製造するのに
一般的に採用されているいずれの方法に準じて製造して
も良いが、その中でも溶融重縮合法により製造すること
が経済的に好ましい。
【0037】溶融重縮合方法にて上記非晶性ポリエステ
ル樹脂を製造するには、まず、ジカルボン酸とジオール
とのエステル化反応および/またはジカルボン酸の低級
アルコールエステルとジオールとのエステル交換反応を
行って低重合体を製造する。
【0038】ジカルボン酸原料としては、上記式[I]
中の「−CO−R1−CO−」を誘導し得る「HO−C
O−R1−CO−OH」(R1:前記式[I]に同じ。)
あるいはそのエステルが用いられる。
【0039】より具体的には、必須成分の4,4’-ス
ルホンビス安息香酸(イ)および必要により用いられる後
述するような「その他のジカルボン酸」(ロ)、あるいは
これらジカルボン酸の低級アルコールエステル((イ)、
(ロ))が用いられる。なお、本発明で、低級アルコール
などにおける低級とは、炭素数が通常、1〜15、好ま
しくは、1〜5、さらに好ましくは1〜2のものをい
う。
【0040】「その他のジカルボン酸」(ロ)としては、
前記したその他のジカルボン酸残基(ロ)を誘導し得るよ
うなジカルボン酸(ロ)、すなわち、テレフタル酸、イソ
フタル酸、4、4’−ビフェニルジカルボン酸、4、
4’-スルフィドビス安息香酸、4、4’−オキシビス
安息香酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナ
フタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン
酸、炭素数2〜12の脂肪族または脂環族ジカルボン酸
が挙げられる。
【0041】これらのカルボン酸(イ)(ロ)あるいはそのエ
ステルのうちでは、前記したような好ましいカルボン酸
残基を誘導しうる酸あるいはその低級アルコールエステ
ル例えば、4,4’-スルホンビス安息香酸メチルが望
ましい。
【0042】ジオール原料としては、前記式[I]中の
「−O−R2−O−」を誘導し得る「HO−R2−OH」
(R2:同上)が用いられる。
【0043】より具体的には、前記式[II]を誘導し得
【0044】
【化9】
【0045】(式[IIb]中、R3、nは式[II]の場
合と同じ。)で示されるジオール(ハ)、および炭素数2
〜12の脂肪族または脂環族ジオール(炭素−炭素結合
間に酸素原子が介在していてもよい)、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、4,4’−ビフェノール、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレ
ン、4,4’-オキシビスヒドロキシフェニル、4,
4’-スルフィドビスヒドロキシフェニルから選ばれる
少なくとも1種類のジオール(ニ)(「その他のジオー
ル」とも言う。)が用いられる。これらのうちで、好ま
しい前記ジオール残基を誘導し得るジオール類例えば、
(ハ)ではビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]スルホン、(ニ)ではエチレングリコールが望まし
い。
【0046】なお、前記多官能カルボン酸、多官能アル
コールを本発明の目的に反しない範囲で用いてもよい。 <エステル化反応、エステル交換反応による低重合物の
製造>エステル化反応は、必須成分の4,4’-スルホ
ンビス安息香酸(イ)および必要により用いられる上記
「その他のジカルボン酸」(ロ)からなるジカルボン酸原
料と、上記ジオール原料とを、通常、180〜260℃
の温度で加圧下に脱水縮合させることにより行うことが
できる。
【0047】また、エステル交換反応は、4,4’-ス
ルホンビス安息香酸(イ)および「その他のジカルボン
酸」(ロ)からなるジカルボン酸の低級アルコールとのエ
ステルと、上記式[IIb]で示されるジオールを主体と
するジオール原料とを、通常、180〜260℃の温度
で、酢酸マンガン、酢酸マンガン2水和物などのエステ
ル交換触媒の存在下に、副生する低級アルコールを留去
(留出)しながら行うことができる。
【0048】いずれの反応方法の場合においても、ジカ
ルボン酸成分に対し、2倍当量以上のジオール成分を反
応させ、低重合体を製造することが、重縮合速度、得ら
れるポリエステルの重合度の点から好ましい。また、こ
れら各原料のうち、ジカルボン酸の1倍当量程度のジオ
ール成分は沸点が250℃以下のものであることが好ま
しい。このように、その沸点が250℃以下のジオール
成分としては、具体的には、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、テトラメチレングリコールが例示で
きる。
【0049】このような低重合体は、従来より公知の何
れの方法でも製造可能である。また、ここで得られる低
重合体は、融点が260℃以上となる場合が多いが、ジ
オール成分中、前記式[IIb]で示されるジオールの割
合が5モル%以下になると、低重合体の融点が高くなり
すぎて溶融重縮合できない場合がある。この低重合体の
融点は用いられる酸、ジオールそれぞれの構成成分組成
などにより変化するが、本発明の範囲内では350℃以
下である。
【0050】<低重合体の溶融重縮合>次いで、この低
重合体を加熱して溶融温度以上の温度、好ましくは溶融
温度以上で350℃以下の温度まで昇温させ、二酸化ゲ
ルマニウム、三酸化アンチモンなどの重合触媒の存在下
に、1Torr以下の減圧下にてジオールを留出しながら溶
融重縮合を行う。重縮合温度は溶融状態を保持する温度
であれば任意であるが、本発明のポリエステルは、ある
程度重合度が向上すると結晶化しなくなるので、260
℃〜290℃の間での重縮合が可能である。また、この
溶融重縮合時に、式[IIb]で示されるジオールが、ジ
カルボン酸成分に対し、95モル%以上になると所定の
分子量を得るのに、溶融重縮合の時間がかかりすぎる場
合があり好ましくない。
【0051】通常は350℃以下の温度で、かつ低重合
体の溶融温度以上の温度で、1時間ほど重縮合反応を行
った後、その温度を通常10〜50℃程度低下させた2
60〜290℃の温度で1〜5時間重縮合を行う。この
ように温度を低下させた方が、重合度が高く、色相の良
好なポリエステル樹脂が得られやすい。
【0052】本発明のポリエステル樹脂(A)を製造す
る際には、触媒、安定剤、着色防止剤などを使用しても
よい。例えば、上記エステル化、重縮合過程において
は、触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
あるいはマンガン、亜鉛、スズ、コバルト、チタン、ア
ンチモン、ゲルマニウムなどの金属化合物挙げられ、よ
り具体的には、例えば、前記二酸化ゲルマニウム、三酸
化アンチモンなどの重縮合触媒;酢酸マンガン、酢酸マ
ンガン2水和物などのエステル交換触媒;が用いられ
る。
【0053】また、安定剤や着色防止剤としては、トリ
メチルリン酸やジフェニルリン酸などのリン酸エステル
化合物やリン酸、亜リン酸エステル化合物、亜リン酸、
さらには、ヒンダードフェノール化合物などが挙げられ
る。
【0054】更に、必要に応じて、紫外線吸収剤や帯電
防止剤などの他の添加剤や、充填剤を添加することもで
きる。このようにして得られたポリエステル樹脂(A)
は、非晶性であり、上記したような極限粘度、ガラス転
移点を有し、機械的強度、ガスバリヤー性、特に酸素、
二酸化炭素ガスバリヤー性に優れるとともに、耐熱性に
優れており、加熱飲料を充填しても熱変形を生じにく
い。しかも、該ポリエステル樹脂(A)を配合した樹脂
組成物から所望の中空成形容器を効率よく製造しうる。
【0055】以下、この非晶性ポリエステル樹脂(A)
を用いてなる中空成形容器について説明する。 <中空成形容器>本発明の非晶性ポリエステル樹脂
(A)からなる中空成形容器は、従来より公知の種々の
方法を利用して製造することができる。例えば、本発明
の非晶性ポリエステル樹脂(A)を溶融し、溶融可塑化
したポリエステル樹脂(A)をダイヘッドからスクリュ
ー回転、プランジャ押出、アキュムレーター等によりパ
リソンを押出し、ついで中空成形容器形状を付与すべき
凹型を備えた分割金型を閉じて該パリソンを該金型で挟
持し、続いて加圧流体をパリソン中に圧入してパリソン
を拡張させ、金型内周面に密着させる方法などにより、
所望の中空成形容器を得ることができる。
【0056】このような中空成形容器は、ガスバリヤー
性、耐熱性、透明性に優れるため、特に高温で加熱滅菌
しながら充填する天然水、飲用茶、果汁飲料などの非炭
酸飲料用の中空成形容器として好適である。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る非晶性ポリエステル樹脂
は、溶融重縮合にて容易に得られ、酸素および二酸化炭
素ガスバリヤー性に優れるとともに透明性に優れ、かつ
成形条件の相違による透明性の差異が少なく、機械的強
度、耐熱性に優れるので、特に加熱滅菌処理の必要な中
空成形用途などに好適に用いることができる。
【0058】本発明の非晶性ポリエステル樹脂を用いる
と、加熱滅菌処理を行っても変形を生じにくい中空成形
容器を形成することができる。
【0059】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0060】なお、以下の実施例および比較例におい
て、中空成形容器の評価は下記のように行なった。 [ポリエステル樹脂の極限粘度]25℃、テトラクロロ
エタン/フェノール=1/1(重量比)の混合溶液中で
測定した。 [ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度および非晶
性の判定]示差走査型熱量計(DSC;パーキンエルマ
ー社製)を用いて測定した。ペレットから切り出した試
料をサンプルパンに10mg秤量し、He雰囲気中、室
温から350℃まで昇温(昇温速度 320℃/分)し
て350℃で10分間保持した後、30℃まで急冷(降
温速度 320℃/分)して30℃で10分間保持し、
次いで350℃まで昇温(昇温速度=10℃/分)し、
ガラス転移温度を測定した。
【0061】また、ガラス転移温度以上の温度で、明確
な吸熱のピークが観測されない場合は非晶性と判定し、
それ以上の温度(ガラス転移温度以上の温度)で融解に
よる吸熱ピークが観測される場合には結晶性と判定し
た。 [ポリエステル樹脂の酸素および二酸化炭素ガスバリヤ
ー性]加熱温度280℃、冷却温度0℃で圧縮成形を行
い、厚さ100μmのフィルムを得た。このフィルムに
対し酸素、および二酸化炭素透過係数をガス透過率測定
装置GPM−205(ジーエルサイエンス(株)製)を
用いてそれぞれ25℃で測定し、この値からポリエステ
ル樹脂の酸素および二酸化炭素ガスバリヤー性を評価し
た。 [急冷時、徐冷時のポリエステル樹脂の透明性]加熱温
度280℃、冷却温度0℃および冷却温度60℃でそれ
ぞれ圧縮成形を行い、厚さ0.5mmのシートを得た。
これらの試料(シート)について、ヘイズメーター(日
本電色工業(株)製、NDH−20D型)を用いて透明
性を測定し、急冷時(冷却温度0℃)および徐冷時(冷
却温度60℃)の透明性とし、成形条件の違いによる透
明性の違いを評価した。 [中空成形容器耐熱性]中空成形容器に水を充填して密
閉した後、120℃スチーム下に30秒間さらし、室温
に戻したときの中空成形容器の変形を未充填のものと比
較評価(目視判定)した。
【0062】 良(○)…変形無し 不良(×)…変形が認められる
【0063】
【実施例1】4,4’-スルホンビス安息香酸メチル
(「SBBA」とも言う。)1672g、ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン(「B
PSHE」とも言う。)846g、エチレングリコール
(「EG」とも言う。)932g、酢酸マンガン4水和
物 0.64gを、撹拌装置、留出管を装備した反応器
に仕込んだ。留出管は、真空ポンプと減圧調整器からな
る真空装置に接続されており、蒸発物を留去可能な構造
となっている。
【0064】まず、反応器内を充分に窒素置換を行った
後、常圧窒素雰囲気下にて、190℃で1時間、ついで
200℃で、1時間撹拌を行い、副生するメタノールを
留去しながらエステル交換反応を行った。全体が白濁し
たら撹拌を終了して、室温まで冷却した。得られた白色
固体に、二酸化ゲルマニウム 0.26gをエチレング
リコール13gとともに添加し、充分に反応器内の窒素
置換をした後、常圧窒素気流下320℃まで昇温し、固
体を融解させながら、1時間撹拌を行った。その後、真
空ポンプを作動させ、1時間かけて280℃まで降温
し、1Torrまでの減圧を行い、そのまま2時間重縮
合反応を行った。
【0065】以上のような重縮合反応後、系内に窒素ガ
スを導入して、常圧に戻し、反応器から重合体を取り出
し、ペレット化した。このペレットについてNMRで分
析を行ったところ、酸の残基のうち4,4’-スルホン
ビス安息香酸残基(SBBA残基)が100モル%、ジ
オール残基のうちビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]スルホン残基(BPSHE残基)が4
9.5モル%、エチレングリコール残基(EG残基)が
48.7モル%、その他のジオール残基(ジエチレング
リコール残基等)が1.8モル%であった。
【0066】このペレットを70℃で14時間減圧乾燥
した。このように減圧乾燥して得られた重合体(ポリエ
ステル)の固有粘度は0.68dl/gであり、ガラス
転移温度は144℃であり、結晶の融解ピークは認めら
れなかった。
【0067】このポリエステルからなるフィルムの酸素
透過係数および二酸化炭素透過係数は0.8(cc・m
m/m2・day・atm)および3.0(cc・mm
/m2・day・atm)であった。また、急冷、徐冷
条件でのシートの透明性はともに2.0%であった。
【0068】さらに、このペレットを用い直接押出方式
の中空成形機を用い、270℃で溶融し、ダイヘッドか
ら1.7cm/秒の速度でパリソンを押し出した。その
後直ちに金型を閉じ、ついでパリソン内に5kgf/c
2の圧縮空気を吹き込んで400mlの円筒中空成形
容器(胴部高さ150mm、胴部外径55mm、目付
(重量)約23gを成形し、上記の耐熱性の評価を行っ
たところ、容器の変形は認められなかった。これらの結
果をまとめて表1に示す。
【0069】
【比較例1】4,4’-スルホンビス安息香酸メチル
1672g、エチレングリコール1242g、酢酸マン
ガン2水和物 0.64gを、実施例1と同様に、19
0℃で1時間、ついで200℃で1時間保持して、エス
テル交換反応を行い、全体が白濁した後、撹拌を終了
し、室温まで冷却した。このようにして得られた固体に
二酸化ゲルマニウム 0.26gをエチレングリコール
13gとともに添加し、充分に窒素置換をした後、常
圧窒素気流下350℃まで昇温したが、上記固体の融解
は認められず、重合体を得ることはできなかった。
【0070】
【比較例2】ジメチルテレフタレート 971g、エチ
レングリコール 1242g、酢酸マンガン2水和物
0.64gを、実施例1と同様に、190℃で1時間、
ついで200℃で1時間保持してエステル交換反応を行
った後、撹拌を終了し、室温まで冷却した。これに二酸
化ゲルマニウム 0.26gをエチレングリコール13
gとともに添加し、充分に窒素置換をした後、常圧窒素
気流下260℃まで昇温した。1時間の撹拌の後、真空
ポンプを作動させ、1時間かけて280℃まで昇温し、
1Torrまでの減圧を行い、そのまま2時間重縮合反
応を行った。
【0071】以上のような重縮合反応後、実施例1と同
様にしてペレットを得、実施例1と同様にしてその評価
を行った。結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】<註> SBBA :4,4'-スルホンビス安
息香酸残基 TA :テレフタル酸残基 EG :エチレングリコール残基 BPSHE:ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]スルホン残基 *その他の残基とは、ジエチレングリコール「−O−C
24−O−C24−O−」 や「−O−C24O−C2
4O−Ph−SO2−Ph−O−C24O−」 「−O(C24O−Ph−SO2−Ph−O−C24
−)2 等を含む(ただし、Phはp-フェニレン基を
示す。)。
【0074】これらの残基はジオール類の脱水反応で生
成するアルコール多量体である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 67:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で示される繰り返し単位から
    構成される高分子であり、 25℃のテトラクロロエタン/フェノール=1/1(重
    量比)の混合溶液中で測定した極限粘度[η]が0.4dl
    /g以上であり、DSCで測定したガラス転移温度が1
    20℃以上であることを特徴とする非晶性ポリエステル
    樹脂; 【化1】 {式[I]中、「−CO−R1−CO−」は、4,4’ー
    スルホンビス安息香酸残基(イ)、またはテレフタル酸残
    基、イソフタル酸残基、4、4’−ビフェニルジカルボ
    ン酸残基、4、4’-スルフィドビス安息香酸残基、
    4、4’−オキシビス安息香酸残基、2,6-ナフタレ
    ンジカルボン酸残基、2,7-ナフタレンジカルボン酸
    残基、1,4ナフタレンジカルボン酸残基、炭素数2〜
    12の脂肪族または脂環族ジカルボン酸残基から選ばれ
    る少なくとも1種類のジカルボン酸残基(ロ)であり、 該非晶性ポリエステル樹脂中に、上記4,4’ースルホ
    ンビス安息香酸残基(イ)が90〜100モル%の量で、
    ジカルボン酸残基(ロ)が10〜0モル%(ジカルボン酸
    残基総量100モル%)の量で存在しており、 式[I]中、「−O−R2−O−」は、下記式[II]: 【化2】 {式[II]中、「−O−R3−O−」は、炭素数2〜1
    2の脂肪族または脂環族ジオール残基(炭素−炭素結合
    間に酸素原子が介在していてもよい)、ハイドロキノン
    残基、レゾルシン残基、4,4’−ビフェノール残基、
    ビスフェノールA残基、ビスフェノールS残基、ビスフ
    ェノールフルオレン残基、4,4’-オキシビスヒドロ
    キシフェニル残基、4,4’-スルフィドビスヒドロキ
    シフェニル残基から選ばれる少なくとも1種類の基であ
    り、nは2〜12の整数である。}で示されるジオール
    残基(ハ)、または炭素数2〜12の脂肪族または脂環族
    ジオール残基(炭素−炭素結合間に酸素原子が介在して
    いてもよい)、ハイドロキノン残基、レゾルシン残基、
    4,4’−ビフェノール残基、ビスフェノールA残基、
    ビスフェノールS残基、ビスフェノールフルオレン残
    基、4,4’-オキシビスヒドロキシフェニル残基、
    4,4’-スルフィドビスヒドロキシフェニル残基から
    選ばれる少なくとも1種類のジオール残基(ニ)であり、 該非晶性ポリエステル樹脂中に、上記ジオール残基(ハ)
    が5〜95モル%の量で、ジオール残基(ニ)が95〜5
    モル%(ジオール残基総量100モル%)の量で存在し
    ている。}。
  2. 【請求項2】上記請求項1に記載の非晶性ポリエステル
    樹脂を、溶融重縮合法にて得ることを特徴とするポリエ
    ステルの製造方法。
  3. 【請求項3】ジカルボン酸とジオールとのエステル化反
    応および/またはジカルボン酸の低級アルコールエステ
    ルとジオールとのエステル交換反応を行って低重合体を
    得るとともに、該低重合体の溶融重縮合反応を行ってポ
    リエステルを製造する方法であって、 上記ジカルボン酸および/またはその低級アルコールエ
    ステルが、 4,4’ースルホンビス安息香酸および/またはその低
    級アルコールエステル(イ)、および/またはテレフタル
    酸、イソフタル酸、4、4’−ビフェニルジカルボン
    酸、4、4’-スルフィドビス安息香酸、4、4’−オ
    キシビス安息香酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、
    2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジ
    カルボン酸、炭素数2〜12の脂肪族または脂環族ジカ
    ルボン酸から選ばれる少なくとも1種類のジカルボン酸
    および/またはそのエステル(ロ)であり、 上記ジオールが、式: 【化3】 {式[IIb]において、「−O−R3−O−」は、炭素
    数2〜12の脂肪族または脂環族ジオール残基(炭素−
    炭素結合間に酸素原子が介在していてもよい)、ハイド
    ロキノン残基、レゾルシン残基、4,4’−ビフェノー
    ル残基、ビスフェノールA残基、ビスフェノールS残
    基、ビスフェノールフルオレン残基、4,4’-オキシ
    ビスヒドロキシフェニル残基、4,4’-スルフィドビ
    スヒドロキシフェニル残基から選ばれる少なくとも1種
    類の基であり、nは2〜12の整数である。}で表され
    るジオール(ハ)、および/または炭素数2〜12の脂肪
    族または脂環族ジオール、ハイドロキノン、レゾルシ
    ン、4,4’−ビフェノール、ビスフェノールA、ビス
    フェノールS、ビスフェノールフルオレン、4,4’−
    オキシビスヒドロキシフェニル、4,4’−スルフィド
    ビスヒドロキシフェニルから選ばれる少なくとも1種類
    のジオール(ニ)であることを特徴とする非晶性ポリエス
    テル樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】上記ジカルボン酸および/またはその低級
    アルコールエステルが、 4,4’ースルホンビス安息香酸および/またはその低
    級アルコールエステル(イ)90〜100モル%、および
    ジカルボン酸および/またはそのエステル(ロ)10〜0
    モル%(但し、(イ)+(ロ)=100モル%)からなり、 上記ジオールが、 上記式[IIb]で表されるジオール(ハ)5〜95モル
    %、およびジオール(ニ)95〜5モル%(但し、(ハ)+
    (ニ)=100モル%)からなることを特徴とする請求項
    3に記載の方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の非晶性ポリエステル樹脂
    を含む樹脂組成物から成形されていることを特徴とする
    中空成形容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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