JPH11292897A - 新規なペンタペプチドおよび活性化酸素阻害剤 - Google Patents

新規なペンタペプチドおよび活性化酸素阻害剤

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JPH11292897A
JPH11292897A JP10137335A JP13733598A JPH11292897A JP H11292897 A JPH11292897 A JP H11292897A JP 10137335 A JP10137335 A JP 10137335A JP 13733598 A JP13733598 A JP 13733598A JP H11292897 A JPH11292897 A JP H11292897A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】カツオ節の蛋白質分解酵素の分解液から、活性
化酸素阻害作用を有する新規なペンタペプチドを提供す
る。 【解決手段】カツオ節を蛋白質分解酵素等で処理し、新
規な活性化酸素阻害作用を有する下記式(I)で表わさ
れるペンタペプチドであり、活性化酸素フリーラジカル
消去作用並びに抗酸化作用を有し、毒性も極めて低い。 Val−Pro−Cys−Gly−Lys
(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品として有用性を
有する下記のアミノ酸配列で表わされるペプチドならび
にそれらペプチドを有効成分とする活性化酸素阻害剤に
関する。 Val−Pro−Cys−Gly−Lys (式中、アミノ酸残基を表わす各記号は、アミノ酸化学
において慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術】活性化酸素が関与する疾病は、火傷、関
節炎などの炎症、再環流障害、抗癌剤の副作用、放射線
障害、消化性潰瘍、細菌性ショック、悪液質、自己免疫
疾患など幅広く存在する。好中球やマクロファージなど
の活性化によって、発生する大量の活性化酸素が引き起
こす疾患は、すべて対象となる。一般に、酸素には動物
に必須の酸素(三重項酸素分子:)と、特定の条
件あるいは体の不調時に生じるラジカル(活性化酸素)
とが存在する。ラジカルは直接又は間接的(過酸化反応
という形で)に細胞膜、細胞内顆粒膜、あるいはDNA
をはじめ種々の細胞成分を変質、損傷させたりする。こ
のラジカルは体内で生産され、その種類はスーパーオキ
シドアニオン(・)、一重項酸素(・)、
水酸化ラジカル(・OH)等が存在する。このうちスー
パーオキシドアニオン(・)は細胞膜の不飽和脂
肪酸等に作用して過酸化反応を引き起こし、脂質に対す
る酸化力は動物に必須な酸素の数千倍も高いといわれて
いる。活性化酸素阻害剤としてのスーパーオキシドジム
スターゼ(SOD、酵素番号EC1.15.1.1)
は、1969年マクコルドら[McCord,J.M.
&Fridovich,I.:J.Biol.Che
m.,244,6049(1969)]によってその作
用が発見された酵素であり、酸素分子が一電子還元され
て生じるスーパーオキシドアニオン(・)を不均
化する 2・+2H→ H+O を触媒する。人体が正常なときにはSODが働いてスー
パーオキシドアニオンの発生を抑えている。このSOD
活性は加齢と共に低下し、すなわち壮年期から老年期に
なると活性が低下し、SOD活性の増減は生体の老化、
癌化のバロメーターともいわれている。このようなSO
D活性が低下するとラジカルの発生は抑えにくくなりS
ODを摂取補強するか、又はラジカルを捕捉除去する活
性化酸素阻害剤の摂取が必要となってくる。一方、水溶
性の抗酸化剤としてのアミノ酸から蛋白質にいたるポリ
ペプチドの活性化酸素阻害作用は、油脂をペプチド類が
包み込むことにより酸素分子と不飽和脂肪酸の接触を阻
害し、脂質ペルオキシラジカル(LOO・)の発生を抑
制すると考えられており、BHA(ブチルヒドロキシル
アニソール)及びBHT(ジブチルヒドロキシトルエ
ン)の抗酸化作用のように、油脂(L)の酸化の際に生
じるラジカル(LOO・)に作用して、酸化の連鎖反応
を停止させるラジカル捕捉作用とは区別している。 LOO・+AH→LOOH+AH・2AH・→2AH
+A 又は LOO・+AH・→LOOH+A (AH;抗酸化剤) このような背景のもとに、抗癌、老化防止に対する特効
薬がない今日、環境中からDNA損傷因子、突然変異因
子、発癌因子、老化因子等を取り除いたり不活性化し、
活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を
示す活性化酸素阻害剤に関する研究や検討が進められて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術で、活性
化酸素阻害剤としてのSODはその製造が困難であり又
原料の入手に制限があり、ビタミンE、ビタミンC、カ
テキン類等は、生体を用いた実験では活性化酸素阻害作
用が十分でない等の難点があり、更に強力な作用を有す
る活性化酸素阻害剤が要望されている。又活性化酸素フ
リーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を示す活性化酸
素阻害剤の多くは、その殆どが化学合成で製造されたも
のであり、又たとえ植物や動物からの材料を用いた天然
物由来のものであっても、その製造過程で人体に害を及
ぼす化学物質を用いたり、生成物の一部を化学物質と反
応させて作られたものが多い。水溶性の抗酸化剤とし
て、アミノ酸から蛋白質に至るポリペプチドのアミノ酸
配列と抗酸化力に関する知見は極めて少なく、山口ら
[ニューフードインダストリー、31巻、18−22頁
(1989年)]は、ジペプチドがアミノ酸や蛋白質よ
りも抗酸化力が強いことを示しており、又最近、拓殖ら
[日本農芸化学会誌、65巻、1635−1641頁
(1991年)]が、ヒスチジンを含む3種の抗酸化ペ
プチドを報告しているのみである。これら活性化酸素フ
リーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を有する活性化
酸素剤が、未だ医薬品として開発が進んでいるとの報告
はない。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者は、カツオ節の
蛋白質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検
索し、新規なペンタペプチドが強い活性化酸素阻害作用
を有することを見出した。そして、このペプチドを医薬
として実用化するための研究を鋭意行った。その結果、
このペプチドが活性化酸素フリーラジカル消去作用並び
に抗酸化作用を有し、天然物由来の活性化酸素阻害剤と
しての有用性を見出した。本発明は係る知見に基づくも
のである。以下に、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る新規なペプチドは、次式 Val−Pro−Cys−Gly−Lys で示されるL体のアミノ酸配列で表わされる新規なペン
タペプチドであり、常温における性状は白色の粉末であ
る。
【0005】前記のペンタペプチドは、化学的に合成す
る方法又はカツオ節の蛋白質分解酵素の分解液から分離
精製する方法を挙げることができる。本発明に係る新規
なペプチドを化学的に合成する場合には、液相法または
固相法等の通常のペプチド合成法によってポリマー性の
固相支持体へペプチドのC末端(カルボキシル末端側)
からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸を順次
ペプチド結合によって結合していくのがよい。そして、
そのようにして得られた合成ペプチドは、トリフルオロ
メタンスルホン酸、フッ化水素等を用いてポリマー性の
固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護基を除
去し、逆相系のカラムを用いた通常の方法で精製するこ
とができる。
【0006】上記のように、本発明に係る新規なペンタ
ペプチドは、カツオ節の蛋白質分解酵素の分解液から分
離精製することができるが、その場合には、例えば、以
下のようにして行うことができる。上記の新規なペプチ
ドを含有しているカツオ節筋肉部を取り出し加水分解す
る。加水分解は常法に従って行う。例えば、ペプシン等
の蛋白質分解酵素で加水分解する場合は、カツオ節を必
要とあれば更に加水分解した後、酵素の至適値に調整
し、酵素を加えてインキュベートする。次いで必要に応
じ中和した後、酵素を失活させて加水分解液を得る。そ
の加水分解液を濾紙及び/又はセライト等を用いて濾過
することによって不溶性成分を除去し、得られた濾液を
セロファン等の半透膜を用いて適当な溶媒(例えば、ト
リス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中
で充分に透析し、その濾液中の成分で半透膜を通過した
成分を含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、ダ
ウケミカル社製のDowex 50W等)にかけ、その
吸着画分から活性化酸素阻害活性を有する成分を含有す
る画分を得、得られた活性化酸素阻害活性画分を陽イオ
ン交換ゲル濾過(例えば、ファルマシア社製のSP−S
ephadex C−25等)によって分画し、得られ
た活性化酸素阻害活性画分を更に逆相HPLCによって
分画する。
【0007】この新規なペンタペプチドは、静脈内への
繰り返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナ
フィラキシーショックを起こさない。又このペプチドは
L−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生体内
のプロテアーゼにより徐々に分解される為、毒性は極め
て低く安全性は極めて高い(LD50>5000mg/
kg:ラット経口投与)。本発明に係るペンタペプチド
は、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射剤、
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調製することがで
きる。投与法としては、通常は、SODが欠乏している
哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射するこ
と、あるいは経口投与することがあげられる。投与量
は、例えば、動物体重1kg当たりペンタペプチド0.
01−10mgの量である。投与回数は、通常、1日1
回から4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調
製することができる。上記の各種製剤において用いられ
る賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の種類は、特に限
定されず、通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいは
カプセル剤に用いられるものを使用することができる。
【0008】錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合剤としては、でんぷん類、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等;崩壊剤としては、カルボキシメ
チルセルロース及びそのカリウム塩類;滑沢剤として
は、ステアリン酸及びその塩類、タルク、ワックス類を
あげることができる。又製剤の調製にあたっては、必要
に応じメントール、クエン酸及びその塩類、香料等の矯
臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、常
法により、本発明に係る新規なペンタペプチドを、注射
用水、生理食塩液及びキシリトールやマンニトールなど
の糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエ
チレングリコール等のグリコールに溶解又は懸濁させて
注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐剤、
酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。本
発明の新規なペンタペプチドを含有する製剤は凍結乾燥
品又は乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例えば
水又は生理食塩液にて溶解して用いることもできる。
【0009】活性化酸素はマクロファージ等の食細胞内
に生じ、食細胞が捕食した異物を分解する役割を有して
いるが、活性化酸素が過剰に生産されると細胞の外に分
泌され、他の組織に障害を起こす。本発明に係る新規な
ペンタペプチドは、優れた活性化酸素阻害作用を有し、
活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を
示すことから、組織障害を引き起こす過剰な活性酸素を
分解して組織を守る作用を持つことから、例えば抗炎症
剤として、関節炎やリュウマチなどに有効であるほか、
ベーチュット病、心筋梗塞等に対しても有用である。
【0010】
【実施例】以下に実施例として、製造例及び試験例を記
載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 通風式焙乾方法により製造した7日間焙乾物(荒節)
1.16gを細かく裁断後、脱イオン水1ιを加えてホ
モジナイズした。得られたカツオ節ホモジネイトにモル
シンF(盛進製薬製)34.8gを加え、pH3.0に
調整して37℃で20時間インキュベートした。このよ
うにして調製したカツオ節−ホモジネイトのモルシン分
解液をDiaflow膜(アミコン社製、YM−10型
膜、分画分子量1万)を用いて限外濾過した。得られた
濾過液をDowex 50W×4(H)を充填したカ
ラムを用いてクロマトグラフィー処理した。脱イオン水
で水洗し、溶出は2N−NHOHで行い溶出液を濃縮
した。この濃縮液をSephadex G−25カラム
によりクロマトグラフィー処理してペプチド画分(分画
番号24−35)を分画した。そのカラムクロマトグラ
フを図1に示した。このペプチド画分を濃縮してカツオ
節由来のペプチド液(粗ペプチド粉末)を得た。更にこ
のペプチド液(粗ペプチド粉末として1.5g)をSP
−Sephadex C−25(H)カラムによりク
ロマトグラフィー処理して各ペプチド画分としてSP−
1画分(分画番号13−31)、SP−2画分(分画番
号32−53)及びSP−3画分(分画番号54−7
0)を分離した。そのカラムクロマトグラフを図2に示
した。これら各ペプチド画分を凍結乾燥して精製ペプチ
ド粉末(以下、カツオ節ペプチドと称す。)として、S
P−1画分0.72g、SP−2画分0.32g及びS
P−3画分0.28gを得た。このようにして分画した
カツオ節ペプチドの中で、活性化酸素阻害活性の高いS
P−3画分のペプチドパウダーを脱イオン水に溶解(7
mg/25μι)した後HPLCを行った。条件はカラ
ムとして野村化学社製Develosil ODS−5
(φ4.6mm ID×25cmL)を使用し、移動相
として0.05%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略
記する。)から25%アセトニトリル/0.05%TF
Aでの濃度勾配法により、流速1.0ml/mim、検
出波長220nmでクロマトグラフィー処理し、溶出時
間45.733分に強い活性化酸素阻害作用を有するペ
プチドフラグメントを得た。その結果は図3に示すとお
りである。このようにして得られた活性化酸素阻害作用
を有するペプチドのアミノ酸配列は、アプライドバイオ
システム(ABI)社製のプロテインシークエンサー4
77A型を用いて決定された。その結果、次式 Val−Pro−Cys−Gly−Lys で示されるL体のアミノ酸配列で表わされるペンタペプ
チドであることが確認された。本発明に係るカツオ節ペ
プチドを活性化酸素阻害剤として、例えば錠剤に製剤す
る場合には、常法に従って、例えば次のように処理すれ
ばよい:(1)ペプチド13g、(2)乳糖87g、
(3)コーンスターチ29g、(4)ステアリン酸マグ
ネシウム1gを原料とし、先ず(1)、(2)及び17
gのコーンスターチを混和し、7gのコーンスターチか
ら作ったペーストとともに顆粒化し、この顆粒に5gの
コーンスターチと(4)とを加え、得られた混合物を圧
縮錠剤機で打錠し、錠剤1000個を製造する。
【0011】製造例2 本例は、Val−Pro−Cys−Gly−Lysの合
成法による製造例である。アプライドバイオシステム
(ABI)社製のペプチド合成装置430A型を用いた
固相法によって当該ペンタペプチドを合成した。固相担
体としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(ポ
リスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂を使用し
た。先ず、当該ペンタペプチドのアミノ酸配列に従っ
て、常法どおり、そのC末端側のリジンからクロロメチ
ル樹脂に反応させ、ペプチド結合樹脂を得た。このとき
のアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下、t−B
ocと略記する。)基で保護されたt−Bocアミノ酸
を使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジオー
ルとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温で1
0分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、更に
10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタンス
ルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無水エ
ーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、その沈
澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾燥し
た。このようにして得られた未精製の合成ペプチドは蒸
留水に溶解した後、逆相系のカラムC18(5μ)を用
いたHPLCにより精製した。移動相として(A)0.
1%TFA含有蒸留水、(B)0.1%TFA含有アセ
トニトリル溶液を使用し、(A)液が20分間で87%
−68%の濃度勾配法により流速1.6ml/minで
クロマトグラフィー処理した。紫外部波長214nmで
検出し、最大の吸収を示した溶出画分を分取し、これを
凍結乾燥することによって目的とする合成ペンタペプチ
ドを得た。
【0012】この合成ペンタペプチドをマススペクトル
により分析した結果、次式 Val−Pro−Cys−Gly−Lys で示されるL体のアミノ酸配列で表わされるペンタペプ
チドであることが確認された。このマススペクトルの結
果は図4に示すとおりである。合成によって得られた本
発明のペンタペプチドは、以下に示すin vitro
(試験管内)試験によって、活性化酸素フリーラジカル
消去作用並びに抗酸化作用を確認することにより、その
活性化酸素阻害効果が確認された。
【0013】試験例1 (活性化酸素フリーラジカル消去作用の測定)ウミホタ
ル−ルシフェリン誘導体(CLA)は一重項酸素(
・)、スーパーオキシドアニオン(・)を特異
的に検出する有効な化学発光試薬であり、発明者ら[A
gric.Biol.Chem.,55,157−16
0(1991)]の方法によりスーパーオキシドジムス
ターゼ(SOD)を消光剤に用いた消光実験によりCL
Aと・との反応速度が求められる。CLA(C
1311ON、東京化成社製、最終濃度1.39×
10−7〜4.64×10−8)溶液10μl、アルブ
ミン(50mg/ml、シグマ化学社製)500μl、
キサンチンオキシダーゼ(1.45unit/ml、シ
グマ化学社製)50μlを順に円筒方石英セル(内径1
4mm、高さ60mm)に入れ、ルミノメーター(Al
oka BLR−102B型、浜松ホトニクス社製)の
試料室内に移し、3mMヒポキサンチン溶液200μl
を注入して、セル底面から化学発光を単一光量子計数に
より測定した。消光剤が存在する場合並びに存在しない
場合の・の発光強度の比率(I/I)はI
I=1+[k/(k+k〔CLA〕)]×[Q]
で表される。ここで[Q]は活性化酸素阻害剤を、k
・の消光速度定数、k・と[CL
A]との反応速度定数、k・と[Q]との反
応速度定数を示す。本発明に係るカツオ節由来の精製ペ
プチド粉末すなわちカツオ節ペプチドの、活性化酸素フ
リーラジカル消去作用を示す活性化酸素阻害活性(消光
速度)を表1に示す。
【表1】 本発明に係る新規なペンタペプチドの活性化酸素フリー
ラジカル消去作用を示す活性化酸素阻害活性値(反応速
度定数k)は1.24×10−6−1sec−1
ある。尚、標品SODの活性化酸素フリーラジカル消去
作用を示す活性化酸素阻害活性値(反応速度定数k
は3.47×10−8−1sec−1である。
【0014】試験例2 (抗酸化作用の測定)抗酸化作用の測定として、反応液
はリノール酸51.1mg、エタノール4.052m
l、0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)4.0m
l、脱イオン水1.948mlの混合液に、抗酸化作用
を有するペプチド1−3mg添加し、全量が1.0ml
となるように調製した。この溶液をネジ付き試験管で密
封し50℃の恒温器中に放置し、24時間毎にリノール
酸の過酸化物価をロダン鉄法で測定した。即ち反応液
0.1ml、75%エタノール液9.7ml、30%ロ
ダンアンモニウム液0.1ml、0.02M塩化第二鉄
を含む3.5%塩酸溶液0.1mlを添加し、3分間反
応させた後、吸光度500nmを測定した。その際、5
00nmの吸光値が0.300に達するまでの日数を誘
導期間(日)とした。本発明に係るカツオ節由来の精製
ペプチド粉末すなわちカツオ節ペプチドの、抗酸化作用
を示す活性化酸素阻害活性値(誘導期間)を図5に示
す。本発明に係る新規なペンタペプチドの抗酸化作用を
示す活性化酸素阻害活性値(誘導日数)は、トコフェロ
ール1mgの6.5日に対して、ペンタペプチド0.1
mgの8.21日である。以上の試験の結果、本発明に
係る新規なペンタペプチドは活性化酸素フリーラジカル
消去作用並びに抗酸化作用を有することから、in v
itro(試験管内)試験において有意な活性化酸素阻
害作用を示すことが確認された。従って、本発明に係る
ペンタペプチドは活性化酸素阻害剤の対象となる虚血性
心疾患者、慢性関節リュウマチ及び重症火傷患者の治療
又は予防薬として有用である。尚、本発明に係るペンタ
ペプチドは、構造的にそのアミノ酸配列で表わされるペ
プチドにおいて、構造中に採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカツオ節のモルシン分解液の、製
造例1におけるSephadex G−25カラムクロ
マトグラフィーによる活性化酸素阻害作用を有するペプ
チドの分離精製の結果を示す図である。尚、図中マーカ
ーとして分子量6千のインシュリン、分子量3,500
のインシュリンB鎖、分子量2,550のインシュリン
A鎖、分子量1,450のバシトラシン及び分子量75
のグリシンを用いた。
【図2】本発明に係るカツオ節ペプチドの、製造例1に
おけるSP−SephadexC−25(H+)カラム
クロマトグラフィーによる活性化酸素阻害作用を有する
ペプチドの分離精製の結果を示す図である。
【図3】本発明に係るカツオ節ペプチドの、製造例1に
おける逆相HPLCによる活性化酸素阻害作用を有する
ペンタペプチドのフラグメントの分離精製の結果を示す
図である。
【図4】本発明に係るペンタペプチドの、製造例2で得
られた合成ペンタペプチドのマススペクトルを示す図で
ある。
【図5】本発明に係るカツオ節ペプチドの、製造例1に
おけるSP画分(1,2,3mg)の誘導期間(日)を
示し、抗酸化作用を表わすと同時に活性化酸素阻害作用
を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式;Val−Pro−Cys−Gly
    −Lys で示されるL体のアミノ酸配列で表わされる新規なペン
    タペプチド。
  2. 【請求項2】 次式;Val−Pro−Cys−Gly
    −Lys で示されるL体のアミノ酸配列で表わされる新規なペン
    タペプチドを有効成分として含有することを特徴とする
    活性化酸素阻害剤。
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