JP2860637B2 - 新規なペプチドおよび活性化酸素阻害剤 - Google Patents
新規なペプチドおよび活性化酸素阻害剤Info
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- JP2860637B2 JP2860637B2 JP7349939A JP34993995A JP2860637B2 JP 2860637 B2 JP2860637 B2 JP 2860637B2 JP 7349939 A JP7349939 A JP 7349939A JP 34993995 A JP34993995 A JP 34993995A JP 2860637 B2 JP2860637 B2 JP 2860637B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として有用性を有
する下記のアミノ酸の配列のペプチド構造を有するペプ
チドならびにそれらペプチドを有効成分とする活性化酸
素阻害剤に関する。 Leu−Asn−Tyr−Cys−Val−Ala (式中、アミノ酸残基を表わす各記号は、アミノ酸化学
において慣用の表示法によるものである。)
する下記のアミノ酸の配列のペプチド構造を有するペプ
チドならびにそれらペプチドを有効成分とする活性化酸
素阻害剤に関する。 Leu−Asn−Tyr−Cys−Val−Ala (式中、アミノ酸残基を表わす各記号は、アミノ酸化学
において慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術】活性化酸素が関与する疾病は、火傷、関
節炎などの炎症、再環流障害、抗癌剤の副作用、放射線
障害、消化性潰瘍、細菌性ショック、悪液質、自己免疫
疾患など幅広く存在する。好中球やマクロファージなど
の活性化によって、発生する大量の活性化酸素が引き起
こす疾患は、すべて対象となる。一般に、酸素には動物
に必須の酸素(三重項酸素分子:3O2)と、特定の条
件あるいは体の不調時に生じるラジカル(活性化酸素)
とが存在する。ラジカルは直接又は間接的(過酸化反応
という形で)に細胞膜、細胞内顆粒膜、あるいはDNA
をはじめ種々の細胞成分を変質、損傷させたりする。こ
のラジカルは体内で生産され、その種類はスーパーオキ
シドアニオン(−O2・)、一重項酸素(1O2・)、
水酸化ラジカル(・OH)等が存在する。このうちスー
パーオキシドアニオン(−O2・)は細胞膜の不飽和脂
肪酸等に作用して過酸化反応を引き起こし、脂質に対す
る酸化力は動物に必須な酸素の数千倍も高いといわれて
いる。活性化酸素阻害剤としてのスーパーオキシドジム
スターゼ(SOD、酵素番号ECl.15.1.1)
は、1969年マクコルドら[McCord,J.M.
&Fridovich,I:J.Biol.Che
m.,244,6049(1969)]によってその作
用が発見された酵素であり、酸素分子が一電子還元され
て生じるスーパーオキシドアニオン(−O2・)を不均
化する 2−O2・+2H+→ H2O2+O2 を触媒する。人体が正常なときにはSODが働いてスー
パーオキシドアニオンの発生を抑えている。このSOD
活性は加齢と共に低下し、すなわち壮年期から老年期に
なると活性が低下し、SOD活性の増減は生体の老化、
癌化のバロメーターともいわれている。このようなSO
D活性が低下するとラジカルの発生は抑えにくくなりS
ODを摂取補強するか、又はラジカルを捕捉除去する活
性化酸素阻害剤の摂取が必要となってくる。一方、水溶
性の抗酸化剤としてのアミノ酸から蛋白質にいたるポリ
ペプチドの活性化酸素阻害作用は、油脂をペプチド類が
包み込むことにより酸素分子と不飽和脂肪酸の接触を阻
害し、脂質ペルオキシラジカル(LOO・)の発生を抑
制すると考えられており、BHA(ブチルヒドロキシル
アニソール)及びBHT(ジブチルヒドロキシトルエ
ン)の抗酸化作用のように、油脂(L)の酸化の際に生
じるラジカル(LOO・)に作用して、酸化の連鎖反応
を停止させるラジカル捕捉作用とは区別している。 LOO・+AH2 →LOOH+AH・ 2AH・→2AH2+A 又は LOO・+AH・→LOOH+A (AH2;抗酸化剤) このような背景のもとに、抗癌、老化防止に対する特効
薬がない今日、環境中からDNA損傷因子、突然変異因
子、発癌因子、老化因子等を取り除いたり不活性化し、
活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を
示す活性化酸素阻害剤に関する研究や検討が進められて
いる。
節炎などの炎症、再環流障害、抗癌剤の副作用、放射線
障害、消化性潰瘍、細菌性ショック、悪液質、自己免疫
疾患など幅広く存在する。好中球やマクロファージなど
の活性化によって、発生する大量の活性化酸素が引き起
こす疾患は、すべて対象となる。一般に、酸素には動物
に必須の酸素(三重項酸素分子:3O2)と、特定の条
件あるいは体の不調時に生じるラジカル(活性化酸素)
とが存在する。ラジカルは直接又は間接的(過酸化反応
という形で)に細胞膜、細胞内顆粒膜、あるいはDNA
をはじめ種々の細胞成分を変質、損傷させたりする。こ
のラジカルは体内で生産され、その種類はスーパーオキ
シドアニオン(−O2・)、一重項酸素(1O2・)、
水酸化ラジカル(・OH)等が存在する。このうちスー
パーオキシドアニオン(−O2・)は細胞膜の不飽和脂
肪酸等に作用して過酸化反応を引き起こし、脂質に対す
る酸化力は動物に必須な酸素の数千倍も高いといわれて
いる。活性化酸素阻害剤としてのスーパーオキシドジム
スターゼ(SOD、酵素番号ECl.15.1.1)
は、1969年マクコルドら[McCord,J.M.
&Fridovich,I:J.Biol.Che
m.,244,6049(1969)]によってその作
用が発見された酵素であり、酸素分子が一電子還元され
て生じるスーパーオキシドアニオン(−O2・)を不均
化する 2−O2・+2H+→ H2O2+O2 を触媒する。人体が正常なときにはSODが働いてスー
パーオキシドアニオンの発生を抑えている。このSOD
活性は加齢と共に低下し、すなわち壮年期から老年期に
なると活性が低下し、SOD活性の増減は生体の老化、
癌化のバロメーターともいわれている。このようなSO
D活性が低下するとラジカルの発生は抑えにくくなりS
ODを摂取補強するか、又はラジカルを捕捉除去する活
性化酸素阻害剤の摂取が必要となってくる。一方、水溶
性の抗酸化剤としてのアミノ酸から蛋白質にいたるポリ
ペプチドの活性化酸素阻害作用は、油脂をペプチド類が
包み込むことにより酸素分子と不飽和脂肪酸の接触を阻
害し、脂質ペルオキシラジカル(LOO・)の発生を抑
制すると考えられており、BHA(ブチルヒドロキシル
アニソール)及びBHT(ジブチルヒドロキシトルエ
ン)の抗酸化作用のように、油脂(L)の酸化の際に生
じるラジカル(LOO・)に作用して、酸化の連鎖反応
を停止させるラジカル捕捉作用とは区別している。 LOO・+AH2 →LOOH+AH・ 2AH・→2AH2+A 又は LOO・+AH・→LOOH+A (AH2;抗酸化剤) このような背景のもとに、抗癌、老化防止に対する特効
薬がない今日、環境中からDNA損傷因子、突然変異因
子、発癌因子、老化因子等を取り除いたり不活性化し、
活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を
示す活性化酸素阻害剤に関する研究や検討が進められて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術で、活性
化酸素阻害剤としてのSODはその製造が困難であり又
原料の入手に制限があり、ビタミンE、ビタミンC、カ
テキン類等は、生体を用いた実験では活性化酸素阻害作
用が十分でない等の難点があり、更に強力な作用を有す
る活性化酸素阻害剤が要望されている。又、活性化酸素
フリーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を示す活性化
酸素阻害剤の多くは、その殆どが化学合成で製造された
ものであり、又たとえ植物や動物からの材料を用いた天
然物由来のものであっても、その製造過程で人体に害を
及ぼす化学物質を用いたり、生成物の一部を化学物質と
反応させて作られたものが多い。水溶性の抗酸化剤とし
て、アミノ酸から蛋白質に至るポリペプチドのアミノ酸
配列と抗酸化力に関する知見は極めて少なく、山口ら
[ニューフードインダストリー、31巻、18〜22頁
(1989年)]は、ジペプチドがアミノ酸や蛋白質よ
りも抗酸化力が強いことを示しており、又、最近、拓殖
ら[日本農芸化学会誌、65巻、1635〜1641頁
(1991年)]が、ヒスチジンを含む3種の抗酸化ペ
プチドを報告しているのみである。これら活性化酸素フ
リーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を有する活性化
酸素剤が、未だ医薬品として開発が進んでいるとの報告
はない。
化酸素阻害剤としてのSODはその製造が困難であり又
原料の入手に制限があり、ビタミンE、ビタミンC、カ
テキン類等は、生体を用いた実験では活性化酸素阻害作
用が十分でない等の難点があり、更に強力な作用を有す
る活性化酸素阻害剤が要望されている。又、活性化酸素
フリーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を示す活性化
酸素阻害剤の多くは、その殆どが化学合成で製造された
ものであり、又たとえ植物や動物からの材料を用いた天
然物由来のものであっても、その製造過程で人体に害を
及ぼす化学物質を用いたり、生成物の一部を化学物質と
反応させて作られたものが多い。水溶性の抗酸化剤とし
て、アミノ酸から蛋白質に至るポリペプチドのアミノ酸
配列と抗酸化力に関する知見は極めて少なく、山口ら
[ニューフードインダストリー、31巻、18〜22頁
(1989年)]は、ジペプチドがアミノ酸や蛋白質よ
りも抗酸化力が強いことを示しており、又、最近、拓殖
ら[日本農芸化学会誌、65巻、1635〜1641頁
(1991年)]が、ヒスチジンを含む3種の抗酸化ペ
プチドを報告しているのみである。これら活性化酸素フ
リーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を有する活性化
酸素剤が、未だ医薬品として開発が進んでいるとの報告
はない。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者は、大豆の蛋白
質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検索
し、新規なヘクサペプチドが強い活性化酸素阻害作用を
有することを見出した。そして、このペプチドを医薬と
して実用化するための研究を鋭意行った。その結果、こ
のペプチドが活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに
抗酸化作用を有し、天然物由来の活性化酸素阻害剤とし
ての有用性を見出した。本発明は係る知見に基づくもの
である。以下に、本発明を詳細に説明する。本発明に係
る新規なペプチドは、次式 Leu−Asn−Tyr−Cys−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸配列で表わされる新規なヘク
サペプチドであり、常温における性状は白色の粉末であ
る。
質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検索
し、新規なヘクサペプチドが強い活性化酸素阻害作用を
有することを見出した。そして、このペプチドを医薬と
して実用化するための研究を鋭意行った。その結果、こ
のペプチドが活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに
抗酸化作用を有し、天然物由来の活性化酸素阻害剤とし
ての有用性を見出した。本発明は係る知見に基づくもの
である。以下に、本発明を詳細に説明する。本発明に係
る新規なペプチドは、次式 Leu−Asn−Tyr−Cys−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸配列で表わされる新規なヘク
サペプチドであり、常温における性状は白色の粉末であ
る。
【0005】前記のヘクサペプチドは、化学的に合成す
る方法又は大豆の蛋白質分解酵素の分解液から分離精製
する方法を挙げることができる。本発明に係る新規なペ
プチドを化学的に合成する場合には、液相法または固相
法等の通常のペプチド合成法によってポリマー性の固相
支持体へペプチドのC末端(カルボキシル末端側)から
そのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸を順次ペプ
チド結合によって結合していくのがよい。そして、その
ようにして得られた合成ペプチドは、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、フッ化水素等を用いてポリマー性の固相
支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護基を除去
し、逆相系のカラムを用いた通常の方法で精製すること
ができる。
る方法又は大豆の蛋白質分解酵素の分解液から分離精製
する方法を挙げることができる。本発明に係る新規なペ
プチドを化学的に合成する場合には、液相法または固相
法等の通常のペプチド合成法によってポリマー性の固相
支持体へペプチドのC末端(カルボキシル末端側)から
そのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸を順次ペプ
チド結合によって結合していくのがよい。そして、その
ようにして得られた合成ペプチドは、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、フッ化水素等を用いてポリマー性の固相
支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護基を除去
し、逆相系のカラムを用いた通常の方法で精製すること
ができる。
【0006】上記のように、本発明に係る新規なヘクサ
ペプチドは、大豆の蛋白質分解酵素の分解液から分離精
製することができるが、その場合には、例えば、以下の
ようにして行うことができる。上記の新規なペプチドを
含有している大豆部分を取り出し加水分解する。加水分
解は常法に従って行う。例えば、ペプシン等の蛋白質分
解酵素で加水分解する場合は、大豆を必要とあれば更に
加水分解した後、酵素の至適値に調整し、酵素を加えて
インキュベートする。次いで必要に応じ中和した後、酵
素を失活させて加水分解液を得る。その加水分解液を濾
紙及び/又はセライト等を用いて濾過することによって
不溶性成分を除去し、得られた濾液をセロファン等の半
透膜を用いて適当な溶媒(例えば、トリス−塩酸緩衝
液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で充分に透析
し、その濾液中の成分で半透膜を通過した成分を含む溶
液を強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、ダウケミカル社
製のDowex 50W等)にかけ、その吸着画分から
活性化酸素阻害活性を有する成分を含有する画分を得、
得られた活性化酸素阻害活性画分を陽イオン交換ゲル濾
過(例えば、ファルマシア社製のSP−Sephade
x C−25等)によって分画し、得られた活性化酸素
阻害活性画分を更に逆相HPLCによって分画する。
ペプチドは、大豆の蛋白質分解酵素の分解液から分離精
製することができるが、その場合には、例えば、以下の
ようにして行うことができる。上記の新規なペプチドを
含有している大豆部分を取り出し加水分解する。加水分
解は常法に従って行う。例えば、ペプシン等の蛋白質分
解酵素で加水分解する場合は、大豆を必要とあれば更に
加水分解した後、酵素の至適値に調整し、酵素を加えて
インキュベートする。次いで必要に応じ中和した後、酵
素を失活させて加水分解液を得る。その加水分解液を濾
紙及び/又はセライト等を用いて濾過することによって
不溶性成分を除去し、得られた濾液をセロファン等の半
透膜を用いて適当な溶媒(例えば、トリス−塩酸緩衝
液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で充分に透析
し、その濾液中の成分で半透膜を通過した成分を含む溶
液を強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、ダウケミカル社
製のDowex 50W等)にかけ、その吸着画分から
活性化酸素阻害活性を有する成分を含有する画分を得、
得られた活性化酸素阻害活性画分を陽イオン交換ゲル濾
過(例えば、ファルマシア社製のSP−Sephade
x C−25等)によって分画し、得られた活性化酸素
阻害活性画分を更に逆相HPLCによって分画する。
【0007】この新規なヘクサペプチドは、静脈内への
繰り返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナ
フィラキシーショックを起こさない。又このペプチドは
L−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生体内
のプロテアーゼにより徐々に分解される為、毒性は極め
て低く安全性は極めて高い(LD50>5000mg/
kg:ラット経口投与)。本発明に係るヘクサペプチド
は、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射剤、
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調製することがで
きる。投与法としては、通常は、SODが欠乏している
哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射するこ
と、あるいは経口投与することがあげられる。投与量
は、例えば、動物体重1kg当たりヘクサペプチド0.
01〜10mgの量である。投与回数は、通常、1日1
回から4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調
製することができる。上記の各種製剤において用いられ
る賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の種類は、特に限
定されず、通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいは
カプセル剤に用いられるものを使用することができる。
繰り返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナ
フィラキシーショックを起こさない。又このペプチドは
L−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生体内
のプロテアーゼにより徐々に分解される為、毒性は極め
て低く安全性は極めて高い(LD50>5000mg/
kg:ラット経口投与)。本発明に係るヘクサペプチド
は、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射剤、
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調製することがで
きる。投与法としては、通常は、SODが欠乏している
哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射するこ
と、あるいは経口投与することがあげられる。投与量
は、例えば、動物体重1kg当たりヘクサペプチド0.
01〜10mgの量である。投与回数は、通常、1日1
回から4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調
製することができる。上記の各種製剤において用いられ
る賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の種類は、特に限
定されず、通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいは
カプセル剤に用いられるものを使用することができる。
【0008】錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合剤としては、でんぷん類、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等;崩壊剤としては、カルボキシメ
チルセルロース及びそのカリウム塩類;滑沢剤として
は、ステアリン酸及びその塩類、タルク、ワックス類を
あげることができる。又製剤の調製にあたっては、必要
に応じメントール、クエン酸及びその塩類、香料等の矯
臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、常
法により、本発明に係る新規なヘクサペプチドを、注射
用水、生理食塩液及びキシリトールやマンニトールなど
の糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエ
チレングリコール等のグリコールに溶解又は懸濁させて
注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐剤、
酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。本
発明の新規なヘクサペプチドを含有する製剤は凍結乾燥
品又は乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例えば
水又は生理食塩液にて溶解して用いることもできる。
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合剤としては、でんぷん類、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等;崩壊剤としては、カルボキシメ
チルセルロース及びそのカリウム塩類;滑沢剤として
は、ステアリン酸及びその塩類、タルク、ワックス類を
あげることができる。又製剤の調製にあたっては、必要
に応じメントール、クエン酸及びその塩類、香料等の矯
臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、常
法により、本発明に係る新規なヘクサペプチドを、注射
用水、生理食塩液及びキシリトールやマンニトールなど
の糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエ
チレングリコール等のグリコールに溶解又は懸濁させて
注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐剤、
酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。本
発明の新規なヘクサペプチドを含有する製剤は凍結乾燥
品又は乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例えば
水又は生理食塩液にて溶解して用いることもできる。
【0009】活性化酸素はマクロファージ等の食細胞内
に生じ、食細胞が捕食した異物を分解する役割を有して
いるが、活性化酸素が過剰に生産されると細胞の外に分
泌され、他の組織に障害を起こす。本発明に係る新規な
ヘクサペプチドは、優れた活性化酸素阻害作用を有し、
活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を
示すことから、組織障害を引き起こす過剰な活性酸素を
分解して組織を守る作用を持つことから、例えば抗炎症
剤として、関節炎やリュウマチなどに有効であるほか、
ベーチュット病、心筋梗塞等に対しても有用である。
に生じ、食細胞が捕食した異物を分解する役割を有して
いるが、活性化酸素が過剰に生産されると細胞の外に分
泌され、他の組織に障害を起こす。本発明に係る新規な
ヘクサペプチドは、優れた活性化酸素阻害作用を有し、
活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに抗酸化作用を
示すことから、組織障害を引き起こす過剰な活性酸素を
分解して組織を守る作用を持つことから、例えば抗炎症
剤として、関節炎やリュウマチなどに有効であるほか、
ベーチュット病、心筋梗塞等に対しても有用である。
【0010】
【実施例】以下に実施例として、製造例及び試験例を記
載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 大豆300gに脱イオン水1ιを加えてホモジナイズし
た。得られた大豆ホモジネイトにペプシン9.9gを加
え、pH2.0に調整して37℃で20時間インキュベ
ートした。このようにして調製した大豆ホモジネイトの
ペプシン分解液をDiaflow膜(アミコン社製、Y
M−10型膜、分画分子量1万)を用いて限外濾過し
た。得られた濾過液をDowex 50W×4(H+)
を充填したカラムを用いてクロマトグラフィー処理し
た。脱イオン水で水洗し、溶出は2N−NH4OHで行
い溶出液を濃縮した。この濃縮液をSephadex
G−25カラムによりクロマトグラフィー処理して低分
子ペプチド画分(分画番号25〜42)を分離した。そ
のカラムクロマトグラフを図1に示した。この低分子ペ
プチド画分を濃縮して大豆ペプチド液を得た。更にこの
ペプチド液をSP−Sephadex C−25
(H+)カラムによりクロマトグラフィー処理して各ペ
プチド画分としてSP−1画分(分画番号13〜2
2)、SP−2画分(分画番号23〜29)、SP−3
画分(分画番号30〜40)、SP−4画分(分画番号
41〜50)、SP−5画分(分画番号51〜70)及
びSP−6画分(分画番号71〜100)を分離した。
そのカラムクロマトグラフを図2に示した。これら各ペ
プチド画分を凍結乾燥してペプチドパウダー(以下、大
豆ペプチドと称す。)として、SP−1画分2.4g、
SP−2画分5.2g、SP−3画分12.5g、SP
−4画分11.0g,SP−5画分24.6g及びSP
−6画分41.3gを得た。このようにして分画した大
豆ペプチドの中で、活性化酸素阻害活性の高いSP−4
画分のペプチドパウダーを脱イオン水に溶解(5mg/
25μι)した後HPLCを行った。条件はカラムとし
て野村化学社製Develosil ODS−5(φ
4.6mm ID×25cmL)を使用し、移動相とし
て0.05%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記す
る。)から25%アセトニトリル/0.05%TFAで
の濃度勾配法により、流速1.0ml/min、検出波
長220nmでクロマトグラフィー処理し、溶出時間5
9.5分に強い活性化酸素阻害作用を有するペプチドフ
ラグメントを得た。その結果は図3に示すとおりであ
る。このようにして得られた活性化酸素阻害作用を有す
るペプチドのアミノ酸配列は、アプライドバイオシステ
ム(ABI)社製のプロテインシークエンサー477A
型を用いて決定された。その結果、次式 Leu−Asn−Tyr−Cys−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸残基からなる配列を有するヘ
クサペプチドであることが確認された。本発明に係る大
豆ペプチドを活性化酸素阻害剤として、例えば錠剤に製
剤する場合には、常法に従って、例えば次のように処理
すればよい:(1)ペプチド13g、(2)乳糖87
g、(3)コーンスターチ29g、(4)ステアリン酸
マグネシウム1gを原料とし、先ず(1)、(2)及び
17gのコーンスターチを混和し、7gのコーンスター
チから作ったペーストとともに顆粒化し、この顆粒に5
gのコーンスターチと(4)とを加え、得られた混合物
を圧縮錠剤機で打錠し、錠剤1000個を製造する。
載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 大豆300gに脱イオン水1ιを加えてホモジナイズし
た。得られた大豆ホモジネイトにペプシン9.9gを加
え、pH2.0に調整して37℃で20時間インキュベ
ートした。このようにして調製した大豆ホモジネイトの
ペプシン分解液をDiaflow膜(アミコン社製、Y
M−10型膜、分画分子量1万)を用いて限外濾過し
た。得られた濾過液をDowex 50W×4(H+)
を充填したカラムを用いてクロマトグラフィー処理し
た。脱イオン水で水洗し、溶出は2N−NH4OHで行
い溶出液を濃縮した。この濃縮液をSephadex
G−25カラムによりクロマトグラフィー処理して低分
子ペプチド画分(分画番号25〜42)を分離した。そ
のカラムクロマトグラフを図1に示した。この低分子ペ
プチド画分を濃縮して大豆ペプチド液を得た。更にこの
ペプチド液をSP−Sephadex C−25
(H+)カラムによりクロマトグラフィー処理して各ペ
プチド画分としてSP−1画分(分画番号13〜2
2)、SP−2画分(分画番号23〜29)、SP−3
画分(分画番号30〜40)、SP−4画分(分画番号
41〜50)、SP−5画分(分画番号51〜70)及
びSP−6画分(分画番号71〜100)を分離した。
そのカラムクロマトグラフを図2に示した。これら各ペ
プチド画分を凍結乾燥してペプチドパウダー(以下、大
豆ペプチドと称す。)として、SP−1画分2.4g、
SP−2画分5.2g、SP−3画分12.5g、SP
−4画分11.0g,SP−5画分24.6g及びSP
−6画分41.3gを得た。このようにして分画した大
豆ペプチドの中で、活性化酸素阻害活性の高いSP−4
画分のペプチドパウダーを脱イオン水に溶解(5mg/
25μι)した後HPLCを行った。条件はカラムとし
て野村化学社製Develosil ODS−5(φ
4.6mm ID×25cmL)を使用し、移動相とし
て0.05%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記す
る。)から25%アセトニトリル/0.05%TFAで
の濃度勾配法により、流速1.0ml/min、検出波
長220nmでクロマトグラフィー処理し、溶出時間5
9.5分に強い活性化酸素阻害作用を有するペプチドフ
ラグメントを得た。その結果は図3に示すとおりであ
る。このようにして得られた活性化酸素阻害作用を有す
るペプチドのアミノ酸配列は、アプライドバイオシステ
ム(ABI)社製のプロテインシークエンサー477A
型を用いて決定された。その結果、次式 Leu−Asn−Tyr−Cys−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸残基からなる配列を有するヘ
クサペプチドであることが確認された。本発明に係る大
豆ペプチドを活性化酸素阻害剤として、例えば錠剤に製
剤する場合には、常法に従って、例えば次のように処理
すればよい:(1)ペプチド13g、(2)乳糖87
g、(3)コーンスターチ29g、(4)ステアリン酸
マグネシウム1gを原料とし、先ず(1)、(2)及び
17gのコーンスターチを混和し、7gのコーンスター
チから作ったペーストとともに顆粒化し、この顆粒に5
gのコーンスターチと(4)とを加え、得られた混合物
を圧縮錠剤機で打錠し、錠剤1000個を製造する。
【0011】製造例2 本例は、Leu−Asn−Tyr−Cys−Val−A
laの合成法による製造例である。アプライドバイオシ
ステム(ABI)社製のペプチド合成装置430A型を
用いた固相法によって当該ヘクサペプチドを合成した。
固相担体としては、スチレンージビニルベンゼン共重合
体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂を使
用した。先ず、当該ヘクサペプチドのアミノ酸配列に従
って、常法どおり、そのC末端側のロイシンからクロロ
メチル樹脂に反応させ、ペプチド結合樹脂を得た。この
ときのアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下、t
−Bocと略記する。)基で保護されたt−Bocアミ
ノ酸を使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジ
オールとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温
で10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、
更に10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタ
ンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無
水エーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、そ
の沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾
燥した。このようにして得られた未精製の合成ペプチド
は蒸留水に溶解した後、逆相系のカラムC18(5μ)
を用いたHPLCにより精製した。移動相として(A)
0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1%TFA含有
アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が20分間で9
4%→73%の濃度勾配法により流速1.3ml/mi
nでクロマトグラフィー処理した。紫外部波長217n
mで検出し、最大の吸収を示した溶出画分を分取し、こ
れを凍結乾燥することによって目的とする合成ヘクサペ
プチドを得た。
laの合成法による製造例である。アプライドバイオシ
ステム(ABI)社製のペプチド合成装置430A型を
用いた固相法によって当該ヘクサペプチドを合成した。
固相担体としては、スチレンージビニルベンゼン共重合
体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂を使
用した。先ず、当該ヘクサペプチドのアミノ酸配列に従
って、常法どおり、そのC末端側のロイシンからクロロ
メチル樹脂に反応させ、ペプチド結合樹脂を得た。この
ときのアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下、t
−Bocと略記する。)基で保護されたt−Bocアミ
ノ酸を使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジ
オールとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温
で10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、
更に10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタ
ンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無
水エーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、そ
の沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾
燥した。このようにして得られた未精製の合成ペプチド
は蒸留水に溶解した後、逆相系のカラムC18(5μ)
を用いたHPLCにより精製した。移動相として(A)
0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1%TFA含有
アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が20分間で9
4%→73%の濃度勾配法により流速1.3ml/mi
nでクロマトグラフィー処理した。紫外部波長217n
mで検出し、最大の吸収を示した溶出画分を分取し、こ
れを凍結乾燥することによって目的とする合成ヘクサペ
プチドを得た。
【0012】この合成ヘクサペプチドをマススペクトル
により分析した結果、次式 Lcu−Asn−Tyr−Cys−Val−Ala なるアミノ酸配列構造を有するヘクサペプチドであるこ
とが確認された。このマススペクトルの結果は図4に示
すとおりである。合成によって得られた本発明のヘクサ
ペプチドは、以下に示すin vitro(試験管内)
試験によって、活性化酸素フリーラジカル消去作用並び
に抗酸化作用を確認することにより、その活性化酸素阻
害効果が確認された。
により分析した結果、次式 Lcu−Asn−Tyr−Cys−Val−Ala なるアミノ酸配列構造を有するヘクサペプチドであるこ
とが確認された。このマススペクトルの結果は図4に示
すとおりである。合成によって得られた本発明のヘクサ
ペプチドは、以下に示すin vitro(試験管内)
試験によって、活性化酸素フリーラジカル消去作用並び
に抗酸化作用を確認することにより、その活性化酸素阻
害効果が確認された。
【0013】試験例1 (活性化酸素フリーラジカル消去作用の測定) ウミホタル−ルシフェリン誘導体(CLA)は一重項酸
素(1O2・)、スーパーオキシドアニオン(−O
2・)を特異的に検出する有効な化学発光試薬であり、
発明者ら[Agric.Biol.Chem.,55,
157〜160(1991)]の方法によりスーパーオ
キシドジムスターゼ(SOD)を消光剤に用いた消光実
験によりCLAと−O2・との反応速度が求められる。
CLA(C13H11ON3、東京化成社製、最終濃度
1.39×10−7〜4.64×10−8)溶液10μ
l、アルブミン(50mg/mlシグマ化学社製)50
0μl、キサンチンオキシダーゼ(1.45unit/
ml、シグマ化学社製)50μlを順に円筒方石英セル
(内径14mm、高さ60mm)に入れ、ルミノメータ
ー(Aloka BLR−102B型、浜松ホトニクス
社製)の試料室内に移し、3mMヒポキサンチン溶液2
00μlを注入して、セル底面から化学発光を単一光量
子計数により測定した。消光剤が存在する場合並びに存
在しない場合の−O2・の発光強度の比率(I0/I)
はI0/I=1+[k3/(k1+k2〔CLA〕)]
×[Q]で表される。ここで[Q]は活性化酸素阻害剤
を、k1は−O2・の消光速度定数、k2は−O2・と
[CLA]との反応速度定数、k3は−O2・と[Q]
との反応速度定数を示す。本発明に係る大豆由来のペプ
チド画分の、活性化酸素フリーラジカル消去作用を示す
活性化酸素阻害活性(消光速度)を表1に示す。
素(1O2・)、スーパーオキシドアニオン(−O
2・)を特異的に検出する有効な化学発光試薬であり、
発明者ら[Agric.Biol.Chem.,55,
157〜160(1991)]の方法によりスーパーオ
キシドジムスターゼ(SOD)を消光剤に用いた消光実
験によりCLAと−O2・との反応速度が求められる。
CLA(C13H11ON3、東京化成社製、最終濃度
1.39×10−7〜4.64×10−8)溶液10μ
l、アルブミン(50mg/mlシグマ化学社製)50
0μl、キサンチンオキシダーゼ(1.45unit/
ml、シグマ化学社製)50μlを順に円筒方石英セル
(内径14mm、高さ60mm)に入れ、ルミノメータ
ー(Aloka BLR−102B型、浜松ホトニクス
社製)の試料室内に移し、3mMヒポキサンチン溶液2
00μlを注入して、セル底面から化学発光を単一光量
子計数により測定した。消光剤が存在する場合並びに存
在しない場合の−O2・の発光強度の比率(I0/I)
はI0/I=1+[k3/(k1+k2〔CLA〕)]
×[Q]で表される。ここで[Q]は活性化酸素阻害剤
を、k1は−O2・の消光速度定数、k2は−O2・と
[CLA]との反応速度定数、k3は−O2・と[Q]
との反応速度定数を示す。本発明に係る大豆由来のペプ
チド画分の、活性化酸素フリーラジカル消去作用を示す
活性化酸素阻害活性(消光速度)を表1に示す。
【表1】 本発明に係る新規なヘクサペプチドの活性化酸素フリー
ラジカル消去作用を示す活性化酸素阻害活性値(反応速
度定数k3)は1.56×10−6M−1sec−1で
ある。尚、標品SODの活性化酸素フリーラジカル消去
作用を示す活性化酸素阻害活性値(反応速度定数k3)
は3.47×10−8M−1sec−1である。
ラジカル消去作用を示す活性化酸素阻害活性値(反応速
度定数k3)は1.56×10−6M−1sec−1で
ある。尚、標品SODの活性化酸素フリーラジカル消去
作用を示す活性化酸素阻害活性値(反応速度定数k3)
は3.47×10−8M−1sec−1である。
【0014】試験例2 (抗酸化作用の測定) 抗酸化作用の測定として、反応液はリノール酸51.1
mg、エタノール4.052ml、0.05Mリン酸緩
衝液(pH7.0)4.0ml脱イオン水1.948m
lの混合液に、抗酸化作用を有するペプチド1〜3mg
添加し、全量が10mlとなるように調製した。この溶
液をネジ付き試験管で密封し50℃の恒温器中に放置
し、24時間毎にリノール酸の過酸化物価をロダン鉄法
で測定した。即ち反応液0.1ml、75%エタノール
液9.7ml、30%ロダンアンモニウム液0.1m
l、0.02M塩化第二鉄を含む3.5%塩酸溶液0.
1mlを添加し、3分間反応させた後、吸光度500n
mを測定した。その際、500nmの吸光値が0.35
に達するまでの日数を誘導日数(日)とした。本発明に
係る大豆由来のペプチド画分の、抗酸化作用を示す活性
化酸素阻害活性値(誘導日数)を図5に示す。本発明に
係る新規なヘクサペプチドの抗酸化作用を示す活性化酸
素阻害活性値(誘導日数)は、トコフェロール2mgの
6.5日に対して、ヘクサペプチド1mgの15日であ
る。以上の試験の結果、本発明に係る新規なヘクサペプ
チドは活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに抗酸化
作用を有することから、in vitro(試験管内)
試験において有意な活性化酸素阻害作用を示すことが確
認された。従って、本発明に係るヘクサペプチドは活性
化酸素阻害剤の対象となる虚血性心疾患者、慢性関節リ
ュウマチ及び重症火傷患者の治療又は予防薬として有用
である。尚、本発明に係るヘクサペプチドは、構造的に
そのアミノ酸配列で表わされるペプチドにおいて、構造
中に採用することもできる。
mg、エタノール4.052ml、0.05Mリン酸緩
衝液(pH7.0)4.0ml脱イオン水1.948m
lの混合液に、抗酸化作用を有するペプチド1〜3mg
添加し、全量が10mlとなるように調製した。この溶
液をネジ付き試験管で密封し50℃の恒温器中に放置
し、24時間毎にリノール酸の過酸化物価をロダン鉄法
で測定した。即ち反応液0.1ml、75%エタノール
液9.7ml、30%ロダンアンモニウム液0.1m
l、0.02M塩化第二鉄を含む3.5%塩酸溶液0.
1mlを添加し、3分間反応させた後、吸光度500n
mを測定した。その際、500nmの吸光値が0.35
に達するまでの日数を誘導日数(日)とした。本発明に
係る大豆由来のペプチド画分の、抗酸化作用を示す活性
化酸素阻害活性値(誘導日数)を図5に示す。本発明に
係る新規なヘクサペプチドの抗酸化作用を示す活性化酸
素阻害活性値(誘導日数)は、トコフェロール2mgの
6.5日に対して、ヘクサペプチド1mgの15日であ
る。以上の試験の結果、本発明に係る新規なヘクサペプ
チドは活性化酸素フリーラジカル消去作用並びに抗酸化
作用を有することから、in vitro(試験管内)
試験において有意な活性化酸素阻害作用を示すことが確
認された。従って、本発明に係るヘクサペプチドは活性
化酸素阻害剤の対象となる虚血性心疾患者、慢性関節リ
ュウマチ及び重症火傷患者の治療又は予防薬として有用
である。尚、本発明に係るヘクサペプチドは、構造的に
そのアミノ酸配列で表わされるペプチドにおいて、構造
中に採用することもできる。
【図1】本発明に係る大豆のペプシン分解液の、製造例
1におけるSephadexG−25カラムクロマトグ
ラフィーによる活性化酸素阻害ペプチドの分離精製の結
果を示す図である。尚、図中マーカーとして分子量6千
のインシュリン、分子量3,500のインシュリンB
鎖、分子量2,550のインシュリンA鎖、分子量1,
450のバシトラシン及び分子量75のグリシンを用い
た。
1におけるSephadexG−25カラムクロマトグ
ラフィーによる活性化酸素阻害ペプチドの分離精製の結
果を示す図である。尚、図中マーカーとして分子量6千
のインシュリン、分子量3,500のインシュリンB
鎖、分子量2,550のインシュリンA鎖、分子量1,
450のバシトラシン及び分子量75のグリシンを用い
た。
【図2】本発明に係る大豆ペプチドの、製造例1におけ
るSP−Sephadex C−25(H+)カラムク
ロマトグラフィーによる活性化酸素阻害ペプチドの分離
精製の結果を示す図である。
るSP−Sephadex C−25(H+)カラムク
ロマトグラフィーによる活性化酸素阻害ペプチドの分離
精製の結果を示す図である。
【図3】本発明に係る大豆ペプチドの製造例1における
逆相HPLCによる活性化酸素阻害ヘクサペプチドのフ
ラグメントの分離精製の結果を示す図である。
逆相HPLCによる活性化酸素阻害ヘクサペプチドのフ
ラグメントの分離精製の結果を示す図である。
【図4】本発明に係るヘクサペプチドの、製造例2で得
られた合成ヘクサペプチドのマススペクトルを示す図で
ある。
られた合成ヘクサペプチドのマススペクトルを示す図で
ある。
【図5】
本発明に係る大豆ペプチドの、製造例1におけるSP画
分(1,2,3mg)の誘導日数(日)を示し、抗酸化
作用を表わすと同時に活性化酸素阻害作用を示す図であ
る。
分(1,2,3mg)の誘導日数(日)を示し、抗酸化
作用を表わすと同時に活性化酸素阻害作用を示す図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 次式;Leu−Asn−Tyr−Cys
−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
有する新規なヘクサペプチド。 - 【請求項2】 次式;Leu−Asn−Tyr−Cys
−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
有する新規なヘクサペプチドを有効成分として含有する
ことを特徴とする活性化酸素阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7349939A JP2860637B2 (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | 新規なペプチドおよび活性化酸素阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7349939A JP2860637B2 (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | 新規なペプチドおよび活性化酸素阻害剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09157292A JPH09157292A (ja) | 1997-06-17 |
JP2860637B2 true JP2860637B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=18407129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7349939A Expired - Lifetime JP2860637B2 (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | 新規なペプチドおよび活性化酸素阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2860637B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19818044A1 (de) * | 1998-04-22 | 1999-10-28 | Klinge Co Chem Pharm Fab | Verwendung von Vitamin-PP-Verbindungen |
EP1864692A1 (en) * | 2006-06-07 | 2007-12-12 | Biotempt B.V. | Use of peptides for the control of radiation injury |
JP5307559B2 (ja) * | 2006-03-07 | 2013-10-02 | バイオテンプト ビー.ブイ. | 放射線障害の制御の為にペプチドを使用する方法 |
WO2014039074A2 (en) * | 2012-09-04 | 2014-03-13 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Therapeutic compositions and related methods |
RU2688187C1 (ru) * | 2018-07-24 | 2019-05-21 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Алтайский государственный медицинский университет" Министерства здравоохранения Российской Федерации | Фармакологическое средство для лечения язвенной болезни желудка |
-
1995
- 1995-12-11 JP JP7349939A patent/JP2860637B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09157292A (ja) | 1997-06-17 |
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