JP2863898B2 - 新規なペプチドおよび免疫賦活剤 - Google Patents

新規なペプチドおよび免疫賦活剤

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JP2863898B2 JP7072224A JP7222495A JP2863898B2 JP 2863898 B2 JP2863898 B2 JP 2863898B2 JP 7072224 A JP7072224 A JP 7072224A JP 7222495 A JP7222495 A JP 7222495A JP 2863898 B2 JP2863898 B2 JP 2863898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品として有用性を
有する下記のアミノ酸配列で表されるペプチドならびに
そのペプチドを有効成分とする免疫賦活剤に関する。 Glu−Gln−Gln−Gly−Lys−Gly−Ilc (式中、アミノ酸残基を表す各記号は、アミノ酸化学に
おいて慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】摂取さ
れた食品は消化管の中で分解、吸収される過程で宿主免
疫系への種々の影響を与えることが知られている〔J.
L.Decker et al.:Ann.Inter
n.Med.,101,810−824(198
4)〕。宿主の免疫反応は免疫担当細胞であるリンパ球
及びマクロファージから分泌される生理活性物質によっ
て調節、制御されていることが知られているが、一方、
食品成分中にも宿主免疫系を調節する物質の存在が知ら
れている。その中には、食品蛋白質を酵素分解したペプ
チドとして、ヒトカゼイン由来Gly−Leu−Ph
e、ウシカゼイン由来Leu−Leu−Tyr、ヒトβ
カゼイン由来Val−Glu−Pro−Ile−Pro
−Tyrのものが知られておりいずれもマクロファージ
の活性を上昇させることが見出されている〔F.Par
ker et al.:Eur.J.Bioche
m.,145,677−682(1984),J.Be
rthou et al.:FABS Lett,21
8,55−58(1987)〕。生体内に摂取された食
品蛋白質は、そのままの形かあるいは分解されてペプチ
ドの形で免疫応答系細胞と接する。このような食品成分
と免疫応答系細胞との相互作用は、これまで知られてい
るところでは、たとえば免疫系の異常状態である食品ア
レルギーを引き起こす場合があり、免疫系の賦活あるい
は抑制という形となって観察されている。免疫応答系を
調節する本来の生体内物質としてインターロイキンをは
じめとするサイトカイニンと呼ばれる一群のポリペプチ
ドであり、その機能及び構造について多くの情報が集積
しつつある。これに対し、食品蛋白質由来のペプチドで
免疫調節機能をもつものは多くはなく、未だ医薬品とし
ての開発が進んでいるとの報告はない。
【0003】
【問題を解決するための手段】本発明者は、大豆のタン
パク質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検
索し、新規なペプチドが強い免疫賦活作用を有すること
を見出した。そして、このペプチドを医薬品として実用
化するための研究を鋭意行った。その結果、このペプチ
ドが免疫賦活作用を有し、天然物由来の免疫賦活剤とし
ての有用性を見出した。本発明は係る知見に基づくもの
である。以下に、本発明を詳細に説明する。 本発明に係る新規なペプチドは、次式 Glu−Gln
−Gln−Gly−Lys−Gly−Ile (式中の各記号はペプチド化学におけるアミノ酸配列の
各アミノ酸単位を示す。)の式で示されるL体のアミノ
酸配列で表される新規なペプチドであり、常温における
性状は白色の粉末である。
【0004】本発明に係る新規なペプチドは、化学的に
合成する方法または大豆の蛋白質分解酵素の分解液から
分離精製する方法を挙げることができる。本発明に係る
新規なペプチドを化学的に合成する場合には、液相法ま
たは固相法等の通常のペプチド合成方法によって行うこ
とができるが、好ましくは、固相法によってポリマー性
の固相支持体へ前記ペプチドのC末端(カルボキシル末
端側)からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸
を順次ペプチド結合によって結合していくのがよい。そ
して、そのようにして得られた合成ペプチドは、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、フッ化水素等を用いてポリマ
ー性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護
基を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体クロマト
グラフィー(以下、HPLCと略記する。)等を用いた
通常の方法で精製することができる。
【0005】上記したように、本発明に係る新規なペプ
チドは大豆の蛋白質分解酵素の分解液から分離すること
ができるが、その場合には、発明者等の文献〔J.Nu
tr.Biochem.,1993,vol.4,Au
gust〕の方法に準拠し、例えば、以下のようにして
行うことができる。上記の新規なペプチドを含有してい
る生大豆を用いて、適当な溶媒(例えば、水−トリス塩
酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で十分に
ホモジネイトした後、加水分解する。加水分解は常法に
従って行う。例えば、ペプシン等の蛋白質分解酵素で加
水分解する場合には、生大豆ホモジネイトを必要とあれ
ば更に加水分解した後、酵素の至適温度まで加温した
後、酵素を失活させて加水分解液を得る。その加水分解
液を濾紙および/またはセライト等を用いて濾過するこ
とによって不溶性成分を除去し、得られた濾液をセロフ
ァン等の半透膜を用いて適当な溶媒(例えば、トリス−
塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で十分
に透析し、その濾液中の成分で半透膜を通過した成分を
含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、ダウケミ
カル社製のDowex 50W等)にかけ、その吸着溶
出分画から、免疫賦活作用を有する成分を含有する分画
を得、得られた免疫賦活作用を有する分画をゲル濾過
(例えば、ファルマシア社製のSephadex G−
25等)によって分画し、得られた免疫賦活作用を有す
る分画を陽イオン交換ゲル濾過(例えば、ファルマシア
社製のSP−SepahdexC−25等)によって分
画し、得られた免疫賦活作用を有する分画を更に逆相H
PLCによって分画する。
【0006】本発明に係る新規なペプチドは、静脈内へ
の繰り返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、ア
ナフィラキシーショックを起こさせない。また、このペ
プチドはL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与
後、生体内のプロテアーゼにより徐々に分解される為、
毒性は極めて低く安全性は極めて高い(LD50>50
00mg/kg:ラット経口投与)。本発明に係る新規
なペプチドは、通常用いられる賦形剤等の添加物を用い
て注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調整す
ることができる。投与法としては、通常は免疫不全症を
有している哨乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に
注射すること、あるいは経口投与することがあげられ
る。投与量は、例えば、動物体重1kg当たりこのペプ
チドを0.01〜10mgの量である。投与回数は、通
常、1日1〜4回程度であるが、投与経路によって、適
宜、調整することができる。上記の各種製剤において用
いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤の種類は、特に限定さ
れず、通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプ
セル剤に用いられるものを使用することができる。
【0007】錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合材としてはでんぷん類、ヒドロキシルプロピ
ルメチルセルローズ等;崩壊剤としてはカルボキシメチ
ルセルロースおよびそのカリウム塩類;滑沢剤としては
ステアリン酸およびその塩類、タルク、ワックス類をあ
げることができる。また、製剤の調整にあたっては、必
要に応じメントール、クエン酸およびその塩類、香料等
の矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物
は、常法により、本発明に係る新規なペプチドを、注射
用水、生理食塩液およびキシリトールやマンニトールな
どの糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリ
エチレングリコール等のグリコールに溶解または懸濁さ
せて注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐
剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができ
る。本発明の新規なペプチドを含有する製剤は凍結乾燥
品または乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例え
ば、水または生理食塩液にて溶解して用いることもでき
る。
【0008】本発明に係る新規なペプチドは、優れた免
疫賦活作用を有し、新規なペプチドをウサギに経口投与
すると、末梢血リンパ球のコンカナバリンA(以下、C
onAと略記する。)刺激に対する幼若化反応が有意に
上昇し、また、新規なペプチドをC57BL/6マウス
に経口投与すると抗体産生能が上昇した。さらに、新規
なペプチドは、in vitroにおいてC3H/He
Nマウスより得た脾細胞に対してマイトージェン活性を
示す。
【0009】
【実施例】以下に実施例として、製造例及び試験例を記
載し、本発明をさらに説明する。 製造例1 生大豆200gに脱イオン水1ιを加えホモジナイズし
た後、1N塩酸にてpHを2.0に調整し、ペプシン
(メルク社製、酵素番号EC3.4.23.1)10g
を添加し、37℃で20時間撹拌しながら加水分解を行
った。分解反応液を直ちに限外濾過膜(アミコン社製、
YM10型、φ76mm)に通過させ、通過液を強酸性
陽イオン交換樹脂Dowex 50W×4[H](ψ
4.5×15cm)カラムに加えた。カラムを脱イオン
水で十分に洗浄した後、2N水酸化アンモニウム液2ι
を用いて溶出した。減圧濃縮によりアンモニアを除去
し、濃縮液40mιを得た。濃縮液4mιを予め脱イオ
ン水で緩衝化したSephadex G−25カラム
(ψ2.5×150cm)に負荷し、流速30mι/h
r、各分画量8.3mιでゲル濾過した。その結果は図
1に示すとおりである。上記のゲル濾過を繰り返して大
量分取した免疫賦活活性の高い分画(分画番号17〜3
7)を集め、凍結乾燥してペプチド粉末(大豆由来のペ
プチド粉末)とした。このペプチド粉末を脱イオン水に
溶解した後、予め、脱イオン水で緩衝化したSP−Se
phadex C−25[H](φ1.5×47.2
cm)カラムに負荷し、脱イオン水1ιから3%塩化ナ
トリウム液1ιの濃度勾配法により、流速60mι/h
r、各分画量7.8mιでクロマトグラフィーを行っ
た。その結果は図2に示すとおりである。
【0010】上記クロマトグラフ中、分画番号30〜3
8の免疫賦活活性の高い分画を集めて凍結乾燥して精製
ペプチド粉末(SP−I分画部分)、分画番号39〜4
7の免疫賦活活性の高い分画を集めて凍結乾燥して精製
ペプチド粉末(SP−II分画部分)を得た。これら精
製ペプチド粉末(SP−I分画部分、SP−II分画部
分)を脱イオン水に溶解した後HPLCを行った。条件
はカラムとして野村化学社製Develosil OD
S−50(4.6mm ID×25cm L)を使用
し、移動相として0.05%トリフルオロ酢酸(以下、
TFAと略記する。)から25%アセトニトリル/0.
05%TFAの濃度勾配法により、流速1.0mι/m
in、検出波長220nmでクロマトグラフィーを行
い、溶出時間41分に免疫賦活活性を有するペプチドを
得た。その結果は図3に示すとおりである。このように
して得られた免疫賦活作用を有するペプチドのアミノ酸
配列は、アプライドバイオシステム社製のプロテインシ
ークエンサー477A型を用いて決定された。その結
果、次式 Glu−Gln−Gln−Gly−Lys−
Gly−Ileで示されるL体のアミノ酸配列で表され
るペプチドであることが確認された。
【0011】製造例2 本例は、合成法によるGlu−Gln−Gln−Gly
−Lys−Gly−Ileの製造例である。アプライド
バイオシステム社製のペプチド自動合成装置430を用
いた固相法によって当該ペプチドを合成した。固相担体
としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(ポリ
スチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂を使用した。
まず、当該ペプチドのアミノ酸配列に従って、常法どお
り、そのC末端側のイソロイシンからクロロメチル樹脂
に反応させペプチド結合樹脂を得た。このときのアミノ
酸は、t−ブトキシカルボニル(以下t−Bocと略記
す。)基で保護されたt−Bocアミノ酸を使用した。
次にこのペプチド結合樹脂をエタンジチオールとチオア
ニソールからなる混合液に懸濁し、室温で10分間撹拌
後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、さらに10分間
撹拌した。この混合液にトリフルオロメタンスルホン酸
を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無水エーテルを
加えてその生成物を沈澱させて分離し、その沈澱物を無
水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾燥した。この
ようにして得られた未精製の合成ペプチドは蒸留水に溶
解した後、逆相系のカラムC18(5μm)を用いたH
PLCにより精製した。移動相として(A)0.1%T
FA含有蒸留水、(B)0.1%TFA含有アセトニト
リル溶液を使用し、(A)液が20分間で98%→78
%の濃度勾配法により流速1.5mι/minでクロマ
トグラフィーを行った。紫外部波長215nmで検出
し、最大の吸収を示した溶出画分を分取し、これを凍結
乾燥することによって目的とする合成ペプチドを得た。
【0012】この合成ペプチドをマススペクトルにより
分析した結果、アミノ酸配列で表されるペプチドである
ことが確認された。このマススペクトルの結果は図4に
示すとおりである。合成によって得られた本発明に係る
新規ペプチドは、以下に示す試験によって薬理効果が確
認された。
【0013】試験例1 (ウサギ末梢血リンパ球のコンカナバリンA刺激に対す
る幼若化反応の測定)ウサギは成熟雄性日本白色種(K
BL:JW、SPF、体重2.0kg)を(株)北山ラ
ベスより購入し、1週間予備飼育を行った後、健常な動
物を試験に供した。飼育は温度23±2℃、湿度55±
10%に保った飼育室内の金属製個別ゲージで行った。
飼料はオリエンタル酵母社製RC4を1日120g給餌
し、水は自家揚水(水道法、水質基準適合)を自由に摂
取させた。1群3例のウサギを用い、製造例1における
大豆由来ペプチド粉末200mg/kg/dayを体重
1kg当たり5mιの割合で30日間連続投与した。対
照群には同容量の溶媒を投与した。体重測定には3日毎
に行った。投与開始日並びに最終投与の翌日、各ウサギ
の耳静脈からヘパリン処理した注射器で10mιの血液
を採取し、3時間以内に、リンパ球分離並びにH−サ
イミジン取り込み能測定法による幼若化反応を実施し
た。各リンパ球の取り込んだ放射能から次式により刺激
指数(SI)を算出した。 SI=(Con Aを加えた培養系)/(Con Aを加えない培養系) 大豆由来のペプチド粉末(200mg/kg/day)
を30日間経口投与したウサギの体重変化は表1に示し
た。体重変化は大豆ペプチド投与群と対照群との間には
有意差は認められなかった。また、ウサギ末梢血リンバ
球のCon A刺激による幼若化反応(SI値)を表2
に示した。この結果、大豆ペプチドの投与前5.3±
0.6から投与後44.8±7.0に上昇し、有意差
(p<0.01、t検定)が認められた。
【0014】試験例2 (マウス脾細胞の抗体産生能測定) マウスは雄性、5週齢(Slc:C57BL/6、SP
F)を日本エスエルシー(株)より購入し、1週間予備
飼育を行った後、健常な動物を試験に供した。マウスの
飼育は温度23±2℃、湿度55±10%に保った飼育
室内のエアコンゲージで行った。飼料はオリエンタル酵
母社製MF、水は自家揚水(水道法、水質基準適合)を
自由に摂取させた。1群3例のマウスを用い、製造例1
における大豆由来ペプチド粉末200mg/kg/da
yを体重10g当たり0.1mιの割合で10日間連続
経口投与した。体重は、毎日計測した。大豆ペプチドの
投与開始から5日後、それぞれのマウスの尾静脈にヒツ
ジ赤血球(SRBC、デンカ生研社製)5×10ce
lls/mιを0.2mι投与して免疫した。免疫の5
日後、各群のマウスから脾臓を採取し、Eagle’s
minimalessential medium
(EMEM、日水製薬社製)を入れたシャーレ内で脾細
胞を遊離させた。リン酸緩衝液(PBS)で3回洗浄し
た後、EMEMで2.5×10cells/mιに調
整した脾細胞と50%SRBC浮遊液及びモルモット乾
燥補体(デンカ生研社製)を8:1:1の割合で混合し
た。A.J.Cunninghamらの方法〔Immu
nology,14,599(1968)〕に準じて3
7℃で90分反応後、溶血斑(PFC;plaquef
orming cell)を計測した。大豆由来ペプチ
ド粉末(200mg/kg/day)を10日間経口投
与したマウスの体重変化並びに脾細胞調製時に測定した
脾臓重量を表3に示した。体重変化において大豆ペプチ
ド投与群と対照群との間に有意差は認められなかった。
また、大豆ペプチド投与群の脾臓重量は104.7±
6.1、対照群のそれは73.1±10.9で両者間に
有意差は認められなかった。マウス脾細胞での抗体産生
能を表4に示した。大豆ペプチド投与群の抗体産生細胞
数は1112.7±306.6であり、対照群の抗体産
生細胞数493.3±170.2と比較して有意(p<
0.01、t検定)に上昇していた。
【0015】試験例3 (合成ペプチドのマイトージェン活性の測定) 藤原らの方法〔栄食誌,Vol43,No.3,203
−208(1990)〕に準じてマイトージェン活性を
測定した。製造例2で合成した本発明に係る新規なペプ
チドは、25mM HEPES−RPMI 1640培
地(日水製薬社製)に対して溶解(最大濃度1mg/m
ι)し、0.2μのフィルター濾過滅菌後、同培地によ
り2倍ごと段階希釈を行ったものを供試サンプルとし
た。C3H/HeNマウス(6週齢、雄性)の脾臓を無
菌的に摘出し、ワイヤーメッシュ上で25mMHEPE
S−RPMI 1640培地を滴下しながら穏やかに磨
砕し、通過液をさらにもう一組のワイヤーメッシュを通
すことにより単一細胞浮遊液を調製した。脾細胞は同培
地にて3回洗浄後、牛胎児血清10%を含む25mM
HEPES−RPMI 1640培地に浮遊させ、96
ウェルマイクロプレートに5×10個/100μι/
ウェルとなるように分注した。その後、前記の供試サン
プル10μιを加え、5%CO雰囲気下、37℃で培
養した。尚、陰性対照には25mMHEPES−RPM
I 1640培地10μιを、陽性対照にはコンカナバ
リンA(Con A、終濃度1μg/mι)並びにリポ
ポリサッカライド(LPS、終濃度100μg/mι)
を供試サンプルの代わりに加えている。その後、0.5
%の3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,
5ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロマイド(MT
T)溶液を10μι加え、さらに3時間培養を行い、し
かる後、生じたMTT−フォルマザンを酸−イソプロパ
ノール溶液(0.04N濃度に塩酸を添加)100μι
を加えて溶解し、EIAリーダーにて595nmの吸光
度を測定した。データは陰性対照の値を100とした相
対値にて表示している。マイトジェン活性の結果は表5
に示すとおりである。以上の試験の結果、本発明に係る
新規なペプチドよりなる大豆由来のペプチド粉末は、i
n vivoにおいて有意に免疫機能に影響を及ぼすこ
とが確認された。さらに、本発明に係る新規なペプチド
は、in vitroにおいて有意にマイトジェーン活
性を示すことが確認され、免疫賦活剤として有用であ
る。尚、本発明に係る新規なペプチドは、構造的にその
アミノ酸配列で表されるペプチドにおいて、構造中に採
用することもできる。
【0016】
【表1】 本発明に係る新規なペプチドの、製造例1における大豆
由来のペプチド粉末投与時のウサギ体重変化。
【0017】
【表2】 本発明に係る新規なペプチドの、製造例1における大豆
由来のペプチド粉末投与時の、ウサギ末梢血リンパ球の
コンカナバリンA刺激による幼若化反応。
【0018】
【表3】 本発明に係る新規なペプチドの、製造例1における大豆
由来のペプチド粉末投与時のマウス体重変化と脾臓重
量。
【0019】
【表4】 本発明に係る新規なペプチドの、製造例1における大豆
由来のペプチド粉末投与時のマウス脾細胞での抗体産生
能。
【0020】
【表5】 本発明に係る新規な合成ペプチドの、in vitro
におけるマイトージェン活性。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る新規なペプチドの、製造例1にお
けるSephadex G−25カラムクロマトグラフ
ィーによる免疫賦活ペプチドの分離精製の結果を示す図
である。
【図2】本発明に係る新規なペプチドの、製造例1にお
けるSP−SephadexC−25[H]カラムク
ロマトグラフィーによる免疫賦活ペプチドの分離精製の
結果を示す図である。
【図3】本発明に係る新規なペプチドの、製造例1にお
ける逆相高速液体クロマトグラフィーによる免疫賦活ペ
プチドの分離精製の結果を示す図である。
【図4】本発明に係る新規なペプチドの、製造例2で得
られた合成ペプチドのマススペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/415 C07K 7/06 A61K 38/00 ABD CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式;Glu−Gln−Gln−Gly
    −Lys−Gly−Ileで示されるL体のアミノ酸配
    列で表される新規なペプチド
  2. 【請求項2】 次式;Glu−Gln−Gln−Gly
    −Lys−Gly−Ileで示されるL体のアミノ酸配
    列で表される新規なペプチドを有効成分として含有する
    ことを特徴とする免疫賦活剤。
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