JPH06256389A - 新規なペプチドおよび免疫賦活剤 - Google Patents

新規なペプチドおよび免疫賦活剤

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JPH06256389A
JPH06256389A JP3201563A JP20156391A JPH06256389A JP H06256389 A JPH06256389 A JP H06256389A JP 3201563 A JP3201563 A JP 3201563A JP 20156391 A JP20156391 A JP 20156391A JP H06256389 A JPH06256389 A JP H06256389A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イワシ筋肉のタンパク質分解酵素の分解液
から新規な免疫賦活作用を有する新規なペプチドを提供
する。 【構成】 イワシ筋肉をタンパク質分解酵素等で処理
し、新規な免疫賦活作用を有する4種のペプチドは
(1)Ile−Gln−Val−Pro−Glu,
(2)Ile−Val−Val−Asn−Pro−Ty
r,(3)Ile−Phe−Ile−Pro−Val,
(4)Phe−Gln−Leu−Pro−Aspであ
り、血圧降下作用を有し、毒性も極めて低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として有用性を有
する下記のアミノ酸の配列のペプチド構造を有するペプ
チドならびにそのペプチドを有効成分とする免疫賦活剤
に関する。 Ile−Gln−Val−Pro−Glu Ile−Val−Val−Asn−Pro−Tyr Ile−Phe−Ile−Pro−Val Phe−Gln−Leu−Pro−Asp (式中、アミノ酸残基を表わす各記号は、アミノ酸化学
において慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】摂取さ
れた食品は消化管の中で分解、吸収される過程で宿主免
疫系へ種々の影響を与えることが知られている(J.
L.Decker et al.:Ann.Inter
n.Med.,101,810−824(198
4))。宿主の免疫反応は免疫担当細胞であるリンパ球
及びマクロフアージから分泌される生理活性物質によっ
て調節、制御されていることが知られているが、一方、
食品成分中にも宿主免疫系を調節する物質の存在が知ら
れている。その中には,食品蛋白質を酵素的に分解した
ペプチドとして、ヒトカゼイン由来Gly−Leu−P
he,ウシカゼイン由来Leu−Leu−Tyr,ヒト
βカゼイン由来Val−Glu−Pro−Ile−Pr
o−Tyrのものが知られておりいずれもマクロフアー
ジの活性を上昇させることが見いだされている(F.P
arker et al.:Eur.J.Bioche
m.145,677−682(1984),J.Ber
thou et al.:FABS Lett.,21
8,55−58(1987))。生体内に摂取された食
品蛋白質は、そのままの形かあるいは分解されてペプチ
ドの形で免疫応答系細胞と接する。このような食品成分
と免疫応答系細胞との相互作用は、これまで知られてい
るところでは、たとえば免疫系の異常状態である食品ア
レルギーを引き起こす場合があり、さらに、免疫系の賦
活あるいは抑制という形となつて観察されている。免疫
応答系を調節する本来の生体内物質としてインターロイ
キンをはじめとするサイトカイニンと呼ばれる一群のポ
リペプチドであり、その機能及び構造について多くの惰
報が集積しつつある。これに対し、食品たん白質由来の
ペプチドで免疫調節機能をもつものは多くはなく、未だ
医薬品としての開発が進んでいるとの報告はない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、イワシ筋肉
のタンパク質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物
質を検索し、新規な4種のペプチドが強い免疫賦活作用
を有することを見出した。そして、これら4種のペプチ
ドを医薬として実用化するための研究を鋭意行った。そ
の結果、この4種のペプチドが免疫賦活作用を有し、天
然物由来の免疫賦活剤としての有用性を見い出した。本
発明は係る知見に基づくものである。以下に、本発明を
詳細に説明する。本発明に係る新規なペプチドは、次式
(1)、(2)、(3)および(4) (1) Ile−Gln−Val−Pro−Glu (2) Ile−Val−Val−Asn−Pro−T
yr (3) Ile−Phe−Ile−Pro−Val (4) Phe−Gln−Leu−Pro−Asp (式中の各記号はペプチド化学におけるアミノ酸配列の
各アミノ酸単位を示す。)の式で示されるL体のアミノ
酸の配列を有する新規なペプチドであり、常温における
性状は白色の粉末である。
【0004】前記の4種のペプチドは、化学的に合成す
る方法またはイワシ筋肉のタンパク質分解酵素の分解液
から分離精製する方法を挙げることができる。本発明に
係る新規なペプチドを化学的に合成する場合には、液相
法または固相法等の通常のペプチド合成方法によって行
うことができるが、好ましくは、固相法によってポリマ
ー性の固相支持体へ前記ペプチドのC末端(カルボキシ
ル末端側)からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミ
ノ酸を順次ペプチド結合によって結合して行くのがよ
い。そして、そのようにして得られた合成ペプチドは、
トリフルオロメタンスルホン酸、フッ化水素等を用いて
ポリマー性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖
の保護基を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体ク
ロマトグラフィー(以下、HPLCと略記する。)等を
用いた通常の方法で精製することができる。
【0005】上記したように、本発明に係る新規なペプ
チドはイワシ筋肉のタンパク質分解酵素の分解液から分
離精製することができるが、その場合には、1991年
度第45回日本栄養・食糧学会総会(京都)講演要旨集
p29,2B−13pの方法に準拠し、例えば、以下の
ようにして行うことができる。上記の新規なペプチドを
含有しているイワシ筋肉部分を取り出し加水分解する。
加水分解は常法に従って行う。例えば、ペプシン等のタ
ンパク質分解酵素で加水分解する場合は、イワシ筋肉を
必要とあれば更に加水分解した後、酵素の至適値に調整
し、酵素を加えてインキュベートする。次いで必要に応
じ中和した後、酵素を失活させて加水分解液を得る。そ
の加水分解液を瀘紙および/またはセライト等を用いて
濾過することによって不溶性成分を除去し、得られた濾
液をセロファン等の半透膜を用いて適当な溶媒(例え
ば、トリスー塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液
等)中で十分に透折し、その濾液中の成分で半透膜を通
過した成分を含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例え
ば、ダウケミカル社製のDowex 50W等)にか
け、その吸着溶出分画から免疫賦活作用を有する成分を
含有する分画を得、得られた免疫賦活作用を有する分画
をゲル瀘過(例えば,ファルマシア社製のSephad
ex G−25等)によって分画し、得られた免疫賦活
作用を有する分画を陽イオン交換ゲル瀘過(例えば、フ
ァルマシア社製のSP−SephadexC−25等)
によって分画し、得られた免疫賦活作用を有する分画を
更に逆相HPLCによって分画する。
【0006】この新規な4種のペプチドは、静脈内への
繰返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナフ
イラキシーショックを起こさない。また、このペプチド
はL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生体
内のプロテアーゼにより徐々に分解される為,毒性は極
めて低く安全性は極めて高い(LD50>5000mg
/Kg:ラット経口投与)。本発明に係る新規なペプチ
ドは、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射
剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調整すること
ができる。投与法としては、通常は、免疫不全症を有し
ている哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射
すること、あるいは経口投与することがあげられる。投
与量は、例えば、物体重1kg当りこのペプチドを0.
01〜10mgの量である。投与回数は、通常、1日1
〜4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調整す
ることができる。上記の各種製剤において用いられる賦
形剤、結合剤、滑沢剤の種類は、特に限定されず、通常
の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプセル剤に用
いられるものを使用することができる。
【0007】錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合剤としてはでんぷん類、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等;崩壊剤としてはカルボキシメチル
セルロースおよびそのカルウム塩類;滑沢剤としてはス
テアリン酸およびその塩類、タルク、ワックス類を挙げ
ることができる。また、製剤の調整にあたっては、必要
に応じメントール、クエン酸およびその塩類、香料等の
矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、
常法により、本発明に係る新規なペプチドを、注射用
水、生理食塩液およびキシリトールやマンニトールなど
の糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエ
チレングリコール等のグリコールに溶解または懸濁させ
て注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐
剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができ
る。本発明の新規なペプチドを含有する製剤は凍結乾燥
品または乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例え
ば水または生理食塩液にて溶解して用いることもでき
る。
【0008】本発明に係る新規なペプチドは、優れた免
疫賦活作用を有し、マクロファージ貧食能、ナチュラル
キラー細胞活性、マイトジェン活性を示す。
【0009】
【実施例】以下に実施例として、製造例及び試験例を記
載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 イワシ筋肉500gを1N塩酸にてpHを2.0に調整
し、ペプシン(メルクク社製、酵素番号 EC3.4.
23.1)10gを添加し、37℃で20時間撹拌しな
がら加水分解を行った。分解反応液を直ちに限外瀘過膜
(アミコン社製、YM10型、φ76mm)に通過さ
せ、通過液を強酸性陽イオン交換樹脂カラム Dowe
x 50WX4[H](φ4.5x15cm)に加え
た。カラムを脱イオン水で十分に洗浄した後、2N水酸
化アンモニウム液2Lを用いて溶出した。減圧濃縮によ
りアンモニアを除去し、濃縮液40mlを得た。濃縮液
4mlを予め脱イオン水で緩衝化した Sephade
x G−25カラム(φ2.5x150cm)に負荷
し、流速30ml/hr、各分画量8.3mlでゲル瀘
過した。上記のゲル濾過を繰り返して大量分取したAC
E阻害活性の高い分画を集め、凍結乾燥してペプチド粉
末とした。このペプチド粉末を脱イオン水に溶解した
後、予め、脱イオン水で緩衝化したSP−Sephad
ex C−25[H](φ1.5x47.2cm)に
負荷し、脱イオン水から3%塩化ナトリウム液での濃度
勾配法によりクロマトグラフィー行った。 その結果は
図1に示すとおりである。
【0010】上記クロマトグラフ中、分画番号20〜2
9の免疫賦活作用を有する分画を集めて凍結乾燥して精
製ペプチド粉末を得た。このペプチド粉末を脱イオン水
に溶解した後HPLCを行った。条件はカラムとして野
村化学(株)製Develosil ODS−50(φ
4.6m IDx25cm L)を使用し、移動相とし
て0.05%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記す
る。)から25%アセトニトリル/0.05%TFAの
濃度勾配法により、流速1.0ml/min,検出波長
220nmでクロマトグラィーを行い、免疫賦活作用を
有するペプチドを得た。その結果は図2に示すとおりで
ある。 {溶出時間;(1)のペプリド41.2分,(2)のペ
プチド63.2分、(3)のペプチド95.9分、
(4)のペプチド128.1分} このようにして得られた免疫賦活作用を有するペプチド
のアミノ酸配列は、アプライドバイオシステム社製のプ
ロテインシーケンサー477A型を用いて決定され。そ
の結果、4種のペプチドは、それぞれ、 次式、(1)Ile−Gln−Val−Pro−Glu (2)Ile−Val−Val−Asn−Pro−Ty
r (3)Ile−Phe−Ile−Pro−Val (4)Phe−Gln−Leu−Pro−Asp で示されるL体のアミノ酸残基からなる配列を有するペ
プチドであることが確認された。
【0011】製造例2 本例は、合成法による製造例である。 Ile−Gln−Val−Pro−Gluの合成法。ア
プライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置4
30A型を用いた固相法によって当該ペプチドを合成し
た。固相担体としては、スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂
を使用した。まず、当該トリペプチドのアミノ酸配列に
従って、常法どおり、そのC末端側のグルタミン酸から
クロロメチル樹脂に反応させ、ペプチド結合樹脂を得
た。このときのアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル
(以下t−Bocと略記す。)基で保護されたt−Bo
cアミノ酸を使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエ
タンジチオールとチオアニソールからなる混合液に懸濁
し、室温で10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸
を加え、さらに10分間撹拌した。この混合液にトリフ
ルオロメタンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌
した後、無水エーテルを加えてその生成物を沈澱させて
分離し、その沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、
減圧下で乾燥した。このようにして得られた末精製の合
成ペプチドは蒸留水に溶解した後、逆相系のカラムC
18(5μ)を用いたHPLCにより精製した。移動相
として(A)0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1
%TFA含有アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が
20分間で98%→78%の濃度勾配法により流速1.
5ml/minでクロマトグラフィーを行った。紫外部
波長215nmで検出し、最大の吸収を示した溶出分画
を分取し、これを凍結乾燥することによって目的とする
合成ペプチドを得た。
【0012】この合成ペプチドをマススペクトルにより
分析した結果、アミノ酸配列構造を有するペプチドであ
ることが確認された。このマススペクトルの結果は図3
に示すとおりである。他の3つのペプチドについても上
記合成方法に準じ固相法によりそれぞれC末端側から反
応させ合成した。末精製の合成ペプチドは以下に示すと
おり精製した。 Ile−Val−Val−Asn−Pro−Tyrの精
製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で90%→60%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minでクロマトグラフィー
を行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収
を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することに
よって目的とする合成ペプチドを得た。
【0013】この合成ペプチドをマススペクトルにより
分析した結果、アミノ酸配列およびアミノ酸組成が前記
式で示したアミノ酸配列構造を有するペプチドであるこ
とが確認された。このマススペクトルの結果は図4に示
すとおりである。 Ile−Phe−Ile−Pro−Valの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で98%→78%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minでクロマトグラフィー
を行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収
を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することに
よって目的とする合成ペプチドを得た。この合成ペプチ
ドをマススペクトルにより分析した結果、アミノ酸配列
およびアミノ酸組成が前記式で示したアミノ酸配列構造
を有するペプチドであることが確認された。このマスス
ペクトルの結果は図5に示すとおりである。 Phe−Gln−Leu−Pro−Aspの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で98%→78%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minでクロマトグラフィー
を行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収
を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することに
よって目的とする合成ペプチドを得た。この合成ペプチ
ドをマススペクトルにより分析した結果、アミノ酸配列
およびアミノ酸組成が前記式で示したアミノ酸配列構造
を有するペプチドであることが確認された。このマスス
ペクトルの結果は図6に示すとおりである。合成によっ
て得られた本発明の4種のペプチドは、以下に示す試験
によって薬理効果が確認された。
【0014】試験例1 (マクロファージ貧食能の測定)肺胞マクロファージ
(AM)の調整として、動物はネンブタール麻酔下で両
腎動脈を切断して脱血後、開胸し、唾液腺および結合織
を除去した後、気管を露出させたその後、翼静針付注入
セットのチューブを用い、気管内に挿入、留置し、37
℃に温めた生食水約4mlにて肺を洗浄した。ラット1
匹当り、50mlの洗浄液をうるまで、この操作を繰り
返した。回収された洗浄液を1,000rpmで15分
間遠心し、培地にて適当に希釈後、血球計算盤でマクロ
フアージ数を算定した。5%牛胎児血清を含んだRPM
I 1640倍地にて2〜5×10cells/ml
に調整後、各培養容器に1mlずつ加えた。 抗血清を
もちいてオプソニン化後、51Crでラベルされた羊赤
血球(SRBC)をAMと2時間、37℃で培養するこ
とにより貧食を行わせた。AMに貧食されていないSR
BCを蒸留水にて溶血、破壊後、除去した。その後、1
N NaOHを加え細胞を溶解後、γ−カウンターにて
AM内に貧食されたSRBCの放射活性を測定した。4
種類の合成ペプチド(1,5,10,50mM)を用い
て、肺胞マクロフアジー(AM)のオプソニン化羊赤血
球(SRBC)に対する貧食能を見た結果を図7に示す
とおりである。
【0015】試験例2 (ナチュラルキラー細胞(NK)活性の測定)脾細胞の
調整として、各ラットをネンブタール麻酔下で右腎動脈
を切断して脱血後、無菌的に脾臓を摘出、重量を測定し
た。摘出した脾臓をRPMI 1640倍地を含むシャ
ーレ内で、滅菌したステンレススチールのスクリーンに
通す事により、脾細胞を単離し、0.2%酢酸で希釈
後、細胞数を血球計算盤上で算定した。脾細胞(2×1
/ml)と51Crでラベルした腫瘍細胞(YAC
−1)をE:T=100:1の割合で4時間、37℃の
COインキュベーター内で培養後、上清を採取、ガン
マーカウンターでその放射活性を測定し、NK活性を算
出した。脾細胞のナチュラルキラー細胞(NK)活性を
みた結果は、図8に示すとおりである。
【0016】試験例3 (脾細胞のマイトジェン活性の測定)96ウエルのマイ
クロプレートに脾細胞をウエル当り1×10の濃度で
加え、さらにT細胞マイトジェンであるフイトヘマトグ
ルチニン(PHA,20μg/ml)、コンカナバリン
A(Con A,20μg/ml)あるいはB細胞マイ
トジェンである細菌リポポリサッカライド(LPS,1
00μg/ml)と37℃、72時間培養後、1.0μ
CiのH−thymidineを各ウエルに加えた。
24時間後、H−thymidineを取り込んだ脾
細胞を自動細胞ハーベスターによってフィルター上に採
取し、その放射活性を液体シンチレーションカウンター
により測定した。得られた結果は培地のみと培養した脾
細胞の増殖能と比較して刺激指数(SI)として表し
た。脾細胞のマイトジェン活性をみた結果は、図9,1
0,11に示すとおりである。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る4種のペプチドの、製造例1にお
けるSP−Sephdex C−25[H]カラムロ
マトグラフィーによる免疫賦活ペプチドの分離精製の結
果を示す図である。
【図2】同、製造例1における逆相HPLCによる免疫
賦活ペプチドの分離精製の結果を示す図である。
【図3、図4、図5、図6】それぞれ、同、製造例2で
得られた4種のペプチドのマススペクトルを示す図であ
る。
【図7】同、製造例2で得られた4種のペプチド(1,
5,10,50mM濃度)の肺胞マクロフアージ貧食能
を示す図である。
【図8】同、製造例2で得られた4種のペプチド(1,
5,10,50mM濃度)のナチュラルキラー細胞(N
K)活性を示す図である。
【図9,10,11】同、製造例2で得られた4種のペ
プチド(1,5,10,50mM濃度)の脾細胞マイト
ジェン(フィトヘマトグルチニン(PHA),コンカナ
バリンA(Con A)、細菌リポポリサッカライド
(LPS))に対する反応性、すなわちマイトジェン活
性を示す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式; Ile−Gln−Val−
    Pro−Glu で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  2. 【請求項2】 次式; Ile−Gln−Val−
    Pro−Glu で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
  3. 【請求項3】 次式; Ile−Val−Val−
    Asn−Pro−Tyr で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  4. 【請求項4】 次式; Ile−Val−Val−
    Asn−Pro−Tyr で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
  5. 【請求項5】 次式; Ile−Phe−Ile−
    Pro−Val で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  6. 【請求項6】 次式; Ile−Phe−Ile−
    Pro−Val で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
  7. 【請求項7】 次式; Phe−Gln−Leu−
    Pro−Asp で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  8. 【請求項8】 次式; Phe−Gln−Leu−
    Pro−Asp で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
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