JPH11292111A - 容 器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップのねじが多条でありながら、緩みに
くい容器を提供すること。 【解決手段】 上部開口部が多条の雄ねじとなっている
本体と、内側が雌ねじとなっているプラスチックまたは
金属製キャップよりなる容器であって、容器本体の雄ね
じのねじ山の終端部近傍の下側に突起を有し、キャップ
の雌ねじのねじ溝にはねじ山の高さよりも低いさらなる
ねじ山を有する容器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はプラスチックまたは
金属製のキャップを有する容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】化粧クリームやポマード等のペースト状
化粧料等の容器は、通常上部開口部が雄ねじとなってい
る本体と内側が雌ねじとなっているキャップからなって
おり、キャップを本体開口部にかぶせてねじることによ
り密閉するようになっている。ねじは１条のものもある
が、１条のものはしっかりとねじ込むためには少なくと
もキャップを１回転させることが必要なため、多条、例
えば２〜４条にし、ねじ山の長さを円周より短くするこ
とにより、ねじ込むために要する回転数を１回転より小
さく、例えば約１／２〜１／４回転として、蓋を閉めた
り開けたりし易すくすることも行われている。しかし、
多条にしてネジ山の長さを短くすればするほどリード角
を大きくする必要があるため、ねじが緩みやすくなる。
ねじが緩まないようにするには雄ねじと雌ねじの精度を
十分によくして両者がしっかりと噛み合うようにする必
要がある。

【０００３】一方、容器の材質は成形の容易性、着色し
易さ、コスト等の点から本体、キャップともプラスチッ
クのものが多いが、高級感を出すために本体をガラスや
陶器とすることも多い。ところがガラスや陶器はプラス
チックほど成形の精度を上げることができない。従っ
て、本体がガラスや陶器製でキャップが多条ねじの容器
はキャップが緩みやすいという欠点がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はキャッ
プのねじが多条でありながら、キャップが緩みにくい容
器を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者はキャップの雌
ねじと容器本体の雄ねじの構造について鋭意検討の結
果、本発明に到達した。

【０００６】即ち、本発明は円筒状の上部開口部が多条
の雄ねじとなっている本体と、内側がこれと螺合する雌
ねじとなっているプラスチックまたは金属製キャップよ
りなる容器であって、容器本体の雄ねじの少なくとも１
条のねじ山の終端部近傍の下側に突起を有し、キャップ
の雌ねじの少なくとも１条のねじ溝にはネジ山の高さよ
りも低いさらなるねじ山を有する容器である。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を説明す
る。図１は本発明の容器を表した図で、容器本体の正面
図とキャップの縦断面図を表している。図２は本体にキ
ャップをして締め付けた状態を表した一部断面図で、図
２（ａ）は容器本体開口部の雄ねじの突起がキャップの
雌ねじのねじ山側面と接している状態を、図２（ｂ）は
キャップの雌ねじのねじ溝に設けられたさらなるねじ山
が容器本体開口部の雄ねじの山の頂に接している状態を
表した図である。

【０００８】図１において１は容器である。その材質は
特に制限はなく、例えばアルミニウム等の金属、ガラ
ス、陶器等である。特に成形の精度が不十分となり易い
ガラスや陶器の場合に、本発明の効果が十分には発揮さ
れ好ましい。

【０００９】本体の形状は特に制限はないが、上部に円
筒状の開口部１１を有し、その外側にはねじ山１２を有
しており、開口部全体として雄ねじとなっている。ねじ
山の条数は２以上の多条で、好ましくは２〜４条、更に
好ましくは４条である。ねじ山の長さは１回転以下でキ
ャップを閉めることができるように条数に合わせて適宜
定めれられている。例えば４条の場合は開口部の円周の
長さの１／４よりやや長い程度であるとよく、この場合
は約１／４回転余でキャップを閉めることができる。

【００１０】開口部の少なくとも１条のねじ山の終端部
近傍（即ち下側近傍）には、その下側に小さな突起１３
が設けられている。この突起はキャップの雌ねじのねじ
山の側面に圧接してキャップを緊着する作用を有する。
突起は少なくとも１条のねじ山にあることが必要で、ね
じ山の条数が奇数の場合は全てのねじ山に、偶数の場合
は全てのねじ山か少なくとも対向する２条のねじ山にあ
ることがバランス上好ましい。

【００１１】図１において、２はキャップで、その内面
は雌ねじとなっており、容器本体１の雄ねじにかぶせて
螺合することにより、容器を密閉することができる。そ
の材質はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ＡＢＳ、ポリメチルメタクリレート等の熱可塑性樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂等のプラ
スチック、またはアルミニウム、ステンレス等の金属で
ある。２１はねじ山で、２２はねじ溝である。ねじ溝２
２は容器本体雄ねじのねじ山１２と精密に勘合しなくて
もよく、その断面は雄ねじのねじ山１２の断面よりより
もやや広くかつ深い。２３はキャップと本体の密閉を完
全にするための円盤状のパッキンである。パッキンの材
質は多少の弾力性があるものであれば特に制限がなく、
例えばシリコンゴム、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロ
ピレン、発泡ポリウレタン等の各種の発泡プラスチック
で、好ましくは発泡ポリプロピレンである。

【００１２】而して、キャップ雌ねじの少なくとも１つ
のねじ溝にはねじ山の高さよりも低いねじ山２４が設け
られている。このさらなるねじ山は本体開口部雄ねじの
山の頂に圧接してキャップを緊着する作用を有する。さ
らなるねじ山はねじ溝の全長にわたって設けられてもよ
いが、好ましくはねじ溝の終端部近傍（即ち上部近傍）
に設けられるのがよい。ねじの条数が奇数の場合はさら
なるねじ山は全てのねじ溝に設けられていることが好ま
しく、条数が偶数の場合は少なくとも対向する２条のネ
ジ溝にあることがバランス上好ましい。

【００１３】次に本発明の作用について説明する。通
常、クリーム等の内容物は容器開口部の上端まで満杯に
充填する。その上に、内容物がキャップに直接接しない
ようにするため及び内容物の密閉をより完全にするため
に円盤状のシートであるシールをのせる（図１および２
には図示されていない）。シールの直径は開口部外径に
ほぼ等しく、厚さは特に制限はないが通常約０．１〜
０．３ｍｍ、好ましくは約０．２〜０．１４ｍｍ、更に
好ましくは約０．１５ｍｍである。シールの材質は特に
制限はなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル等が使用される。

【００１４】キャップ２は容器本体開口部１１にかぶせ
てねじ込む。前述のようにキャップ雌ねじのネジ溝断面
は容器本体開口部雄ねじのねじ山断面よりやや広く且つ
深く形成されているので、ねじ込むのに最初は殆ど力を
要しない。しかし、ねじ込みの最終段階では、図２
（ａ）及び（ｂ）に示すように、容器本体開口部雄ねじ
のねじ山の終端部近傍下側に設けられた突起１３がキャ
ップの雌ねじのねじ山側面に圧接し、且つキャップ雌ね
じのネジ溝に設けられたさらなるねじ山２４は本体開口
部雄ねじの山の頂に圧接する。従って、ねじ込みの最終
段階ではねじ込むために要する力が増大し、手応えが感
じられる。そして、突起１３はキャップ２を垂直方向に
緊着し、さらなるねじ山２４は水平方向に緊着する作用
を有する。その結果キャップ２が振動等で緩む様なこと
が殆ど生じなくなる。さらに、パッキン２３は弾力性を
有するので、蓋を締め付けた場合に垂直方向に応力を生
じ、その結果キャップ２を垂直方向に緊着し、本発明の
効果をより一層確実にする。

【００１５】

【発明の効果】上記のように、本発明の容器は上記のよ
うな作用を奏し、キャップが多条ねじでであるにもかか
わらず、キャップが緩むというようなことはほとんどな
い。従って、化粧用クリーム、ポマード等の化粧品容器
等に好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の容器を表した図である。

【図２】本体にキャップをして締め付けた状態を表した
一部断面図である。

【符号の説明】

、 １ 容器本体 ２ キャップ １１ 開口部 １２ 開口部ねじ山 １３ 突起 ２１ キャップねじ山 ２２ キャップねじ溝 ２３ パッキン ２４ さらなるねじ山

フロントページの続き (72)発明者 中島 克臣 神奈川県横浜市栄区飯島町53 ニコスター 株式会社内 (72)発明者 森田 麻子 神奈川県横浜市栄区飯島町53 ニコスター 株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状の上部開口部が多条の雄ねじとな
   っている本体と、内側がこれと螺合する雌ねじとなって
   いるプラスチックまたは金属製キャップよりなる容器で
   あって、容器本体の雄ねじの少なくとも１条のねじ山の
   終端部近傍の下側に突起を有し、キャップの雌ねじの少
   なくとも１条のねじ溝にはネジ山の高さよりも低いさら
   なるねじ山を有する容器。
2. 【請求項２】 本体の材質がガラス、陶器または金属で
   ある請求項１の容器。