JPH062596Y2 - 化粧料収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、化粧料を収納した容器体にキャップを螺合さ
せて化粧料を密閉する化粧料収納容器に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来より、口部にネジを有し、キャップを螺合させて内
部を密閉する構成のガラスビンが化粧料の収納容器に多
く利用されている。特に、高級化粧品を収納する容器に
は、ガラスビンの胴体に金属カバーを被せ、この金属光
沢等により、高級感を付与させていた。この構成の場
合、キャップを完全に締める前にキャップの下端が容器
体の肩部を当接してしまうと、キャップに内装されたパ
ッキンの密閉効果が充分に得られなくなるため、キャッ
プを完全に締めた状態で、キャップの下端と容器体の肩
部との間に僅かな隙間が設けられていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、ガラスビンは、成形の都合上、合成樹脂や金属
の成形品と比べて、寸法のバラツキの範囲が大きくなっ
てしまった。このバラツキは、ガラスビンの首部の長さ
に対しても発生していた。従って、この首部にキャップ
を螺合させた場合、キャップの下端と容器体の肩部が当
接してしまい、完全な密閉が得られなくなる可能性があ
った。従って、その寸法のバラツキを見込んで、その隙
間を大きく取って、全ての容器体が完全に密閉できるよ
うにしていた。しかし、キャップと容器体の間の隙間が
大きくなりすぎて、見苦しいものとなってしまった。

〔課題を解決する為の手段〕

化粧料２を収容した胴部３の上部に肩部４を、この肩部
４の中央に首部５を立設したビン体１と、このビン体１
の首部５に螺合し、ビン体１内を密閉するキャップ８
と、少なくともビン体１の肩部４を被う外カバー１３と
よりなる構成に於いて、前記ビン体１の肩部４と外カバ
ー１３の間には、変形可能な寸法吸収体１７を配置した
状態で接着剤１８によって外カバー１３を止着する。そ
して、この寸法吸収体１７が変形する事によって、外カ
バー１３より突出した首部５の突出首部長さＬを最適な
長さに均一化させる。本考案は以上構成の化粧料収納容
器である。

〔作用〕

外カバー１３より突出したビン体１の首部５の長さ、突
出首部長さＬが最適な長さとなるよう、寸法吸収体１７
がビン体１の肩部４と外カバー１３の間で圧縮され、接
着剤１８により外カバー１３が止着されている。従っ
て、ビン体１の首部５にキャップ８を螺合させた時、キ
ャップ８の下端と外カバー１３の間には、適度な隙間が
固体差なく均一に生じている。

〔実施例〕

ガラス製のビン体１は、内部にクリーム状、液体等の化
粧料２を収容した胴部３、この胴部３の上部に設けられ
た肩部４、及びこの肩部４の中央より突出した首部５と
よりなっている。首部５の外側壁には、雄ネジ６が螺設
されている。更に、首部５の下端外側壁には、前記雄ネ
ジ６の外径と同径の段部７が設けられている。

また、ビン体１の胴部３は、表面処理等の加飾が施され
た外カバー１３に被われている。この外カバー１３は、
薄肉金属により成形された、肩筒１４、胴筒１５、及び
底筒１６よりなり、それぞれが一体に止着され構成され
ている。

このビン体１の首部５には、キャップ８が被嵌してい
る。このキャップ８は、外カバー１３の加飾に対応した
加飾が施された外キャップ９と、この外キャップ９内に
挿入止着される内キャップ１０とよりなっている。この
内キャップ１０の内側壁には、ビン体１の首部５の雄ネ
ジ６に螺合する雌ネジ１１が螺設されている。また、内
キャップ１０の天井面には、キャップ８を首部５に螺合
させた時、首部５の上端が当接してビン体１内を密閉す
るパッキン１２が貼着されている。

また、外カバー１３の肩筒１４と、ビン体１の肩部４と
の間には、寸法吸収体１７が挾持されている。この寸法
吸収体１７は、圧縮変形可能な材質より構成されてい
る。そして、外カバー１３の肩筒１４が寸法吸収体１７
を圧縮した状態で、接着剤１８により外カバー１３がビ
ン体１に止着されている。その結果、ビン体１の寸法の
バラツキは、寸法吸収体１７の変形によって吸収され、
外カバー１３の肩筒１４とビン体１の首部５上端の間の
距離、つまり突出首部長さＬを一定に調節している。こ
の突出首部長さＬは、首部５にキャップ８を螺合させ、
首部５の上端がパッキン１２に当接してビン体１内を密
閉させた時、キャップ８の下端と外カバー１３の上端と
の間に適度な隙間が生ずる長さとなっている。

尚、この寸法吸収体１７によるビン体１の寸法のバラツ
キの吸収は、仮キャップ１９を利用する事で実施でき
る。以下に説明する。仮キャップ１９は、内側壁にキャ
ップ８の雌ネジ１１と同径同ピッチのネジが螺設されて
おり、天井面より下端までの長さを、設定した最適な突
出首部長さＬと同じにしている。そしてビン体１と外カ
バー１３の接着時に仮キャップ１９をビン体１の首部５
に螺合させれば、仮キャップ１９の下端が外カバー１３
の肩筒１４に当接し、外カバー１３を突出首部長さＬま
で押し下げる。そしてこの状態を接着剤１８の硬化まで
維持すれば、突出首部長さＬを最適なものにする事がで
きる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、寸法吸収体１７をビン体１の肩
部４と外カバー１３の間に挾持させる事により、ビン体
１の寸法のバラツキを寸法吸収体１７が変形して吸収
し、この状態でビン体１と外カバー１３を接着すれば、
外部に突出した首部５の長さ、つまり突出首部長さＬを
均一にする事ができる。従って、従来では製品のバラツ
キを考慮して設定していた、キャップ８下端と外カバー
１３の間の隙間を極限まで小さくすることができ、見栄
えのよいものとなる。しかも、キャップ８の下端と外カ
バー１３の間の隙間を極限まで小さくしても、突出首部
長さＬはほとんど固体差がないため、キャップ８下端が
外カバー１３に当接してしまい、密閉が不十分になるこ
ともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の正面断面図。第２図は、組立
時の正面断面図。 １〜ビン体、２〜化粧料、３〜胴部、４〜肩部、５〜首
部、８〜キャップ、１３〜外カバー、１７〜寸法吸収
体、１８〜接着剤、Ｌ〜突出首部長さ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧料(2)を収容した胴部(3)の上端に肩部
   (4)を、該肩部(4)の中央に首部(5)を立設したビン体(1)
   と、該ビン体(1)の首部(5)に螺合し、ビン体(1)内を密
   閉するキャップ(8)と、少なくともビン体(1)の肩部(4)
   を被う外カバー(13)とよりなる構成に於いて、 前記ビン体(1)の肩部(4)と外カバー(13)の間に変形可能
   な寸法吸収体(17)を配置した状態で接着剤(18)によって
   ビン体(1)と外カバー(13)を止着し、該寸法吸収体(17)
   が変形する事によって、外カバー(13)より突出した首部
   (5)の突出首部長さ(L)を最適な長さに均一化させる事を
   特徴とする化粧料収納容器。