JPH0744609Y2 - キャップの嵌着機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内容物を収容する容器に嵌着する蓋体に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来より、化粧料等の内容物を収容する容器は、横断面
が円形状で形成された首部に開口部を設け、この首部の
外側壁に雄ネジを螺設していた。また、この首部に嵌合
する蓋体も、横断面を円形状のコップ形状に成形し、こ
の蓋体の内側壁に首部の雄ネジと螺合する雌ネジを螺設
した構成が一般的であった。

しかし、近年では容器のデザイン化が進み、横断面が円
形以外の形状のもの、すなわち非円形状のものも数多く
製品化されるようになってきている。従って、蓋体も容
器のデザインに合わせて、非円形状にデザイン化される
ようになった。この場合、容器と蓋体の形状が非円形状
であるため、容器に蓋体を嵌合させた後、その外形状が
一体的となるよう、容器に設けられた首部、または蓋体
の内側壁のどちらか一方に、容器と蓋体の嵌合時の位置
を決めるために、ストッパー部等を設けるといった機構
が必要となっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、このような構成では位置合わせのための構造が
必要であり、複雑になりがちであった。また、容器が非
円形状であるため、その容器専用の蓋体としか使い道が
なく、そのため多品種少量生産となり、コストも高めに
なってしまった。

〔課題を解決する為の手段〕

上端に開口部２を有する首部３を設けた容器体１と、こ
の容器体１の首部３に嵌合する蓋体５とより成る構成に
於いて、首部３は、横断面が円形以外の形状、すなわち
非円形状に成形し、この首部３の外周に雄ネジ４を螺設
する。蓋体５は、変形可能な可撓性樹脂より、前記首部
３の外周長よりわずかに長い内周長をした横断面が円形
のコップ形状に成形し、この蓋体５の内壁には前記首部
３の雄ネジ４と同ピッチ、同リードの雌ネジ６を螺設す
る。そして、この蓋体５は容器体１の首部３に嵌合させ
た際、蓋体５の側壁が横断面が非円形状の首部３に倣っ
て変形し、首部３に嵌着し雄ネジ４と雌ネジ４が螺合す
る。本考案は以上構成のキャップの嵌着機構である。

〔作用〕

横断面形状が円形状をした蓋体５を、横断面形状が非円
形状をした容器体１の首部３に嵌合すると、蓋体５が変
形可能な可撓性樹脂より成形されており、しかも蓋体５
の内周長が首部３の外周長が僅かに長く構成されている
ため、この蓋体５の側壁が首部３の外形状に倣って変形
し、首部３に嵌着する。同時に蓋体５を回転操作する
と、首部３に螺設された雄ネジ４と雌ネジ６は、同ピッ
チ、同リードで螺設されているため螺合する。

〔実施例〕

本考案実施例の容器本体７は、容器体１と蓋体５とより
なっている。内容物を収容する容器体１は、横断面が楕
円形状をしている。この容器体１の上端には、開口部２
を有した首部３が設けられている。この首部３は容器体
１より小径となっているが、容器体１の横断面と同じ楕
円形状となっている。この首部３の外側壁には、雄ネジ
４が螺設されている。

また、この首部３に抜脱自在に嵌合する蓋体５は、軟質
塩化ビニール等の弾性片形可能な可撓性樹脂より、横断
面が円形状に成形されている。この蓋体５の内径は、容
器体１の首部３の外周長よりわずかに長い内周長となっ
ている。さらに、この蓋体５の内側壁には、首部３の雄
ネジ４と同ピッチ、同リードの雌ネジ６が螺設されてい
る。

その結果、蓋体５を首部３に嵌合させた際、蓋体５の側
壁は首部３の外形状に倣って変形して首部３に嵌合し、
蓋体５を回転操作すれば首部３の雄ネジ４と蓋体５の雌
ネジ６が螺合して蓋体５が首部３に嵌着するようになっ
ている。また、本考案実施例のように、容器体１の横断
面と首部３の横断面が相似形状の場合、蓋体５の側壁が
首部３の外形状に倣って変形するため、蓋体５を嵌着し
た時、容器体１と一体的に見える様になる。

なお、本考案実施例に於いては、蓋体５及び容器体１の
首部３に雄ネジ４及び雌ネジ６を螺設し、 蓋体５を首部３に螺着させる構成を説明したが、首部３
の外側壁の全周に雄ネジ４を螺設しなくても、長径方向
の外側壁にのみ蓋体５の雌ネジ６と螺合する螺合片を設
けるだけでも蓋体５と嵌着させる事ができる。

なお、本考案の蓋体５は、横断面が円形状で構成され、
且つ可撓性樹脂より成形されているが、この蓋体５の内
周長よりわずかに短い外周長の首部３を有していれば、
首部３の横断面形状がどんな形状であっても、側壁が首
部３の外形状に倣って変形し、嵌合できる。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、蓋体５を可撓性材料より成形して
いるため、蓋体５の横断面形状が円形状で成形され、容
器体１に設けられた首部３が横断面形状が非円形状で成
形されていたとしても、首部３の外周長が蓋体５の内周
長よりわずかに短かければ、蓋体５の側壁が変形して首
部３に嵌着させる事ができる。しかも、首部３の横断面
を容器体１の横断面と相似形状にしておけば、蓋体５の
側壁が首部３の外形状に倣って変形し、蓋体５と容器体
１の外形状が一体的になる。

また、この蓋体５は横断面を円形状で構成するため、容
器体１の首部３に嵌着する時の位置合わせを必要としな
くなり、さらにこの蓋体５は可撓性樹脂で成形されてい
るため、蓋体５の天井面に首部３を当接させれば、首部
３に設けられた開口部２が蓋体の天井面に密着し密封状
態となり、従来利用されていたパッキン等のパーツも不
要となる。

また、容器体１の首部３は、横断面形状を従来の円形状
ばかりではなく、非円形状で構成も蓋体５が嵌着可能と
なるため、容器体１及びその首部３のデザインの自由度
も広がる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の要部断面斜視図。第２図は、
容器本体にキャップが被着した状態の斜視図。 １……容器体、２……開口部、３……首部、４……雄ネ
ジ、５……蓋体、６……雌ネジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上端に開口部（２）を有する首部（３）を
   設けた容器体（１）と、該容器体（１）の首部（３）に
   嵌合する蓋体（５）とより成る構成に於いて、 首部（３）は、横断面が円形以外の形状、すなわち非円
   形状に成形し、該首部（３）の外周に雄ネジ（４）を螺
   設し、 蓋体（５）は、変形可能な可撓性樹脂より、前記首部
   （３）の外周長よりわずかに長い内周長をした横断面が
   円形のコップ形状に成形し、該蓋体（５）の内壁には、
   前記首部（３）の雄ネジ（４）と同ピッチ、同リードの
   雌ネジ（６）を螺設し、 蓋体（５）を容器体（１）の首部（３）に嵌合させた
   際、蓋体（５）の側壁が横断面が非円形状の首部（３）
   に倣って変形し嵌着して首部（３）の雄ネジ（４）と蓋
   体（５）の雌ネジ（６）が螺合する事を特徴とするキャ
   ップの嵌着機構。