JPH11289033A - 液状エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置

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JPH11289033A
JPH11289033A JP10091071A JP9107198A JPH11289033A JP H11289033 A JPH11289033 A JP H11289033A JP 10091071 A JP10091071 A JP 10091071A JP 9107198 A JP9107198 A JP 9107198A JP H11289033 A JPH11289033 A JP H11289033A
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resin
epoxy resin
resin composition
filler
semiconductor device
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JP10091071A
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English (en)
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Yasuyuki Hotta
康之 堀田
Shinetsu Fujieda
新悦 藤枝
Rumiko Hayase
留美子 早瀬
Shinji Murai
伸次 村井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73201Location after the connecting process on the same surface
    • H01L2224/73203Bump and layer connectors
    • H01L2224/73204Bump and layer connectors the bump connector being embedded into the layer connector

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘度で流動性および成形性に優れ、かつ低
応力な液状エポキシ樹脂組成物を得る。 【解決手段】 エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤
と、充填剤とを含む液状エポキシ樹脂組成物において、
前記充填剤中の2〜20wt%が有機質充填剤であるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液状エポキシ樹脂組
成物および樹脂封止型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタ、ダイオード、
IC、LSIなどの半導体素子の封止材料としてエポキ
シ樹脂組成物が広く用いられている。この理由として、
エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、機械的特性、インサ
ートとの接着性などが良好で、これらの諸特性のバラン
スがとれていることが挙げられる。
【0003】近年、半導体デバイスの高集積化に伴う半
導体チップの大型化によって、樹脂封止型の半導体パッ
ケージは大型化や多ピン化の傾向を強めており、この傾
向が今後ますます強まることは疑いがない。その一方
で、電子機器の小型化による高密度実装のために半導体
パッケージの小型化および薄型化が求められている。
【0004】現在の樹脂封止型半導体パッケージの主流
は、QFP(Quad FlatPackage)など
に代表される従来型の表面実装型パッケージであるが、
多ピン化に伴ってパッケージの占める面積が大きくなる
ことは避けられない。したがって、従来型の表面実装型
パッケージでは高密度実装が困難となるので、多ピン化
しても実装面積をとらない高密度パッケージとしてエリ
ア・アレイ・パッケージが増加しつつある。
【0005】このようなエリア・アレイ・パッケージの
代表的なものとしては、具体的には、PGA(Pin
Grid Alley)やBGA(Ball Grid
Alley)、CSP(Chip Scale Pa
ckageもしくはChipSize Packag
e)が挙げられる。PGAおよびBGAは、ベアチップ
をプリント配線基板に搭載して封止し、基板の裏側に2
次元のアレイ状に端子(ピンおよびはんだボール)を配
置したパッケージである。またCSPは、PGAおよび
BGAと同様にプリント配線基板上にベアチップを搭載
し、パッケージサイズをほぼチップと同じ大きさまで小
型化したチップ大のパッケージである。
【0006】これらのエリア・アレイ・パッケージも構
造によって各種のタイプがあるが、その中でもフリップ
チップ接続を用いたタイプがもっとも小型化可能であ
り、高密度実装が可能である。
【0007】なお、フリップチップ接続を用いた半導体
装置としては、エリア・アレイ・パッケージの他にも、
ガラス基板上にベアチップを接続するCOG(Chip
On Glass)や、プリント配線基板上にベアチ
ップを実装するCOB(Chip On Boar
d)、マルチチップモジュールなどがある。
【0008】これらのフリップチップ接続を用いた半導
体封止の特徴は、ベアチップをフェイスダウン方式で基
板上にバンプなどを介して接続し、チップと基板との間
隙に液状樹脂を充填することである。この間隙は非常に
狭く、通常、約100μm以下である。したがって、液
状樹脂をチップと基板との間隙に十分に充填させるため
には、最大粒径が間隙よりも小さい微細な充填剤を配合
しなければならない。また、液状樹脂は良好な流動性を
有し、容易に間隙に充填しうることが必要である。すな
わち、フリップチップ接続を用いた半導体素子を封止す
るための樹脂組成物は、微細な充填剤を有していること
や十分な流動性を有することが要求される。
【0009】一方、液状樹脂で封止された半導体装置で
は、温度サイクル試験を施した際にバンプの付け根にク
ラックが生じるという問題が発生している。これは、チ
ップ、バンプと封止樹脂との熱膨張係数の差によって応
力が発生するためであり、これを防止するために耐熱衝
撃性の改良が要求されている。耐熱衝撃性を改良するた
めには、樹脂の熱膨張係数の低減化が有効である。
【0010】しかしながら、熱膨張係数を低める目的で
粒径の小さい充填剤を使用すると樹脂組成物の粘度が上
昇するため、樹脂組成物の流動性が低下して充填しにく
くなる。また、熱膨張係数を低減するために充填剤を高
充填した場合にも樹脂組成物の粘度が著しく低下して、
やはり流動性が低下してしまう。
【0011】このように、良好な流動性、充填性(すな
わち半導体装置の成形性)を保持しながら充填剤を高充
填した樹脂組成物を得ることは、従来の技術では困難で
あった。
【0012】なお、従来の電子部品のポッティング用エ
ポキシ樹脂組成物の中には、充填剤を高充填した樹脂組
成物を溶剤に溶かすことによって低粘度化を図ったもの
もあるが、このような手法で低粘度化した樹脂組成物
は、間隙への充填に適用することが困難である。すなわ
ち、間隙に充填する液状樹脂組成物が溶剤を含んでいる
と加熱硬化する際にボイドの発生の原因となるので好ま
しくなく、無溶剤で低粘度の液状封止樹脂が要求されて
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、半導
体素子をフェイスダウン方式で基板上にフリップチップ
接続した半導体装置においては、素子と基板との間隙が
約100μm以下と小さいため、この間隙に容易に充填
するには、低粘度で流動性の良好な封止樹脂が必要とさ
れる。しかし、これらの条件を満たし、かつ信頼性の高
い樹脂封止型半導体装置を製造可能な液状エポキシ樹脂
組成物は未だ得られていないのが現状であった。
【0014】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたもので、低粘度で流動性および成形性に優れ、かつ
低応力な液状エポキシ樹脂組成物、およびこの液状エポ
キシ樹脂組成物の硬化物を用いて半導体素子が封止され
ていることによって、優れた耐熱衝撃性を有する樹脂封
止型半導体装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の問題を解決するた
めに本発明は請求項1の発明として、エポキシ樹脂と、
硬化剤と、硬化促進剤と、充填剤とを含む液状エポキシ
樹脂組成物において、前記充填剤中の2〜20重量%が
有機質充填剤であることを特徴とする液状エポキシ樹脂
組成物を提供する。
【0016】また、請求項2の発明として、前記有機質
充填剤が、最大粒径40μm以下、平均粒径10〜35
μmであり、かつ少なくとも80重量%以上の粒子が平
均粒径の±30%以内に存在していることを特徴とする
請求項1に記載の液状エポキシ樹脂組成物を提供する。
【0017】さらに、請求項3の発明は樹脂封止型半導
体装置に係る発明であり、請求項1、2に記載の液状エ
ポキシ樹脂組成物の硬化物を用いて半導体素子が封止さ
れていることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、半導体素子の封止
を主な目的としたものである。本発明において用いられ
るエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を
有しているエポキシ樹脂であれば特に限定されない。
【0019】具体的には例えば、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ
樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナ
フタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカン
から誘導されるエポキシ化合物、ビスヒドロキシビフェ
ニル系エポキシ樹脂、ジヒドロキシジフェニルメタン系
エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化
物、複素環式エポキシ樹脂、芳香族ジグリシジルアミン
化合物などを用いることができる。
【0020】これらのエポキシ樹脂は2種以上を混合し
て用いても良い。なお、これらのエポキシ樹脂は常温で
液状であることが好ましい。また、上述したエポキシ樹
脂のうちのビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いた場
合には、樹脂組成物の粘度が下がり、かつ貯蔵安定性に
も優れていることから、エポキシ樹脂を混合する場合に
はビスフェノールF型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂マト
リクスの少なくとも1つとして用いることが好ましい。
【0021】本発明において用いられる硬化剤は、特に
制限されるものではないが、樹脂組成物の流動性を考慮
した場合、酸無水物硬化剤が最も好ましい。具体的には
例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、メチ
ルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、トリアル
キルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク
酸などを用いることができる。
【0022】これらの酸無水物は2種以上を混合して用
いても良い。なお、これらの酸無水物は常温で液状であ
ることが好ましい。また、これらの酸無水物硬化剤と共
に、流動性や貯蔵安定性を損なわない範囲で、他の硬化
剤を併用することができる。
【0023】他の硬化剤としては、具体的には例えば、
無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリトメッ
ト酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水
ナジック酸などの常温で固体の酸無水物;フェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、t−ブチル
フェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールクレゾー
ルノボラック樹脂、ビスフェノールA、ナフトール系ノ
ボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂および
これらのアリル基導入化合物;ポリパラオキシスチレ
ン;2,2´−ジメトキシ―p―キシレンとフェノール
モノマーとの縮合重合化合物などのフェノールアラルキ
ル樹脂;ジシクロペンタジエン―フェノール重合体;ト
リス(ヒドロキシフェニル)アルカンなどの多官能フェ
ノール樹脂;テルペン骨格を有するフェノール樹脂など
を用いることができる。
【0024】これらの硬化剤は2種以上を用いても良
い。硬化剤の配合量は特に制限されるものではないが、
エポキシ樹脂と硬化剤との当量比(硬化剤の反応基/エ
ポキシ基)を0.5〜1.5の範囲にすることが望まし
い。この当量比が0.5未満では硬化反応が十分に起こ
りにくくなり、一方、1.5を超えると硬化物の物性、
特に耐湿性が低下する恐れがあるからである。なお、当
量比のより好ましい範囲は0.8〜1.2である。
【0025】本発明において用いられる硬化促進剤は、
60℃以上の温度で触媒活性を示す潜在性触媒であれば
任意の化合物を用いることができ、特に制限されない。
触媒活性を示す温度が60℃未満であると、樹脂組成物
の貯蔵安定性が著しく低下してしまい長期間安定に保存
できなくなる。これに加えて60℃未満であると、半導
体素子を封止する工程において、樹脂の流動中に粘度が
上昇して成形性が損なわれる。
【0026】このような潜在性の硬化促進剤としては、
具体的には例えば、ジシアンジアミド、高融点イミダゾ
ール化合物、有機酸ジヒドラジド類、アミノマレオニト
リル、メラミンおよびその誘導体、ポリアミン類などの
高温でエポキシ樹脂に溶解して活性を示す高融点分解型
触媒;アミンイミド化合物、エポキシ樹脂に可溶な第3
アミン塩やイミダゾール塩などの高温において分解して
活性化する塩基性触媒;3フッ化ホウ素のモノエチルア
ミン塩に代表されるルイス酸塩やルイス酸錯体、ブレン
ステッド酸の脂肪族スルホニウム塩に代表されるブレン
ステッド酸塩などの高温解離型のカチオン重合触媒;触
媒をモレキュラシーブやゼオライトのような空孔を有す
る化合物に吸着させた吸着型触媒などを用いることがで
きる。
【0027】これらの潜在性の硬化触媒の中でも、マイ
クロカプセル型の潜在性触媒が特に好ましく用いられ
る。マイクロカプセル型の潜在性触媒は隔壁破壊型の触
媒であり、隔壁を構成するポリマー層が溶解してマイク
ロカプセルが破壊される温度まで触媒活性を抑制するこ
とができるため、最も優れた潜在性を示す。このような
マイクロカプセル型の潜在性触媒を配合することによ
り、樹脂組成物の常温における貯蔵安定性を著しく向上
させることができる。
【0028】なお、硬化促進剤の配合量は特に限定され
ないが、反応に関わる樹脂マトリクスに対して0.01
〜10wt%であることが望ましい。配合量が0.01
wt%未満であると樹脂組成物の硬化特性が低下する傾
向にあり、一方、10wt%を超えると硬化物の耐湿性
および樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する恐れがあるか
らである。
【0029】本発明において用いられる充填剤として
は、まず無機質充填剤が挙げられる。無機質充填剤とし
ては、最大粒径が40μm以下の球状の溶融シリカ粉末
を用いるのが好ましい。最大粒径が40μmを超える
と、半導体素子と基板との間の間隙への樹脂の充填性が
悪化し、半導体装置の成形性が低下する。
【0030】また、この溶融シリカ粉末は平均粒径1〜
10μmのものと平均粒径1μm未満のものとを適宜組
み合わせて用いることが最も好ましい。このように大小
2種の平均粒径を有する溶融シリカ粉末を組み合わせて
配合することで、充填剤は最密充填構造をとりやすくな
り、溶融シリカ粉末が高充填でも良好な樹脂組成物を得
ることが可能となる。
【0031】この溶融シリカ粉末と共に他の無機質充填
剤を併用しても良い。他の無機質充填剤としては、具体
的には例えば、結晶性シリカ粉末、タルク、アルミナ粉
末、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、ケイ酸カ
ルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、硫酸バリウム粉
末、マグネシア粉末などを用いることができる。
【0032】ただし、樹脂組成物の流動性や貯蔵安定
性、半導体素子と基板との間の間隙への流れ込み性をあ
まり損なわないように、その配合量を決定する必要があ
る。さらに耐湿性をより向上させるためには、無機質充
填剤の表面処理を行うことが好ましい。表面処理を行う
場合、通常の表面処理に使用されるようなシランカップ
リング剤であれば特に制限なく用いることができる。
【0033】シランカップリング剤としては、具体的に
は例えば、エポキシシラン、アミノシラン、メルカプト
シラン、アクリルシランなどを用いることができる。こ
のシランカップリング剤の添加量は、充填剤全体を10
0重量部としたときに0.02〜10重量部が好まし
い。0.02重量部未満であると樹脂組成物を硬化した
させた成形物の強度が低下する恐れがあり、一方、10
重量部を超えると成形物の吸湿性が上昇しやすく、また
ボイドが発生しやすくなる恐れがあるからである。
【0034】本発明においては充填剤として、無機質充
填剤の他に有機質充填剤を用いる。この有機質充填剤を
用いることによって、液状エポキシ樹脂組成物が低粘度
で流動性および成形性に優れ、かつ低応力なものとな
る。
【0035】有機質充填剤は、真球度0.7以上で粒子
占有率が90wt%以上である球状を有しているもので
あれば用いることができる。有機質充填剤としては、具
体的には例えば、スチレンとビニル化合物、すなわちα
−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼ
ン、t−ブチルスチレン、ブタジエン、イソプレン、エ
チレン、ブチレン、ヘキセン−1,オクテン−1,4−
メチルペンテン−1類、およびアクリロニトリルとの共
重合体、AS樹脂、ABS樹脂、HIPS樹脂などのス
チレン系樹脂、MMA樹脂をはじめとするアクリル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン
などのオレフィン系樹脂およびこれらとオレフィン系や
ビニル系のグラフト化剤を用いたグラフト化物、シリコ
ーン樹脂系、また、エポキシ系樹脂、フェノール系樹
脂、ウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂系などを用いる
ことができる。
【0036】また真球度0.7以上の球状を有していれ
ば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセ
タール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアリー
レンサルファイド系樹脂などのエンジニアリングプラス
チックスなどの熱可塑性樹脂系でも良い。
【0037】有機質充填剤の配合量は、充填剤全体の2
〜20wt%が好ましい。配合量が2wt%未満である
と有機質充填剤導入による低粘度効果が発現せず、一
方、20wt%を超えると樹脂組成物を硬化させた成形
物の強度が低下するため、半導体装置に用いた場合、耐
熱衝撃性の点で好ましくないからである。
【0038】また有機質充填剤は、最大粒径が40μm
以下で平均粒径が10〜35μmの間であり、かつ80
重量%以上の粒子が平均粒径の±30%以内の範囲に存
在していることが、樹脂組成物の低粘度効果を発現させ
るためには望ましい。最大粒径が40μmを超える場合
には半導体素子と基板との間の間隙への樹脂組成物の充
填性が悪化して半導体装置の成形性が低下する。
【0039】なお、無機質充填剤、有機質充填剤を合わ
せた充填剤全体の配合量は、樹脂組成物全体に対して4
0〜80wt未満であることが好ましい。配合量が40
wt未満では硬化物の熱膨張係数が大きくなる傾向があ
るため、樹脂組成物を用いて封止した半導体装置が冷熱
サイクル条件下において損傷を受けやすくなり、一方、
配合量が80wt%を超えると樹脂組成物の粘度が高く
なりすぎて半導体素子と基板との間の間隙への充填性が
悪くなり、半導体装置の成形性が低下する恐れがあるか
らである。
【0040】この他、本発明の樹脂組成物には必要に応
じて、カーボンブラック、二酸化チタンなどの顔料、分
子中にエポキシ基を1個以上有する反応性希釈剤、変性
剤としてシリコーンオイル、シリコーンゲル、シリコー
ンゴム、各種プラスチック粉末、各種エンジニアリング
プラスチック粉末、ABS樹脂やMBS樹脂などの粉
末、また石油樹脂、ロジン、テルペン、インデン樹脂な
どの付着性付与剤、ハイドロタルサイト類などのイオン
補足剤、ハロゲン化合物、リン化合物などの難燃化剤、
三酸化アンチモンなどの難燃助剤、レベリング剤などを
適宜添加しても良い。
【0041】本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、エポ
キシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機質充填剤および有
機質充填剤、また必要に応じて他の成分を配合して、樹
脂組成物の製造に適用される通常の方法により製造する
ことができる。
【0042】具体的には例えば、原料である各成分の所
定量を、万能混合機、回転式混合機、同芯二軸ミキサー
などの混合機に投入して攪拌混合する方法、あるいは、
あらかじめ混合させた後に、さらに3本ロールミルで混
練する方法などを用いることができる。さらにこれらの
方法を適宜組み合わせて製造しても良い。
【0043】このようにして得られる液状エポキシ樹脂
組成物は、低粘度で流動性および成形性に優れ、かつ低
応力なものとなるため、BGA、CSP、COG、CO
Bやマルチチップモジュールなどのフリップチップ接続
によって半導体素子を基板上に接続する半導体装置の封
止樹脂として有効に用いられる。
【0044】これらの樹脂封止型半導体装置は例えば、
フリップチップ接続された半導体素子としての半導体チ
ップと基板との間の間隙に樹脂組成物を流し込み、その
後、約100〜150℃の温度で約2〜6時間加熱して
硬化させるなどの方法によって容易に製造することがで
きる。
【0045】このようにして樹脂組成物を硬化して封止
することにより得られた樹脂封止型半導体装置は、封止
に用いる液状エポキシ樹脂組成物が低応力なものである
ため、その結果として優れた耐熱衝撃性を有するものと
なる。
【0046】なお、本発明の液状エポキシ樹脂組成物に
よって封止される半導体素子としては、トランジスタ、
ダイオード、IC、LSIなどが挙げられるが、特にこ
れらに限定されるものではない。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。まず、実施例および比較例の液状エポキ
シ樹脂組成物の原料として用いた各成分を以下に記す。 (エポキシ樹脂) エポキシ樹脂:ビスフェノールF型エポキシ樹脂 (エポキシ当量169、油化シェルエポキシ社製、エピ
コート807) (硬化剤) 酸無水物硬化剤:メチルテトラヒドロ無水フタル酸 (酸無水物当量168、新日本理化社製、MH−70
0) (硬化促進剤) 潜在性硬化触媒:マイクロカプセル型触媒 (反応開始温度87℃、旭化成社製、HX−3088) (球状充填剤) 無機質充填剤A:球状シリカ、FB−10S30μmカ
ット品 (平均粒径10μm、最大粒径30μm、電気化学工業
社製) 無機質充填剤B:球状シリカ、SP−3B (平均粒径3.3μm、最大粒径12μm、扶桑シルテ
ック社製) 無機質充填剤C:微粒球状シリカ、SO−E5 (平均粒径1.5μm、最大粒径3.0μm、アドマテ
ック社製) 有機質充填剤A:ジビニルベンゼン系、SP−220 (平均粒径20μm、粒径範囲19〜21μm、σ3
0;100wt%,積水ファインケミカル社製) 有機質充填剤B:スチレン系、PB−3002 (平均粒径27μm、粒径範囲1〜35μm、σ30;
61wt%,住友化学社製) 有機質充填剤C:シリコーン系、トスパール103分球
品 (平均粒径20μm、粒径範囲15〜30μm、σ3
0;88wt%、東芝シリコーン社製) 有機質充填剤D:ジビニルベンゼン系、SP−206 (平均粒径6.0μm、粒径範囲5.0〜7.0μm、
σ30;91wt%、積水ファインケミカル社製) 有機質充填剤E:スチレン系、PB−3002分球品 (平均粒径25μm、粒径範囲20〜30μm、σ3
0;100wt%) ここでσは粒子全体のうち、平均粒径の±30%以内の
範囲に存在している重量分率を表す。
【0048】なお、分球はふるいを用いて行い、それら
の平均粒径および粒径範囲はMalvern Inst
rument社製のマスターサイダーを用いて算出した
値である。上記の各成分を用いて下記の表1および表2
に示すような割合でそれぞれ配合し、実施例1〜9、比
較例1〜9の液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】 ここで表中の配合量は重量部を示す。
【0051】樹脂組成物の調製に当たっては、まず各成
分を所定量配合し、シンキー社製の公転/自転回転型混
練装置で5分混合し、均質な液状エポキシ樹脂組成物を
得た。
【0052】これら実施例1〜9、比較例1〜9の液状
エポキシ樹脂組成物について粘度、充填性を調べ、また
各樹脂組成物を硬化させてなる成形物について熱膨張係
数、曲げ強度、弾性率を調べた。さらに、各樹脂組成物
を用いて半導体素子を封止して、得られた樹脂封止型半
導体装置の耐熱衝撃性を評価した。
【0053】各特性の評価方法はそれぞれ以下の通りで
ある。 (1)粘度評価 E型粘度計を用いて室温での各樹脂組成物の粘度を測定
した。 (2)成形物の特性評価 各樹脂組成物に110℃1時間、150℃4時間の加熱
を行って硬化させることにより試験片を作製し、各試験
片について熱膨張係数、曲げ強度、弾性率を測定した。 (3)充填性評価 BT基板上に15mm×25mm角の大きさで四隅に5
0μmの高さの突起を備えたガラス板を貼り付けて疑似
パッケージを作製した。このパッケージをヒーターによ
って60℃に加熱して、この状態でガラス板と基板との
間の間隙に各液状エポキシ樹脂組成物を流し込み、充填
距離10mmを90秒以内に充填すれば○、90〜24
0秒の間であれば△、240秒以上であれば×とした。 (4)耐熱衝撃性評価 図1に本発明の実施例に係る樹脂封止型半導体装置の概
略断面図を示す。以下、この作製方法および耐熱衝撃性
評価方法についての説明を行いながら、図についての説
明を行う。
【0054】試験用半導体素子としての10mm×10
mm角の大きさの半導体チップ3を、BT基板1上にバ
ンプ5によってフェイスダウン方式で接続して半導体装
置を作製した。接続はチップ3の電極4と基板1の電極
2とをバンプ5によって接続することにより行った。得
られた半導体装置のチップ3と基板1との間の間隙は約
50μmであった。
【0055】この半導体装置をヒーターによって60℃
に加熱し、この状態でチップ1と基板3との間の間隙に
樹脂供給漕6から各液状エポキシ樹脂組成物7を流し込
んで充填した後に、110℃1時間、150℃4時間の
加熱を行って樹脂組成物を硬化させることにより封止樹
脂層8を形成して、樹脂封止型半導体装置を作製した。
【0056】得られた半導体装置を−65℃20分、室
温5分、150℃20分の条件に設定した冷熱サイクル
(TCT)試験機に投入し、デバイスの動作チェックを
下記表中に示す各サイクルごとに行って不良発生率を調
べた。得られた結果を下記の表3および表4に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】また図2に各実施例および比較例の粘度
(Pa・S)と熱膨張係数C.T.E(ppm/K)を
横軸にとって示したグラフを、図3に各実施例および比
較例の弾性率(GPa)と熱膨張係数C.T.E(pp
m/K)を横軸にとって示したグラフを示す。
【0060】上記の表3および表4、図2および図3に
示されるように、実施例1〜9の液状エポキシ樹脂組成
物は比較例1〜9に示される樹脂組成物と比較して、同
等の配合量において粘度が約30〜50%低減している
ことが分かる。
【0061】また、これらの実施例の樹脂組成物を硬化
させてなる成形物は比較例に示される樹脂組成物と比較
して、同等の配合量において熱膨張率をある程度抑えた
まま弾性率が低下している、すなわち応力が低下してい
ることが分かる。
【0062】したがって充填剤の高配合が可能となり、
実施例の樹脂組成物を用いて封止された半導体装置はT
CT試験における不良発生がほとんどなく、優れた耐熱
衝撃性を有することが分かる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、低
粘度で流動性および成形性に優れ、かつ低応力な液状エ
ポキシ樹脂組成物、およびこの液状エポキシ樹脂組成物
の硬化物を用いて半導体素子が封止されていることによ
って、優れた耐熱衝撃性を有する樹脂封止型半導体装置
を提供することができる。得られた半導体装置は、電子
機器の高密度実装化、パッケージの小型化、多ピン化に
対応可能であり、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る樹脂封止型半導体装置
の概略断面図。
【図2】 本発明の実施例および比較例の粘度および熱
膨張係数を示す図。
【図3】 本発明の実施例および比較例の弾性率および
熱膨張係数を示す図。
【符号の説明】
1…基板 2、4…電極 3…チップ 5…バンプ 6…樹脂供給漕 7…液状エポキシ樹脂組成物 8…封止樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村井 伸次 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤
    と、充填剤とを含む液状エポキシ樹脂組成物において、 前記充填剤中の2〜20wt%が有機質充填剤であるこ
    とを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機質充填剤が、最大粒径40μm
    以下、平均粒径10〜35μmであり、かつ80重量%
    以上の粒子が平均粒径の±30%以内に存在しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液状エポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1、2に記載の液状エポキシ樹脂
    組成物の硬化物を用いて半導体素子が封止されているこ
    とを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
JP10091071A 1998-04-03 1998-04-03 液状エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 Pending JPH11289033A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171166A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Sanyo Chem Ind Ltd 注型用樹脂組成物
JP2005171445A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Kinyosha Co Ltd カレンダー用樹脂ロール
JP2006128567A (ja) * 2004-11-01 2006-05-18 Three M Innovative Properties Co 半導体パッケージのプリント配線板への接続方法
JP2021008584A (ja) * 2019-07-02 2021-01-28 味の素株式会社 樹脂組成物

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JP2005171445A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Kinyosha Co Ltd カレンダー用樹脂ロール
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