JPH11288086A - 感光性平版印刷版及び感光性組成物 - Google Patents

感光性平版印刷版及び感光性組成物

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JPH11288086A
JPH11288086A JP10369298A JP10369298A JPH11288086A JP H11288086 A JPH11288086 A JP H11288086A JP 10369298 A JP10369298 A JP 10369298A JP 10369298 A JP10369298 A JP 10369298A JP H11288086 A JPH11288086 A JP H11288086A
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JP
Japan
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acid
photosensitive
printing plate
group
lithographic printing
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JP10369298A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kizu
紀幸 木津
Shinichi Matsubara
真一 松原
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Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紫外線インクによる耐刷力(UV耐刷性)並び
に耐水性に優れた感光性平版印刷版及びこの印刷版の作
成に適した感光性組成物を提供する。 【解決手段】脂肪族及び/又は芳香族水酸基含有ビニル
共重合体、共縮合ジアゾ樹脂、1分子内に2つ以上のエ
チレン性不飽和結合と2つ以上のウレタン結合を有する
化合物から成ることを特徴とする感光性組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線インクによ
る耐刷力(UV耐刷性)並びに耐水性に優れた感光性平
版印刷版及びこの印刷版の作成に適した感光性組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】特願平8−248536号には、現像液
中の膨潤度を規定することにより現像性、ガム除去性、
解像度等を向上させることができる感光性組成物が記載
されている。
【0003】特願平9−367368号には、支持体の
表面を粗面化処理を行なうことにより保水性、耐印刷汚
れ、ドットゲイン等を向上させることができる感光性平
版印刷版が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、感光性
平版印刷版に関する一連の研究の一環として、上記した
特願平8−248536号に記載の感光性組成物を上記
した特願平9−367368号に記載の支持体に塗布す
る着想を得た。種々の実験を行なったところ良好な結果
が実証されたことから研究を進めたところ、感光性組成
物を厳密に特定することでUV耐刷性、耐水性が更に向
上することが判明した。
【0005】本願発明は、上記した感光性組成物、感光
性平版印刷版を明らかにすることを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、 1.脂肪族及び/又は芳香族水酸基含有ビニル共重合
体、共縮合ジアゾ樹脂、1分子内に2つ以上のエチレン
性不飽和結合と2つ以上のウレタン結合を有する化合物
から成ることを特徴とする感光性組成物、 2.共縮合ジアゾ樹脂がジアゾジフェニルアミンとp−
ヒドロキシ安息香酸との共縮合樹脂であることを特徴と
する前記1に記載の感光性組成物、 3.前記1又は2に記載の感光性組成物が親水性の支持
体に塗設されていることを特徴とする感光性平版印刷
版、 4.親水性の支持体がアルミニウム又はアルミニウム合
金から成り、粗面化処理され砂目表面形状のSf値が3
0%以下であり、3次元粗度測定による相対負荷曲線に
おける振幅分布のグラフの半値幅が1.0μm以下であ
ることを特徴とする前記3に記載の感光性平版印刷版、 5.親水性の支持体がアルミニウム又はアルミニウム合
金から成り、2次元粗度測定による表面荒さ(Ra)
が、0.40〜0.60μmであることを特徴とする前
記3に記載の感光性平版印刷版、 6.親水性の支持体がアルミニウム又はアルミニウム合
金から成り、プラトー微細化率が60%以上であること
を特徴とする前記3に記載の感光性平版印刷版、 7.支持体の粗面化処理が塩酸を主成分とする浴を使用
して電気化学的に行われることを特徴とする前記3〜6
のいずれかに記載の感光性平版印刷版、の各々によって
解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】〈支持体の説明〉本発明に係る平版印刷版
に用いられる支持体は、アルミニウム又はアルミニウム
合金板で構成され、粗面処理された砂目表面形状のSf
値が30%以下であり、3次元粗度測定による相対負荷
曲線における振幅分布の半値幅が1.0μmであるこ
と、更に好ましい態様では、表面平均粗さ(Ra)が
0.40〜0.60μmであり、プラトー微細化率が6
0%以上であることを特徴としている。
【0009】本発明の支持体は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金板から成る。アルミニウム合金板として
は、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属とアルミニ
ウムの合金が挙げられる。通常JISH5002の10
50材(Fe:0.5重量%以下、Si:0.5重量%
以下、その他0.5重量%以下、残Al:99.5重量
%以上)が好適に使用される。
【0010】上記した支持体を特徴づけているパラメー
ターを説明する。
【0011】 Sf (Surface−flatn
ess)値 加速電圧20kVで観察倍率800倍の条件の下、走査
型電子顕微鏡(SEM)により砂目表面を垂直方向から
撮影した際に観察されるプラトー(Plateau平ら
な部分)の砂目表面に占める割合(見かけ面積比率)を
意味する。
【0012】プラトーは、印刷学会出版部発行(平成5
年8月31日)「PS版概論」の第24頁表1の「表面
構造の印刷特性」の項において説明されている通り、通
常、クレーター型の砂目モデルにおいて明確に観察され
る。
【0013】振幅分布グラフの半値幅 3次元粗度測定で得られる相対負荷曲線から、振幅分布
グラフ(その最高点から最低点までの高さを2%刻みで
分割し、それぞれの高さの区間に測定領域の何%が属す
るかを表したグラフ)を求め、その最大値の半分の大き
さまでのピークが示す高さ方向の範囲の絶対値である。
【0014】なお、3次元粗度測定は、小坂研究所社製
3次元粗度測定器「SE−30K」を使用し、X測定長
さ1mm、X送り速さ0.5mm/sec.、Y送りピ
ッチ1μm、Y収録ライン数110本、縦倍率2000
倍の条件にて行った。また、振幅分布グラフは、上記測
定器用の解析システム(3次元表面粗さ解析プログラ
ム)から求めた。
【0015】 Ra 表面平均粗さ 2次元粗度測定から得られる表面粗さである。測定は、
小坂研究所社製3次元表面粗度測定器「SE−30K」
を使用し、JIS規格に基づいて行った。
【0016】 プラトー微細化率 砂目表面に存在するプラトーの内、特定の大きさ以下の
細かいプラトーが占める割合である。測定方法として
は、先ず、Sf値測定と同条件で観察したSEM写真か
ら11.5cm×8.5cmの範囲を、5mm角を1個
とする正方形のブロックで区切り、プラトー部分を模式
化する。ブロックのサイズが小さいほど精度はよくなる
が、上記の倍率の写真で行なう場合、5mm角で実用上
十分である。1ブロックに満たないプラトーや逆に大き
いプラトーの区分については、ブロック面積の0.5倍
以上1.5倍未満のものを1ブロックとみなすこととし
た。模式化されたプラトーについて、各プラトー毎にブ
ロックの大きさ(ブロック何個分か)を分類し、次式か
らプラトー微細化率を計算する。
【0017】プラトー微細化率(%)={面積が3ブロ
ック(全ブロック数391個に対する面積率0.77%
以下であるプラトーの占める面積}÷{全プラトーの占
める面積}×100 Sf値が30%を越える場合は、広大なプラトーが発生
し易く、そのためプラトー上に十分な保水性を得ること
ができず、特に、印刷時の湿し水供給量を絞った際に非
画線部に汚れが発生し易い。Sf値が小さいほど保水性
が良好となるが、その反面、インキの抜け難い大きなピ
ットが発生し易くなるため印刷時に汚れが発生し易くな
る。Sf値の好ましい範囲は10〜30%、更に好まし
い範囲は20〜30%である。
【0018】振幅分布グラフの半価幅が1.0μmを越
える場合は、ピットの深さ方向の均一性が損なわれ、イ
ンキの抜け難い大きなピットが発生し易くなる。上記の
半価幅の好ましい範囲は、0.5〜1.0μmである。
【0019】本発明で用いる支持体は、上記したパラメ
ーターに加えて、2次元粗度測定による表面平均粗さ
(Ra)が、0.40〜0.60μmであることが好ま
しく、プラトー微細化率が60%以上であることが更に
好ましい。
【0020】表面平均粗さ(Ra)が0.40μm未満
の場合は、粗面化が不十分なために保水性が劣る傾向が
あり、0.60μmを越える場合は、大ピットが発生し
て粗い形状となるために汚れなどの印刷性能が低下する
傾向がある。
【0021】プラトー微細化率60%未満の場合は、プ
ラトーの細かさが不十分であり、広大なプラトーが多く
存在するため、プラトー上に十分な保水性を得ることが
できず特に、印刷時の湿し水供給量を絞った場合に非画
線部に汚れが発生し易い傾向がある。好ましいプラトー
微細化率は70%以上である。
【0022】表面を粗面化する方法としては、機械的粗
面化方法、電気化学的粗面化方法、両者を組合せた方法
などが挙げられる。機械的粗面化方法としては、ロール
状金属ワイヤーやナイロンブラシを回転させて行なうワ
イヤーグレイン、ブラシグレインや研磨材を表面に衝突
させて行なうブラストグレインなどがある。
【0023】電気化学的方法は、電気量のコントロール
により容易に砂目形状を制御できるので推奨される。こ
の場合、電解液としては、塩酸のみの水溶液が好ましい
が、必要により硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、酒石酸な
どの有機酸を加えることができる。塩酸水溶液の濃度は
通常0.1〜10重量%である。好適な電気化学的粗面
化方法としては、十分な脱脂処理を行なった後、0.5
〜3重量%の塩酸水溶液を使用し、正弦波の交流により
電流密度50〜150A/dmで行なう。また、電解
処理の前半と後半で電流密度の比率を変化させ、後半の
比率を前半よりも低く抑えるのが好ましい。
【0024】上記した表面粗面化処理に先立って圧延油
の除去、表面の洗浄など前処理が行なわれる。前処理剤
としては、例えば溶剤(トリクレンなど)、界面活性
剤、アルカリエッチング剤(水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなど)が使用される。エッチング処理は、アル
カリエッチング剤の0.05〜40重量%水溶液を使用
し、40〜100℃の液温において3〜300秒処理す
るのが一般的である。アルカリエッチングの場合、アル
ミニウム板の表面にアルカリ不溶スマットが生成するの
で、エッチング処理の後に硫酸、燐酸、硝酸、クロム酸
又はこれらの2種以上の酸を含む混酸を使用してこれを
除去する。硫酸によるスマット除去処理の場合、0.5
〜40重量%水溶液を使用し、10〜50℃の液温にお
いて0.5〜60秒処理するのが好ましい。
【0025】電解処理を行なった後、支持体表面に残存
しているスマットなどを取り除くため酸又はアルカリ水
溶液によるデスマット処理を行なうのが好ましい。アル
カリで処理した場合、表面にアルカリ不溶スマットが残
存するため、前述と同様に硫酸などによりスマットを除
去するのが好ましい。また、デススマット処理の際に
は、特願平8−324603号に記載されている2次溶
解処理を加えることもできる。
【0026】上記のように処理された支持体は、引き続
き陽極酸化処理される。陽極酸化処理は、硫酸、燐酸、
クロム酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸など若
しくはこれらの2種類以上を組合せた水溶液、又は、非
水溶液中にて、直流電流により行なわれる。処理条件
は、使用する電解液によって異なるため一概には決定し
得ないが、一般的には、電解質濃度1〜80重量%、液
温5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm、電圧
1〜100V、電解時間5秒から50分の範囲が適当で
ある。陽極酸化された支持体は、引き続き親水化又は不
活性化のために任意の熱水処理、珪酸塩、酢酸塩、親水
性高分子化合物を含有する水溶液中での浸漬処理などが
順次行なわれる。
【0027】〈感光性組成物の説明〉本発明に係る感光
性組成物の特徴は、脂肪族及び/又は芳香族水酸基含有
ビニル共重合体、共重合ジアゾ樹脂、1分子内に2つ以
上のエチレン性不飽和結合と2つ以上のウレタン結合を
有する化合物から成ることである。
【0028】本発明の感光性組成物に用いられるアルカ
リ可溶性又は膨潤性の高分子化合物は、広範な種類の高
分子物質の中から適宜選択することができるが、光重合
開始剤、光重合モノマーとの相溶性、現像液溶解性、有
機溶剤溶解性、強度、軟化温度等を考慮して選択するこ
とが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸とビニ
ル系モノマーの共重合体、スチレン/無水マレイン酸共
重合体等が挙げられる。
【0029】本発明の感光性組成物に用いられる上記高
分子化合物として特に好ましい高分子化合物は、主鎖を
構成する繰り返し単位の50モル%以上がメタクリル酸
誘導体からの繰り返し単位で構成されているアルカリ可
溶性又は膨潤性のフィルム形成可能な高分子化合物であ
る。
【0030】上記メタクリル酸誘導体からの繰り返し単
位で構成されているアルカリ可溶性又は膨潤性のフィル
ム形成可能な高分子化合物は、特に限定なく用いること
ができるが、ビニル系モノマーとの共重合体であること
が好ましい。
【0031】フィルム形成可能な高分子化合物の繰り返
し単位を構成するメタクリル酸誘導体としては、例え
ば、下記のモノマーを用いることが好ましい。 (1)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グ
リシジルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタク
リレート等の(置換)アルキルメタクリレート
【0032】(2)メタクリル酸、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト等の脂肪族水酸基を有するメタクリル酸エステル類、
o,m,p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、
o,m,p−ヒドロキシフェニルメタクリレート等芳香
族水酸基を側鎖に有するビニル単量体、
【0033】上記のメタクリル酸誘導体の中でも、本発
明に用いるのに好ましいメタクリル酸誘導体は、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、メタクリル
酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロ
キシブチルメタクリレート、o,m,p−ヒドロキシフ
ェニルメタクリルアミド、o,m,p−ヒドロキシフェ
ニルメタクリレートである。
【0034】また本発明の高分子化合物は、分子内に、
芳香族水酸基を有する付加重合性モノマーからの繰り返
し単位を有することが好ましい。
【0035】分子内に、芳香族水酸基を有する付加重合
性モノマーからの繰り返し単位を導入するのに用いるモ
ノマーは、芳香族水酸基を有する付加重合性モノマーで
あれば特に限定されるものではないが、下記一般式
(1)で表されるモノマーが好ましい。
【0036】
【化1】 [式中、Rは水素原子、メチル基を、Rは−COO
−、−CONH−を表す。nは0又は1を表す。]
【0037】本発明のフィルム形成可能な高分子化合物
を構成する他のモノマーとしては、 (a)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、例
えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート (b)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の
α,β−不飽和カルボン酸 (c)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチルアクリレート等の(置換)アルキ
ルアクリレート (d)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリル
アミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒド
ロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルア
ミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル
−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド類 (e)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類 (f)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類 (g)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類 (h)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロ
ピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケ
トン類 (i)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類 (j)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン等が挙げられる。
【0038】本発明の高分子化合物は、優れたアルカリ
可溶性を得るために下記のモノマーを用いたものが好ま
しい。 (1)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸等のα、β−不飽和カルボン酸 (2)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の脂肪族水
酸基を有するアクリル酸エステル類、メタクリル酸エス
テル類 (3)o,m,p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリ
ル酸アミド、o,m,p−ヒドロキシスチレン、o,
m,p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、
o,m,p−ヒドロキシフェニルマレイミド等芳香族水
酸基を側鎖に有するビニル単量体 本発明の高分子化合物は、上記のモノマーを周知の手段
によって重合させることによって得ることができる。
【0039】また、これらビニル系共重合体は、光に対
する硬化性を向上する目的で、分子内に光による架橋の
可能な不飽和結合を有せしめてもよい。このような不飽
和結合を有する基としては、例えば、アクリル基、メタ
クリル基、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル
基が挙げられる。
【0040】本発明の高分子化合物の分子量は、重量平
均分子量で5,000〜200,000であることが好
ましく、更には、50,000〜160,000である
のが好ましい。
【0041】本発明の高分子化合物は、光重合モノマー
/フィルム形成可能な高分子化合物が重量比で5/95
〜70/30になるように用いるのが好ましく、更には
10/90〜50/50になるように用いるのが好まし
い。
【0042】本発明において用いられる分子内に2つ以
上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する化
合物としては、光重合モノマーが好ましく、本発明の感
光性組成物においては、光重合性組成物に用いられる公
知の重合性不飽和化合物を用いることができ、分子中に
2又はそれ以上の付加重合性不飽和結合を有する化合物
であればどのような化学構造を有するものであってもよ
い。また、2以上の付加重合性不飽和結合を有する重合
可能な化合物を併用しても構わない。
【0043】光重合モノマーとしては、例えば、不飽和
カルボン酸、不飽和カルボン酸と脂肪族ポリヒドロキシ
化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と芳香族ポリヒ
ドロキシ化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価
カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳
香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と
のエステル化反応により得られるエステル等が挙げら
れ、具体的には、特開昭59−71048号公報に記載
されているジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロキノンジ
(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリ
レート、ピロガロールトリアクリレート、2,2−ビス
(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等が
挙げられる。その他、エチレンビス(メタ)アクリルア
ミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド類、或いは、ビニルウレタン化
合物やエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることが
できる。
【0044】本発明において特に好ましい光重合モノマ
ーは、分子内にウレタン結合を有する化合物であり、例
えば、U−15HA(新中村化学社製)、UA−306
H(共栄化学社製)等、市販品からも入手できる。
【0045】本発明の感光性組成物における光重合モノ
マーの使用量は、感光性組成物の全固形分中に、通常5
〜70重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重
量%である。
【0046】本発明に用いることができる光重合開始剤
は特に限定はなく、光重合性組成物に用いられる従来公
知のものが使用でき、例えば、ベンゾイン、ベンゾイン
アルキルエーテル、ベンゾフェノン、アントラキノン、
ミヒラーズケトン、トリハロメチル−s−トリアジン系
化合物、オキサジアゾール系化合物、ビイミダゾールと
ミヒラーズケトンの複合体系、チオキサントンと芳香族
第3アミンの複合体系等をいずれも好適に用いることが
できる。これら光重合開始剤は、通常、感光性平版印刷
版の露光に用いられる光源波長に吸収を有する化合物が
用いられる。
【0047】本発明において、光重合開始剤としては下
記のものが好ましい。
【0048】
【化2】 [Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、ハロゲンを表す。a及びbは、0≦a+
b≦4となる整数を表す。]
【0049】具体的には、2−クロロチオキサントン、
2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチ
オキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサント
ン、イソプロピルチオキサントン等を挙げることができ
る。
【0050】
【化3】 [R、R、Rは、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基を表す。Arは、置換又は無
置換のフェニレン基、ナフチレン基又は複素環式芳香族
基を表す。]具体的には、p−ジメチルアミノ安息香酸
エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等を挙
げることができる。
【0051】
【化4】 [Arは、置換又は無置換のフェニレン基、ナフチレン
基、又は複素環式芳香族基を表す。Rは、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アル
キルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン、−COOR
−、−O−(CH−COOR、−O−(CH
CH(R)O)−R、−R−COOR、−
−CONHR、−NHCOR(Rは、水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
リール基を表す。Rは、水素原子又はメチル基、R
は、アルキレン基、Rは、アルキル基、置換アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基を表
す。f、gは1〜10の整数を表す。)を表す。cは、
0〜2の整数を表す。Xは、ハロゲンを表す。d、e
は、0〜3の整数を表すがd+e≦5の範囲内であ
る。]
【0052】具体的には、2,4−ビス(トリクロロメ
チル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−トリアジ
ン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メ
チルスチリル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−6−(o,p−ジメチルスチリル)−
s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−
6−(o,p−ジメトキシスチリル)−s−トリアジン
等を挙げることができる。光重合開始剤としては、上記
の中でもトリアジン系化合物が好ましい。
【0053】光重合開始剤の使用量は、感光性組成物の
全固形分中に、通常0.5〜30重量%であり、より好
ましくは2〜10重量%である。
【0054】次に、ジアゾ化合物について説明する。本
発明で用いられるジアゾ化合物としては、例えば、芳香
族ジアゾニウム化合物とカルボニル化合物との縮合樹脂
及びそれら縮合樹脂の塩が挙げられる。これらの縮合樹
脂は、その分子内にカルボニル基、スルホニル基等の基
を導入したものが好ましい。
【0055】本発明において用いるのに好ましいジアゾ
化合物は、カルボニル基(例えば、カルボキシル基)、
スルホニル基(例えば、スルホン酸基)を有する芳香族
化合物と芳香族ジアゾニウム化合物、好ましくは、ジア
ゾジフェニルアミンとを構成単位として分子中に有する
共縮合化合物である。
【0056】前記のカルボニル基、スルホニル基を有す
る芳香族化合物は、少なくとも1つのカルボニル基を有
する芳香族環及び/又は少なくとも1つのスルホニル基
を有する芳香族環を分子中に含むものであって、この場
合、上記カルボニル基とスルホニル基とを同一の芳香族
環に有するものでもよい。
【0057】そして上記の芳香族環としては、好ましく
はアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げ
ることができる。
【0058】また、前記のカルボニル基、スルホニル基
は芳香族環に直接結合してもよく、何らかの結合基(以
下、単にジョイントという。)を介して結合していても
よい。
【0059】上記の場合において、1つの芳香族環に結
合するカルボニル基、スルホニル基の数としては1又は
2が好ましい。更にジョイントとしては、例えば、炭素
数1〜4のアルキレン基を挙げることができる。
【0060】前述のカルボニル基を有する芳香族化合物
の具体例としては、安息香酸、(o,m,p)−クロロ
安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、ジフェニル酢酸、
フェノキシ酢酸、p−メトキシフェニル酢酸、p−メト
キシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,4−
ジメチル安息香酸、p−フェノキシ安息香酸、4−アニ
リノ安息香酸、4−(m−メトキシアニリノ)安息香
酸、4−(p−メトキシベンゾイル)安息香酸、4−
(p−メチルアニリノ)安息香酸、4−フェニルスルホ
ニル安息香酸、サリチル酸、4−メチルサリチル酸、6
−メチルサリチル酸、4−エチルサリチル酸、6−プロ
ピルサリチル酸、6−ラウリルサリチル酸、6−ステア
リルサリチル酸、4,6−ジメチルサリチル酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、2−メチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、6−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジ
メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキ
シ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香
酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロ
キシ−4−メチル安息香酸、4−クロロ−2,6−ジヒ
ドロキシ安息香酸、4−メトキシ−2,6−ジオキシ安
息香酸、没食子酸、フログルシンカルボン酸、2,4,
5−トリヒドロキシ安息香酸、m−ガロイル没食子酸、
タンニン酸、m−ベンゾイル没食子酸、m−(p−トル
イル)没食子酸、プロトカテクオイル−没食子酸、4,
6−ジヒドロキシフタル酸、(2,4−ジヒドロキシフ
ェニル)酢酸、(2,4−ジヒドロキシフェニル)酢
酸、(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)酢酸、p
−ヒドロキシメチル安息香酸、p−ヒドロキシエチル安
息香酸、4−(p−ヒドロキシフェニル)メチル安息香
酸、4−(o−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−
(2,4−ジヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−
(p−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、4−(p−ヒ
ドロキシアニリノ)安息香酸、ビス(3−カルボキシ−
4−ヒドロキシフェニル)アミン、4−(p−ヒドロキ
シフェニルスルホニル)安息香酸、4−(p−ヒドロキ
シフェニルチオ)安息香酸等が挙げられ、この内特に好
ましいものは、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、
p−メトキシ安息香酸、メタクロロ安息香酸である。
【0061】また、スルホニル基を有する芳香族化合物
の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、(o,m,
p)−クロロベンゼンスルホン酸、p−メトキシベンゼ
ンスルホン酸、2,4−ジメトキシベンゼンスルホン
酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、p−フェノ
キシベンゼンスルホン酸、4−アニリノベンゼンスルホ
ン酸、4−(m−メトキシアニリノ)ベンゼンスルホン
酸、4−(p−メトキシベンゾイル)ベンゼンスルホン
酸、4−(p−メチルアニリノ)ベンゼンスルホン酸、
4−フェニルスルホニルベンゼンスルホン酸、p−ヒド
ロキシベンゼンスルホン酸、2−メチル−4−ヒドロキ
シベンゼンスルホン酸、6−メチル−4−ヒドロキシベ
ンゼンスルホン酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ
ベンゼンスルホン酸、2,4−ジヒドロキシベンゼンス
ルホン酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンゼン
スルホン酸、2,6−ジヒドロキシベンゼンスルホン
酸、2,6−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼンスルホ
ン酸、4−クロロ−2,6−ジヒドロキシベンゼンスル
ホン酸、4−メトキシ−2,6−ジオキシベンゼンスル
ホン酸、2,4,5−トリヒドロキシベンゼンスルホン
酸、p−ヒドロキシメチルベンゼンスルホン酸、p−ヒ
ドロキシエチルベンゼンスルホン酸、4−(p−ヒドロ
キシフェニル)メチルベンゼンスルホン酸、4−(o−
ヒドロキシベンゾイル)ベンゼンスルホン酸、4−
(2,4−ジヒドロキシベンゾイル)ベンゼンスルホン
酸、4−(p−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼンスルホ
ン酸、4−(p−ヒドロキシアニリノ)ベンゼンスルホ
ン酸、ビス(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)アミン、4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニ
ル)ベンゼンスルホン酸、4−(p−ヒドロキシフェニ
ルチオ)ベンゼンスルホン酸等が挙げられ、この内特に
好ましいものは、ベンゼンスルホン酸、p−ヒドロキシ
ベンゼンスルホン酸、p−メトキシベンゼンスルホン
酸、メタクロロベンゼンスルホン酸である。
【0062】前述のジアゾ化合物の構成単位をなす芳香
族ジアゾニウム化合物は、塩として用いられ、例えば、
特公昭49−48001号公報に挙げられているような
ジアゾニウム塩を用いることができるが、特に、ジフェ
ニルアミン−4−ジアゾニウム塩類が好ましい。
【0063】ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩類
は、4−アミノ−ジフェニルアミン類から誘導される
が、このような4−アミノ−ジフェニルアミン類として
は、4−アミノ−ジフェニルアミン、4−アミノ−3−
メトキシ−ジフェニルアミン、4−アミノ−2−メトキ
シ−ジフェニルアミン、4−アミノ−2′−メトキシ−
ジフェニルアミン、4−アミノ−4′−メトキシ−ジフ
ェニルアミン、4−アミノ−3−メチルジフェニルアミ
ン、4−アミノ−3−エトキシ−ジフェニルアミン、4
−アミノ−3−β−ヒドロキシ−エトキシジフェニルア
ミン、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−スルホン
酸、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−カルボン酸、
4−アミノ−ジフェニルアミン−2′−カルボン酸等が
挙げられ、特に好ましくは、4−アミノ−4′−メトキ
シ−ジフェニルアミン、4−アミノ−ジフェニルアミン
である。
【0064】上記ジアゾ化合物は、公知の方法、例え
ば、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリング(Photo.Sci.Eng.)第17
巻、第33頁(1973)、米国特許2,063,63
1号明細書、同2,679,498号明細書に記載の方
法に従い、硫酸やリン酸或いは塩酸中でジアゾニウム
塩、カルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を有する
芳香族化合物及びアルデヒド類、例えば、パラホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド或いは
ケトン類、例えば、アセトン、アセトフェノンとを重縮
合させることにとって得られる。
【0065】また、これら分子中にカルボニル基、スル
ホニル基を有する芳香族化合物、芳香族ジアゾ化合物及
びアルデヒド類又はケトン類は相互に組み合わせ自由で
あり、更に各々2種以上を混ぜて共縮合することも可能
であるが、好ましくは、ジアゾジフェニルアミンと分子
内にカルボニル基、スルホニル基を有する芳香族化合物
との共縮合樹脂であり、より好ましくは、ジアゾジフェ
ニルアミンと安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル
酢酸との共縮合物、更に好ましくはジアゾジフェニルア
ミンとp−ヒドロキシ安息香酸との共縮合物である。
【0066】カルボニル基及びスルホニル基の内の少な
くとも一方を有する芳香族化合物と芳香族ジアゾ化合物
の仕込みモル比は、通常1:0.1〜0.1:1、好ま
しくは1:0.5〜0.2:1、より好ましくは1:1
〜0.2:1である。また、この場合、カルボニル基、
スルホニル基の内の少なくとも一方を有する芳香族化合
物及び芳香族ジアゾ化合物の合計とアルデヒド類又はケ
トン類とをモル比で通常1:0.6〜1.5、好ましく
は1:0.7〜1.2で仕込み、低温で短時間、例え
ば、3時間程度反応させることにより共縮合ジアゾ樹脂
が得られる。
【0067】本発明において使用されるジアゾ化合物の
カウンター・アニオンは、該ジアゾ化合物と安定に塩を
形成し、且つ該樹脂を有機溶媒に可溶となすアニオンを
含む。これらは、デカン酸及び安息香酸等の有機カルボ
ン酸、フェニルリン酸等の有機リン酸及びスルホン酸を
含み、典型的な例としては、メタンスルホン酸、クロロ
エタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、
及びアントラキノンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ヒドロキシ
スルホン酸、4−アセチルベンゼンスルホン酸、ジメチ
ル−5−スルホイソフタレート等の脂肪族並びに芳香族
スルホン酸、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン等
の水酸基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロリン酸、テ
トラフルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス酸、Cl
、IO等の過ハロゲン酸等が挙げられるが、これ
らに限られるものではない。これらの中で、特に好まし
いものは、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ
酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸、炭素数6以下のアルキル基置換のベンゼ
ンスルホン酸塩である。
【0068】上記ジアゾ化合物は、各単量体のモル比及
び縮合条件を種々変えることにより、その分子量は任意
の値として得ることができるが、本発明の目的とする使
途に有効に供するためには分子量約400〜10,00
0の範囲から選択されることが一般的であるが、好まし
くは約800〜5,000である。上記ジアゾ化合物は
感光性組成物中に1〜25重量%含有させるのが好まし
い。
【0069】本発明の感光性組成物には、更に色素を含
有させることができる。該色素は、露光による可視画像
(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ることを目的
として使用される。
【0070】該色素としては、フリーラジカル又は酸と
反応して色調を変化するものが好ましく使用できる。こ
こに「色調が変化する」とは、無色から有色の色調への
変化、有色から無色或いは異なる有色の色調へのいずれ
をも包含する。好ましい色素は酸と塩を形成して色調を
変化するものである。
【0071】有色から無色へ或いは異なる有色の色調へ
変化する色素の例としては、例えば、ビクトリアピュア
ブルーBOH(保土谷化学社製)、オイルブルー#60
3(オリエント化学工業社製)、パテントピュアブルー
(住友三国化学社製)、クリスタルバイオレット、ブリ
リアントグリーン、エチルバイオレット、メチルバイオ
レット、メチルグリーン、エリスロシンB、ベイシック
フクシン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m−ク
レゾールパープル、ローダミンB、オーラミン、4−p
−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、シアノ
−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に代表
されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オ
キサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、ア
ゾメチン系又はアントラキノン系の色素が挙げられる。
【0072】一方、無色から有色に変化する色素の例と
しては、例えば、ロイコ色素及び、例えば、トリフェニ
ルアミン、ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、
1,2,3−トリフェニルグアニジン、ナフチルアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメ
チルアミノジフェニルアミン、1,2−ジアニリノエチ
レン、p,p′,p″−トリス−ジメチルアミノトリフ
ェニルメタン、p,p´−ビス−ジメチルアミノジフェ
ニルメチルイミン、p,p′,p″−トリアミノ−o−
メチルトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチル
アミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,
p′,p″−トリアミノトリフェニルメタンに代表され
る第1級又は第2級アリールアミン系色素が挙げられ
る。
【0073】これらの色素の内、トリフェニルメタン
系、ジフェニルメタン系色素が好ましく、更に好ましく
はトリフェニルメタン系色素であり、特に、ビクトリア
ピュアブルーBOHが好ましい。上記色素は、感光性組
成物の全固形分中に通常0.5〜10重量%含有され、
好ましくは約1〜5重量%含有させる。
【0074】本発明の感光性組成物には、更に種々の添
加物を加えることができる。例えば、塗布性を改良する
ためのアルキルエーテル類(例えば、エチルセルロー
ス、メチルセルロース)、フッ素系界面活性剤類や、ノ
ニオン系界面活性剤{例えば、プルロニックL−64
(旭電化社製)}、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与する
ための可塑剤(例えば、ブチルフタリル、ポリエチレン
グリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、
フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオ
クチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン
酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、
アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマ
ー)、画像部の感脂性を向上させるための感脂化剤(例
えば、特開昭55−527号公報記載のスチレン−無水
マレイン酸共重合体のアルコールによるハーフエステル
化物等)、安定剤{例えば、リン酸、亜リン酸、有機酸
(クエン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタリ
ンスルホン酸、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフ
ェノン−5−スルホン酸、酒石酸、リンゴ酸等)}、現
像促進剤(例えば、高級アルコール、酸無水化物等)等
が挙げられる。これらの添加剤の添加量はその使用対象
目的によって異なるが、一般に感光層の全固形分に対し
て0.01〜30重量%である。
【0075】本発明の感光性平版印刷版は、本発明の感
光性組成物を1〜50wt%、好ましくは1〜15wt
%の濃度になるように有機溶剤中に溶解させて感光性組
成物の塗布液を調製し、これを支持体上に塗布、乾燥
し、感光層を形成することにより得ることができる。
【0076】本発明に用いる有機溶剤としては、例え
ば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロ
ソルブアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メ
タノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、乳酸メチル、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、水又はこれらの混合物等が挙げられ
る。
【0077】溶剤としては、乳酸メチル等の乳酸エステ
ルを用いることが好ましい。乳酸メチル等の乳酸エステ
ルは、環境適性が優れ、安全性に問題がない、沸点が適
当であって乾燥し易いこと等の理由によって好ましい。
【0078】塗布には、従来公知の方法、例えば、回転
塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ
塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等を
用いることができる。この場合、塗布量は、乾燥重量
で、おおむね、0.2〜10g/m程度とすればよ
い。
【0079】本発明の感光性平版印刷版は、常法により
処理することができる。即ち、線画像、網点画像等を有
する透明原画を通して感光し、次いで、水性現像液で現
像することにより、原画に対してネガのレリーフ像が得
られる。露光に好適な活性光の光源としては、カーボン
アーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドラ
ンプ、ストロボ等が挙げられる。
【0080】本発明の感光性平版印刷版の現像は、通常
の方法で行うことができる。
【0081】具体的には、画像露光された感光性平版印
刷版を現像液中に浸漬する方法、感光性平版印刷版の感
光層に対して多数のノズルから現像液を噴出する方法、
現像液が湿潤されたスポンジで感光性平版印刷版の感光
層を拭う方法、感光性平版印刷版の感光層の表面に現像
液をローラー塗布する方法等、種々の方法を用いること
ができる。また、このようにして感光性平版印刷版の感
光層に現像液を与えた後、感光層の表面をブラシ等で軽
く擦ることもできる。
【0082】本発明の感光性組成物より得られる感光性
平版印刷版を現像処理する現像液は、これを現像し得る
ものであれば、任意である。
【0083】好ましくは、特定の有機溶媒と、アルカリ
剤と、水とを必須成分として含有する現像液を用いるこ
とができる。ここに特定の有機溶媒とは、現像液中に含
有させたとき、感光層の非露光部(非画像部)を溶解な
いしは膨潤することができるものをいう。このような有
機溶媒としては、上記のような特性を有するものであり
さえすればよく、以下のもののみに限定されるものでは
ないが、これらを例示するならば、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベン
ジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、レブ
リン酸ブチルのようなカルボン酸エステル;エチルブチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
のようなケトン類;エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレン
グリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコー
ル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコー
ル、メチルアミルアルコールのようなアルコール類;キ
シレンのようなアルキル置換芳香族炭化水素;メチレン
ジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロロベン
ゼンのようなハロゲン化炭化水素;等がある。
【0084】これら有機溶媒は1種用いても2種以上を
併用してもよい。これら有機溶媒の中では、エチレング
リコールモノフェニルエーテルとベンジルアルコールが
特に有効である。また、これら有機溶媒の現像液中にお
ける含有量は、好ましくは、おおむね1〜20重量%で
あり、特に2〜10重量%のときより好ましい結果を得
る。
【0085】他方、現像液中に含有される好ましいアル
カリ剤としては、(A)ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム、第二又は第三リン酸ナトリウム又はアンモニウム
塩、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又はアンモ
ニウム等の無機アルカリ剤、(B)モノ,ジ又はトリメ
チルアミン、モノ,ジ又はトリエチルアミン、モノ又は
ジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ,ジ又
はトリエタノールアミン、モノ,ジ又はトリイソプロパ
ノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン等の
有機アミン化合物等が挙げられる。これらアルカリ剤の
現像液中における含有量は、通常0.05〜4重量%で
あることが好ましく、より好ましくは0.5〜2重量%
である。
【0086】また、現像液中には、ブロッキング抑制
性、UV耐刷力等をより以上に高めるためには、水溶性
亜硫酸塩を含有させることが好ましい。このような水溶
性亜硫酸塩としては、亜硫酸のアルカリ又はアルカリ土
類金属塩が好ましく、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫
酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸マグネシウムなど
がある。これらの亜硫酸塩の現像液組成物における含有
量は、通常、好ましくは0.05〜4重量%であり、よ
り好ましくは0.1〜1重量%である。
【0087】かかる現像液を用い、現像露光後の感光性
平版印刷版と接触させたり、或いは現像液により擦った
りすれば、常温〜40℃にて、10〜60秒後には、感
光層の露光部に悪影響を及ぼすことなく、感光層の非露
光部が完全に除去される。
【0088】現像条件については、現像方法に応じて適
宜選ぶことができる。一例を示すと、例えば、浸漬によ
る現像方法では、約10〜40℃の現像液に約10〜8
0秒間浸漬させる方法を用いることができる。
【0089】本発明の現像方法においては、感光性組成
物の現像液中における膨潤度が25〜200%となる現
像液を用いて現像されることが好ましい。
【0090】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 〈ビニル共重合体の合成〉 ビニル共重合体A 温度計、還流冷却管、攪拌装置、窒素導入管を備えた四
つ首フラスコ中にアセトン50ml、メタノール50m
lの混合溶媒を入れ、共重合体を構成するモノマーとし
て2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)2
6.02g(0.40mol)、メタクリル酸(MA
A)1.08g(0.025mol)、アクリロニトリ
ル(AN)6.63g(0.25mol)、エチルメタ
クリレート(EMA)12.83g(0.225mo
l)及びメチルメタクリレート(MMA)5.01g
(0.10mol)を溶解した。更に、重合反応開始剤
としてアゾイソブチロニトリル1.24g(0.015
mol)を溶解し、窒素気流下で攪拌しながら6時間還
流した。最後に、反応停止剤として、ハイドロキノン
0.05g投入し反応を終了させた。
【0091】反応終了後、反応液を室温まで冷却し、水
5リットル中に投じて結析させ、濾取、乾燥し共重合体
Aを得た。
【0092】得られた共重合体Aの重量平均分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
より、プルラン標準、N,N−ジメチルホルムアミド溶
媒で測定したところ、86,000であった。
【0093】ビニル共重合体B(比較例) 構成するモノマーをp−ヒドロキシフェニルメタクリル
アミド(HyPMA)8.86g(0.10mol)、
アクリロニトリル6.36g(0.24mol)、エチ
ルアクリレート28.56g(0.57mol)及びイ
タコン酸(IA)5.85g(0.09mol)に変え
た外は上記した共重合体Aと同じ構成とし、同様の反応
を行なって得た。重量平均分子量は78,000であっ
た。
【0094】〈支持体の作成〉 支持体1 先ず、0.3mm厚のアルミニウム板(材質JIS A
1050 P、調質H16)を65℃水酸化ナトリウ
ム水溶液(3%)中で7秒間脱脂処理した後、30℃の
硫酸(10%)中に3秒間浸漬して表面汚れ(Smu
t)を除去した。次いで、正弦波交流電源(50Hz)
を使用し、25℃の塩酸水溶液(2%)中に浸漬させ
て、電流密度120A/dmで3秒間、続いて85A
/dmで6秒間の電解処理を行なった後に水洗した。
更に水酸化ナトリウム水溶液による表面洗浄処理、硫酸
によるアルカリ不溶性表面汚れ(Smut)の除去処理
を順次行なった後、直流電源を使用して35℃の硫酸水
溶液(30%)中に浸漬させて、被膜重量16mg/d
の陽極酸化処理を行ない、支持体1を得た。
【0095】支持体2 電解処理条件を、110A/dmで3秒間、80A/
dmで6秒間に設定した外は支持体1の作成条件と同
一として支持体2を得た。
【0096】支持体3(比較例) 電解処理条件を、130A/dmで9秒間に設定した
外は支持体1の作成条件と同一として支持体3を得た。
【0097】支持体1〜3の表面形状のパラメーターは
下記の通り。
【0098】 Sf値 振幅分布の半値幅 Ra プラトー微細化率(%) 支持体1 23% 0.7μm 0.54μm 75% 支持体2 27% 0.6μm 0.46μm 64% 支持体3 16% 1.5μm 0.67μm 78% 〈感光層組成〉 感光層A 共重合体A−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−7.0g U−15HA(新中村化学社製)−−−−−−−−−−−−−−3.0g ジアゾ樹脂A−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1.0g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−S− トリアジン−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−0.2g ジュリマーAC10L (日本純薬社製)−−−−−−−−−−0.5g FC430(住友3M社製)−−−−−−−−−−−−−−−−0.1g ビクトリアピュアブル−BOH(保土谷化学社製)−−−−−−0.3g 乳酸メチル−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−140ml エトキシプロパノール−−−−−−−−−−−−−−−−−−−60ml 感光層B 共重合体A−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−7.0g ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート−−−−−−−−−3.0g ジアゾ樹脂A−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1.0g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−S− トリアジン−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−0.2g ジュリマーAC10L(日本純薬社製)−−−−−−−−−−−0.5g FC430(住友3M社製)−−−−−−−−−−−−−−−−0.1g ビクトリアピュアブル−BOH(保土谷化学社製)−−−−−−0.3g 乳酸メチル−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−140ml エトキシプロパノール−−−−−−−−−−−−−−−−−−−60ml 感光層C 共重合体B−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−10.0g ジアゾ樹脂A−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1.0g ジュリマーAC10L(日本純薬社製)−−−−−−−−−−−0.5g FC430(住友3M社製)−−−−−−−−−−−−−−−−0.1g ビクトリアピュアブル−BOH(保土谷化学社製)−−−−−−0.3g メチルセルソルブ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−200ml (注) ジアゾ樹脂Aは、ジアゾジフェニルアミン/p
−ヒドロキシ安息香酸/パラホルムアルデヒド共重合物
(モル比:75/25/90)であり、Mw.3,40
0である。
【0099】感光層と支持体との組合せは次の通りであ
る。
【0100】 実施例1 −−− 感光層A −−− 支持体1 実施例2 −−− 感光層A −−− 支持体2 比較例1 −−− 感光層B −−− 支持体1 比較例2 −−− 感光層C −−− 支持体1 比較例3 −−− 感光層A −−− 支持体3 比較例4 −−− 感光層B −−− 支持体3 比較例5 −−− 感光層C −−− 支持体3 〈塗布、乾燥条件〉ワイヤーバーを用いて塗布、80℃
で2分乾燥した。乾燥後の膜厚が1.6g/mとなる
よう設定した。 〈現像液組成〉 フェニルグリコール−−−−−−−−−−−180.0g ジエタノールアミン−−−−−−−−−−−85.5g ジブチルナフタレンスルホネート−−−−−93.0g 純水−−−−−−−−−−−−−−−−−−3835ml 〈ドットゲイン印刷実験〉得られた感光性平版印刷版試
料にUGRA40%網点チャートを密着し、2KWメタ
ルハライドランプを用いて30秒間露光し、次いで上記
組成の現像液により35℃で15秒間、バットで現像処
理した。この試料を用いて、印刷機:三菱ダイヤF−
1、湿し水:SG−53(東京インキ社製)0.7%水
溶液、インキ:ハイエコー墨(東京インキ社製)の条件
で印刷を行なった。ベタ濃度1.85の印刷物によりU
GRA40%網点部の濃度をマクベス反射濃度計により
測定した。印刷物の網点濃度からフィルムの網点濃度で
ある40%を引いた値をドットゲインとした。 〈UV耐刷実験〉得られた感光性平版印刷版試料にフィ
ルムを密着し、2KWメタルハライドランプを用いて3
0秒間露光し、次いで上記組成の現像液により35℃で
15秒間、バットで現像処理した。この試料を用いて、
印刷機:三菱ダイヤF−1、湿し水:SG−53(東京
インキ社製)0.7%水溶液、インキ:ビスコートUV
紅(東華社製)の条件で印刷を行なった。印刷物の画像
に欠陥が現れるまでの印刷枚数を評価した。 〈耐水性実験〉得られた感光性平版印刷版試料を水中に
1時間浸漬し、次いでHEIDON引っ掻き試験機
(針:1.0R、200g可変加重)を用いて、感光層
部が損壊され支持体部が見えるに至るまで必要な加重を
評価した。 〈実験結果〉上記の実験の結果は次の通りであった。
【0101】 ドットゲイン印刷 UV耐刷 耐水性 実施例1 23% 82,000枚 120g 実施例2 25% 78,000枚 108g 比較例1 24% 35,000枚 28g 比較例2 31% 32,000枚 22g 比較例3 38% 48,000枚 37g 比較例4 39% 49,000枚 35g 比較例5 42% 32,000枚 22g
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、UV耐刷性、耐水性に
優れた感光性平版印刷版を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族及び/又は芳香族水酸基含有ビニル
    共重合体、共縮合ジアゾ樹脂、1分子内に2つ以上のエ
    チレン性不飽和結合と2つ以上のウレタン結合を有する
    化合物から成ることを特徴とする感光性組成物。
  2. 【請求項2】共縮合ジアゾ樹脂がジアゾジフェニルアミ
    ンとp−ヒドロキシ安息香酸との共縮合樹脂であること
    を特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の感光性組成物が親
    水性の支持体に塗設されていることを特徴とする感光性
    平版印刷版。
  4. 【請求項4】親水性の支持体がアルミニウム又はアルミ
    ニウム合金から成り、粗面化処理され砂目表面形状のS
    f値が30%以下であり、3次元粗度測定による相対負
    荷曲線における振幅分布のグラフの半値幅が1.0μm
    以下であることを特徴とする請求項3に記載の感光性平
    版印刷版。
  5. 【請求項5】親水性の支持体がアルミニウム又はアルミ
    ニウム合金から成り、2次元粗度測定による表面荒さ
    (Ra)が、0.40〜0.60μmであることを特徴
    とする請求項3に記載の感光性平版印刷版。
  6. 【請求項6】親水性の支持体がアルミニウム又はアルミ
    ニウム合金から成り、プラトー微細化率が60%以上で
    あることを特徴とする請求項3に記載の感光性平版印刷
    版。
  7. 【請求項7】支持体の粗面化処理が塩酸を主成分とする
    浴を使用して電気化学的に行われることを特徴とする請
    求項3〜6のいずれかに記載の感光性平版印刷版。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006044263A (ja) * 2004-07-08 2006-02-16 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版用支持体の製造方法

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