JPH11249297A - 感光性平版印刷版及びその製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版及びその製造方法

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JPH11249297A
JPH11249297A JP6222498A JP6222498A JPH11249297A JP H11249297 A JPH11249297 A JP H11249297A JP 6222498 A JP6222498 A JP 6222498A JP 6222498 A JP6222498 A JP 6222498A JP H11249297 A JPH11249297 A JP H11249297A
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JP
Japan
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acid
printing plate
compound
group
lithographic printing
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Pending
Application number
JP6222498A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kizu
紀幸 木津
Shinichi Matsubara
真一 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Konica Minolta Inc filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP6222498A priority Critical patent/JPH11249297A/ja
Publication of JPH11249297A publication Critical patent/JPH11249297A/ja
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ブロッキング抑制、紫外線インクによる耐刷力
に優れた感光性平版印刷版の作成に用いるに適している
感光性組成物、感光性平版印刷版及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】分子内に2つ以上のラジカル重合可能なエ
チレン性不飽和基を有する化合物、アルカリ可溶性又は
膨潤性の高分子化合物、0.01〜5wt%の有機溶剤
を含有することを特徴とする感光性平版印刷版である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブロッキング抑
制、紫外線インクによる耐刷力に優れた感光性平版印刷
版の作成に用いるに適している感光性組成物、感光性平
版印刷版及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性平版印刷版は、親水性支持体上に
感光層を設けたもので、例えば、ネガ型感光性平版印刷
版においては、親水性支持体上に、紫外線等の活性光線
による露光により不可溶化してインク受容性となる感光
層が形成されている。
【0003】このようなネガ型感光性平版印刷版は、感
光層に画像露光を施し、次いで現像すると、露光されな
い部分の感光層は除去されて親水性支持体の表面が露出
する一方、露光部の感光層は支持体に残留してインキ受
容層を形成する。平版印刷においては、上記露光部が親
油性で、露光されない部分が親水性であるという性質の
差が利用される。
【0004】光硬化型の感光性組成物として光重合型の
感光性組成物は古くから知られている。光重合型の感光
性組成物はその長所として連鎖反応による高感度が挙げ
られる。しかし、その材料の一つである分子内に2つ以
上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する化
合物は一般に粘性のある液体であって、そのため、感光
層表面でのべたつき(ブロッキング)が起こりやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ブロッキング抑制が優れている感光性平版印刷版及
びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、 1.分子内に2つ以上のラジカル重合可能なエチレン性
不飽和基を有する化合物、アルカリ可溶性又は膨潤性の
高分子化合物、0.01〜5wt%の有機溶剤を含有す
ることを特徴とする感光性平版印刷版、
【0007】2.有機溶剤含有量が0.1〜2.0wt
%であることを特徴とする上記1記載の感光性平版印刷
版、
【0008】3.上記1又は2に記載の感光性組成物が
さらにジアゾ化合物を含有することを特徴とする感光性
平版印刷版、
【0009】4.上記3に記載のジアゾ化合物がジアゾ
ジフェニルアミンと芳香環に少なくとも1つの水酸基及
び/又はカルボキシル基を持つ化合物との共縮合樹脂で
あることを特徴とする感光性平版印刷版、
【0010】5.上記4に記載の芳香環に少なくとも1
つの水酸基及び/又はカルボキシル基を持つ化合物がp
−ヒドロキシ安息香酸であることを特徴とする感光性平
版印刷版、
【0011】6.上記1〜5のいずれかに記載の有機溶
剤が乳酸アルキルエステル、プロピレングリコールモノ
アルキルエーテルであることを特徴とする感光性平版印
刷版、
【0012】7.親水性支持体上に、上記1〜6のいず
れかに記載の感光性組成物を塗布することを特徴とする
感光性平版印刷版の製造方法、の各々により達成され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。本発明の感光性組成物に用いられるアルカリ可溶
性又は膨潤性の高分子化合物は、広範な種類の高分子物
質の中から適宜選択することができるが、光重合開始
剤、光重合モノマーとの相溶性、現像液溶解性、有機溶
剤溶解性、強度、軟化温度等を考慮して選択することが
好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸とビニル系
モノマーの共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合
体等が挙げられる。
【0014】本発明の感光性組成物に用いられる上記高
分子化合物として特に好ましい高分子化合物は、主鎖を
構成する繰り返し単位の50モル%以上がメタクリル酸
誘導体からの繰り返し単位で構成されているアルカリ可
溶性又は膨潤性のフィルム形成可能な高分子化合物であ
る。
【0015】上記メタクリル酸誘導体からの繰り返し単
位で構成されているアルカリ可溶性又は膨潤性のフィル
ム形成可能な高分子化合物は、特に限定なく用いること
ができるが、ビニル系モノマーとの共重合体であること
が好ましい。
【0016】フィルム形成可能な高分子化合物の繰り返
し単位を構成するメタクリル酸誘導体としては、例え
ば、下記のモノマーを用いることが好ましい。 (1)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グ
リシジルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタク
リレート等の(置換)アルキルメタクリレート (2)メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の脂肪族
水酸基を有するメタクリル酸エステル類、o,m,p−
ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、o,m,p−ヒ
ドロキシフェニルメタクリレート等芳香族水酸基を側鎖
に有するビニル単量体、上記のメタクリル酸誘導体の中
でも、本発明に用いるのに好ましいメタクリル酸誘導体
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メ
タクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4
−ヒドロキシブチルメタクリレート、o,m,p−ヒド
ロキシフェニルメタクリルアミド、o,m,p−ヒドロ
キシフェニルメタクリレートである。
【0017】また本発明の高分子化合物は、分子内に、
芳香族水酸基を有する付加重合性モノマーからの繰り返
し単位を有することが好ましい。
【0018】分子内に、芳香族水酸基を有する付加重合
性モノマーからの繰り返し単位を導入するのに用いるモ
ノマーは、芳香族水酸基を有する付加重合性モノマーで
あれば特に限定されるものではないが、下記一般式
(1)で表されるモノマーが好ましい。
【0019】
【化1】 [式中、Rは水素原子、メチル基を、Rは−COO
−、−CONH−を表す。nは0又は1を表す。]
【0020】本発明のフィルム形成可能な高分子化合物
を構成する他のモノマーとしては、 (a)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、例
えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート (b)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の
α,β−不飽和カルボン酸 (c)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチルアクリレート等の(置換)アルキ
ルアクリレート (d)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリル
アミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒド
ロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルア
ミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル
−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド類 (e)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類 (f)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類 (g)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類 (h)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロ
ピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケ
トン類 (i)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類 (j)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン等が挙げられる。
【0021】本発明の高分子化合物は、優れたアルカリ
可溶性を得るために下記のモノマーを用いたものが好ま
しい。 (1)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸等のα、β−不飽和カルボン酸 (2)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の脂肪族水
酸基を有するアクリル酸エステル類、メタクリル酸エス
テル類 (3)o,m,p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリ
ル酸アミド、o,m,p−ヒドロキシスチレン、o,
m,p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、
o,m,p−ヒドロキシフェニルマレイミド等芳香族水
酸基を側鎖に有するビニル単量体 本発明の高分子化合物は、上記のモノマーを周知の手段
によって重合させることによって得ることができる。
【0022】また、これらビニル系共重合体は、光に対
する硬化性を向上する目的で、分子内に光による架橋の
可能な不飽和結合を有せしめてもよい。このような不飽
和結合を有する基としては、例えば、アクリル基、メタ
クリル基、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル
基が挙げられる。
【0023】本発明の高分子化合物の分子量は、重量平
均分子量で5,000〜200,000であることが好
ましく、更には、50,000〜160,000である
のが好ましい。
【0024】本発明の高分子化合物は、光重合モノマー
/フィルム形成可能な高分子化合物が重量比で5/95
〜70/30になるように用いるのが好ましく、更には
10/90〜50/50になるように用いるのが好まし
い。
【0025】本発明において用いられる分子内に2つ以
上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する化
合物としては、光重合モノマーが好ましく、本発明の感
光性組成物においては、光重合性組成物に用いられる公
知の重合性不飽和化合物を用いることができ、分子中に
2又はそれ以上の付加重合性不飽和結合を有する化合物
であればどのような化学構造を有するものであってもよ
い。また、2以上の付加重合性不飽和結合を有する重合
可能な化合物を併用しても構わない。
【0026】光重合モノマーとしては、例えば、不飽和
カルボン酸、不飽和カルボン酸と脂肪族ポリヒドロキシ
化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と芳香族ポリヒ
ドロキシ化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価
カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳
香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と
のエステル化反応により得られるエステル等が挙げら
れ、具体的には、特開昭59−71048号公報に記載
されているジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロキノンジ
(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリ
レート、ピロガロールトリアクリレート、2,2−ビス
(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等が
挙げられる。その他、エチレンビス(メタ)アクリルア
ミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド類、或いは、ビニルウレタン化
合物やエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることが
できる。
【0027】本発明において特に好ましい光重合モノマ
ーは、分子内にウレタン結合を有する化合物であり、例
えば、U−15HA(新中村化学社製)、UA−306
H(共栄化学社製)等、市販品からも入手できる。
【0028】本発明の感光性組成物における光重合モノ
マーの使用量は、感光性組成物の全固形分中に、通常5
〜70重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重
量%である。
【0029】本発明に用いることができる光重合開始剤
は特に限定はなく、光重合性組成物に用いられる従来公
知のものが使用でき、例えば、ベンゾイン、ベンゾイン
アルキルエーテル、ベンゾフェノン、アントラキノン、
ミヒラーズケトン、トリハロメチル−s−トリアジン系
化合物、オキサジアゾール系化合物、ビイミダゾールと
ミヒラーズケトンの複合体系、チオキサントンと芳香族
第3アミンの複合体系等をいずれも好適に用いることが
できる。これら光重合開始剤は、通常、感光性平版印刷
版の露光に用いられる光源波長に吸収を有する化合物が
用いられる。
【0030】本発明において、光重合開始剤としては下
記のものが好ましい。
【0031】
【化2】 [Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、ハロゲンを表す。a及びbは、0≦a+
b≦4となる整数を表す。]
【0032】具体的には、2−クロロチオキサントン、
2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチ
オキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサント
ン、イソプロピルチオキサントン等を挙げることができ
る。
【0033】
【化3】 [R、R、Rは、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基を表す。Arは、置換又は無
置換のフェニレン基、ナフチレン基又は複素環式芳香族
基を表す。]具体的には、p−ジメチルアミノ安息香酸
エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等を挙
げることができる。
【0034】
【化4】 [Arは、置換又は無置換のフェニレン基、ナフチレン
基、又は複素環式芳香族基を表す。Rは、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アル
キルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン、−COOR
−、−O−(CH−COOR、−O−(CH
CH(R)O)−R、−R−COOR、−
−CONHR、−NHCOR(Rは、水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
リール基を表す。Rは、水素原子又はメチル基、R
は、アルキレン基、Rは、アルキル基、置換アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基を表
す。f、gは1〜10の整数を表す。)を表す。cは、
0〜2の整数を表す。Xは、ハロゲンを表す。d、e
は、0〜3の整数を表すがd+e≦5の範囲内であ
る。]
【0035】具体的には、2,4−ビス(トリクロロメ
チル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−トリアジ
ン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メ
チルスチリル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−6−(o,p−ジメチルスチリル)−
s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−
6−(o,p−ジメトキシスチリル)−s−トリアジン
等を挙げることができる。光重合開始剤としては、上記
の中でもトリアジン系化合物が好ましい。
【0036】光重合開始剤の使用量は、感光性組成物の
全固形分中に、通常0.5〜30重量%であり、より好
ましくは2〜10重量%である。
【0037】次に、ジアゾ化合物について説明する。本
発明で用いられるジアゾ化合物としては、例えば、芳香
族ジアゾニウム化合物とカルボニル化合物との縮合樹脂
及びそれら縮合樹脂の塩が挙げられる。これらの縮合樹
脂は、その分子内にカルボニル基、スルホニル基等の基
を導入したものが好ましい。
【0038】本発明において用いるのに好ましいジアゾ
化合物は、カルボニル基(例えば、カルボキシル基)、
スルホニル基(例えば、スルホン酸基)を有する芳香族
化合物と芳香族ジアゾニウム化合物、好ましくは、ジア
ゾジフェニルアミンとを構成単位として分子中に有する
共縮合化合物である。
【0039】前記のカルボニル基、スルホニル基を有す
る芳香族化合物は、少なくとも1つのカルボニル基を有
する芳香族環及び/又は少なくとも1つのスルホニル基
を有する芳香族環を分子中に含むものであって、この場
合、上記カルボニル基とスルホニル基とを同一の芳香族
環に有するものでもよい。
【0040】そして上記の芳香族環としては、好ましく
はアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げ
ることができる。
【0041】また、前記のカルボニル基、スルホニル基
は芳香族環に直接結合してもよく、何らかの結合基(以
下、単にジョイントという。)を介して結合していても
よい。
【0042】上記の場合において、1つの芳香族環に結
合するカルボニル基、スルホニル基の数としては1又は
2が好ましい。更にジョイントとしては、例えば、炭素
数1〜4のアルキレン基を挙げることができる。
【0043】前述のカルボニル基を有する芳香族化合物
の具体例としては、安息香酸、(o,m,p)−クロロ
安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、ジフェニル酢酸、
フェノキシ酢酸、p−メトキシフェニル酢酸、p−メト
キシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,4−
ジメチル安息香酸、p−フェノキシ安息香酸、4−アニ
リノ安息香酸、4−(m−メトキシアニリノ)安息香
酸、4−(p−メトキシベンゾイル)安息香酸、4−
(p−メチルアニリノ)安息香酸、4−フェニルスルホ
ニル安息香酸、サリチル酸、4−メチルサリチル酸、6
−メチルサリチル酸、4−エチルサリチル酸、6−プロ
ピルサリチル酸、6−ラウリルサリチル酸、6−ステア
リルサリチル酸、4,6−ジメチルサリチル酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、2−メチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、6−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジ
メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキ
シ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香
酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロ
キシ−4−メチル安息香酸、4−クロロ−2,6−ジヒ
ドロキシ安息香酸、4−メトキシ−2,6−ジオキシ安
息香酸、没食子酸、フログルシンカルボン酸、2,4,
5−トリヒドロキシ安息香酸、m−ガロイル没食子酸、
タンニン酸、m−ベンゾイル没食子酸、m−(p−トル
イル)没食子酸、プロトカテクオイル−没食子酸、4,
6−ジヒドロキシフタル酸、(2,4−ジヒドロキシフ
ェニル)酢酸、(2,4−ジヒドロキシフェニル)酢
酸、(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)酢酸、p
−ヒドロキシメチル安息香酸、p−ヒドロキシエチル安
息香酸、4−(p−ヒドロキシフェニル)メチル安息香
酸、4−(o−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−
(2,4−ジヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−
(p−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、4−(p−ヒ
ドロキシアニリノ)安息香酸、ビス(3−カルボキシ−
4−ヒドロキシフェニル)アミン、4−(p−ヒドロキ
シフェニルスルホニル)安息香酸、4−(p−ヒドロキ
シフェニルチオ)安息香酸等が挙げられ、この内特に好
ましいものは、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、
p−メトキシ安息香酸、メタクロロ安息香酸である。
【0044】また、スルホニル基を有する芳香族化合物
の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、(o,m,
p)−クロロベンゼンスルホン酸、p−メトキシベンゼ
ンスルホン酸、2,4−ジメトキシベンゼンスルホン
酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、p−フェノ
キシベンゼンスルホン酸、4−アニリノベンゼンスルホ
ン酸、4−(m−メトキシアニリノ)ベンゼンスルホン
酸、4−(p−メトキシベンゾイル)ベンゼンスルホン
酸、4−(p−メチルアニリノ)ベンゼンスルホン酸、
4−フェニルスルホニルベンゼンスルホン酸、p−ヒド
ロキシベンゼンスルホン酸、2−メチル−4−ヒドロキ
シベンゼンスルホン酸、6−メチル−4−ヒドロキシベ
ンゼンスルホン酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ
ベンゼンスルホン酸、2,4−ジヒドロキシベンゼンス
ルホン酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンゼン
スルホン酸、2,6−ジヒドロキシベンゼンスルホン
酸、2,6−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼンスルホ
ン酸、4−クロロ−2,6−ジヒドロキシベンゼンスル
ホン酸、4−メトキシ−2,6−ジオキシベンゼンスル
ホン酸、2,4,5−トリヒドロキシベンゼンスルホン
酸、p−ヒドロキシメチルベンゼンスルホン酸、p−ヒ
ドロキシエチルベンゼンスルホン酸、4−(p−ヒドロ
キシフェニル)メチルベンゼンスルホン酸、4−(o−
ヒドロキシベンゾイル)ベンゼンスルホン酸、4−
(2,4−ジヒドロキシベンゾイル)ベンゼンスルホン
酸、4−(p−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼンスルホ
ン酸、4−(p−ヒドロキシアニリノ)ベンゼンスルホ
ン酸、ビス(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)アミン、4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニ
ル)ベンゼンスルホン酸、4−(p−ヒドロキシフェニ
ルチオ)ベンゼンスルホン酸等が挙げられ、この内特に
好ましいものは、ベンゼンスルホン酸、p−ヒドロキシ
ベンゼンスルホン酸、p−メトキシベンゼンスルホン
酸、メタクロロベンゼンスルホン酸である。
【0045】前述のジアゾ化合物の構成単位をなす芳香
族ジアゾニウム化合物は、塩として用いられ、例えば、
特公昭49−48001号公報に挙げられているような
ジアゾニウム塩を用いることができるが、特に、ジフェ
ニルアミン−4−ジアゾニウム塩類が好ましい。
【0046】ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩類
は、4−アミノ−ジフェニルアミン類から誘導される
が、このような4−アミノ−ジフェニルアミン類として
は、4−アミノ−ジフェニルアミン、4−アミノ−3−
メトキシ−ジフェニルアミン、4−アミノ−2−メトキ
シ−ジフェニルアミン、4−アミノ−2′−メトキシ−
ジフェニルアミン、4−アミノ−4′−メトキシ−ジフ
ェニルアミン、4−アミノ−3−メチルジフェニルアミ
ン、4−アミノ−3−エトキシ−ジフェニルアミン、4
−アミノ−3−β−ヒドロキシ−エトキシジフェニルア
ミン、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−スルホン
酸、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−カルボン酸、
4−アミノ−ジフェニルアミン−2′−カルボン酸等が
挙げられ、特に好ましくは、4−アミノ−4′−メトキ
シ−ジフェニルアミン、4−アミノ−ジフェニルアミン
である。
【0047】上記ジアゾ化合物は、公知の方法、例え
ば、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリング(Photo.Sci.Eng.)第17
巻、第33頁(1973)、米国特許2,063,63
1号明細書、同2,679,498号明細書に記載の方
法に従い、硫酸やリン酸或いは塩酸中でジアゾニウム
塩、カルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を有する
芳香族化合物及びアルデヒド類、例えば、パラホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド或いは
ケトン類、例えば、アセトン、アセトフェノンとを重縮
合させることにとって得られる。
【0048】また、これら分子中にカルボニル基、スル
ホニル基を有する芳香族化合物、芳香族ジアゾ化合物及
びアルデヒド類又はケトン類は相互に組み合わせ自由で
あり、更に各々2種以上を混ぜて共縮合することも可能
であるが、好ましくは、ジアゾジフェニルアミンと分子
内にカルボニル基、スルホニル基を有する芳香族化合物
との共縮合樹脂であり、より好ましくは、ジアゾジフェ
ニルアミンと安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル
酢酸との共縮合物、更に好ましくはジアゾジフェニルア
ミンとp−ヒドロキシ安息香酸との共縮合物である。
【0049】カルボニル基及びスルホニル基の内の少な
くとも一方を有する芳香族化合物と芳香族ジアゾ化合物
の仕込みモル比は、通常1:0.1〜0.1:1、好ま
しくは1:0.5〜0.2:1、より好ましくは1:1
〜0.2:1である。また、この場合、カルボニル基、
スルホニル基の内の少なくとも一方を有する芳香族化合
物及び芳香族ジアゾ化合物の合計とアルデヒド類又はケ
トン類とをモル比で通常1:0.6〜1.5、好ましく
は1:0.7〜1.2で仕込み、低温で短時間、例え
ば、3時間程度反応させることにより共縮合ジアゾ樹脂
が得られる。
【0050】本発明において使用されるジアゾ化合物の
カウンター・アニオンは、該ジアゾ化合物と安定に塩を
形成し、且つ該樹脂を有機溶媒に可溶となすアニオンを
含む。これらは、デカン酸及び安息香酸等の有機カルボ
ン酸、フェニルリン酸等の有機リン酸及びスルホン酸を
含み、典型的な例としては、メタンスルホン酸、クロロ
エタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、
及びアントラキノンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ヒドロキシ
スルホン酸、4−アセチルベンゼンスルホン酸、ジメチ
ル−5−スルホイソフタレート等の脂肪族並びに芳香族
スルホン酸、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン等
の水酸基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロリン酸、テ
トラフルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス酸、Cl
、IO等の過ハロゲン酸等が挙げられるが、これ
らに限られるものではない。これらの中で、特に好まし
いものは、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ
酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸、炭素数6以下のアルキル基置換のベンゼ
ンスルホン酸塩である。
【0051】上記ジアゾ化合物は、各単量体のモル比及
び縮合条件を種々変えることにより、その分子量は任意
の値として得ることができるが、本発明の目的とする使
途に有効に供するためには分子量約400〜10,00
0の範囲から選択されることが一般的であるが、好まし
くは約800〜5,000である。上記ジアゾ化合物は
感光性組成物中に1〜25重量%含有させるのが好まし
い。
【0052】本発明で用いられる可塑剤としては、例え
ば、フタル酸エステル(例えば、ジメチルフタレート、
ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチル
フタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−
n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブ
チルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エ
チルフタリルエチルグリコレート)、トリメリット酸エ
ステル(例えば、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテ
ート)、脂肪酸(二塩基性)エステル(例えば、ジメチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジ
ペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデ
シルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ
ブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシ
ルアゼレート、ジメチルセバケート、ジブチルアセバケ
ート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチル−ア
セチルリシノケート)、正リン酸エステル(例えば、ト
リメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフ
ェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリオレイ
ルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホ
スフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェー
ト)が挙げられる。
【0053】本発明の感光性組成物には、更に色素を含
有させることができる。該色素は、露光による可視画像
(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ることを目的
として使用される。
【0054】該色素としては、フリーラジカル又は酸と
反応して色調を変化するものが好ましく使用できる。こ
こに「色調が変化する」とは、無色から有色の色調への
変化、有色から無色或いは異なる有色の色調へのいずれ
をも包含する。好ましい色素は酸と塩を形成して色調を
変化するものである。
【0055】有色から無色へ或いは異なる有色の色調へ
変化する色素の例としては、例えば、ビクトリアピュア
ブルーBOH(保土谷化学社製)、オイルブルー#60
3(オリエント化学工業社製)、パテントピュアブルー
(住友三国化学社製)、クリスタルバイオレット、ブリ
リアントグリーン、エチルバイオレット、メチルバイオ
レット、メチルグリーン、エリスロシンB、ベイシック
フクシン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m−ク
レゾールパープル、ローダミンB、オーラミン、4−p
−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、シアノ
−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に代表
されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オ
キサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、ア
ゾメチン系又はアントラキノン系の色素が挙げられる。
【0056】一方、無色から有色に変化する色素の例と
しては、例えば、ロイコ色素及び、例えば、トリフェニ
ルアミン、ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、
1,2,3−トリフェニルグアニジン、ナフチルアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメ
チルアミノジフェニルアミン、1,2−ジアニリノエチ
レン、p,p′,p″−トリス−ジメチルアミノトリフ
ェニルメタン、p,p´−ビス−ジメチルアミノジフェ
ニルメチルイミン、p,p′,p″−トリアミノ−o−
メチルトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチル
アミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,
p′,p″−トリアミノトリフェニルメタンに代表され
る第1級又は第2級アリールアミン系色素が挙げられ
る。
【0057】これらの色素の内、トリフェニルメタン
系、ジフェニルメタン系色素が好ましく、更に好ましく
はトリフェニルメタン系色素であり、特に、ビクトリア
ピュアブルーBOHが好ましい。上記色素は、感光性組
成物の全固形分中に通常0.5〜10重量%含有され、
好ましくは約1〜5重量%含有させる。
【0058】本発明の感光性組成物には、更に種々の添
加物を加えることができる。例えば、塗布性を改良する
ためのアルキルエーテル類(例えば、エチルセルロー
ス、メチルセルロース)、フッ素系界面活性剤類や、ノ
ニオン系界面活性剤{例えば、プルロニックL−64
(旭電化社製)}、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与する
ための可塑剤(例えば、ブチルフタリル、ポリエチレン
グリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、
フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオ
クチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン
酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、
アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマ
ー)、画像部の感脂性を向上させるための感脂化剤(例
えば、特開昭55−527号公報記載のスチレン−無水
マレイン酸共重合体のアルコールによるハーフエステル
化物等)、安定剤{例えば、リン酸、亜リン酸、有機酸
(クエン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタリ
ンスルホン酸、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフ
ェノン−5−スルホン酸、酒石酸等)}、現像促進剤
(例えば、高級アルコール、酸無水化物等)等が挙げら
れる。これらの添加剤の添加量はその使用対象目的によ
って異なるが、一般に感光層の全固形分に対して0.0
1〜30重量%である。
【0059】本発明の感光性平版印刷版は、本発明の感
光性組成物を1〜50wt%、好ましくは1〜15wt
%の濃度になるように有機溶剤中に溶解させて感光性組
成物の塗布液を調製し、これを支持体上に塗布、乾燥
し、感光層を形成することにより得ることができる。
【0060】本発明に用いる有機溶剤としては、例え
ば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロ
ソルブアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メ
タノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、乳酸メチル、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、水又はこれらの混合物等が挙げられ
る。
【0061】溶剤としては、乳酸メチル等の乳酸エステ
ルを用いることが好ましい。乳酸メチル等の乳酸エステ
ルは、環境適性が優れ、安全性に問題がない、沸点が適
当であって乾燥し易いこと等の理由によって好ましい。
【0062】塗布には、従来公知の方法、例えば、回転
塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ
塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等を
用いることができる。この場合、塗布量は、乾燥重量
で、おおむね、0.2〜10g/m程度とすればよ
い。
【0063】支持体としては、紙、プラスチック(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)
ラミネート紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含
む)、亜鉛、銅等のような金属の板、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネートポリビニルアセタール等のような
プラスチックのフィルム、上記の如き金属がラミネート
もしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム、
アルミニウムもしくはクロームメッキが施された鋼板等
が挙げられ、これらのうち特にアルミニウム及びアルミ
ニウム被覆された複合支持体が好ましい。
【0064】また、アルミニウム材の表面は、保水性を
高め、感光層との密着性を向上させる目的で粗面化処理
されていることが望ましい。粗面化方法としては、一般
に公知のブラシ研磨法、ボール研磨法、電解エッチン
グ、化学的エッチング、液体ホーニング、サンドブラス
ト等の方法及びこれらの組み合わせが挙げられ、好まし
くはブラシ研磨法、電解エッチング、化学的エッチング
及び液体ホーニングが挙げられ、これらの内で特に電解
エッチングの使用を含む粗面化方法が好ましい。また、
電解エッチングの際に用いられる電解浴としては、酸、
アルカリ又はそれらの塩を含む水溶液或いは有機溶剤を
含む水性溶液が用いられ、これらの内で特に塩酸、硝酸
又はそれらの塩を含む電解液が好ましい。更に、粗面化
処理の施されたアルミニウム板は、必要に応じて酸又は
アルカリの水溶液にてデスマット処理される。こうして
得られたアルミニウム板は、陽極酸化処理されることが
望ましく、特に好ましくは、硫酸又はリン酸を含む浴で
処理する方法が挙げられる。また、更に必要に応じて、
ケイ酸アルカリや熱水による処理、その他水溶性高分子
化合物や弗化ジルコニウム酸カリウム水溶液への浸漬等
による表面処理を行うことができる。
【0065】本発明の感光性平版印刷版は、常法により
処理することができる。即ち、線画像、網点画像等を有
する透明原画を通して感光し、次いで、水性現像液で現
像することにより、原画に対してネガのレリーフ像が得
られる。露光に好適な活性光の光源としては、カーボン
アーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドラ
ンプ、ストロボ等が挙げられる。
【0066】本発明の感光性平版印刷版の現像は、通常
の方法で行うことができる。
【0067】具体的には、画像露光された感光性平版印
刷版を現像液中に浸漬する方法、感光性平版印刷版の感
光層に対して多数のノズルから現像液を噴出する方法、
現像液が湿潤されたスポンジで感光性平版印刷版の感光
層を拭う方法、感光性平版印刷版の感光層の表面に現像
液をローラー塗布する方法等、種々の方法を用いること
ができる。また、このようにして感光性平版印刷版の感
光層に現像液を与えた後、感光層の表面をブラシ等で軽
く擦ることもできる。
【0068】本発明の感光性組成物より得られる感光性
平版印刷版を現像処理する現像液は、これを現像し得る
ものであれば、任意である。
【0069】好ましくは、特定の有機溶媒と、アルカリ
剤と、水とを必須成分として含有する現像液を用いるこ
とができる。ここに特定の有機溶媒とは、現像液中に含
有させたとき、感光層の非露光部(非画像部)を溶解な
いしは膨潤することができるものをいう。このような有
機溶媒としては、上記のような特性を有するものであり
さえすればよく、以下のもののみに限定されるものでは
ないが、これらを例示するならば、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベン
ジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、レブ
リン酸ブチルのようなカルボン酸エステル;エチルブチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
のようなケトン類;エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレン
グリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコー
ル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコー
ル、メチルアミルアルコールのようなアルコール類;キ
シレンのようなアルキル置換芳香族炭化水素;メチレン
ジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロロベン
ゼンのようなハロゲン化炭化水素;等がある。
【0070】これら有機溶媒は1種用いても2種以上を
併用してもよい。これら有機溶媒の中では、エチレング
リコールモノフェニルエーテルとベンジルアルコールが
特に有効である。また、これら有機溶媒の現像液中にお
ける含有量は、好ましくは、おおむね1〜20重量%で
あり、特に2〜10重量%のときより好ましい結果を得
る。
【0071】他方、現像液中に含有される好ましいアル
カリ剤としては、(A)ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム、第二又は第三リン酸ナトリウム又はアンモニウム
塩、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又はアンモ
ニウム等の無機アルカリ剤、(B)モノ,ジ又はトリメ
チルアミン、モノ,ジ又はトリエチルアミン、モノ又は
ジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ,ジ又
はトリエタノールアミン、モノ,ジ又はトリイソプロパ
ノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン等の
有機アミン化合物等が挙げられる。これらアルカリ剤の
現像液中における含有量は、通常0.05〜4重量%で
あることが好ましく、より好ましくは0.5〜2重量%
である。
【0072】また、現像液中には、ブロッキング抑制
性、UV耐刷力等をより以上に高めるためには、水溶性
亜硫酸塩を含有させることが好ましい。このような水溶
性亜硫酸塩としては、亜硫酸のアルカリ又はアルカリ土
類金属塩が好ましく、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫
酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸マグネシウムなど
がある。これらの亜硫酸塩の現像液組成物における含有
量は、通常、好ましくは0.05〜4重量%であり、よ
り好ましくは0.1〜1重量%である。
【0073】かかる現像液を用い、現像露光後の感光性
平版印刷版と接触させたり、或いは現像液により擦った
りすれば、常温〜40℃にて、10〜60秒後には、感
光層の露光部に悪影響を及ぼすことなく、感光層の非露
光部が完全に除去される。
【0074】現像条件については、現像方法に応じて適
宜選ぶことができる。一例を示すと、例えば、浸漬によ
る現像方法では、約10〜40℃の現像液に約10〜8
0秒間浸漬させる方法を用いることができる。
【0075】本発明の現像方法においては、感光性組成
物の現像液中における膨潤度が25〜200%となる現
像液を用いて現像されることが好ましい。
【0076】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 <支持体の作成>0.3mm厚のアルミニウム板(材質
1050、調質H16)の表面を3%水酸化ナトリウム
で脱脂、1%塩酸浴中、25℃、80A/dmの電流
密度の条件下で400c/dmの電気量で電解エッチ
ング、水洗後、30%硫酸浴中で3g/mの陽極酸化
皮膜を設け、85℃、20秒間、2%ケイ酸ナトリウム
水溶液で親水化処理した。
【0077】<塗布条件>ワイヤーバーを用いて塗布、
乾燥後の膜厚は1.6g/dmとなるようにした。乾
燥条件は実験結果を示す表1に記載した通りである。
【0078】 <現像液組成> 現像液 フェニルグリコール 180.0g ジエタノールアミン 85.5g ジブチルナフタレンスルホネート 93.0g 純水 3835ml
【0079】 <感光層処方> 実施例1(感光層処方1) 高分子化合物A 7.0g U−15HA(新中村化学社製) 3.0g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−ト リアジン 0.3g ジアゾ樹脂A[ジアゾジフェニルアミン/p−ヒドロキシ安息香酸共縮合物メ シチレンスルホン酸塩(モル比:75/25、重量平均分子量3,400)] 1.5g リンゴ酸 0.4g ポリアクリル酸(ジュリマーAC10L、日本純薬社製) 0.2g フッ素系界面活性剤(FC−430、住友3M社製) 0.01g 色素(ビクトリアピュアブルーBOH、保土谷化学社製) 0.02g 乳酸メチル 180ml プロピレングリコールモノエチルエーテル 20ml
【0080】 実施例2(感光層処方2) 高分子化合物A 7.0g UA−306H(共栄社化学社製) 3.0g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−ト リアジン 0.3g ジアゾ樹脂A 1.5g リンゴ酸 0.2g ポリアクリル酸(ジュリマーAC10L、日本純薬社製) 0.2g フッ素系界面活性剤(FC−430、住友3M社製) 0.01g 色素(ビクトリアピュアブルーBOH、保土谷化学社製) 0.02g 乳酸メチル 180ml プロピレングリコールモノエチルエーテル 20ml
【0081】 実施例3(感光層処方3) 高分子化合物B 6.0g U−15HA(新中村化学社製) 4.0g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−ト リアジン 0.3g リンゴ酸 0.2g ポリアクリル酸(ジュリマーAC10L、日本純薬社製) 0.2g フッ素系界面活性剤(FC−430、住友3M社製) 0.01g 色素(ビクトリアピュアブルーBOH、保土谷化学社製) 0.02g 乳酸メチル 180ml プロピレングリコールモノメチルエーテル 20ml
【0082】 比較例1(感光層処方4) 高分子化合物A 7.0g DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 3.0g リンゴ酸 0.2g ポリアクリル酸(ジュリマーAC10L、日本純薬社製) 0.2g フッ素系界面活性剤(FC−430、住友3M社製) 0.01g 色素(ビクトリアピュアブルーBOH、保土谷化学社製) 0.02g メチルセロゾルブ 200ml
【0083】比較例2(感光層処方1) 実施例1と同じ感光層処方としたが、含有溶剤量を表1
のように異ならせた。
【0084】<フィルム形成可能な高分子化合物の合成
> 高分子化合物Aの合成(合成例1) 温度計、環流冷却管、攪拌装置、窒素導入管を備えた5
00mlの4つ首フラスコ中に、アセトン50ml、メ
タノール50mlの混合溶媒を入れ、高分子化合物を構
成する化合物として2−ヒドロキシエチルメタクリルア
ミド(HEMA)26.02g(0.40mol)、メ
タクリル酸(MAA)1.08g(0.025mo
l)、アクリロニトリル(AN)6.63g(0.25
mol)、エチルメタクリレート(EMA)12.83
g(0.225mol)、及びメチルエタクリレート
(MMA)5.00g(0.10mol)を溶解した。
更に、重合反応開始剤として、アゾイソブチロニトリル
1.24g(0.015mol)を溶解させ、窒素気流
下で攪拌しながら還流させた。最後に、反応停止剤とし
てハイドロキノン0.050gを投入し反応を終了させ
た。
【0085】反応終了後、反応液を室温まで冷却し、水
5リットル中に投じて結析させ、これを濾取、乾燥し、
高分子化合物Aを得た。得られた高分子化合物の重量平
均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)により、プルラン標準、N,N−ジメチルホ
ルムアミド溶媒で測定したところ、78,000であっ
た。
【0086】高分子化合物Bの合成(合成例2) 構成する化合物をHyPMA(4−ヒドロキシフェニル
メタクリルアミド)4.43g(0.05mol)、H
EMA22.7g(0.35mol)、MAA1.29
g(0.03mol)、AN6.63g(0.25mo
l)及びEMA18.24g(0.32mol)に代え
た他は、合成例1と同様とした。分子量は重量平均で8
2,000であった。
【0087】<ブロッキング試験>得られたサンプルを
積層し、10kg/mの荷重を加え、温度55℃、湿
度40%RHの条件で1週間保存した後、感光層の支持
体裏面への転写の有無を目視で評価した。結果を表1に
示す。
【0088】<耐刷力試験)得られた試料をフィルム原
稿を密着して、2kwメタルハライドランプを光源とし
て30秒間露光した。前述の現像液を用いて32℃で1
5秒間、バットで現像し、水洗、乾燥した。ハイデルG
TO印刷機、UV印刷用インキとしてベストキュアーB
FWHO紅(東華色素社製)を用いて印刷、印刷物に欠
陥が出るまでの枚数を評価した。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、ブロッキング抑制が優
れていると共に紫外線インクによる耐刷力が向上する感
光性平版印刷版及びその製造方法を提供することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に2つ以上のラジカル重合可能なエ
    チレン性不飽和基を有する化合物、アルカリ可溶性又は
    膨潤性の高分子化合物、0.01〜5wt%の有機溶剤
    を含有することを特徴とする感光性平版印刷版。
  2. 【請求項2】有機溶剤含有量が0.1〜2.0wt%で
    あることを特徴とする請求項1記載の感光性平版印刷
    版。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の感光性組成物がさ
    らにジアゾ化合物を含有することを特徴とする感光性平
    版印刷版。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のジアゾ化合物がジアゾジ
    フェニルアミンと芳香環に少なくとも1つの水酸基及び
    /又はカルボキシル基を持つ化合物との共縮合樹脂であ
    ることを特徴とする感光性平版印刷版。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の芳香環に少なくとも1つ
    の水酸基及び/又はカルボキシル基を持つ化合物がp−
    ヒドロキシ安息香酸であることを特徴とする感光性平版
    印刷版。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の有機溶剤
    が乳酸アルキルエステル、プロピレングリコールモノア
    ルキルエーテルであることを特徴とする感光性平版印刷
    版。
  7. 【請求項7】親水性支持体上に、請求項1〜6のいずれ
    かに記載の感光性組成物を塗布することを特徴とする感
    光性平版印刷版の製造方法。
JP6222498A 1998-02-26 1998-02-26 感光性平版印刷版及びその製造方法 Pending JPH11249297A (ja)

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