JPH06222554A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

Info

Publication number
JPH06222554A
JPH06222554A JP2621393A JP2621393A JPH06222554A JP H06222554 A JPH06222554 A JP H06222554A JP 2621393 A JP2621393 A JP 2621393A JP 2621393 A JP2621393 A JP 2621393A JP H06222554 A JPH06222554 A JP H06222554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
diazo resin
photosensitive
alkali
soluble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2621393A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Matsumura
智之 松村
Hideyuki Nakai
英之 中井
Masahisa Murata
昌久 村田
Shigeo Tsuji
成夫 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Corp, Konica Minolta Inc filed Critical Mitsubishi Kasei Corp
Priority to JP2621393A priority Critical patent/JPH06222554A/ja
Publication of JPH06222554A publication Critical patent/JPH06222554A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジアゾ樹脂を感光成分として用いた場合にお
いて、その保存性が改良されたネガ型の感光性平版印刷
版を提供する。 【構成】 (イ)ジアゾ樹脂、(ロ)アルカリ可溶性ま
たは膨潤性の高分子化合物、及び(ハ)ラジカル捕捉剤
を含有し、かつ上記アルカリ可溶性または膨潤性の高分
子化合物が、その構成単位として、下記一般式(1)で
表わされるモノマーから誘導される構造単位を有するこ
とを特徴とする。 一般式(1) CH2 =C(R1 )COO−(CH2n −OH (式中、R1 は水素原子またはメチル基を表わし、nは
3〜10の整数を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性平版印刷版に関
し、特にジアゾを感光性物質として用いたネガ型の感光
性平版印刷版に関する。
【0002】
【発明の背景】ネガ型の感光性平版印刷版(以下場合に
より「PS版」と称する)は、光照射をうけることによ
り、感光層の露光部が硬化し、この結果、アルカリや溶
剤に対し不溶となる性質を利用して画像を形成するもの
である。
【0003】このようなネガ型PS版においては従来感
光成分として一般にジアゾ樹脂が用いられているが、こ
のようなPS版の場合、例えば高温度下で保存した場合
等、ジアゾ樹脂の分解がおこり、この結果現像性が劣化
するという欠点があり、その保存性に大きな問題があっ
た。
【0004】この点を改良するため、従来ジアゾのカウ
ンターアニオンを強酸にしたり、ジアゾ樹脂の分子量を
高くしたり、種々の酸性化合物を添加する等の手段がと
られているが、未だその効果は不十分である。また、特
開平2-304568号公報には、ラジカル捕捉剤を添加するこ
とにより、空気酸化等によるラジカルが介在すると考え
られるジアゾの分解反応を抑え、上記問題点を改良する
技術が開示されている。このような方法により若干の効
果は得られたものの、上記課題の解決は未だ十分とはい
えず、実用上更なる改良が求められていた。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
ある。すなわち、本発明の目的は、ジアゾ樹脂を感光成
分として用いた場合において、その保存性が改良された
ネガ型の感光性平版印刷版を提供することにある。
【0006】
【発明の構成】本発明の上記目的は、(1) (イ)ジア
ゾ樹脂、(ロ)アルカリ可溶性または膨潤性の高分子化
合物、及び(ハ)ラジカル捕捉剤を含有し、かつ上記ア
ルカリ可溶性または膨潤性の高分子化合物が、その構成
単位として、下記一般式(1)で表わされるモノマーか
ら誘導される構造単位を有することを特徴とする感光性
平版印刷版、又は、(2) 上記 (1)記載のアルカリ可溶
性または膨潤性の高分子化合物がその構成単位として更
に、下記一般式(2)で表わされるモノマーから誘導さ
れる構造単位を有することを特徴とする上記 (1)記載の
感光性平版印刷版、を提供することにより達成される。 一般式(1) CH2 =C(R1 )COO−(CH2n −OH (式中、R1 は水素原子またはメチル基を表わし、nは
3〜10の整数を表わす。) 一般式(2) CH2 =C(R1 )−X−Y−OH (式中、R1 は水素原子又はメチル基を表わし、Xは−
COO−,−CONH−,−OCO−又は単結合を表わ
し、Yはo−,m−又はp−フェニレン基を表わす。)
【0007】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0008】本発明のPS版が含有するアルカリ可溶性
又は膨潤性の高分子化合物は感光層等を構成する際のバ
インダーとして機能しうるものである。
【0009】本発明において、アルカリ可溶性又は膨潤
性高分子化合物とは、アルカリ可溶性であるか又はアル
カリ膨潤性であるものである。このような高分子化合物
は、1種または2種以上、任意に用いることができる。
【0010】本発明において、アルカリ可溶性とは、ア
ルカリ性の溶液、例えば25℃におけるpHが12.0以上で
あるアルカリ性の溶液中で、該溶液中に溶出して行くも
のをいう。また、アルカリ膨潤性とは、アルカリ性の溶
液中において液分が浸透することにより体積が膨脹し、
支持体上に塗布形成した場合には、該支持体から剥離し
やすくなるものをいう。
【0011】上記のようなアルカリ可溶性又は膨潤性高
分子化合物であれば、本発明において任意に用いること
ができる。
【0012】なお本発明の実施に際して、用いる高分子
化合物の分子量を特定するには、ポリスチレン標準によ
るGPCにより測定した分子量の値を用いることができ
る。
【0013】即ち、重量平均分子量の測定は、GPC
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)によっ
て行うことができ、数平均分子量MN及び重量平均分子
量MWの算出は、柘植盛男、宮林達也、田中誠之著“日
本化学会誌” 800頁〜 805頁(1972年)に記載の方法に
より、オリゴマー領域のピークを均す(ピークの山と谷
の中心線を結ぶ)方法にて行うことができる。
【0014】本発明において用いることができる高分子
化合物としては、ビニル系のモノマーの付加重合体が挙
げられる。
【0015】本発明においてバインダーとして用いられ
るアルカリ可溶性又は膨潤性の高分子化合物は、前記一
般式(1)で表わされるモノマーから誘導される構造単
位を有し、好ましくは、上記構造単位及び前記一般式
(2)で表わされるモノマーから誘導される構造単位を
有する。
【0016】前記一般式(1)で示されるモノマーから
誘導される構造単位の、共重合体中に含まれる割合は、
1〜80モル%であり、好ましくは2〜40モル%である。
【0017】前記一般式(1)で示されるモノマーは、
式中のnの数が増加するにしたがい、共重合体にしたと
きの性質として、一般的にnが2以下(例えば、n=
2、R1 =CH3 では2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート)のものに比べ耐摩耗性が向上し、弾性率が下が
り、可撓性が向上する。そのため、共重合体を感光性組
成物に適用するとnの数が増加するにしたがい、応力に
対する緩和力が向上し、支持体との接着力が向上する。
【0018】しかし、nの数があまり大きくなると、融
点が高くなり取扱いに不便になってしまう。また感光性
組成物に適用したときの他性能とのバランスにより、本
発明に好適に使用されるnの範囲は、3〜6の整数であ
り、更に好ましくは4である。これらのモノマーの具体
的な例としては、例えば、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)ア
クリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレ
ートである。
【0019】上記モノマーは、公知の合成方法、例え
ば、西ドイツ特許 1,518,572号、特開昭 50-083320号公
報、特開昭63-37791号公報、西ドイツ特許 2,027,444
号、英国特許 832,497号に記載の方法等により容易に得
られる。
【0020】本発明に好適に用いられる共重合体の原料
となる重合性モノマーのうち前記一般式(2)で示され
るモノマーから誘導される構造単位の、共重合体中に含
まれる割合は、1〜80モル%であり、好ましくは2〜40
モル%である。
【0021】一般式(2)で示されるモノマーから誘導
される構造単位を有する共重合体を感光性組成物中に用
いることによってネガ型PS版の感度、耐刷力、耐薬品
性、現像性等を向上させることができる。一般式(2)
で表わされる化合物としてはXが−CONH−のもの又
はYがp−フェニレン基であるものが好ましい。これら
のモノマーの具体例としては、o−、m−、p−ヒドロ
キシフェニル(メタ)アクリレート、o−、m−、p−
ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、o−、m
−、p−ヒドロキシ安息香酸ビニル、o−、m−、p−
ヒドロキシ安息香酸イソプロペニル等が挙げられ、この
ましくはp−ヒドロキシフェニル基を有するものおよび
(メタ)アクリルアミド類であり、更に好ましくはp−
ヒドロキシフェニルメタクリルアミドである。
【0022】本発明に好適に用いられるアルカリ可溶性
又は膨潤性の高分子化合物は前記一般式(1)又は
(2)で示されるモノマーから誘導される構造単位を有
するものの他に、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸エステル類、ビ
ニルエーテル類、ビニルケトン類、スチレン類、オレフ
ィン類、等の付加重合性不飽和結合を有する化合物を共
重合させて得られたものも含む。
【0023】本発明に用いることができる付加重合性不
飽和結合を有する化合物の具体例としては、例えば下記
(1)〜(9)に示すものが挙げられる。 (1)(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−
ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリル
アミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フ
ェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルア
ミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド類。 (2)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸−2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル等の(置換)アルキル
(メタ)アクリル酸エステル類。 (3)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類。 (4)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル
類。 (5)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。 (6)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロ
ピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケ
トン類。 (7)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類。 (8)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、(メタ)アクリロニトリル
等。 (9)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
ケイ皮酸等の不飽和カルボン酸。
【0024】本発明においては、前記のアルカリ溶解性
または膨潤性の高分子化合物の他に任意の高分子化合物
を混合して用いることができる。混合できる任意の高分
子化合物としては、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、ポリビニルクロリド及びそのコポリマー、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラ
ック、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等
が挙げられる。
【0025】本発明において、ラジカル捕捉剤とは、感
光性組成物中等の成分等の経時変化等、例えばジアゾ樹
脂等の経時変化等に伴って発生するラジカルを捕捉し得
るものをいい、例えば、一般的に酸化防止剤、重合禁止
剤、連鎖移動剤、消光剤等として用いられるものを使用
することができる。
【0026】本発明のPS版においては、ラジカル捕捉
剤はその感光層中に含有させるのが好ましく、その場
合、該感光層を構成する感光性組成物の固型分中に、好
ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは 0.1〜5重量
%含有させるのがよい。
【0027】本発明の実施に際し、好ましく用いること
のできるラジカル捕捉剤としては、例えば、以下のよう
なものを挙げることができる。なお、商品として市販さ
れているものについて、化学名の後に商品名をカッコ書
きして示す。
【0028】即ち、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール(ヨシノックスBHT 吉富製薬製)、ブチルヒド
ロキシアニソール(BHA−wako 和光純薬製)、2,6
−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール(ヨシノック
ス250 吉富製薬製)、ステアリル−β−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト(トミノックスss 吉富製薬製)、2,2′−メチレ
ン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
(ヨシノックス2246G 吉富製薬製)、2,2′−メチ
レン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)(ヨシノックス425 吉富製薬製)、4,4′−チ
オビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)
(ヨシノックスSR 吉富製薬製)、4,4′−ブチリデ
ン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)
(ヨシノックスBB 吉富製薬製)、1,1,3−トリス
−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン(Topanol CA I.C.I製)、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(Ionox 33
0 シェル化学製)、テトラキス−[メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン(Irganox 1010 日本チ
バガイギー製)、ビス[3,3′−ビス−(4′−ヒド
ロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッ
ド]グリコールエステル(Antioxidant Hoechst TMOZ
Hoechst製)、α−トコフェロール、β−トコフェロー
ル、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、エリソ
ルビン酸、エリソルビン酸ソーダ、グアヤク脂、ノルジ
ヒドログアヤレチン酸、没食子酸プロピル、2,5−ジ
−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミル
ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、クロラニル、N,
N,N′,N′−テトラエチル−p−フェニレンジアミ
ン、メトキノン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスル
フィド、p,p′−ジトリルトリルスルフィド、p,
p′−ジトリルテトラスルフィド、ジベンジルテトラス
ルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、α,α
−ジフェニル−β−ピクリルヒドラジン、α,α−ジフ
ェニル−β−ピクリルヒドラジル、ジフェニルアミン、
ヒドロキノン、p−t−ブチルカテコール、ニトロベン
ゼン、カルビノキシル、N−(3−N−オキシアニリノ
−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、
p,p′−ジフルオロジフェニルアミン、トリ−p−ニ
トロフェニルメチル、1,3,5−トリフェニルフェル
ダジル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリド
ン−1−オキシル、ニトロソベンゼン、アントラセン、
ピレン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾフェノ
ン、ブチロフェノン、チオグリコール酸、尿素、5−ス
ルホサクチル酸、o−スルホ無水安息香酸、p−トルエ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スルホフタル酸、
スルファニル酸、o−スルホ安息香酸、o−スルホ安息
香酸アンモニウム、5−スルホイソフタル酸、5−スル
ホイソフタル酸ナトリウム、m−スルホ安息香酸、m−
スルホ安息香酸ナトリウム、等を例示することができ
る。
【0029】本発明においてジアゾ樹脂は、感光性物質
として用いられるものである。
【0030】本発明において使用できるジアゾ樹脂は、
任意であるが、カルボキシル基または水酸基のいずれか
少なくとも一方の基を1個以上有する芳香族化合物と、
芳香族ジアゾニウム化合物とを構成単位として含む共縮
合ジアゾ樹脂を好ましく用いることができる。
【0031】このようなカルボキシル基及び/またはヒ
ドロキシ基を有する芳香族化合物は、少なくとも1つの
カルボキシル基で置換された芳香族環及び/または少な
くとも1つのヒドロキシル基で置換した芳香族環を分子
中に含むものであって、この場合、上記カルボキシル基
とヒドロキシル基とは同一の芳香族環に置換されていて
もよく、あるいは別の芳香族環に置換されていてもよ
い。このカルボキシル基あるいはヒドロキシル基は芳香
族環に直接結合してもよく、結合基を介して結合してい
るのでもよい。上記の芳香族としては、好ましくはアリ
ール基例えばフェニル基、ナフチル基を挙げることがで
きる。
【0032】上記本発明に用いることができる共縮合ジ
アゾ樹脂において、1つの芳香族環に結合するカルボキ
シル基の数は1または2が好ましく、また1つの芳香族
環に結合するヒドロキシル基の数は1乃至3が好まし
い。カルボキシル基または水酸基が結合基を介して芳香
族環に結合する場合には、該結合基としては、例えば炭
素数1乃至4のアルキレン基を挙げることができる。
【0033】上記共縮合ジアゾ樹脂の構成単位とするカ
ルボキシル基及び/またはヒドロキシル基を含有する芳
香族化合物の具体例としては、安息香酸、o−クロロ安
息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、フ
タル酸、テレフタル酸、ジフェニル酢酸、フェノキシ酢
酸、p−メトキシフェニル酢酸、p−メトキシ安息香
酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジメチル安
息香酸、p−フェノキシ安息香酸、4−アニリノ安息香
酸、4−(m−メトキシアニリノ)安息香酸、4−(p
−メチルベンゾイル)安息香酸、4−(p−メチルアニ
リノ)安息香酸、4−フェニルスルホニル安息香酸、フ
ェノール、(o,m,p)−クレゾール、キシレノー
ル、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、(o,m,
p)−メトキシフェノール、m−エトキシフェノール、
カテコール、フロログリシン、p−ヒドロキシエチルフ
ェノール、ナフトール、ピロガロール、ヒドロキノン、
p−ヒドロキシベンジルアルコール、4−クロロレゾル
シン、ビフェニル−4,4′−ジオール、1,2,4−
ベンゼントリオール、ビスフェノールA、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ
ベンゾフェノン、p−ヒドロキシアセトフェノン、4,
4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルアミン、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルスルフィド、クミルフェノール、(o,m,
p)−クロロフェノール、(o,m,p)−ブロモフェ
ノール、サリチル酸、4−メチルサリチル酸、6−メチ
ルサリチル酸、4−エチルサリチル酸、6−プロピルサ
リチル酸、6−ラウリルサリチル酸、6−ステアリルサ
リチル酸、4,6−ジメチルサリチル酸、p−ヒドロキ
シ安息香酸、2−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、6
−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル
−4−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息
香酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸、
2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ
−4−安息香酸、4−クロロ−2,6−ジヒドロキシ安
息香酸、4−メトキシ−2,6−ジオキシ安息香酸、没
食子酸、フロログルシンカルボン酸、2,4,5−トリ
ヒドロキシ安息香酸、m−ガロイル没食子酸、タンニン
酸、m−ベンゾイル没食子酸、m−(p−トルイル)没
食子酸、プロトカテクオイル−没食子酸、4,6−ジヒ
ドロキシフタル酸、(2,4−ジヒドロキシフェニル)
酢酸、(2,6−ジヒドロキシフェニル)酢酸、(3,
4,5−トリヒドロキシフェニル)酢酸、p−ヒドロキ
シメチル安息香酸、p−ヒドロキシエチル安息香酸、4
−(p−ヒドロキシフェニル)メチル安息香酸、4−
(o−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−(2,4
−ジヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−(p−ヒド
ロキシフェノキシ)安息香酸、4−(p−ヒドロキシア
ニリノ)安息香酸、ビス(3−カルボキシ−4−ヒドロ
キシフェニル)アミン、4−(p−ヒドロキシフェニル
スルホニル)安息香酸、4−(p−ヒドロキシフェニル
チオ)安息香酸等を挙げることができる。このうち特に
好ましいものは、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、p−メトキシ安息香酸、メタクロロ安息香酸であ
る。
【0034】上記共縮合ジアゾ樹脂の構成単位とする芳
香族ジアゾニウム化合物には、例えば特公昭49-48001号
に挙げられるようなジアゾニウム塩を用いることができ
るが、特に、ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩類
が好ましい。ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩類
は、4−アミノ−ジフェニルアミン類から誘導される
が、このような4−アミノ−ジフェニルアミン類として
は、4−アミノ−ジフェニルアミン、4−アミノ−3−
メトキシ−ジフェニルアミン、4−アミノ−2−メトキ
シ−ジフェニルアミン、4′−アミノ−2−メトキシ−
ジフェニルアミン、4′−アミノ−4−メトキシジフェ
ニルアミン、4−アミノ−3−メチルジフェニルアミ
ン、4−アミノ−3−エトキシ−ジフェニルアミン、4
−アミノ−3−β−ヒドロキシ−エトキシジフェニルア
ミン、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−スルホン
酸、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−カルボン酸、
4−アミノ−ジフェニルアミン−2′−カルボン酸等を
挙げることができる。特に好ましくは3−メトキシ−4
−アミノ−ジフェニルアミン、4−アミノ−ジフェニル
アミンである。
【0035】本発明に用いることができる共縮合ジアゾ
樹脂としては、下記一般式(3)で表されるものが好ま
しい。
【0036】
【化1】 一般式(3)中、Aはカルボキシル基または水酸基のい
ずれか少なくとも一方を有する芳香族化合物から導かれ
る基であり、このような芳香族化合物としては、前記例
示したものを挙げることができる。
【0037】式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子、ア
ルキル基またはフェニル基を示し、Rは水素原子、アル
キル基またはフェニル基を示し、Xは対アニオンを示
す。nは好ましくは1〜 200の数を示す。
【0038】本発明において共縮合ジアゾ樹脂を用いる
場合には、芳香族ジアゾニウム化合物を縮合させてなる
縮合ジアゾ樹脂と併用するとさらに好ましい。
【0039】この場合においては、共縮合ジアゾ樹脂
は、ジアゾ樹脂中に5重量%以上、縮合ジアゾ樹脂は、
ジアゾ樹脂中に95重量%以下の基として併用されること
が好ましい。更にこの場合、共縮合ジアゾ樹脂:縮合ジ
アゾ樹脂の重量%比は、感度及び現像性を共に優れたも
のとするという点で特に望ましいのは、30〜70:70〜30
である。
【0040】上記の共縮合ジアゾ樹脂や、これと併用し
て、またはジアゾ樹脂として独立して使用される縮合ジ
アゾ樹脂は、公知の方法、例えば、フォトグラフィック
・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Photo.Sci.
Eng.)第17巻、第33頁(1973)、米国特許第 2,063,631
号、同第 2,679,498号各明細書に記載の方法に従い、硫
酸やリン酸あるいは塩酸中でジアゾニウム塩、カルボキ
シ及びヒドロキシル基を有する芳香族化合物及びアルデ
ヒド類、例えばパラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ベンズアルデヒドあるいはケトン類、例えばアセト
ン、アセトフェノンとを重縮合させることによって得ら
れる。
【0041】また、これら分子中にカルボキシル基及び
/またはヒドロキシル基を有する芳香族化合物、芳香族
ジアゾ化合物及びアルデヒド類またはケトン類は相互に
組合わせ自由であり、さらに各々2種以上を混ぜて共縮
合することも可能である。
【0042】カルボキシル基及びヒドロキシル基のうち
少なくとも一方を有する芳香族化合物と芳香族ジアゾニ
ウム化合物の仕込みモル比は、好ましくは1: 0.1〜
0.1:1、より好ましくは1: 0.5〜 0.2:1、更に好
ましくは1:1〜 0.2:1である。またこの場合カルボ
キシル基及びヒドロキシル基のうち少なくとも一方を有
する芳香族化合物及び芳香族ジアゾニウム化合物の合計
とアルデヒド類またはケトン類とをモル比で通常好まし
くは1: 0.6〜 1.2、より好ましくは1: 0.7〜1.5で
仕込み、低温で短時間、例えば3時間程度反応させるこ
とにより、共縮合ジアゾ樹脂が得られる。
【0043】上記ジアゾ樹脂の対アニオンは、該ジアゾ
樹脂と安定に塩を形成し、かつ該樹脂を有機溶媒に可溶
となすアニオンを含む。このようなアニオンを形成する
ものとしては、デカン酸及び安息香酸及び安息香酸等の
有機カルボン酸、フェニルリン酸等の有機リン酸及びス
ルホン酸を含み、典型的な例としては、メタンスルホン
酸、クロロエタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メシチレンス
ルホン酸、及びアントラキノンスルホン酸、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、
ヒドロキシスルホン酸、4−アセチルベンゼンスルホン
酸、ジメチル−5−スルホイソフタレート等の脂肪族並
びに芳香族スルホン酸、2,2′,4,4′−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノン、1,2,3−トリヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン等の水酸基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロ
リン酸、テトラフルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス
酸、ClO4 、IO4 等の過ハロゲン酸等を挙げること
ができる。但しこれに限られるものではない。これらの
中で、特に好ましいのは、ヘキサフルオロリン酸、テト
ラフルオロホウ酸である。
【0044】上記の共縮合ジアゾ樹脂は、各単量体のモ
ル比及び縮合条件を種々変えることにより、その分子量
は任意の値として得ることができる。本発明において一
般に、好ましくは、分子量が約 400乃至10,000のものが
有効に使用でき、より好ましくは、約 800乃至 5,000の
ものが適当である。
【0045】また、本発明において、上記した共縮合ジ
アゾ樹脂以外で、ジアゾ樹脂として好ましく使用できる
ものに、例えば、前記のフォトグラフィック・サイエン
ス・アンド・エンジニアリング(Photo.Sci.Eng.)第17
巻、第33頁(1973)や、米国特許第 2,063,631号、同
2,679,498号、同 3,050,502号各明細書、特開昭59-7834
0号公報等にその製造方法が記載されているジアゾ化合
物と活性カルボニル化合物、例えばホルムアルデヒド、
アセトアルデヒドあるいはベンズアルデヒド等を硫酸、
リン酸、塩酸等の酸性媒体中で縮合させて得られたジア
ゾ樹脂、特公昭 49-4001号公報に、その製造方法が記載
されているジアゾ化合物とジフェニル樹脂等を挙げるこ
とができる。
【0046】上記の中で、本発明に好ましく用いること
ができるジアゾ樹脂は、下記一般式(4)で示され、し
かも、各式におけるnが5以上である樹脂を20モル%以
上、更に好ましくは、20〜60モル%含むものである。式
中、R1 〜R3 ,R,X,nは、前記一般式(3)にお
けるものと同義である。一般式(4)において、R1
2 及びR3 のアルキル基及びアルコキシ基としては、
例えば炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数1〜5のア
ルコキシ基が挙げられ、また、Rのアルキル基として
は、炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。
【0047】
【化2】 かかる感光性ジアゾ樹脂は、公知の方法、例えば前記し
た、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリングその他上記で引用の各米国特許明細書等に記
載の方法に従って、製造することができる。
【0048】なおその際、ジアゾニウム塩とアルデヒド
類を重縮合させるに当たって、両者をモル比で通常1:
0.6〜1:2、好ましくは、1: 0.7〜1: 1.5で仕込
み、低温で短時間、例えば10℃以下3時間程度反応させ
ることにより高感度ジアゾ樹脂が得られる。
【0049】一般式(4)で示されるジアゾ樹脂の対ア
ニオンとしては、前記共縮合ジアゾ樹脂について対アニ
オンとして挙げたものと同様なものを挙げることができ
る。
【0050】本発明において、感光性ジアゾ樹脂は、好
ましくは通常1〜50重量%、より好ましくは3〜30重量
%含有させる。
【0051】本発明のPS版は、酸及び/または酸無水
物を含有することができる。
【0052】酸を用いる場合、任意の有機酸、無機酸の
中から任意に選択できる。有機酸としては、モノカルボ
ン酸、ポリカルボン酸のカルボキシル基を少なくとも1
個有する酸が好ましい。リンゴ酸、酒石酸や、ポリアク
リル酸(商品名ジュリマーとして市販されているもの
等)を好ましく用いることができる。また、有機酸(ク
エン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンス
ルホン酸、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノ
ン−5−スルホン酸等)をも用いることができる。無機
酸としては、リン酸、亜リン酸などを用いることができ
る。これら酸は、安定剤としても機能し得るものであ
る。
【0053】酸無水物を用いる場合の、酸無水物の種類
も任意であり、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息
香酸など、脂肪族・芳香族モノカルボン酸から誘導され
るもの、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル
酸、無水フタル酸など、脂肪族・芳香族ジカルボン酸か
ら誘導されるもの等を挙げることができる。
【0054】本発明のPS版には、色素、特に処理によ
り有色から無色になる、または変色する色素を含有させ
ることができる。好ましくは、有色から無色になる色素
を含有させる。色素は、感光層に含有させて着色感光層
としてもよく、感光層と別の着色層を設けて含有させる
ようにしてもよい。
【0055】本発明の実施に際し、好ましく用いること
ができる色素として、次のものを挙げることができる。
【0056】即ち、例えば、ビクトリアピュアブルーB
OH(保土谷化学社製)、オイルブルー# 603(オリエ
ント化学工業社製)、パテントピュアブルー(住友三国
化学社製)、クリスタルバイオレット、ブリリアントグ
リーン、エチルバイオレット、メチルバイオレット、メ
チルグリーン、エリスロシンB、ベイシックフクシン、
マラカイトグリーン、オイルレッド、m−クレゾールパ
ープル、ローダミンB、オーラミン、4−p−ジメチル
アミノフェニルイミノナフトキノン、シアノ−p−ジエ
チルアミノフェニルアセトアニリド等に代表されるトリ
フェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン
系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン
系またはアントラキノン系の色素が、有色から無色ある
いは異なる有色へと変色する色素の例として挙げること
ができる。
【0057】特に好ましくはトリフェニルメタン系、ジ
フェニルメタン系色素が有効に用いられ、更に好ましく
はトリフェニルメタン系色素であり、特にビクトリアピ
ュアブルーBOHが好ましい。
【0058】上記変色剤は、感光性層中に通常約 0.5〜
約10重量%含有させることが好ましく、より好ましくは
約1〜5重量%含有させる。
【0059】本発明においては、更に種々の添加物を加
えることができる。
【0060】添加物としては例えば、塗布性を改良する
ためのアルキルエーテル類(例えばエチルセルロース、
メチルセルロース)、フッ素界面活性剤類や、ノニオン
系界面活性剤[例えば、ブルロニックL−64(旭電化株
式会社製)]、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与するため
の可塑剤(例えばブチルフタリル、ポリエチレングリコ
ール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチ
ル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸ト
リオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アク
リル酸またはメタクリル酸のオリゴマー及びポリマ
ー)、画像部の感脂性を向上させるための感脂化剤(例
えば、特開昭55-527号公報記載のスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体のアルコールによるハーフエステル化物
等)等が挙げられる。これらの添加剤の添加量は、その
使用対象・目的によって異なるが、一般に好ましくは全
固形分に対して、0.01〜30重量%である。
【0061】本発明のPS版を得るには、例えば、ジア
ゾ樹脂、アルカリ可溶性又は膨潤性高分子化合物、ラジ
カル捕捉剤並びに必要に応じ種々の添加剤の所定量を適
当な溶媒(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、メチルセロソルブアセテート、アセトン、メチルエ
チルケトン、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、水またはこれらの混合物等)中に溶
解させ感光性組成物の塗布液を調節し、これを支持体上
に塗布、乾燥して、印刷版として得ることができる。塗
布する際の感光性組成物の濃度は1〜50重量%の範囲と
することが望ましい。この場合、感光性組成物の塗布量
は、好ましくはおおむね 0.2〜10g/m2程度とすればよ
い。
【0062】本発明の実施に際して、PS版は、色素を
含有する感光性組成物から成る着色感光層を有する構成
でもよく、色素やその他結合剤等から成る着色層と感光
性組成物から成る感光層との2層を有する構成となって
いるのでもよい。該2層を有する場合、どちらの層が支
持体側に配置されるのでもよい。
【0063】本発明のPS版において、支持体として
は、種々のものが使用できる。特にアルミニウム板が好
ましい。しかし、アルミニウム板を無処理のまま使用す
ると、感光性組成物の接着性が悪く、また、感光性組成
物が分解するという問題がある。この問題をなくすため
に、従来、種々の提案がなされている。
【0064】例えば、アルミニウム板の表面を砂目立て
した後、ケイ酸塩で処理する方法(米国特許第2,714,06
6号)、有機酸塩で処理する方法(米国特許第2,714,066
号)、ホスホン酸及びそれらの誘導体で処理する方法
(米国特許第3,220,832号)、ヘキサフルオロジルコン
酸カリウムで処理する方法(米国特許第2,946,683
号)、陽極酸化する方法及び陽極酸化後、アルカリ金属
ケイ酸塩の水溶液で処理する方法(米国特許第3,181,46
1号)等がある。
【0065】本発明の好ましい実施の態様においては、
アルミニウム板(アルミナ積層板を含む。以下同じ)
は、表面を脱脂した後、ブラシ研磨法、ボール研磨法、
化学研磨法、電解エッチング法等による砂目立てが施さ
れ、好ましくは、深くて均質な砂目の得られる電解エッ
チング法で砂目立てされる。陽極酸化処理は例えばリン
酸、クロム酸、ホウ酸、硫酸等の無機塩もしくはシュウ
酸等の有機酸の単独、あるいはこれらの酸2種以上を混
合した水溶液中で、好ましくは硫酸水溶液中で、アルミ
ニウム板を陽極として電流を通じることによって行われ
る。陽極酸化被膜量は5〜60mg/dm2 が好ましく、更に
好ましくは5〜30mg/dm2 である。
【0066】本発明の実施に際し、封孔処理を行う場
合、好ましくは濃度 0.1〜3%のケイ酸ナトリウム水溶
液に、温度80〜95℃で10秒〜2分間浸漬してこの処理を
行う。より好ましくはその後に40〜95℃の水に10秒〜2
分間浸漬して処理する。
【0067】本発明のPS版は、従来の常法により感光
され現像することができる。即ち、例えば、線画像、網
点画像等を有する透明原画を通して感光し、次いで、水
性現像液で現像することにより、原画に対してネガのリ
ーフ像を得ることができる。露光に好適な光源として
は、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタ
ルハライドランプ、ストロボ等が挙げられる。
【0068】画像露光されたPS版を現像する方法は任
意であり、例えば従来公知の種々の方法を用いることが
可能である。
【0069】具体的には画像露光されたPS版を現像液
中に浸漬する方法、PS版の感光層に対して多数のノズ
ルから現像液を噴出する方法、現像液が湿潤されたスポ
ンジでPS版の感光層を拭う方法、PS版の感光層の表
面に現像液をローラー塗布する方法等、種々の方法を用
いることができる。またこのようにしてPS版の感光層
に現像液を与えた後感光層の表面をブラシなどで軽く擦
ることもできる。
【0070】PS版を現像処理する現像液は、これを現
像し得るものであれば、任意である。
【0071】好ましくは、特定の有機溶媒と、アルカリ
剤と、水とを必須成分として含有する現像液を用いるこ
とができる。ここに特定の有機溶媒とは、現像液中に含
有させたとき、感光性組成物から成る層の非露光部(非
画像部)を溶解ないしは膨潤することができるものをい
い、しかも常温(20℃)において水に対する溶解度が10
重量%以下の有機溶媒が好ましい。このような有機溶媒
としては、上記のような特性を有するものでありさえす
ればよく、以下のもののみに限定されるものではない
が、これらを例示するならば、例えば、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、
エチレングリコールモノブチルアセテート、酢酸ブチ
ル、レブリン酸ブチルのようなカルボン酸エステル;エ
チルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンのようなケトン類;エチレングリコールモノブ
チルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、
エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルア
ルコール、メチルフェニルカルビノール、n−アミルア
ルコール、メチルアミルアルコールのようなアルコール
類;キシレンのようなアルキル置換芳香族炭化水素;メ
チレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロ
ロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素などがある。こ
れら有機溶媒は1種用いるのでも2種以上用いるのでも
よい。これら有機溶媒の中では、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテルとベンジルアルコールが特に有効で
ある。また、これら有機溶媒の現像液中における含有量
は、好ましくはおおむね1〜20重量%であり、特に2〜
10重量%のときより好ましい結果を得る。
【0072】他方、現像液中に含有される好ましいアル
カリ剤としては、(A)ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム、第二または第三リン酸ナトリウムまたはアンモニ
ウム塩、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは
アンモニウム等の無機アルカリ剤、(B)モノ、ジまた
はトリメチルアミン、モノ、ジまたはトリエチルアミ
ン、モノまたはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミ
ン、モノ、ジまたはトリエタノールアミン、モノ、ジま
たはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エ
チレンジアミン等の有機アミン化合物等が挙げられる。
【0073】これらアルカリ剤の現像液中における含有
量は通常0.05〜4重量%であることが好ましく、より好
ましくは 0.5〜2重量%である。
【0074】また、保存安定性、耐刷性等をより以上に
高めるためには、水溶性亜硫酸塩を現像液中に含有させ
ることが好ましい。このような水溶性亜硫酸塩として
は、亜硫酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩が好ま
しく、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸リチウム、亜硫酸マグネシウム等がある。これらの亜
硫酸塩の現像液組成物における含有量は通常好ましくは
0.05〜4重量%で、より好ましくは 0.1〜1重量%であ
る。
【0075】かかる現像液を、現像露光後の感光性組成
物及び/または感光性平版印刷版と接触させたり、ある
いは現像液によりすったりすれば、おおむね常温〜40℃
にて10〜60秒後には、感光性組成物層の露光部に悪影響
を及ぼすことなく、非露光部の感光性組成物が完全に除
去される。
【0076】現像条件については、現像方法に応じて適
宜選ぶことができる。一例を示すと、例えば浸漬による
現像方法では、約10〜40℃の現像液に約10〜80秒間浸漬
させる方法を用いることができる。
【0077】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実
施例に限定されるものではない。
【0078】(支持体の作成)厚さ0.24mmのアルミニウ
ム板(材質1050、調質H16)を5重量%苛性ソーダ水溶
液中で65℃で1分間脱脂処理を行った後、水洗いし、
0.5モル塩酸水溶液中で25℃、電流密度60A/dm2 の条
件下で30秒間電解エッチング処理を行った。次いで5重
量%苛性ソーダ水溶液中で60℃、10秒間のデスマット処
理を施した後、20重量%硫酸水溶液中で、温度20℃、電
流密度3A/dm2 、の条件下で1分間陽極酸化処理を行
った。更に水洗し、90℃の亜硝酸ソーダ 0.1%水溶液で
20秒間、続いて80℃の珪酸ソーダ 2.5%水溶液で20秒間
封孔処理を行い水洗し、支持体を作成した。
【0079】共重合体1の合成 温度計、還流冷却管、撹拌装置、加熱装置、窒素気流導
入管を備えた 300mlの四首フラスコ中に、アセトン70ml
とメタノール70mlの混合溶媒を入れ、モノマーとしてエ
チルアクリレート 30.0g( 0.30mol)、メチルアクリレ
ート11.18g( 0.13mol)、アクリロニトリル14.84g(
0.28mol)、メタクリル酸8.6g( 0.10mol)、4−ヒド
ロキシブチルアクリレート25.92g( 0.18mol)、及びラ
ウリルアクリレート2.4g( 0.01mol)を溶解した。更に
重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル 2.05g
(12.5mmol)を溶解し、窒素気流下で強撹拌しながら加
熱し、約60℃で6時間還流させた。反応終了後、反応液
を室温まで冷却させた後、水中に投じて高分子化合物を
沈殿させた。これをろ取し、50℃で24時間真空乾燥させ
たところ、共重合体1が 83.6g得られた。モノマー合計
量からの収率は90%であった。
【0080】得られた共重合体1の重量平均分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よりポリスチレン標準、テトラヒドロフラン(THF)
溶媒で測定したところ、 63000であった。
【0081】共重合体2〜5の合成 上記と同様の合成条件で、モノマー組成比を下記表に示
すモル比及び重量平均分子量として共重合体2〜5を合
成した。 *1:モノマー HyPMA :4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミ
ド EA :アクリル酸エチル(エチルアクリレー
ト) MA :アクリル酸メチル(メチルアクリレー
ト) AN :アクリロニトリル MAA :メタアクリル酸 HEMA :メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル
(2−ヒドロキシエチルメタクリレート) 4HBA :アクリル酸−4−ヒドロキシブチル(4
−ヒドロキシブチルアクリレート) LA :アクリル酸ドデシル(ドデシルアクリレ
ート)
【0082】(感光液の作成)下記に示す組成で混合し
た溶液を感光液とした。 感光液組成 ・ジアゾ樹脂1(下記) 1 g ・共重合体(表1参照) 10 g ・ラジカル捕捉剤(表1参照) 表1参照 ・ポリアクリル酸(重合度 100) 0.24 g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学製) 0.2 g ・カヤセットオレンジAN(日本化薬製) 0.1 g ・エチレングリコールモノメチルエーテル 150 g
【0083】ジアゾ樹脂1の合成 p−ヒドロキシ安息香酸 3.5g(25ミリモル)、及びp
−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩 21.75g(75ミリモ
ル)を、氷冷下で90gの濃硫酸に溶解した。この溶液
に、 2.7g(90ミリモル)のパラホルムアルデヒドをゆ
っくり添加した。この際、反応温度が10℃を越えないよ
うに添加した。2時間反応溶液を攪拌した後、1リット
ルのエタノールに滴下し、生じた沈澱を濾別し、エタノ
ールで洗浄した。沈殿を 200mlの純水に溶解し、10.5g
の塩化亜鉛を溶解した水溶液を加えた。生じた沈殿を濾
過し、エタノールで洗浄した後、 300mlの純水に溶解し
た。この溶液に、13.7gのヘキサフルオロリン酸アンモ
ニウムを溶解した水溶液を添加した。生じた沈澱を濾別
し、水、エタノールで洗浄した後、25℃で、一日乾燥し
て、ジアゾ樹脂1を得た。
【0084】(感光性平版印刷版試料の作製)上記作成
した支持体上に上記の感光液を、乾燥膜厚が2g/m2
なるように塗布し、80℃で2分間乾燥して感光性平版印
刷版試料を得ることにより実施例1〜8及び比較例1〜
4を行なった。
【0085】(感光性平版印刷版試料の評価)得られた
感光性平版印刷版試料の各々に、ネガフィルム原稿を通
し、2kWメタルハライドランプを使用して8mW/cm2
30秒間露光し、下記組成の現像液を用い、25℃、30秒間
現像を行った。現像した試料はハイデルベルグGTO印
刷機を用いて印刷し、紙面上の汚れを比較し、感光性平
版印刷版試料の現像性を評価した。
【0086】次に各試料を55℃の温度で5日、7日、及
び10日間保存した後、上記と同様にして露光、現像、印
刷し、感光性平版印刷版試料の保存現像性を評価した。
結果を表1に示す。現像液の組成 ・珪酸ソーダ(SiO2/Na2Oモル比約1:1) 20 g ・イソプロピルナフタレンスルホン酸ソーダ 5 g ・純 水 1000 g
【0087】
【表1】
【0088】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
りジアゾ樹脂を感光成分として用いた場合においても、
その保存性が改良されたネガ型感光性平版印刷版を提供
することができる。
フロントページの続き (72)発明者 村田 昌久 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 辻 成夫 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)ジアゾ樹脂、(ロ)アルカリ可溶
    性または膨潤性の高分子化合物、及び(ハ)ラジカル捕
    捉剤を含有し、かつ上記アルカリ可溶性または膨潤性の
    高分子化合物が、その構成単位として、下記一般式
    (1)で表わされるモノマーから誘導される構造単位を
    有することを特徴とする感光性平版印刷版。 一般式(1) CH2 =C(R1 )COO−(CH2n −OH (式中、R1 は水素原子またはメチル基を表わし、nは
    3〜10の整数を表わす。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルカリ可溶性または膨
    潤性の高分子化合物がその構成単位として更に、下記一
    般式(2)で表わされるモノマーから誘導される構造単
    位を有することを特徴とする請求項1記載の感光性平版
    印刷版。 一般式(2) CH2 =C(R1 )−X−Y−OH (式中、R1 は水素原子又はメチル基を表わし、Xは−
    COO−,−CONH−,−OCO−又は単結合を表わ
    し、Yはo−,m−又はp−フェニレン基を表わす。)
JP2621393A 1993-01-21 1993-01-21 感光性平版印刷版 Pending JPH06222554A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2621393A JPH06222554A (ja) 1993-01-21 1993-01-21 感光性平版印刷版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2621393A JPH06222554A (ja) 1993-01-21 1993-01-21 感光性平版印刷版

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06222554A true JPH06222554A (ja) 1994-08-12

Family

ID=12187152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2621393A Pending JPH06222554A (ja) 1993-01-21 1993-01-21 感光性平版印刷版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06222554A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1035437A3 (en) * 1999-03-12 2000-09-20 Lucent Technologies Inc. A radiation-sensitive resist material and a process for device fabrication using the same
JP2008203349A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Mitsubishi Paper Mills Ltd 感光性平版印刷版
JP2022501223A (ja) * 2018-09-21 2022-01-06 イーストマン コダック カンパニー 平版印刷版原版および発色組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1035437A3 (en) * 1999-03-12 2000-09-20 Lucent Technologies Inc. A radiation-sensitive resist material and a process for device fabrication using the same
US6296984B1 (en) 1999-03-12 2001-10-02 Agere Systems Guardian Corp. Energy-sensitive resist material and a process for device fabrication using an energy-sensitive resist material
JP2008203349A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Mitsubishi Paper Mills Ltd 感光性平版印刷版
JP2022501223A (ja) * 2018-09-21 2022-01-06 イーストマン コダック カンパニー 平版印刷版原版および発色組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2810998B2 (ja) 感光性組成物
JPH01102456A (ja) 感光性組成物
JPH06222554A (ja) 感光性平版印刷版
JPH06222553A (ja) 感光性平版印刷版
JPH02304568A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JP2640573B2 (ja) ジアゾ樹脂含有感光材料の現像方法
JP2671406B2 (ja) 感光性組成物
JP2622711B2 (ja) 感光性組成物
JP2903159B2 (ja) 光重合開始剤含有感光材料の現像方法
JPH08179505A (ja) ネガ型感光性組成物、ネガ型感光性平版印刷版及びその現像方法
JPH08160612A (ja) 光重合性組成物、感光性平版印刷版及びその現像方法
JPH02220062A (ja) ジアゾ樹脂含有感光材料の現像方法
JP2770191B2 (ja) 感光性平版印刷版
JPH02195356A (ja) 平版印刷版の製造方法
JPH02293752A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH04316049A (ja) 感光性組成物
JPH02219060A (ja) ジアゾ樹脂含有感光材料の現像方法
JPH0387831A (ja) 感光性組成物
JPH08160615A (ja) 光重合性組成物、感光性平版印刷版及びその現像方法
JPH08171207A (ja) 感光性組成物および感光性平版印刷版
JPH02217859A (ja) ジアゾ樹脂含有感光材料の現像方法
JPH0667416A (ja) 感光性組成物
JPH0470835A (ja) 感光性組成物
JPH02217860A (ja) ジアゾ樹脂含有感光材料の現像方法
JPH0369955A (ja) 感光性平版印刷版