JPH08179505A - ネガ型感光性組成物、ネガ型感光性平版印刷版及びその現像方法 - Google Patents

ネガ型感光性組成物、ネガ型感光性平版印刷版及びその現像方法

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JPH08179505A
JPH08179505A JP33662494A JP33662494A JPH08179505A JP H08179505 A JPH08179505 A JP H08179505A JP 33662494 A JP33662494 A JP 33662494A JP 33662494 A JP33662494 A JP 33662494A JP H08179505 A JPH08179505 A JP H08179505A
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JP
Japan
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acid
photosensitive composition
negative
alkali
compound
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Application number
JP33662494A
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English (en)
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Nobuyuki Ishii
信行 石井
Noriyuki Kizu
紀幸 木津
Tomoyuki Matsumura
智之 松村
Shigeo Tsuji
成夫 辻
Fumiyuki Matsuo
史之 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像性に優れ、特に、実質的に有機溶剤を含
有しないアルカリ水溶液での現像性に優れ、かつ、実質
的に有機溶剤を含有しないアルカリ水溶液で現像した際
に、インキ着肉性が良好で、充分な耐刷力を有するネガ
型感光性組成物及びネガ型感光性平版印刷版を提供する
こと。 【構成】 酸価100以下の、フェノール性水酸基含有
単位10〜40モル%を有するアルカリ可溶性高分子化
合物を含有するネガ型感光性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ネガ型感光性組成物、
ネガ型感光性平版印刷版及びその現像方法に関し、さら
に詳しくは、耐刷力が優れ、印刷汚れが生ぜず、かつ、
優れた感度を有するネガ型感光性組成物、ネガ型感光性
平版印刷版及びその現像方法に関する。
【0002】
【発明の背景】通常、ネガ型感光性平版印刷版おいて
は、露光後の現像処理において、有機溶剤、または、有
機溶剤を含有するアルカリ水溶液で未露光部の感光層を
溶出し画像を形成する方法が一般的であった。アルカリ
水溶液と共に用いられる有機溶剤は十分な現像性を得る
ために使用されている。しかしながら、有機溶剤は、臭
気を有しており、また、毒性を有するものも多く、火災
に対する危険性を持っており、製版工程の作業環境を劣
化させ、かつ、作業者の健康に悪影響を与えることにな
り、さらに、有機溶剤を使用した現像液を廃棄する場合
にはBOD規制を受けるなどの多くの欠点を有している
ばかりでなく、有機溶剤の使用はコストを高くすること
になるので、有機溶剤を使用しないでも十分な現像性が
得られるネガ型感光性平版印刷版及びその現像方法が望
まれていた。
【0003】そこで、実質的に有機溶剤を含有しないア
ルカリ水溶液で現像可能なネガ型感光性平版印刷版がい
くつか提案され、一部実用化され始めている。
【0004】これらのネガ型感光性平版印刷版の感光層
の結合剤として用いられるアルカリ可溶性高分子化合物
としては、一般的に、ビニル系モノマーの共重合体が用
いられており、結合剤に十分なアルカリ溶解性を付与す
るために、共重合体の酸価を高めることが行なわれてお
り、酸価を高めるためには、COOH基を分子内に導入
させることが一般的であった。
【0005】しかしながら、結合剤の分子内にCOOH
基を導入すると、感脂性や耐刷力が劣化するデメリット
を生じる。
【0006】また、フェノール性水酸基を有する高分子
化合物を結合剤として用いることも従来知られている
が、ここで用いられるフェノール性水酸基は、ネガ型感
光性組成物の感光体として使用されているジアゾ樹脂と
の光架橋点として作用させるものであり、現像性を得る
ことを意図して用いられていないために、その使用量は
共重合比率において10モル%以下であり、現像性を改
善することはできなかった。
【0007】そこで本発明者らが検討したところ、酸価
を低く抑えても、結合剤として用いるアルカリ可溶性高
分子化合物のフェノール性水酸基含有単位の含有量を1
0〜40モル%にすることにより十分な現像性を得るこ
とができることを見出した。
【0008】また、このような酸価が低いアルカリ可溶
性高分子化合物を用いた場合、感脂性、耐刷力を劣化さ
せることがないことを見出した。
【0009】
【発明の目的】従って、本発明の目的は、現像性に優
れ、特に、実質的に有機溶剤を含有しないアルカリ水溶
液での現像性に優れ、かつ、実質的に有機溶剤を含有し
ないアルカリ水溶液で現像した際に、インキ着肉性が良
好で、充分な耐刷力を有するネガ型感光性組成物及びネ
ガ型感光性平版印刷版を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、 (1)酸価100以下の、フェノール性水酸基含有単位
10〜40モル%を有するアルカリ可溶性高分子化合物
を含有することを特徴とするネガ型感光性組成物。 (2)フェノール性水酸基含有単位10〜40モル%を
有するアルカリ可溶性高分子化合物の酸価が30以下で
あることを特徴とする上記(1)記載のネガ型感光性組
成物。 (3)フェノール性水酸基含有単位10〜40モル%を
有するアルカリ可溶性高分子化合物が、下記一般式
(I)で表される付加重合性モノマーと他の付加重合性
ビニル基含有モノマーとの共重合により得られた共重合
体であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の
ネガ型感光性組成物。
【0011】
【化2】 [式中、R1は水素原子、メチル基を、R2は−COO
−、−CONH−を表す。nは0または1を表す。] (4)付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物
及び光重合開始剤をさらに含有することを特徴とする上
記(1)〜(3)記載のネガ型感光性組成物。 (5)ジアゾ化合物をさらに含有することを特徴とする
上記(1)〜(4)記載のネガ型感光性組成物。 (6)ジアゾ化合物が芳香族ジアゾニウム塩とカルボニ
ル化合物の重縮合樹脂であることを特徴とする上記
(5)記載のネガ型感光性組成物。 (7)ジアゾ化合物が分子内にカルボキシル基を含有す
るジアゾ化合物であることを特徴とする上記(5)又は
(6)記載のネガ型感光性組成物。 (8)分子内にカルボキシル基を含有するジアゾ化合物
が芳香族ジアゾニウム塩、芳香族カルボン酸及びカルボ
ニル化合物の重縮合樹脂であることを特徴とする上記
(5)〜(7)記載のネガ型感光性組成物。 (9)上記(1)〜(8)記載のネガ型感光性組成物の
層を設けたことを特徴とするネガ型感光性平版印刷版。 (10)上記(9)記載のネガ型感光性平版印刷版を、
実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性現像液で現像す
ることを特徴とするネガ型感光性平版印刷版の現像方
法。 (11)アルカリ現像液のpHが12以上であることを
特徴とする上記(10)記載のネガ型感光性平版印刷版
の現像方法。によって達成される。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】先ず、本発明のネガ型感光性組成物につい
て説明する。
【0014】本発明のネガ型感光性組成物は特に限定さ
れるものではなく、通常、ネガ型感光性平版印刷版に用
いられているネガ型感光性組成物、例えば、光重合系感
光性組成物、光架橋系感光性組成物、ジアゾ樹脂を含む
感光性組成物であることができるが、本発明においては
光重合系感光性組成物が好ましい。
【0015】光重合系感光性組成物とは、付加重合性不
飽和化合物を含む感光性組成物である。光重合系感光性
組成物に用いられる付加重合性不飽和結合を有する重合
可能な化合物は公知であり、本発明の光重合系感光性組
成物においては、これら公知の付加重合性不飽和結合を
有する重合可能な化合物を用いることができ、どのよう
な化学構造を有するものであってもよいが、分子中に2
またはそれ以上の付加重合性不飽和結合を有する化合物
が好ましい。
【0016】付加重合性不飽和基を有する重合可能な化
合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カル
ボン酸と脂肪族ポリヒドロキシ化合物とのエステル、不
飽和カルボン酸と芳香族ポリヒドロキシ化合物とのエス
テル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および前述の
脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化
合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応によ
り得られるエステル等が挙げられ、具体的には、特開昭
59−71048号公報に記載されているジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、
ピロガロールトリアクリレート、2,2−ビス(4−ア
クリロキシジエトキシフェニル)プロパン等が挙げられ
る。その他、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘ
キサメチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)
アクリルアミド類、あるいは、ビニルウレタン化合物や
エポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができ
る。
【0017】また、付加重合性不飽和基を有する重合可
能な化合物を2以上併用しても構わない。
【0018】本発明において、光重合系感光性組成物に
おける付加重合性不飽和基を有する重合可能な化合物の
使用量は、光重合系感光性組成物の全固形分中に、通常
5〜70重量%、好ましくは、10〜50重量%であ
る。
【0019】光重合系感光性組成物には、光重合開始剤
が用いられる。用いられる光重合開始剤は特に限定はな
く、光重合性組成物に用いられる従来公知のものが使用
でき、例えば、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテ
ル、ベンゾフェノン、アントラキノン、ミヒラーズケト
ン、トリハロメチル−s−トリアジン系化合物、オキサ
ジアゾール系化合物、ビイミダゾールとミヒラーズケト
ンとの複合体系、チオキサントン系化合物と芳香族第3
アミンとの複合体系等をいずれも好適に用いることがで
きる。
【0020】これら光重合開始剤は、感光性平版印刷版
の露光に用いられる光源波長に吸収を有する化合物が用
いられる。
【0021】光重合開始剤の使用量は、光重合系感光性
組成物の全固形分中に、通常0.5〜30重量%であ
り、より好ましくは2〜10重量%である。
【0022】光架橋系感光性組成物とは、分子中に不飽
和二重結合を有する感光性樹脂を含む組成物で、光架橋
系感光性組成物に用いられる分子中に不飽和二重結合を
有する感光性樹脂は公知であり、例えば、米国特許第
3,030,208号明細書、同第3,435,237
号明細書及び同第3,622,320号明細書等に記載
されている如き、重合体主鎖中に感光基として
【0023】
【化3】 を含む感光性樹脂及び重合体の側鎖に感光基を有するポ
リビニルシンナメート等が挙げられる。
【0024】本発明の光架橋系感光性組成物において
は、これら公知の分子中に不飽和二重結合を有する感光
性樹脂を用いることができ、どのような化学構造を有す
るものであってもよい。また、分子中に不飽和二重結合
を有する感光性樹脂を2以上併用しても構わない。
【0025】ジアゾ樹脂を含む感光性組成物とは、ジア
ゾ樹脂を感光性化合物として含む感光性組成物である。
ジアゾ樹脂を含む感光性組成物に用いられるジアゾ樹脂
の好ましい例としては、芳香族ジアゾニウム塩とホルム
アルデヒドまたはアセトアルデヒドとの縮合物で代表さ
れるジアゾ樹脂が挙げられる。特に好ましくは、p−ジ
アゾフェニルアミンとホルムアルデヒドまたはアセトア
ルデヒドとの縮合物の塩、例えば、へキサフルオロ燐酸
塩、テトラフルオロホウ酸塩、過塩素酸塩または過ヨウ
素酸塩と前記縮合物との反応生成物であるジアゾ樹脂無
機塩や、米国特許第3,300,309号明細書中に記
載されている、前記縮合物とスルホン酸類との反応生成
物であるジアゾ樹脂有機塩等が挙げられる。
【0026】また、2以上のジアゾ樹脂を併用しても構
わない。
【0027】次に、本発明のネガ型感光性組成物に含有
させるフェノール性水酸基含有アルカリ可溶性高分子化
合物について説明する。
【0028】本発明に用いることができるフェノール性
水酸基含有アルカリ可溶性高分子化合物は、酸価100
以下で、フェノール性水酸基含有単位10〜40モル%
を有するものであれば特に限定はなく、どのような化学
構造を有する高分子化合物であっても用いることができ
る。
【0029】また、これらアルカリ可溶性高分子化合物
は2以上を併用しても構わない。
【0030】更に、本発明において、アルカリ可溶性高
分子化合物の酸価は30以下であることが好ましい。
【0031】本発明においてアルカリ可溶性とは、アル
カリ水に可溶性であるものを指すばかりでなく、アルカ
リ水中において膨潤性を有するものも含まれる。
【0032】好ましいアルカリ可溶性高分子化合物は、
フェノール性水酸基を有するビニル系モノマーと他のビ
ニル系モノマーを共重合させて得た共重合体である。
【0033】フェノール性水酸基を有するビニル系モノ
マーの具体例としては、o,m,p−ヒドロキシフェニ
ル(メタ)アクリルアミド、o,m,p−ヒドロキシス
チレン、o,m,p−ヒドロキシフェニル(メタ)アク
リレート、o,m,p−ヒドロキシフェニルマレイミド
等を挙げることができる。
【0034】本発明において、好ましいフェノール性水
酸基を有するビニル系モノマーは、
【0035】
【化4】 [式中、R1は水素原子、メチル基を、R2は−COO
−、−CONH−を表す。nは0または1を表す。]で
表されるものである。
【0036】また、フェノール性水酸基を有するビニル
系モノマーと共重合させる他のビニル系モノマーとして
は下記のものを挙げることができる。 (a)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およ
びメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート (b)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸 (c)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメ
チルアミノエチルアクリレート等の(置換)アルキルア
クリレート (d)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、4
−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等
の(置換)アルキルメタクリレート (e)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリ
ルアミド、N−シクロへキシルアクリルアミド、N−ヒ
ドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリル
アミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチ
ル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若
しくはメタクリルアミド類 (f)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類 (g)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類 (h)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類 (i)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロ
ピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケ
トン類、 (j)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類 (k)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等 さらに上記モノマーと共重合し得る他のモノマーを共重
合させてもよい。
【0037】本発明のフェノール性水酸基含有アルカリ
可溶性高分子化合物は、フェノール性水酸基を有するビ
ニル系モノマーと他のビニル系モノマーとを、酸価が1
00以下、フェノール性水酸基含有単位の含有量が10
〜40モル%となるように各モノマーを選定し、通常の
方法で共重合することにより得ることができる。本発明
においては、フェノール性水酸基含有アルカリ可溶性高
分子化合物の酸価は30以下が好ましい。又、好ましい
分子量は3万〜13万である。
【0038】本発明においては、本発明のフェノール性
水酸基含有アルカリ可溶性高分子化合物の他に、感光性
組成物に通常用いられる他のアルカリ可溶性高分子化合
物を併用することができる。
【0039】本発明のネガ型感光性組成物が、例えば、
光重合系感光性組成物、光架橋系感光性組成物である場
合、感光性組成物中にジアゾ化合物を添加することは、
支持体との接着性を向上させ、酸素の存在によりもたら
される重合阻害を低減させるので好ましい。
【0040】本発明において用いることができるジアゾ
化合物としては、例えば、芳香族ジアゾニウム化合物と
カルボニル化合物との縮合樹脂及びそれら縮合樹脂の塩
が挙げられる。これら縮合樹脂は、その分子内にCOO
H、OH、SO3H等のアルカリ可溶性を付与する置換
基を導入したものが好ましい。
【0041】本発明において用いるのに好ましいジアゾ
樹脂は、カルボキシル基を有する芳香族化合物と芳香族
ジアゾニウム化合物とを構成単位として分子中に含有す
る共縮合化合物である。
【0042】そして上記の芳香族環としては、好ましく
はアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げ
ることができる。
【0043】また、前記のカルボキシル基は芳香族環に
直接結合していてもよく、何らかの結合基(以下、単に
ジョイントという。)を介して結合していてもよい。
【0044】上記の場合において、1つの芳香族環に結
合するカルボキシル基の数としては1または2が好まし
い。さらにジョイントとしては、例えば、炭素数1〜4
のアルキレン基を挙げることができる。
【0045】前述のカルボキシル基を含有する芳香族化
合物の具体例としては、安息香酸、(o,m,p)−ク
ロロ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、ジフェニル酢
酸、フェノキシ酢酸、p−メトキシフェニル酢酸、p−
メトキシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,
4−ジメチル安息香酸、p−フェノキシ安息香酸、4−
アニリノ安息香酸、4−(m−メトキシアニリノ)安息
香酸、4−(p−メトキシベンゾイル)安息香酸、4−
(p−メチルアニリノ)安息香酸、4−フェニルスルホ
ニル安息香酸、サリチル酸、4−メチルサリチル酸、6
−メチルサリチル酸、4−エチルサリチル酸、6−プロ
ピルサリチル酸、6−ラウリルサリチル酸、6−ステア
リルサリチル酸、4,6−ジメチルサリチル酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、2−メチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、6−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジ
メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキ
シ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香
酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロ
キシ−4−メチル安息香酸、4−クロロ−2,6−ジヒ
ドロキシ安息香酸、4−メトキシ−2,6−ジオキシ安
息香酸、没食子酸、フロログルシンカルボン酸、2,
4,5−トリヒドロキシ安息香酸、m−ガロイル没食子
酸、タンニン酸、m−ベンゾイル没食子酸、m−(p−
トルイル)没食子酸、プロトカテクオイル−没食子酸、
4,6−ジヒドロキシフタル酸、(2,4−ジヒドロキ
シフェニル)酢酸、(2,4−ジヒドロキシフェニル)
酢酸、(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)酢酸、
p−ヒドロキシメチル安息香酸、p−ヒドロキシエチル
安息香酸、4−(p−ヒドロキシフェニル)メチル安息
香酸、4−(o−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4
−(2,4−ジヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−
(p−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、4−(p−ヒ
ドロキシアニリノ)安息香酸、ビス(3−カルボキシ−
4−ヒドロキシフェニル)アミン、4−(p−ヒドロキ
シフェニルスルホニル)安息香酸、4−(p−ヒドロキ
シフェニルチオ)安息香酸等があげられ、このうち特に
好ましいものは、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、p−メトキシ安息香酸、メタクロロ安息香酸が挙げ
られる。
【0046】前述の共縮合ジアゾ樹脂の構成単位をなす
芳香族ジアゾニウム化合物には、例えば、特公昭49−
48001号公報に挙げられているようなジアゾニウム
塩を用いることができるが、特に、ジフェニルアミン−
4−ジアゾニウム塩類が好ましい。
【0047】ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩類
は、4−アミノ−ジフェニルアミン類から誘導される
が、このような4−アミノ−ジフェニルアミン類として
は、4−アミノ−ジフェニルアミン、4−アミノ−3−
メトキシ−ジフェニルアミン、4−アミノ−2−メトキ
シ−ジフェニルアミン、4−アミノ−2′−メトキシ−
ジフェニルアミン、4−アミノ−4′−メトキシ−ジフ
ェニルアミン、4−アミノ−3−メチルジフェニルアミ
ン、4−アミノ−3−エトキシ−ジフェニルアミン、4
−アミノ−3−β−ヒドロキシ−エトキシジフェニルア
ミン、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−スルホン
酸、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−カルボン酸、
4−アミノ−ジフェニルアミン−2′−カルボン酸等が
あげられ、特に好ましくは、4−アミノ−4′−メトキ
シ−ジフェニルアミン、4−アミノ−ジフェニルアミン
である。
【0048】上記共縮合ジアゾ樹脂は、公知の方法、例
えば、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エン
ジニアリング( Photo.Sci.Eng.)第17巻、第33頁
(1973)、米国特許第2,063,631号、同第
2,679,498号各明細書に記載の方法に従い、硫
酸やリン酸あるいは塩酸中でジアゾニウム塩、カルボキ
シル基を有する芳香族化合物およびアルデヒド類、例え
ば、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズ
アルデヒドあるいはケトン類、例えば、アセトン、アセ
トフェノンとを重縮合させることによって得られる。
【0049】また、これら分子中にカルボキシル基を有
する芳香族化合物、芳香族ジアゾ化合物およびアルデヒ
ド類またはケトン類は相互に組合せ自由であり、さらに
各々2種以上を混ぜて共縮合することも可能である。
【0050】カルボキシル基を有する芳香族化合物と芳
香族ジアゾ化合物の仕込みモル比は、通常1:0.1〜
0.1:1、好ましくは1:0.5〜0.2:1、より
好ましくは1:1〜0.2:1である。またこの場合、
カルボキシル基を有する芳香族化合物および芳香族ジア
ゾ化合物の合計とアルデヒド類またはケトン類とをモル
比で通常1:0.6〜1.5、好ましくは1:0.7〜
1.2で仕込み、低温で短時間、例えば、3時間程度反
応させることにより共縮合ジアゾ樹脂が得られる。
【0051】本発明において使用されるジアゾ樹脂の対
アニオンは、該ジアゾ樹脂と安定に塩を形成し、かつ、
該樹脂を有機溶媒に可溶となすアニオンを含む。これら
は、デカン酸および安息香酸等の有機カルボン酸、フェ
ニルリン酸等の有機リン酸およびスルホン酸を含み、典
型的な例としては、メタンスルホン酸、クロロエタンス
ルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、およびア
ントラキノンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン−5−スルホン酸、ヒドロキシスルホ
ン酸、4−アセチルベンゼンスルホン酸、ジメチル−5
−スルホイソフタレート等の脂肪族及び芳香族スルホン
酸並びにそのエステル、2,2′,4,4′−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノン、1,2,3−トリヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン等の水酸基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロ
リン酸、テトラフルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス
酸、ClO4、IO4等の過ハロゲン酸等が挙げられる
が、これらに限られるものではない。これらの中で、特
に好ましいものは、ヘキサフルオロリン酸、テトラフル
オロホウ酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−スルホン酸である。
【0052】上記共縮合ジアゾ樹脂は、各単量体のモル
比および縮合条件を種々変えることにより、その分子量
は任意の値として得ることができるが、本発明の目的と
する使途に有効に供するためには分子量約400〜10
000の範囲から選択されることが一般的であるが、好
ましくは約800〜5000である。
【0053】上記ジアゾ化合物は感光性組成物中に1〜
12重量%含有させるのが好ましい。
【0054】本発明のネガ型感光性組成物には、さらに
色素を用いることができる。該色素は、露光による可視
画像(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ることを
目的として使用される。
【0055】該色素としては、フリーラジカルまたは酸
と反応して色調を変化するものが好ましく使用できる。
ここに「色調が変化する」とは、無色から有色への色調
の変化、有色から無色あるいは異なる有色への色調の変
化のいずれをも包含する。好ましい色素は酸と塩を形成
して色調を変化するものである。
【0056】有色から無色へあるいは異なる有色の色調
へ変化する色素の例としては、例えば、ビクトリアピュ
アブルーBOH〔保土ヶ谷化学社製〕、オイルブルー♯
603〔オリエント化学工業社製〕、パテントピュアブ
ルー〔住友三国化学社製〕、クリスタルバイオレット、
ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルバ
イオレット、メチルグリーン、エリスロシンB、ベイシ
ックフクシン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m
−クレゾールパープル、ローダミンB、オーラミン、4
−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、シ
アノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に
代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン
系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン
系、アゾメチン系またはアントラキノン系の色素が挙げ
られる。
【0057】一方、無色から有色に変化する色素の例と
しては、例えば、ロイコ色素及び、例えば、トリフェニ
ルアミン、ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、
1,2,3−トリフェニルグアニジン、ナフチルアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメ
チルアミノジフェニルアミン、1,2−ジアニリノエチ
レン、p,p′,p″−トリス−ジメチルアミノトリフ
ェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェ
ニルメチルイミン、p,p′,p″−トリアミノ−o−
メチルトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチル
アミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,
p′,p″−トリアミノトリフェニルメタンに代表され
る第1級または第2級アリールアミン系色素が挙げられ
る。
【0058】これらの色素のうち、トリフェニルメタン
系、ジフェニルメタン系色素が好ましく、さらに好まし
くはトリフェニルメタン系色素であり、特に、ビクトリ
アピュアブルーBOHが好ましい。
【0059】上記色素は、感光性成組成物の全固形分中
に通常0.5〜10重量%含有させ、好ましくは約1〜
5重量%含有させる。
【0060】本発明のネガ型感光性組成物には、上記の
他に、更に種々の添加剤を添加することができる。
【0061】例えば、塗布性を改良するためのアルキル
エーテル類(例えば、エチルセルロース、メチルセルロ
ース)、フッ素系界面活性剤類やノニオン系界面活性剤
〔例えば、プルロニックL−64(旭電化(株)
製)〕、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与するための可塑
剤(例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコー
ル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、
リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオ
クチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル
酸又はメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマー)、画
像部の感脂性を向上させるための感脂化剤(例えば、特
開昭55−527号公報記載のスチレン−無水マレイン
酸共重合体のアルコールによるハーフエステル化物
等)、安定剤〔例えば、リン酸、亜リン酸、有機酸(ク
エン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタリンス
ルホン酸、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノ
ン−5−スルホン酸、酒石酸等)〕、現像促進剤(例え
ば、高級アルコール、酸無水化物等)等が挙げられる。
これらの添加剤の添加量はその使用対象目的によって異
なるが、一般に感光性組成物の全固形分に対して、0.
01〜30重量%である。
【0062】本発明のネガ型感光性平版印刷版は、上記
の感光性組成物を適当な溶媒(メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、アセト
ン、メチルエチルケトン、メタノール、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、水又はこれらの混合物
等)中に溶解させて感光性組成物の塗布液を調整し、こ
れを支持体上に塗布、乾燥し、感光層を形成することに
より得ることができる。
【0063】塗布液における感光性組成物の濃度は1〜
50重量%の範囲とすることが望ましい。
【0064】塗布には、従来公知の方法、例えば、回転
塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ
塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等を
用いることができる。
【0065】この場合、感光性組成物の塗布量は、乾燥
重量で、おおむね、0.2〜10g/m2程度とすればよ
い。
【0066】本発明のネガ型感光性組成物が空気中の酸
素による重合禁止作用を有するものである場合、支持体
上に設けられた感光性組成物の層の上には、空気中の酸
素による重合禁止作用を防止するため、例えば、ポリビ
ニルアルコール、酸性セルロース類などのような酸素遮
断性に優れたポリマーよりなる保護層を設けてもよい。
【0067】前記のネガ型感光性平版印刷版に使用され
る支持体としては、紙、プラスチック(例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)ラミネー
ト紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜
鉛、銅などのような金属の板、二酢酸セルロース、三酢
酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート、ポリビニルアセタールなどのようなプラ
スチックのフィルム、上記の如き金属がラミネートもし
くは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム、アル
ミニウムもしくはクロームメッキが施された鋼板などが
挙げられ、これらのうち特に、アルミニウム及びアルミ
ニウム被覆された複合支持体が好ましい。
【0068】アルミニウム材の表面は、保水性を高め、
感光層との密着性を向上させる目的で粗面化処理されて
いることが望ましい。
【0069】粗面化方法としては、一般に公知のブラシ
研磨法、ボール研磨法、電解エッチング、化学的エッチ
ング、液体ホーニング、サンドブラスト等の方法および
これらの組合せが挙げられ、好ましくはブラシ研磨法、
電解エッチング、化学的エッチングおよび液体ホーニン
グが挙げられ、これらのうちで、特に電解エッチングの
使用を含む粗面化方法が好ましい。また、電解エッチン
グの際に用いられる電解浴としては、酸、アルカリまた
はそれらの塩を含む水溶液あるいは有機溶剤を含む水性
溶液が用いられ、これらのうちで特に塩酸、硝酸または
それらの塩を含む電解液が好ましい。さらに、粗面化処
理の施されたアルミニウム板は、必要に応じて酸または
アルカリの水溶液にてデスマット処理される。こうして
得られたアルミニウム板は、陽極酸化処理されることが
望ましく、特に好ましくは、硫酸またはリン酸を含む浴
で処理する方法が挙げられる。また、さらに必要に応じ
て、ケイ酸アルカリや熱水による処理、その他水溶性高
分子化合物や弗化ジルコニウム酸カリウム水溶液への浸
漬などによる表面処理を行うことができる。
【0070】本発明のネガ型感光性平版印刷版の処理に
は、従来の常法が適用される。すなわち、線画像、網点
画像等を有する透明原画を通して露光し、次いで、水性
現像液で現像処理することにより、原画に対してネガの
レリーフ像を得ることができる。露光に好適な活性光の
光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンラ
ンプ、メタルハライドランプ、ストロボ等が挙げられ
る。
【0071】現像液は特に限定されないが、特に好まし
いのは、実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性の水性
溶液である。
【0072】「実質的に有機溶剤を含まない」とは、衛
生上、安全性上等において問題を起こす程には有機溶剤
を含有しないとの意であり、有機溶剤を全く含まないと
の意ではない。一般的に、現像液組成物中に含まれる有
機溶剤が1重量%以下であればこれらの問題は生じな
い。
【0073】衛生上、安全性上等からすると、現像液組
成物中に含まれる有機溶剤の含有量は少ない方が好まし
く、有機溶剤含有量は0.5重量%以下、より好ましく
は有機溶剤を全く含有しないことである。
【0074】本発明の現像液に用いる好ましいアルカリ
剤としては、例えば、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウ
ム、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リ
ン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第二リン酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
これらの中でもケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ
酸ナトリウム等のケイ酸アルカリを含有する現像液は現
像階調性が良好なため最も好ましく、ケイ酸アルカリの
組成がモル比で〔SiO2〕/〔M〕=0.5〜1.5
(ここに〔SiO2〕、〔M〕はそれぞれSiO2のモル
濃度と総アルカリ金属のモル濃度を示す。)であり、か
つSiO2を0.8〜8重量%含有する現像液が好まし
く用いられる。このケイ酸アルカリ組成のうち、特に、
モル比で〔SiO2〕/〔M〕=0.5〜0.75であ
り、かつ、SiO2が0.8〜4重量%の現像液は、低
濃度のため現像廃液の中和が容易なことから好ましく用
いられ、一方、モル比で〔SiO2〕/〔M〕=0.7
5〜1.3であり、かつ、SiO2が1〜8重量%の現
像液は緩衝力が高く、処理能力が高いことから好適に用
いられる。
【0075】現像液のpH(25℃)は12以上である
ことが好ましく、さらに好ましくは、12.5〜14で
ある。また、現像液中には、例えば、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸マグネシ
ウムなどの水溶性亜硫酸塩を添加することができる。亜
硫酸塩の現像液組成物における好ましい含有量は、0.
05〜4重量%で、より好ましくは0.1〜1重量%で
ある。
【0076】また、現像液中に、特開昭50−5132
4号公報に記載されているようなアニオン性界面活性
剤、両性界面活性剤、特開昭59−75255号公報、
同60−111246号公報に記載されているような非
イオン性界面活性剤のうち少なくとも一つを含有させる
ことにより、また、特開昭55−95946号公報、同
56−142528号公報に記載されているように高分
子電解質を含有させることにより、感光層への濡れ性を
高めたり、また、階調性をさらに高めることができる。
かかる界面活性剤の添加量は特に制限はないが、0.0
03〜3重量%が好ましく、特に0.006〜1重量%
が好ましい。さらに該ケイ酸アルカリのアルカリ金属と
して全アルカリ金属中、カリウムを20モル%以上含む
ことが、現像液中の不溶物発生が少ないため好ましく、
より好ましくはカリウムを90モル%以上含むことであ
り、最も好ましくはカリウムが100モル%の場合であ
る。
【0077】さらに、本発明に使用される現像液には消
泡剤を含有させることができる。好適な消泡剤には有機
シラン化合物が挙げられる。
【0078】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0079】実施例1 〈アルカリ可溶性高分子化合物(1)の合成〉温度計、
還流冷却管、撹拌装置、加熱装置、窒素気流導入管を備
えた300ミリリットルの四首フラスコ中に、アセトン
70ミリリットルとメタノール70ミリリットルの混合
溶媒を入れ、この混合溶媒に、エチルアクリレート2.
24g(0.02モル)、エチルメタクリレート19.
18g(0.17モル)、アクリロニトリル8.91g
(0.17モル)、メタクリル酸0.48g(5.5ミ
リモル)及び4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド
34.73g(0.20モル)を溶解した。更に、重合
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.84g
(0.01モル)を溶解し、窒素気流下で強撹拌しなが
ら加熱し、約60℃で6時間還流させた。
【0080】反応終了後、反応液を室温まで冷却させた
後、水中に投じて高分子化合物を沈澱させた。これをろ
取し、50℃で24時間真空乾燥させたところ、共重合
体〔アルカリ可溶性高分子化合物(1)〕が60.0g
得られた。モノマー合計量からの収率は90%であっ
た。
【0081】得られたアルカリ可溶性高分子化合物
(1)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)により、プルラン標準、N,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒で測定したと
ころ、50000であった。また、酸価は6であった。
【0082】〈アルカリ可溶性高分子化合物(2)〜
(9)の合成〉モノマーの組成比(モル比)を表1に示
すように変え、上記アルカリ可溶性高分子化合物(1)
の合成と同様の合成条件で、アルカリ可溶性高分子化合
物(2)〜(9)を合成した。得られたアルカリ可溶性
高分子化合物(2)〜(9)の酸価、重量平均分子量は
表1に示すとおりであった。
【0083】
【表1】
【0084】〈ジアゾ樹脂(1)の合成〉氷冷した濃硫
酸200gに、p−ヒドロキシ安息香酸12.7g
(0.092モル)と4−ジアゾジフェニルアミン硫酸
塩40.5g(0.138モル)を液温が5℃を越えな
いように注意しながら撹拌溶解した。
【0085】次いで、撹拌しながらパラホルムアルデヒ
ド6.22g(0.207モル)を1時間かけてゆっく
りと加え、反応液が5℃を越えないように注意して縮合
反応を行った。パラホルムアルデヒドを加え終わった
後、30分間、5℃以下で撹拌を続けた。
【0086】反応終了後、反応液を、0℃に冷却したエ
タノール1600ミリリットルにゆっくりと投入すると
析出物が生成した。この際、液温が40℃を越えないよ
うにした。析出物を吸引ろ過で濾取し、エタノール30
0ミリリットルで洗浄して反応中間体a(ジアゾ樹脂硫
酸塩)を得た。
【0087】取り出した反応中間体aを水240ミリリ
ットルに溶解した後、水90ミリリットルに溶解した塩
化亜鉛19.04g(0.14モル)を加えると、再び
析出物が生成した。析出物を吸引ろ過で濾取し、反応中
間体b(ジアゾ樹脂塩化亜鉛複塩)を得た。
【0088】取り出した反応中間体bを水1000ミリ
リットルに溶解した後、水180ミリリットルに溶解し
たヘキサフルオロリン酸アンモン24.8g(0.15
モル)を加えると、析出物が生成した。
【0089】析出物を吸引ろ過で濾取し、エタノール3
00ミリリットルで洗浄した後、30℃で3日間乾燥
し、ジアゾ樹脂(1)を32.4g得た。
【0090】〈支持体の作成〉厚さ0.3mmのアルミニ
ウム板を3%水酸化ナトリウムにて脱脂し、これを2%
塩酸浴中で25℃、30A/dm2の電流密度で電解エッ
チングし、水洗後、30%硫酸浴中で30℃、6A/dm
2の条件で2分間陽極酸化処理し、水洗した。次に、1
%メタケイ酸ナトリウム水溶液を用いて85℃、30秒
間封孔処理し、水洗、乾燥して、平版印刷版用アルミニ
ウム支持体を得た。
【0091】〈感光性平版印刷版試料1の作成〉上記支
持体上に、表2記載の感光液組成1を有する感光液を、
乾燥重量が1.6g/m2になるように塗布し、80℃の
気流下で2分間乾燥し、感光性平版印刷版試料1を作成
した。
【0092】
【表2】
【0093】
【化5】
【0094】〈感光性平版印刷版試料2〜9の作成〉感
光性平版印刷版試料1の作成において、感光液組成1の
アルカリ可溶性高分子化合物(1)をアルカリ可溶性高
分子化合物(2)〜(9)のそれぞれに変えた以外は感
光性平版印刷版試料1と同様にして、感光性平版印刷版
試料2〜9を作成した。
【0095】〈感光性平版印刷版試料10の作成〉実施
例1の感光性平版印刷版試料1の作成において、感光液
組成1を有する感光液に変え、表3記載の感光液組成2
を有する感光液を用いた以外は感光性平版印刷版試料1
と同様にして、感光性平版印刷版試料10を作成した。
【0096】
【表3】
【0097】〈感光性平版印刷版試料11の作成〉感光
性平版印刷版試料10の作成において、感光液組成2の
アルカリ可溶性高分子化合物(1)をアルカリ可溶性高
分子化合物(6)に変えた以外は感光性平版印刷版試料
10と同様にして、感光性平版印刷版試料11を作成し
た。
【0098】《感光性平版印刷版試料の評価》得られた
感光性平版印刷版試料1〜11を、下記条件で露光、現
像後、コニカガム液(SGQ−3)をスポンジ塗布し、
印刷を行い、正常な印刷物が得られるまでの枚数、非画
像部の汚れ、耐刷力を評価した。得られた結果を表4に
示す。
【0099】 光源 :4kWメタルハライドランプ、距離60cm 露光量:コダックステップタブレットNo.2、ベタ4段相当 現像 :27℃、20秒 現像液組成: Aケイ酸カリ 1160g 苛性カリ 133g 水 5133ミリリットル (pH=12.7)
【0100】
【表4】
【0101】
【発明の効果】本発明の感光性組成物は、現像性に優
れ、特に、実質的に有機溶剤を含有しないアルカリ水溶
液での現像性に優れ、かつ、実質的に有機溶剤を含有し
ないアルカリ水溶液で現像した際に、インキ着肉性が良
好で、充分な耐刷力を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/32 (72)発明者 松村 智之 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 辻 成夫 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 松尾 史之 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸価100以下の、フェノール性水酸基
    含有単位10〜40モル%を有するアルカリ可溶性高分
    子化合物を含有することを特徴とするネガ型感光性組成
    物。
  2. 【請求項2】 フェノール性水酸基含有単位10〜40
    モル%を有するアルカリ可溶性高分子化合物の酸価が3
    0以下であることを特徴とする請求項1記載のネガ型感
    光性組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール性水酸基含有単位10〜40
    モル%を有するアルカリ可溶性高分子化合物が、下記一
    般式(I)で表される付加重合性モノマーと他の付加重
    合性ビニル基含有モノマーとの共重合により得られた共
    重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載のネ
    ガ型感光性組成物。 【化1】 [式中、R1は水素原子、メチル基を、R2は−COO
    −、−CONH−を表す。nは0または1を表す。]
  4. 【請求項4】 付加重合性不飽和結合を有する重合可能
    な化合物及び光重合開始剤をさらに含有することを特徴
    とする請求項1〜3記載のネガ型感光性組成物。
  5. 【請求項5】 ジアゾ化合物をさらに含有することを特
    徴とする請求項1〜4記載のネガ型感光性組成物。
  6. 【請求項6】 ジアゾ化合物が芳香族ジアゾニウム塩と
    カルボニル化合物の重縮合樹脂であることを特徴とする
    請求項5記載のネガ型感光性組成物。
  7. 【請求項7】 ジアゾ化合物が分子内にカルボキシル基
    を含有するジアゾ化合物であることを特徴とする請求項
    5又は6記載のネガ型感光性組成物。
  8. 【請求項8】 分子内にカルボキシル基を含有するジア
    ゾ化合物が芳香族ジアゾニウム塩、芳香族カルボン酸及
    びカルボニル化合物の重縮合樹脂であることを特徴とす
    る請求項5〜7記載のネガ型感光性組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8記載のネガ型感光性組成物
    の層を設けたことを特徴とするネガ型感光性平版印刷
    版。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のネガ型感光性平版印刷
    版を、実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性現像液で
    現像することを特徴とするネガ型感光性平版印刷版の現
    像方法。
  11. 【請求項11】 アルカリ現像液のpHが12以上であ
    ることを特徴とする請求項10記載のネガ型感光性平版
    印刷版の現像方法。
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