JPH11287324A - 変速機のシフト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、１速から４速まで及び後退シフト
時におけるチェンジレバーによるシフトストローク量を
略同一とすることができ、チェンジレバーのシフト操作
時のシフトフィーリングを向上し得ることを目的として
いる。 【構成】 このため、チェンジレバーに連絡するアウタ
レバーを一端側に接続したシフトアンドセレクトシャフ
トを介してシフトアンドセレクトレバーを連絡して設
け、チェンジレバーのセレクト操作により任意のシフト
シャフトを選択し、チェンジレバーのシフト操作により
選択したシフトシャフトをシフト動作させて変速を行う
変速機において、シフトシャフト側に平行に突出する第
１、第２レバー部をシフトアンドセレクトレバーに夫々
設けるとともに、チェンジレバーによるシフトストロー
ク量を略同一とすべく、第１、第２レバー部のいずれか
一方のレバー部の長さを大として後退切換専用のレバー
部とする構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は変速機のシフト装
置に係り、特にシフトアンドセレクトレバーの第１、第
２レバー部のいずれか一方のレバー部の長さを大として
後退切換専用のレバー部とする構成とし、１速から４速
まで及び後退シフト時におけるチェンジレバーによるシ
フトストローク量を略同一とすることができ、チェンジ
レバーのシフト操作時のシフトフィーリングを向上し得
る変速機のシフト装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車においては、搭載した内燃機関か
らの駆動力を走行条件に応じて所望状態に変換して取り
出す動力伝達機構として変速機である歯車変速機や自動
変速機を備えている。

【０００３】変速機は、入力ギヤ列や１速ギヤ列〜３速
ギヤ列、後退ギヤ列等の複数の変速ギヤ列からなり、所
望の変速ギヤ列を噛合させることにより、入力軸を介し
て入力される内燃機関の駆動力を所定状態に変速してい
る。そして、変速された駆動力により出力軸を介して車
輪を駆動させている。

【０００４】また、前記変速機においては、特開平８−
４２６８８号公報に開示されるものがある。この公報に
開示される変速機のシフト操作機構は、チェンジレバー
に連絡するアウタレバーを設けるとともにこのアウタレ
バーを一端側に接続したシフトアンドセレクトシャフト
を介してシフトアンドセレクトレバーを連絡しチェンジ
レバーのシフト操作によりシフトアンドセレクトレバー
をアウタレバーに対して同一方向に回動させるとともに
チェンジレバーのセレクト操作によりシフトアンドセレ
クトレバーを前記シフトアンドセレクトシャフトの軸方
向に往復動させる変速機において、前記チェンジレバー
のセレクト操作により移動されるシフトアンドセレクト
レバーをニュートラル位置に復帰させるスプリングを設
け、このスプリングとシフトアンドセレクトレバー間に
カムを設け、前記チェンジレバー操作により移動される
カムを所定位置に復帰させる位置決め機能を前記スプリ
ングに付加する構成とし、シフトアンドセレクトレバー
やカムの位置決めを確実に行っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の変速
機１０２は、図１４に示す如く、変速機ケース１０４内
に入力軸１０６と、駆動側軸たるカウンタ軸１０８と、
被駆動側軸たる出力軸１１０と、後退用アイドラ軸１１
２とを軸支している。

【０００６】そして、前記入力軸１０６と出力軸１１０
とを同一回転中心を有すべく連絡して設け、入力軸１０
６及び出力軸１１０に対して平行にカウンタ軸１０８を
配設する。これら各軸間１０６〜１１２には、複数の変
速歯車列１１４を設けている。この複数の変速歯車列１
１４は、例えば常時噛合式の入力歯車列１１６と１速歯
車列１１８〜３速歯車列１２２と選択摺動式の後退歯車
列１２４とからなる。

【０００７】また、１速歯車列１１８と２速歯車列１２
０との間に、１速・２速切換機構１２６を設け、３速歯
車列１２２と入力軸１０６の軸端１０６ａとの間に、３
速・４速切換機構１２８を設けるとともに、後退歯車列
１２４には、後退切換機構１３０を設けている。

【０００８】前記１速・２速切換機構１２６は、１速歯
車列１１８と２速歯車列１２０との噛合状態を選択的に
切り換える。３速・４速切換機構１２８は、３速歯車列
１２２の噛合状態と入力軸１０６及び被駆動側軸たる出
力軸１１０の連結状態とを選択的に切り換える。後退切
換機構１３０は、後述する後退用シフトシャフト１４０
と同時に移動するリバース用シフタフォーク１３２によ
って、後退歯車列１２４の噛合状態を選択的に切り換え
る。

【０００９】これら１速・２速切換機構１２６と３速・
４速切換機構１２８と後退切換機構１３０とは、シフト
シャフト群１３４により切換動作される。このシフトシ
ャフト群１３４は、図１９に示す如く、１速・２速用シ
フトシャフト１３６と３速・４速用シフトシャフト１３
８と後退用シフトシャフト１４０とからなり、１速・２
速用シフトシャフト１３６の端部に凹形嵌合部であるロ
ースピード用ヨーク１４２を設けるとともに、３速・４
速用シフトシャフト１３８の端部にハイスピード用ヨー
ク１４４を設け、後退用シフトシャフト１４０の端部に
はリバース用ヨーク１４６を設ける。

【００１０】そして、前記シフトシャフト群１３４の各
シフトシャフト１３６〜１４０に夫々設けられた各ヨー
ク１４２〜１４６には、チェンジレバー（図示せず）の
シフトアンドセレクトレバー（「ギヤシフトレバー」と
もいう）１４８が選択的に係合され（図１９参照）、選
択された任意のシフトシャフト１３６〜１４０をシフト
動作させて変速を行うものである。

【００１１】つまり、図１６及び図１７に示す如く、前
記チェンジレバー（図示せず）に連絡するアウタレバー
１４９を設けるとともに、このアウタレバー１４９を一
端側に接続したシフトアンドセレクトシャフト１５０を
介して前記シフトアンドセレクトレバー１４８を連絡さ
せて設ける。

【００１２】そして、チェンジレバー（図示せず）のシ
フト操作によりシフトアンドセレクトレバー１４８をア
ウタレバー１４９に対して同一方向に回動させるととも
に、チェンジレバーのセレクト操作によりシフトアンド
セレクトレバー１４８を前記シフトアンドセレクトシャ
フト１５０の軸方向に往復動させている。

【００１３】前記シフトアンドセレクトシャフト１５０
はレバーケース１５１内に軸支され、シフトアンドセレ
クトシャフト１５０の外周部位且つレバーケース１５１
内には、前記シフトアンドセレクトレバー１４８を配設
している。

【００１４】このとき、前記シフトアンドセレクトレバ
ー１４８に、前記シフトシャフト群１３４の各シフトシ
ャフト１３６〜１４０側に平行に突出する第１、第２レ
バー部１５２、１５４を設ける。

【００１５】しかも、第１、第２レバー部１５２、１５
４は、図１６に示す如く、略同一の長さ且つ形状に形成
されている。

【００１６】前記第１、第２レバー部１５２、１５４
は、シフトシャフト群１３４の各シフトシャフト１３６
〜１４０側に突出し、各ヨーク１４２〜１４６に選択的
に係合する。

【００１７】ここで、参考までに記載すると、歯車変速
機の変速機構には、主に常時噛合式と選択摺動式とがあ
る。

【００１８】そして、常時噛合式は、２つの歯車が常に
噛合しており、変速時には歯車に併設されるドッグの働
きによって変速操作を行っている。

【００１９】また、常時噛合式に対して、選択摺動式
は、変速に必要な歯車を直接移動させ、相手歯車に噛合
させて変速を行っている。

【００２０】前記後退歯車列１２４のリバースギヤは、
一般に停車時からの切換が主に行われることにより、同
期機構を必要としないため、より構造の単純な選択摺動
式が採用されている。

【００２１】前記変速機１０２のシフト操作時において
は、図１９に示す如く、前記シフトアンドセレクトレバ
ー１４８の一方、例えば第１レバー部１５２が３速・４
速のシフト時に機能し、他方の第２レバー部１５４が１
速・２速及び後退シフト時に機能している。

【００２２】しかし、常時噛合式は、変速に必要なチェ
ンジレバーのシフトストローク量が比較的小（図１４の
９ｍｍ参照）であるが、選択摺動式は、歯車自体を移動
させるため、完全に噛合させる際に歯幅分のシフトスト
ローク量（図１４の１４ｍｍ参照）が必要となる。

【００２３】この結果、常時噛合式である１速から４速
までの前記入力歯車列１１６と１速歯車列１１８〜３速
歯車列１２２と、選択摺動式である前記後退歯車列１２
４とを組み合わせた場合に、図２０に示す如く、チェン
ジレバーのシフトストローク量に差（図２０の符号Ｃ参
照）が生ずることとなり、１速から４速までのシフト操
作時に比し、後退シフト操作時のチェンジレバーのシフ
トストローク量が大となって、シフトフィーリングに違
和感が発生し、シフトフィーリングが悪化するという不
都合がある。

【００２４】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、チェンジレバーに連絡する
アウタレバーを設けるとともに、このアウタレバーを一
端側に接続したシフトアンドセレクトシャフトを介して
シフトアンドセレクトレバーを連絡して設け、チェンジ
レバーのセレクト操作によりシフトアンドセレクトレバ
ーを前記シフトアンドセレクトシャフトの軸方向に往復
動させ、任意のシフトシャフトを選択するとともに、チ
ェンジレバーのシフト操作によりシフトアンドセレクト
レバーをアウタレバーに対して同一方向に回動させ、選
択したシフトシャフトをシフト動作させて変速を行う変
速機において、前記シフトシャフト側に平行に突出する
第１、第２レバー部を前記シフトアンドセレクトレバー
に夫々設けるとともに、前記チェンジレバーによるシフ
トストローク量を略同一とすべく、第１、第２レバー部
のいずれか一方のレバー部の長さを大として後退切換専
用のレバー部とする構成としたことを特徴とする。

【００２５】

【発明の実施の形態】上述の如く発明したことにより、
変速機内のシフトアンドセレクトレバーの一方のレバー
部の長さを大として後退切換専用のレバー部とすること
で、チェンジレバーによるシフトストローク量を略同一
とし、チェンジレバーのシフト操作時のシフトフィーリ
ングを向上させている。

【００２６】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。

【００２７】図１〜図９はこの発明の実施例を示すもの
である。図３において、２はマニュアル式の変速機であ
る。この変速機２は、変速機ケース４内に入力軸６と、
駆動側軸たるカウンタ軸８と、被駆動側軸たる出力軸１
０と、後退用アイドラ軸１２とを軸支している。

【００２８】そして、前記入力軸６と出力軸１０とを同
一回転中心を有すべく連絡して設け、入力軸６及び出力
軸１０に対して平行にカウンタ軸８を配設する。これら
各軸間６〜１２には、複数の変速歯車列１４を設けてい
る。この複数の変速歯車列１４は、例えば常時噛合式の
入力歯車列１６と１速歯車列１８〜３速歯車列２２と選
択摺動式の後退歯車列２４とからなる。

【００２９】また、１速歯車列１８と２速歯車列２０と
の間に、１速・２速切換機構２６を設け、３速歯車列２
２と入力軸６の軸端６ａとの間に、３速・４速切換機構
２８を設けるとともに、後退歯車列２４には、後退切換
機構３０を設けている。

【００３０】前記１速・２速切換機構２６は、１速歯車
列１８と２速歯車列２０との噛合状態を選択的に切り換
える。３速・４速切換機構２８は、３速歯車列２２の噛
合状態と入力軸６及び被駆動側軸たる出力軸１０の連結
状態とを選択的に切り換える。後退切換機構３０は、後
述する後退用シフトシャフト４０と同時に移動するリバ
ース用シフタフォーク３２によって、後退歯車列２４の
噛合状態を選択的に切り換える。

【００３１】これら１速・２速切換機構２６と３速・４
速切換機構２８と後退切換機構３０とは、シフトシャフ
ト群３４により切換動作される。このシフトシャフト群
３４は、１速・２速用シフトシャフト３６と３速・４速
用シフトシャフト３８と後退用シフトシャフト４０とか
らなり、１速・２速用シフトシャフト３６の端部に凹形
嵌合部であるロースピード用ヨーク４２を設けるととも
に、３速・４速用シフトシャフト３８の端部にハイスピ
ード用ヨーク４４を設け、後退用シフトシャフト４０の
端部にはリバース用ヨーク４６を設ける。

【００３２】そして、前記シフトシャフト群３４の各シ
フトシャフト３６〜４０に夫々設けられた各ヨーク４２
〜４６には、チェンジレバー（図示せず）のシフトアン
ドセレクトレバー（「ギヤシフトレバー」ともいう）４
８が選択的に係合され（図５及び図８、図９参照）、選
択された任意のシフトシャフト３６〜４０をシフト動作
させて変速を行うものである。

【００３３】つまり、前記チェンジレバー（図示せず）
に連絡する図示しないアウタレバーを設けるとともに、
このアウタレバーを一端側に接続したシフトアンドセレ
クトシャフト５０を介して前記シフトアンドセレクトレ
バー４８を連絡させて設ける。

【００３４】そして、チェンジレバー（図示せず）のシ
フト操作によりシフトアンドセレクトレバー４８をアウ
タレバーに対して同一方向に回動させるとともに、チェ
ンジレバーのシフト操作によりシフトアンドセレクトレ
バー４８を前記シフトアンドセレクトシャフト５０の軸
方向に往復動させている。

【００３５】前記シフトアンドセレクトシャフト５０は
レバーケース（図示せず）内に軸支され、シフトアンド
セレクトシャフト５０の外周部位且つレバーケース内に
は、前記シフトアンドセレクトレバー４８を配設してい
る。

【００３６】このとき、前記シフトアンドセレクトレバ
ー４８に、前記シフトシャフト群３４の各シフトシャフ
ト３６〜４０側に平行に突出する第１、第２レバー部５
２、５４を設けるとともに、前記チェンジレバーによる
シフトストローク量を略同一とすべく、第１、第２レバ
ー部５２、５４のいずれか一方のレバー部の長さを大と
して後退切換専用のレバー部とする構成とする。

【００３７】詳述すれば、前記第１、第２レバー部５
２、５４は、シフトシャフト群３４の各シフトシャフト
３６〜４０側に突出し、各ヨーク４２〜４６に選択的に
係合するものである。

【００３８】そして、図１及び図６、図７に夫々示す如
く、前記シフトアンドセレクトレバー４８の第１レバー
部５２よりも第２レバー部５４の長さを大に設定し、第
１レバー部５２を１速から４速までの前進切換専用とす
るとともに、第２レバー部５４を後退切換専用とする。

【００３９】さすれば、図５に示す如く、１速・２速時
には、前記１速・２速用シフトシャフト３６のロースピ
ード用ヨーク４２にシフトアンドセレクトレバー４８の
第１レバー部５２が選択係合し、３速・４速時には、前
記３速・４速用シフトシャフト３８のハイスピード用ヨ
ーク４４にシフトアンドセレクトレバー４８の第１レバ
ー部５２が選択係合するとともに、後退時には、前記後
退用シフトシャフト４０のリバース用ヨーク４６にシフ
トアンドセレクトレバー４８の第２レバー部５４が選択
係合するものである。

【００４０】また、前記シフトアンドセレクトレバー４
８が所定角度Ａだけ回転した際に、図１及び図９に示す
如く、常時噛合式の入力歯車列１６と１速歯車列１８〜
３速歯車列２２とを使用する１速から４速までのシフト
時には、第１レバー部５２の移動距離が、例えば９ｍｍ
となる。

【００４１】そして、選択摺動式の後退歯車列２４を使
用する後退シフト時には、図１及び図８に示す如く、第
１レバー部５２よりも大なる長さに設定した第２レバー
部５４の移動距離が、例えば１４ｍｍとなり、移動距離
の差によって後退歯車列２４の歯幅分のストロークを吸
収し、完全な噛合状態を確保する。

【００４２】このとき、前記シフトアンドセレクトレバ
ー４８の回転角度は、図１及び図８、図９に示す如く、
所定角度Ａとなって変化せず、図２におけるシフトパタ
ーンにおいて前記チェンジレバーによるシフトストロー
ク量を略同一としている。

【００４３】前記変速機２は、１速・２速用シフトシャ
フト３６と３速・４速用シフトシャフト３８と後退用シ
フトシャフト４０とを夫々配設し、３速・４速用シフト
シャフト３８の端部にハイスピード用ヨーク４４を設け
るとともに、後退用シフトシャフト４０の端部にリバー
ス用ヨーク４６を設けた際に、図５に示す如く、前記ハ
イスピード用ヨーク４４とリバース用ヨーク４６間に大
なるシフトシャフト空振り用空間５６を設ける。

【００４４】次に作用について説明する。

【００４５】図２におけるシフトパターンにおいて、１
速（Ｌ）から４速までのシフトを行うために、前記チェ
ンジレバーを所定のシフトストローク量だけシフト操作
させると、前記シフトアンドセレクトレバー４８が所定
角度Ａだけ回転され、図１及び図９に示す如く、第１レ
バー部５２が、例えば９ｍｍだけ移動し、１速から４速
までのシフト動作が行われる。

【００４６】また、図２におけるシフトパターンにおい
て、後退（Ｒ）シフトを行うために、前記チェンジレバ
ーを、１速から４速までのシフト時と同様の所定のシフ
トストローク量だけシフト操作させると、前記シフトア
ンドセレクトレバー４８が所定角度Ａだけ回転され、図
１及び図８に示す如く、第２レバー部５４が、例えば１
４ｍｍだけ移動し、後退シフト動作が行われる。

【００４７】そしてこのとき、前記第１、第２レバー５
２、５４の長さの相違によって第１、第２レバー５２、
５４の移動距離を異ならしめ、前記チェンジレバーによ
るシフトストローク量を略同一としている。

【００４８】これにより、前記シフトアンドセレクトレ
バー４８の第１レバー部５２よりも第２レバー部５４の
長さを大として後退切換専用のレバー部とする構成によ
って、１速から４速まで及び後退シフト時における前記
チェンジレバーによるシフトストローク量を略同一とす
ることができ、チェンジレバーのシフト操作時のシフト
フィーリングを向上し得て、実用上有利である。

【００４９】また、前記シフトアンドセレクトレバー４
８において、第１、第２レバー部５２、５４のいずれか
一方のレバー部の長さを大とするのみで対処し得ること
により、構成が徒に複雑化することがなく、製作が容易
で、コストを低廉に維持し得て、経済的に有利である。

【００５０】更に、前記ロースピード用ヨーク４２とリ
バース用ヨーク４６間に大なるシフトシャフト空振り用
空間５６を設けたことにより、シフトシャフト群３４の
各シフトシャフト３６〜４０の動作を円滑に行わせるこ
とができ、使い勝手を向上し得るものである。

【００５１】なお、この発明は上述実施例に限定される
ものではなく、種々の応用改変が可能である。

【００５２】例えば、この発明の実施例をおいては、シ
フトアンドセレクトレバー４８の第１レバー部５２を１
速から４速までの前進切換専用とするとともに、第２レ
バー部５４を後退切換専用とし、第１レバー部５２及び
第２レバー部５４を単に平板状に形成したが、シフトア
ンドセレクトレバーの第１、第２レバー部のいずれか一
方、例えば第２レバー部を後退切換専用のレバー部とし
た際に、この第２レバー部の一部を切除する軽量化構造
とする。

【００５３】すなわち、図１０に示す如く、シフトアン
ドセレクトレバー６２に第１、第２レバー部６４、６６
を形成した際に、後退切換専用の第２レバー部６６の先
端部位に切欠き部６８を設けて軽量化構造（ＳＧ１）と
する。

【００５４】また、図１１に示す如く、シフトアンドセ
レクトレバー７２に第１、第２レバー部７４、７６を形
成した際に、後退切換専用の第２レバー部７６の先端側
広域部位に貫通孔部７８を設けて軽量化構造（ＳＧ２）
とする。

【００５５】更に、図１２に示す如く、シフトアンドセ
レクトレバー８２に第１、第２レバー部８４、８６を形
成した際に、後退切換専用の第２レバー部８６の先端側
広域部位の両面部位に凹部８８を設けて軽量化構造（Ｓ
Ｇ３）とする。

【００５６】更にまた、図１３に示す如く、シフトアン
ドセレクトレバー９２に第１、第２レバー部９４、９６
を形成した際に、後退切換専用の第２レバー部９６の先
端側広域部位に対して平行な溝部９８を先端部位に形成
して軽量化構造（ＳＧ４）とする。

【００５７】さすれば、上述の４つの軽量化構造（ＳＧ
１〜４）とすることにより、シフトアンドセレクトレバ
ーの軽量化が図れ、シフトフィーリングを軽くすること
が可能となり、節度感が出てシフト操作を確実に行うこ
とができるものである。

【００５８】また、この発明の実施例においては、前記
チェンジレバーによるシフトストローク量を略同一とす
るために、シフトアンドセレクトレバーの第１、第２レ
バー部のいずれか一方のレバー部の長さを大としたが、
第１、第２レバー部のいずれか一方のレバー部の長さを
より一層大とすれば、図２に１点鎖線で示す如く、１速
から４速までのシフト時のチェンジレバーのシフトスト
ローク量よりも距離Ｂだけチェンジレバーのシフトスト
ローク量を小とすることも可能である。さすれば、後退
シフト時のチェンジレバーのシフトストローク量が小と
なり、後退の多用する状況においては特に有用である。

【００５９】

【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、チェンジレバーに連絡するアウタレバーを設けると
ともに、アウタレバーを一端側に接続したシフトアンド
セレクトシャフトを介してシフトアンドセレクトレバー
を連絡して設け、チェンジレバーのセレクト操作により
シフトアンドセレクトレバーをシフトアンドセレクトシ
ャフトの軸方向に往復動させ、任意のシフトシャフトを
選択するとともに、チェンジレバーのシフト操作により
シフトアンドセレクトレバーをアウタレバーに対して同
一方向に回動させ、選択したシフトシャフトをシフト動
作させて変速を行う変速機において、シフトシャフト側
に平行に突出する第１、第２レバー部を前記シフトアン
ドセレクトレバーに夫々設けるとともに、チェンジレバ
ーによるシフトストローク量を略同一とすべく、第１、
第２レバー部のいずれか一方のレバー部の長さを大とし
て後退切換専用のレバー部とする構成としたので、１速
から４速まで及び後退シフト時におけるチェンジレバー
によるシフトストローク量を略同一とすることができ、
チェンジレバーのシフト操作時のシフトフィーリングを
向上し得て、実用上有利である。また、前記シフトアン
ドセレクトレバーにおいて、第１、第２レバー部のいず
れか一方のレバー部の長さを大とするのみで対処し得る
ことにより、構成が徒に複雑化することがなく、製作が
容易で、コストを低廉に維持し得て、経済的に有利であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す変速機のシフト装置の
シフトアンドセレクトレバーの概略拡大図である。

【図２】チェンジレバーのシフトパターンを示す図であ
る。

【図３】変速機のシフト装置の概略断面図である。

【図４】変速機のシフト装置の一部切欠き平面図であ
る。

【図５】シフトシャフト群の各シフトシャフトを示す図
である。

【図６】シフトアンドセレクトレバーの概略拡大正面図
である。

【図７】シフトアンドセレクトレバーの概略拡大平面図
である。

【図８】後退シフト操作時のシフトアンドセレクトレバ
ー部分の概略拡大図である。

【図９】１速から４速までのシフト操作時のシフトアン
ドセレクトレバー部分の概略拡大図である。

【図１０】この発明の他の第１の実施例を示すシフトア
ンドセレクトレバーの概略拡大平面図である。

【図１１】この発明の他の第２の実施例を示すシフトア
ンドセレクトレバーの概略拡大平面図である。

【図１２】この発明の他の第３の実施例を示すシフトア
ンドセレクトレバーの概略拡大正面図である。

【図１３】この発明の他の第４の実施例を示すシフトア
ンドセレクトレバーの概略拡大正面図である。

【図１４】この発明の従来技術を示す変速機のシフト装
置の概略断面図である。

【図１５】変速機のシフト装置の一部切欠き平面図であ
る。

【図１６】シフトアンドセレクトシャフトのレバーケー
スの正面図である。

【図１７】シフトアンドセレクトシャフトのレバーケー
スの平面図である。

【図１８】シフトアンドセレクトシャフトのレバーケー
スの右側面図である。

【図１９】シフトシャフト群の各シフトシャフトを示す
図である。

【図２０】チェンジレバーのシフトパターンを示す図で
ある。

【符号の説明】

２ 変速機 ４ 変速機ケース ６ 入力軸 ８ カウンタ軸 １０ 出力軸 １２ 後退用アイドラ軸 １４ 複数の変速歯車列 １６ 入力歯車列 １８ １速歯車列 ２０ ２速歯車列 ２２ ３速歯車列 ２４ 後退歯車列 ２６ １速・２速切換機構 ２８ ３速・４速切換機構 ３０ 後退切換機構 ３４ シフトシャフト群 ３６ １速・２速用シフトシャフト ３８ ３速・４速用シフトシャフト ４０ 後退用シフトシャフト ４８ シフトアンドセレクトレバー ５０ シフトアンドセレクトシャフト ５２ 第１レバー部 ５４ 第２レバー部 ５６ シフトシャフト空振り用空間

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チェンジレバーに連絡するアウタレバー
   を設けるとともに、このアウタレバーを一端側に接続し
   たシフトアンドセレクトシャフトを介してシフトアンド
   セレクトレバーを連絡して設け、チェンジレバーのセレ
   クト操作によりシフトアンドセレクトレバーを前記シフ
   トアンドセレクトシャフトの軸方向に往復動させ、任意
   のシフトシャフトを選択するとともに、チェンジレバー
   のシフト操作によりシフトアンドセレクトレバーをアウ
   タレバーに対して同一方向に回動させ、選択したシフト
   シャフトをシフト動作させて変速を行う変速機におい
   て、前記シフトシャフト側に平行に突出する第１、第２
   レバー部を前記シフトアンドセレクトレバーに夫々設け
   るとともに、前記チェンジレバーによるシフトストロー
   ク量を略同一とすべく、第１、第２レバー部のいずれか
   一方のレバー部の長さを大として後退切換専用のレバー
   部とする構成としたことを特徴とする変速機のシフト装
   置。
2. 【請求項２】 前記変速機は、１速・２速用シフトシャ
   フトと３速・４速用シフトシャフトと後退用シフトシャ
   フトとを夫々配設し、３速・４速用シフトシャフトの端
   部にハイスピード用ヨークを設けるとともに、後退用シ
   フトシャフトの端部にリバース用ヨークを設け、前記ハ
   イスピード用ヨークとリバース用ヨーク間には大なるシ
   フトシャフト空振り用空間を設けた請求項１に記載の変
   速機のシフト装置。
3. 【請求項３】 前記変速機は、シフトアンドセレクトレ
   バーの第１、第２レバー部のいずれか一方を後退切換専
   用のレバー部とした際に、この一方の後退切換専用のレ
   バー部の一部を切除する軽量化構造とした請求項１に記
   載の変速機のシフト装置。