JPH1128730A - 開口部を有する発泡成形品および開口部形成方法 - Google Patents
開口部を有する発泡成形品および開口部形成方法Info
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Abstract
かつ確実に行うことのできる発泡成形品および開口部の
形成方法を提供するものである。 【解決手段】 基材11Aに発泡体21Aを介して表皮
31Aが積層された発泡成形品10Aの開口用除去予定
部35を切断により除去して部品41の嵌め込みに用い
られる部品装着用開口部Oを形成する方法において、あ
らかじめ前記基材11Aには該基材11Aの開口用除去
予定部12の切断線16上に、部品41の側部に形成さ
れた係止爪44に対応する位置に、前記係止爪44が係
止する係止部14を有する凸部15を形成しておき、前
記開口用除去予定部35周囲の切断時に、前記凸部15
を分断するように切断して、前記切断除去により基材1
1に残った凸部15の残部で構成される屈曲片13およ
び前記係止部14を前記開口部Oの周縁に形成する。
Description
発泡成形品および、その開口部の形成方法に関する。
発泡成形品には、図6に示す自動車用インストルメント
パネルに見られるように部品装着用開口部Oの形成され
たものがある。なお、前記開口部Oには空調装置吹き出
し口のレジスター等が嵌着される。
くつかあるが、公知の表皮一体発泡成形法等により成形
された発泡成形品に対し、後工程で開口部Oを形成する
方法が一般的である。すなわち、図7に示すように、表
皮一体発泡成形法等により成形された発泡成形品50の
開口用除去予定部55の周囲を、ウォータージェットや
ホットプレス、コールドプレス等の公知の切断手段で、
表皮53側から基材51に向けて切断し、前記開口用除
去予定部55を除去することによって、所望の開口部O
を形成する方法が主流である。符号52は発泡体であ
る。
50の部品装着用開口部Oに嵌め込まれる部品60に
は、側部に所要数の係止爪61が設けられており、前記
部品装着用開口部Oへの部品60の嵌め込みの際に、基
材51の開口周縁Oaの裏面に係止爪61を係止し、部
品60の外端側に形成されている外周フランジ62と前
記係止爪61とで部品装着用開口部Oの周縁を挟持する
ことにより部品60の固定および脱落防止が図られる。
口部Oの形成は、精度が低く寸法誤差を生じ易かった。
例えば前記ウォータージェット工法においては、切断線
の片側に約0.5mmの誤差を生じるのが避けられなか
った。また、ホットプレスやコールドプレスのようなプ
レス工法においては、発泡成形品の開口用除去予定部を
刃で押圧して切断するため、その際に切断部、すなわち
開口部の周縁がプレス方向へ押し潰されて変形し易かっ
た。
法誤差や精度の低さは、図8のように部品装着用開口部
Oに部品60を嵌め込んで部品を固定させる際に、部品
60の係止爪61が基材51の開口部周縁Oaに係止し
難かったり、あるいはその係止が浅くなって部品60が
部品装着用開口部Oから容易に抜け外れてしまう等の不
具合を生じさせる。
は、基材51が表皮53に比べて剛性の高い材質で構成
されることから、表皮53の開口部周縁よりも剛性が高
くなっており、前記係止爪61の確実な係止,およびそ
れによる部品の固定作用が期待できる部分である。従っ
て、前記切断による基材51の開口部周縁Oaの寸法誤
差や変形等は、部品60の固定に関し、表皮53側の開
口部周縁の寸法誤差や変形よりも極めて大なる影響があ
る。
る発泡体52の劣化等により硬度が低下して開口部周縁
Oaの厚み減少を生じることがあると、前記部品の係止
爪61と外周フランジ62による開口部周縁Oaの挟持
力が低下し、部品60が部品装着用開口部Oから外れ易
くなったり、ガタツキ等の不具合を生じ易い問題もあ
る。
に鑑みなされたもので、切断除去により形成された開口
部に、切断時の低い精度に影響を受けることなく部品を
確実に嵌め込んで、しかも長期に渡って確実に部品を係
止固定できる発泡成形品およびその開口部の形成方法を
提供するものである。
明は、基材に発泡体を介して表皮が積層された発泡成形
品の所要部にプレス等の切断手段で形成された部品装着
用開口部を有し、前記部品装着用開口部に嵌め込まれる
部品の側部に形成されている係止爪を前記部品装着用開
口部の基材の開口部周縁裏側に係止させて、前記部品装
着用開口部の周縁を部品の側部で挟持する構造の発泡成
形品において、前記基材の開口部周縁には前記係止爪と
対応する位置に表皮側へ屈曲した屈曲片がその基部を係
止爪との係止部として形成され、該屈曲片の表皮側端部
が前記基材の開口部の切断線位置にあることを特徴とす
る。
表皮が積層された発泡成形品の開口用除去予定部をその
周囲の切断により除去して部品の嵌め込みに用いられる
部品装着用開口部を形成する方法において、あらかじめ
前記基材には該基材の開口用除去予定部の切断線上に、
前記部品の側部に形成されている係止爪の位置と対応さ
せて表皮側へ突出した凸部を基材裏面側で開口する中空
形状で形成しておき、前記発泡成形品の開口用除去予定
部の切断除去時に、前記基材の凸部を分割するように切
断して、前記凸部の壁部により構成される屈曲片を基材
の開口部周縁に残し、該屈曲片の基部を前記係止爪との
係止部にすることを特徴とする。
を詳細に説明する。図1はこの発明の一実施例に係る発
泡成形品の開口部について部品装着後を示す断面図、図
2は図1に示す実施例について部品装着前の開口部裏面
を示す平面図、図3は図1に示す実施例について、発泡
体および表皮を除去して基材の開口部付近を示す斜視
図、図4はこの発明の開口部形成方法の一実施例におけ
る発泡成形品の開口用除去予定部を示す断面図、図5は
その発泡成形品に用いられている基材の開口用除去予定
部を示す一部切り欠き斜視図である。
施例について図1ないし図3を用いて説明する。図示の
発泡成形品10は、基材11に発泡体21を介して表皮
31が積層されたもので、表皮一体発泡成形法等によっ
て一体化されている。この発泡成形品は、その一体化後
に開口用除去予定部35(図4に示す)がウォータージ
ェットやプレス等の公知の切断手段で切断除去されるこ
とによって形成された部品装着用開口部Oを所要位置に
有し、その開口部Oに所望の部品41が嵌め込まれるよ
うになっている。前記開口部Oは、部品41の外周形状
とほぼ等しい形状からなる。またこの例では、部品41
の外面と発泡成形品10の表面33とが面一となるよう
に、開口部Oの周縁は発泡成形品10の裏側へ窪んだ段
状になっている。
等発泡成形品の用途等に応じたものからなり、そのケー
ス42の外端側に外周フランジ部43が形成され、また
ケース42の側部外面には、前記外周フランジ部43か
ら前記発泡成形品の部品装着用開口部Oの周縁厚みに相
当する距離だけ離れた位置に係止爪44が所定間隔で突
出形成されている。この例のケース42は正面視長方形
状からなり、その一組の対向する側面に合計四個の係止
爪44が外向きに突出形成されている。
性付与等のためのもので、この例では射出成形によって
成形品形状に形成されたものが用いられ、発泡体21お
よび表皮31との一体化後に、後記する基材の開口用除
去予定部12A(図5に示す)の切断除去により形成さ
れた基材の開口部12と、前記切断除去により基材の開
口部12周縁に形成された屈曲片13とを有する。図3
にはこの基材11の開口部12を、発泡体21および表
皮31を除いて示す。
において前記部品41の係止爪44と対応する位置に表
皮31側へ屈曲形成されており、その表皮側端部13a
が基材の開口部12の切断線位置になっている。この屈
曲片13は基材の開口部12内側へ傾斜していて、屈曲
片13の基部13bが基材の開口部12の切断線16位
置よりも外方に位置し、該基部13bが係止爪44の係
止する係止部14になっている。従って、前記係止部1
4は発泡成形品10の開口部O形成時の切断に際して切
断手段によって切削されず、寸法や形状等が変化するこ
とがなく、本来の係止効果を維持することができる。
性を付与するため等のもので、ポリウレタン発泡体等か
らなる。この発泡体21には、開口部22が形成されて
いる。この発泡体の開口部22は、前記一体化後の切断
除去により基材11の開口部12および後記する表皮3
1の開口部32とともに形成されたものである。
樹脂やファブリック等、適宜の材質からなり、射出成形
やパウダースラッシュ成形あるいは縫製等により成形品
形状に形成されたものが用いられる。この表皮31に
は、前記一体化後の切断除去により形成された開口部3
2を有し、この表皮の開口部32と前記基材11の開口
部12と発泡体21の開口部22とで部品装着用開口部
Oを構成する。
Oに部品41が挿入されて嵌め込まれる。その際、前記
部品41の係止爪44が、基材11の開口部周縁の屈曲
片13基部の係止部14に係止し、一方、部品41の外
周フランジ部43が、表皮31の開口部33周縁の表側
に当接して、前記係止爪44と外周フランジ部43間で
発泡成形品の開口部O周縁を挟持する。前記のように基
材の屈曲片13の係止部14は、開口部Oの形成時に切
断手段で切削されていないため、本来の寸法および形状
からなり、確実に係止爪44を係止し、部品41を強固
に固定する。さらに、発泡体21の劣化等により硬度が
低下して発泡成形品10の開口部O周縁で厚み減少の恐
れがある場合にも、屈曲片13の表皮側端部13aが表
皮31の開口部32周縁の裏側と接触して開口部O周縁
の厚み減少を妨げるため、部品41の係止爪44と外周
フランジ部43による開口部O周縁の強固な挟持固定を
維持でき、部品41の外れやガタツキを防ぐことができ
る。特にこの効果を高めるためには、前記屈曲片13の
表皮側端部13aを表皮31近くに位置させるのが好ま
しい。
部Oの形成方法についてその一実施例を、図4および図
5を用いて説明する。なお、前記開口部を有する発泡成
形品10の実施例で説明したものと同じ名称の部材につ
いては、同一符号を用いて示すが、開口部の形成前後を
区別するため、開口部形成前の部材についてはAの文字
を添えて示す。
体発泡成形法等により基材11Aと発泡体21Aと表皮
31Aが一体化された発泡成形品10Aに対し、その開
口用除去予定部35を切除する方法である。
例では射出成形品からなり、基材の開口用除去予定部1
2Aの切断線16上に、前記部品44の係止爪44の位
置と対応させて、表皮31A側へ突出した凸部15が基
材11A裏面側(発泡成形品の裏面側)で開口する中空
形状に形成されている。この凸部15は、開口用除去予
定部12Aの切断線16を挟んで対向する壁部15a,
15bが開口用除去予定部12Aの内側へ傾斜した台形
断面形状からなり、前記切断線16に対して開口用除去
予定部12Aの外方となる壁部15aの基部が、前記部
品41の係止爪44に対する係止部14となっている。
なお、前記開口部形成前の発泡体21Aおよび表皮11
Aは、前記開口部Oを有する発泡成形品10の実施例で
説明した材質等からなる。符号22Aは発泡体の開口用
除去予定部、32Aは表皮の開口用除去予定部である。
る発泡成形品10Aに対し、従来と同様にウォータジェ
ット工法やプレス工法等の切断手段で部品装着用開口部
Oの形成を行う。これにより切除されるのは、図4に示
した発泡成形品10Aの開口用除去予定部35であり、
その開口用除去予定部35周囲の切断線36(基材の切
断線16を通る)に沿って切断され、開口部Oが形成さ
れる。
部12Aの切断線16上に存在する凸部15が分断さ
れ、該凸部15の開口用除去予定部12A外側の壁部1
5aが、図1に示したように、表皮31側へ屈曲した屈
曲片13として基材の開口部12周縁に残る。また、前
記切断時、凸部15の壁部15a(屈曲片13)基部の
係止部14が、前記基材10Aの切断線16よりも開口
用除去予定部12Aの外側へ窪んだ位置にあるため、係
止部14にプレス刃等が接触しないように切断すること
ができ、切断前の高い精度を維持することができる。
形により、前記基材11の開口部12および屈曲片13
を形成しておくことも考えられるが、その方法によれ
ば、いくつかの不具合を生じる。まず、このような大き
な開口部12を基材11成形時に形成することは、射出
成形時の諸条件により生じる誤差が大きくなり、所要の
開口寸法を得るための成形条件の管理が容易ではない。
しかも、部品41が係止される開口部12周縁の屈曲片
13基部の係止部14には精度が要求されるため、寸法
の誤差は大きな問題である。また、このような大きな開
口部12を有する基材11を用いて一体発泡成形しよう
とすると、前記大なる開口部12のシールを完全に行う
のが難しいため、発泡原料Pが漏出し易く、発泡原料P
の無駄が多くなるのみならず、漏出によって形成される
バリの除去作業が余分に必要となる。それに対し、本発
明の方法によれば、そのような不具合を生じることがな
い。
開口部を有する発泡成形品および開口部の形成方法によ
れば、部品の係止爪のための係止部が、寸法精度の低い
プレス等によって形成される基材の開口部の切断線から
開口部外方へ窪んだ位置となるため、前記開口部の切断
時にプレス刃等で係止部が削られず、係止部の寸法精度
が低下することがない。さらに、発泡成形品の劣化等に
起因する硬度低下等により開口部の周縁の厚みが減少す
る恐れを、基材の開口部周縁に設けた屈曲片により防ぐ
ことができるため、発泡成形品の開口部への部品の嵌め
込みおよび係止を、正確かつ長期に渡って確実に行うこ
とができ、また部品のガタツキも防止できるようにな
る。
について部品装着後を示す断面図である。
裏面を示す平面図である。
除いて基材の開口部付近を示す斜視図である。
発泡成形品の開口部除去予定部を示す断面図である。
除去予定部表面を示す一部切り欠き斜視図である。
図である。
である。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 基材に発泡体を介して表皮が積層された
発泡成形品の所要部にプレス等の切断手段で形成された
部品装着用開口部を有し、前記部品装着用開口部に嵌め
込まれる部品の側部に形成されている係止爪を前記部品
装着用開口部の基材の開口部周縁裏側に係止させて、前
記部品装着用開口部の周縁を部品の側部で挟持する構造
の発泡成形品において、 前記基材の開口部周縁には前記係止爪と対応する位置に
表皮側へ屈曲した屈曲片がその基部を係止爪との係止部
として形成され、該屈曲片の表皮側端部が前記基材の開
口部の切断線位置にあることを特徴とする開口部を有す
る発泡成形品。 - 【請求項2】 基材に発泡体を介して表皮が積層された
発泡成形品の開口用除去予定部をその周囲の切断により
除去して部品の嵌め込みに用いられる部品装着用開口部
を形成する方法において、 あらかじめ前記基材には該基材の開口用除去予定部の切
断線上に、前記部品の側部に形成されている係止爪の位
置と対応させて表皮側へ突出した凸部を基材裏面側で開
口する中空形状で形成しておき、前記発泡成形品の開口
用除去予定部の切断除去時に、前記基材の凸部を分割す
るように切断して、前記凸部の壁部により構成される屈
曲片を基材の開口部周縁に残し、該屈曲片の基部を前記
係止爪との係止部にすることを特徴とする発泡成形品の
開口部の形成方法。
Priority Applications (1)
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JP20226697A JP3767982B2 (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | 開口部を有する発泡成形品および開口部形成方法 |
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JPH1128730A true JPH1128730A (ja) | 1999-02-02 |
JP3767982B2 JP3767982B2 (ja) | 2006-04-19 |
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ID=16454701
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JP (1) | JP3767982B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005023971A (ja) * | 2003-06-30 | 2005-01-27 | Inoac Corp | 発泡成形部材の部品取付構造 |
JP2012154467A (ja) * | 2011-01-28 | 2012-08-16 | Daikyonishikawa Corp | 発泡樹脂成形品の部品取付構造及び部品取付方法 |
JP2014012348A (ja) * | 2012-07-04 | 2014-01-23 | Calsonic Kansei Corp | 発泡成形品およびその製造方法 |
-
1997
- 1997-07-10 JP JP20226697A patent/JP3767982B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2014012348A (ja) * | 2012-07-04 | 2014-01-23 | Calsonic Kansei Corp | 発泡成形品およびその製造方法 |
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