JPH11286783A - 有機・無機複合体被膜およびその製造方法 - Google Patents
有機・無機複合体被膜およびその製造方法Info
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- JPH11286783A JPH11286783A JP10105486A JP10548698A JPH11286783A JP H11286783 A JPH11286783 A JP H11286783A JP 10105486 A JP10105486 A JP 10105486A JP 10548698 A JP10548698 A JP 10548698A JP H11286783 A JPH11286783 A JP H11286783A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 膜硬度やスクラッチ性を向上させるために高
温での熱処理を行う必要が無く、耐熱性の低いプラスチ
ックなどの基材の表面にも形成することが可能で、硬化
触媒の添加量を調整したりしなくても十分な硬度を有
し、コーティング材の安定性も良好である被膜を提供す
る。 【解決手段】 金属アルコキシド、金属塩および金属有
機塩酸からなる群より選ばれた1種もしくは2種以上の
金属化合物を原料としてその加水分解により得られる金
属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸化物とブチラ
ール基、水酸基またはアセチル基の官能基を有する有機
ポリマーとから有機・無機複合体被膜を形成した。
温での熱処理を行う必要が無く、耐熱性の低いプラスチ
ックなどの基材の表面にも形成することが可能で、硬化
触媒の添加量を調整したりしなくても十分な硬度を有
し、コーティング材の安定性も良好である被膜を提供す
る。 【解決手段】 金属アルコキシド、金属塩および金属有
機塩酸からなる群より選ばれた1種もしくは2種以上の
金属化合物を原料としてその加水分解により得られる金
属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸化物とブチラ
ール基、水酸基またはアセチル基の官能基を有する有機
ポリマーとから有機・無機複合体被膜を形成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フィルム状、板
状あるいは粒子状のガラスやセラミックス、金属、プラ
ステック、木材などの基材の表面に被着形成される被
膜、特に有機・無機複合体からなる被膜、ならびに、そ
の有機・無機複合体被膜の製造方法に関する。
状あるいは粒子状のガラスやセラミックス、金属、プラ
ステック、木材などの基材の表面に被着形成される被
膜、特に有機・無機複合体からなる被膜、ならびに、そ
の有機・無機複合体被膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム状、板状あるいは粒子状のガラ
スやセラミックス、金属、木材などの基材の表面を保護
して耐摩耗性や耐スクラッチ性(耐擦傷性)を持たせた
り、基材に着色、反射防止などの機能を付与したりする
目的で、各種素材の加工品の表面に被膜を形成すること
が行われている。
スやセラミックス、金属、木材などの基材の表面を保護
して耐摩耗性や耐スクラッチ性(耐擦傷性)を持たせた
り、基材に着色、反射防止などの機能を付与したりする
目的で、各種素材の加工品の表面に被膜を形成すること
が行われている。
【0003】この種の被膜の形成材料としては、従来か
ら多くの種類や組成のものが提案され実用化されてい
る。それらの中には、テトラアルコキシシランなどの金
属アルコキシドを原料とした加水分解・縮合物と被膜硬
化用の触媒とを含むコーティング材(前駆体ゾル)があ
る。このコーティング材を基材の表面に塗布して室温で
ゲル膜を生成した後、そのゲル膜を熱処理することによ
り、縮合反応が進行して酸化物被膜が形成される。
ら多くの種類や組成のものが提案され実用化されてい
る。それらの中には、テトラアルコキシシランなどの金
属アルコキシドを原料とした加水分解・縮合物と被膜硬
化用の触媒とを含むコーティング材(前駆体ゾル)があ
る。このコーティング材を基材の表面に塗布して室温で
ゲル膜を生成した後、そのゲル膜を熱処理することによ
り、縮合反応が進行して酸化物被膜が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】テトラアルコキシシラ
ンなどの金属アルコキシドを原料として酸化物被膜を形
成する場合、膜硬度やスクラッチ性を向上させるために
は、200℃以上の温度での熱処理を行う必要があり、
また、硬化触媒の添加量を調整する必要である。したが
って、従来の方法では、被膜を形成しようとする基材が
耐熱性の低いプラスチックなどの場合には、被膜を形成
することが難しく、また、目的によっては十分な硬度の
被膜を得ることが難しい。また、コーティング材には、
シラノール等の水酸基が残存しているために、保存中に
縮合反応が進行するため、コーティング材の安定性が悪
い、といった問題点がある。
ンなどの金属アルコキシドを原料として酸化物被膜を形
成する場合、膜硬度やスクラッチ性を向上させるために
は、200℃以上の温度での熱処理を行う必要があり、
また、硬化触媒の添加量を調整する必要である。したが
って、従来の方法では、被膜を形成しようとする基材が
耐熱性の低いプラスチックなどの場合には、被膜を形成
することが難しく、また、目的によっては十分な硬度の
被膜を得ることが難しい。また、コーティング材には、
シラノール等の水酸基が残存しているために、保存中に
縮合反応が進行するため、コーティング材の安定性が悪
い、といった問題点がある。
【0005】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、膜硬度やスクラッチ性を向上させる
ために高温での熱処理を行う必要が無くて、耐熱性の低
いプラスチックなどの基材の表面にも形成することが可
能であり、硬化触媒の添加量を調整したりしなくても、
十分な硬度を有し、また、コーティング材の安定性も良
好であるような被膜を提供すること、ならびに、そのよ
うな被膜を得ることができるような被膜の製造方法を提
供することを目的とする。
されたものであり、膜硬度やスクラッチ性を向上させる
ために高温での熱処理を行う必要が無くて、耐熱性の低
いプラスチックなどの基材の表面にも形成することが可
能であり、硬化触媒の添加量を調整したりしなくても、
十分な硬度を有し、また、コーティング材の安定性も良
好であるような被膜を提供すること、ならびに、そのよ
うな被膜を得ることができるような被膜の製造方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
金属アルコキシド、金属塩および金属有機酸塩からなる
群より選ばれた1種もしくは2種以上の金属化合物を原
料としてその加水分解により得られる金属水酸化物、金
属酸化物ゲルまたは金属酸化物とブチラール基、水酸基
またはアセチル基の官能基を有する有機ポリマーとか
ら、有機・無機複合体被膜を形成したことを特徴とす
る。
金属アルコキシド、金属塩および金属有機酸塩からなる
群より選ばれた1種もしくは2種以上の金属化合物を原
料としてその加水分解により得られる金属水酸化物、金
属酸化物ゲルまたは金属酸化物とブチラール基、水酸基
またはアセチル基の官能基を有する有機ポリマーとか
ら、有機・無機複合体被膜を形成したことを特徴とす
る。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1記載の有
機・無機複合体被膜において、金属水酸化物、金属酸化
物ゲルまたは金属酸化物として、Li、B、Na、M
g、Al、Si、P、K、Ca、Ga、Ge、Pb、S
r、In、Sn、Sb、Cs、Ba、TiおよびBi、
遷移金属ならびに希土類元素からなる群より選ばれた1
種の元素の金属水酸化物、金属酸化物ゲルもしくは金属
酸化物または2種以上の元素が組み合わされた金属水酸
化物、金属酸化物ゲルもしくは金属酸化物の混合組成の
ものを用いたことを特徴とする。
機・無機複合体被膜において、金属水酸化物、金属酸化
物ゲルまたは金属酸化物として、Li、B、Na、M
g、Al、Si、P、K、Ca、Ga、Ge、Pb、S
r、In、Sn、Sb、Cs、Ba、TiおよびBi、
遷移金属ならびに希土類元素からなる群より選ばれた1
種の元素の金属水酸化物、金属酸化物ゲルもしくは金属
酸化物または2種以上の元素が組み合わされた金属水酸
化物、金属酸化物ゲルもしくは金属酸化物の混合組成の
ものを用いたことを特徴とする。
【0008】請求項3に係る発明は、金属アルコキシ
ド、金属塩または金属有機酸塩を加水分解して、重合度
が5以上である金属酸化物前駆体ゾルを調製し、その金
属酸化物前駆体ゾルに有機ポリマーを添加して塗布液を
調製した後、その塗布液をフィルム状、板状または粒子
状の基材に塗布して、基材の表面に有機・無機複合体被
膜を形成することを特徴とする。
ド、金属塩または金属有機酸塩を加水分解して、重合度
が5以上である金属酸化物前駆体ゾルを調製し、その金
属酸化物前駆体ゾルに有機ポリマーを添加して塗布液を
調製した後、その塗布液をフィルム状、板状または粒子
状の基材に塗布して、基材の表面に有機・無機複合体被
膜を形成することを特徴とする。
【0009】金属化合物を原料としてその加水分解によ
り得られる金属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸
化物からなる膜は、焼成されていないと、膜中に微細な
空隙が存在しており、このため、膜の緻密化が起こら
ず、膜硬度も上がらない。これに対し、請求項1に係る
発明の有機・無機複合体被膜は、請求項2に記載されて
いるような金属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸
化物からなる膜中の微細な空隙が、金属水酸化物または
金属酸化物のゾルと相溶性の良いブチラール基、水酸基
またはアセチル基の官能基を有する有機ポリマーによっ
て埋められ、このため、膜を焼成していなくても、被膜
が緻密化していて、膜硬度も高くなりスクラッチ性が向
上する。また、この有機・無機複合体被膜を形成するた
めのコーティング材には、シラノール等の水酸基が少な
く、このため、コーティング材の安定性が良好である。
り得られる金属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸
化物からなる膜は、焼成されていないと、膜中に微細な
空隙が存在しており、このため、膜の緻密化が起こら
ず、膜硬度も上がらない。これに対し、請求項1に係る
発明の有機・無機複合体被膜は、請求項2に記載されて
いるような金属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸
化物からなる膜中の微細な空隙が、金属水酸化物または
金属酸化物のゾルと相溶性の良いブチラール基、水酸基
またはアセチル基の官能基を有する有機ポリマーによっ
て埋められ、このため、膜を焼成していなくても、被膜
が緻密化していて、膜硬度も高くなりスクラッチ性が向
上する。また、この有機・無機複合体被膜を形成するた
めのコーティング材には、シラノール等の水酸基が少な
く、このため、コーティング材の安定性が良好である。
【0010】請求項3に係る発明の製造方法によると、
請求項1に係る発明の有機・無機複合体被膜を基材の表
面に形成することができる。
請求項1に係る発明の有機・無機複合体被膜を基材の表
面に形成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について説明する。
について説明する。
【0012】この発明に係る有機・無機複合体被膜は、
金属アルコキシド、金属塩および金属有機酸塩からなる
群より選ばれた1種もしくは2種以上の金属化合物を原
料としてその加水分解により得られる金属水酸化物、金
属酸化物ゲルまたは金属酸化物と、ブチラール基、水酸
基またはアセチル基の官能基を有する有機ポリマーとか
ら形成されている。出発原料となる金属アルコキシド、
金属塩または金属有機酸塩の種類は、特に限定されな
い。金属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸化物
は、例えば、Li、B、Na、Mg、Al、Si、P、
K、Ca、Ga、Ge、Pb、Sr、In、Sn、S
b、Cs、Ba、TiおよびBi、遷移金属ならびに希
土類元素からなる群より選ばれた1種の元素の金属水酸
化物、金属酸化物ゲルもしくは金属酸化物または2種以
上の元素が組み合わされた金属水酸化物、金属酸化物ゲ
ルもしくは金属酸化物の混合組成であり、そのような金
属水酸化物、金属酸化物ゲルもしくは金属酸化物が得ら
れる原料を選んで使用すればよい。また、有機ポリマー
の種類も、金属アルコキシド、金属塩または金属有機酸
塩の加水分解によって得られる金属酸化物の前駆体ゾル
と相溶性の良いものであればよく、特に限定されない。
金属アルコキシド、金属塩および金属有機酸塩からなる
群より選ばれた1種もしくは2種以上の金属化合物を原
料としてその加水分解により得られる金属水酸化物、金
属酸化物ゲルまたは金属酸化物と、ブチラール基、水酸
基またはアセチル基の官能基を有する有機ポリマーとか
ら形成されている。出発原料となる金属アルコキシド、
金属塩または金属有機酸塩の種類は、特に限定されな
い。金属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸化物
は、例えば、Li、B、Na、Mg、Al、Si、P、
K、Ca、Ga、Ge、Pb、Sr、In、Sn、S
b、Cs、Ba、TiおよびBi、遷移金属ならびに希
土類元素からなる群より選ばれた1種の元素の金属水酸
化物、金属酸化物ゲルもしくは金属酸化物または2種以
上の元素が組み合わされた金属水酸化物、金属酸化物ゲ
ルもしくは金属酸化物の混合組成であり、そのような金
属水酸化物、金属酸化物ゲルもしくは金属酸化物が得ら
れる原料を選んで使用すればよい。また、有機ポリマー
の種類も、金属アルコキシド、金属塩または金属有機酸
塩の加水分解によって得られる金属酸化物の前駆体ゾル
と相溶性の良いものであればよく、特に限定されない。
【0013】ここで、例えば金属アルコキシドを原料と
したコーティング液から作製された焼成前のゲル膜に
は、1nm〜100nm程度の微細な空隙が存在してお
り、このため、膜の緻密化が起こらず、膜硬度も上がら
ないと考えられる。この有機・無機複合体被膜は、金属
水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸化物からなる膜
中の微細な空隙が有機ポリマーによって埋められ、この
ため、膜を特に焼成しなくても、膜が緻密化していて、
膜硬度も高くなりスクラッチ性が向上する。また、金属
酸化物ゾルと有機ポリマーを含む溶液とを混合して調製
される被膜形成用のコーティング材(塗布液)には、シ
ラノール等の水酸基が少なく、このため、コーティング
材の安定性も良好である。
したコーティング液から作製された焼成前のゲル膜に
は、1nm〜100nm程度の微細な空隙が存在してお
り、このため、膜の緻密化が起こらず、膜硬度も上がら
ないと考えられる。この有機・無機複合体被膜は、金属
水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸化物からなる膜
中の微細な空隙が有機ポリマーによって埋められ、この
ため、膜を特に焼成しなくても、膜が緻密化していて、
膜硬度も高くなりスクラッチ性が向上する。また、金属
酸化物ゾルと有機ポリマーを含む溶液とを混合して調製
される被膜形成用のコーティング材(塗布液)には、シ
ラノール等の水酸基が少なく、このため、コーティング
材の安定性も良好である。
【0014】この発明に係る有機・無機複合体被膜の好
適な製造方法を説明すると、まず、金属アルコキシド、
金属塩または金属有機酸塩を加水分解して、重合度が5
以上である金属酸化物前駆体ゾルを調製する。次に、金
属酸化物前駆体ゾルに有機ポリマーを添加してコーティ
ング材を調製し、その後に、コーティング材をフィルム
状、板状または粒子状の基材に塗布して、基材の表面に
有機・無機複合体被膜を形成する。このような製造方法
によると、室温で形成される有機・無機複合体被膜の硬
度を向上させることができ、また、コーティング材の安
定性および成膜性を向上させることができる。なお、基
材の表面に被膜を形成した後に、比較的低温、例えば1
00℃程度の温度で被膜を熱処理するようにしてもよ
く、このようにすると、より膜高度が高くなリスクラッ
チ性が向上する。
適な製造方法を説明すると、まず、金属アルコキシド、
金属塩または金属有機酸塩を加水分解して、重合度が5
以上である金属酸化物前駆体ゾルを調製する。次に、金
属酸化物前駆体ゾルに有機ポリマーを添加してコーティ
ング材を調製し、その後に、コーティング材をフィルム
状、板状または粒子状の基材に塗布して、基材の表面に
有機・無機複合体被膜を形成する。このような製造方法
によると、室温で形成される有機・無機複合体被膜の硬
度を向上させることができ、また、コーティング材の安
定性および成膜性を向上させることができる。なお、基
材の表面に被膜を形成した後に、比較的低温、例えば1
00℃程度の温度で被膜を熱処理するようにしてもよ
く、このようにすると、より膜高度が高くなリスクラッ
チ性が向上する。
【0015】
【実施例】この発明を実施例によりより具体的に説明す
る。なお、それぞれの実施例で得られた被膜は、いずれ
も透明な被膜である。
る。なお、それぞれの実施例で得られた被膜は、いずれ
も透明な被膜である。
【0016】〔実施例1〕テトラエトキシシラン(TE
OS)21gと0.1N塩酸水溶液7gおよびエタノー
ル92gとを混合し、混合溶液を室温で5時間攪拌し
て、SiO2のゾルを調製した。また、ブチラール樹脂
(BX−1:積水化学工業の商品名)5gをメチルエチ
ルケトン95gに溶解させて、ブチラール溶液を調製し
た。SiO2ゾル50gとブチラール溶液2gとを混合
して、塗布液を調製した。得られた塗布液をバーコート
によりアルカリガラスの表面に塗布して、ガラス表面に
成膜した。それを室温で24時間放置した後、爪スクラ
ッチ試験を行った。この結果、被膜面に傷が付いた。こ
のときの膜硬度は、鉛筆硬度で1H〜2Hであった。
OS)21gと0.1N塩酸水溶液7gおよびエタノー
ル92gとを混合し、混合溶液を室温で5時間攪拌し
て、SiO2のゾルを調製した。また、ブチラール樹脂
(BX−1:積水化学工業の商品名)5gをメチルエチ
ルケトン95gに溶解させて、ブチラール溶液を調製し
た。SiO2ゾル50gとブチラール溶液2gとを混合
して、塗布液を調製した。得られた塗布液をバーコート
によりアルカリガラスの表面に塗布して、ガラス表面に
成膜した。それを室温で24時間放置した後、爪スクラ
ッチ試験を行った。この結果、被膜面に傷が付いた。こ
のときの膜硬度は、鉛筆硬度で1H〜2Hであった。
【0017】〔実施例2〕TEOS21gと無水酢酸1
0gおよび0.1N塩酸水溶液0.5gとをエタノール
30g中に投入し、混合溶液を室温で5時間攪拌して、
溶液1を調製した。また、TEOS21gをエタノール
40gに溶解させて、溶液2を調製した。溶液1を50
gと溶液2を50g混合し、混合溶液を室温で24時間
攪拌して、TEOS重合体溶液を調製した。このTEO
S重合体溶液50gと上記実施例1で調製されたブチラ
ール溶液2gとを混合して、塗布液を調製した。この塗
布液は、室温で1カ月間保存しても沈殿や白濁などの変
化が認められなかった。得られた塗布液をバーコートに
よりアルカリガラスの表面に塗布して、ガラス表面に成
膜した。それを室温で24時間放置した後、爪スクラッ
チ試験を行った。この結果、被膜面には傷が付かなかっ
た。また、スチールウールにより加重500gで擦る
と、被膜の表面に傷が認められた。このときの膜硬度
は、鉛筆硬度で3H〜4Hであった。
0gおよび0.1N塩酸水溶液0.5gとをエタノール
30g中に投入し、混合溶液を室温で5時間攪拌して、
溶液1を調製した。また、TEOS21gをエタノール
40gに溶解させて、溶液2を調製した。溶液1を50
gと溶液2を50g混合し、混合溶液を室温で24時間
攪拌して、TEOS重合体溶液を調製した。このTEO
S重合体溶液50gと上記実施例1で調製されたブチラ
ール溶液2gとを混合して、塗布液を調製した。この塗
布液は、室温で1カ月間保存しても沈殿や白濁などの変
化が認められなかった。得られた塗布液をバーコートに
よりアルカリガラスの表面に塗布して、ガラス表面に成
膜した。それを室温で24時間放置した後、爪スクラッ
チ試験を行った。この結果、被膜面には傷が付かなかっ
た。また、スチールウールにより加重500gで擦る
と、被膜の表面に傷が認められた。このときの膜硬度
は、鉛筆硬度で3H〜4Hであった。
【0018】〔実施例3〕上記した実施例2で得られた
塗布液をバーコートによりアルカリガラスの表面に塗布
して、ガラス表面に成膜した後、それを100℃の温度
で5時間熱処理し、その後に爪スクラッチ試験を行っ
た。この結果、被膜面には傷が付かなかった。また、ス
チールウールにより加重500gで10回擦っても、被
膜の表面に傷は認められなかった。このときの膜硬度
は、鉛筆硬度で6Hであった。
塗布液をバーコートによりアルカリガラスの表面に塗布
して、ガラス表面に成膜した後、それを100℃の温度
で5時間熱処理し、その後に爪スクラッチ試験を行っ
た。この結果、被膜面には傷が付かなかった。また、ス
チールウールにより加重500gで10回擦っても、被
膜の表面に傷は認められなかった。このときの膜硬度
は、鉛筆硬度で6Hであった。
【0019】〔実施例4〕上記した実施例2で得られた
塗布液をバーコートによりPET(ポリエチレンテレフ
タレート)フィルムの表面に塗布して、フィルム表面に
成膜した。それを室温で24時間放置した後、爪スクラ
ッチ試験を行った。この結果、被膜面には傷が付かなか
った。また、スチールウールにより加重500gで擦る
と、被膜の表面に傷が認められた。
塗布液をバーコートによりPET(ポリエチレンテレフ
タレート)フィルムの表面に塗布して、フィルム表面に
成膜した。それを室温で24時間放置した後、爪スクラ
ッチ試験を行った。この結果、被膜面には傷が付かなか
った。また、スチールウールにより加重500gで擦る
と、被膜の表面に傷が認められた。
【0020】〔実施例5〕上記した実施例2で得られた
塗布液をバーコートによりPETフィルムの表面に塗布
して、フィルム表面に成膜した後、それを100℃の温
度で5時間熱処理し、その後に爪スクラッチ試験を行っ
た。この結果、被膜面には傷が付かなかった。また、ス
チールウールにより加重500gで10回擦っても、被
膜の表面に傷は認められなかった。
塗布液をバーコートによりPETフィルムの表面に塗布
して、フィルム表面に成膜した後、それを100℃の温
度で5時間熱処理し、その後に爪スクラッチ試験を行っ
た。この結果、被膜面には傷が付かなかった。また、ス
チールウールにより加重500gで10回擦っても、被
膜の表面に傷は認められなかった。
【0021】〔実施例6〕アルコキシドシラン重合物
(アトロンNsi−500:日本曹達の商品名)50g
に上記実施例1で調製されたブチラール溶液2gを混合
して、塗布液を調製した。コーティング液3を作製し
た。この塗布液は、室温で1カ月間保存しても沈殿や白
濁などの変化が認められなかった。得られた塗布液をバ
ーコートによりアルカリガラスの表面に塗布して、ガラ
ス表面に成膜した。それを室温で24時間放置した後、
爪スクラッチ試験を行った。この結果、被膜面には傷が
付かなかった。また、スチールウールにより加重500
gで擦ると、被膜の表面に傷が認められた。このときの
膜硬度は、鉛筆硬度で3H〜4Hであった。
(アトロンNsi−500:日本曹達の商品名)50g
に上記実施例1で調製されたブチラール溶液2gを混合
して、塗布液を調製した。コーティング液3を作製し
た。この塗布液は、室温で1カ月間保存しても沈殿や白
濁などの変化が認められなかった。得られた塗布液をバ
ーコートによりアルカリガラスの表面に塗布して、ガラ
ス表面に成膜した。それを室温で24時間放置した後、
爪スクラッチ試験を行った。この結果、被膜面には傷が
付かなかった。また、スチールウールにより加重500
gで擦ると、被膜の表面に傷が認められた。このときの
膜硬度は、鉛筆硬度で3H〜4Hであった。
【0022】〔実施例7〕上記した実施例6で得られた
塗布液をバーコートによりアルカリガラスの表面に塗布
して、ガラス表面に成膜した後、それを100℃の温度
で5時間熱処理し、その後に爪スクラッチ試験を行っ
た。この結果、被膜面には傷が付かなかった。また、ス
チールウールにより加重500gで10回擦っても、被
膜の表面に傷は認められなかった。このときの膜硬度
は、鉛筆硬度で6H〜7Hであった。
塗布液をバーコートによりアルカリガラスの表面に塗布
して、ガラス表面に成膜した後、それを100℃の温度
で5時間熱処理し、その後に爪スクラッチ試験を行っ
た。この結果、被膜面には傷が付かなかった。また、ス
チールウールにより加重500gで10回擦っても、被
膜の表面に傷は認められなかった。このときの膜硬度
は、鉛筆硬度で6H〜7Hであった。
【0023】〔実施例8〕上記した実施例6で得られた
塗布液をバーコートによりPETフィルムの表面に塗布
して、フィルム表面に成膜した後、それを100℃の温
度で5時間熱処理し、その後に爪スクラッチ試験を行っ
た。この結果、被膜面には傷が付かなかった。また、ス
チールウールにより加重500gで10回擦っても、被
膜の表面に傷は認められなかった。
塗布液をバーコートによりPETフィルムの表面に塗布
して、フィルム表面に成膜した後、それを100℃の温
度で5時間熱処理し、その後に爪スクラッチ試験を行っ
た。この結果、被膜面には傷が付かなかった。また、ス
チールウールにより加重500gで10回擦っても、被
膜の表面に傷は認められなかった。
【0024】
【発明の効果】請求項1に係る発明の有機・無機複合体
被膜は、それを製造する場合に、膜硬度やスクラッチ性
を向上させるために高温での熱処理を行う必要が無く、
このため、耐熱性の低いプラスチックなどの基材の表面
にも形成することが可能であり、また、硬化触媒の添加
量を調整したりしなくても、十分な硬度を有し、このた
め、作製プロセスが容易になる。また、この有機・無機
複合体被膜を形成するためのコーティング材は、安定性
を有していて長期間の保存が可能である。
被膜は、それを製造する場合に、膜硬度やスクラッチ性
を向上させるために高温での熱処理を行う必要が無く、
このため、耐熱性の低いプラスチックなどの基材の表面
にも形成することが可能であり、また、硬化触媒の添加
量を調整したりしなくても、十分な硬度を有し、このた
め、作製プロセスが容易になる。また、この有機・無機
複合体被膜を形成するためのコーティング材は、安定性
を有していて長期間の保存が可能である。
【0025】請求項2に係る発明の有機・無機複合体被
膜によると、請求項1に係る発明の上記効果が確実に得
られる。
膜によると、請求項1に係る発明の上記効果が確実に得
られる。
【0026】請求項3に係る発明の製造方法によると、
請求項1に係る発明の有機・無機複合体被膜が好適に得
られる。
請求項1に係る発明の有機・無機複合体被膜が好適に得
られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 金属アルコキシド、金属塩および金属有
機酸塩からなる群より選ばれた1種もしくは2種以上の
金属化合物を原料としてその加水分解により得られる金
属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金属酸化物とブチラ
ール基、水酸基またはアセチル基の官能基を有する有機
ポリマーとから形成された有機・無機複合体被膜。 - 【請求項2】 金属水酸化物、金属酸化物ゲルまたは金
属酸化物が、Li、B、Na、Mg、Al、Si、P、
K、Ca、Ga、Ge、Pb、Sr、In、Sn、S
b、Cs、Ba、TiおよびBi、遷移金属ならびに希
土類元素からなる群より選ばれた1種の元素の金属水酸
化物、金属酸化物ゲルもしくは金属酸化物または2種以
上の元素が組み合わされた金属水酸化物、金属酸化物ゲ
ルもしくは金属酸化物の混合組成である請求項1記載の
有機・無機複合体被膜。 - 【請求項3】 金属アルコキシド、金属塩または金属有
機酸塩を加水分解して、重合度が5以上である金属酸化
物前駆体ゾルを調製し、その金属酸化物前駆体ゾルに有
機ポリマーを添加して塗布液を調製した後、その塗布液
をフィルム状、板状または粒子状の基材に塗布して、基
材の表面に有機・無機複合体被膜を形成することを特徴
とする有機・無機複合体被膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10105486A JPH11286783A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 有機・無機複合体被膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10105486A JPH11286783A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 有機・無機複合体被膜およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11286783A true JPH11286783A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=14408931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10105486A Pending JPH11286783A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 有機・無機複合体被膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11286783A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002212745A (ja) * | 2001-01-12 | 2002-07-31 | Nippon Shokubai Co Ltd | 導電性基材の製法 |
JP2003255522A (ja) * | 2002-02-27 | 2003-09-10 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | ポジ型金属酸化物パターン薄膜の形成方法 |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP10105486A patent/JPH11286783A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002212745A (ja) * | 2001-01-12 | 2002-07-31 | Nippon Shokubai Co Ltd | 導電性基材の製法 |
JP4486264B2 (ja) * | 2001-01-12 | 2010-06-23 | 株式会社日本触媒 | 導電性基材の製法 |
JP2003255522A (ja) * | 2002-02-27 | 2003-09-10 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | ポジ型金属酸化物パターン薄膜の形成方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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