JPH11286091A - 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents
金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムInfo
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- JPH11286091A JPH11286091A JP10088697A JP8869798A JPH11286091A JP H11286091 A JPH11286091 A JP H11286091A JP 10088697 A JP10088697 A JP 10088697A JP 8869798 A JP8869798 A JP 8869798A JP H11286091 A JPH11286091 A JP H11286091A
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Abstract
性、耐熱性、耐レトルト性、耐衝撃性に優れ、しかも保
味保香性が改善された金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルフィルムを提供する。 【解決手段】 Ge触媒を用いた共重合PETからなる
層(A)と、Sb触媒を用いた共重合ポリエステルから
なる層(B)とを積層してなるフィルムであって、層
(A)を構成するポリマーのガラス転移温度(TgA)
とフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(Te)が
下記式(1)および(2)を満足し、かつ層(A)に含
有されるアルカリ金属元素の総量が5ppm以下である
ことを特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリエステル
フィルム。 TgA≧78 … (1) Te−TgA≦30 … (2) (ここで、TgAはDSC測定における共重合ポリエス
テル層(A)を構成するポリエステルのガラス転移温度
(℃)、Teはフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温
度(℃)である。)
Description
工用ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは金属板
と貼合せて絞り加工などの製缶加工をする際優れた成形
加工性を示し、かつ耐熱性、耐レトルト性、保味保香
性、耐衝撃性などに優れた金属缶、例えば飲料缶、食品
缶などを製造し得る金属板貼合せ成形加工用ポリエステ
ルフィルムに関する。
に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止などの目的で、有機溶剤を使用せずに防錆
性を得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑
性フィルムによる被覆が試みられている。
ル、アルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムを
ラミネートした後、絞り加工等により製缶する方法の検
討が進められている。
加工性、耐熱性、耐衝撃性、保味保香性などの点で、共
重合ポリエステルフィルムが適していることが次第に明
らかになりつつある。しかしながら、このポリエステル
フィルムは緑茶類など極めて微妙な味わいが重要な飲
料、さらには無味無臭が要求されるミネラルウォーター
を内容物とした場合、必ずしも十分な保味保香性を示さ
ず、臭気や味に対する変化が感知される。
報では、特定量のアルカリ金属元素とゲルマニウム元素
を含有する共重合ポリエステルからなる、フレーバー性
を向上せしめた金属板成形加工用ポリエステルフィルム
が提案されている。しかし、このフィルムを用いた場
合、コールドパックシステムのような内容物をつめた段
階で熱のかからない工程では優れた保味保香性を示す
が、レトルト処理のような内容物をつめた段階で熱処理
が行われる工程においては、必ずしも十分な保味保香性
が得られない。
で、フィルムを構成する全ての共重合ポリエステルをゲ
ルマニウム化合物を用いて製造すると、フィルム製造コ
ストが増大する問題がある。
かる従来技術の問題点を解消し、安価でありながら、共
重合ポリエステルフィルムが持っている優れた成形加工
性、耐熱性、耐レトルト性、耐衝撃性を保持し、かつ、
保味保香性、特にレトルト処理後の保味保香性を改善し
た金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムを提供
することを課題とするものである。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、フィルムを2層構
造とし、飲料缶と接触する側の層には、エチレンテレフ
タレートを主たる繰り返し単位とし、ゲルマニウム触媒
を用いて製造した、ある特定の融点およびガラス転移温
度を有する共重合ポリエステルを用い、金属と接する側
の層には、アンチモン触媒を用いて製造された、特定の
融点を有する共重合ポリエステルを用いて、かつ、フィ
ルムの損失弾性率の最高温ピーク温度を特定の範囲とす
ることにより、保味保香性、特にレトルト処理後の保味
保香性が顕著に改善され、しかも、低コストが実現する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
ートを主たる繰り返し単位とし、融点が210〜245
℃であり、重縮合触媒としてゲルマニウム化合物を用い
て製造された共重合ポリエステルからなる共重合ポリエ
ステル層(A)と、融点が180〜243℃であり、重
縮合触媒としてアンチモン化合物を用いて製造された共
重合ポリエステルからなる共重合ポリエステル層(B)
とを積層してなるポリエステルフィルムであって、該共
重合ポリエステル層(A)を構成する共重合ポリエステ
ルのガラス転移温度(TgA)とポリエステルフィルム
の損失弾性率最高温ピーク温度(Te)が下記式(1)
および下記式(2)を満足し、かつ該共重合ポリエステ
ル層(A)に含有されるアルカリ金属元素の総量が5p
pm以下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工
用ポリエステルフィルムである。
テル層(A)を構成するポリエステルのガラス転移温度
(℃)、Teはフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温
度(℃)である。)
重合成分は、2,6−ナフタレンジカルボン酸であるこ
とが好ましく、該共重合ポリエステル層(B)を構成す
る共重合ポリエステルは、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸共重合ポリエチレンテレフタレートであることが好
ましい。また、該ポリエステルフィルムをイオン交換水
で121℃、2時間抽出処理したときの抽出量が0.5
mg/inch2以下であることが好ましい。
(A)に用いられる共重合ポリエステルとしては、種々
の共重合ポリエステルのなかでも、保味保香性、特にレ
トルト処理後の保味保香性を改善することができること
から、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位と
し、融点が210〜245℃、好ましくは215〜24
0℃である共重合ポリエステルを使用する。
ては、ジカルボン酸成分でもジオール成分でもよい。
酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の如
き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカル
ボン酸等が例示でき、またジオール成分としては1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチ
レングリコール等の如き脂肪族ジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフ
ェノールAの如き芳香族ジオールが例示できる。これら
は単独または二種以上を使用することができる。
が、結果としてポリマー融点が210〜245℃、好ま
しくは215〜240℃の範囲になる割合である。融点
が210℃未満では耐熱性が劣ることになる。一方、融
点が245℃を超えると、ポリマーの結晶性が大きすぎ
て成形加工性が損なわれる。
は、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求
める方法による。なおサンプル量は20mgとする。
(A)に用いる共重合ポリエステルの固有粘度(オルト
クロロフェノール、35℃)は0.52〜1.50であ
ることが好ましく、さらに好ましくは0.57〜1.0
0、特に好ましくは0.60〜0.80である。この固
有粘度が0.52未満の場合には耐衝撃性が不足するこ
とがあり好ましくない。他方、固有粘度が1.50を超
える場合には、成形加工性が損なわれることがある。
ル層(B)に用いられる共重合ポリエステルとしては、
エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポ
リエステルが代表例として挙げられる。この共重合成分
は、ジカルボン酸成分でもジオール成分でもよい。該ジ
カルボン酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示で
き、またジオール成分としては1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール
等の如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如
き芳香族ジオールが例示できる。これらは単独または二
種以上を使用することができる。これらのなかでも、保
味保香性を向上させるためには、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸が好ましく用いられる。
0〜243℃、好ましくは200〜235℃の範囲にな
る割合である。ポリマーの融点が210℃未満では積層
フィルムの耐熱性が劣ることがあり好ましくなく、一
方、ポリマーの融点が243℃を超えると、ポリマーの
結晶性が大きすぎて成形加工性が損なわれる。
いる共重合ポリエステルの融点測定も、共重合ポリエス
テル層(A)に用いる共重合ポリエステルの融点測定と
同じ方法により行う。
(オルトクロロフェノール、35℃)は0.52〜1.
00であることが好ましく、さらに好ましくは0.54
〜0.80、特に好ましくは0.56〜0.70であ
る。
(A)に用いられる共重合ポリエステルおよび共重合ポ
リエステル層(B)に用いられる共重合ポリエステル
は、その製法によって限定されることはない。例えば、
テレフタル酸、エチレングリコールおよび共重合成分を
エステル化反応させ、ついで得られた反応生成物を目的
とする重合度になるまで重縮合反応させて共重合ポリエ
ステルとする方法、あるいはテレフタル酸ジメチルエス
テル、エチレングリコールおよび共重合成分をエステル
交換反応させ、ついで得られた反応生成物を目的とする
重合度になるまで重縮合反応させて共重合ポリエステル
とする方法を好ましく挙げることができる。また、上記
の方法(溶融重合)により得られた共重合ポリエステル
は、必要に応じて固相状態での重合方法(固相重合)に
より、さらに重合度の高いポリマーとすることができ
る。
じて、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑剤、色
相改良剤、滑剤、核剤、紫外線吸収剤などの添加剤を加
えることができる。
(A)を構成する共重合ポリエステルの重縮合反応に使
用する触媒は、ゲルマニウム化合物を用いる必要があ
る。飲料に直接接触する共重合ポリエステル(A)にゲ
ルマニウム化合物を用いないと、保香性が著しく劣るこ
ととなる。
化合物としては、(イ)無定形酸化ゲルマニウム、
(ロ)微細な結晶性酸化ゲルマニウム、(ハ)酸化ゲル
マニウムをアルカリ金属またはアルカリ土類金属もしく
はそれらの化合物の存在下にグリコールに溶解した溶
液、(ニ)酸化ゲルマニウムを水に溶解した溶液などが
好ましく挙げられる。かかるゲルマニウム化合物の配合
量は、ゲルマニウム元素あたり10〜200ppmが好
ましく、30〜150ppmがさらに好ましい。
ル層(A)を構成する共重合ポリエステルでは、含有す
るアルカリ金属元素の総量を5ppm以下にする必要が
ある。ここでアルカリ金属元素の総量とは、原子吸光分
析により定量されるLi、Na、Kの元素のppm濃度
の和を表わす。共重合ポリエステル層(A)中のアルカ
リ金属元素の総量が5ppmを越えると、アルカリ金属
が飲料に溶出した際の味の変質が人間の味覚いき値を超
えるため、飲料の味の変化が検知されるようになるた
め、好ましくない。
するポリエステルの重縮合反応には安価であり、かつ保
香性を著しく損ねることのないアンチモン化合物を使用
する。アンチモン化合物としては、酸化アンチモン、酢
酸アンチモンなどが好ましく挙げられる。かかるアンチ
モン化合物の配合量は、アンチモン元素あたり120〜
600ppmが好ましく、180〜450ppmがさら
に好ましい。
ポリエステル層(A)と共重合ポリエステル層(B)と
を積層した構造を有するものであり、かかる積層構造の
フィルムは、例えば、それぞれの層を構成する共重合ポ
リエステルを別々に溶融して共押し出しし、固化前に積
層融着させた後、二軸延伸、熱固定する方法、それぞれ
の層を構成する共重合ポリエステルを別々に溶融、押し
出してフィルム化し、未延伸状態または延伸後、両者を
積層させる方法等により製造することができる。
重合ポリエステルの重縮合触媒としてゲルマニウム化合
物を用いた場合は、高価となり不経済で、逆に共重合ポ
リエステル層(A)を構成する共重合ポリエステルの重
合触媒としてアンチモン触媒を用いた場合は、保味保香
性が悪化し缶内容物の味が悪くなるので適当でない。
いては、フィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(T
e)と、共重合ポリエステル層(A)を構成する共重合
ポリエステルのガラス転移温度(TgA)は下記式
(1)および下記式(2)を満足する必要がある。
テル層(A)を構成するポリエステルのガラス転移温度
(℃)、Teはフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温
度(℃)である。)
るようになりレトルト後の保味保香性が悪化する。この
ため、共重合ポリエステル層(A)を構成する共重合ポ
リエステルの共重合成分としては、少なくとも1成分
に、共重合成分の割合を増加させたときにガラス転移温
度が変化しないか、もしくは上昇するような成分を用い
ることが好ましい。共重合成分の割合を増加させたとき
にガラス転移温度を上昇させるような成分としては、ジ
カルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸
が、ジオール成分としては1,4−シクロヘキサンジメ
タノールが好ましく例示できる。
u Pont Instruments 910 DS
Cを用い、昇温速度20℃/分でガラス転移点を求める
方法による。なお、サンプル量は20mgとする。
と、フィルムの分子配向性や結晶性が高くなりすぎるた
めに成形加工性が著しく低下する。Teの値は共重合ポ
リエステル層(A)および共重合ポリエステル層(B)
を構成するそれぞれの共重合ポリエステルの共重合成分
および共重合量にもよるが、製膜条件により、特に二軸
延伸の倍率、延伸温度、熱固定温度で調整する方法が好
ましく挙げられる。
て測定周波数10Hz、動的変位±25×10-4cmに
て求められる。
(A)の厚さ方向の屈折率は、1.500〜1.540
であることが好ましく、1.505〜1.530である
ことがさらに好ましい。この屈折率が低すぎると成形加
工性が不十分となり、一方高すぎると、非晶に近い構造
となるため、耐熱性が低下することがある。
くは厚みが6〜75μmである。更に10〜75μm、
特に15〜50μmであることが好ましい。厚みが6μ
m未満では加工時に破れなどが生じ易くなり、一方75
μmを超えるものは過剰品質であって不経済である。
共重合ポリエステル層(B)の厚みTBとの比(TA/T
B)は、0.02〜0.67が好ましく、更に好ましく
は0.04〜0.47、特に好ましくは0.04〜0.
39である。具体的には、例えば厚みが25μmのポリ
エステルフィルムの場合、共重合ポリエステル層(A)
の厚みを0.5μm〜10μm、好ましくは1〜8μ
m、更に好ましくは1〜7μmとするのが好ましい。
品缶または飲料缶に用いられるものであるから、該フィ
ルムより溶出あるいは飛散する物質が少ないほど良い
が、それらの物質を全くなくすことは実質的に不可能で
ある。そこで、食品缶または飲料缶用途に使用するため
には、例えばイオン交換水で121℃、2時間抽出した
ときのフィルム1平方インチ当りの抽出量が0.5mg
以下であることが好ましく、0.1mg以下であること
が更に好ましい。
ガラス転移温度を高くすればよい。フィルムのガラス転
移温度は該フィルムを構成するポリマーのガラス転移温
度と配向度によって決まるが、配向度を上げると成形加
工性が悪化するので、ポリマー(共重合PET)のガラ
ス転移温度を高くするのが好ましい。
れる金属板、特に製缶用金属板としては、ブリキ、ティ
ンフリースチール、アルミニウム等の板が適切である。
金属板へのポリエステルフィルムの貼合せは、例えば下
記、の方法で行うことができる。 金属板をフィ
ルムの融点以上に加熱しておいてフィルムを貼合せた後
冷却し、金属板に接するフィルムの表層部(薄層部)を
非晶化して密着させる。 フィルムに予め接着剤層を
プライマーコートしておき、この面と金属板を貼合せ
る。接着剤層としては公知の樹脂接着剤、例えばエポキ
シ系接着剤、エポキシ−エステル系接着剤、アルキッド
系接着剤等を用いることができる。
属板へ貼り合せる際には、共重合ポリエステル層(B)
の側を金属板に貼り合せるようにする。さらに、本発明
のポリエステルフィルムにおいては、必要に応じて、共
重合ポリエステル層(A)と共重合ポリエステル層
(B)との間または片側に、他の追加の層を積層させて
もよい。
なお、実施例中の特性は下記の方法で測定した。 (1)ポリエステルの固有粘度 オルトクロロフェノール中、35℃で測定する。
SCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める
方法による。なおサンプル量は20mgとする。
g) Du Pont Instruments 910 D
SCを用い、昇温速度20℃/分でガラス転移点を求め
る方法による。なおサンプル量は20mgとする。
ク温度(Te) 動的粘弾性測定装置を用いて測定周波数10Hz、動的
変位±25×10-4cmにて損失弾性率を求め、このと
きの最高温ピーク温度をもって示す。
の総量 フィルムサンプルをオルトクロロフェノールに溶解し、
0.5規定塩酸で抽出操作を行った。この抽出液につい
て原子吸光分析によりNa、K、Liの定量を各元素ご
とに行い、それらの和から求めた。
け、マウント液にヨウ化メチレンを用い、測定温度25
℃にて単色光NaD線で測定した。
テルの融点以上に加熱した板圧0.25mmのティンフ
リースチールの両面に、共重合ポリエステル層(B)が
ティンフリースチール側となるようフィルムを貼合せ、
水冷した後150mm径の円板状に切り取り、絞りダイ
スとポンチを用いて4段階で深絞り加工し、55mm径
の側面無継目容器(以下、缶と略す)を作成した。この
缶について以下の観察および試験を行い、各々下記の基
準で評価した。
破断が認められない。 △:缶上部のフィルムに白化が認められる。 ×:フィルムの一部に破断が認められる。 深絞り加工性−2 ○:異常なく加工され、缶内フィルム面の防錆性試験
(1%NaCl水溶液を缶内に入れ、電極を挿入し、缶
体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を測定す
る。以下、ERV試験と略す)において0.2mA以下
を示す。 ×:フィルムに異常はないが、ERV試験では電流値が
0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフ
ィルムの粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認
められる。
却した後、各テストにつき10個ずつを高さ30cmか
ら塩ビタイル床面に落とした後、缶内のERV試験を行
った結果、 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
た後、前述の耐衝撃性評価を行った結果、 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは200℃×5分間加熱後既にフィルムのひび割れが
認められた。
器で120℃、1時間レトルト処理を行い、しかる後、
50℃で30日間保存した。得られた缶を各テストにつ
き10個ずつ高さ50cmから塩ビタイル床面に落とし
た後、缶内のERV試験を行った。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
し、常温下(20℃)30日間保管する。その浸漬液を
用いて30人のパネラーにて試飲テストを行い、比較用
のイオン交換水と比較し、下記基準で評価した。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化
を感じた。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。
し、蒸気滅菌器で120℃、1時間レトルト処理を行
い、しかる後、常温下(20℃)30日間保管する。そ
の浸漬液を用いて30人のパネラーにて試飲テストを行
い、比較用のイオン交換水と比較し、下記基準で評価し
た。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化
を感じた。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。
に示す成分を共重合成分とし、二酸化ゲルマニウムを重
縮合触媒として製造した共重合ポリエチレンテレフタレ
ート(固有粘度0.64)が共重合ポリエステル層
(A)、同じく表1に示す成分を共重合成分とし、三酸
化アンチモンを重縮合触媒として製造した共重合ポリエ
チレンテレフタレート(固有粘度0.64)がポリエス
テル層(B)となるように、それぞれ別々に、常法によ
り乾燥し、280℃で溶融した後、互いに隣接したダイ
から共押出して、積層、融着させ、急冷固化して未延伸
積層フィルムを得た。なお、共重合ポリエステル層
(A)を構成する共重合ポリエチレンテレフタレートに
含有されるアルカリ金属元素の総量は、いずれも2pp
m以下であった。次いで、この未延伸フィルムを表1に
示す温度および倍率で縦延伸した後、表1に示す温度お
よび倍率で横延伸し、更に170℃で熱固定して二軸延
伸フィルムを得た。
合ポリエステル層(A)の重縮合触媒として、共重合ポ
リエステル層(B)の重縮合触媒と同じ三酸化アンチモ
ンを使用し、その他の条件は実施例2と同様にして、二
軸延伸積層ポリエステルフィルムを作成した。
り、共重合ポリエステル層(A)および共重合ポリエス
テル層(B)の厚みは、それぞれ5μmおよび20μm
であった。また、共重合ポリエステル層(A)を構成す
る共重合ポリエステルのガラス転移温度(TgA)とポ
リエステルフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度
(Te)、および共重合ポリエステル層(A)の厚さ方
向の屈折率、並びにフィルムのイオン交換水による抽出
量は表2に示す通りであった。
ル層(A)の融点+5℃に加熱した板厚0.25mmの
ティンフリースチールの両面に、共重合ポリエステル層
(B)の表面がティンフリースチールに接するように貼
合せ、水冷した後、150mm径の側面無継目容器
(缶)を作成した。これらの缶の評価結果を表3に示
す。
合ポリエステル層(A)の共重合ポリエステルの融点が
210〜245℃、共重合ポリエステル層(B)の共重
合ポリエステルの融点が180〜243℃である場合
(実施例1〜8)は良好な結果が得られたが、前者の融
点が210℃未満の場合(比較例1)および後者の融点
が180℃未満の場合(比較例3)は耐熱性が劣り、レ
トルト後の保味保香性が悪く、前者の融点が245℃を
超える場合(比較例2)および後者の融点が243℃を
超える場合(比較例4)は、成形加工性が不良であっ
た。また、共重合ポリエステル層(A)にゲルマニウム
触媒を使用せず、三酸化アンチモン触媒を使用した場合
(比較例5)は、保味保香性が劣っていた。
施例2において、共重合ポリエステル層(A)の共重合
ポリエチレンテレフタレートの共重合成分を表4に示す
ように変更して、溶融共押出し、積層、融着、急冷固化
して得た未延伸積層フィルムを、それぞれ表4に示す条
件で延伸し、180℃で熱固定して、二軸延伸積層ポリ
エステルフィルムを得た。
り、共重合ポリエステル層(A)および共重合ポリエス
テル層(B)の厚みは、それぞれ5μmおよび20μm
であった。また、共重合ポリエステル層(A)を構成す
る共重合ポリエステルのガラス転移温度(TgA)とポ
リエステルフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度
(Te)、および厚さ方向の屈折率、並びにフィルムの
イオン交換水による抽出量は、表5に示す通りであっ
た。
した結果は、表6に示す通りであり、TgAが78℃以
上、Te−TgAが30℃以下の本発明の場合(実施例
9、10)は良好な結果が得られたが、TgAが78℃
未満の場合(比較例6)はレトルト後の保味保香性が悪
く、Te−TgAが30℃を超える場合(比較例7)
は、成形加工性が低下した。
て、共重合ポリエステル層(A)に用いる共重合ポリエ
チレンテレフタレートの酢酸ナトリウム含有量をNa元
素換算で4ppm(実施例11)および6ppm(比較
例8)とした他は、実施例2と同様にして、二軸延伸積
層フィルムを作成した。
であり、共重合ポリエステル層(A)のガラス転移温度
(TgA)、損失弾性率の最高温ピーク温度(Te)お
よびフィルムのイオン交換水による抽出量も実施例2と
同じであった。
た結果は、表7に示す通りであり、共重合ポリエステル
層(A)に含有されるアルカリ金属(Na)元素の総量
が5ppm以下である場合(実施例11)は、良好な保
味保香性を示したが、アルカリ金属(Na)元素の総量
が5ppmを超えた場合(比較例8)は、保味保香性が
悪化した。
ステルフィルムは、金属板と貼合わせた後、製缶加工、
例えば深絞り加工して金属缶を成形するにあたり、共重
合ポリエステルが持っている優れた成形加工性、耐熱
性、耐レトルト性、耐衝撃性を保持しながら、保味保香
性、特にレトルト後の保味保香性が改善され、しかも安
価に製造できるため、金属容器用のフィルムとして極め
て有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とし、融点が210〜245℃であり、重縮合触
媒としてゲルマニウム化合物を用いて製造された共重合
ポリエステルからなる共重合ポリエステル層(A)と、
融点が180〜243℃であり、重縮合触媒としてアン
チモン化合物を用いて製造された共重合ポリエステルか
らなる共重合ポリエステル層(B)とを積層してなるポ
リエステルフィルムであって、該共重合ポリエステル層
(A)を構成する共重合ポリエステルのガラス転移温度
(TgA)とポリエステルフィルムの損失弾性率最高温
ピーク温度(Te)が下記式(1)および下記式(2)
を満足し、かつ該共重合ポリエステル層(A)に含有さ
れるアルカリ金属元素の総量が5ppm以下であること
を特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィ
ルム。 【数1】 TgA≧78 … (1) Te−TgA≦30 … (2) (ここで、TgAはDSC測定における共重合ポリエス
テル層(A)を構成するポリエステルのガラス転移温度
(℃)、Teはフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温
度(℃)である。) - 【請求項2】 共重合ポリエステル層(A)を構成する
共重合ポリエステルの共重合成分が2,6−ナフタレン
ジカルボン酸である請求項1記載の金属板貼合せ成形加
工用ポリエステルフィルム。 - 【請求項3】 共重合ポリエステル層(B)を構成する
共重合ポリエステルが、2,6−ナフタレンジカルボン
酸共重合ポリエチレンテレフタレートである請求項1ま
たは2記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィ
ルム。 - 【請求項4】 フィルムをイオン交換水で121℃、2
時間抽出処理したときの抽出量が0.5mg/inch
2以下である請求項1〜3のいずれかに記載の金属板貼
合せ成形加工用ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10088697A JPH11286091A (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10088697A JPH11286091A (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11286091A true JPH11286091A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=13950061
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10088697A Pending JPH11286091A (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11286091A (ja) |
-
1998
- 1998-04-01 JP JP10088697A patent/JPH11286091A/ja active Pending
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