JPH11285549A - ラケット及びラケットフレーム - Google Patents

ラケット及びラケットフレーム

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JPH11285549A
JPH11285549A JP10091985A JP9198598A JPH11285549A JP H11285549 A JPH11285549 A JP H11285549A JP 10091985 A JP10091985 A JP 10091985A JP 9198598 A JP9198598 A JP 9198598A JP H11285549 A JPH11285549 A JP H11285549A
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JP
Japan
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gut
hole
racket
head
frame
Prior art date
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JP10091985A
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English (en)
Inventor
Kunio Niwa
邦夫 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 打球時に生じるガットの振動を吸収して使用
者に与える不快感を軽減するとともに、スイートスポッ
トを広くすることにより使い易さを高める。 【解決手段】 ラケットフレーム1のヘッド2にガット
5を縦横に張設することによりテニスラケットを構成し
た。ヘッド2の枠部2aおよびヨーク部2bには、ガッ
ト通し孔6を形成するとともに、ガット保護部材10
A,10Bを装着した。ガット保護部材10A,10B
は、ガット通し孔6に通される複数の筒部11aと、こ
れら筒部11aの一端を連結する基部11bとを備えた
形状とし、全体をエラストマー等の弾性材から形成し
た、一部のガット通し孔6は、筒部11aの基端部がガ
ット通し孔6の内面に密着し、これより先端側(ヘッド
2の内面側)では、ガット通し孔6の内面と筒部11a
との間にすき間が形成されるように外面側の孔6aより
も内面側の孔6bが大きくなるように形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニスやスカッシ
ュ等に用いられるラケット及びラケットフレームに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】上記のようなラケットとして、本願出願
人は、フレームのガット通し孔内に合成樹脂等からなる
筒状の振動吸収材を装着し、この振動吸収材内にガット
を通すことにより、打球時に生じるガットの振動を吸収
するようにしたテニスラケットを提案している(実公平
4−15235号公報)。
【0003】このテニスラケットによれば、打球時に生
じるガットの振動を抑えることができ、ガットの振動に
より使用者に与える不快感を効果的に軽減することがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、テニスラケ
ットは、スイートスポット(最適打球エリア)が広い方
が使い易いことは一般に知られており、ラケット製造の
分野ではスイートスポットをいかに拡大するかが課題の
一つとなっている。
【0005】スイートスポットを拡大するには、打球時
のガットの変位量を大きくしてボールとガットの接触時
間を長くし、これにより反発係数を大きくするのである
が、上記のような振動吸収機能を有する従来のラケット
では、振動吸収材がガット通し孔に嵌入されてガット通
し孔の軸方向全体に亘って振動吸収材とフレームとが密
着し、さらに、振動吸収材とガットとが密着するように
振動吸収材にガットが通されているため、打球時のガッ
ト変位量を大きくする点で不利である。従って、スイー
トスポットをより広くする上では未だ改善の余地があ
る。
【0006】なお、ガット通し孔に、いわゆるグロメッ
ト等の筒状のガット保護部材を装着し、これにガットを
通してガットを保護するものにおいて、グロメットの孔
径をガットの外径よりも十分に大きく形成して、ガット
の打球方向の変位量が大きくなり易くし、これによりス
イートスポットを大きくするようにすることも行われて
いるが、この構造では、グロメット内面とガットとが非
接触となり易く振動吸収効果は低い。逆に、グロメット
とガットとが接触するようにグロメットの孔径が形成さ
れているものでは、振動吸収効果は高いが、打球時のガ
ット変位量を大きくする上で不利である。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、打球時に生じるガットの振動を吸収し
て使用者に与える不快感を軽減するとともに、スイート
スポットをより広くすることにより使い易さを高めるこ
とができるラケット及びラケットフレームを提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ラケットフレームに環状のヘッドを備
え、前記ヘッドに形成されたガット通し孔内に筒状部材
が装着されるとともに、この筒状部材に、該筒状部材と
ガットとがほぼ接触する状態でガットが挿通されるラケ
ットにおいて、上記ガット通し孔が、該ガット通し孔内
でのヘッドに対する上記筒状部材の打球方向の変位を許
容するようにヘッドの外面側よりも内面側の孔径が大き
くなるように形成されているものである(請求項1)。
【0009】このラケットによれば、打球時のガットの
振動が抑制され、発生した振動は筒状部材によって吸収
される。また、筒状部材とフレームとが接触することに
よりフレームの振動が抑えられる。そのため、使用者に
は強い振動衝撃が伝達されない。しかも、打球時には、
ガット通し孔内で筒状部材とこれに挿通されたガットと
が打球方向に一体に変位し得るため、従来の同サイズの
ラケットと比較すると、打球時のガットの変位量を大き
くして反発係数を大きくすることができる。また、この
ように打球時のガットの変位量を大きくしながらも、ヘ
ッドの外面側よりも内面側の孔径が大きくなるようにガ
ット通し孔が形成されているため、ガットの支持部分と
なるヘッド外面側の強度を有効に確保することが可能と
なる。なお、請求項1の記載において、「ヘッドの外面
側よりも内面側の孔径が大きくなる」とは、ヘッドの外
面側から内面側に向かって孔径が無段階的に大きくなる
場合と、段階的に大きくなる場合の双方を含む意味であ
る。
【0010】上記の構成において、特に、弾性材、ある
いは粘弾性材から筒状部材を形成するようにすれば(請
求項2)、打球時の振動吸収効果をより高めることが可
能となる。
【0011】上記の構成においては、ヘッドの最も内面
側でのガット通し孔の打球方向の孔径が振動吸収材の外
径の1.4〜2倍となるようにガット通し孔を形成する
のが好ましい(請求項3)。さらに、ヘッドにスタガッ
トパターンでガット通し孔を形成するようにすれば(請
求項4)、打球方向のフェイス面(打球面)の変形が均
一化されて、ガットの最大変位量が小さくなり易い。そ
のため、ガット通し孔の孔径を小さく設定することが可
能となる。なお、「スタガットパターン」とは、隣設さ
れるガット通し孔を打球方向に交互にオフセットしたガ
ット通し孔の配列をいう。
【0012】また、本発明は、環状のヘッドを有し、上
記ヘッドに複数のガット通し孔が形成されたラケットフ
レームにおいて、上記ガット通し孔の少なくとも打球方
向の孔径が上記ヘッドの外面側よりも内面側で大きくな
るように形成されているものである(請求項5)。
【0013】このラケットフレームを適用すれば請求項
1〜3記載のラケットを構成することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を用いて説明する。
【0015】図1および図2は、本発明に係るラケット
の一例であるテニスラケットを示している。この図にお
いて1はラケットフレームを示している。
【0016】このラケットフレーム1は、例えば、軽金
属や繊維強化プラスチック等の材料からなり、フェイス
面を形成するためのヘッド2と、グリップが設けられる
シャフト3とを一体に備えており、ヘッド2の全体およ
びシャフト3の一部は軽量化および強度向上を図るべく
中空状に形成されている。
【0017】ヘッド2は、環形状とされており枠部2a
およびヨーク部2bから構成されている。枠部2aおよ
びヨーク部2bには、それぞれヘッド2の内面側と外面
側とを連通する多数のガット通し孔6が設けられるとと
もに、それぞれガット保護部材10A,10Bが装着さ
れている。なお、ガット通し孔6は、上述のようにヘッ
ド2が中空状に形成されている構造上、実際には、図3
に示すように同軸上に形成される外面側の孔6aと内面
側の孔6bとから構成されるが、以下の説明では、特に
区別する必要がある場合を除きこれらを一体にガット通
し孔6と呼ぶことにする。
【0018】ガット保護部材10A,10Bは、例え
ば、ゴム、エラストマー等の弾性材、好ましくは、損失
系数のピーク温度が10°C以下のゴム又はエラストマ
ー、あるいは粘弾性材等の弾性吸収性に優れた材料から
なり、図3に示すように、ガット通し孔12を有する複
数の筒部11a(筒状部材)と、これら筒部11aの一
端を連結する帯状の基部11bとを備えた形状とされて
いる。そして、筒部11aをヘッド2の外側面からガッ
ト通し孔6に通しながらヘッド2の外側面に基部11b
を密着させた状態でラケットフレーム1に装着されてい
る。特に、枠部2aの外側面には該枠部2aに沿って溝
7が形成されており、ガット保護部材10Aについて
は、この溝7に基部11bが嵌入されている。なお、図
3は、ガット保護部材10Bを示しているが、ガット保
護部材10Aも同様の形状とされている。
【0019】ガット保護部材10A,10Bとヘッド2
のガット通し孔6との関係について詳しく説明すると、
例えば、枠部2aを図1に示すようにトップ部P1、上
側部P2,P7、側部P3,P6および下側部P4,P
5とその部分を区分けすると、上側部P2,P7および
下側部P4,P5の各部分に該当するガット通し孔6
は、軸方向に径が一定の単純孔とされており、ガット保
護部材10Aが枠部2aに装着された状態で、筒部11
aがガット通し孔6の内面に密着するようにガット通し
孔6の径およびガット保護部材10Aの筒部11aの径
が設定されている。
【0020】一方、枠部2aのトップ部P1、側部P
3,P6および上記ヨーク部2bに該当するガット通し
孔6は以下のように形成されている。
【0021】すなわち、図3に示すように、ヨーク部2
bでは、外面側の孔6aの径より内面側の孔6bの径が
大きくなるようにガット通し孔6形成されており、ガッ
ト保護部材10Bがヨーク部2bに装着された状態で、
筒部11aの基端部が外面側の孔6aの内面に密着し、
これより先端側(ヘッド2の内面側)では、図4に示す
ようにガット通し孔6の内面と筒部11aとの間にすき
間が形成されるようにガット通し孔6の径およびガット
保護部材10Bの筒部11aの径が設定されている。な
お、図示を省略するが、枠部2aのトップ部P1、側部
P3,P6に該当するガット通し孔6およびガット保護
部材10Aの筒部11aも上記ヨーク部2bおよびガッ
ト保護部材10Bの筒部11aと同様に形成されてい
る。
【0022】そして、このようにヘッド2にガット保護
部材10A,10Bが装着された状態で、ガット保護部
材10A,10Bの各筒部11aにガット5が挿通され
ながら縦横方向に張設されることによりフェイス面が形
成されている。なお、筒部11aに形成されるガット通
し孔12の径はガット5と同等、あるいはガット5より
若干小さく形成されており、ガット5は、筒部11aに
接触した状態で筒部11aに挿通されている。
【0023】以上のように構成されたラケットによれ
ば、弾性材等の弾性吸収材から形成されたガット保護部
材10A,10Bがラケットフレーム1に装着され、ガ
ット5がその筒部11aを介してラケットフレーム1に
張設されているので、打球時の衝撃によって生じるヘッ
ド2の振動がガット5と接触しているガット保護部材1
0A,10Bの筒部11aによって吸収され、また、ガ
ット保護部材10A,10Bによりフレーム自身の振動
が抑制される。そのため、打球時に強い衝撃が加わって
も、これによって生じるガット5の振動が使用者に伝達
されにくく、肘への負担が軽減される。従って、使用者
に与える不快感を効果的に軽減することができる。
【0024】しかも、枠部2aのトップ部P1、側部P
3,P6および上記ヨーク部2bにおいてガット通し孔
6が上述のように形成されていることにより、打球時に
は、ガット保護部材10A,10Bの筒部11aとこれ
に通されたガット5とがガット通し孔6内において一体
に打球方向に変位することとなる。そのため、ガットが
ガット通し孔内において拘束されていた従来の同サイズ
のテニスラケットと比較すると、打球方向のガット5の
変位量が大きく、これにより反発係数も大きくなる。従
って、スイートスポットがより広くなり、使い易いテニ
スラケットになるという特徴がある。
【0025】ところで、上記は本発明に係るラケットの
一例であって、その具体的な構成としては以下のような
構成を採用することができる。
【0026】例えば、上記実施の形態では、枠部2aの
トップ部P1、側部P3,P6およびヨーク部2bのガ
ット通し孔6を上述のように形成しているが(すなわ
ち、外面側の孔6aよりも内面側の孔6bが大きくなる
ようにガット通し孔6を形成しているが)、ヘッド2の
ヨーク部2bについてのみガット通し孔6を上述のよう
に形成するようにしてもよい。要は、より使いやすいラ
ケットを提供できるように、ラケットの材質、構造、あ
るいは求められる性能に応じて適宜の箇所に上記のよう
なガット通し孔6の形状を採用するようにすればよい。
なお、この場合のガット通し孔6の具体的な孔径は本願
により限定されるものではないが、ヘッド2の最も内面
側でのガット通し孔6の孔径が筒部11aの外径の1.
4〜2倍となるようにガット通し孔6およびガット保護
部材10A,10Bを形成するのが望ましい。
【0027】また、枠部2aのトップ部P1等のガット
通し孔6の具体的な形状も、上記実施の形態に限られる
ものではなく、例えば、内面側の孔6bを、図5に示す
ように、ヘッド2の外面側から内面側に向かって先広が
りとなるテーパ状に形成するようにしてもよい。なお、
ヘッド2が中空状に形成されていないラケットフレーム
では、例えば、図6および図7に示すようにガット通し
孔6全体がヘッド2の外面側から内面側に向かって先広
がりとなるテーパ状に形成するようにしたり、あるいは
これら図6,7のように孔径が無段階に変化する形状以
外に、図8に示すように段階的に孔径が変化するガット
通し孔6を採用するようにしてもよい。要は、ガット保
護部材10A,10Bを装着した状態で、筒部11aの
基端部がヘッド2に対して適当に位置決めされる一方、
該基端部より先端側では、ガット通し孔6の内面と筒部
11aとの間にすき間が形成されて筒部11aの変位が
許容されるように、ヘッド2の外面側よりも内面側の孔
径が大きくなるようなガット通し孔6の形状であればよ
い。
【0028】ここで、例えば、ガット通し孔6を、軸方
向の全体に亘って径が一定の単純孔とし、該軸方向の全
体に亘ってガット通し孔6の内面と筒部11aとの間に
すき間を形成するようにガット通し孔6の径を比較的大
きく設定することも考えられるが、この場合には、ガッ
ト5の支持部分となるヘッド2の外面側の強度を低下さ
せるとともに、ガット5の位置決め性が悪くなる。その
ため、枠部2aのトップ部P1等のガット通し孔6の形
状は、上記実施の形態のように、筒部11aの基端部が
孔内面に密着するようにヘッド2の外面側の孔径を設定
した上で、ヘッド2の外面側より内面側の孔径が大きく
なるように形成する必要がある。
【0029】また、枠部2aのトップ部P1等のガット
通し孔6の断面形状(内面側の孔6bの断面形状)は、
必ずしも円形孔である必要はなく、例えば、図9に示す
ような打球方向(同図の矢印方向)の長孔であっても構
わない。要は、ガット5の打球方向の変位を許容するよ
うな形状であればよい。但し、断面円形のガット通し孔
6によればガット5の変位方向の自由度が高く、また、
ガット通し孔6の形成も容易に行えるため、ガット通し
孔6の断面形状としては最も望ましい。
【0030】なお、上記実施の形態では特に説明してい
ないが、ラケットフレーム1に形成されるガット通し孔
6の配列は、ストリングパターンまたはスタガットパタ
ーンのいずれであっても構わない。但し、スタガットパ
ターンを採用すれば、ラケットフレーム1のフレーム強
度を確保する上でより有利となる。
【0031】すなわち、上記実施の形態のテニスラケッ
トでは、枠部2aの一部およびヨーク部2bのガット通
し孔6については、外面側の孔6aの径よりも内面側の
孔6bの径を大きく形成するので、従来のこの種のテニ
スラケットに比べるとラケットフレームに占める空洞部
分の割合が高くなる傾向にあり、そのためフレーム強度
を低下させ易い。しかし、スタガットパターンでガット
が張設されたラケットは、ストリングパターンでガット
が張設されたラケットに比べてフェイス面の変形が均一
化され易く、変形するガット本数は増えるが、その分、
変形量が分散されて最大変形量が小さくなるという特徴
を有している。従って、ガット通し孔6の孔径も、スタ
ガットパターンの場合はストリングパターンよりも小さ
くて済み、そのためラケットフレームに占める空洞部分
の割合が高くなるのを有効に抑えることができる。従っ
て、フレーム強度を確保する上で有利となる。しかも、
隣設されるガット通し孔同士が打球方向にオフセットさ
れるスタガットパターンによれば、ヘッドに沿ってガッ
ト通し孔が一列に直線状に並設されるストリングパター
ンに比べるととガット通し孔6のピッチが大きくなる。
そのため、この点も、フレーム強度を確保する上で有利
となる。
【0032】また、上記ガット保護部材10A,10B
は、エラストマー等の弾性材、あるいは粘弾性材等の弾
性吸収性に優れた材料から形成されているが、ガット保
護部材10A,10Bをこれら以外の材料から形成する
ようにしてもよい。但し、ガット保護部材10A,10
Bを上記のような弾性吸収性に優れた材料から形成する
ようにすれば、打球時に使用者に与える不快感をより効
果的に解消することが可能となる。なお、ガット保護部
材10A,10Bとして、合成樹脂等から形成される、
いわゆる従来周知のグロメットやバンパーを適用するこ
ともできる。
【0033】※実験データ 表1に示すデータは、内面側の孔6bの孔径を種々設定
した上記ラケットフレーム1(実施品1〜5)と、従来
のこの種のラケットフレーム(従来品1,2)とについ
て、反発系数、スイートエリア、打球感、ガット減衰
率、フレーム減衰率、ガット張り時のフレーム状況およ
び特定球速における打球時の状況を比較したものであ
る。なお、実施品1〜5および従来品1,2のガット保
護部材はいずれもゴム製で、筒部の外径はいずれも3.
2mmとした。また、実施品1〜5において、実施品1,
3,4はスタガットパターンを、実施品2,5について
はストリングパターンをそれぞれ採用し、従来品1,2
は、いずれもストリングパターンを採用した。
【0034】
【表1】
【0035】この表に示すように、打球時のガット変位
量が大きくなるようにした実施品1〜5では従来品1に
比べ反発系数が十分に大きくなっておりスイートエリア
も効果的に拡大されていることがわかる。しかも、ガッ
ト減衰率、フレーム減衰率共に従来品1にくらべて大き
く、打球感の評価点を比較してもわかるように使い易い
ラケットとなっていることが考察できる。
【0036】なお、従来品1に比べ、ガット通し孔をガ
ット保護部材の筒部に対して大きく形成した従来品2で
は、打球時のガット変位量が大きくなるため、スイート
エリア、ガット減衰率、フレーム減衰等について実施品
1〜5と同等の結果を得られているが、ガット張設時お
よび打球時にフレームにクラックが発生しており強度的
に問題がある。これは、上述したように、ガット通し孔
をガット保護部材の筒部に対して一律に大きく形成した
ことによりガットの支持部分となるフレームの外面側部
分で強度低下を招いたためであると考察できる。
【0037】一方、実施品においても、実施品5につい
ては、スイートエリア、ガット減衰率、フレーム減衰等
について良好な結果が得られているが、ガット張設時に
フレームにクラックが発生しており強度的に問題があ
る。これは、実施例2については、ガット通し孔がスト
リングパターンとされてフレーム内面側における各ガッ
ト通し孔のピッチが比較的小さくなっているにも拘ら
ず、フレームの内面側の孔が大きく形成されている結
果、フレームの内面側において強度低下が生じクラック
が発生したものと考えられる。この結果からも、本発明
のラケットフレームの構造ではスタガットパターンを採
用することが強度面で有利であることが考察できる。
【0038】ところで、上記の実施の形態では、本発明
に係るラケットをテニスラケットに適用した場合につい
て説明しているが、本発明はテニスラケット以外にも、
スカッシュ、バトミントン等のラケットについても適用
可能であることを補足しておく。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ガット
通し孔に筒状部材を装着し、この筒状部材に該筒状部材
とガットとがほぼ接触する状態でガットが挿通されるラ
ケットにおいて、ガット通し孔内でのヘッドに対する上
記筒状部材の打球方向の変位を許容するようにヘッドの
外面側よりも内面側の孔径が大きくなるように上記ガッ
ト通し孔を形成したので、打球時には、これにより生じ
る振動を筒状部材により吸収して使用者への振動衝撃の
伝達を遮断して、使用者に与える不快感を有効に軽減す
ることができる。しかも、ガット通し孔内でのガットの
打球方向の変位が許容されるため、従来の同サイズのラ
ケットと比較すると、ガットの打球方向の変位量を大き
くして反発係数を大きくすることができ、これによりス
イートスポットをより大きくすることができる。そのた
め、スイートスポットをより大きくした使い易いラケッ
トを提供することができる。
【0040】上記の構成において、特に、筒状部材を弾
性材、あるいは粘弾性材から形成するようにすれば打球
時の振動吸収効果をより高めることができる。
【0041】また、ヘッドの最も内面側でのガット通し
孔の打球方向の孔径が筒状部材の外径の1.4〜2倍と
なるようにガット通し孔を形成するようにすれば、ガッ
トの打球方向の変位量を大きくして良好な結果を得るこ
とができる。また、ガット通し孔をスタガットパターン
で形成するようにすればフレーム強度を有効に確保する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラケットの適用であるテニスラケ
ットを示す概略平面図である。
【図2】上記テニスラケットのヨーク部を示す縦断面図
である。
【図3】ヨーク部とこれに装着されたガット保護部材と
を示す上記テニスラケットの平断面図である。
【図4】ガット保護部材の筒部とガット通し孔との関係
を示す図3におけるA−A断面図である。
【図5】ガット通し孔の別の例を示すテニスラケットの
縦断面図である。
【図6】フレーム構造が中空状でない場合のガット通し
孔の例を示すテニスラケットの縦断面図である。
【図7】フレーム構造が中空状でない場合のガット通し
孔の別の例を示すテニスラケットの縦断面図である。
【図8】フレーム構造が中空状でない場合のガット通し
孔の別の例を示すテニスラケットの縦断面図である。
【図9】ガット通し孔の別の例を示す図4に対応する図
である。
【符号の説明】
1 ラケットフレーム 2 ヘッド 2a 枠部 2b ヨーク部 3 シャフト 5 ガット 6 ガット通し孔 6a 外面側の孔 6b 内面側の孔 7 溝 10A,10B ガット保護部材 11a 筒部 11b 基部 12 ガット通し孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラケットフレームに環状のヘッドを備
    え、前記ヘッドに形成されたガット通し孔内に筒状部材
    が装着されるとともに、この筒状部材に、該筒状部材と
    ガットとがほぼ接触する状態でガットが挿通されるラケ
    ットにおいて、上記ガット通し孔は、該ガット通し孔内
    でのヘッドに対する上記筒状部材の打球方向の変位を許
    容するようにヘッドの外面側よりも内面側の孔径が大き
    くなるように形成されていることを特徴とするラケッ
    ト。
  2. 【請求項2】 上記筒状部材は、弾性材、あるいは粘弾
    性材から形成されていることを特徴とする請求項1記載
    のラケット。
  3. 【請求項3】 上記ヘッドの最も内面側でのガット通し
    孔の打球方向の孔径が筒状部材の外径の1.4〜2倍と
    なるように上記ガット通し孔が形成されていることを特
    徴とする請求項1又は2記載のラケット。
  4. 【請求項4】 上記ガット通し孔は、上記ヘッドにスタ
    ガットパターンで形成されていることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載のラケット。
  5. 【請求項5】 環状のヘッドを有し、上記ヘッドに複数
    のガット通し孔が形成されたラケットフレームにおい
    て、上記ガット通し孔の少なくとも打球方向の孔径が上
    記ヘッドの外面側よりも内面側で大きくなるように形成
    されていることを特徴とするラケットフレーム。
JP10091985A 1998-04-03 1998-04-03 ラケット及びラケットフレーム Pending JPH11285549A (ja)

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Citations (4)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6320867U (ja) * 1986-07-25 1988-02-10
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US5251895A (en) * 1991-05-02 1993-10-12 Darling James P Sports racquet
EP0884074A2 (en) * 1997-06-13 1998-12-16 Wilson Sporting Goods Company Game racquet with string slots in inner wall

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