JPH11282020A - エレクトロクロミック素子の製造方法 - Google Patents

エレクトロクロミック素子の製造方法

Info

Publication number
JPH11282020A
JPH11282020A JP10103407A JP10340798A JPH11282020A JP H11282020 A JPH11282020 A JP H11282020A JP 10103407 A JP10103407 A JP 10103407A JP 10340798 A JP10340798 A JP 10340798A JP H11282020 A JPH11282020 A JP H11282020A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
group
cell
electrochromic
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10103407A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiro Totani
智博 戸谷
Yukio Kobayashi
幸雄 小林
Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Mitsubishi Oil Corp filed Critical Nippon Mitsubishi Oil Corp
Priority to JP10103407A priority Critical patent/JPH11282020A/ja
Priority to US09/280,321 priority patent/US6425792B1/en
Priority to EP99850053A priority patent/EP0947875A3/en
Publication of JPH11282020A publication Critical patent/JPH11282020A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/15Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on an electrochromic effect
    • G02F1/153Constructional details
    • G02F1/161Gaskets; Spacers; Sealing of cells; Filling or closing of cells

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液注入口の耐久性ある封止手段の提供。 【解決手段】 電解液注入用開口部をセルの端面に設け
ずにセルを構成する2枚の基板表面に設け、一方の基板
の開口部を弾性変形可能な封止部材で封鎖後、他方の基
板の開口部を電解液注入口として、ここから電解液を注
入し、しかる後、前記の封止部材をさらに押し込むこと
によって電解液注入口を封鎖し、次いで封止部材と基板
とを接着剤によって接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレクトロクロミッ
ク素子の製造方法に関するものであり、詳しくは、電解
質注入口の封止方法に特徴を有するエレクトロクロミッ
ク素子の製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】一般に、エレクトロクトミック素子は、
少なくとも1枚が透明な2枚の導電基板を間隔をもって
対向させてその周縁部を一部を除いてシールし、シール
を省いた部分を電解質注入口としたセルを組み立て、こ
のセルの注入口から真空注入法にて電解質又はその前駆
体を注入してセルの空隙部分に電解質又はその前駆体を
充満させた後、注入口に光硬化型又は熱硬化型のアクリ
ル樹脂系接着剤又はエポキシ樹脂系接着剤を充填し、こ
れを硬化させて注入口を封止する方法で製造されてい
る。しかし、上記の如き注入口封止方法では、接着剤の
充填に先立って注入口に付着した電解質を取り除かなけ
ればならず、その除去が不充分である場合には、接着剤
にて注入口を完全に封鎖できない。加えて、上記の封止
方法では、接着剤と電解質とが接触するため、接着剤の
硬化が不充分となり、満足な接着強度を得ることができ
ない虞もある。
【0003】このような問題点の解決方法の一つとし
て、特開平2−114237号公報や特開平6−250
230号公報には2段封止法が提案されている。特開平
2−114237号公報が教える方法は、対向する2枚
の基板の周縁部の任意の箇所に開口部を設けた構成のセ
ルを用意し、このセルの開口部を電解質注入口としてこ
れに電解質を注入した後、基板に垂直な外圧を加えた状
態で注入口にエポキシ系接着剤等を塗布し、次いで、上
記の外圧を解除することで、塗布した接着剤を注入口内
に嵌入させて硬化せしめ(一次シール)、しかる後、当
該一次シール部分を含めて基板の周縁部にエポキシ系接
着剤を塗布し、これを硬化させる(二次シール)ことか
らなる。この方法は、比較的寸法の小さいエレクロトク
ロミック素子の製造には、それなりの適性が認められる
が、一次シールを行うに際してセルに外圧を加える必要
があることから、比較的大型のエレクロトクロミック素
子の製造には、必ずしも適しているとは言えない。それ
ばかりでなく、上記の2段封止法は、セルを構成する2
枚の基板の端面に設けた電解質注入口に専ら適用される
ものであるため、封止自体がたとえ成功裏に完遂できた
としも、大型のエレクロトクロミック素子にあっては、
これを移動するに際して封止部分に応力が掛かり、剥離
が生ずる心配がある。また、特開平6−250230号
公報には、電解質注入口をまず放射線硬化型接着剤で封
止し、次いで当該部分に重ねてエポキシ系接着剤で封止
する方法が提案されているが、この方法も上記した2段
封止法と同様、セルを構成する2枚の基板の端面に設け
た電解質注入口を対象としているので、上と同様な心配
を払拭できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、セルを構成する2枚の対向基板の端面に電解質注入
口を設ける代わりに、基板自体に電解質注入口を設ける
ことにより、運搬移動に際して比較的大きな応力が掛か
ることが懸念される大型のエレクロトクロミック素子で
あっても、電解質注入口の封止部分に剥離が生ずること
のないエレクトロクロミック素子の製造方法を提供する
ことにある。本発明の別の目的の一つは、電解質注入口
の封止材料としてある種の接着剤を使用するものの、そ
の接着剤と電解質との接触を完全に絶つことができ、従
って、電解質の混入によって接着剤の硬化反応が損なわ
れる虞のないエレクトロクロミック素子の製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明が提案するエレク
トロクロミック素子の製造方法は、(a) 同一部位に同一
形状の開口部をそれぞれ有する少なくとも1枚が透明な
2枚の導電基板を、それぞれの開口部が向き合うように
間隔をもって対向させてその周縁部すべてをシールして
エレクトロクロミック素子用の中空セルを作成する工程
と、(b) セルを構成する2枚の導電基板の各開口部を封
鎖できる寸法を備えた弾性変形可能な封止部材を一方の
開口部に装着する工程と、(c) 開放状態で残された他方
の開口部から、電解質又はその前駆体を真空注入法によ
って中空セル内に充満させる工程と、(d) 電解質又はそ
の前駆体の注入に利用した前記開口部を、前記封止部材
の押し込みによって封鎖する工程と、(e) 2つの開口部
を貫通する前記封止部材を接着剤によって各導電基板に
接着させる工程からなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、導電基板とは文
字通り導電性を有し、電極としての機能を果たす基板を
意味し、これにはそれ自体導電性を有する基板が使用で
きるほか、非導電性の基板であっても、その一方の表面
(電解質層と接する側)に電極層を設けたものが使用可
能である。導電性基板としては、鉄、銅、銀、アルミニ
ウム、錫、鉛、金、亜鉛等の金属の単体、またはこれら
金属の各種合金を挙げることができる。また、電極層を
表面に設けて導電基板を作成する場合の非導電性基板に
は、表面が平滑であれば任意の基板が使用可能であっ
て、その具体例としては、プラスチック(合成樹脂)
製、ガラス製、木材製、石材製の各基板が例示できる。
本発明で使用する2枚の導電基板の少なくとも一方は透
明であることが必要であるが、その透明な導電基板は、
通常、透明基板の表面に電極層を積層させることで作成
され、この場合の透明基板としては、無色あるいは有色
ガラスが使用できる外、無色あるいは有色のプラスチッ
ク(合成樹脂)が使用できる。そして、この目的で使用
可能なプラスチックの具体例には、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエーテル
サルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリ
メチルメタクリレート、ポリスチレン等がある。なお、
本発明における透明とは、可視光領域において10〜1
00%の透過率を有することを意味する。また、本発明
における基板は、導電性基板も非導電性基板も共に常温
においてその表面が平滑であれば、基板自体は平板状で
あっても、湾曲板状であっても差し支えなく、応力によ
って変形するものであっても差し支えない。
【0007】非導電性の基板に積層させる電極層は透明
であることが好ましく、少なくとも透明基板に積層させ
る電極層は透明でなければならない。電極層には、例え
ば、金、銀、クロム、銅、タングステン等の金属薄膜や
金属酸化物の薄膜が使用でき、その金属酸化物として
は、例えば、ITO(In2 3-SnO2 )、酸化錫、
酸化銀、酸化亜鉛、酸化バナジウム等が挙げられる。電
極層の膜厚は、通常10〜1000nm、好ましくは5
0〜300nmの範囲で選択できる。また、電極層の表
面抵抗(抵抗率)は、適宜選択可能であるが、通常は
0. 5〜500Ω/sq.、好ましくは1〜50Ω/s
q.の範囲で選ばれる。電極層の形成は、電極を構成す
る金属及び/又は金属酸化物の種類により適宜選択でき
るが、通常は真空蒸着法、イオンプレーティング法、ス
パッタリング法、ゾルゲル法等が採用される。何れの場
合も、基板温度を100〜350℃の範囲内に維持して
電極層を形成するのが通例である。非導電性基板上に形
成される電極層には、酸化還元能の付与、電気二重層容
量の増大等の目的で、不透明な電極活物質を部分的に付
加することができる。この際、電極層を透明に維持する
必要がある場合は、電極面全体の可視光透過率が10〜
100%の範囲に保持される。不透明な電極活物質とし
ては、例えば、銅、銀、金、白金、鉄、タングステン、
チタン、リチウム等の金属、ポリアニリン、ポリチオフ
ェン、ポリピロール、フタロシアニンなどの酸化還元能
を有する有機物、活性炭、グラファイト等の炭素材、V
2 5 、WO3 、MnO2 、NiO、Ir2 3 などの
金属酸化物またはこれらの混合物等を用いることができ
る。また、電極活性物質を電極層に結着させるために、
バインダー樹脂を用いることもできる。電極活性物質を
電極層に付加する方法としては、例えば、活性炭繊維、
グラファイト、アクリル樹脂等からなる組成物を用い
て、ITO透明電極層上に、例えば、ストライプ模様を
施したり、あるいはV2 5 、アセチレンブラック、ブ
チルゴム等からなる組成物を用いて、金(Au)薄膜上
にメッシュ模様を施す方法が例示できる。本発明で使用
される2枚の導電基板には、それぞれ同一部位に同一形
状の開口部が設けられる。ここで、2枚の導電基板の同
一部位とは、電極層を内側にして基板2枚を対向させた
場合、2つの開口部の中心が基板に垂直な直線上に並ぶ
ような関係を意味する。開口部の形状は通常円形である
ことが好ましく、その大きさは0.5〜10mmφ、好
ましくは2〜6mmφの範囲で選ぶことができる。
【0008】本発明のエレクトロクロミック素子用セル
は、同一部位に同一形状の開口部をそれぞれ有する2枚
の導電基板(そのうちの一方は透明な導電基板である)
を、間隔を保って対向させ、その周縁部すべてをシール
することで作成される。導電基板として電極層を積層さ
せたものを使用する場合には、その電極層はセルの内側
に配される。対向する導電基板の間隔は、通常30〜1
000μm、好ましくは200〜500μmの範囲にあ
る。エレクトロクロミック素子がエレクロトクロミック
性物質を含有することは不可欠であるが、このエレクト
ロクロミック性物質は、電解質層に混在させることもで
きれば、電解質層とは独立したエレクトロクロミック層
に含有させることもできる。エレクトロクロミック層は
セルの任意の部位に配することができるが、一般的に
は、セルの組み立てに先立って、導電基板の電極層上の
少なくとも一方もしくは両方に設けることを可とする。
また、電解質層にエレクトロクロミック性物質を混在さ
せる場合は、電解質又はその前駆体にエレクトロクロミ
ック性物質を混合し、この混合物をセル内に注入する方
法が採用できる。エレクトロクロミック性物質とは、電
気化学的な酸化反応あるいは還元反応等によって着色、
消色、色変化などを示す物質を意味し、その具体例を例
示すれば、Mo2 3 、Ir2 3 、NiO、V
2 5 、WO3 、ビオロゲン、ポリチオフェン、ポリア
ニリン、ポリピロール、金属フタロシアニン、フェロセ
ンなどが列挙できるが、これらに限定されることはな
い。前記のエレクトロクロミック層は、エレクトロクロ
ミック性物質のみで構成されてよく、また、エレクトロ
クロミック性物質とマトリックス成分とで構成されても
よいが、エレクトロクロミック性物質のみから構成され
ることがより好ましい。エレクトロクロミック層の厚さ
は、通常、10nm〜1μm、好ましくは50〜800
nmの範囲にある。エレクトロクロミック層の形成には
任意の方法が採用可能であるが、通常は蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法、電解重合法、デ
ィップコート法、スピンコート法等が適宜採用される。
【0009】対向する導電基板の周縁部をシールする際
のシール材は、素子内部を密封し、これを外部と隔絶し
て、素子の性能に影響を与える成分、例えば、水分、酸
素、一酸化炭素の如き活性ガスの素子内部への浸透を阻
止できるものであれば、その種類に特別な限定はない。
従って、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチル
メタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、
ポリメチルペンテン、ポリシロキサン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ酢酸セルロース、フェノール樹
脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルアセタール、ポリビニールアルコール、アクリルお
よびメタクリル酸エステル、シアノアクリル酸エステ
ル、ポリアミド等で例示される合成樹脂、さらには、天
然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブ
タジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、
クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ニ
トリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、アクリルゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素
ゴム、水素化ニトリルゴム等で例示される合成ゴムが、
シール材として使用できる。また、シール材として硬化
性樹脂などを用いることもできる。用いる硬化性樹脂は
特に限定されることはなく、その硬化方法についても熱
硬化型、光硬化型、電子線硬化型などの種々の硬化型の
ものが利用可能である。利用できる硬化性樹脂として
は、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹
脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニ
ールアルコール、アクリルおよびメタクリル酸エステ
ル、シアノアクリル酸エステル、ポリアミドなどがあげ
られ、これらは単体で用いても、また、2種以上を混合
して用いてもよい。また、これらを変成したり、フィラ
ーを加えるなどして、種々の改良を加えたものであって
も良い。これらの中でも特にエポキシ樹脂、アクリル変
成したエポキシ樹脂(この場合は、含有するエポキシ残
基1モルに対してアクリル残基が0.01〜0.3 モルのも
の、さらに好ましくはエポキシ残基1モルに対してアク
リル残基が0.05〜0.2 モル含むようにアクリル変成した
エポキシ樹脂)が望ましい。対向する導電基板の周縁部
をシールするに際しては、対向する基板の間隙幅を調節
する目的でスペーサー材料を使用することができる。そ
のスペーサー材料は非導電性であることが必要である
が、その形状はシート状、球状、繊維状、棒状等の任意
の形状であって差し支えない。導電基板のシールには任
意の方法が採用可能である。例えば、(1) 導電基板の形
状に併せてシール材を予め加工、成形した材料を作製し
た後、これを基板間に挟み込む方法、(2) 前記硬化性樹
脂のペーストを基板表面に公知の印刷方法を用いて所望
の形状に塗布する方法、(3) 基板表面に随時塗布してい
く方法、(4) デシール材をノズルから吐出させならが掃
引し、基板上に任意のパターンを形成する方法、等が使
用可能であり、この中では特に(4) の方法が好ましい。
基板へのシール材の塗布は1対の基板のうちの片方のみ
でも、また両方に行っても良い。硬化性樹脂を塗布した
場合には、基板を貼りあわせ硬化させるが、硬化方法は
用いる硬化性樹脂により異なることは言うまでもない。
熱硬化の場合では、室温で硬化可能なものも用いること
ができるが、通常加熱が必要な場合は、室温〜150℃
の間で,好ましくは室温〜100℃の間で硬化できれば
よい。また、硬化に要する時間は、エレクトロクロミッ
ク特性を損なわない範囲であれば特に限定されないが、
好ましくは24時間以内、さらに好ましくは1時間以内
である。光硬化の場合では、開始剤の吸収波長に適合し
たランプであれば、低圧、高圧、超高圧の各水銀ラン
プ、キセノンランプ、白熱ランプ、レーザー光などが利
用できる。硬化の際には素子全面を均一露光すること
で、全面同時硬化しても良いし、ランプや光源を移動さ
せたり、光ファイバーなどの導光性材料を利用すること
によって集光したスポット光を走査して逐次硬化しても
良い。また、2回以上繰り返すことによって硬化させて
も良い。
【0010】上記の如く作成された中空のエレクトロク
ロミック素子用セル内には、次いで電解質又はその前駆
体が真空注入法によって注入されるが、本発明によれ
ば、注入に先立って、一方の導電基板の開口部だけが封
止部材で封鎖される。この封止部材は、電解質又はその
前駆体のセル内への注入が完了した時点で、内部に押し
込むことで他方の導電基板の開口部も封鎖する。従っ
て、本発明で使用する封止部材は、導電基板に垂直な方
向に計測されるセルの厚さと略同等の長さを有し、その
外周面の長さ方向の任意に位置(通常は中央)に、弾性
変形可能なリング状突起又はOリングを備えている。ち
なみに、リング状突起又はOリング部分で計測される封
止部材の外径は、導電基板開口部の口径よりも0.1〜
2mm程度、好ましくは0.2〜1.0mm程度大きい
のが通例である。本発明の封止部材にあっては、そのリ
ング状突起又はOリングが2枚の導電基板に設けたそれ
ぞれの開口部を閉鎖する役割を果たすが、一方の導電基
板開口部だけを閉鎖し、他方の導電基板開口部を開放状
態に維持したい場合には、上記のリング状突起又はOリ
ングが、電解質又はそん前駆体の漏れを防止するストッ
パーとして機能する。Oリングの太さは、通常、0.0
5〜1.5mm、好ましくは0.3〜1mmの範囲で選
ばれるが、太さは対向する導電基板の間隔と同程度か若
干大きいことが望ましい。本発明で使用可能な封止部材
の本体(リング状突起又はOリングを除く部分を指す)
は、電解質又はその前駆体に耐性を備えていれば、任意
の材料で製造可能であって、必ずしも弾性を備えている
必要はない。封止部材本体の製造に使用可能な材料の第
一の例は、カーボンファイバー、ポリプロピレン等のプ
ラスチック類やステンレススチール等の如く弾性に乏し
い又は弾性を殆ど持たない材料である。第二の例は、そ
れ自身弾性変形可能な天然ゴム又は合成ゴムであって、
この場合の合成ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジ
エンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチ
レンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホ
ン化ポリエチレン、ニトリルゴム、ウレタンゴム、多硫
化ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリ
コーンゴム、フッ素ゴム、水素化ニトリルゴム等を挙げ
ることができる。リング状突起又はOリングは、上記し
た天然ゴム又は合成ゴムで製造するのが通例である。リ
ング状突起又はOリングは、封止部材本体と一体成形さ
れてもよく、また別途作製してこれを封止部材本体と接
合させてもよい。なお、電解質又はその前駆体をセル内
に注入するに際しては、2枚の導電基板の開口部の両方
を封止部材で封鎖することなく、真空注入法によってセ
ル内部に電解質又はその前駆体を注入し、注入完了後、
両方の開口部を本発明の封止部材で一挙に封鎖すること
もできる。
【0011】本発明によれば、一方の導電基板の開口部
だけが封止部材で封鎖されたセルの内部には、他方の導
電基板の開口部を介して、電解質又はその前駆体が真空
注入法で注入されるが、この電解質又はその前駆体を次
に説明する。本発明のエレクトロクロミック素子用セル
に用いられる電解質は、エレクトロクロミック性物質を
着色、消色、色変化等をさせることができるものである
限り特に限定されないが、通常は室温で1×10-7S/
cm以上のイオン伝導度を示す物質であることが好まし
い。電解質としては、液系電解質、ゲル化液系電解質あ
るいは固体系電解質等を用いることができる。本発明に
おいては、特に固体系電解質が望ましい。液系電解質と
しては、溶媒に塩類、酸類、アルカリ類等の支持電解質
を溶解したもの等を用いることができる。この場合の溶
媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に
限定されないが、特に極性をするものが好ましい。具体
的には水の外、メタノール、エタノール、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキ
シド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロ
ラクトン、スルホラン、1、3ージオキサン、N,N−
ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、テ
トラヒドロフランなどの有機極性溶媒が挙げられ、好ま
しくは、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセト
ニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1、3ー
ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−
ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの有機極性
溶媒が好ましい。これらは単独もしくは混合物として使
用できる。支持電解質としての塩類も特に限定されず、
各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機
イオン塩や4級アンモニウム塩や環状4級アンモニウム
塩などがあげられ、具体的にはLiClO4 、LiSC
N、LiBF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 、L
iPF6 、LiI、NaI,NaSCN,NaCl
4 、NaBF4 、NaAsF6 、KSCN、KCl等
のLi、Na、Kのアルカリ金属塩等や、(CH3 4
NBF4 、(C2 5 4 NBF4 、(n−C49
4 NBF4 、(C2 5 4 NBr、(C2 5 4
ClO4 、(n−C4 9 4 NClO4 等の4級アン
モニウム塩および環状4級アンモニウム塩等、もしくは
これらの混合物が好適なものとして挙げられる。支持電
解質としての酸類も特に限定されず、無機酸、有機酸な
どが使用でき、これには硫酸、塩酸、リン酸類、スルホ
ン酸類、カルボン酸類など包含される。支持電解質とし
てのアルカリ類も特に限定されず、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが使用できる。
【0012】ゲル化液系電解質としては、前記液系電解
質に、さらにポリマーを含有させたり、ゲル化剤を含有
させたりして粘稠液としたもの若しくはゲル状としたも
の等が使用できる。この場合に使用されるポリマーは特
には限定されず、例えば、ポリアクリロニトリル、カル
ボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリウレタン、ポリウレタン、ポリアク
リレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリアク
リルアミド、セルロース、ポリエステル、ポリプロピレ
ンオキサイド、ナフィオンなどが使用できる。ゲル化剤
も特には限定されず、例えば、オキシエチレンメタクリ
レート、オキシエチレンアクリレート、ウレタンアクリ
レート、アクリルアミド、寒天などが使用できる。な
お、ゲル化液系電解質は、ポリマーの前駆体モノマーや
ゲル化剤の前駆体を液系電解質と混合してこれをセル内
に注入した後、重合又はゲル化させることで対向する導
電基板の間に挟持させることができる。
【0013】固体系電解質は、室温で固体であり、かつ
イオン導電性を有するものであれば特に限定されず、そ
の具体例としては、ポリエチレンオキサイド、オキシエ
チレンメタクリレートのポリマー、ナフィオン、ポリス
チレンスルホン酸、Li3 N、Na- β- Al2 3
In(HPO4 2 ・H2 Oなどが挙げることができ、
特にオキシアルキレンメタクリレート系化合物、オキシ
アルキレンアクリレート系化合物またはウレタンアクリ
レート系化合物を前駆体の主成分とし、当該前駆体を重
合することによって得られる高分子化合物等を用いた高
分子固体電解質が好ましい。前記高分子固体電解質の第
1の例は、下記一般式(1)で示されるウレタンアクリ
レートと有機極性溶媒と支持電解質を含む組成物(以下
組成物Aと略す)を前駆体とし、当該前駆体を固化する
ことにより得られる高分子固体電解質である。
【化1】 (式中R1 およびR2 は同一または異なる基であって、
一般式(2)〜(4)から選ばれる基を示し、R3 およ
びR4 は同一または異なる基であって、炭素数1〜2
0、好ましくは2〜12の2価炭化水素残基を示す。Y
はポリエーテル単位、ポリエステル単位、ポリカーボネ
ート単位又はこれらの混合単位を示す。またnは1〜1
00の範囲の整数を示す。)
【化2】
【化3】
【化4】 一般式(2)〜(4)において、R5 〜R7 は同一また
は異なる基であって、水素原子または炭素数1〜3のア
ルキル基を示す。またR8 は炭素数1〜20、好ましく
は2〜8の2〜4価有機残基を示す。そして、この有機
残基の具体例としては、アルキルトリル基、アルキルテ
トラリル基及び下記一般式(5)で示されるアルキレン
基等が挙げられる。
【化5】 一般式(5)のR9 は炭素数1〜3のアルキル基または
水素を示し、p は0〜6の整数を示す。pが2以上の場
合R9 は同一でも異なっても良い。前記炭化水素残基
は、水素原子の一部が炭素数1〜6、好ましくは1〜3
のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基な
どの含酸素炭化水素基により置換されている基でもよ
い。一般式(4)のR8 としては好ましい具体例を例示
するれば、次のとおりである。 一般式(1)のR3 およびR4 で示される炭化水素残基
としては、鎖状2価炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂
環炭化水素基などが挙げられる。鎖状2価炭化水素基と
しては、下記一般式(5)で示されるアルキレン基等を
挙げることができる。また、芳香族炭化水素基および脂
環炭化水素基としては、下記一般式(6)〜(8)で示
される炭化水素基が挙げられる。
【化6】
【化7】
【化8】 一般式(6)〜(8)中、R10およびR11は同一または
異なる基であって、フェニレン基、置換フェニレン基
(アルキル置換フェニレン基等)、シクロアルキレン
基、置換シクロアルキレン基(アルキル置換シクロアル
キレン基等)を示す。R12〜R15は同一または異なる基
であって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を
示す。また、qは1〜5の整数を示す。一般式(1)に
於けるR3 およびR4 の具体例は、下記の一般式(9)
〜(15)で例示できる。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】 一般式(1)のYで示されるポリエーテル単位、ポリエ
ステル単位、ポリカーボネート単位およびこれらの混合
単位は、それぞれ下記の一般式(a)〜(d)で示すこ
とができる。
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】 一般式(a)〜(d)に於いて、R16〜R21は同一また
は異なる基であって、炭素数1〜20、好ましくは2〜
12の2価の炭化水素残基を示す。特にR19は、炭素数
2〜6程度が好ましい。前記R16〜R21としては、直鎖
または分岐のアルキレン基などが好ましく、具体的に
は、R18としてメチレン基、エチレン基、トリメチレン
基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチ
レン基、プロピレン基等が好ましい。また、R16〜R17
およびR19〜R21としてはエチレン基、プロピレン基な
どが好ましい。また、mは2〜300、好ましくは10
〜200の整数を示し、rは1〜300、好ましくは2
〜200の整数を、sは1〜200、好ましくは2〜1
00の整数を、tは1〜200、好ましくは2〜100
の整数を、uは1〜300、好ましくは10〜200の
整数をそれぞれ示す。また、一般式(a)〜(d)に於
いて、各単位は同一でも、異なる単位の共重合でも良
い。即ち、複数のR16〜R21が存在する場合、R16
志、R17同志、R18同志、R19同志、R20同志およびR
21同志は同一でも異なっても良い。前記共重号体の例と
してはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共
重合単位などが特に好適な例として挙げられる。一般式
(1)のnは好ましくは1〜50、さらに好ましくは1
〜20の範囲の整数である。一般式(1)で示されるウ
レタンアクリレートの分子量は、2,500〜30,0
00、好ましくは3,000〜20,000の範囲にあ
り、1分子中の重合官能基数は、好ましくは2〜6、さ
らに好ましくは2〜4の範囲にある。一般式(1)で示
されるウレタンアクリレートは、公知の方法により容易
に製造することができ、その製法は特に限定されるもの
ではない。
【0014】組成物Aを構成する有機極性溶媒として
は、極性を有し支持電解質を溶解できるものであれば限
定されないが、好適なものとしては、プロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,3−ジオキ
サン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメト
キシエタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等の
単独または2種以上の混合物を挙げることができる。有
機極性溶媒の添加量はウレタンアクリレート100重量
部に対して通常100〜1200重量部、好ましくは2
00〜900重量部%の範囲で選ばれる。有機極性溶媒
の添加量が少なすぎると、イオン伝導度も十分ではな
く、多すぎると機械強度が低下してしまう場合がある。
組成物Aを構成する支持電解質は、最終的に得られる素
子の用途などに応じて適宜選択され、通常は先に説明し
た液系電解質が好適に使用される。添加量は有機極性溶
媒に対して、0.1〜30重量%、好ましくは1〜20
重量%の範囲で選ばれる。上記した第1の高分子固体電
解質は、前記ウレタンアクリレート、有機極性溶媒およ
び支持電解質を基本成分とする組成物A(前駆体)を固
化させることにより得られるが、この組成物Aには本発
明の目的が損なわれない限り、任意成分を必要に応じて
加えることができる。この種の任意成分としては、例え
ば、架橋剤、重合開始剤(光または熱)などが挙げられ
る。第1の高分子固体電解質は、組成物Aを適宜公知の
方法により、セルを構成する導電基板に設けた開口部か
らセル内に注入した後、固化させることで対向する導電
基板の間に挟持させることができる。ここでいう固化と
は、重合性または架橋性の成分が、重合(重縮合)や架
橋の進行にともない硬化し、組成物全体として常温にお
いて実質的に流動しない状態となることをいう。なお、
ウレタンアクリレートは、固化によってネットワーク状
の基本構造をとる。
【0015】高分子固体電解質の第2の例は、単官能ア
クリロイル変性ポリアルキレンオキシド及び/又は多官
能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドと、有機極
性溶媒と、支持電解質を含む組成物(以下組成物Bと略
す)を前駆体とし、当該前駆体を固化することにより得
られる高分子固体電解質が挙げられる。上記の単官能ア
クリロイル変性ポリアルキレンオキシドは下記一般式
(16)で表すことができる。
【化20】 (式中、R22,R23,R24およびR25は、各々水素また
は1〜5の炭素原子を有するアルキル基を示し、nは1
以上の整数を示す。) 一般式(16)に於いて、R22,R23,R24およびR25
がアルキル基である場合、そのアルキル基としては、メ
チル基、エチル基、i-プロピル基、n-プロピル基、n-ブ
チル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等が挙げられる。R
22〜R25は互いに同一でも異なってもよく、特にR22
水素、メチル基、R23は水素、メチル基、特にR24は水
素、メチル基、R25は水素、メチル基、エチル基が好ま
しい。また、nで示される整数は、通常1≦n≦10
0、好ましくは2≦n≦50、さらに好ましくは2≦n
≦30の範囲にある。一般式(16)で示される単官能
アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドとして、オキ
シアルキレンユニットを1〜100、好ましくは2〜5
0、さらに好ましくは1〜20の範囲で持つメトキシポ
リエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリプ
ロピレングリコールメタクリレート、エトキシポリエチ
レングリコールメタクリレート、エトキシポリプロピレ
ングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレング
リコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコ
ールアクリレート,エトキシポリエチレングリコールア
クリレート、エトキシポリプロピレングリコールアクリ
レート等と、これらの混合物を挙げることができる。ま
た、一般式(16)のnが2以上の場合、オキシアルキ
レンユニットが互いに異なるいわゆる共重合オキシアル
キレンユニットを持つものでもよく、例えば、オキシエ
チレンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲
で持ち、かつオキシプロピレンユニットを1〜50、好
ましくは1〜20の範囲で持つところの、メトキシポリ
(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリレート、
エトキシポリ(エチレン・プロピレン)グリコールメタ
クリレート、メトキシポリ(エチレン・プロピレン)グ
リコールアクリレート、エトキシポリ(エチレン・プロ
ピレン)グリコールアクリレート等と、これらの混合物
を挙げることができる。
【0016】組成物Bに使用可能な多官能アクリロイル
変性ポリアルキレンオキシドとしては、一般式(17)
で示されるいわゆる2官能アクリロイル変性ポリアルキ
レンオキシドと、一般式(18)で示される3官能以上
の多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドを挙
げることができる。
【化21】 (式中、R26,R27,R28およびR29は、各々水素また
は1〜5の炭素原子を有するアルキル基を示し、mは1
以上の整数を示す。)
【化22】 (式中、R30,R31およびR32は、各々水素または1〜
5の炭素原子を有するアルキル基を示し、pは1以上の
整数を示し、qは2〜4の整数を示し、Lはq価の連結
基を示す。) 一般式(17)のR26〜R29がアルキル基である場合、
そのアルキル基としては、メチル基、エチル基、i-プロ
ピル基、n-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、n-ペ
ンチル基等が挙げられる。特にR26は水素、メチル基、
27は水素、メチル基、特にR28は水素、メチル基、R
29は水素、メチル基が好ましい。一般式(17)のmが
示す整数は、通常1≦m≦100、好ましくは2≦m≦
50、さらに好ましくは2≦m≦30の範囲にある。一
般式(17)で示される化合物の具体例には、オキシア
ルキレンユニットを1〜100、好ましくは2〜50、
さらに好ましくは1〜20の範囲で持つポリエチレング
リコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール
ジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート等と
その混合物がある。また、一般式(17)のmが2以上
の場合、オキシアルキレンユニットが互いに異なるいわ
ゆる共重合オキシアルキレンユニットを持つものでもよ
く、例えば、オキシエチレンユニットを1〜50、好ま
しくは1〜20の範囲で持ち、かつオキシプロピレンユ
ニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持つと
ころの、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールジメ
タクリレート、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコー
ルジアクリレート等とその混合物が挙げられる。一般式
(18)のR30〜R32がアルキル基である場合、そのア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、i-プロピル
基、n-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチ
ル基等が挙げられる。特にR30,R31およびR32は水
素、メチル基が好ましい。また、一般式(18)のpが
示す整数は、通常1≦p≦100、好ましくは2≦p≦
50、さらに好ましくは2≦p≦30の範囲にある。一
般式(17)の連結基Lは、通常、炭素数1〜30、好
ましくは1〜20の二価、三価または四価の炭化水素基
である。二価炭化水素基としては、アルキレン基、アリ
ーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン
基またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基など
が挙げられ、具体的には (Bzはベンゼン環を示す。以下同じ)などが挙げられ
る。また、三価の炭化水素基としては、アルキルトリル
基、アリールトリル基、アリールアルキルトリル基、ア
ルキルアリールトリル基またはこれらを基本骨格として
有する炭化水素基などが挙げられ、具体的には などが挙げられる。また、四価の炭化水素基としては、
アルキルテトラリル基、アリールテトラリル基、アリー
ルアルキルテトラリル基、アルキルアリールテトラリル
基またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基など
が挙げられ、具体的には 等が挙げられる。一般式(18)で示される化合物の具
体例には、オキシアルキレンユニットを1〜100、好
ましくは2〜50、さらに好ましくは1〜20の範囲で
持つトリメチロールプロパントリ(ポリエチレングリコ
ールアクリレート)、トリメチロールプロパントリ(ポ
リエチレングリコールメタクリレート)、トリメチロー
ルプロパントリ(ポリプロピレングリコールアクリレー
ト)、トリメチロールプロパントリ(ポリプロピレング
リコールメタクリレート)、テトラメチロールメタンテ
トラ(ポリエチレングリコールアクリレート)、テトラ
メチロールメタンテトラ(ポリエチレングリコールメタ
クリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリプ
ロピレングリコールアクリレート)、テトラメチロール
メタンテトラ(ポリプロピレングリコールメタクリレー
ト)、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリエトキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタク
リロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−
ビス[4−(アクリロキシポリイソプロポキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシポ
リイソプロポキシ)フェニル]プロパン等とその混合物
を挙げることができる。また、一般式(18)のpが2
以上の場合、オキシアルキレンユニットが互いに異なる
いわゆる共重合オキシアルキレンユニットを持つもので
もよく、例えば、オキシエチレンユニットを1〜50、
好ましくは1〜20の範囲で持ち、かつオキシプロピレ
ンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持
つところの、トリメチロールプロパントリ(ポリ(エチ
レン・プロピレン)グリコールアクリレート)、トリメ
チロールプロパントリ(ポリ(エチレン・プロピレン)
グリコールメタクリレート)、テトラメチロールメタン
テトラ(ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールアク
リレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリ(エ
チレン・プロピレン)グリコールメタクリレート)等と
その混合物が挙げられる。一般式(17)で示される2
官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドと一般式
(18)で表される3官能以上の多官能アクリロイル変
性ポリアルキレンオキシドは併用可能である。併用する
場合、一般式(17)の化合物/一般式(18)の化合
物の重量比は、通常0.01/99.9〜99.9/
0.01、好ましくは1/99〜99/1、さらに好ま
しくは20/80〜80/20の範囲にある。また、一
般式(16)で示される単官能アクリロイル変性ポリア
ルキレンオキシドと、一般式(17)〜(18)で示さ
れる多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドを
併用する場合、前者/後者の重量比は、通常、1/0.
001〜1/1、好ましくは1/0.05〜1/0.5
の範囲である。組成物Bの有機極性溶媒及び支持電解質
には、組成物Aについて説明した有機極性溶媒及び支持
電解質が使用可能であって、有機極性溶媒の配合割合
は、単官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドと
多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドの重量
和に対して、通常50〜800重量%、好ましくは10
0〜500重量%の範囲にある。また、支持電解質の配
合割合は、単官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキ
シドと多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシド
の重量和に対して、通常1〜30重量%、好ましくは3
〜20重量%の範囲にある。組成物Bには、本発明の目
的を損なわない限り、必要に応じて任意成分を配合する
ことができ、そうした任意成分としては、光重合のため
の光重合開始剤や熱重合するための熱重合開始剤等を挙
げることができる。重合開始剤の使用量は、単官能アク
リロイル変性ポリアルキレンオキシドと多官能アクリロ
イル変性ポリアルキレンオキシドの重量和に対して、通
常0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量
%の範囲にある。上記した第2の高分子固体電解質は、
組成物Bを適宜公知の方法により、セルを構成する導電
基板に設けた開口部からセル内に注入した後、固化させ
ることで対向する導電基板の間に挟持させることができ
る。ここでいう固化とは、重合性または架橋性の成分、
例えば単官能または多官能アクリロイル変性ポリアルキ
レンオキシドなどが、重合(重縮合)や架橋の進行にと
もない硬化し、組成物全体として常温において実質的に
流動しない状態となることをいう。なお、この場合、通
常単官能または多官能アクリロイル変性ポリアルキレン
オキシドはともににネットワーク状の基本構造をとる。
【0017】本発明によれば、上記した液系電解質、ゲ
ル化液系電解質、固体系電解質のいずれかをセル内に注
入するのが通例であるが、これ以外の電解質をセル内に
注入しても差し支えないことは勿論である。ゲル化液系
電解質と固体系電解質は、それぞれ前駆体の状態でセル
内に注入される。セルに注入する電解質又はその前駆体
には、先に説明したとおり、必要に応じて、予めエレク
トロクロミック性物質を含有させて置くことができる。
そして、注入に際しては、導電基板同志の間隙に電解質
又はその前駆体を満遍なく充満させることができる方法
が適宜採用される。一般的には、セルの中空部分を排気
して理想的には略真空とし、この状態を保持したまま、
大気圧下にある液状の電解質又はその前駆体に、セルの
注入口を沈めて、セル内外の圧力差を利用してセル内に
液体を供給する真空注入法が利用される。セルへの注入
が完了した後は、前駆体がゲル化又は固化する前に、一
方の導電基板の開口部に既に押し込まれている封止部材
をさらに押し込むことにより、他方の導電基板の開口部
が封鎖される。次いで、開口部近傍の導電基板表面に付
着した電解質又はその前駆体を洗浄除去し、しかる後、
導電基板に埋め込まれた封止部材と導電基板とを接着剤
にて接合する。接着剤には、光硬化型、熱硬化型、常温
硬化型、電子線硬化型等の各種封止用接着剤を使用する
ことができ、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系等
の接着剤は勿論のこと、他種の接着剤も適宜使用でき
る。例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹
脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニ
ルアルコール、アクリル及びメタクリル酸エステル、シ
アノアクリル酸エステル、ポリアミド等が挙げられ、こ
れらは単品で用いても混合して用いてもよい。また、こ
れらを変成したり、フィラーを加えたりしもものであっ
ても差し支えない。耐溶剤性の点から特にエポキシ樹脂
が優れている。また、アクリル変成したエポキシ樹脂で
光硬化型のものも特に優れている。この場合のアクリル
変成エポキシ樹脂としては、エポキシ残基1モルに対し
てアクリル残基が0.01〜0.3モル、好ましくは
0.05〜0.2モル含有するアクリル変成エポキシ樹
脂が適している。封止用接着剤の熱硬化は、各種のオー
ブン、赤外線ヒーター、電熱ヒーター、面状発熱体等が
利用でき、硬化温度は室温〜150℃、好ましくは室温
〜100℃の範囲が選ばれる。硬化時間は素子のエレク
トロクロミック特性を損なわない限り限定されるない
が、通常は24時間以内、好ましくは1時間以内であ
る。光硬化には、低圧、高圧、超高圧の各水銀ランプ、
キセノンランプ、白熱ランプ、レーザー光等が利用でき
る。露光に際しては、素子全面を均一露光しても差し支
えなく、また、光源を移動させたり、光ファイバー等の
導光材料もしくはミラー等を用いて集光したスポット光
を走査させる逐次露光を採用してもよい。実用上好まし
いのは、100〜1KWの超高圧水銀ランプあるいはキ
セノン−水銀ランプを用いる方法で、なかでも、200
〜500Wのキセノン−水銀ランプを光源とし、光ファ
イバーを用いて導光する方法である。
【0018】
【発明の効果】本発明の方法によれば、セル内に注入さ
れた電解質又はその前駆体は、封止部材によって外界の
影響から遮断させるので導電基板開口部近傍に付着した
電解質又はその前駆体を充分洗浄除去することができ、
その結果として、接着剤の接着性能が電解質又はその前
駆体によって損なわれることがない。また、注入口が導
電基板に設けられている関係で、セルが大型化してもセ
ルの変形に起因して封止部材が逸脱する懸念もなく、加
えて、封止部材は接着剤によって基板に接合されている
ので、封止部分の耐久性が向上する。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する
が、これらの実施例は本発明を限定するものではない。 実施例1エレクトロクロミック素子用対向電極の作製 活性炭粉末(商品名:YR17 クラレ製)80g、グ
ラファイト(商品名:USSP 日本黒鉛商事社製)4
0g、シリコンレジン(商品名:RZ7703日本ユニ
カー社製)343g及びブチルセロソルブ25gを混合
し、活性炭ペーストと調製した。次いで表面抵抗10Ω
/sq、厚さ2mm、50cm×50cmのITOガラ
ス板(ガラス板上にIn2 3:Snターゲットを用いて
スパッタリング成膜した膜厚2500オングストローム
の透明導電性ガラス)の上に、上記の活性炭ペーストを
ストライプパターン部材に用いてスクリーン印刷を行
い、ストライプ幅500μm、高さ100μmのストラ
イプパターンを等間隔で形成させた。印刷面積は全面積
の20%であった。その後、180℃で90分熱硬化さ
せ、対向電極を作製した。エレクトロクロミック素子用発色電極の作製 表面抵抗10Ω/sq、厚さ2mm、50cm×50c
mのITOガラス板上に、常温に於いて10〜30オン
グストローム/sの条件で、膜厚が5000オングスト
ロームとなるように酸化タングステンを蒸着して発色電
極を作製した。上記のように作製した2枚の基板(対向
電極板と発色電極板)のそれぞれの辺から約1cmの距
離の同一位置に4mmφの開口部を設けた。次いで、2
枚の基板を開口部が向かい合うよう500μmの間隔で
対向させ、その周縁部全てをシールすることで中空のセ
ルを作成した。シールに際しては、5mm幅のブチルゴ
ムを1次シール材に使用し、2次シール材としては、熱
硬化型エポキシ系接着剤を5mm幅で塗布し、90℃で
1時間硬化させた。しかる後、長さ4.0mm、直径
4.2mmφのブチルゴム製円柱状封止部材(略中央部
に幅1mm、高さ0.5mmのリング状突起を備える)
を、一方の基板の開口部に押し込んでここを封鎖し、他
方の基板の開口部だけで外気を連通するセルを作成し
た。次にγ−ブチロラクトンを溶媒としたLiClO4
の支持電解質を含む電解液(濃度1mol/L)を調製
し、脱気後、これを真空注入法により先に作成した中空
セル内に注入した。注入完了後、前記の封止部材のリン
グ状突起がセルの基板の間に達するまで、封止部材を押
し込んで他方の基板の開口部を封鎖した。次に、封止部
材近傍の基板表面に付着している電解液をエタノールに
て洗浄除去した後、スリーボンド製光硬化性接着剤3025
を封止部分に塗布し、当該部分を高圧水銀灯にて400
0mJ照射して接着剤を硬化させ、封止部分の接合を完
了してエレクロトクロミック素子を作製した。得られた
エレクトロクロミック素子の発色電極側が負極、対向電
極側が正極になるように1.5Vを150秒間印可した
ところ、青色に均一に着色し、着色時の光学密度変化を
下記の着消色試験で測定したところ、素子の中心部で
0.50であった。続いて、エレクトロクロミック素子
の発色電極側が正極、対向電極側が負極となるように1
Vの電圧を60秒間印可したところ、着色は素子全面に
わたり速やかに消色した。また、上記のエレクトロクロ
ミック素子を温度65℃、湿度95%のオーブン内に1
000時間放置した。素子をオーブンから取り出して観
察したところ、封止部の剥離は認められなかった。次い
でこの素子の4隅の下に5cm立方のアクリル製支持体
をあてがい、素子が自重で変形できる状態に放置した。
1ヶ月後に素子を観察した結果、封止部の剥離は認めら
れなかった。着消色試験 ビームエキスパンダーで直径約20mmに拡大されたH
e−Neレーザーの633nmの光を、エレクトロクロ
ミック素子の中央を通過するように照射し、その透過光
をSiフォトダイオードで計測する。素子に消色電圧を
印可して消色した時の透過光量TBleachを求め、しかる
後、着色電圧をエレクトロクロミック素子に印可すると
同時に5s間隔で透過光量を測定する。着色電圧印可
後、t秒経過した時の透過光量をT(t)とし、この時
の光学密度変化を下記の式で定義する。 光学密度変化=log [TBleach/T(t)] (log は
常用対数である) 実施例2 γ−ブチロラクトンを溶媒としたLiClO4 の支持電
解質を含む電解液(濃度1mol/L)に、メトキシテ
トラエチレングリコールメタクリレートを20重量%添
加し、光硬化触媒としてダロキュアー1173を0.02重
量%添加して光硬化型電解液を調製した。この電解液を
用いた以外は実施例1と同様にしてセルへの電解液の注
入並びに注入口の封止を行った。光硬化性接着剤による
2次封止後、高圧水銀灯にてセル内の電解液を20Jの
照度で硬化させてエレクロトクロミック素子を作製し
た。得られたエレクトロクロミック素子の発色電極側が
負極、対向電極側が正極になるように1.5Vを150
秒間印可したところ、青色に均一に着色し、着色時の光
学密度を実施例1と同様の着消色試験で評価したとこ
ろ、素子の中心部で0.48であった。続いて、エレク
トロクロミック素子の発色電極側が正極、対向電極側が
負極となるように1Vの電圧を60秒間印可したとこ
ろ、着色は素子全面にわたり速やかに消色した。また、
当該エレクトロクロミック素子を温度65℃、湿度95
%のオーブン内に1000時間放置した。素子をオーブ
ンから取り出して観察したところ、封止部の剥離は認め
られなかった。 実施例3 基板間の間隔を200μmに変更し、封止部材のリング
状突起を幅0.5mm、高さ0.5mmに変更した以外
は実施例1と同様にしてセルを作成し、このセルに実施
例1と同様な電解液を真空注入法で注入した後、実施例
1と同様な手順でエレクトロクロミック素子用セルを製
造した。得られたエレクトロクロミック素子の発色電極
側が負極、対向電極側が正極になるように1.5Vを1
50秒間印可したところ、青色に均一に着色し、着色時
の光学密度変化を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、素子の中心部で0.50であった。続いて、エレク
トロクロミック素子の発色電極側が正極、対向電極側が
負極となるように1Vの電圧を60秒間印可したとこ
ろ、着色は素子全面にわたり速やかに消色した。また、
上記の素子を温度65℃、湿度95%のオーブン内に1
000時間放置した。素子をオーブンから取り出して観
察したところ、封止部の剥離は認められなかった。 実施例4 リング状突起を有するブチルゴム製封止部材に代えて、
本体がステンレススチール製で、これに太さ1mm、外
径4.5mmφのブチルゴム製Oリングを備えた封止部
材を用いた以外は、実施例1と全く同様にしてエレクト
ロックロミック素子を作製した。得られたエレクトロク
ロミック素子の発色電極側が負極、対向電極側が正極に
なるように1.5Vを150秒間印可したところ、青色
に均一に着色し、着色時の光学密度変化を実施例1と同
様にして測定したところ、素子の中心部で0.50であ
った。続いて、エレクトロクロミック素子の発色電極側
が正極、対向電極側が負極となるように1Vの電圧を6
0秒間印可したところ、着色は素子全面にわたり速やか
に消色した。また、上記のエレクトロクロミック素子を
温度65℃、湿度95%のオーブン内に1000時間放
置した。素子をオーブンから取り出して観察したとこ
ろ、封止部の剥離は認められなかった。次いでこの素子
の4隅の下に5cm立方のアクリル製支持体をあてが
い、素子が自重で変形できる状態に放置した。1ヶ月後
に素子を観察した結果、封止部の剥離は認められなかっ
た。 実施例5 リング状突起を有するブチルゴム製封止部材に代えて、
本体がステンレススチール製で、これに太さ1mm、外
径4.5mmφのブチルゴム製Oリングを備えた封止部
材を用いた以外は、実施例2と全く同様にしてエレクト
ロックロミック素子を作製した。得られたエレクトロク
ロミック素子の発色電極側が負極、対向電極側が正極に
なるように1.5Vを150秒間印可したところ、青色
に均一に着色し、着色時の光学密度を実施例1と同様の
着消色試験で評価したところ、素子の中心部で0.48
であった。続いて、エレクトロクロミック素子の発色電
極側が正極、対向電極側が負極となるように1Vの電圧
を60秒間印可したところ、着色は素子全面にわたり速
やかに消色した。また、当該エレクトロクロミック素子
を温度65℃、湿度95%のオーブン内に1000時間
放置した。素子をオーブンから取り出して観察したとこ
ろ、封止部の剥離は認められなかった。 実施例6 基板間の間隔を200μmに変更し、リング状突起を有
するブチルゴム製封止部材に代えて、本体がステンレス
スチール製で、これに太さ0.5mm、外径4.5mm
φのブチルゴム製Oリングを備えた封止部材を用いた以
外は、実施例1と全く同様にしてエレクトロックロミッ
ク素子を作製した。得られたエレクトロクロミック素子
の発色電極側が負極、対向電極側が正極になるように
1.5Vを150秒間印可したところ、青色に均一に着
色し、着色時の光学密度変化を実施例1と同様にして測
定したところ、素子の中心部で0.50であった。続い
て、エレクトロクロミック素子の発色電極側が正極、対
向電極側が負極となるように1Vの電圧を60秒間印可
したところ、着色は素子全面にわたり速やかに消色し
た。また、上記のエレクトロクロミック素子を温度65
℃、湿度95%のオーブン内に1000時間放置した。
素子をオーブンから取り出して観察したところ、封止部
の剥離は認められなかった。 比較例1 基板の表面に開口部を設ける代わりに、対向する2枚の
基板の周縁部に施すシールの一部を省略し、セルの端面
に10mm幅の開口部を設けた以外は実施例1と同一寸
法のセルを作成した。次いで、γ−ブチロラクトンを溶
媒としたLiClO4 の支持電解質を含む電解液(濃度
1mol/L)を、真空注入法を用いて上記のセル内に
注入し、注入口をエタノールにて洗浄除去した後、スリ
ーボンド製光硬化性接着剤3025を注入口に塗布し、当該
部分を高圧水銀灯にて4000mJの照度で硬化させ、
封止を行った。得られたエレクトロクロミック素子を温
度65℃、湿度95%のオーブン内に放置した。400
時間経過後、素子をオーブンから取り出して観察したと
ころ、封止部に剥離が認められた。 比較例2 比較例1と全く同様にして得られたエレクトロクロミッ
ク素子の4隅の下に、5cm立方のアクリル製支持体を
あてがい、素子が自重で変形できる状態に放置した。1
週間後に素子を観察したところ、封止部の一部に剥離が
認められた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一部位に同一形状の開口部をそれぞれ
    有する少なくとも1枚が透明な2枚の導電基板を、それ
    ぞれの開口部が向き合うように間隔をもって対向させて
    その周縁部すべてをシールしてエレクトロクロミック素
    子用の中空セルを作成する工程と、セルを構成する2枚
    の導電基板の各開口部を封鎖できる寸法を備えた弾性変
    形可能な封止部材を一方の開口部に装着する工程と、開
    放状態で残された他方の開口部から、電解質又はその前
    駆体を真空注入法によって中空セル内に充満させる工程
    と、電解質又はその前駆体の注入に利用した前記開口部
    を、前記封止部材の押し込みによって封鎖する工程と、
    2つの開口部を貫通する前記封止部材を接着剤によって
    各導電基板に接着させる工程からなることを特徴とする
    エレクトロクロミック素子の製造方法。
JP10103407A 1998-03-30 1998-03-30 エレクトロクロミック素子の製造方法 Pending JPH11282020A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10103407A JPH11282020A (ja) 1998-03-30 1998-03-30 エレクトロクロミック素子の製造方法
US09/280,321 US6425792B1 (en) 1998-03-30 1999-03-29 Method for producing an electrochromic device
EP99850053A EP0947875A3 (en) 1998-03-30 1999-03-30 Method for producing an electrochromic device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10103407A JPH11282020A (ja) 1998-03-30 1998-03-30 エレクトロクロミック素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11282020A true JPH11282020A (ja) 1999-10-15

Family

ID=14353208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10103407A Pending JPH11282020A (ja) 1998-03-30 1998-03-30 エレクトロクロミック素子の製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6425792B1 (ja)
EP (1) EP0947875A3 (ja)
JP (1) JPH11282020A (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6407847B1 (en) 2000-07-25 2002-06-18 Gentex Corporation Electrochromic medium having a color stability
US7990603B2 (en) 2006-06-09 2011-08-02 Gentex Corporation Variable transmission window system
US7535614B1 (en) 2008-05-27 2009-05-19 Gentex Corporation Electrical window control system and method thereof
KR101156534B1 (ko) * 2009-12-28 2012-06-20 삼성에스디아이 주식회사 광전변환소자
US9405165B2 (en) 2012-03-30 2016-08-02 Gentex Corporation Controller configured for an electro-optic device and method thereof
WO2015051262A1 (en) 2013-10-04 2015-04-09 Gentex Corporation Variable transmittance window system
WO2015077313A1 (en) 2013-11-19 2015-05-28 Gentex Corporation Reducing condensation in dimmable window systems
US9586669B2 (en) 2013-11-25 2017-03-07 Gentex Corporation Aerospace protective dust cover
EP3152111B1 (en) 2014-06-05 2020-07-29 Gentex Corporation Dust cover assembly with edge light
US9694752B2 (en) 2014-11-07 2017-07-04 Gentex Corporation Full display mirror actuator
WO2016201087A1 (en) 2015-06-09 2016-12-15 Gentex Corporation Retention of an electro-optic window assembly
WO2016201112A1 (en) 2015-06-09 2016-12-15 Gentex Corporation Multi-piece bezel for electro-optic window assembly
CN109072666A (zh) 2016-05-20 2018-12-21 金泰克斯公司 电光窗户控制系统

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4023259A (en) * 1971-04-09 1977-05-17 Kabushiki Kaisha Suwa Seikosha Method of making liquid crystal display device having extended service life
US3808769A (en) * 1972-09-05 1974-05-07 Rca Corp Liquid crystal device closure method
FR2393386A1 (fr) * 1977-06-01 1978-12-29 Commissariat Energie Atomique Cellule d'affichage electrolytique a ecran poreux
NL7800275A (nl) * 1978-01-10 1979-07-12 Philips Nv Weergeefinrichting bevattende een vloeibaar weergeefmedium.
JPS5691220A (en) * 1979-12-25 1981-07-24 Seiko Epson Corp Electrochromic display body
JPH02114237A (ja) 1988-10-24 1990-04-26 Toyota Motor Corp エレクトロクロミックディスプレイのシール方法
JPH06250230A (ja) 1993-02-25 1994-09-09 Tonen Corp エレクトロクロミック素子及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP0947875A2 (en) 1999-10-06
EP0947875A3 (en) 2000-07-12
US6425792B1 (en) 2002-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3871165B2 (ja) エレクトロクロミック素子の製造方法
JPH11282019A (ja) エレクトロクロミック素子の製造方法
JP3752010B2 (ja) 調光素子
JPH11282020A (ja) エレクトロクロミック素子の製造方法
JPH10239716A (ja) エレクトロクロミック素子用対向電極及び素子
JPH1138454A (ja) エレクトロクロミックミラー
JP2000131722A (ja) エレクトロクロミック素子
KR19980070792A (ko) 일렉트로크로믹 장치
WO1999023531A1 (fr) Miroir electrochromique
US6285486B1 (en) Electrochromic mirror and electrochromic devices
US6532098B1 (en) Electrochromic element
JPH11183938A (ja) エレクトロクロミック素子
JPH11183940A (ja) エレクトロクロミック素子
JP3315187B2 (ja) 調光体用対向電極および調光体
JPH04328723A (ja) エレクトロクロミック素子
US6538792B1 (en) Electrochromic device
JPH11282023A (ja) エレクトロクロミック素子の製造方法
JPH11282022A (ja) エレクトロクロミック素子の製造方法
JP2000057844A (ja) 高分子固体電解質
JPH06250230A (ja) エレクトロクロミック素子及びその製造方法
JP2002169187A (ja) エレクトロクロミック調光ガラスセル及びエレクトロクロミック調光ガラスの製造方法
JP2003222909A (ja) 硬化樹脂層を有する積層物品の製造方法
JP3923581B2 (ja) エレクトロクロミック素子
JP2000235198A (ja) エレクトロクロミック素子
JPH10232413A (ja) エレクトロクロミック素子及びその製造方法及び調光体