JPH11280526A - アイドル空気量制御装置 - Google Patents

アイドル空気量制御装置

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JPH11280526A
JPH11280526A JP10077743A JP7774398A JPH11280526A JP H11280526 A JPH11280526 A JP H11280526A JP 10077743 A JP10077743 A JP 10077743A JP 7774398 A JP7774398 A JP 7774398A JP H11280526 A JPH11280526 A JP H11280526A
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JP
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valve
step motor
limit
opening
control valve
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JP10077743A
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Haruo Meguro
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Keihin Corp
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Keihin Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】実作動位置を目標位置に一致させ、しかも製品
毎にばらつきが生じないようにしてステップモータのイ
ニシャライズ処理を行ない、イニシャライズ処理の迅速
化および確実化を図る。 【解決手段】イニシャライズ処理時に、弁体7を閉弁限
界および開弁限界のいずれかに駆動するように第1設定
パルス数のパルス信号によりステップモータMを第1駆
動速度で作動せしめた後に弁体7が閉弁限界および開弁
限界のいずれかに達したことを確認したとき、あるいは
弁体7が閉弁限界および開弁限界のいずれかに達したこ
との未確認時に弁体7を閉弁限界および開弁限界のいず
れかに駆動するように第2設定パルス数のパルス信号に
よりステップモータMを第1駆動速度よりも小さな第2
駆動速度で作動せしめた後で、ステップモータMを逆方
向に作動せしめ、スイッチ21が導通状態から遮断状態
に変化した時点でステップモータの作動パルス数をリセ
ットして基準位置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アイドリング時に
吸気を導く通路の開度を調節するアイドル調節弁に連結
されるステップモータの作動パルス数と、前記アイドル
調節弁の開度位置とを対応させるイニシャライズ処理を
行なうにあたって、アイドル調節弁を閉弁限界および開
弁限界のいずれかに駆動するようにステップモータを作
動せしめるようにしたアイドル空気量制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるアイドル空気量制御装置
は、たとえば特公昭63−42106号公報等により知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
ポテンショメータや、リミットスイッチ等の基準位置セ
ンサを用いることなく、アイドル調節弁の開度およびス
テップモータの作動パルス数を簡単に対応付けることを
可能とするために、アイドル調節弁を全閉あるいは全開
位置まで駆動するようにステップモータに一定のパルス
数のパルス信号を与え、その全閉あるいは全開位置を基
準位置とすべくステップモータの作動パルス数をリセッ
トするイニシャライズ処理を、点火スイッチ遮断直後等
に実行するようにしている。
【0004】ところで、上記公報のものでは、アイドル
調節弁が閉じ側に弾発付勢されておらず、しかもアイド
ル調節弁およびステップモータ間に設けられる動力伝達
手段がラックおよびピニオンで構成されていてラックお
よびピニオン間にはバックラッシが必ず在るので、エン
ジン再始動に伴なうアイドリング時に、目標位置までの
ステップモータの作動と、該ステップモータの作動に伴
なうアイドル調節弁の実作動位置との間に、図9で示す
ような差が生じる。
【0005】すなわち、図10(a)で示すアイドル調
節弁Vの全閉時からステップモータが作動量ΔA′だけ
作動するまでは、ラック35およびピニオン36間のバ
ックラッシと、ステップモータにおける励磁パターンの
ずれ(一般的な4極2相励磁方式のステップモータでは
最大3ステップ分のずれ)とにより、図10(b)で示
すように、ラック35すなわちアイドル調節弁Vの開弁
作動が開始されることはなく、アイドル調節弁Vの開弁
作動に時間ΔTだけ遅れが生じることになる。またアイ
ドル調節弁Vが或る開度まで作動した位置に在る図10
(c)の状態からステップモータが作動量ΔA′だけ閉
弁方向に作動するまでは、図10(d)で示すように、
ラック35すなわちアイドル調節弁Vの閉弁作動が開始
されることはなく、アイドル調節弁Vの閉弁作動に時間
ΔTだけ遅れが生じることになる。
【0006】またアイドル調節弁を閉じ側に弾発付勢す
る戻しばねを有するものでは、エンジン再始動に伴なう
アイドリング時に、目標位置までのステップモータの作
動と、該ステップモータの作動に伴なうアイドル調節弁
の実作動位置との間に、図11で示すような差が生じ
る。すなわちアイドル調節弁の全閉時からステップモー
タが作動量ΔA′だけ作動するまでは、動力伝達手段で
のバックラッシと、ステップモータにおける励磁パター
ンのずれとにより、アイドル調節弁の開弁作動が開始さ
れることはなく、アイドル調節弁の開弁作動に時間ΔT
だけ遅れが生じ、アイドル調節弁が或る開度まで作動し
てからは、アイドル調節弁の作動に時間遅れが生じるこ
とはないものの、常に目標位置>実作動位置の関係とな
る。
【0007】このように点火スイッチ遮断直後にアイド
ル調節弁を全閉位置まで駆動してその全閉位置を基準位
置とすべくステップモータの作動パルス数をリセットす
るようにしたものでは、エンジン再始動時には、戻しば
ねの有無に無関係に目標位置>実作動位置の関係とな
り、エンジン再始動時にアイドル調節弁の目標開度まで
の開弁作動が遅れることになり、また始動後のアイドル
回転速度制御でもアイドル調節弁の開度が目標開度より
も小さくなる。
【0008】ところで、アイドル空気量制御では、アイ
ドル調節弁が全閉となることはなく、全閉近傍での微調
節が要求されるが、上記特公昭63−42106号公報
で開示されたものでは、アイドル調節弁の開弁駆動およ
び閉弁駆動で実作動位置が異なることになり、正確なア
イドル空気量制御が困難である。また戻しばねを有する
ものでは、常に目標位置>実作動位置であるので、エン
ジン回転速度がぎくしゃくしてアイドル回転速度が不安
定となり、エンストに至る可能性がある。
【0009】そこで、本出願人は、イニシャライズ時に
アイドル調節弁を全閉位置まで駆動した後、ステップモ
ータをバックラッシ以上作動せしめてアイドル調節弁を
全閉位置から設定位置まで開弁方向に駆動し、その設定
位置を基準位置として定めるべくステップモータの作動
パルス数をリセットするようにしたものを、特願平8−
221044号で提案したが、この提案のものでは、実
作動位置>目標位置となる。
【0010】しかも、各製品毎にバックラッシ量および
励磁パターンのずれ量(最大3ステップ)が異なるの
で、実作動位置が製品毎に異なることになる。しかるに
本来は、目標位置=実作動位置となり、かつ製品毎のば
らつきが生じないようにすることが望ましい。
【0011】一方、特開昭57−26239号公報およ
び特開昭57−26237号公報で開示されるように、
アイドル調節弁の弁体の位置をスイッチで検出するよう
にして基準位置を定めるようにしたものもあるが、これ
らのものでも、上述の特公昭63−42106号公報で
開示されたものと同様に、バックラッシが考慮されてお
らず、しかもアイドル調節弁のアイドル制御時の制御範
囲内で弁体を検出するように前記スイッチが配設される
ものであるので、構成が複雑となり、部品点数が多くな
る。また特開昭57−26239号公報で開示されるも
のでは、弁体をスイッチで検出する時間が極めて短く、
スイッチのON・OFF検出判断が難しく、不正確とな
る。さらに特開昭57−26237号公報で開示される
ものでは、スイッチの両接点が可動であるので、スイッ
チのON時間が比較的長くなり、検出判断が容易となる
が、スイッチのON状態で弁体の位置が一定せず、何ら
かの作動不良によりスイッチがOFF状態となったとき
には、その位置を基準位置として定めてしまい、基準位
置の設定が不正確となる。
【0012】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、製品毎にばらつきが生じることを回避しつ
つ、実作動位置が目標位置に一致するようにイニシャラ
イズ処理を行なうことができるようにするとともに、イ
ニシャライズ処理の迅速化および確実化を図ったアイド
ル空気量制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、アイドリング時に吸気を導
く通路の開度を調節するアイドル調節弁と;アイドル調
節弁を開閉作動せしめる駆動力を発揮するステップモー
タと;ステップモータ側の駆動部材およびアイドル調節
弁側の被動部材間にバックラッシを有してステップモー
タおよびアイドル調節弁間に設けられる動力伝達手段
と;アイドル調節弁の開度位置をその基準位置からの前
記ステップモータの作動パルス数に予め対応させてお
き、前記基準位置からの前記ステップモータの作動パル
ス数によって定まるアイドル調節弁の現在位置をエンジ
ン運転状態に応じて定まる目標位置に一致させるべく目
標位置および現在位置間の差に対応したパルス数のパル
ス信号を出力して前記ステップモータの作動を制御する
制御ユニットと;を備えるアイドル空気量制御装置にお
いて、アイドル調節弁の弁体がその閉弁限界および開弁
限界のいずれかにあるときに導通するスイッチと、前記
動力伝達手段のバックラッシを吸収すべく前記アイドル
調節弁の弁体を閉じ側に付勢するばねとを含み、前記制
御ユニットは、ステップモータの作動パルス数と前記ア
イドル調節弁の開度位置とを対応させるイニシャライズ
処理を行なうにあたって、前記弁体を閉弁限界および開
弁限界のいずれかに駆動するように第1設定パルス数の
パルス信号によりステップモータを第1駆動速度で作動
せしめた後に、前記スイッチが遮断状態から導通状態に
変化した時間が所定時間継続することをもって前記弁体
が閉弁限界および開弁限界のいずれかに達したことを確
認したとき、あるいは前記弁体が閉弁限界および開弁限
界のいずれかに達したことの未確認時に前記弁体を閉弁
限界および開弁限界のいずれかに駆動するように第2設
定パルス数のパルス信号によりステップモータを第1駆
動速度よりも小さな第2駆動速度で作動せしめた後に、
前記ステップモータを逆方向に作動せしめる途中で前記
スイッチが導通状態から遮断状態に変化した時点でステ
ップモータの作動パルス数をリセットするとともにその
リセット時のアイドル調節弁の開度位置を前記基準位置
に定めることを特徴とする。
【0014】このような構成によれば、アイドル調節弁
の弁体を閉弁限界および開弁限界のいずれかに駆動した
後にステップモータを逆方向に作動せしめることによ
り、スイッチが導通状態から遮断状態に変化したタイミ
ングが基準位置と定められることになる。すなわち、弁
体が閉弁限界および開弁限界から動きだす瞬間にステッ
プモータの作動パルス数がリセットされるので、製品毎
のばらつきの全てを吸収して、基準位置を推定ではなく
実際に確定することができる。この際、弁体を閉弁限界
まで駆動するようにした場合には、ステップモータの逆
方向への作動時に、ステップモータの励磁パターンのず
れ、ならびに動力伝達手段のバックラッシ分だけステッ
プモータが作動して弁体が閉弁限界から動きだす瞬間に
ステップモータの作動パルス数がリセットされることに
なり、弁体を開弁限界まで駆動するようにした場合に
は、弁体がばねにより閉じ側に付勢されているので、ス
テップモータの逆方向への作動時に、ステップモータの
励磁パターンのずれ分だけステップモータが作動して弁
体が開弁限界から動きだす瞬間にステップモータの作動
パルス数がリセットされることになる。また弁体が閉じ
側にばね付勢されて、動力伝達手段のバックラッシが吸
収されているので、基準位置設定後の実際の制御時には
実作動位置を目標位置に一致させることが可能となる。
さらにスイッチは、アイドル調節弁の弁体が閉弁限界お
よび開弁限界のいずれかにあることを検出するものであ
るので、スイッチの取付け位置調節が不要であり、部品
点数を少なくした単純な構成とすることが可能であり、
配線も容易となる。しかも弁体を閉弁限界および開弁限
界のいずれかに駆動する際には、第1設定パルス数のパ
ルス信号によりステップモータを第1駆動速度で作動せ
しめた後に、スイッチが遮断状態から導通状態に変化し
た時間が所定時間継続することをもって前記弁体が閉弁
限界および開弁限界のいずれかに達したことを確認する
ようにしているので、第1設定パルス数によるステップ
モータの作動完了時にバウンスバック現象が生じている
かどうかを確認することができる。すなわちバウンスバ
ック現象は、弁体をその閉弁限界もしくは開弁限界まで
駆動したときに、ステップモータの磁極構造に起因し
て、ステップモータのステップ数が飛び跳ねる現象であ
り、そのバウンスバック現象が生じると弁体がその閉弁
限界もしくは開弁限界から動いてしまうので、スイッチ
が遮断状態から導通状態に変化した時間が所定時間継続
することをもって弁体が閉弁限界および開弁限界のいず
れかに達したことを確認するようにしていることによ
り、バウンスバック現象が生じているか否かを確認する
ことが可能となる。さらにバウンスバック現象が生じて
いないときには、ステップモータを直ちに逆方向に作動
せしめるが、バウンスバック現象が生じているときに
は、第1駆動速度よりも小さな第2駆動速度でステップ
モータを作動せしめるので、バウンスバック現象が発生
しないようにして弁体を閉弁限界および開弁限界のいず
れかまで駆動することが可能となる。この結果、イニシ
ャライズ処理の開始時に弁体が閉弁限界および開弁限界
のいずれかから遠い位置にあっても速やかに閉弁限界お
よび開弁限界のいずれかまで駆動することを可能とし、
バウンスバック現象が発生しないときにはイニシャライ
ズ処理時間を短縮することが可能となり、またバウンス
バック現象の発生時にはバウスンバック現象が生じない
ように弁体を再度駆動するようにして、確実なイニシャ
ライズ処理を行なうことができる。
【0015】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記第2設定パルス数が前
記第1設定パルス数よりも小さく設定されることを特徴
とし、かかる構成によれば、弁体を閉弁限界および開弁
限界のいずれかに最初に駆動する際には、弁体がいずれ
の位置にあっても閉弁限界および開弁限界のいずれか近
傍まで確実に到達せしめることができ、またバウンスバ
ック現象が生じても弁体は閉弁限界および開弁限界のい
ずれかに近い位置にあるので、バウンスバック現象の発
生に伴なって弁体を閉弁限界および開弁限界のいずれか
に再度駆動する時間を短くしてイニシャライズ処理時間
の短縮に寄与することができる。
【0016】上記目的を達成するために、請求項3記載
の発明は、アイドリング時に吸気を導く通路の開度を調
節するアイドル調節弁と;アイドル調節弁を開閉作動せ
しめる駆動力を発揮するステップモータと;ステップモ
ータ側の駆動部材およびアイドル調節弁側の被動部材間
にバックラッシを有してステップモータおよびアイドル
調節弁間に設けられる動力伝達手段と;アイドル調節弁
の開度位置をその基準位置からの前記ステップモータの
作動パルス数に予め対応させておき、前記基準位置から
の前記ステップモータの作動パルス数によって定まるア
イドル調節弁の現在位置をエンジン運転状態に応じて定
まる目標位置に一致させるべく目標位置および現在位置
間の差に対応したパルス数のパルス信号を出力して前記
ステップモータの作動を制御する制御ユニットと;を備
えるアイドル空気量制御装置において、アイドル調節弁
の弁体がその閉弁限界および開弁限界のいずれかにある
ときに導通するスイッチと、前記動力伝達手段のバック
ラッシを吸収すべく前記アイドル調節弁の弁体を閉じ側
に付勢するばねとを含み、前記制御ユニットは、ステッ
プモータの作動パルス数と前記アイドル調節弁の開度位
置とを対応させるイニシャライズ処理を行なうにあたっ
て、前記弁体を閉弁限界および開弁限界のいずれかに駆
動するように第1設定パルス数のパルス信号によりステ
ップモータを第1駆動速度で作動せしめる第1の限界駆
動処理と、第2設定パルス数のパルス信号によりステッ
プモータを第1駆動速度よりも小さな第2駆動速度で作
動せしめる第2の限界駆動処理とを、第1もしくは第2
の限界駆動処理の途中で前記スイッチが遮断状態から導
通状態に変化した時間が所定時間継続することをもって
前記弁体が閉弁限界および開弁限界のいずれかに達した
ことを確認しない限り継続して実行し、前記弁体が閉弁
限界および開弁限界のいずれかに達したことの確認によ
る第1もしくは第2限界駆動処理の途中でのステップモ
ータの作動停止後もしくは第2駆動速度でステップモー
タを最後まで作動せしめた後にはステップモータを逆方
向に作動せしめ、そのステップモータの逆方向への作動
途中で前記スイッチが導通状態から遮断状態に変化した
時点でステップモータの作動パルス数をリセットすると
ともにそのリセット時のアイドル調節弁の開度位置を前
記基準位置に定めることを特徴とする。
【0017】このような構成によれば、アイドル調節弁
の弁体を閉弁限界および開弁限界のいずれかに駆動した
後にステップモータを逆方向に作動せしめることによ
り、スイッチが導通状態から遮断状態に変化したタイミ
ングが基準位置と定められることになる。すなわち、弁
体が閉弁限界および開弁限界から動きだす瞬間にステッ
プモータの作動パルス数がリセットされるので、製品毎
のばらつきの全てを吸収して、基準位置を推定ではなく
実際に確定することができる。この際、弁体を閉弁限界
まで駆動するようにした場合には、ステップモータの逆
方向への作動時に、ステップモータの励磁パターンのず
れ、ならびに動力伝達手段のバックラッシ分だけステッ
プモータが作動して弁体が閉弁限界から動きだす瞬間に
ステップモータの作動パルス数がリセットされることに
なり、弁体を開弁限界まで駆動するようにした場合に
は、弁体がばねにより閉じ側に付勢されているので、ス
テップモータの逆方向への作動時に、ステップモータの
励磁パターンのずれ分だけステップモータが作動して弁
体が開弁限界から動きだす瞬間にステップモータの作動
パルス数がリセットされることになる。また弁体が閉じ
側にばね付勢されて、動力伝達手段のバックラッシが吸
収されているので、基準位置設定後の実際の制御時には
実作動位置を目標位置に一致させることが可能となる。
さらにスイッチは、アイドル調節弁の弁体が閉弁限界お
よび開弁限界のいずれかにあることを検出するものであ
るので、スイッチの取付け位置調節が不要であり、部品
点数を少なくした単純な構成とすることが可能であり、
配線も容易となる。しかも弁体を閉弁限界および開弁限
界のいずれかに第1駆動速度ならびに第1駆動速度より
も小さな第2駆動速度に切換えて駆動する途中に、スイ
ッチが遮断状態から導通状態に変化した時間が所定時間
継続することをもって前記弁体が閉弁限界および開弁限
界のいずれかに達したことを確認してステップモータを
逆方向に作動せしめるので、バウンスバック現象が生じ
ないときにはステップモータを速やかに逆方向に作動せ
しめることが可能であり、またバウンスバック現象が生
じたときには弁体を閉弁限界および開弁限界のいずれか
に駆動する方向へのステップモータの作動が終了した時
点でステップモータを逆方向に作動せしめるようにして
いるので、バウンスバック現象が発生しないようにして
弁体を閉弁限界および開弁限界のいずれかまで駆動する
ことが可能となる。この結果、イニシャライズ処理の開
始時に弁体が閉弁限界および開弁限界のいずれかから遠
い位置にあっても速やかに閉弁限界および開弁限界のい
ずれかまで駆動することを可能とし、バウンスバック現
象が発生しないときにはイニシャライズ処理時間を短縮
することが可能となり、またバウンスバック現象の発生
時にはバウスンバック現象が生じないように弁体を駆動
するようにして、確実なイニシャライズ処理を行なうこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0019】図1ないし図5は本発明の第1実施例を示
すものであり、図1はアイドル空気量制御装置の構成を
示す概略断面図、図2はアイドル調節弁およびステップ
モータの縦断側面図、図3はイニシャライズ時のステッ
プモータの制御処理手順を示すフローチャート、図4は
駆動電圧および駆動周波数によるバウンスバック現象の
発生を測定した結果を示すグラフ、図5はイニシャライ
ズ時にバウンスバック現象が生じたときのアイドル調節
弁作動位置の変化を示す図である。
【0020】先ず図1において、エアクリーナACおよ
びエンジンE間を結ぶ吸気通路1の中間部にはスロット
ルボディ2が設けられており、該スロットルボディ2に
は、吸気通路1の開度を調節するスロットル弁3が回動
可能に配設されるとともに、該スロットル弁3を迂回す
る通路4が設けられる。該通路4は、エンジンEのアイ
ドリング時にアイドル用吸気を導くものであり、該通路
4の開度を調節してアイドル空気量を制御するためのア
イドル調節弁Vがスロットルボディ2に配設される。
【0021】図2を併せて参照して、アイドル調節弁V
は、通路4の上流側4aに連なる弁孔5を形成して通路
4の途中に設けられた弁座6と、通路4の下流側4bか
ら弁座6に着座可能な弁体7とを備え、該弁体7が、ス
ロットルボディ2に取付けられるステップモータMに動
力伝達手段8を介して連結される。
【0022】ステップモータMは、従来周知のものであ
り、その構造について詳細には説明しないが、外周面に
永久磁石9を有するロータ10と、該ロータ10の外周
面との間にわずかな間隙を隔てて固定配置されるととも
に軸方向に隣接した一対のステータ11,12とを備え
る。両ステータ11,12は、合成樹脂から成る筒状の
モールド部13に共通に設けられており、ロータ10
は、軸方向の移動を阻止されるようにしてボールベアリ
ング14を介して該モールド部13に回転自在に支承さ
れる。
【0023】動力伝達手段8は、弁体7に一端が固定さ
れる被動部材としての弁軸15と、ステップモータM側
の駆動部材であるロータ10とが、螺合されて成るもの
である。すなわち弁軸15に設けられた雄ねじ16が、
ロータ10に同軸に設けられたねじ孔17に螺合される
ものであり、弁軸15の外面にその軸方向に沿って突出
された突条18が、前記モールド部13に設けられた案
内溝19に嵌合されることにより、弁軸15の軸線まわ
りの回転は阻止される。したがってステップモータMの
回転に応じて弁軸15が軸方向に作動することになり、
それによりアイドル調節弁Vが開閉作動することにな
る。しかも弁体7と、前記モールド部13との間には、
コイル状の戻しばね20が設けられており、この戻しば
ね20のばね力により、アイドル調節弁Vは閉弁方向、
すなわち弁体7を弁座6に着座せしめる方向に付勢され
ることになる。
【0024】アイドル調節弁Vは、その弁体7が閉弁限
界に達したときに導通するスイッチ21を備えるもので
あり、該スイッチ21は、前記弁座6に設けられる一対
の接点片221 ,222 から成る固定接点23と、弁体
7の弁座6への着座時に前記両接点片221 ,222
同時に接触すべくリング状に形成されて弁体7に固定さ
れる単一部材の可動接点25とで構成される。而して固
定接点23の両接点片221 ,222 には導線26,2
7がそれぞれ接続される。
【0025】ステップモータMの作動は、制御ユニット
Cにより制御されるものであり、この制御ユニットC
は、エンジン完爆まではオープンループ制御によりステ
ップモータMの作動を制御するが、エンジン完爆後に
は、エンジン冷却水温に応じた目標エンジン回転数とな
るようにフィードバック制御によってステップモータM
の作動を制御する。而してエンジン完爆までのオープン
ループ制御において制御ユニットCは、アイドル調節弁
Vの開度位置をその基準位置からのステップモータMの
作動パルス数に予め対応させておき、前記基準位置から
のステップモータMの作動パルス数によって定まるアイ
ドル調節弁Vの現在位置を、エンジン運転状態(詳しく
はエンジン冷却水温)に応じて始動に必要な開度として
予め定められる目標位置に一致させるべく、目標位置お
よび現在位置間の差に対応したパルス数のパルス信号を
出力してステップモータMの作動を制御する。
【0026】また制御ユニットCには、スイッチ21の
導通・遮断を示す信号が両導線26,27から入力され
ている。制御ユニットCは、ステップモータMの作動パ
ルス数とアイドル調節弁Vの開度位置とを対応させるイ
ニシャライズ処理を、前記スイッチ21からの信号に基
づいて処理するものであり、たとえば点火スイッチを遮
断した直後、エンジン始動後もしくは車両走行中にイニ
シャライズ処理を行なイニシャライズ処理を実行する
が、そのイニシャライズ処理にあたって、制御ユニット
Cは、図3で示す手順に従ってステップモータMの作動
を制御する。
【0027】図3のステップS1では繰返し回数Nを
「0」に設定し、ステップS2ではその繰返し回数Nが
設定回数「N1」以上となったかどうかを確認し、N<
N1であるときには、ステップS3で繰返し回数Nに
「1」を加算し、さらにステップS4でステップモータ
Mの作動パルス数MPを「1」だけ減算して、ステップ
S2に戻る。
【0028】このようなステップS1〜S4の処理によ
り、ステップモータMは、弁体7を閉弁限界まで駆動す
るように第1設定パルス数N1だけ作動せしめられるこ
とになり、この際のステップモータMの駆動速度は第1
駆動速度V1に設定されている。
【0029】ステップS2でN≧N1となったことを確
認した後のステップS5では、スイッチ21がOFF状
態(遮断状態)からON状態(導通状態)に変化した時
間が所定時間ΔT継続したか否かを判断し、スイッチ2
1がOFF状態からON状態に変化した時間が所定時間
ΔT継続したと判断したとき、すなわち弁体7が閉弁限
界まで確実に移動したと判断したときには、ステップS
6で弁体7を逆方向すなわち開弁方向に駆動するよう
に、ステップモータMの作動パルス数MPに「1」を加
算する。
【0030】次いでステップS7では、スイッチ21が
ON状態からOFF状態になったかどうかを確認し、O
N状態のままのときにはステップS6に戻り、またON
状態からOFF状態にスイッチ21のスイッチング態様
が変化したことを確認したときには、ステップS8にお
いて、ステップモータMの作動パルス数MPをリセット
してイニシャライズし、このときのアイドル調節弁Vの
開度位置が基準位置となる。
【0031】一方、ステップS5において、スイッチ2
1がOFF状態からON状態に変化した時間が所定時間
ΔT継続していないと判断したときには、ステップS5
からステップS9に進み、このステップS9において、
繰返し回数Nを「0」に設定する。さらにステップS1
0では、前記繰返し回数Nが上記設定回数「N1」より
も小さな設定回数「N2」以上となったかどうかを確認
し、N<N2であるときには、ステップS11で繰返し
回数Nに「1」を加算し、さらにステップS12でステ
ップモータMの作動パルス数MPを「1」だけ減算して
ステップS10に戻る。またステップS10でN≧N2
であると判断したときにはステップS10からステップ
S6に進むことになる。
【0032】このようなステップS9ないしS12の処
理によれば、ステップモータMは、弁体7を閉弁限界ま
で駆動するように第2設定パルス数N2だけ作動せしめ
られることになり、この際のステップモータMの駆動速
度は第1駆動速度V1よりも小さな第2駆動速度V2に
設定されている。
【0033】上記ステップS1〜S12のイニシャライ
ズ処理によれば、制御ユニットCは、弁体7を閉弁限界
に駆動するように第1設定パルス数N1のパルス信号に
よりステップモータMを第1駆動速度V1で作動せしめ
た後に、スイッチ21がOFF状態からON状態に変化
した時間が所定時間ΔT継続することをもって弁体7が
閉弁限界に達したことを確認したとき、あるいは弁体7
が閉弁限界に達したことの未確認時に弁体7を閉弁限界
に駆動するように第2設定パルス数N2のパルス信号に
よりステップモータMを第1駆動速度V1よりも小さな
第2駆動速度V2で作動せしめた後に、ステップモータ
Mを逆方向に作動せしめる途中でスイッチ21がON状
態からOFF状態に変化した時点でステップモータMの
作動パルス数をリセットすることになる。
【0034】ところで、前記第1駆動速度V1は、イニ
シャライズ処理直前に弁体7がいずれの位置にあっても
速やかに閉弁限界まで駆動せしめるために比較的大きく
設定されるものであるのに対し、第2駆動速度V2は、
弁体7を閉弁限界まで駆動してもバウンスバック現象が
生じないようにするために第1駆動速度V1よりも小さ
く設定される。
【0035】ここで、上記バウンスバック現象とは、ア
イドル調節弁Vの弁体7を閉弁限界もしくは開弁限界ま
で駆動したときに、ステップモータMの磁極構造に起因
してステップモータMのステップ数が飛び跳ねる現象で
あり、そのバウンスバック現象が生じると弁体7がその
閉弁限界もしくは開弁限界から動いてしまうことにな
り、イニシャライズ処理が不確実となる。しかるに、本
発明者が、ステップモータMの駆動電圧および駆動速度
すなわち駆動周波数をそれぞれ変化させてバウンスバッ
ク現象の発生を測定したところ、図4で示すような結果
が得られており、この図4で示す結果に基づけば、一定
の駆動周波数FT(たとえば150PPS)以下では駆
動電圧にかかわらずバウンスバック現象が発生しないこ
とが判る。したがって第1駆動速度V1を前記一定の駆
動周波数FTよりも大きくい値、たとえば200PPS
に設定しておき、第2駆動速度V2を前記一定の駆動周
波数FT以下の値、たとえば100PPSに設定してお
けば、第2駆動速度V2で弁体7を閉弁限界まで駆動し
てもバウンスバック現象の発生はない。
【0036】また第1設定パルス数N1および第2設定
パルス数N2は、(N1+N2)の設定パルス数だけス
テップモータMを駆動したときに、弁体7がいずれの位
置にあっても閉弁限界まで確実に駆動せしめることがで
きる値として設定されるものであり、しかもN1>N2
である。
【0037】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、イニシャライズ処理時には、アイドル調節弁Vを
ステップモータMの作動により閉弁限界まで駆動し、そ
の後、ステップモータMを逆方向に作動せしめることに
より、スイッチ21が導通状態から遮断状態に変化した
タイミングが基準位置と定められる。すなわち、弁体7
が閉弁限界から動きだす瞬間にステップモータMの作動
パルス数がリセットされるので、ステップモータMの励
磁パターンのずれ、ならびに動力伝達手段8のバックラ
ッシ分だけステップモータMが作動して弁体7が閉弁限
界から動きだす瞬間にステップモータMの作動パルス数
がリセットされることになり、製品毎のばらつきの全て
を吸収して、基準位置を推定ではなく実際に確定するこ
とができる。
【0038】また弁体7が戻しばね20により閉じ側に
ばね付勢されて、動力伝達手段8のバックラッシが吸収
されているので、イニシャライズ後には、アイドル調節
弁Vの実作動位置は目標位置に一致することになり、目
標位置までのステップモータMの作動に遅れることなく
アイドル調節弁Vが開閉作動することになる。したがっ
て、エンジン再始動時に、アイドル調節弁Vを目標開度
まで速やかに作動せしめるようにして応答性の向上を図
ることができる。しかも全閉近傍での微調節にあたって
も、アイドル調節弁Vの開弁駆動および閉弁駆動で実作
動位置が異なることはないので、正確なアイドル空気量
制御が可能である。
【0039】またスイッチ21は、アイドル調節弁Vの
閉弁限界で弁体7を検出するものであるので、スイッチ
21の取付け位置調節が不要であり、部品点数を少なく
した単純な構成とすることが可能であり、配線も容易と
なる。
【0040】しかもスイッチ21は、弁体7とともに作
動する可動接点25と、該弁体7の閉弁限界で可動接点
25に接触する固定接点23とから成り、固定接点23
が導線26,27に個別に接続される一対の接点片22
1 ,222 で構成されるものであるので、可動接点25
側に導線を接続することが不要であり、スイッチ21の
配線接続構成が単純となる。
【0041】さらにスイッチ21が弁座6および弁体7
間に設けられるので、スイッチ21を配設するための余
分な部品が不要であり、構成が単純となる。
【0042】しかも弁体7を閉弁限界まで駆動する際に
は 先ず比較的大に設定されている第1設定パルス数N
1のパルス信号によりステップモータMを比較的早い第
1駆動速度V1で作動せしめた後に、スイッチ21がO
FF状態からON状態に変化した時間が所定時間ΔT継
続することをもって弁体7が閉弁限界に達したことを確
認するようにしているので、第1設定パルス数N1によ
るステップモータMの作動完了時にバウンスバック現象
が生じているかどうかを確認することができる。すなわ
ちバウンスバック現象が生じると弁体7がその閉弁限界
から動いてしまうので、スイッチ21が遮断状態から導
通状態に変化した時間が所定時間ΔT継続することをも
って弁体7が閉弁限界に達したことを確認するようにし
ていることにより、バウンスバック現象が生じているか
否かを確認することが可能となる。さらにバウンスバッ
ク現象が生じていないことを確認したときには、ステッ
プモータMを直ちに逆方向に作動せしめるようにしてい
るので、イニシャライズ処理の開始時に弁体7が閉弁限
界から遠い位置にあっても速やかに閉弁限界まで駆動し
て、イニシャライズ処理の迅速化を図ることができる。
【0043】また図5で示すように、第1設定パルス数
N1のパルス信号によりステップモータMを比較的早い
第1駆動速度V1で作動せしめたときに、バウンスバッ
ク現象が生じたことに起因して、バウンスバック現象が
生じたときには、第1駆動速度V1よりも小さな第2駆
動速度V2でステップモータMを作動せしめるので、バ
ウンスバック現象が発生しないようにして弁体Vを閉弁
限界まで駆動することが可能となる。この際、上述の図
4で示したように、バウンスバック現象は一定の駆動周
波数FT以下では生じないものであり、第2駆動速度V
2を前記駆動周波数FTよりも小さく設定しておくこと
により、第2駆動速度V2による弁体7の駆動時にはバ
ウンスバック現象の発生を確実に防止することができ
る。
【0044】この結果、イニシャライズ処理の開始時に
弁体7が閉弁限界から遠い位置にあっても速やかに閉弁
限界および開弁限界のいずれかまで駆動することを可能
とし、バウンスバック現象が発生しないときにはイニシ
ャライズ処理時間を短縮することが可能となり、またバ
ウンスバック現象の発生時にはバウスンバック現象が生
じないように弁体7を再度駆動するようにして、確実な
イニシャライズ処理を行なうことができる。
【0045】図6ないし図8は本発明の第2実施例を示
すものであり、図6はイニシャライズ時のステップモー
タの制御処理手順を示すフローチャート、図7はイニシ
ャライズ時にバウンスバック現象が生じていないときの
アイドル調節弁作動位置の変化を示す図、図8はイニシ
ャライズ時にバウンスバック現象が生じたときのアイド
ル調節弁作動位置の変化を示す図である。
【0046】先ず図6において、ステップS21では繰
返し回数Nを「0」に設定し、ステップS22ではその
繰返し回数Nが設定回数「N1」以上となったかどうか
を確認し、N<N1であるときには、ステップS23で
繰返し回数Nに「1」を加算し、さらにステップS24
でステップモータMの作動パルス数MPを「1」だけ減
算して、ステップS25に進む。
【0047】ステップS25では、スイッチ21がOF
F状態(遮断状態)からON状態(導通状態)に変化し
た時間が所定時間ΔT継続したか否かを判断し、スイッ
チ21がOFF状態からON状態に変化した時間が所定
時間ΔT継続したと判断したとき、すなわち弁体7が閉
弁限界まで確実に移動したと判断したときには、ステッ
プS26に進み、スイッチ21がOFF状態からON状
態に変化した時間が所定時間ΔT継続していないと判断
したときには、ステップS22に戻る。
【0048】このようなステップS21〜S25の処理
により、スイッチ21により閉弁限界まで弁体7が達し
ていると確認されない限り、ステップモータMは、弁体
7を閉弁限界まで駆動するように第1設定パルス数N1
だけ作動せしめられることになり、この際のステップモ
ータMの駆動速度は第1駆動速度V1に設定されてい
る。
【0049】ステップS26では、弁体7を逆方向すな
わち開弁方向に駆動するように、ステップモータMの作
動パルス数MPに「1」を加算する。次いでステップS
27では、スイッチ21がON状態からOFF状態にな
ったかどうかを確認し、ON状態のままのときにはステ
ップS26に戻り、またON状態からOFF状態にスイ
ッチ21のスイッチング態様が変化したことを確認した
ときには、ステップS28において、ステップモータM
の作動パルス数MPをリセットしてイニシャライズし、
このときのアイドル調節弁Vの開度位置が基準位置とな
る。
【0050】一方、スイッチ21がOFF状態からON
状態に変化した時間が所定時間ΔT継続していないとス
テップS25で判断したことにより、第1設定パルス数
N1だけステップモータMを作動せしめたときには、ス
テップS22からステップS29に進み、このステップ
S29において、繰返し回数Nを「0」に設定する。さ
らにステップS30では、前記繰返し回数Nが上記設定
回数「N1」よりも小さな設定回数「N2」以上となっ
たかどうかを確認し、N<N2であるときには、ステッ
プS31で繰返し回数Nに「1」を加算し、さらにステ
ップS32でステップモータMの作動パルス数MPを
「1」だけ減算してステップS33に進む。
【0051】ステップS33では、スイッチ21がOF
F状態(遮断状態)からON状態(導通状態)に変化し
た時間が所定時間ΔT継続したか否かを判断し、スイッ
チ21がOFF状態からON状態に変化した時間が所定
時間ΔT継続したと判断したとき、すなわち弁体7が閉
弁限界まで確実に移動したと判断したときには、ステッ
プS26に進み、スイッチ21がOFF状態からON状
態に変化した時間が所定時間ΔT継続していないと判断
したときには、ステップS30に戻る。またステップS
30でN≧N2であると判断したときにはステップS3
0からステップS26に進むことになる。
【0052】このようなステップS29ないしS33の
処理によれば、ステップモータMは、弁体7を閉弁限界
まで駆動するように第2設定パルス数N2だけ作動せし
められることになり、この際のステップモータMの駆動
速度は第1駆動速度V1よりも小さな第2駆動速度V2
に設定されている。
【0053】上記ステップS21〜S33のイニシャラ
イズ処理によれば、制御ユニットCは、弁体7を閉弁限
界および開弁限界のいずれかに駆動するように第1設定
パルス数N1のパルス信号によりステップモータMを第
1駆動速度V1で作動せしめる第1の限界駆動処理と、
第2設定パルス数N2のパルス信号によりステップモー
タMを第1駆動速度V1よりも小さな第2駆動速度V2
で作動せしめる第2の限界駆動処理とを、第1もしくは
第2の限界駆動処理の途中でスイッチ21が遮断状態か
ら導通状態に変化した時間が所定時間継続することをも
って弁体7が閉弁限界に達したことを確認しない限り継
続して実行し、弁体7が閉弁限界に達したことの確認に
よる第1もしくは第2限界駆動処理の途中でのステップ
モータMの作動停止後もしくは第2駆動速度V2でステ
ップモータMを最後まで作動せしめた後にはステップモ
ータMを逆方向に作動せしめ、そのステップモータM逆
方向への作動途中でスイッチ21がON状態からOFF
状態に変化した時点でステップモータMの作動パルス数
をリセットするとともにそのリセット時のアイドル調節
弁Vの開度位置を前記基準位置に定めること。
【0054】このような第2実施例によれば、弁体7を
閉弁限界に第1駆動速度V1ならびに第1駆動速度V1
よりも小さな第2駆動速度V2に切換えて駆動する途中
に、スイッチ21がOFF状態からON状態に変化した
時間が所定時間ΔT継続することをもって弁体7が閉弁
限界に達したことを確認してステップモータMを逆方向
に作動せしめるので、バウンスバック現象が生じないと
きには、図7(a)で示すように第1設定パルス数N1
の駆動完了後またはその駆動途中にステップモータMを
逆方向に作動せしめたり、図7(b)で示すように、第
2設定パルス数N2の駆動完了後またはその駆動途中に
ステップモータMを逆方向に作動せしめたりすることが
でき、上記第1実施例よりもさらに速やかにイニシャラ
イズ処理を行なうことができる。
【0055】またバウンスバック現象が生じたときに
は、図8で示すように、弁体7を閉弁限界に駆動する方
向へのステップモータMの作動が終了した時点でステッ
プモータを逆方向に作動せしめるようにしており、弁体
7を閉弁限界に駆動する方向へのステップモータMの作
動の後半部では弁体7が緩やかな第2駆動速度V2で駆
動されるので、バウンスバック現象が発生しないように
して弁体7を閉弁限界まで駆動することが可能となる。
【0056】この結果、イニシャライズ処理の開始時に
弁体7が閉弁限界から遠い位置にあっても速やかに閉弁
限界まで駆動することを可能とし、バウンスバック現象
が発生しないときにはイニシャライズ処理時間をより一
層短縮することが可能となり、またバウンスバック現象
の発生時にはバウスンバック現象が生じないように弁体
7を駆動するようにして、確実なイニシャライズ処理を
行なうことができる。
【0057】上記各実施例では、イニシャライズ処理に
あたって弁体7が閉弁限界まで駆動されるようにした
が、開弁限界まで駆動されるようにしてもよい。
【0058】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0059】たとえば上記実施例では、アイドル調節弁
Vの弁体7を全開位置から全閉位置まで作動せしめるた
めのステップモータMの作動パルス数以上のパルス信号
をステップモータMに与えて、弁体7を閉弁限界まで駆
動するようにしたが、弁体7を閉弁限界および開弁限界
のいずれかに駆動するときにステップモータMに与える
パルス信号の設定パルス数は、上述のものに限定される
必要はなく、脱調の可能性ならびに脱調が生じたときの
ずれ量の大きさを推定して、前記設定パルス数を定める
ようにしてもよく、また全閉側を基準とするか全開側を
基準とするかによっても変更可能である。いずれにして
も、スイッチ21がOFF状態からON状態に変化した
状態が所定時間ΔT継続することをもって、弁体7が閉
弁限界および開弁限界のいずれかに達したことを確認す
るようにしているので、弁体7を開弁限界および閉弁限
界まで駆動せしめるのに十分な設定パルス数を設定して
おけばよい。
【0060】
【発明の効果】以上のように請求項1または請求項3記
載の発明によれば、弁体が閉弁限界および開弁限界から
動きだす瞬間にステップモータの作動パルス数がリセッ
トされるようにして製品毎のばらつきの全てを吸収し
て、基準位置を推定ではなく実際に確定することがで
き、弁体が閉じ側にばね付勢されて動力伝達手段のバッ
クラッシが吸収されているので、基準位置設定後の実際
の制御時には実作動位置を目標位置に一致させることが
可能となり、アイドル調節弁の閉弁限界および開弁限界
のいずれかで弁体をスイッチで検出するようにしたの
で、スイッチの取付け位置調節が不要であり、スイッチ
を部品点数の少ない単純な構成とすることが可能であ
り、配線も容易となる。しかも弁体を閉弁限界および開
弁限界のいずれかに駆動する際にはスイッチが遮断状態
から導通状態に変化した時間が所定時間継続することを
もって前記弁体が閉弁限界および開弁限界のいずれかに
達したことを確認するようにしてバウンスバック現象が
生じているかどうかを確認しつつ、速やかにイニシャラ
イズ処理を行なうことができるととにも、バウンスバッ
ク現象が生じたときには、バウンスバック現象が生じな
いように弁体を駆動し直して確実なイニシャライズ処理
を行なうことができる。
【0061】また特に請求項3記載の発明によれば、弁
体を閉弁限界および開弁限界のいずれかに第1駆動速度
ならびに第1駆動速度よりも小さな第2駆動速度に切換
えて駆動する途中に、スイッチが遮断状態から導通状態
に変化した時間が所定時間継続することをもって前記弁
体が閉弁限界および開弁限界のいずれかに達したことを
確認してステップモータを逆方向に作動せしめるので、
イニシャライズ処理をより一層速やかに行なうことがで
きる。
【0062】さらに請求項2記載の発明によれば、弁体
を閉弁限界および開弁限界のいずれかに最初に駆動する
際には、弁体がいずれの位置にあっても閉弁限界および
開弁限界のいずれか近傍まで確実に到達せしめることが
でき、またバウンスバック現象が生じても弁体を閉弁限
界および開弁限界のいずれかに再度駆動する時間を短く
してイニシャライズ処理時間の短縮に寄与することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のアイドル空気量制御装置の構成を
示す概略断面図である。
【図2】アイドル調節弁およびステップモータの縦断側
面図である。
【図3】イニシャライズ時のステップモータの制御処理
手順を示すフローチャートである。
【図4】駆動電圧および駆動周波数によるバウンスバッ
ク現象の発生を測定した結果を示すグラフである。
【図5】イニシャライズ時にバウンスバック現象が生じ
たときのアイドル調節弁作動位置の変化を示す図であ
る。
【図6】第2実施例におけるイニシャライズ時のステッ
プモータの制御処理手順を示すフローチャートである。
【図7】イニシャライズ時にバウンスバック現象が生じ
ていないときのアイドル調節弁作動位置の変化を示す図
である。
【図8】イニシャライズ時にバウンスバック現象が生じ
たときのアイドル調節弁作動位置の変化を示す図であ
る。
【図9】戻しばねを有しない従来例でのイニシャライズ
後のアイドル調節弁の実位置および目標位置の変化を示
す図である。
【図10】戻しばねを有しない従来例でのアイドル調節
弁および動力伝達手段の全閉位置からの作動状態を順次
示す図である。
【図11】戻しばねを有する従来例でのイニシャライズ
後のアイドル調節弁の実位置および目標位置の変化を示
す図である。
【符号の説明】
4・・・通路 7・・・弁体 8・・・動力伝達手段 10・・・駆動部材としてのロータ 15・・・被動部材としての弁軸 20・・・ばね 21・・・スイッチ C・・・制御ユニット M・・・ステップモータ V・・・アイドル調節弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイドリング時に吸気を導く通路(4)
    の開度を調節するアイドル調節弁(V)と;アイドル調
    節弁(V)を開閉作動せしめる駆動力を発揮するステッ
    プモータ(M)と;ステップモータ(M)側の駆動部材
    (10)およびアイドル調節弁(V)側の被動部材(1
    5)間にバックラッシを有してステップモータ(M)お
    よびアイドル調節弁(V)間に設けられる動力伝達手段
    (8)と;アイドル調節弁(V)の開度位置をその基準
    位置からの前記ステップモータ(M)の作動パルス数に
    予め対応させておき、前記基準位置からの前記ステップ
    モータ(M)の作動パルス数によって定まるアイドル調
    節弁(V)の現在位置をエンジン運転状態に応じて定ま
    る目標位置に一致させるべく目標位置および現在位置間
    の差に対応したパルス数のパルス信号を出力して前記ス
    テップモータ(M)の作動を制御する制御ユニット
    (C)と;を備えるアイドル空気量制御装置において、
    アイドル調節弁(V)の弁体(7)がその閉弁限界およ
    び開弁限界のいずれかにあるときに導通するスイッチ
    (21)と、前記動力伝達手段(8)のバックラッシを
    吸収すべく前記アイドル調節弁(V)の弁体(7)を閉
    じ側に付勢するばね(20)とを含み、前記制御ユニッ
    ト(C)は、ステップモータ(M)の作動パルス数と前
    記アイドル調節弁(V)の開度位置とを対応させるイニ
    シャライズ処理を行なうにあたって、前記弁体(7)を
    閉弁限界および開弁限界のいずれかに駆動するように第
    1設定パルス数のパルス信号によりステップモータ
    (M)を第1駆動速度で作動せしめた後に、前記スイッ
    チ(21)が遮断状態から導通状態に変化した時間が所
    定時間継続することをもって前記弁体(7)が閉弁限界
    および開弁限界のいずれかに達したことを確認したと
    き、あるいは前記弁体(7)が閉弁限界および開弁限界
    のいずれかに達したことの未確認時に前記弁体(7)を
    閉弁限界および開弁限界のいずれかに駆動するように第
    2設定パルス数のパルス信号によりステップモータ
    (M)を第1駆動速度よりも小さな第2駆動速度で作動
    せしめた後に、前記ステップモータ(M)を逆方向に作
    動せしめる途中で前記スイッチ(21)が導通状態から
    遮断状態に変化した時点でステップモータ(M)の作動
    パルス数をリセットするとともにそのリセット時のアイ
    ドル調節弁(V)の開度位置を前記基準位置に定めるこ
    とを特徴とするアイドル空気量制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第2設定パルス数が前記第1設定パ
    ルス数よりも小さく設定されることを特徴とする請求項
    1記載のアイドル空気量制御装置。
  3. 【請求項3】 アイドリング時に吸気を導く通路(4)
    の開度を調節するアイドル調節弁(V)と;アイドル調
    節弁(V)を開閉作動せしめる駆動力を発揮するステッ
    プモータ(M)と;ステップモータ(M)側の駆動部材
    (10)およびアイドル調節弁(V)側の被動部材(1
    5)間にバックラッシを有してステップモータ(M)お
    よびアイドル調節弁(V)間に設けられる動力伝達手段
    (8)と;アイドル調節弁(V)の開度位置をその基準
    位置からの前記ステップモータ(M)の作動パルス数に
    予め対応させておき、前記基準位置からの前記ステップ
    モータ(M)の作動パルス数によって定まるアイドル調
    節弁(V)の現在位置をエンジン運転状態に応じて定ま
    る目標位置に一致させるべく目標位置および現在位置間
    の差に対応したパルス数のパルス信号を出力して前記ス
    テップモータ(M)の作動を制御する制御ユニット
    (C)と;を備えるアイドル空気量制御装置において、
    アイドル調節弁(V)の弁体(7)がその閉弁限界およ
    び開弁限界のいずれかにあるときに導通するスイッチ
    (21)と、前記動力伝達手段(8)のバックラッシを
    吸収すべく前記アイドル調節弁(V)の弁体(7)を閉
    じ側に付勢するばね(20)とを含み、前記制御ユニッ
    ト(C)は、ステップモータ(M)の作動パルス数と前
    記アイドル調節弁(V)の開度位置とを対応させるイニ
    シャライズ処理を行なうにあたって、前記弁体(7)を
    閉弁限界および開弁限界のいずれかに駆動するように第
    1設定パルス数のパルス信号によりステップモータ
    (M)を第1駆動速度で作動せしめる第1の限界駆動処
    理と、第2設定パルス数のパルス信号によりステップモ
    ータ(M)を第1駆動速度よりも小さな第2駆動速度で
    作動せしめる第2の限界駆動処理とを、第1もしくは第
    2の限界駆動処理の途中で前記スイッチ(21)が遮断
    状態から導通状態に変化した時間が所定時間継続するこ
    とをもって前記弁体(7)が閉弁限界および開弁限界の
    いずれかに達したことを確認しない限り継続して実行
    し、前記弁体(7)が閉弁限界および開弁限界のいずれ
    かに達したことの確認による第1もしくは第2限界駆動
    処理の途中でのステップモータ(M)の作動停止後もし
    くは第2駆動速度でステップモータ(M)を最後まで作
    動せしめた後にはステップモータ(M)を逆方向に作動
    せしめ、そのステップモータ(M)の逆方向への作動途
    中で前記スイッチ(21)が導通状態から遮断状態に変
    化した時点でステップモータ(M)の作動パルス数をリ
    セットするとともにそのリセット時のアイドル調節弁
    (V)の開度位置を前記基準位置に定めることを特徴と
    するアイドル空気量制御装置。
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