JPH11279457A - ストリッパブルペイント及びその製造法 - Google Patents

ストリッパブルペイント及びその製造法

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JPH11279457A
JPH11279457A JP8453198A JP8453198A JPH11279457A JP H11279457 A JPH11279457 A JP H11279457A JP 8453198 A JP8453198 A JP 8453198A JP 8453198 A JP8453198 A JP 8453198A JP H11279457 A JPH11279457 A JP H11279457A
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JP
Japan
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carbon
polymerizable unsaturated
unsaturated monomer
emulsion
molecule
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Application number
JP8453198A
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English (en)
Inventor
Akira In
明 殷
亨 ▲葛▼原
Toru Kuzuhara
Takashi Amano
高志 天野
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】十分な剥離性、特に熱処理後の剥離性(耐熱剥
離性)を有し、しかも環境上の問題のないストリッパブ
ルペイントの製造法を提供する。 【解決手段】 コアシェル構造を有する乳化重合体微粒
子であり、そのシェル部がポリシロキサン骨格を有する
重合体である乳化重合体微粒子を含有してなる水性エマ
ルジョン型ストリッパブルペイント、分子内に少なくと
も1個の炭素炭素二重結合を有する重合性不飽和単量体
を重合してなる乳化重合体の共存下に分子内に1個又は
2個の炭素炭素二重結合とポリシロキサン骨格を有する
重合性不飽和単量体を含む重合性単量体混合物を乳化重
合して得られる乳化重合体微粒子を含有してなる水性エ
マルジョン型ストリッパブルペイント及びその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や家庭電化
製品などの塗装物表面を一時的に保護するために使用す
るストリッパブルペイント及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や家庭電化製品には、基材の保護
と美粧及び特殊機能等いろいろな性能を付与するために
塗料が塗装されている。しかし、自動車や家庭電化製品
が消費者に届くまでの輸送や保管中に太陽光線、雨(特
に酸性雨)、砂塵などの影響によって塗装面が劣化する
こと、また、輸送、保管中の不注意により傷が付くこと
がある。それらを防ぐために、昨今、製品塗装面に更に
ストリッパブルペイントを塗布し一時的に保護すること
が一般的に行われている。
【0003】従来、これらの塗装製品を一時的に保護す
るために、パラフィンワックスを塗装する方法、或い
は、ポリオレフィン系フィルムをポリイソブチレン系粘
着剤で貼り付ける保護シート法が提案されている。しか
し、パラフィンワックスを塗装する方法は、酸性雨から
の保護機能は低く、しかも、塗布したワックスを洗浄す
るのに洗浄剤などが使用されているため、製品塗装面が
これらの洗浄剤によって膨潤したりすることがある。ま
た、ワックスによる水質汚染なども環境問題となる。一
方、粘着フィルム型の保護シートを貼り付ける方法は、
その保護機能が優れているが、シートの貼り付け工数が
多大なものとなりやすく、作業性やコスト等の問題が指
摘されている。また、粘着剤が使われるために、粘着剤
により製品塗装面に貼り付け跡が生じる。
【0004】したがって、保護機能、材料コスト、作業
性、環境負荷低減などを顧慮し、有機溶剤を用いない塗
布型の一時保護用材料が望まれている。これらの要求を
満足する一次保護用水性塗料としてアクリル樹脂を主成
分とするアクリルエマルジョンを用いることが考えられ
ている。アクリルエマルジョンは一般的に耐候性、耐水
性等の塗膜物性が優れているが、その塗膜の形成時に
は、エマルジョン粒子の合一、融着といった過程を経る
ため、物性の良好な塗膜を得るには、通常、最低造膜温
度以上の温度で乾燥する必要がある。
【0005】しかし、近年、省エネルギー化、作業性改
善等の点から、より低温短時間の乾燥が望まれている。
これに対応するには、エマルジョンの最低造膜温度を下
げねばならないが、そのためには、エマルジョンのガラ
ス転移温度を低くしなければならない。しかし、エマル
ジョンのガラス転移温度を低くした場合、塗膜の強度が
低下したり、付着力が強くなるために剥離性が低下して
しまう。この問題を解決する方法として、特開平5−6
5437号公報にはアクリロニトリル又はメタクロニト
リルを共重合し、強度を向上させることができるという
提案がなされているが、それでも、剥離性は十分でな
く、かつアクリロニトリル又はメタクロニトリル共重合
成分を含む膜を焼却する時にシアンガスが発生するた
め、剥離被膜の廃棄処理が環境上の課題を有する。
【0006】また、従来の水性アクリルエマルジョンス
トリッパブルペイントにおいては、塗膜に剥離機能を付
与するために、シリコーン系化合物を剥離剤として添加
することが一般的に行われている。シリコーン系化合物
を添加したストリッパブルペイントを熱処理(例えば、
80℃×10日)すると、シリコーン系化合物が保護膜
の内部へ移行し、保護膜と被保護塗装面との界面に剥離
剤濃度の減少に伴い、その界面に密着力が生じるため、
十分な経時剥離性を得ることができない傾向にある。ま
た、剥離後にシリコーン系化合物が製品塗装面に残り、
製品塗装面を汚染する可能性がある。
【0007】このため、例えば、特開平6−32229
6号公報のように、ポリシロキサン骨格を樹脂構造に導
入することにより、剥離性を改善する方法が提案されて
いるが、この公報に記載されているものは、充分な耐熱
剥離性が得られるものではなかった。また、例えば、山
下雄也編著:「マクロモノマーの化学と工業」(アイピ
ーシー、1989年)に記載され公知のように、ポリシ
ロキサン骨格が樹脂構造に導入される、いわゆるシリコ
ーン含有ポリマーが、耐熱性、耐寒性、離型性等の他の
ポリマーには見られない独特の性質を有し、離型紙や、
離型性を有する塗料などに幅広く使用されている。とこ
ろが、使用されるポリシロキサン含有不飽和単量体(シ
リコーンマクロモノマー)は一般の単量体と比べると著
しく高価であり、そのため必要最小限の量で、その効果
を発揮させることが重要である。また、ポリシロキサン
の機能をより効果的に塗膜表面に付与し、剥離性、特に
耐熱剥離性を向上させることに、さらに検討を加える必
要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、自動車
や家庭電化製品などの塗装物表面を一時的に保護するた
めに使用するストリッパブルペイントの開発について鋭
意検討の進めた結果、上記の各課題を解決するストリッ
パブルペイントを見いだすに至った。即ち、請求項1〜
4記載の発明は、十分な剥離性、特に熱処理後の剥離性
(耐熱剥離性)を有し、これを少量のポリシロキサン骨
格の導入で達成でき、しかも環境上の問題のないストリ
ッパブルペイントを提供するものである。また、請求項
5及び6記載の発明は、十分な剥離性、特に熱処理後の
剥離性(耐熱剥離性)を有し、これを少量のポリシロキ
サン骨格の導入で達成でき、しかも環境上の問題のない
ストリッパブルペイントの製造法を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、コアシェ
ル構造を有する乳化重合体微粒子であり、そのシェル部
がポリシロキサン骨格を有する重合体である乳化重合体
微粒子を含有してなる水性エマルジョン型ストリッパブ
ルペイントに関する。また本発明は、前記の乳化重合体
微粒子のコア部が、分子内に少なくとも1個の炭素炭素
二重結合を有する重合性不飽和単量体を重合してなるも
のであり、シェル部が、分子内に少なくとも1個の炭素
炭素二重結合を有する重合性不飽和単量体と分子内に1
個又は2個の炭素炭素二重結合とポリシロキサン骨格を
有する重合性不飽和単量体の混合物を共重合してなるも
のである水性エマルジョン型ストリッパブルペイントに
関する。
【0010】また本発明は、前記シェル部の製造に用い
られるポリシロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体
を、コア部及びシェル部を構成する重合性不飽和単量体
の総量に対して0.5〜20重量%用いてなる水性エマ
ルジョン型ストリッパブルペイントに関する。また本発
明は、分子内に少なくとも1個の炭素炭素二重結合を有
する重合性不飽和単量体を重合してなる乳化重合体の共
存下に分子内に1個又は2個の炭素炭素二重結合とポリ
シロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体を含む重合
性単量体混合物を乳化重合して得られる乳化重合体微粒
子を含有してなる水性エマルジョン型ストリッパブルペ
イントに関する。
【0011】また本発明は、水性媒体中で分子内に少な
くとも1個の炭素炭素二重結合を有する重合性不飽和単
量体を重合する工程、前記重合により得られる乳化重合
体の存在下に、分子内に1個又は2個の炭素炭素二重結
合とポリシロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体を
含む重合性単量体を重合する工程を含むことを特徴とす
る水性エマルジョン型ストリッパブルペイントの製造法
に関する。
【0012】さらに本発明は、前記の分子内に1個又は
2個の炭素炭素二重結合とポリシロキサン骨格を有する
重合性不飽和単量体が、下記一般式(I)又は(II)
【化2】 [式中、X及びYは各々独立に1個の炭素炭素二重結合
を有する1価の有機基を表し、R1及びR2は各々独立に
炭素炭素二重結合を有しない一価の有機基(但しR1
メチル基の場合を除く)を表し、m及びnは各々独立に
分子中における各繰り返し単位の繰り返し数を意味する
整数であり、mは1以上、nは0以上であり、m+nは
2以上である]で示されるものである前記水性エマルジ
ョン型ストリッパブルペイントの製造法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における、乳化重合体微粒
子を含む水性エマルジョンの合成は、種々公知の方法を
使用することができる。好ましい方法としては、(1)
水性媒体、好ましくは界面活性剤を含む水中で、必要に
応じて重合開始剤の存在下に、分子内に少なくとも1個
の炭素炭素二重結合を有する重合性不飽和単量体(以下
単に重合性不飽和単量体とする)を反応器に予め仕込む
か、または、水性媒体に必要に応じて重合開始剤を加え
た混合液を昇温後、重合性不飽和単量体と必要に応じて
重合開始剤とを徐々に添加するか、のいずれかにより、
先ず最初の重合を進行させ、その後に、添加する重合性
不飽和単量体の組成を、それまでのものと変えて添加し
て重合を進行させる重合方法(モノマー添加法)、
(2)最初に一部の重合性不飽和単量体を、水性媒体、
好ましくは界面活性剤を含む水中で、、必要に応じて重
合開始剤の存在下、乳化して重合し、ついで、組成の違
う不飽和単量体と、必要に応じて重合開始剤とを、界面
活性剤を含む水中に加え乳化してエマルジョンとしたも
のを、前記の乳化重合系中に逐次添加して重合を進める
重合方法(エマルジョン添加法)等が挙げられる。
【0014】本発明においては、これらの乳化重合法に
おいて、乳化重合体微粒子の共存下に、後から添加する
重合性不飽和単量体の配合に、ポリシロキサン骨格(−
Si−O−Si−)を有する重合性不飽和単量体を含ま
せ、好ましくは、コア部となる前記乳化重合体微粒子
を、この後添加した不飽和単量体から形成される重合体
が被覆するように、即ちコアシェル構造のシェル部を形
成するようにして重合を進め、水性エマルジョンとする
ことができる。なお、本発明における乳化重合体微粒子
は、コアシェル構造を有するものではあるが、全ての微
粒子がそのような形態をとっているものに限るものでは
ない。以下にいうコア部は、予め製造される乳化重合体
微粒子を、シェル部は単量体組成を変更して後添加され
る重合性不飽和単量体の重合による重合体部分を指す。
【0015】本発明における、最終的に得られる前記乳
化重合体微粒子の平均粒子径は、0.05〜1μmであ
ることが好ましく、0.1〜0.5μmであることが好
ましい。ここで平均粒子径が0.05μm未満である
と、水性エマルションの粘度が高くなりすぎ実用的では
なく、一方、1μmを超えると形成された塗膜の透明性
が低くなり外観不良となる傾向にある。なお、平均粒子
径は、例えば、COULTER N4型サブミクロン粒
子分析装置(日科機(株)製)を用いて測定することがで
きる。
【0016】また、乳化重合体微粒子のコア部(即ち、
最初に製造される乳化重合体微粒子)とシェル部(即
ち、後に単量体組成を変更して添加された単量体による
重合体部分)の比は、それぞれを形成する重合性不飽和
単量体量の比によって調整できる。その比としては、シ
ェル部を構成する重合性不飽和単量体量が乳化重合体微
粒子を形成する全単量体に対して、10〜90重量%と
することが好ましく、30〜70重量%とすることがよ
り好ましい。シェル部の量が10重量%未満では、充分
な剥離性が得られず、一方、90重量%を超えると、塗
膜強度等の特性が低下する傾向にある。
【0017】本発明の乳化重合体微粒子において、コア
部の原料として用いられる重合性不飽和単量体として
は、分子内に少なくとも1個の炭素炭素二重結合を有す
る不飽和単量体であれば特に制限されるものではない
が、これらの単量体のうち、分子内に1個の炭素炭素二
重結合を有する重合性不飽和単量体としては、アクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルが特に好ましい。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとして
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−
ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウ
リルアクリレート等の脂肪族アルキル基含有アクリル酸
エステル類、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニ
ルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート等の
脂環式アルキル基含有アクリル酸エステル類、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、ラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリ
レート等の水酸基含有アクリル酸エステル類、N,N−
ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチル
アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリレート等のアミノ基含有アクリル酸エステ
ル類、これらのアクリレートをメタクリレートとした同
様の化合物が挙げられる。これらのアクリル酸エステル
及びメタクリル酸エステル類は単独または2種類以上組
み合わせて使用することができる。
【0018】これらの中で、脂肪族アルキル基含有アク
リル酸エステル類及び脂環式アルキル基含有アクリル酸
エステル類がより好ましい。これらのアクリル酸エステ
ル類またはメタクリル酸エステル類のうち、水酸基また
はアミノ基を含有するエステル類を使用する場合は、全
単量体の20重量%以下になるように用いるのが好まし
い。全単量体の20重量%を超えると、乳化重合中や保
管貯蔵中の安全性が悪くなるばかりでなく、形成した塗
膜の耐水性、耐候性といった耐久性が劣る傾向がある。
【0019】また、上記アクリル酸エステル類及びメタ
クリル酸エステル類以外の、重合性炭素炭素二重結合を
有するビニル化合物を共重合させてもよい。これらの重
合性炭素炭素二重結合を有するビニル化合物としては、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン
酸などのカルボキシル基含有ビニル化合物またはその無
水物、スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族環含有ビ
ニル化合物、他に、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、塩化ビニルなどが挙げられる。これらは
1種又は2種以上用いて共重合させることが可能であ
る。
【0020】分散安定性の良好な乳化重合体微粒子を得
るためには、一般的に、カルボキシル基含有の単量体成
分またはその無水物を組成に含ませるようにすることが
好ましい。この場合、これらのカルボキシル基含有単量
体成分またはその無水物の量は、全単量体の5重量%以
下とすることが好ましく、0.1重量%以上がより好ま
しく、0.1〜2重量%の範囲になるように用いること
がさらに好ましい。カルボキシル基含有単量体またはそ
の無水物が多量に含まれると、形成した塗膜の耐水性が
低下したり、また付着力が強すぎ剥離し難くなる傾向が
ある。
【0021】また、さらに必要に応じて、上記のよう
な、重合可能な炭素炭素二重結合を1個有する単量体と
共に、重合可能な2個以上の炭素炭素二重結合を有する
多官能性不飽和単量体を使用することもできる。これら
の単量体を使用する場合には粒子内架橋を有するエマル
ジョンが得られる。これらの単量体としては、例えば、
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、エチレンオ
キサイド変性ビスフェノールAのジアクリレート、エチ
レンオキサイド変性グリセリントリアクリレート、エチ
レンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリ
レート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのジ
メタクリレート、エチレンオキサイド変性グリセリント
リメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。これ
らの単量体は1種もしくは2種以上用いて共重合させる
ことが可能である。多官能性不飽和単量体を用いる場
合、その配合量は全単量体に対し2重量%以下であるこ
とが好ましく、1重量%以下がより好ましい。配合量が
2重量%を超えると、粒子内部の架橋密度が高すぎエマ
ルジョンの塗膜形成に支障を与える傾向がある。
【0022】本発明の乳化重合体微粒子において、コア
部の原料として用いられる重合性不飽和単量体に、ポリ
シロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体は使用しな
い方が好ましいが、全く使用しないことに限るわけでは
なく、シェル部の製造に使用する単量体中の割合より
も、少ない割合で用いてもよい。
【0023】本発明の乳化重合体微粒子において、シェ
ル部の原料として用いられる重合性不飽和単量体として
は、分子内に1個又は2個の炭素炭素二重結合とポリシ
ロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体が必須成分と
して用いられる。
【0024】このようなポリシロキサン骨格を有する重
合性不飽和単量体としては、
【化3】 [式中、X及びYは各々独立に1個の炭素炭素二重結合
を有する1価の有機基を表し、R1及びR2は各々独立に
炭素炭素二重結合を有しない一価の有機基(但しR1
メチル基の場合を除く)を表し、m及びnは各々独立に
分子中における各繰り返し単位の繰り返し数を意味する
整数であり、mは1以上、nは0以上であり、m+nは
2以上である]で示される化合物が好ましいものとして
挙げられる。なお、上記各式において、各繰り返し単位
は、その分子中にそれぞれがブロック状に存在すること
を意味するものではなく、各繰り返し単位がランダムに
存在する場合、ブロック状に存在する場合の双方を含む
ものである。
【0025】X及びYで示される1個の炭素炭素二重結
合を有する1価の有機基としては、例えば、ビニル基、
アリル基、アクリロキシアルキル基(例えばアルキル基
の炭素原子数が1〜10のもの)、メタクリロキシアル
キル基(例えばアルキル基の炭素原子数が1〜10のも
の)、アクリロイル基、メタクリロイル基等が好ましい
ものとして挙げられる。XとYは、同一であっても異な
ってもよい。また、R1及びR2としては、メチル基(R
2のみ)、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキ
ル基(例えば炭素原子数1〜10のもの)、フェニル
基、アラルキル基(例えば炭素原子数7〜15のも
の)、アルコキシ基(例えば炭素原子数1〜10のも
の)、フルオロアルキル基(例えば炭素原子数1〜10
のもの)、又は、末端が水酸基、カルボキシル基、アル
キル基、アルコキシ基等であるエチレンオキサイド鎖、
プロピレンオキサイド鎖又はポリエステル鎖を有する一
価の有機基などが挙げられる。m及びnの上限の数とし
て制限はないが、後述するように、GPCで測定したス
チレン換算数平均分子量が300〜100,000とな
る数であることが好ましい。
【0026】これらのうち、ビニルジメチルポリシロキ
サン、メタクリロキシプロピルジメチルポリシロキサン
のような、末端に炭素炭素二重結合を有するジメチルポ
リシロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体の多くは
市販品として入手することができる。例えば、製品名と
して、一般式(I)の分子内に1個の重合性不飽和基を
有するものとしては、FM−0711(nが0、R2
メチル、Xがメタクリロキシプロピル、数平均分子量が
1000)、FM−0721(nが0、R2がメチル、
Xがメタクリロキシプロピル、数平均分子量が500
0)、FM−0725(nが0、R2がメチル、Xがメ
タクリロキシプロピル、数平均分子量が10000)
[何れもチッソ(株)製]、AK−32(nが0、R2
メチル、Xがメタクリロキシプロピル、数平均分子量が
32000)[東亜合成(株)製]、X−22−174D
X(nが0、R2がメチル、Xがメタクリロキシアルキ
ル、官能基当量が4600)[信越化学(株)製]等が挙
げられ、また、一般式(II)の分子内に2個の重合性不
飽和基を有するものとしては、FM−2231(nが
0、X及びYがビニル)、FM−7711(nが0、X
及びYがメタクリロキシプロピル、数平均分子量が10
00)、FM−7721(nが0、X及びYがメタクリ
ロキシプロピル、数平均分子量が5000)、FM−7
725(nが0、X及びYがメタクリロキシプロピル、
数平均分子量が10000)[チッソ(株)製]、X−2
2−164B(nが0、X及びYがメタクリロキシアル
キル、官能基当量が1630)、X−22−164C
(nが0、X及びYがメタクリロキシアルキル、官能基
当量が2370)[信越化学(株)製]等が挙げられる。
これらの化合物は1種もしくは2種以上併用することが
可能である。
【0027】ポリシロキサン骨格を有する重合性不飽和
単量体の使用量は、乳化重合体微粒子を構成する重合性
不飽和単量体の総量に対し0.2〜20重量%が好まし
く、0.5〜10重量%がより好ましい。ポリシロキサ
ン骨格を有する不飽和単量体(B)の使用量が少なすぎ
ると、得られる重合体のポリシロキサンの含有量が低
く、剥離性が劣る傾向にあり、一方、ポリシロキサン骨
格を有する重合性不飽和単量体の使用量が多すぎると、
エマルジョン皮膜が形成しにくい傾向にある。一般式
(II)の化合物を使用する場合には、シェル部が粒子内
架橋構造を有するエマルジョンとなる。これらの化合物
は、必要に応じて全単量体に対し2重量%以下使用する
ことが好ましい。使用量が2重量%を超えると、粒子内
部の架橋密度が高すぎエマルジョンの塗膜形成に支障を
与える。
【0028】また、ポリシロキサン骨格を有する重合性
不飽和単量体としては、前記市販品以外に、反応性基を
有するポリシロキサンと、それと反応できる官能基を有
する重合性不飽和単量体とを反応させて製造することも
できる。具体的には、例えば、エポキシ基含有ポリシロ
キサン(例えばFM−0511[チッソ(株)製])とア
クリル酸をメタンスルフォン酸の存在下で70℃4時間
反応させると、分子内に1個の重合性不飽和基を有する
ポリシロキサン含有重合性不飽和単量体が得られる。
【0029】使用されるポリシロキサン骨格を有する重
合性不飽和単量体の数平均分子量は、好ましくはGPC
で測定したスチレン換算数平均分子量が300〜10
0,000であり、さらに好ましくは、GPCで測定し
たスチレン換算数平均分子量が1,000〜50,00
0である。ポリシロキサン骨格を有する重合性不飽和単
量体の数平均分子量が300以下では得られる重合体の
ポリシロキサンによる表面活性効果が生ぜずため、十分
な剥離性が得られない傾向にあり、一方、ポリシロキサ
ン骨格を有する重合性不飽和単量体の数平均分子量が1
00,000を超えると、ポリシロキサン骨格を有する
不飽和単量体の共重合性が低下するため、ポリシロキサ
ン基の導入が困難となり、また重合体の表面活性能が低
下する傾向にある。
【0030】シェル部に使用する不飽和単量体として
は、前記のポリシロキサン骨格を含む重合性不飽和単量
体以外に、前述のコア部に使用する重合性不飽和単量体
として例示したものを併用することができ、この場合、
好ましい重合性不飽和単量体の種類や、カルボキシル基
含有単量体の好ましい量は、コア部と同様である。
【0031】乳化重合において、水性媒体に添加される
界面活性剤としては、通常の乳化重合反応に用いられる
界面活性剤であれば特に制限されるものではない。例え
ば、アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、
アルキルアリル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩な
どが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジ
ルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。また、ノ
ニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステルなど
が挙げられる。これらの界面活性剤は、もちろん単独又
は2種類以上組み合わせて使用できる。乳化重合工程ま
たは得ようとするエマルジョンの特性に応じて適宜の界
面活性剤を選択することができる。界面活性剤の使用量
は、使用する界面活性剤の種類、製造するエマルジョン
の粒径によって異なるが、好ましくは全単量体に対し
0.01〜10重量%の範囲、さらに好ましくは0.1
〜5重量%の範囲である。使用量が少ない場合は、重合
時及び貯蔵時の安定性が劣る傾向があり、多すぎる場合
は、塗膜の耐久性が劣る傾向がある。
【0032】また、乳化重合物の安定性を向上させるた
めに、前記界面活性剤以外、保護コロイド剤を一部使用
することができる。保護コロイド剤としては、親水性高
分子、例えば、部分ケン化あるいは完全ケン化した種々
の重合度のポリビニルアルコール、スルホン化ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ポリビニルメチルエーテル等が
挙げられる。これらの保護コロイドを1種もしくは2種
以上組み合わせて重合時あるいは重合終了後に添加する
ことも可能であるが、前記不飽和単量体と一緒に添加し
て重合させると、グラフト化によってこれらの保護コロ
イド剤は高分子鎖に取り込まれ、乳化重合物を一層安定
化させることがよく知られている。これら保護コロイド
剤を使用する場合、その添加量は、樹脂の組成や使用す
る保護コロイド剤の種類、また他の界面活性剤の種類と
使用量によって異なるが、全単量体に対し0.01〜5
重量%程度添加することが好適である。
【0033】重合開始剤としては、熱分解してラジカル
を発生させる過酸化物或いはアゾ化合物が使用される。
代表的な重合開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウ
ム、過酸化水素、t−ブチルハイドルパーオキサイドな
どの水溶性過酸化物、アゾビスアミノジプロパン塩酸塩
などの水溶性重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、
キュメンハイドロパーオキサイド、ジブチルパーオキサ
イド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クミ
ルパーオキシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどの油溶性重合開始剤が挙げられる。また、酸性亜
硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリ
ウム、アスコルピン酸などの還元剤を併用して、いわゆ
るレドックス系とすることが可能である。これら重合開
始剤の使用量は、使用する重合開始剤の種類、得ようと
するエマルジョンの特性、特に分子量により決められる
が、全単量体に対して0.1〜10重量%の範囲である
ことが好ましい。
【0034】乳化重合の際には、上記原料以外、pHを調
整する緩衝液、アミン類化合物、アンモニウム水溶液、
分子量を調製する連鎖移動剤を使用することができる。
また、樹脂粘度を調製する増粘剤、チキソ性を調製する
レオロジーコントロール剤、耐候性を向上させる紫外線
吸収剤、造膜性を向上させる造膜助剤など公知の添加剤
を使用することも可能である。このようにして得られる
乳化重合体微粒子を含む水性エマルジョンの固形分は、
実際の乾燥条件に適するために40重量%以上とするこ
とが好ましく、45〜60重量%とすることがより好ま
しい。40重量%未満では、固形分が低く実用的でな
く、また60重量%を超えると、貯蔵安定性が劣る傾向
にある。
【0035】本発明のストリッパブルペイントは、上述
した水性エマルジョンをそのまま用いることもできる
が、必要に応じて顔料、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、
劣化防止剤(紫外線吸収剤)等の添加剤を混合してもよ
い。顔料としては、チタン白、ベンガラ、カーボンブラ
ック等の無機顔料、マピコイエロー、フタロシアニンブ
ルー等の有機顔料等公知のものが使用できる。顔料を用
いる場合、その顔料と水性エマルジョンとの比率は、使
用する顔料の種類により異なるが、前者/後者の固形分
比で5/95〜40/60が好ましい。上記のストリッ
パブルペイントは、各種用途に使用できる。自動車塗装
表面(例えばポリエステル/メラミン系塗膜)に適用す
る場合、乾燥膜厚が30〜100μmになるように、ス
プレー等により塗布し乾燥することができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明する。なお、以下の記載において部は重
量部を示す。 水性エマルジョンの合成例1 撹拌装置、還元冷却器、温度計及び窒素ガス吹き込み管
を備えた反応器に、イオン交換水86.0部、ラウリル
硫酸ナトリウム1.0部を仕込み、反応器を80℃に昇
温させた。次に、イオン交換水4.0部に過硫酸アンモ
ニウム0.2部及びトリメチルアミン0.8部を溶解し
た水溶液を添加した後、1段目滴下液として、メチルメ
タクリレート23.5部、エチルアクリレート4.5
部、n−ブチルアクリレート10.5部、n−ブチルメ
タクリレート11.0部、メタクリル酸0.5部及びラ
ウリル硫酸ナトリウム0.5部からなる単量体と乳化剤
の混合液を、前記反応器内に1時間かけて滴下した。単
量体と乳化剤の混合液滴下終了後、イオン交換水4.0
部に過硫酸アンモニウム0.1部を溶解した水溶液を添
加して80℃で30分保温し、重合を完結させ、乳化重
合体微粒子のコア部を製造した。このときの平均粒子径
は0.12μmであった。
【0037】次に、イオン交換水4.0部に過硫酸アン
モニウム0.1部を溶解した水溶液を添加した後、2段
目滴下液として、メチルメタクリレート19.5部、エ
チルアクリレート11.5部、n−ブチルアクリレート
18.5部、メタクリル酸0.5部、メタクリロキシプ
ロピルポリジメチルシロキサン AK−32(数平均分
子量:32,000)0.5部及びラウリル硫酸ナトリ
ウム0.5部からなる単量体と乳化剤の混合液を、前記
反応器内に1時間かけて滴下した。滴下終了後、イオン
交換水4部に過硫酸アンモニウム0.1部を溶解した水
溶液を添加してさらに80℃で3時間保温した。反応終
了後冷却し、25%アンモニウム水でpH約10に調整
し、10%の部分ケン化ポリビニルアルコール水溶液
(ケン化度87.0〜89.0、重合度2000)をエ
マルジョンに対し1重量%添加して水性エマルジョンを
得た。得られた乳化重合体微粒子の平均粒子径は、0.
15μmであった。なお、本実施例において、平均粒子
径は、COULTER N4型サブミクロン粒子分析装
置(日科機(株)製)を用いて、エマルジョン原液をイオ
ン交換水で濃度5.00×104〜1.00〜106 CO
UNT/秒迄希釈して測定して測定した。
【0038】水性エマルジョンの合成例2〜4及び比較
合成例1〜2 表1に示すように、2段目で滴下する単量体混合液を変
更したほか、合成例1と同様の方法で合成した。
【0039】
【表1】
【0040】水性エマルジョンの比較合成例3 撹拌装置、還元冷却器、温度計及び窒素ガス吹き込み管
を備えた反応器に、イオン交換水94.0部、ラウリル
硫酸ナトリウム1.0部を仕込み、反応器を80℃に昇
温させた。次に、イオン交換水4.0部に過硫酸アンモ
ニウム0.2部及びトリメチルアミン0.8部を溶解し
た水溶液を添加した後、メチルメタクリレート41.0
部、エチルアクリレート16.0部、n−ブチルアクリ
レート29.0部、n−ブチルメタクリレート11.0
部、メタクリル酸1.0部、メタクリロキシプロピルポ
リジメチルシロキサンAK−32(平均分子量:32,
000)2.0部及びラウリル硫酸ナトリウム1.0部
からなる単量体と乳化剤の混合液を、前記反応器内に2
時間かけて滴下した。単量体と乳化剤の混合液滴下終了
後、イオン交換水4.0部に過硫酸アンモニウム0.2
部を溶解した水溶液を添加してさらに80℃で3時間保
温した。反応終了後冷却し、25%アンモニウム水でpH
約10に調整し、10%の部分ケン化ポリビニルアルコ
ール水溶液(ケン化度87.0〜89.0、重合度20
00)をエマルジョンに対し1重量%添加して水性エマ
ルジョンを得た。
【0041】実施例と比較例 上記水性エマルジョンに、さらに必要に応じて顔料、増
粘剤、消泡剤、または剥離剤等添加剤を添加し塗料化
し、実施例又は比較例を得た。なお、実施例1〜4は、
それぞれ合成例1〜4の水性エマルジョンを使用し、比
較例1は、それぞれ比較合成例1の水性エマルジョンを
使用し、比較例2,3は、比較合成例2の水性エマルジ
ョンを使用し、比較例4は、比較合成例3の水性エマル
ジョンを使用した。
【0042】塗料配合例を以下に示す(「部」は重量基
準である)。 エマルジョン(固形分50%);100部 種ペン(*);13.6部 消泡剤BYK−033(BYK Chemie社製);0.1
部 増粘剤QR−708 10重量%水溶液(ローム&ハー
ス社製);0.3部 なお、比較例4の場合には、剥離剤としてジメチルポリ
シロキサンKM−740[信越化学(株)製、有効成分;
40%]を4.0部添加した。
【0043】(*):上記種ペンは、 イオン交換水;35.0部 チタン白R−930;75.0部 顔料分散剤BYK−154(BYK Chemie社製);1
0.0部 消泡剤BYK−033(BYK Chemie社製);2.5
部 増粘剤QR−708 10重量%水溶液(ローム&ハー
ス社製);3.0部 上記成分を混合して、ガラスビーズ80部を加え、ペイ
ントシェーカで90分間分散してなる。
【0044】これらを、ポリエステル/メラミン系塗料
(ガラス転移温度:62℃)を塗装した試験板に、乾燥
膜厚が50〜60μmとなるように塗装し、50℃で1
0分間乾燥させることにより、剥離性被膜を形成した。
【0045】剥離性能試験:室温において、オートグラ
フにて、引張り速度300mm/分、剥離角度180°の
条件で、幅25cmの上記ストリッパブルペイントを塗布
した試験板の剥離強度を測定した。その試験結果を表2
に示す。初期は被膜形成直後の塗膜の剥離強度、熱処理
後は80℃で10日間熱処理した被膜の剥離強度であ
る。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】請求項1〜4記載のストリッパブルペイ
ントは、十分な剥離性、とくに熱処理後の剥離性(耐熱
剥離性)を有し、また少量のポリシロキサン骨格の導入
でその効果を奏することができるので経済性に優れると
共に、その他の塗膜特性も良好であり、しかも環境上の
問題のないものである。また、請求項5及び6記載のス
トリッパブルペイントの製造法によれば、十分な剥離
性、とくに熱処理後の剥離性(耐熱剥離性)を有し、ま
た少量のポリシロキサン骨格の導入でその効果を奏する
ことができるので経済性に優れ、その他の塗膜特性も良
好で、しかも環境上の問題のないストリッパブルペイン
トが得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアシェル構造を有する乳化重合体微粒
    子であり、そのシェル部がポリシロキサン骨格を有する
    重合体である乳化重合体微粒子を含有してなる水性エマ
    ルジョン型ストリッパブルペイント。
  2. 【請求項2】 乳化重合体微粒子のコア部が、分子内に
    少なくとも1個の炭素炭素二重結合を有する重合性不飽
    和単量体を重合してなるものであり、シェル部が、分子
    内に少なくとも1個の炭素炭素二重結合を有する重合性
    不飽和単量体と分子内に1個又は2個の炭素炭素二重結
    合とポリシロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体の
    混合物を共重合してなるものである請求項1記載の水性
    エマルジョン型ストリッパブルペイント。
  3. 【請求項3】 シェル部の製造に用いられるポリシロキ
    サン骨格を有する重合性不飽和単量体を、コア部及びシ
    ェル部を構成する重合性不飽和単量体の総量に対して
    0.5〜20重量%用いてなる請求項2記載の水性エマ
    ルジョン型ストリッパブルペイント。
  4. 【請求項4】 分子内に少なくとも1個の炭素炭素二重
    結合を有する重合性不飽和単量体を重合してなる乳化重
    合体の共存下に分子内に1個又は2個の炭素炭素二重結
    合とポリシロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体を
    含む重合性単量体混合物を乳化重合して得られる乳化重
    合体微粒子を含有してなる水性エマルジョン型ストリッ
    パブルペイント。
  5. 【請求項5】 水性媒体中で、分子内に少なくとも1個
    の炭素炭素二重結合を有する重合性不飽和単量体を重合
    する工程、前記重合により得られる乳化重合体の共存下
    に、分子内に1個又は2個の炭素炭素二重結合とポリシ
    ロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体を含む重合性
    単量体を重合する工程を含むことを特徴とする水性エマ
    ルジョン型ストリッパブルペイントの製造法。
  6. 【請求項6】 分子内に1個又は2個の炭素炭素二重結
    合とポリシロキサン骨格を有する重合性不飽和単量体
    が、下記一般式(I)又は(II) 【化1】 [式中、X及びYは各々独立に1個の炭素炭素二重結合
    を有する1価の有機基を表し、R1及びR2は各々独立に
    炭素炭素二重結合を有しない一価の有機基(但しR1
    メチル基の場合を除く)を表し、m及びnは各々独立に
    分子中における各繰り返し単位の繰り返し数を意味する
    整数であり、mは1以上、nは0以上であり、m+nは
    2以上である]で示されるものである請求項5記載の水
    性エマルジョン型ストリッパブルペイントの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001288399A (ja) * 2000-04-07 2001-10-16 Sumitomo 3M Ltd 剥離性コーティング剤

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