JPH1127889A - 回転電機の固定子及びその製造装置 - Google Patents

回転電機の固定子及びその製造装置

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JPH1127889A
JPH1127889A JP17426297A JP17426297A JPH1127889A JP H1127889 A JPH1127889 A JP H1127889A JP 17426297 A JP17426297 A JP 17426297A JP 17426297 A JP17426297 A JP 17426297A JP H1127889 A JPH1127889 A JP H1127889A
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JP
Japan
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stator
coil
coil end
slot
molding
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Application number
JP17426297A
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English (en)
Inventor
Yoichiro Asano
洋一郎 浅野
Kiyoshi Iwabuchi
清詞 岩渕
Yukiro Endo
幸郎 遠藤
Koichiro Ohara
光一郎 大原
Izumi Shimizu
泉 清水
Takashi Yasuhara
隆 安原
Yoshiharu Saito
嘉治 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高占積率の固定子コイルを備えた信頼性の高
い回転電機の固定子を提供すること。 【構成】 固定子鉄心1のスロット2に複数回に分けて
挿入された固定子コイル3を備えた回転電機の固定子に
おいて、複数回に分けて挿入されている固定子コイルの
うち、最後に挿入された固定子コイルを除く各固定子コ
イルのコイルエンド部3cの一部を、成形型14により
外周方向に予め放射状に拡開成形してから次の固定子コ
イルをスロット2に挿入して行くようにしたもの。 【効果】 固定子コイル3を高占積率化しても、コイル
エンド部3cを所定の寸法に成形するのが容易になり、
絶縁不良の虞れを伴うことなく、固定子コイルの高占積
率化による高性能化を充分に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機の固定子
及びその製造装置に係り、特に高占積率の固定子コイル
を備えた固定子及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】汎用誘導電動機などの回転電機では、そ
の固定子(電機子)の組立方法として、予め所定の電線
(マグネットワイヤ)を巻回して成形したコイル(素コイ
ル)を複数個用意し、それらを順次、固定子鉄心のスロ
ットに挿入し、組み合わせて固定子コイルを形成してゆ
く方法が従来から使用されている。そこで、このような
従来の固定子コイルの成形方法について、図17乃至図
18を参照して説明する。
【0003】この従来の方法では、まず、特に図17に
示されているように、所定の、図示してない保持台に固
定子鉄心1を設置し、ついで、この固定子鉄心1のスロ
ット2に、固定子コイル3を、例えば3回に分けて順次
挿入してゆくようになっているが、このとき、最後に挿
入される固定子コイルを除き、各回の固定子コイルを挿
入する毎に、図示のような第1の成形型4と第2の成形
型5を使用し、固定子コイル3を、特にそのコイルエン
ド部に重点をおいて、それらを所定の形状に成形するよ
うになっている。
【0004】これは、次に挿入すべき固定子コイルのコ
イルエンド部のスペースを確保するためと、コイルエン
ド部全体のスペースを少なく抑えるためであり、このた
め、第1の成形型4は、図示のように、ほぼ円板状の基
部4aと、ほぼ円錐形をしたコイルエンド成形部4bと
を備えており、次に、第2の成形型5は、ほぼ円柱状の
案内軸5aと、ほぼ円錐状の先端部5b、同じくほぼ円
錐状のコイルエンド成形部5c、案内軸5aの周辺面か
ら放射状に突出している複数の第1成形ブレード5d、
それに同じく第2成形ブレード5eとを備えている。
【0005】この第2の成形型5において、まず案内軸
5aは、特に図18から明らかなように、その上端部
が、固定子鉄心1の内径寸法より、所定の寸法だけ小さ
い直径寸法に作られている。次に、第1成形ブレード5
dと、第2成形ブレード5eは、それぞれ固定子鉄心1
のスロットに対応して、案内軸5aの周辺面から放射状
に突き出した状態で配置され、このとき、特に図18か
ら明らかなように、第1成形ブレード5dは案内軸4か
らの突出量が大で、第2成形ブレード5eは突出量が小
さくなっている。
【0006】そして、第1成形ブレード5dは、固定子
コイル3が、まだ挿入されていないスロット2に装着し
得るように配置され、第2成形ブレード5eは、既に固
定子コイル3が装着されたスロット2に挿入し得るよう
に配置されている。そして、図には現れていないが、第
1の成形型4は、その中心に、第2の成形型5の断面形
状と同じ形状の孔が設けてあり、相互に緩やかに嵌合で
きるようになっている。
【0007】次に固定子コイル3のコイルエンド3a、
3bを成形する手順について説明する。まず第1成形型
4は、図17に示すように、固定子鉄心1の一方の端
部、この図では下側の端部に、矢印で示すように、コイ
ルエンド成形部4bが押しつけられ、コイルエンド部3
aを拡開成形するのに使用され、次に、第2成形型5
は、固定子鉄心1を挟んで第1成形型5と向かい合うよ
うにして、且つ案内軸5a方向に移動可能に保持され、
固定子鉄心1の他方の端部、この図では上側の端部から
固定子鉄心1の内側に、矢印で示すように挿入され、固
定子鉄心1の他方の端部にコイルエンド成形部5cが押
しつけられ、コイルエンド部3bを拡開成形するのに使
用される。
【0008】このため、まず、図示してないコイル挿入
装置により、固定子コイル3が固定子鉄心1の所定のス
ロット2に、特に図18に詳しく示されているように、
装着される。次に、第2成形型5を矢印方向に動かし、
その案内軸5aを上側から固定子鉄心1の中に挿入す
る。そうすると、図18に示すように、固定子鉄心1の
スロット2に第1及び第2成形ブレード5d、5eが挿
入されて、第1成形ブレード5dにより固定子コイル3
のコイルエンド3bが外側に押圧されると共に、第2成
形ブレード5eにより固定子コイル3のコイルサイド部
が外側に押圧される。
【0009】そこで、第1成形型4を矢印方向に動かし
て第2成形型5に嵌合させ、さらに案内軸5aを固定子
鉄心1に沿って動かし、第1成形型4の押圧により固定
子コイル3の一方のコイルエンド3aを、また第2成形
型5の押圧により、他方のコイルエンド部3bを、それ
ぞれ拡開成形する。この結果、第1成形ブレード5dを
抜き取った後に、図示のように、スロット2に、次のコ
イル挿入のためのスペースが確保され、且つコイルエン
ド全体が所定の形状に成形されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、固定
子コイルの成形に伴う固定子コイルの損傷発生について
配慮が充分にされているとは言えず、絶縁性能保持の点
に問題があった。特に、近年は、回転電機の小形化、高
効率化が叫ばれ、固定子でのスロット内コイル占積率
(以下、占積率という)を高める傾向にあるが、この場合
には、1個スロット内に挿入すべきコイル素線の本数が
多くなり、この結果、固定子コイルのコイルエンド部の
拡開成形に伴う損傷発生頻度が異常に高くなってしま
う。
【0011】これは、従来技術では、第1、第2成形ブ
レードによりコイルエンド部やコイルサイド部を外側に
押圧しているが、このとき、コイル素線の本数が多く、
密に巻かれていると、剛性が大きくなって簡単には必要
な拡開成形が得られず、このように、拡開成形が不充分
なままのコイルエンド部に第1と第2の成形型が軸方向
に挿入され、拡開成形しようとするので、コイルエンド
部と成形型の間に大きな応力が掛かり、これらの間の摺
れ合いによりコイルが傷付いてしまうからである。
【0012】そして、この結果、絶縁不良が多発し、信
頼度の低下と、歩留まりの低下によるコストの上昇が免
れなくなってしまうという問題が生じてしまう。本発明
は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、高占積率の固定子コイルを備えた信頼性の高
い回転電機の固定子を提供することにあり、他の目的
は、その製造装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、固定子鉄心
のスロットに複数回に分けて挿入された固定子コイルを
備えた回転電機の固定子において、上記複数回に分けて
挿入されている固定子コイルのうち、最後に挿入された
固定子コイルを除く各固定子コイルのコイルエンド部の
一部が、上記スロットの底部よりも外周部に位置するよ
うに成形されているようにして達成され、上記他の目的
は、固定子鉄心のスロットに複数回に分けて挿入された
固定子コイルを備えた回転電機の固定子の製造装置にお
いて、上記スロットに挿入された固定子コイルのコイル
エンド部の一部を内周側から外周側に押圧する複数個の
成形型を設け、 上記複数回に分けて挿入された固定子
コイルのうち、最後に挿入された固定子コイルを除く各
固定子コイルが挿入される毎に、順次、上記成形型によ
り拡開成形を施して行くようにして達成される。
【0014】この結果、従来技術のように、固定子鉄心
の軸方向から滑り作用による拡開成形を行うのではな
く、既に挿入されたコイルのコイルエンドにおける次の
コイルが挿入されるスロット位置に相当するコイルエン
ド部を、固定子鉄心の内周より外周に向かって放射状に
拡開成形がされていることから、従来技術のように、未
拡開状態のコイルエンド部が成形ブレードや成形型と軸
方向に干渉することがない。
【0015】固定子コイルの初回のコイル挿入に際して
は、固定子鉄心スロットには絶縁物以外なにもないの
で、コイル挿入が妨げられることはないが、2回目から
は、既にコイルが存在する。つまり、次回以降のコイル
挿入の開始に際しては、既挿入コイルのコイルエンド部
が次コイルが挿入される所定数のスロットの前方に突出
して、コイル挿入を妨げる。
【0016】そこで、本発明は、前記次コイルが挿入さ
れる所定数のスロットの前方に突出している既コイルの
コイルエンド部の所定数スロットの周方向幅に相当する
部位のみを、固定子鉄心の内周より外周に向かって放射
状に拡開成形を行うものである。
【0017】従って、次コイルを挿入する際には、挿入
するスロット前方に突出するコイルエンドが無いので挿
入は極めて容易に行われ、この結果、従来技術の場合よ
りもコイル本数が多い高占積率の固定子コイルであって
も、コイルに傷をつけることなく拡開成形することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明による回転電機の固
定子及びその製造装置について、図示の実施形態により
詳細に説明する。図1乃至図6は、固定子鉄心のスロッ
トに対する固定子コイルの組み付け回数が3回で、1回
毎に3個のスロットに固定子コイルが挿入されるように
なっている固定子に本発明を適用した場合の一実施形態
について、その成形過程も含めて示したもので、ここ
で、図1乃至図3は、固定子鉄心1のスロットに、最初
の組の固定子コイル3の挿入が完了した状態を示し、図
4乃至図6は、次の組の固定子コイル3の挿入が完了し
た状態を示したものである。
【0019】これらの図において、まず3cは、最初に
3個のスロットに挿入された固定子コイル3のコイルエ
ンド部、次にAA、AB、AC、ADはそれぞれが3個
のスロットからなり、2回目に固定子コイル3が挿入さ
れるべきスロット群、また、3dは、次に2回目に3個
のスロットに挿入された固定子コイル3のコイルエンド
部、更にBA、BB、BC、BDは、3回目に固定子コ
イル3が挿入されるべきスロット群、そして14は、コ
イルエンド拡開成形型(以下、成形型という)である。
【0020】まず、最初の固定子コイル3を固定子鉄心
1のスロットに挿入した段階では、図1から明らかなよ
うに、各スロット群AA、AB、AC、ADも含めて、
ほぼ全てのスロット3の外周側(奥の方)には、既に挿入
されている固定子コイル3のコイルエンド部3cが、こ
れらのスロットを塞ぐように位置している。
【0021】そこで、次に、図2に示すように、成形型
14を用い、これらのコイルエンド部3cの各スロット
群AA、AB、AC、ADに対面した部分を、矢印で示
すように、固定子鉄心1の内周側から外周方向に押し出
し、この対面した部分を図示のような形状に拡開成形す
る。図3は、この拡開成形が終了した状態を示したもの
で、この図から明らかなように、次の固定子コイルが挿
入されるべきスロット群AA、AB、AC、ADに対面
し、その外周部を塞いでいたコイルエンド部3cは、図
示のように、固定子鉄心1の外周方向に大きく押し出し
成形されてり、この結果、スロット群AA、AB、A
C、ADは、何れも、断面全体が完全に開口されている
ことが判る。
【0022】従って、この後での2回目の固定子コイル
3の挿入は、最初の固定子コイル3を固定子鉄心1のス
ロットに挿入したときと同様、コイル素線を傷つけたり
することなく、容易に行うことができる。
【0023】次に、図4は、2回目の固定子コイル3が
挿入された状態を示したもので、このときは、次のコイ
ル、すなわち最後の組の固定子コイル3が挿入されるス
ロット群はBA、BB、BC、BDとなるが、これらの
スロット群は、今度は2回目に挿入された固定子コイル
3のコイルエンド3dの対面している部分によって、図
示のように、一部が塞がれた状態になる。
【0024】そこで、今度は、これらのコイルエンド3
dの、各スロット群BA、BB、BC、BDを塞いでい
る部分を、図5に示すように、成形型14により、固定
子鉄心1の内周側から外周方向に押し出し、図示のよう
な形状に拡開成形する。この結果、図6に示すように、
各スロット群BA、BB、BC、BDは、何れも、断面
一杯に開口され、次のコイル挿入を容易にすることがで
きる。
【0025】そして、この後、最後の組の固定子コイル
3を残ったスロット群BA、BB、BC、BDに挿入し
てやれば、固定子コイルが全部、巻回され、この結果、
最後に挿入される固定子コイルを除き、各固定子コイル
のコイルエンド部3c、3dの一部が、対面しているス
ロットの底部よりも外周側に位置するように拡開成形さ
れている固定子を得ることができる。
【0026】そして、このとき、これら図1〜図6から
明らかなように、この実施形態の場合、成形型14によ
り、各コイルエンド部3c、3dに対して働く応力は、
単純な押圧による曲げ応力に過ぎないので、固定子コイ
ル3に何らかの損傷が発生する虞れはほとんどない。
【0027】また、同じく、図示のように、この実施形
態による成形型14によれば、固定子コイル3の弾性変
形分による戻り、すなわち、成形後のスプリングバック
による戻りを考慮して、各スロット2の底部、すなわち
最外周部よりも更に外周に向かって充分に固定子コイル
3を変形させることができるので、拡開成形を終えて成
形型14を除いた後、確実に各スロット3の底部よりも
外周に、コイルエンド部が位置するようにできることに
なる。
【0028】従って、この実施形態によれば、後から挿
入される固定子コイルとの干渉が確実に防止でき、この
点でも、固定子コイル3に何らかの損傷が発生する虞れ
を充分に抑えることができる。
【0029】このとき、図17と図18で説明した従来
技術の場合には、第1成形ブレード5dの外周方向での
寸法は、せいぜいスロット3の底部までであり、このた
め、特に高密度の固定子コイルの場合には、成形後のス
プリングバックによるコイルエンドの戻りが著しい。
【0030】また、固定子コイルは、複数回、すなわ
ち、上記実施形態では、3回にわたって挿入され、しか
もコイルエンド部の径方向の位置は挿入毎に異なる。こ
のため、従来技術のように、成形後のスプリングバック
によるコイルエンドの戻りがあると、複数回の拡開成形
毎にコイルエンド部と成形型の干渉が繰り返され、この
結果、コイルが損傷を受ける虞れが多くなってしまうの
であるが、本発明の実施形態では、このような干渉の虞
れがないので、コイルが損傷を受ける虞れも生じないの
である。
【0031】従って、上記実施形態によれば、固定子コ
イルを高占積率にした場合でもコイルの挿入が容易で、
所定の寸法と形状に簡単に成形することができ、絶縁不
良が起こる虞れのない固定子を容易に提供することがで
きる。
【0032】次に、上記実施形態における成形型14の
駆動機構の一実施形態について、図7乃至図9により説
明する。この実施形態は、複数の成形型14だけでな
く、成形型14と対向する外側から、各固定子コイルエ
ンド部3c、3dの外周に契合し、成形するための複数
の外周成形型15を設けた場合の実施形態を示したもの
で、これらの成形型14と外周成形型15は、何れも図
示してない保持機構により、それぞれ放射方向にだけ移
動可能に保持されていて、図2と図5に示した拡開成形
作時には、図7に示すように、固定子鉄心1の一方の端
面に位置決めされる。
【0033】そして、まず成形型14は、その内側に円
錐カム16を備え、この円錐カム16のテーパー状軸端
に嵌合していて、この円錐カム16を、図では下方に動
かすことにより、図2と図5の矢印で示す方向に、すな
わち、固定子鉄心1の内周から外周に向かって放射状に
移動させられるように構成されている。次に、外周成形
型15は、その外側に円環カム17を備え、この円環カ
ム17の内周面にあるテーパー面に嵌合していて、この
円環カム17を、図では下方に動かすことにより、固定
子鉄心1の外周から内周に向かって放射状に移動させら
れるように構成されている。
【0034】空気シリンダ19の可動軸には円板20が
取り付けてあり、この円板20が下方に動かされて、そ
の下面が円錐カム16の軸18の上端に当たると、円錐
カム16が空気シリンダ19により下方に動かされるよ
うになっている。一方、円環カム17には、その上部に
円板21が取り付けてあり、この円板21は、複数本の
棒部材22によって、円板20に上下に移動可能に保持
され、さらに、この棒部材22には、スプリング23が
設けてある。
【0035】従って、空気シリンダ19により、軸18
を下方に移動させてやれば、円錐カム16が遅れて移動
し、成形型14を外周方向に動かすことができる。ま
た、空気シリンダ19により、軸18を下方に移動させ
てやれば、スプリング23の弾性力により、円板21と
一緒に円環カム17も下方に移動され、これにより、外
周成形型15は、内側方向に動かすことができる。
【0036】そこで、まず、図7に示すように、固定子
コイル3が挿入された固定子鉄心1の上から、その端面
に各成形型14、15を位置決めし、空気シリンダ19
により軸18を下方に動かしてやれば、図8、図9に示
すように、成形型14が内側から各固定子コイル3のコ
イルエンド部3c、又は3dに契合し、図2又は図4に
示すようにして、拡開成形することができる。しかし
て、このとき、この実施形態では、まず、最初にコイル
エンド部3c又は3dの外側に周成形型15が契合し、
その後で成形型14による拡開成形が働くようになって
いるので、拡開成形によってコイルエンド部3c又は3
dの形状が崩れるのを抑え、常に所望の正しい形状に保
つことができる。
【0037】ここで、上記したように、固定子コイル3
は複数回にわたって順次挿入され、しかもコイルエンド
の径方向位置は挿入毎に異なるので、成形型14は、外
周方向に向かって任意の位置へ移動ができるようにする
のが望ましい。しかるに、この実施形態では、空気シリ
ンダ19によるストロークを制御してやることにより、
各成形型14、15の最終移動位置は任意に変えること
ができる。
【0038】従って、この実施形態によれば、常に適切
な成形力でコイルエンド部3c、又は3dの拡開成形を
行うことができ、且つ外周からも成形されるので、高占
積率の固定子コイルにおいても、所定寸法に正確に仕上
げることができ、均一な品質を容易に保つことができ
る。
【0039】次に、本発明の別の実施形態について、説
明する。上述のように、当該コイルエンド部を外周方向
に拡開成形する際、次コイル挿入位置相当以外のコイル
エンド部が、矢印で示すような反作用力を受けて、その
根本部分が傾き、固定子鉄心側端に近づき過ぎる虞れを
生じることがある。この傾向は、コイル挿入回数が進行
するにしたがって強まり、図10に示すように、コイル
エンド部3aが鉄心側端1aに接近しようとする。この
図10で、2aは、スロット2内に設けらけているスロ
ット絶縁用のライナである。
【0040】そして、このような状態になると、コイル
エンドのような充電部分と鉄心のような非充電部分との
空間絶縁距離が不足して絶縁耐力が低下する虞れを生じ
る。そこで、この実施形態では、固定子鉄心2の歯部の
側端に、図11乃至図13で示すように、前記鉄心の歯
部の円周方向の幅に近似した幅を有するコイルエンドプ
ロテクタ24を複数個装着しておいて、上記した拡開成
形を実行するようにしたものである。
【0041】ここで、まず図11は、固定子鉄心1の一
方の端面を、その軸方向から見た図で、図12は側面か
ら見た図、さらに、図13は、図11の一部を拡大して
示したものであり、これらの図から明らかなように、こ
のエンドプロテクタ24は、合成樹脂などの絶縁材料の
板材からなるほぼ扇形をした部材で作られ、図14に示
すように、固定子鉄心1の側端1aから所定の高さを有
するように、その厚さが選定されている。
【0042】そして、図示のように、このコイルエンド
プロテクタ24により、コイルエンド部3aの根元を支
えることにより、コイルエンド部3aが外周方向に拡開
成形された際、次コイル挿入位置相当以外のコイルエン
ド部の根元部分が、反作用力により傾くのを阻止し、鉄
心側端からの絶縁空間距離を確保する働きをする。
【0043】さらに、このコイルエンドプロテクタ24
は、図14に示されているように、スロット内に挿入さ
れているライナ2aの鉄心端部から突出している部分を
支えることにより、このライナ2aが押されて倒れ、折
り曲げにより損傷を受けてしまうののを防ぐ働きも併せ
持つ。従って、この実施形態によれば、拡開成形による
絶縁耐力の低下を充分に抑えることができ、高い信頼性
を備えた固定子を容易に得ることができる。
【0044】次に、コイルエンドプロテクタ24の装着
装置の一例について、図15と図16により説明する。
このコイルエンドプロテクタ24は、コイルエンド部の
拡開成形時だけ装着されるようになっており、このた
め、図15に示すように、まず、コイルエンドプロテク
タ24の外周部を、固定子鉄心1の外周面よりも長くし
ておき、さらに、その一方の面、この図では上面に、そ
れぞれピン24aを設けておく。
【0045】次に、このピン24aを有するコイルエン
ドプロテクタ24を乗せるための円板状のガイド部材2
5を用意し、このガイド部材25の上で、各コイルエン
ドプロテクタ24が、放射方向に沿って前後に移動可能
に支持する。このため、ガイド部材25の上面には、各
コイルエンドプロテクタ24に対応した放射状のガイド
溝25aが形成してあり、これにより各コイルエンドプ
ロテクタ24が正確に前後に移動できるようにしてあ
る。
【0046】そして、図では見えないが、放射方向に伸
びた円弧状の駆動溝24aが、各コイルエンドプロテク
タ24に対応して複数本設けてある駆動円板25を用
い、その駆動溝24aを各コイルエンドプロテクタ24
のピン24aに契合させた状態で、この駆動円板25を
回動させることにより、上記した各コイルエンドプロテ
クタ24の前後移動が得られるようにしてある。
【0047】図16は、この図15に示した装着装置
を、図7乃至図9で説明した成形型の駆動機構に設けた
装置の一例で、26は装置全体を表す。そして、この図
16の装置では、上下移動機構27を用い、これにより
ガイド部材25を上下に移動可能に保持するようになっ
ており、固定子コイル3が挿入された固定子鉄心1を所
定の位置に置いた後、上下移動機構27によりガイド部
材25を固定子鉄心1の上端面に位置決めするようにし
たものである。従って、この図15、図16の実施形態
によれば、短時間で容易にコイルエンドプロテクタ24
の装着、取外しを行うことができる。
【0048】なお、以上の説明では、固定子コイルの片
側のコイルエンド部の拡開成形についてだけ説明した
が、対向する他方のコイルエンド部についても順次拡開
成形する必要があるのは、言うまでもない。
【0049】また、本発明からなる成形方法により拡開
成形した固定子コイルのコイルエンドにおいて、既挿入
コイルのコイルエンドにおける次のコイルが挿入される
スロットの位置に相当するコイルエンド部は、上述のよ
うに固定子鉄心の内周より外周に向かって放射状に拡開
成形された形状を有することを特徴とすることも併せ持
つものである。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、固定子鉄心のスロット
に複数回に分けて挿入された固定子コイルのコイルエン
ド部の一部が、スロットの底部よりも外周部に位置する
ように拡開成形されているので、高占積率の固定子コイ
ルであっても容易にスロットに挿入でき、しかも所定の
寸法と形状に容易に成形できることになり、この結果、
絶縁不良の虞れのない高信頼性の固定子を容易に得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるコイルエンド部の
成形手順の第1段階を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるコイルエンド部の
成形手順の第2段階を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるコイルエンド部の
成形手順の第3段階を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるコイルエンド部の
成形手順の第4段階を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるコイルエンド部の
成形手順の第5段階を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるコイルエンド部の
成形手順の第6段階を示す説明図である。
【図7】本発明によるコイルエンド成形型駆動機構の一
実施形態の第1の動作段階を示す説明図である。
【図8】本発明によるコイルエンド成形型駆動機構の一
実施形態の第2の動作段階を示す説明図である。
【図9】本発明によるコイルエンド成形型駆動機構の一
実施形態の第3の動作段階を示す説明図である。
【図10】コイルエンド部の成形によって引き起こされ
るコイルエンドの変形状態を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態におけるコイルエンドプロ
テクタの一例を示す平面図である。
【図12】本発明の実施形態におけるコイルエンドプロ
テクタの一例を示す側断面図である。
【図13】本発明の実施形態におけるコイルエンドプロ
テクタの一例を示す平面拡大図である。
【図14】本発明のコイルエンドプロテクタによる変形
防止の機能を説明する断面図である。
【図15】本発明によるコイルエンドプロテクタ装着装
置の一実施形態を示す断面図である。
【図16】本発明によるコイルエンド部成装置の一実施
形態を示す側面図である。
【図17】従来技術によるコイルエンド部の成形方法を
示す説明図である。
【図18】従来技術により成形されたコイルエンド部の
一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 固定子鉄心 1a 歯部 2 スロット 2a 絶縁物 3 固定子コイル 3a、3b、3c、3d コイルエンド 4 第1の成形型 4a 円板状の基部 4b ほぼ円錐形をしたコイルエンド成形部 5 第2の成形型 5a ほぼ円柱状の案内軸 5b ほぼ円錐状の先端部 5c ほぼ円錐状のコイルエンド成形部 5d 第1成形ブレード 5e 第2成形ブレード、 14 成形型 15 外周成形型 16 円錐カム 17 円環カム 18 軸 19 空気シリンダ 20、21 円板 22 棒部材 23 スプリング 24 エンドプロテクタ AA、AB、AC、AD、BA、BB、BC、BD 次
に固定子コイルが挿入されるスロット群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大原 光一郎 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 清水 泉 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 安原 隆 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 斉藤 嘉治 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子鉄心のスロットに複数回に分けて
    挿入された固定子コイルを備えた回転電機の固定子にお
    いて、 上記複数回に分けて挿入されている固定子コイルのう
    ち、最後に挿入された固定子コイルを除く各固定子コイ
    ルのコイルエンド部の一部が、上記スロットの底部より
    も外周部に位置するように成形されていることを特徴と
    する回転電機の固定子。
  2. 【請求項2】 固定子鉄心のスロットに複数回に分けて
    挿入された固定子コイルを備えた回転電機の固定子の製
    造装置において、 上記スロットに挿入された固定子コイルのコイルエンド
    部の一部を内周側から外周側に押圧する複数個の成形型
    を設け、 上記複数回に分けて挿入された固定子コイルのうち、最
    後に挿入された固定子コイルを除く各固定子コイルが挿
    入される毎に、順次、上記成形型により拡開成形を施し
    て行くように構成したことを特徴とする回転電機の固定
    子の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の発明において、 固定子鉄心のスロット間に存在する歯部の側端面に、該
    歯部の円周方向の幅にほぼ等しい幅を有する棒状部材を
    装着して、上記コイルエンド部の拡開成形を行うことを
    特徴とする回転電機の固定子の製造装置。
JP17426297A 1997-06-30 1997-06-30 回転電機の固定子及びその製造装置 Pending JPH1127889A (ja)

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