JP2022142859A - 回転電機の巻線成型方法、回転電機の巻線成型装置、回転電機 - Google Patents

回転電機の巻線成型方法、回転電機の巻線成型装置、回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】回転電機の巻線に、中空回路を有する巻線を用いる場合においてもスロット内のデッドスペースを削減可能な回転電機の巻線成型方法を提供する。【解決手段】本発明の回転電機の巻線成型方法は、中空回路4aが形成された巻線を挿入するスロット3を有するステータコア2を有する回転電機の巻線成型方法において、スロット3内に配置された巻線の中空回路4aに流体を満たすように導入する流体導入工程と、中空回路4a内の流体7に圧力を加えて巻線を径方向外側に膨張させる巻線膨張工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機の巻線成型方法、回転電機の巻線成型装置、回転電機に関する。
モータ等の回転機械のステータスロットには、マグネットコイルを挿入し、巻付けを行うことで組立てがなされている。しかしながら、巻付け時にステータスロットの外部からの挿入、巻付けでは、デッドスペースが生じてしまうという課題があった。
これを解決すべく、デッドスペース解消という観点から、巻回した後のコイルに外部から圧力を加えて(プレスして)スロット内における巻線の占積率を上げるものが存在する(特許文献1参照)。
ここで、デッドスペースとは、スロット内周面と巻回された後の巻線がなす中空部分の体積である。
特開2000-41365号公報
ところで、冷却という観点から、中空回路を有するコイルが用いられることがある。
しかしながら、先行技術のように巻回した後の中空回路を有するコイルに外部から圧力をかけ、スロットの占積率をあげるという方法では、冷媒の流路(中空回路)が圧力による塑性変形により、狭くなる。
従って、プレスによる外圧付与では、巻線全体に圧力が均一に加わらず、冷媒の流路が狭くなるという課題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、回転電機の巻線に中空回路を有する巻線を用いる場合においてもスロット内のデッドスペースを削減可能な回転電機の巻線成型方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様に係る回転機械の巻線成型方法は、中空回路(例えば、実施形態の中空回路4a)が形成された巻線(例えば、実施形態の巻線4)を挿入するスロット(例えば、実施形態のスロット3)を有するステータコア(例えば、実施形態のステータコア2)を有する回転電機において、前記スロット内に配置された前記巻線の前記中空回路に流体(例えば、実施形態の流体7)を満たすように導入する流体導入工程と、前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記巻線を径方向外側に膨張させる巻線膨張工程と、を含む。
上記構成によれば、巻線に形成された中空回路に流体を満たすように導入し、中空回路に圧力を加えて巻線を径方向外側に膨張させるため、スロット内形状に沿った形状に、巻線が形成される。また、スロット内形状に沿った形状に、巻線が形成されるため、デッドスペースが削減されるとともに、巻線とスロット内周面には高い摩擦力が生じる。
従って、運転時の冷却性能が向上する。さらに、自己保持力の向上ができる。
本発明の一態様に係る回転機械の巻線成型方法は、スロットに巻線を挿入する挿入工程を、含んでいてもよい。
上記構成によれば、スロットに巻線を挿入することができる。
本発明の一態様に係る回転機械の巻線成型方法は、巻線を挿入するスロットを有するステータコアを有する回転電機において、前記スロットの一部に中空回路が形成された第1巻線(例えば、実施形態の第1巻線4A)を挿入する第1挿入工程と、第1スペーサ(例えば、実施形態の第1スペーサ)が前記第1巻線と前記スロットの内周面に接するように前記スロットに前記第1スペーサが配置される第1スペーサ配置工程と、前記第1巻線に形成された前記中空回路に流体を満たすように導入する第1流体導入工程と、前記第1スペーサ配置工程および前記第1流体導入工程の後、前記第1巻線の前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記第1巻線を径方向外側に膨張させる第1巻線膨張工程と、前記第1スペーサを取り除く第1スペーサ除去工程と、前記第1スペーサが配置されていた位置に、中空回路が形成された第2巻線(例えば、実施形態の第1スペーサ)を挿入する第2挿入工程と、前記第2巻線に形成された前記中空回路に流体を満たすように導入する第2流体導入工程と、第2スペーサ(例えば、実施形態の第2スペーサ)が前記第2巻線と前記スロットの内周面に接するように前記スロットに第2スペーサが配置される第2スペーサ配置工程と、前記第2スペーサ配置工程および前記第2流体導入工程の後、前記第2巻線の前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記巻線を径方向外側に膨張させる第2巻線膨張工程と、を、少なくとも含んでいてもよい。
上記構成によれば、巻線が有する中空回路に流体を満たすように導入し、中空回路に圧力を加えて巻線を径方向外側に膨張させるため、スロット内形状に沿った形状に、巻線が形成される。さらに、スペーサを用いて複数段階にて、巻線膨張工程を経ることができるため、より高い精度でスロット内形状に沿った形状に巻線が形成される。よって、デッドスペースがより削減されるとともに、巻線とスロット内周面にはより高い摩擦力が生じる。
従って、運転時の冷却性能がより向上する。さらに、自己保持力がより向上する。
本発明の一態様に係る回転機械の巻線成型方法は、巻線を挿入するスロットを有するステータコアを有する回転電機において、前記スロットの一部に中実の第1巻線を挿入する第1挿入工程と、前記スロットの一部に中空回路が形成された第2巻線を挿入する第2挿入工程と、前記第2巻線に形成された前記中空回路に流体を満たすように導入する流体導入工程と、前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記第2巻線を径方向外側に膨張させる巻線膨張工程と、を含んでいてもよい。
上記構成によれば、第2巻線が有する中空回路に流体を満たすように導入し、中空回路に圧力を加えて第2巻線を径方向外側に膨張させるため、スロット内形状に沿った形状に、第2巻線が形成されるため、スロット内の占積率が向上する。さらに、中実の巻線は、第1巻線として予めスロット内に配置されるため、スロット内に、第1巻線と第2巻線のみを配置する場合、スペーサを用いる必要がない。
従って、運転時の冷却性能がより向上し、自己保持力がより向上する。さらに、回転電機の小型化及び高効率化ができる、また、作業効率が向上する。
本発明の一態様に係る回転機械の巻線成型方法は、巻線を挿入するスロットを有するステータコアを有する回転電機において、前記スロットの一部に中空回路が形成された第1巻線を挿入する第1挿入工程と、前記第1巻線と前記スロットの内周面に接するようにスペーサが配置されるスペーサ配置工程と、前記第1巻線に形成された前記中空回路に流体を満たすように導入する第1流体導入工程と、前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記第1巻線を径方向外側に膨張させる第1巻線膨張工程と、前記スペーサを取り除くスペーサ除去工程と、前記スペーサが配置されていた位置に中実の巻線(例えば、実施形態の中実の巻線9)を挿入する第2挿入工程と、を含んでいてもよい。
上記構成によれば、第1巻線が有する中空回路に流体を満たすように導入し、中空回路に圧力を加えて第1巻線を径方向外側に膨張させるため、スロット内形状に沿った形状に、第1巻線が形成される。さらに、スペーサを用いて複数段階にて、巻線膨張工程をすることができるため、より高い精度でスロット内形状に沿った形状に巻線が形成される。よって、デッドスペースがより削減されるとともに、巻線とスロット内周面にはより高い摩擦力が生じる。
さらに、中空回路が形成された第1巻線の他に、中実の巻線も挿入されるため、スロット内の占積率が向上する。
従って、運転時の冷却性能がより向上し、自己保持力がより向上する。さらに、回転電機の小型化及び高効率化ができる。
本発明の一態様に係る回転機械の巻線成型方法は、巻線を挿入するスロットを有するステータコアを有する回転電機において、回転前記回転電機は、スロットを有するステータコアを有し、前記スロットの一部に中空回路が形成された巻線を挿入する挿入工程と、前記スロットの一部に中実の巻線を挿入する挿入工程と、前記中空回路が形成された前記巻線の前記中空回路に流体を満たすように導入する流体導入工程と、前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記中空回路が形成された前記巻線を径方向外側に膨張させる巻線膨張工程と、を含んでいてもよい。
上記構成によれば、巻線が有する中空回路に流体を満たすように導入し、中空回路に圧力を加えて中空回路が形成された巻線を径方向外側に膨張させるため、スロット内形状に沿った形状に、巻線が形成される。よって、デッドスペースがより削減されるとともに、巻線とスロット内周面にはより高い摩擦力が生じる。
さらに、中空回路が形成された巻線の他に、中実の巻線を同時に挿入するため、スロット内の占積率が向上する。
従って、運転時の冷却性能がより向上し、自己保持力がより向上する。さらに、回転電機の小型化及び高効率化ができる。また、スペーサを用いる必要がないため、スペーサを用いる態様に比べて、全体の工程数を少なくすることができる。従って、工程数を削減し、製造効率を向上させるとともに、スペーサのコストを削減できる。
本発明の一態様に係る回転機械の巻線成型方法は、中空回路から流体を排出するための排出工程をさらに含んでいてもよい。
上記構成によれば、巻線成型後に、中空回路から流体を排出させることができる。また、流体が液体の場合であっても、中空回路を乾燥させ、中空回路内の腐食を抑制することができる。
本発明の一態様に係る回転電機の巻線成型装置は、中空回路が形成された巻線を挿入するスロットを有するステータコアを有する回転電機において、中空回路に流体を満たすように導入する流体導入部と、中空回路内の流体に圧力を加えて巻線を径方向外側に膨張させる巻線膨張部と、を含む。
上記構成によれば、巻線が有する中空回路に流体を満たすように導入し、中空回路に圧力を加えて巻線を径方向外側に膨張させるため、スロット内形状に沿った形状に、巻線が形成される。また、スロット内形状に沿った形状に、巻線が形成されるため、デッドスペースが削減されるとともに、巻線とスロット内周面には高い摩擦力が生じる。
従って、運転時の冷却性能が向上する。さらに、自己保持力の向上ができる。
本発明の一態様に係る回転電機は、ステータコアと、前記ステータコアに形成されたスロットと、スロットに挿入され、中空回路が形成された巻線と、を、少なくとも備え、中空回路には、流体が満たすように導入されるとともに、流体に圧力が加えられて巻線が径方向外側に膨張させられる。
上記構成によれば、巻線が有する中空回路に流体を満たすように導入し、中空回路に圧力を加えて巻線を径方向外側に膨張させるため、スロット内形状に沿った形状に、巻線が形成される。また、スロット内形状に沿った形状に、巻線が形成されるため、デッドスペースが削減されるとともに、巻線とスロット内周面には高い摩擦力が生じる。
従って、運転時の冷却性能が向上する。さらに、自己保持力の向上ができる。
本発明によれば、回転電機の巻線に中空回路を有する巻線を用いる場合においてもスロット内のデッドスペースを削減可能な回転電機の巻線成型方法を提供できる。
本発明に係る回転電機のステータの平面断面図である。 本発明の第1実施形態に係るスロットの平面断面図である。 本発明の流体導入工程に係るスロットとスロットに挿入された巻線の平面図である。 本発明の巻線膨張工程に係るスロットとスロットに挿入された巻線の平面図である。 本発明の巻線膨張工程に係る巻線の断面図である。 本発明の排出工程に係るステータコア及び排出ノズルの拡大平面図である。 本発明の第2実施形態に係るスロットの平面断面図である。 本発明の第2実施形態に係るスロットの平面断面図である。 本発明の第3実施形態に係るスロットの平面断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る回転電機の巻線成型方法を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る回転電機のステータ1の平面断面図である。また、図2は、本発明の第1実施形態に係るスロット3の平面断面図である。
本実施形態では、回転電機としてのモータを例示して説明する。さらに本実施形態では、モータとして、インナーロータ型のモータを例示して説明する。インナーロータ型のモータでは、ステータ1は、ステータコア2と、巻線4と、を備えている。ステータコア2は、環状のコアバック2aと、ティース5と、を備えている。ティース5は、周方向に間隔をあけて複数設けられている。各ティース5は、コアバック2aから径方向の内側に向けて延びている。周方向に隣り合うティース5の間の空間が、スロット3である。巻線4は、ティース5に巻き回される。巻線4は、スロット3内に配置される。
図1に示すように、ステータ1は、ステータコア2と、ステータコア2に設けられた複数のスロット3と、を備える。また、複数のスロット3内には、巻線4が、隣り合うスロット3の内周面に対し、巻回された後の巻線4が接するように配置されている。巻線4の材料としては、比較的、電気抵抗率が低く、塑性変形させやすいものが好ましい。
図2に示すように、スロット3内に配置された巻線4には、中空回路4aが形成されている。また、中空回路4aが形成されている巻線4は一般的な回転電機ステータに加え、同一スロットの中に、電流回路と流体回路を併せ持つ特徴を有している。中空回路4aが形成された巻線4の中空回路4aには流体7を導入させることができる。中空回路4aが形成された巻線4の中空部分がスロット3内で膨張し、巻回された後の巻線4とスロット3内周面には実質的に隙間がなく、密着している。
ここで、実質的に隙間がないとは、ミクロスケールで隙間が全くないという意味ではなく、摩擦力が生じ得る程度であればミクロスケールで隙間があってもよい。
次に、図3から図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る回転電機の巻線成型方法について説明する。図3は、本発明の流体導入工程に係るステータコア2の拡大平面図である。すなわち、ステータコア2(ヨーク)に巻線4が挿入された(巻き回された)後の状態を表すステータコア2の拡大平面図である。図4は、本発明の巻線膨張工程に係るステータコア2の拡大平面図である。図5は、本発明の巻線膨張工程に係る中空回路4aが形成された巻線4の断面図である。
回転電機の巻線成型方法は、作業者または機械が、ステータコア2のティース5に巻線4を巻き回す方法である。回転電機の巻線成型方法は、巻線挿入工程と、流体導入工程と、巻線膨張工程と、流体排出工程と、を含む。
<巻線挿入工程>
挿入工程では、作業者または機械が、スロット3に、中空回路4aが形成された巻線4を挿入する。
<流体導入工程>
図3に示すように、流体導入工程では、スロット3に挿入された後の巻線4の中空回路4aに流体7(図6参照)を満たすように導入する。第1に、流体導入に用いるノズル等を、ステータコア2に挿入された後の巻線4の一方の端に接続する。第2に、巻線4の一方の端における中空回路4aの開口部から、流体7を導入する。ここで、流体7とは、冷媒等の揮発性を有する液体であることが好ましいが、気体であってもよい。流体7に冷媒等の揮発性を有する液体を用いた場合、後述の流体排出工程を経た後、中空回路4a内を素早く乾燥させることができる。第3に、流体7の流入により、巻線4の中空回路4aが流体7により満たされた後、巻線4の他方の端における中空回路4aを閉塞する。閉塞後の巻線膨張工程における圧力条件を考慮し、閉塞の方法は、適宜選択できる。
なお流体導入工程では、使用者は、例えば、図示しない流体導入部を用いて中空回路4aに流体7を導入する。流体導入部としては、例えば、ポンプ等が挙げられる。
<巻線膨張工程>
巻線膨張工程では、流体導入工程において中空回路4a内を満たすように導入された流体7に、圧力を加えて巻線4を径方向外側に膨張させる(図4参照)。巻線4の一方の端における中空回路4aから圧縮機等を用いて中空回路4a内の流体7に圧力をかけ、巻線4を径方向外側に塑性変形(膨張)させる。巻線4の塑性変形により、ステータコア2のスロット3の内周面と巻線4との間に生じる圧力が任意の値を超えたと判定した場合、加圧を終了する。圧力の検出方法には、例えば、ステータコア2のスロット3の内周面と巻線4との間にひずみゲージ等を取付けて行う方法が挙げられる。
なお巻線膨張工程では、使用者は、例えば、図示しない巻線膨張部を用いて巻線4を膨張させる。巻線膨張部としては、例えば、圧縮機等が挙げられる。
図5は、本発明の巻線膨張工程に係る巻線4の断面図である。図5に示すように、巻線膨張工程において、中空回路4a内の流体7に圧力が加えられ、流体7を介して、中空回路4a内壁に均等に圧力が加えられる。
なお、巻線膨張工程においては、中空回路4aが形成された巻線4の製造誤差等を考慮し、加える圧力を圧力制御装置等により適宜調整することができる。
<流体排出工程>
図6に示すように、中空回路4aから流体7を排出する。
このような構成によれば、巻線成型後に、中空回路4aから流体7を排出させることができる。また、流体7が液体の場合であっても、中空回路4aを乾燥させ、中空回路4a内の腐食を抑制することができる。
なお流体排出工程では、使用者は、例えば、図示しない流体排出部を用いて流体7を排出させる。流体排出部としては、例えば、ポンプ等が挙げられる。
以上説明したように、本実施形態に係る回転電機の巻線成型方法によれば、巻線4に形成された中空回路4aに流体7を満たすように導入し、中空回路4aに圧力を加えて巻線4を径方向外側に膨張させるため、スロット3内形状に沿った形状に、巻線4が形成される。また、スロット3内形状に沿った形状に、巻線4が形成されるため、デッドスペースが削減されるとともに、巻線4とスロット3内周面には高い摩擦力が生じる。
従って、運転時の冷却性能が向上する。さらに、自己保持力の向上ができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の回転電機の巻線成型方法を、図7、図8を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。図7、図8は、本発明の第2実施形態に係るスロット3の平面断面図である。
また、本実施形態の回転電機の巻線成型方法は、以下に説明するように、第1挿入工程と、第1流体導入工程と、第1スペーサ配置工程と、第1巻線膨張工程と、第1スペーサ除去工程と、第2挿入工程と、第2流体導入工程と、第2巻線膨張工程と、第2スペーサ除去工程と、最終工程と、を、含み、巻線4が第1巻線4Aと第2巻線4Bに分かれている点において、第1実施形態と異なっている。挿入工程と、流体導入工程と、スペーサ配置工程と、巻線膨張工程と、スペーサ除去工程と、からなる一連の工程を1セットとする。スペーサ6として、1セット目には第1スペーサ6Aを用いる。2セット目には第2スペーサ6Bを用いる。
<第1挿入工程>
第1挿入工程では、スロット3に中空回路4aが形成された第1巻線4Aを挿入する。しかし、本工程では、図7に示すように、挿入する巻線4の挿入量Dを、平面断面視においてティース5の径方向外側の端面8から径方向内側へ任意の距離となるように設定する。
<第1流体導入工程>
第1流体導入工程では、第1挿入工程において挿入された第1巻線4Aの中空回路4aを、第1実施形態の流体導入工程と同様に、流体7により満たす。
<第1スペーサ配置工程>
第1スペーサ配置工程では、図7に示すように、第1挿入工程において挿入された第1巻線4A以外のスロット3内の空間を満たすように、第1スペーサ6Aを配置し、スロット3に対して第1スペーサ6Aを固定する。第1スペーサ6Aの配置は、ステータコア2の径方向に直交する方向(図1において、紙面に直行する方向)に差し込むような方法によって配置されてよい。ここで、スペーサ6に用いる部材は、第1挿入工程で挿入された第1巻線4Aよりも力学的に強度が高い材料を用いる。
<第1巻線膨張工程>
第1巻線膨張工程では、第1流体導入工程において第1巻線4Aの中空回路4a内を満たすように導入された流体7に、圧力を加えて第1巻線4Aを径方向外側に膨張させる。第1巻線4Aの一方の端における中空回路4aから圧縮機等を用いて中空回路4a内の流体7に圧力をかけ、第1巻線4Aを径方向外側に塑性変形(膨張)させる。第1巻線4Aの塑性変形により、ステータコア2のスロット3内周面と第1巻線4Aとの間に生じる圧力が任意の値を超えたと判定した場合、加圧を終了する。ここで、本工程終了後、第1巻線4Aの中空回路4a内の減圧は最終工程にて行うものとし、圧力を維持する。
<第1スペーサ除去工程>
第1スペーサ配置工程で配置した第1スペーサを取り除く。このとき、スペーサ6には、第1巻線膨張工程による影響で、圧力がかかっている。そのため、潤滑剤等を用いてよい。
<第2挿入工程>
第2挿入工程では、スロット3に第2巻線4Bを挿入する。本工程では、図8に示すように、挿入する第2巻線4Bの挿入量Dを、平面断面視においてティース5の径方向外側の端面8から径方向内側へ任意の距離となるように設定する。
<第2流体導入工程>
第2流体導入工程では、第2挿入工程において挿入された第2巻線4Bの中空回路4aを、第1実施形態の流体導入工程と同様に、流体により満たす。
<第2スペーサ配置工程>
第2スペーサ配置工程では、図8に示すように、第2挿入工程において挿入された第2巻線4Bと、第1巻線4A以外のスロット3内の空間を満たすように、第2スペーサ6Bを配置し、固定する。第2スペーサ6Bの配置は、ステータコア2の径方向に直交する方向(図1において、紙面に直行する方向)に差し込むような方法によって配置されてよい。ここで、スペーサ6に用いる部材は、第2挿入工程で挿入された第2巻線4Bよりも力学的に強度が高いものを用いる。
<第2巻線膨張工程>
第2巻線膨張工程では、第2流体導入工程において第2巻線4Bの中空回路4a内を満たすように導入された流体7に、圧力を加えて第2巻線4Bを径方向外側に膨張させる。第2巻線4Bの一方の端における中空回路4aから圧縮機等を用いて中空回路4a内の流体7に圧力をかけ、第2巻線4Bを径方向外側に塑性変形(膨張)させる。第2巻線4Bの塑性変形により、ステータコア2のスロット3内周面と第2巻線4Bとの間に生じる圧力が任意の値を超えたと判定した場合、加圧を終了する。ここで、本工程終了後、第2巻線4Bの中空回路4a内の減圧は最終工程にて行うものとし、圧力を維持する。
<最終工程>
第2スペーサ配置工程で配置した第2スペーサ6Bを取り除くとともに、第1巻線膨張工程及び第2巻線膨張工程で加圧した第1巻線4A及び第2巻線4Bの中空回路4aを減圧する。
上記説明においては、挿入工程と、流体導入工程と、スペーサ配置工程と、巻線膨張工程と、スペーサ除去工程と、からなる一連の工程を1セットとした上で、2セット繰り返した後、最終工程を行っている。
しかし、1セット目から最終工程に至るまでに、合計3セット以上行ってもよい。すなわち、第3巻線、第4巻線、第5巻線、またはそれを超える数に巻線4が分かれていてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る回転電機の巻線成型方法によれば、巻線4が有する中空回路4aに流体7を満たすように導入し、中空回路4aに圧力を加えて巻線4を径方向外側に膨張させるため、スロット3内形状に沿った形状に、巻線4が形成される。さらに、スペーサ6を用いて複数段階にて、巻線膨張工程を経ることができるため、より高い精度でスロット3内形状に沿った形状に巻線4が形成される。よって、デッドスペースがより削減されるとともに、巻線4とスロット3内周面にはより高い摩擦力が生じる。
従って、運転時の冷却性能がより向上する。さらに、自己保持力がより向上する。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の回転電機の巻線成型方法を、図7、図9を参照して説明する。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、第2実施形態における、挿入工程において挿入する巻線4に中空回路4aが形成されていないものを用いてもよい。例えば、1セット目における挿入工程では、中空回路4aが形成された第1巻線4Aを挿入し、2セット目における挿入工程では、中空回路4aが形成されていない中実の巻線9を挿入する等である。ここで、挿入工程において、中空回路4aが形成されていない中実の巻線9を挿入した場合のセットでは、流体導入工程と、スペーサ配置工程と、巻線膨張工程と、スペーサ除去工程は行わない。各々のセットにおける巻線4の種類の選択は、適宜変更してよい。
さらに、上記説明によれば、1度の挿入工程において挿入する巻線4は、1種類のみである例を挙げているが、1種類に限られるものではない。例えば、1度の挿入工程において、中空回路4aが形成されている巻線4と、中実の巻線9を挿入(順不同)した後、巻線膨張工程により、中空回路4aが形成されている巻線4を膨張させる工程を含んでいてもよい(以下、同時挿入という)。同時挿入時、ステータコア2の径方向外側に中実の巻線4が挿入されている場合、中実の巻線4が挿入された直後のスペーサ配置工程及びスペーサ除去工程は行わなくてもよい。従って、工程数を削減し、製造効率を向上させるとともに、スペーサのコストを削減できる。
以上説明したように、本実施形態に係る回転電機の巻線成型方法によれば、巻線4が有する中空回路4aに流体7を満たすように導入し、中空回路4aに圧力を加えて巻線4を径方向外側に膨張させるため、スロット3内形状に沿った形状に、巻線4が形成される。さらに、スペーサ6を用いて複数段階にて、巻線膨張工程をすることができるため、より高い精度でスロット3内形状に沿った形状に巻線4が形成される。よって、デッドスペースがより削減されるとともに、巻線4とスロット3内周面にはより高い摩擦力が生じる。
さらに、中空回路4aが形成された巻線4の他に、中実の巻線9も挿入されるため、スロット3内の占積率が向上する。
従って、運転時の冷却性能がより向上し、自己保持力がより向上する。さらに、回転電機の小型化及び高効率化ができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…ステータ
2…ステータコア
2a…コアバック
3…スロット
4…巻線
4a…中空回路
4A…第1巻線
4B…第2巻線
5…ティース
6…スペーサ
6A…第1スペーサ
6B…第2スペーサ
7…流体
8…ティースの径方向内側の端面
9…中実の巻線
D…挿入量

Claims (9)

  1. 回転電機の巻線成型方法であって、
    前記回転電機は、中空回路が形成された巻線を挿入するスロットを有するステータコアを有し、
    前記スロット内に配置された前記巻線の前記中空回路に流体を満たすように導入する流体導入工程と、
    前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記巻線を径方向外側に膨張させる巻線膨張工程と、を含む、回転電機の巻線成型方法。
  2. 前記スロットに前記巻線を挿入する挿入工程を、さらに含む、請求項1記載の回転電機の巻線成型方法。
  3. 回転電機の巻線成型方法であって、
    前記回転電機は、スロットを有するステータコアを有し、
    前記スロットの一部に中空回路が形成された第1巻線を挿入する第1挿入工程と、
    第1スペーサが前記第1巻線と前記スロットの内周面に接するように前記スロットに前記第1スペーサが配置される第1スペーサ配置工程と、
    前記第1巻線に形成された前記中空回路に流体を満たすように導入する第1流体導入工程と、
    前記第1スペーサ配置工程および前記第1流体導入工程の後、前記第1巻線の前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記第1巻線を径方向外側に膨張させる第1巻線膨張工程と、
    前記第1スペーサを取り除く第1スペーサ除去工程と、
    前記第1スペーサが配置されていた位置に、中空回路が形成された第2巻線を挿入する第2挿入工程と、
    前記第2巻線に形成された前記中空回路に流体を満たすように導入する第2流体導入工程と、
    第2スペーサが前記第2巻線と前記スロットの内周面に接するように前記スロットに第2スペーサが配置される第2スペーサ配置工程と、
    前記第2スペーサ配置工程および前記第2流体導入工程の後、前記第2巻線の前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記巻線を径方向外側に膨張させる第2巻線膨張工程と、を、少なくとも含む、回転電機の巻線成型方法。
  4. 回転電機の巻線成型方法であって、
    前記回転電機は、スロットを有するステータコアを有し、
    前記スロットの一部に中実の第1巻線を挿入する第1挿入工程と、
    前記スロットの一部に中空回路が形成された第2巻線を挿入する第2挿入工程と、
    前記第2巻線に形成された前記中空回路に流体を満たすように導入する流体導入工程と、
    前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記第2巻線を径方向外側に膨張させる巻線膨張工程と、を含む、回転電機の巻線成型方法。
  5. 回転電機の巻線成型方法であって、
    前記回転電機は、スロットを有するステータコアを有し、
    前記スロットの一部に中空回路が形成された第1巻線を挿入する第1挿入工程と、
    前記第1巻線と前記スロットの内周面に接するようにスペーサが配置されるスペーサ配置工程と、
    前記第1巻線に形成された前記中空回路に流体を満たすように導入する第1流体導入工程と、
    前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記第1巻線を径方向外側に膨張させる第1巻線膨張工程と、
    前記スペーサを取り除くスペーサ除去工程と、
    前記スペーサが配置されていた位置に中実の第2巻線を挿入する第2挿入工程と、を含む、回転電機の巻線成型方法。
  6. 回転電機の巻線成型方法であって、
    前記回転電機は、スロットを有するステータコアを有し、
    前記スロットの一部に中空回路が形成された巻線を挿入する挿入工程と、
    前記スロットの一部に中実の巻線を挿入する挿入工程と、
    前記中空回路が形成された前記巻線の前記中空回路に流体を満たすように導入する流体導入工程と、
    前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記中空回路が形成された前記巻線を径方向外側に膨張させる巻線膨張工程と、を含む、回転電機の巻線成型方法。
  7. 前記中空回路から前記流体を排出するための排出工程を、さらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の回転電機の巻線成型方法。
  8. 回転電機の巻線成型装置であって、
    前記回転電機は、中空回路が形成された巻線を挿入するスロットを有するステータコアを有し、
    前記中空回路に流体を満たすように導入する流体導入部と、
    前記中空回路内の前記流体に圧力を加えて前記巻線を径方向外側に膨張させる巻線膨張部と、を含む、回転電機の巻線成型装置。
  9. 回転電機であって、
    ステータコアと、
    前記ステータコアに形成されたスロットと、
    前記スロットに挿入され、中空回路が形成された巻線と、を、少なくとも備え、
    前記中空回路には、流体が満たすように導入されるとともに、前記流体に圧力が加えられて前記巻線が径方向外側に膨張させられた、回転電機。
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