JP7456187B2 - ステータの組立装置およびステータの組立方法 - Google Patents

ステータの組立装置およびステータの組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、ステータの組立装置およびステータの組立方法に関する。
従来、スロットに配置された絶縁部材に軸方向に沿って挿入された状態で絶縁部材を開放させる開放治具を備えるステータの組立装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、径方向の一方側に開口を有するスロットを含むステータコアと、スロットに収容されるスロット収容部を含むコイルと、コイルとスロット収容部との間に配置され径方向の一方側に開口を有する絶縁部材と、を備えるステータの組立装置が開示されている。上記特許文献1に記載のステータの組立装置は、絶縁部材の径方向の一方側の部分を開放させる第1ガイド治具と、絶縁部材の径方向の他方側の部分を開放させる第2ガイド治具と、コイルを径方向の他方側に向かって押圧するコイル挿入部と、を備える。上記特許文献1に記載のステータの組立装置では、第2ガイド治具は、第1ガイド治具の径方向の他方側の径方向位置に固定されている。また、第1ガイド治具は、第2ガイド治具に対して、径方向に相対移動可能に構成されている。また、第1ガイド治具および第2ガイド治具は、一体的に軸方向に移動するように構成されている。
上記特許文献1に記載のステータの組立装置では、まず、スロットに絶縁部材が配置される。そして、第1ガイド治具および第2ガイド治具が、一体的に軸方向に移動することにより、絶縁部材の径方向の一方側の部分および他方側の部分に軸方向に沿って挿入される。これにより、絶縁部材の径方向の一方側の部分および他方側の部分が開放された状態となる。また、第1ガイド治具の径方向の一方側にコイルが配置される。そして、コイル挿入部によりコイルを径方向の他方側に向かって押圧することによって、コイルと第1ガイド治具とを共に、開放された状態の絶縁部材の間を、第1ガイド治具が第2ガイド治具に接触する位置まで、径方向の他方側に移動させる。そして、第1ガイド治具および第2ガイド治具を、一体的に軸方向に移動することにより、同時に、絶縁部材から軸方向に沿って退避させる。そして、退避させた第1ガイド治具および第2ガイド治具のスペースの分だけ、コイル挿入部により、コイルを径方向の他方側にさらに移動させる。これにより、コイルが、絶縁部材の径方向の他方側の部分まで挿入された状態となる。
国際公開第2019/031573号
しかしながら、上記特許文献1に記載のような従来のステータの組立装置では、第1ガイド治具および第2ガイド治具が絶縁部材に挿入されている間は、絶縁部材が開放されるものの、第1ガイド治具および第2ガイド治具を絶縁部材から退避させた後に、絶縁部材が閉じてしまう場合がある。すなわち、コイルと第1ガイド治具とを共に、第1ガイド治具が第2ガイド治具と接触する位置まで、径方向の他方側に移動させる際には、絶縁部材を開いた状態に維持できる。一方、一体的に軸方向に移動することにより、第1ガイド治具および第2ガイド治具を同時に退避させた後、退避させた第1ガイド治具(第1開放治具)および第2ガイド治具(第2開放治具)のスペースの分だけ、コイルを径方向の他方側にさらに移動させる際に、絶縁部材が閉じるなど絶縁部材の形状が崩れてしまう場合がある。なお、絶縁部材の形状が崩れてしまった場合、コイルとスロットとの絶縁を確保できない場合がある。このため、コイルをステータコアのスロットに挿入する際に、絶縁部材が開放されずに絶縁部材の形状が崩れるのをより防止して、コイルとスロットとの絶縁をより確保可能な絶縁部材の範囲を拡大したいという要望がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、コイルをステータコアのスロットに挿入する際に、絶縁部材が開放されずに絶縁部材の形状が崩れるのをより防止して、コイルとスロットとの絶縁をより確保可能なステータの組立装置およびステータの組立方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるステータの組立装置は、径方向の一方側に開口する開口部を有するスロットを含むステータコアと、スロットに収容されるスロット収容部を含むコイルと、スロットとスロット収容部との間に配置された絶縁部材と、を備えるステータの組立装置であって、ステータコアの軸方向および径方向に沿って移動可能に構成され、スロットに配置された絶縁部材に、軸方向に沿って挿入された状態で、絶縁部材の径方向の一方側の部分を開放させる第1開放治具と、第1開放治具よりも径方向の他方側に配置されるとともに、軸方向に沿って移動可能に構成され、絶縁部材の径方向の他方側の部分を開放させる第2開放治具と、コイルが第1開放治具の径方向の一方側に配置された状態で、コイルと第1開放治具とを共に、ステータコアに対して径方向の他方側に移動させることにより、スロット収容部を、開口部を介してスロットに挿入するコイル挿入部と、を備え、第1開放治具と第2開放治具とは、軸方向に沿って互いに独立して移動可能に構成されており、コイル挿入部、第1開放治具および第2開放治具の動作を制御する制御部をさらに備え、制御部は、コイルと第1開放治具とを共に、径方向の他方側に移動させた状態で、第1開放治具および第2開放治具のうちの一方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させる制御を行うとともに、第1開放治具および第2開放治具のうちの一方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させるとともに第1開放治具および第2開放治具のうちの他方を絶縁部材に配置した状態で、コイル挿入部によりコイルを径方向の他方側にさらに移動させる制御を行うように構成されている。なお、本願明細書では、「絶縁部材を開放させる」とは、絶縁部材の内側の隙間(幅)が大きくなるように変化させることを意味する。
この発明の第1の局面におけるステータの組立装置では、上記のように、第1開放治具と第2開放治具とが、軸方向に沿って互いに独立して移動可能に構成されている。これにより、第1開放治具および第2開放治具のうちの一方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させ、第1開放治具および第2開放治具のうちの他方を絶縁部材に配置した状態にすることができる。これにより、第1開放治具および第2開放治具のうちの一方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させた後、第1開放治具および第2開放治具のうちの他方のみを絶縁部材に配置した状態で、退避させた第1開放治具および第2開放治具のうちの一方のスペースの分だけ、コイルを径方向の他方側にさらに移動させることができる。これにより、コイルを径方向の他方側にさらに移動させた状態で、第1開放治具および第2開放治具のうちの他方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させることができる。すなわち、第1開放治具および第2開放治具を絶縁部材から同時に退避させる場合と比較して、絶縁部材に第1開放治具および第2開放治具が共に配置されていない状態でコイルを移動させる距離を小さくすることができる。その結果、コイルをステータコアのスロットに挿入する際に、絶縁部材が開放されずに絶縁部材の形状が崩れるのをより防止して、コイルとスロットとの絶縁をより確保可能なステータの組立装置を提供することができる。
また、上記目的を達成するために、この発明の第2の局面におけるステータの組立方法は、径方向の一方側に開口する開口部を有するスロットを含むステータコアと、スロットに収容されるスロット収容部を含むコイルと、スロットと前記スロット収容部との間に配置された絶縁部材と、を備えるステータの組立方法であって、絶縁部材をスロットに配置する配置工程と、配置工程の後、第1開放治具および第2開放治具をステータコアの軸方向に沿って絶縁部材に挿入し、それぞれ、絶縁部材の径方向の一方側の部分および径方向の他方側の部分を開放させる開放工程と、開放工程の後、コイルが第1開放治具の径方向の一方側に配置された状態で、コイル挿入部により、コイルと第1開放治具とを共に、ステータコアに対して径方向の他方側に移動させることにより、スロット収容部を、開口部を介してスロットに挿入する挿入工程と、を備え、挿入工程において、第1開放治具と第2開放治具とを、独立して段階的に、絶縁部材から軸方向に沿って退避させ、挿入工程において、コイルと第1開放治具とを共に、径方向の他方側に移動させた後、第1開放治具および第2開放治具のうちの一方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させ、その後、コイル挿入部により、コイルを径方向の他方側にさらに移動させる
この発明の第2の局面におけるステータの組立方法では、上記のように、スロット収容部をスロットに挿入する挿入工程において、第1開放治具と第2開放治具とを、独立して段階的に、絶縁部材から軸方向に沿って退避させる。これにより、第1開放治具および第2開放治具のうちの一方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させ、第1開放治具および第2開放治具のうちの他方を絶縁部材に配置した状態にすることができる。これにより、第1開放治具および第2開放治具のうちの一方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させた後、第1開放治具および第2開放治具のうちの他方を絶縁部材に配置した状態で、退避させた第1開放治具および第2開放治具のうちの一方のスペースの分だけ、コイルを径方向の他方側にさらに移動させることができる。これにより、コイルを径方向の他方側にさらに移動させた状態で、第1開放治具および第2開放治具のうちの他方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させることができる。すなわち、第1開放治具および第2開放治具を絶縁部材から同時に退避させる場合と比較して、絶縁部材に第1開放治具および第2開放治具が共に配置されていない状態でコイルを移動させる距離を小さくすることができる。その結果、コイルをステータコアのスロットに挿入する際に、絶縁部材が開放されずに絶縁部材の形状が崩れるのをより防止して、コイルとスロットとの絶縁をより確保することができる。
本発明によれば、上記のように、コイルをステータコアのスロットに挿入する際に、絶縁部材が開放されずに絶縁部材の形状が崩れるのをより防止して、コイルとスロットとの絶縁をより確保することができる。
第1実施形態によるステータの斜視断面図である。 第1実施形態によるステータを軸方向から見た部分拡大図である。 第1実施形態によるコイルの斜視図である。 第1実施形態による絶縁部材の斜視図である。 第1実施形態によるステータおよびステータの組立装置の斜視断面図である。 第1実施形態によるステータの組立装置のブロック図である。 第1実施形態によるコイル挿入部を周方向から見た図である。 第1実施形態によるコイル挿入部を軸方向から見た図である。 第1実施形態による絶縁部材開放部を説明するための図である。 第1実施形態によるステータの組立方法を説明するため図である。 図10の続きを説明するため図である。 第1実施形態によるステータの組立方法のフロー図である。 第1実施形態による絶縁部材をスロットに配置する工程を説明するための図である。 第2実施形態によるステータの組立装置のブロック図である。 第2実施形態によるステータの組立方法を説明するため図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(ステータの構成)
まず、図1~図4を参照して、第1実施形態によるステータ100の構成について説明する。
以下の説明では、ステータ100が備えるステータコア10(図1参照)の軸方向、径方向および周方向を、それぞれ、Z方向、R方向およびC方向とする。また、軸方向(Z方向)の一方側および他方側を、それぞれ、Z1側およびZ2側とする。また、径方向(R方向)の内側および外側を、それぞれ、R1側およびR2側とする。なお、径方向(R方向)の内側および外側は、それぞれ、特許請求の範囲の「径方向の一方側」および「径方向の他方側」の一例である。
図1に示すように、ステータ100は、円環形状に形成されている。ステータ100は、ロータ(回転子、図示せず)と共に、回転電機を構成する固定子である。ステータ100は、ステータコア10と、コイル20と、を備える。
ステータコア10は、たとえば、Z方向に積層された複数の電磁鋼板からなる。ステータコア10は、円環形状に形成されている。ステータコア10は、円環のR1側の中心軸線A(ロータの回転軸線)を含む領域に、ロータを配置するための空間を有する。
ステータコア10は、バックヨーク11を含む。バックヨーク11は、ステータコア10のうちの外周側の部分(R2側の部分)である。バックヨーク11は、円環形状に形成されている。
図2に示すように、ステータコア10は、複数のティース12を含む。複数のティース12は、バックヨーク11からR1側に向かって突出する凸部である。複数のティース12は、C方向に沿って等角度間隔に配置されている。隣接する2つのティース12の間には、スロット13が形成されている。
スロット13は、ステータコア10の内周面からR2側に向かって窪む凹部である。スロット13は、Z方向から見て、U字形状に形成されている。スロット13は、R2側に開口する開口部13aを有する。スロット13は、コイル20のスロット収容部21(後述する)を収容して保持する。スロット13は、複数形成されている。複数のスロット13は、C方向に沿って等角度間隔に配置されている。スロット13およびティース12は、C方向に沿って交互に配置されている。
コイル20は、通電されることにより、ロータを回転させる磁界を発生させる。コイル20は、平角導線により構成されている。平角導線は、矩形形状の断面を有する導線であって、導電性が高い金属(銅、アルミニウムなど)からなる。コイル20は、図3に示すように、1本の平角導線を複数回だけ巻回する(螺旋状に巻回する)ことにより形成されている。コイル20は、環形状(六角形形状、八角形形状など)に形成されている。
図1に示すように、コイル20は、分布巻きされている。コイル20は、複数設けられている。複数のコイル20は、各スロット13に配置(挿入)されている。複数のコイル20は、C方向に沿って配列されている。C方向に沿って配列された複数のコイル20は、コイルアッセンブリ30を構成する。コイルアッセンブリ30は、円環形状に形成されている。
図3に示すように、コイル20は、スロット収容部21と、コイルエンド部22と、リード線部23と、を含む。スロット収容部21は、コイル20のうちのスロット13に収容される部分である。スロット収容部21は、Z方向に沿って延びる直線形状に形成されている。図1に示すように、スロット収容部21は、C方向に間隔を隔てて一対形成されている。一対のスロット収容部21は、C方向に間隔を隔てた互いに異なるスロット13に収容されている。
図3に示すように、コイルエンド部22は、コイル20のうちのC方向に間隔を隔てた一対のスロット収容部21を接続する部分である。コイルエンド部22は、R1側から見て、三角形状に形成されている。コイルエンド部22は、Z1側およびZ2側にそれぞれ形成されている。図1に示すように、Z1側のコイルエンド部22は、Z1側において一対のスロット収容部21を接続するとともに、スロット13からZ1側に突出している。Z2側のコイルエンド部22は、Z2側において一対のスロット収容部21を接続するとともに、スロット13からZ2側に突出している。
リード線部23は、コイル20のうちの交流電源部から交流電力が供給されるか、または、他のコイル20のリード線部23と接続(接合)される部分である。図3に示すように、リード線部23は、折り曲げられるように形成されている。図1に示すように、リード線部23は、スロット収容部21から連続して延びるように、最もR1側のスロット収容部21、および、最もR2側のスロット収容部21にそれぞれ形成されている。R1側のリード線部23およびR2側のリード線部23は、共に、Z2側に形成されている。R1側のリード線部23およびR2側のリード線部23は、スロット13からZ2側に突出している。以下では、リード線部23が設けられたZ2側を、「リード側」と称し、リード線部23が設けられていないZ1側を、「反リード側」と称する場合がある。
図2に示すように、ステータ100は、絶縁部材40を備える。絶縁部材40は、各スロット13とスロット収容部21との間に配置されている。絶縁部材40は、スロット13とコイル20とを電気的に絶縁するように構成されている。図4に示すように、絶縁部材40は、折り曲げ可能なシート状の部材である。絶縁部材40は、スロット13に沿った形状に形成されている。具体的には、図2に示すように、絶縁部材40は、スロット13のC方向に互いに対向する内壁面13b、および、R2側の内壁面13cに沿った形状に形成されている。絶縁部材40は、折り曲げられることにより、Z方向から見てU字形状に形成されている。図4に示すように、絶縁部材40は、C方向に互いに対向する一対の側壁部41と、R2側において一対の側壁部41を接続する側壁部42と、を含む。
図2に示すように、一対の側壁部41は、スロット収容部21と一対の内壁面13bとの間に配置されている。一対の側壁部41は、スロット収容部21と一対の内壁面13bとを絶縁する。絶縁部材40では、一対の側壁部41のうちのR1側の部分により、R1側に開口する開口部40aが形成されている。
側壁部42は、スロット収容部21と内壁面13cとの間に配置されている。側壁部42は、スロット収容部21と内壁面13cとを絶縁する。図4に示すように、絶縁部材40では、一対の側壁部41のうちのZ1側の部分、および、側壁部42のうちのZ1側の部分により、Z1側に開口する開口部40bが形成されている。また、一対の側壁部41のうちのZ2側の部分、および、側壁部42のうちのZ2側の部分により、Z2側に開口する開口部40cが形成されている。
(ステータの組立装置の構成)
次に、図5~図11を参照して、ステータ100の組立装置200の構成について説明する。
図5に示すように、組立装置200は、コイル20(コイルアッセンブリ30)を、ステータコア10のスロット13に挿入(装着)する装置である。組立装置200は、コア保持部210と、コイル挿入部220と、絶縁部材開放部230と、を備える。
コア保持部(パレット)210は、ステータコア10およびコイル20(コイルアッセンブリ30)を保持している。具体的には、コア保持部210は、ガイド治具250が挿入(装着)されたステータコア10およびコイル20を保持している。
ガイド治具250は、コイル20をステータコア10のスロット13に挿入する際、コイル20をガイドする治具である。ガイド治具250は、第1ガイド治具251と、第2ガイド治具252と、を含む。第1ガイド治具251は、ステータコア10のティース12に対してZ2側に配置されたガイド治具である。第1ガイド治具251は、ステータコア10に対してZ1側およびZ2側のそれぞれに配置されている。第2ガイド治具252は、ステータコア10のティース12に対してR1側に配置されたガイド治具である。第1ガイド治具251および第2ガイド治具252は、共に、ティース12毎に配置されている。第1ガイド治具251および第2ガイド治具252は、共に、コイルアッセンブリ30のティース孔(ティース12が挿入される孔)に挿入されている。
図6に示すように、コア保持部210は、コア保持部210をC方向に回転させる駆動モータ211(図6参照)により、C方向に沿って回転可能に構成されている。コア保持部210は、ステータコア10およびコイル20を保持した状態で、C方向に沿って回転可能に構成されている。コア保持部210に保持されたステータコア10およびコイル20は、コア保持部210と共に、C方向に沿って回転される。
コイル挿入部220は、コイル20(コイルアッセンブリ30)を、ステータコア10のスロット13に挿入する治具である。図7に示すように、コイル挿入部220は、R1側からR2側に向かってコイル20を押圧する(押す)ことにより、コイル20(コイルアッセンブリ30)をR1側からR2側に向かって移動させるように構成されている。コイル挿入部220は、コイル20をR1側からR2側に向かって移動させることにより、コイル20のスロット収容部21をステータコア10のスロット13に挿入するように構成されている。
ここで、第1実施形態では、組立装置200は、コイル挿入部220によるコイル20をR2側に向かって押圧する動作を複数回に分けて行うことによって、コイル20をR2側に移動させるように構成されている。また、組立装置200は、コイル20をR2側に向かって押圧する動作を行う度に、コイル挿入部220をコイル20から一旦離間させるように構成されている。
具体的には、コイル挿入部220は、コイル挿入部220をR方向に移動させる駆動モータ221(図6参照)により、R方向に沿って移動可能に構成されている。つまり、コイル挿入部220は、駆動モータ221により、R1側からR2側に向かって移動可能で、かつ、R2側からR1側に向かって移動可能に構成されている。これにより、図8に示すように、コイル挿入部220は、原点位置P1(実線により示す)から挿入位置P2(二点鎖線により示す)に移動した後、退避位置P3(破線により示す)に移動可能に構成されている。
原点位置P1は、コイル20をスロット13に挿入する挿入作業の前にコイル挿入部220が配置される初期位置である。原点位置P1は、コイル挿入部220が最もR1側に配置された位置である。挿入位置P2は、挿入作業を行う際、コイル挿入部220がコイル20に接触してコイル20を押す位置である。挿入位置P2は、コイル20の挿入作業が進行するにつれて、R2側に徐々にシフトする。退避位置P3は、挿入作業の間において、コイル挿入部220がステータコア10に対してC方向に相対回転される際、コイル20から一旦離れて退避する位置である。退避位置P3は、原点位置P1よりもR2側で、かつ、挿入位置P2よりもR1側に位置する位置である。
第1実施形態では、コイル挿入部220は、C方向に沿って周状に並ぶように配置された複数(8つ)のコイル押圧部220aを含む。複数のコイル押圧部220aは、C方向に沿って等角度間隔に配置されている。複数のコイル押圧部220aは、各々、R1側からR2側に向かって放射状に移動することにより、C方向に沿って互いに離間された状態で、互いに異なるコイル20の部分(コイルアッセンブリ30の部分)を押圧するように構成されている。これにより、一度に広範囲でコイル20の挿入を行うことができるので、コイル20の挿入工程に要する時間を短縮可能である。なお、コイル20を押圧する際、複数のコイル押圧部220aは、同期して移動される。
第1実施形態では、組立装置200は、コイル20をR2側に向かって押圧する動作を行う度に、複数のコイル押圧部220aを所定角度だけ相対回転させるように構成されている。具体的には、ステータコア10およびコイル20をC方向に所定角度だけ回転させることにより、複数のコイル押圧部220aをステータコア10に対して所定角度だけC方向に相対回転させる回転作業を行う。また、相対回転後の位置から、複数のコイル押圧部220aによりコイル20を押圧する挿入作業を再び行う。すなわち、回転作業と挿入作業とが交互に行われつつ、コイル20がステータコア10のスロット13に挿入される。なお、回転作業では、コイル挿入部220の数に応じた所定角度だけ、複数のコイル押圧部220aがステータコア10に対してC方向に相対回転される。たとえば、コイル押圧部220aの数が8つである場合、所定角度として、22.5度(=360度/8/2)、11.25度(=360度/8/4)などを採用することができる。
図7に示すように、複数のコイル押圧部220aは、Z方向に沿って一対設けられている。一対の複数のコイル押圧部220aにより、コイル20のうちのZ1側の部分およびZ2側の部分を同時に押圧することが可能である。その結果、コイル20をスロット13に挿入する際、R1側またはR2側のいずれかにおいてコイル20が傾くのを低減可能である。なお、コイル20を押圧する際、一対の複数のコイル押圧部220aは、同期して移動される。
Z1側(反リード側)の複数のコイル押圧部220aは、コイル20のZ1側(反リード側)のコイルエンド部22を押圧するように構成されている。コイル20を押圧する際、Z1側の複数のコイル押圧部220aは、コイル20のZ1側のコイルエンド部22に対してR1側で、かつ、このコイルエンド部22とR方向に対向する位置に配置されている。また、Z2側(リード側)の複数のコイル押圧部220aは、コイル20のZ2側(リード側)のコイルエンド部22を押すように構成されている。コイル20を押圧する際、Z2側の複数のコイル押圧部220aは、コイル20のZ2側のコイルエンド部22に対してR1側で、かつ、R方向に対向する位置に配置されている。
図9に示すように、絶縁部材開放部230は、第1開放治具232と、第2開放治具233と、を備える。図10(C)に示すように、第1開放治具232は、スロット13に配置された絶縁部材40に、Z方向に沿って挿入された状態で、絶縁部材40のR1側の部分40d(開口部40aを含む)を開放させる治具である。具体的には、第1開放治具232は、スロット13に配置された絶縁部材40のうちのR1側の部分40dに挿入されるように構成されている。また、第2開放治具233は、絶縁部材40のR2側の部分40eを開放させる治具である。具体的には、第2開放治具233は、第1開放治具232よりもR2側に配置されている。そして、第2開放治具233は、スロット13に配置された絶縁部材40のうちのR2側の部分40eに挿入されるように構成されている。
図9に示すように、第1開放治具232および第2開放治具233は、駆動モータ231(図6参照)により、Z方向に沿って移動可能に構成されている。すなわち、第1開放治具232および第2開放治具233は、各々、Z1側からZ2側に向かって移動可能で、かつ、Z2側からZ1側に向かって移動可能に構成されている。駆動モータ231は、たとえば、サーボモータである。駆動モータ231と、第1開放治具232および第2開放治具233との間には、各々、駆動モータ231の駆動力を第1開放治具232および第2開放治具233に伝達する伝達機構(図示しない)が設けられている。伝達機構は、たとえば、ボールねじである。
また、第1開放治具232は、R方向に沿って移動可能に構成されている。詳細には、第1開放治具232は、絶縁部材40のR2側に配置された第2開放治具233に対して、R方向に沿って相対移動可能に構成されている。具体的には、第2開放治具233は、絶縁部材開放部230の下部(Z2側)に配置された基台部234により、R方向への移動が規制されている。また、第1開放治具232は、基台部234と付勢部材235によって連結されている。付勢部材235は、第1開放治具232をR1側に付勢する付勢力を有する。付勢部材235は、たとえば、コイルばねである。これにより、図10(E)に示すように、第1開放治具232は、コイル挿入部220によりコイル20を介してR2方向に押圧されることによって、付勢部材235による付勢力に抗して、R2側に移動することができる。すなわち、第1実施形態では、コイル挿入部220は、コイル20が第1開放治具232のR1側に接触するように配置された状態で、コイル20をR2側に向かって押圧することによって、コイル20と第1開放治具232とを共に、ステータコア10に対してR2側に移動させることにより、スロット収容部21を、開口部13aを介してスロット13に挿入することが可能である。
なお、図示しないが、絶縁部材開放部230は、複数の第1開放治具232および複数の第2開放治具233を備える。複数の第1開放治具232および複数の第2開放治具233は、スロット13(絶縁部材40)毎に設けられている。複数の第1開放治具232および複数の第2開放治具233は、C方向に沿ってスロット13と等角度間隔に配置されている。
第1開放治具232および第2開放治具233は、は、Z1側(反リード側)からZ2側(リード側)に向かってスロット13に配置された絶縁部材40に挿入されることにより、それぞれ、絶縁部材40のR1側の部分40d(開口部40a)およびR2側の部分40eを開放させるように構成されている。また、絶縁部材40に挿入された第1開放治具232および第2開放治具233は、コイル20がスロット13へ挿入された後、Z1側からZ2側に向かってスロット13に配置された絶縁部材40から退避されるように構成されている。
図6に示すように、組立装置200は、制御部240を備える。制御部240は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、組立装置200の動作を制御する制御回路である。制御部240は、駆動モータ211、221および231を制御することにより、それぞれ、コア保持部210、コイル挿入部220および絶縁部材開放部230(第1開放治具232および第2開放治具233)の動作を制御するように構成されている。
ここで、第1実施形態では、図9に示すように、第1開放治具232と第2開放治具233とが、Z方向に沿って互いに独立して移動可能に構成されている。詳細には、第1開放治具232が絶縁部材40に挿入された状態で、第2開放治具233が絶縁部材40からZ方向に沿って退避可能に構成されている。
具体的には、図10(E)および図10(F)に示すように、コイル20をスロット13へ挿入する際に、制御部240は、コイル20と第1開放治具232とを共に、R2側に第1開放治具232が第2開放治具233に接触する接触位置P4まで移動させる制御を行うように構成されている。そして、図11(A)に示すように、制御部240は、コイル20と第1開放治具232とを共に、R2側に第1開放治具232が第2開放治具233に接触する接触位置P4まで移動させた状態で、第2開放治具233を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させる制御を行うように構成されている。
そして、図11(B)に示すように、制御部240は、第2開放治具233を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させるとともに第1開放治具232を絶縁部材40に配置した状態で、コイル挿入部220により、コイル20をR2側に向かって押圧することによって、コイル20をR2側にさらに移動させる制御を行うように構成されている。そして、図11(C)および図11(D)に示すように、制御部240は、コイル挿入部220によりコイル20をR2側にさらに移動させた状態で、第1開放治具232を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させる制御を行うように構成されている。
(ステータの組立方法)
次に、図10~図13を主に参照して、組立装置200によるステータ100の組立方法について説明する。この組立方法では、コア保持部210、コイル挿入部220および絶縁部材開放部230の動作は、制御部240により制御されている。
図12に示すように、まず、ステップS1において、絶縁部材40をスロット13に配置する配置工程が行われる。具体的には、図13に示すように、絶縁部材40を、スロット13の開口部13aを介して、R1側からR2側に向かって挿入することにより、絶縁部材40がスロット13に配置される(図10(A)の状態となる)。なお、絶縁部材40を開放させる開放工程(ステップS3)の前は、絶縁部材40の開口部40aは、図13の最も右側の絶縁部材40のように、完全に開放した状態よりも閉じた状態になっている場合がある。
次に、図12に示すように、ステップS2において、コイル20をステータコア10のR1側に配置する配置工程が行われる。具体的には、図10(B)に示すように、ステータコア10のティース12およびスロット13にR方向に対向する位置にコイル20が配置される。そして、図5に示すように、ステータコア10およびコイル20にガイド治具250の第1ガイド治具251および第2ガイド治具252が挿入(装着)される。そして、ガイド治具250が挿入されたステータコア10およびコイル20がコア保持部210に保持される。
次に、図12に示すように、ステップS3において、第1開放治具232および第2開放治具233をZ方向に沿って絶縁部材40に挿入し、それぞれ、絶縁部材40のR1側の部分40dおよびR2側の部分40eを開放させる開放工程が行われる。具体的には、図10(C)に示すように、Z1側(反リード側)からZ2側(リード側)に向かってスロット13に配置された絶縁部材40に絶縁部材開放部230の第1開放治具232および第2開放治具233が挿入される。第1開放治具232および第2開放治具233は、それぞれ、絶縁部材40のR1側の部分40d(開口部40a)およびR2側の部分40eに挿入される。第1開放治具232および第2開放治具233が挿入されると、絶縁部材40のR1側の部分40d(開口部40a)およびR2側の部分40eが開放される。
そして、図12に示すように、ステップS4において、コイル20が第1開放治具232のR1側に接触するように配置された状態で、コイル挿入部220により、コイル20をR2側に向かって押圧することによって、コイル20と第1開放治具232とを共に、ステータコア10に対してR2側に移動させることにより、スロット収容部21を、開口部13aを介してスロット13に挿入する挿入工程が行われる。なお、第1実施形態では、挿入工程(S4)において、第1開放治具232と第2開放治具233とを、独立して段階的に、絶縁部材40からZ方向に沿って退避させる。
具体的には、まず、図10(D)~図10(F)に示すように、コイル20と第1開放治具232とを共に、R2側に第1開放治具232が第2開放治具233に接触する接触位置P4まで移動させる。その後、図11(A)に示すように、第2開放治具233を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させる。その後、図11(B)および図11(C)に示すように、コイル挿入部220により、コイル20が第1開放治具232に接触するとともに、第1開放治具232が絶縁部材40のR2側の部分40eに配置された状態となるまでコイル20をR2側にさらに移動させる。その後、図11(D)に示すように、第1開放治具232を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させる。その後、図11(E)および図11(F)に示すように、コイル挿入部220により、コイル20が絶縁部材40のR2側の部分40eに配置された状態となるまでコイル20をR2側にさらに移動させる。これにより、挿入工程が完了する。
なお、第1実施形態では、挿入工程(S4)において、コイル挿入部220によるコイル20をR2側に向かって押圧する動作を複数回に分けて行うことによって、コイル20をR2側に移動させる。また、コイル20を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を行う度に、コイル挿入部220をコイル20から一旦離間させる。また、コイル20をR2側に向かって押圧する動作を行う度に、複数のコイル押圧部220aを所定角度だけ相対回転させる。
[第2実施形態]
次に、図14および図15を参照して、第2実施形態によるステータ100の組立装置300の構成について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
図14に示すように、組立装置300は、制御部340を備える。
図15に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、第1開放治具232と第2開放治具233とが、Z方向に沿って互いに独立して移動可能に構成されている。一方、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、第2開放治具233が絶縁部材40に挿入された状態で、第1開放治具232が絶縁部材40からZ方向に沿って退避可能に構成されている。
具体的には、図15(A)に示すように、制御部340は、コイル20と第1開放治具232とを共に、R2側に第1開放治具232が第2開放治具233に接触する接触位置P4まで移動させた状態で、第1開放治具232を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させる制御を行うように構成されている。そして、図15(B)に示すように、制御部340は、第1開放治具232を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させるとともに第2開放治具233を絶縁部材40に配置した状態で、コイル挿入部220により、コイル20をR2側に向かって押圧することによって、コイル20をR2側にさらに移動させる制御を行うように構成されている。そして、図15(C)および図15(D)に示すように、制御部340は、コイル挿入部220によりコイル20をR2側にさらに移動させた状態で、第2開放治具233を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させる制御を行うように構成されている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(ステータの組立方法)
次に、図15を主に参照して、組立装置300によるステータ100の組立方法について説明する。
ステップS1~ステップS3およびステップS4のコイル20と第1開放治具232とを共に、R2側に第1開放治具232が第2開放治具233に接触する接触位置P4まで移動させる工程までは、組立装置200によるステータ100の組立方法と同様である。
コイル20と第1開放治具232とを共に、R2側に第1開放治具232が第2開放治具233に接触する接触位置P4まで移動させた後、図15(A)に示すように、第1開放治具232を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させる。その後、図15(B)および図15(C)に示すように、コイル挿入部220により、コイル20が第2開放治具233に接触するとともに、第2開放治具233が絶縁部材40のR2側の部分40eに配置された状態となるまでコイル20をR2側にさらに移動させる。その後、図15(D)に示すように、第2開放治具233を絶縁部材40からZ方向に沿って退避させる。その後の工程は、組立装置300によるステータ100の組立方法と同様である。
[実施形態の効果]
上記第1および第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
(ステータの組立装置の効果)
上記第1および第2実施形態では、上記のように、第1開放治具(232)と第2開放治具(233)とが、軸方向(Z方向)に沿って互いに独立して移動可能に構成されている。これにより、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させ、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方のみを絶縁部材(40)に配置した状態にすることができる。これにより、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させた後、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方のみを絶縁部材(40)に配置した状態で、退避させた第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方のスペースの分だけ、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させることができる。これにより、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させた状態で、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させることができる。すなわち、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)を絶縁部材(40)から同時に退避させる場合と比較して、絶縁部材(40)に第1開放治具(232)および第2開放治具(233)が共に配置されていない状態でコイル(20)を移動させる距離を小さくすることができる。その結果、絶縁部材(40)が開放されずに絶縁部材(40)の形状が崩れるのをより防止して、コイル(20)とスロット(13)との絶縁をより確保可能なステータの組立装置(200、300)を提供することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方が絶縁部材(40)に挿入された状態で、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方が絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避可能に構成されている。このように構成すれば、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させ、確実に、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方のみを絶縁部材(40)に配置した状態にすることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、第1開放治具(232)は、絶縁部材(40)の径方向(R方向)の他方側(R2側)に配置された第2開放治具(233)に対して、径方向(R方向)に沿って相対移動可能に構成されている。このように構成すれば、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、径方向(R方向)の他方側(R2側)に第1開放治具(232)が第2開放治具(233)に接触する接触位置P4まで確実に移動させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、コイル挿入部(220)、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)の動作を制御する制御部(240、340)をさらに備え、制御部(240、340)は、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、径方向(R方向)の他方側(R2側)に第1開放治具(232)が第2開放治具(233)に接触する接触位置(P4)まで移動させた状態で、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させる制御を行うとともに、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させるとともに第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)に配置した状態で、コイル挿入部(220)によりコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に接触位置(P4)まで移動させた状態で、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って容易に退避させることができる。また、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させるとともに第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)に配置した状態で、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に容易にさらに移動させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、制御部(240、340)は、コイル挿入部(220)によりコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させた状態で、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させた状態で、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って容易に退避させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、制御部(240、340)は、コイル挿入部(220)によりコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させることによって、コイル(20)が第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方に接触するとともに、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方が絶縁部材(40)の径方向(R方向)の他方側(R2側)の部分(40e)に配置された状態で、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方のみが絶縁部材(40)に配置された状態で径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動可能な限界位置までコイル(20)をさらに移動させることができる。その結果、絶縁部材(40)に第1開放治具(232)および第2開放治具(233)が共に配置されていない状態でコイル(20)を移動させる距離を確実に小さくすることができる。
また、上記第1実施形態では、上記のように、制御部(240)は、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、径方向(R方向)の他方側(R2側)に接触位置(P4)まで移動させた状態で、第2開放治具(233)を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させる制御を行うとともに、第2開放治具(233)を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させるとともに第1開放治具(232)を絶縁部材(40)に配置した状態で、コイル挿入部(220)によりコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に径方向(R方向)の他方側(R2側)に接触位置(P4)まで移動させるのに続いて、コイル(20)と第1開放治具(232)との相対位置を維持したまま、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させることができる。その結果、コイル(20)のコイル(20)が移動する側(R2側)の近傍において、絶縁部材(40)を確実に開放した状態にすることができるので、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させる際に、絶縁部材(40)が開放されずに絶縁部材(40)の形状が崩れるのを効果的に防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、コイル挿入部(220)は、コイル(20)が第1開放治具(232)の径方向(R方向)の一方側(R1側)に接触するように配置された状態で、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧することによって、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、ステータコア(10)に対して径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動させるように構成されている。このように構成すれば、コイル挿入部(220)により、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、ステータコア(10)に対して径方向(R方向)の他方側(R2側)に容易に移動させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、コイル挿入部(220)によるコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を複数回に分けて行うことによって、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動させるように構成されている。このように構成すれば、コイル挿入部(220)によるコイル(20)の一度の押圧によりコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動させる移動量を小さくすることができる。その結果、コイル(20)が径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって移動する際に、コイル(20)の一部(リード線部の根元部)が、スロット(13)の軸方向(Z方向)における角部に周方向(C方向)に押し付けられることに起因して塑性変形してしまうのを防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を行う度に、コイル挿入部(220)をコイル(20)から一旦離間させるように構成されている。このように構成すれば、コイル(20)を押圧する動作を行う度に、コイル挿入部(220)によるコイル(20)の押圧を一端解除することができるので、コイル(20)の一部(リード線部の根元部)が、塑性変形してしまうのを確実に防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、コイル挿入部(220)は、ステータコア(10)の周方向(C方向)に沿って周状に並ぶように配置された複数のコイル押圧部(220a)を含み、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を行う度に、複数のコイル押圧部(220a)を所定角度だけ相対回転させるように構成されている。このように構成すれば、コイル挿入部(220)の径方向(R方向)における移動に伴って、複数のコイル押圧部(220a)同士の周方向(C方向)の相対位置が変化した場合でも、コイル(20)を押圧する動作を行う度に複数のコイル押圧部(220a)を所定角度だけ相対回転させることによって、複数のコイル押圧部(220a)によるコイル(20)の押圧を周方向(C方向)において均一化することができる。
(ステータの組立方法の効果)
上記第1および第2実施形態では、上記のように、スロット収容部21をスロット13に挿入する挿入工程(S4)において、第1開放治具(232)と第2開放治具(233)とを、独立して段階的に、絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させる。これにより、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させ、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方のみを絶縁部材(40)に配置した状態にすることができる。これにより、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させた後、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方のみを絶縁部材(40)に配置した状態で、退避させた第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方のスペースの分だけ、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側にさらに移動させることができる。これにより、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させた状態で、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させることができる。すなわち、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)を絶縁部材(40)から同時に退避させる場合と比較して、絶縁部材(40)にガ第1イド治具(232)および第2開放治具(233)が共に配置されていない状態でコイル(20)を移動させる距離を小さくすることができる。その結果、コイル(20)をステータコア(10)のスロット(13)に挿入する際に、絶縁部材(40)が開放されずに絶縁部材(40)の形状が崩れるのをより防止して、コイル(20)とスロット(13)との絶縁をより確保することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、挿入工程(S4)において、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、径方向(R方向)の他方側(R2側)に第1開放治具(232)が第2開放治具(233)に接触する接触位置(P4)まで移動させた後、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの一方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させ、その後、コイル挿入部(220)により、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させる。このように構成すれば、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させた後、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させることによって、第1開放治具(232)と第2開放治具(233)とを、独立して段階的に、絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、挿入工程(S4)において、コイル挿入部(220)によりコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させた後、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させる。このように構成すれば、第1開放治具(232)と第2開放治具(233)とを、確実に、独立して段階的に、絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、挿入工程(S4)において、コイル挿入部(220)により、コイル(20)が第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方に接触するとともに、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方が絶縁部材(40)の径方向(R方向)の他方側(R2側)の部分(40e)に配置された状態となるまでコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させた後、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させる。このように構成すれば、第1開放治具(232)および第2開放治具(233)のうちの他方のみが絶縁部材(40)に配置された状態で径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動可能な限界位置までコイル(20)をさらに移動させることができる。その結果、絶縁部材(40)に第1開放治具(232)および第2開放治具(233)が共に配置されていない状態でコイル(20)を移動させる距離を確実に小さくすることができる。
また、上記第1実施形態では、上記のように、挿入工程(S4)において、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、径方向(R方向)の他方側(R2側)に接触位置(P4)まで移動させた後、第2開放治具(233)を絶縁部材(40)から軸方向(Z方向)に沿って退避させ、その後、コイル挿入部(220)により、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させる。このように構成すれば、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に径方向(R方向)の他方側(R2側)に接触位置(P4)まで移動させるのに続いて、コイル(20)と第1開放治具(232)との相対位置を維持したまま、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させることができる。その結果、コイル(20)のコイル(20)が移動する側(R2側)の近傍において、絶縁部材(40)を確実に開放した状態にすることができるので、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させる際に、絶縁部材(40)が開放されずに絶縁部材(40)の形状が崩れるのを効果的に防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、挿入工程(S4)において、コイル(20)が第1開放治具(232)の径方向(R方向)の一方側(R1側)に接触するように配置された状態で、コイル挿入部(220)により、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧することによって、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、ステータコア(10)に対して径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動させる。このように構成すれば、コイル挿入部(220)により、コイル(20)と第1開放治具(232)とを共に、ステータコア(10)に対して径方向(R方向)の他方側(R2側)に容易に移動させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、挿入工程(S4)において、コイル挿入部(220)によるコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を複数回に分けて行うことによって、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動させる。このように構成すれば、コイル挿入部(220)によるコイル(20)の一度の押圧によりコイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動させる移動量を小さくすることができる。その結果、コイル(20)が径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって移動する際に、コイル(20)の一部(リード線部の根元部)が、スロット(13)の軸方向(Z方向)における角部に周方向(C方向)に押し付けられることに起因して塑性変形してしまうのを防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、挿入工程(S4)において、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を行う度に、コイル挿入部(220)をコイル(20)から一旦離間させる。このように構成すれば、コイル(20)を押圧する動作を行う度に、コイル挿入部(220)によるコイル(20)の押圧を一端解除することができるので、コイル(20)の一部(リード線部の根元部)が、塑性変形してしまうのを確実に防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、上記のように、コイル挿入部(220)は、ステータコア(10)の周方向(C方向)に沿って周状に並ぶように配置された複数のコイル押圧部(220a)を含み、挿入工程(S4)において、コイル(20)を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を行う度に、複数のコイル押圧部(220a)を所定角度だけ相対回転させる。このように構成すれば、コイル挿入部(220)の径方向(R方向)における移動に伴って、複数のコイル押圧部(220a)同士の周方向(C方向)の相対位置が変化した場合でも、コイル(20)を押圧する動作を行う度に複数のコイル押圧部(220a)を所定角度だけ相対回転させることによって、複数のコイル押圧部(220a)によるコイル(20)の押圧を周方向(C方向)において均一化することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、コイル20を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を行う度に、複数のコイル押圧部220aを所定角度だけ相対回転させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コイルを径方向の他方側に向かって押圧する動作を複数回行う度に、複数のコイル押圧部を相対回転させるように構成してもよい。また、複数のコイル押圧部を相対回転させないように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、コイル20を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を行う度に、コイル挿入部220をコイル20から一旦離間させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コイルを径方向の他方側に向かって押圧する動作を複数回行う度に、コイル挿入部をコイルから一旦離間させるように構成してもよい。また、コイル挿入部をコイルから一旦離間させないように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、コイル挿入部220によるコイル20を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧する動作を複数回に分けて行うことによって、コイル20を径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コイル挿入部によるコイルを径方向の他方側に向かって押圧する動作を複数回に分けずに連続的に行うことによって、コイルを径方向の他方側に移動させるようにするように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、コイル挿入部220を、コイル20が第1開放治具232の径方向(R方向)の一方側(R1側)に接触するように配置された状態で、コイル20を径方向(R方向)の他方側(R2側)に向かって押圧することによって、コイル20と第1開放治具232とを共に、ステータコア10に対して径方向(R方向)の他方側(R2側)に移動させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コイル挿入部を、コイルが第1開放治具の径方向の一方側に接触しないように配置された状態で、コイルを径方向の他方側に向かって押圧せずに、第1開放治具とを共に、ステータコアに対して径方向の他方側に移動させるように構成してもよい。その場合、たとえば、コイル挿入部を、コイルと第1開放治具とをそれぞれ個別に押圧することによって、第1開放治具とを共に、ステータコアに対して径方向の他方側に移動させるように構成してもよいし、コイルと第1開放治具とをそれぞれ個別に引っ張ることによって、第1開放治具とを共に、ステータコアに対して径方向の他方側に移動させるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、コイル20と第1開放治具232とを共に、径方向(R方向)の他方側(R2側)に第1開放治具232が第2開放治具233に接触する接触位置P4まで移動させた状態で、第1開放治具232および第2開放治具233のうちの一方を絶縁部材40から軸方向(Z方向)に沿って退避させるとともに、第1開放治具232および第2開放治具233のうちの一方を絶縁部材40から軸方向(Z方向)に沿って退避させるとともに第1開放治具232および第2開放治具233のうちの他方を絶縁部材40に配置した状態で、コイル挿入部220により、コイル20を径方向(R方向)の他方側(R2側)にさらに移動させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コイルと第1開放治具とを共に、径方向の他方側に第1開放治具が第2開放治具に接触する接触位置よりも径方向の一方側の位置まで移動させた状態で、第1開放治具および第2開放治具のうちの一方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させるとともに、第1開放治具および第2開放治具のうちの一方を絶縁部材から軸方向に沿って退避させるとともに第1開放治具および第2開放治具のうちの他方を絶縁部材に配置した状態で、コイル挿入部により、コイルを径方向の他方側にさらに移動させるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、特許請求の範囲の「径方向の一方側」および「径方向の他方側」を、それぞれ、径方向(R方向)の内側および外側として構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、特許請求の範囲の「径方向の一方側」および「径方向の他方側」を、それぞれ、径方向の外側および内側として構成してもよい。
10 ステータコア
13 スロット
13a 開口部
20 コイル
21 スロット収容部
40 絶縁部材
40d (絶縁部材の)径方向の一方側の部分
40e (絶縁部材の)径方向の他方側の部分
100 ステータ
200、300 ステータの組立装置
220 コイル挿入部
220a コイル押圧部
232 第1開放治具
233 第2開放治具
240、340 制御部
P4 (第1開放治具が第2開放治具に接触する)接触位置

Claims (19)

  1. 径方向の一方側に開口する開口部を有するスロットを含むステータコアと、前記スロットに収容されるスロット収容部を含むコイルと、前記スロットと前記スロット収容部との間に配置された絶縁部材と、を備えるステータの組立装置であって、
    前記ステータコアの軸方向および径方向に沿って移動可能に構成され、前記スロットに配置された前記絶縁部材に、前記軸方向に沿って挿入された状態で、前記絶縁部材の前記径方向の一方側の部分を開放させる第1開放治具と、
    前記第1開放治具よりも前記径方向の他方側に配置されるとともに、前記軸方向に沿って移動可能に構成され、前記絶縁部材の前記径方向の他方側の部分を開放させる第2開放治具と、
    前記コイルが前記第1開放治具の前記径方向の一方側に配置された状態で、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記ステータコアに対して前記径方向の他方側に移動させることにより、前記スロット収容部を、前記開口部を介して前記スロットに挿入するコイル挿入部と、を備え、
    前記第1開放治具と前記第2開放治具とは、前記軸方向に沿って互いに独立して移動可能に構成されており
    前記コイル挿入部、前記第1開放治具および前記第2開放治具の動作を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記径方向の他方側に移動させた状態で、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの一方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させる制御を行うとともに、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの一方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させるとともに前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方を前記絶縁部材に配置した状態で、前記コイル挿入部により前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させる制御を行うように構成されている、ステータの組立装置。
  2. 前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの一方が前記絶縁部材に挿入された状態で、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方が前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避可能に構成されている、請求項1に記載のステータの組立装置。
  3. 記制御部は、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記径方向の他方側に前記第1開放治具が前記第2開放治具に接触する接触位置まで移動させた状態で、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの一方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させる制御を行うとともに、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの一方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させるとともに前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方を前記絶縁部材に配置した状態で、前記コイル挿入部により前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させる制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載のステータの組立装置。
  4. 前記制御部は、前記コイル挿入部により前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させた状態で、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させる制御を行うように構成されている、請求項に記載のステータの組立装置。
  5. 前記制御部は、前記コイル挿入部により前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させることによって、前記コイルが前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方に接触するとともに、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方が前記絶縁部材の前記径方向の他方側の部分に配置された状態で、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させる制御を行うように構成されている、請求項に記載のステータの組立装置。
  6. 前記制御部は、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記径方向の他方側に前記接触位置まで移動させた状態で、前記第2開放治具を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させる制御を行うとともに、前記第2開放治具を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させるとともに前記第1開放治具を前記絶縁部材に配置した状態で、前記コイル挿入部により前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させる制御を行うように構成されている、請求項のいずれか1項に記載のステータの組立装置。
  7. 前記コイル挿入部は、前記コイルが前記第1開放治具の前記径方向の一方側に接触するように配置された状態で、前記コイルを前記径方向の他方側に向かって押圧することによって、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記ステータコアに対して前記径方向の他方側に移動させるように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載のステータの組立装置。
  8. 前記コイル挿入部による前記コイルを前記径方向の他方側に向かって押圧する動作を複数回に分けて行うことによって、前記コイルを前記径方向の他方側に移動させるように構成されている、請求項に記載のステータの組立装置。
  9. 前記コイルを前記径方向の他方側に向かって押圧する動作を行う度に、前記コイル挿入部を前記コイルから一旦離間させるように構成されている、請求項に記載のステータの組立装置。
  10. 前記コイル挿入部は、前記ステータコアの周方向に沿って周状に並ぶように配置された複数のコイル押圧部を含み、
    前記コイルを前記径方向の他方側に向かって押圧する動作を行う度に、前記複数のコイル押圧部を所定角度だけ相対回転させるように構成されている、請求項に記載のステータの組立装置。
  11. 径方向の一方側に開口する開口部を有するスロットを含むステータコアと、前記スロットに収容されるスロット収容部を含むコイルと、前記スロットと前記スロット収容部との間に配置された絶縁部材と、を備えるステータの組立方法であって、
    前記絶縁部材を前記スロットに配置する配置工程と、
    前記配置工程の後、第1開放治具および第2開放治具を前記ステータコアの軸方向に沿って前記絶縁部材に挿入し、それぞれ、前記絶縁部材の前記径方向の一方側の部分および前記径方向の他方側の部分を開放させる開放工程と、
    前記開放工程の後、前記コイルが前記第1開放治具の前記径方向の一方側に配置された状態で、コイル挿入部により、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記ステータコアに対して前記径方向の他方側に移動させることにより、前記スロット収容部を、前記開口部を介して前記スロットに挿入する挿入工程と、を備え、
    前記挿入工程において、前記第1開放治具と前記第2開放治具とを、独立して段階的に、前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させ、
    前記挿入工程において、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記径方向の他方側に移動させた後、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの一方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させ、その後、前記コイル挿入部により、前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させる、ステータの組立方法。
  12. 前記挿入工程において、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記径方向の他方側に前記第1開放治具が前記第2開放治具に接触する接触位置まで移動させた後、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの一方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させ、その後、前記コイル挿入部により、前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させる、請求項1に記載のステータの組立方法。
  13. 前記挿入工程において、前記コイル挿入部により前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させた後、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させる、請求項1に記載のステータの組立方法。
  14. 前記挿入工程において、前記コイル挿入部により、前記コイルが前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方に接触するとともに、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方が前記絶縁部材の前記径方向の他方側の部分に配置された状態となるまで前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させた後、前記第1開放治具および前記第2開放治具のうちの他方を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させる、請求項1に記載のステータの組立方法。
  15. 前記挿入工程において、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記径方向の他方側に前記接触位置まで移動させた後、前記第2開放治具を前記絶縁部材から前記軸方向に沿って退避させ、その後、前記コイル挿入部により、前記コイルを前記径方向の他方側にさらに移動させる、請求項1~1のいずれか1項に記載のステータの組立方法。
  16. 前記挿入工程において、前記コイルが前記第1開放治具の前記径方向の一方側に接触するように配置された状態で、前記コイル挿入部により、前記コイルを前記径方向の他方側に向かって押圧することによって、前記コイルと前記第1開放治具とを共に、前記ステータコアに対して前記径方向の他方側に移動させる、請求項1~1のいずれか1項に記載のステータの組立方法。
  17. 前記挿入工程において、前記コイル挿入部による前記コイルを前記径方向の他方側に向かって押圧する動作を複数回に分けて行うことによって、前記コイルを前記径方向の他方側に移動させる、請求項1に記載のステータの組立方法。
  18. 前記挿入工程において、前記コイルを前記径方向の他方側に向かって押圧する動作を行う度に、前記コイル挿入部を前記コイルから一旦離間させる、請求項1に記載のステータの組立方法。
  19. 前記コイル挿入部は、前記ステータコアの周方向に沿って周状に並ぶように配置された複数のコイル押圧部を含み、
    前記挿入工程において、前記コイルを前記径方向の他方側に向かって押圧する動作を行う度に、前記複数のコイル押圧部を所定角度だけ相対回転させる、請求項1に記載のステータの組立方法。
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